JP4847402B2 - 樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 - Google Patents
樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4847402B2 JP4847402B2 JP2007166186A JP2007166186A JP4847402B2 JP 4847402 B2 JP4847402 B2 JP 4847402B2 JP 2007166186 A JP2007166186 A JP 2007166186A JP 2007166186 A JP2007166186 A JP 2007166186A JP 4847402 B2 JP4847402 B2 JP 4847402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- molded product
- resin molded
- film
- metallic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
このようにABS系樹脂等を用いた樹脂成形材料の中には、基材となるシート状の樹脂層の表面にメタリック調の外装フィルムを積層して表面の化粧仕上げを行っているものがある。
メタリック調の化粧仕上げは製品の見栄えを引き立てることができ、上記したような合成樹脂成形品にもよく使用されている。
上記樹脂層とポリカーボネートフィルムとの間に形成されるメタリック調の印刷層は、例えば、アルミ顔料インキやパール顔料インキと有色インキとを混合調色したものであり、その中には、アルミ粒子やパール粒子が混在することになる。よって、外観的に十分なメタリック感を出し得る調合では、この印刷層に混入する微小な粒子が増加するため層間強度が弱くなり、ABS系等の樹脂層とのラミネート強度が上がらないという欠点があった。すなわち、樹脂成形品に対して外部から衝撃力が加わった場合など、この印刷層で層間剥離が生じ、ポリカーボネートフィルムが剥離してしまうという問題があった。
このような、印刷層における層間剥離を防止するため、アルミ顔料インキやパール顔料インキの量を少なくすることも考えられるが、その場合、十分なメタリック感が得られなくなり、意匠的に見栄えがしなくなるという不具合を生じてしまう。
このような構成とした外装フィルムは、ABS系樹脂、ポリカーボネート樹脂、それらの混合樹脂から成る樹脂層の表面に、層間剥離を生じる虞れなく、所望の強度をもって密着状に積層させることができる。すなわち、樹脂層と外装フィルムとの層間が、同じABS系樹脂同士からなるABS樹脂フィルムとABS系樹脂、又は、ABS樹脂フィルムと密着強度の点で相性の良いポリカーボネート樹脂、の密着になるので密着強度を十分に確保することができる。
また、外装フィルムと樹脂層とは、樹脂層の成形時(押出し成形する際など)に、外装フィルムを樹脂層表面に密着状に積層することが好ましい。
このような圧着成形を実現する製造方法として、例えば、上記条件を満たすラミネート成形法やエンボス成形法をあげることができる。
このような工程の採用により、溶剤分の残存により影響を排除し、層間剥離防止に対し所定の効果を得ることができる。
よって、意匠性の高いメタリック調の外観を備えると共に、外部から衝撃力が加わっても層間剥離が生じることのない、密着強度の高い樹脂成形品の提供に寄与することができる。
図1にて示すAは、樹脂成形品を成形するためのシート状の樹脂成形品用基材であり、該基材Aは、樹脂層1の表面に、メタリック調の外装フィルムaを積層して成っている。
ABS系樹脂層1は、所望の樹脂成形品(製品)を得るために、樹脂成形品用基材Aとして必要な肉厚、例えば約1mm〜1.5mm程度のシート状、若しくは1.5mm〜5mm程度の板状になるよう押し出し成形されて成り、この押し出し成形と同時に、ABS系樹脂層1の表面に上記外装フィルムaを一体的に積層して、シート状の樹脂成形品用基材Aを得る。
また、前記した各種顔料のうち、いずれか一種を用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。本例の場合、アルミ顔料とパール顔料とを混合してABS樹脂フィルム2に混練してあり、これにより十分なメタリック感を表現できる。アルミ顔料とパール顔料の混練割合は、ABS樹脂に対して30重量%以下、好ましくは10重量%以下に設定すると、十分なメタリック感を出しつつ高い密着強度を維持することが可能となる。
加圧ロール装置Rによりフィルムをラミネート成形する際には、表面にアクリル系接着剤を塗布したABS樹脂フィルム2を、90℃〜100℃に加熱した誘導用ロール10aを通過させて、塗布したアクリル系接着剤の溶剤分を揮発させる。またこれと同時に、ポリカーボネートフィルム4を、40〜50℃に加熱した誘導用ロール10bに通過させて加熱する。その後、両フィルム2,4は、誘導用ロール10a,10bに沿わせつつ、大径なドラム11の外周に巻き付ける形で導入する。
次いで、両フィルム2,4は、130℃に加熱した剥離用ロール12と120℃に加熱したロール13とを折り返す形で通過させ、その後、エンボスロール14とゴムロール15との間を通過させて強く圧着し、同時に一体化した両フィルム2,4にシボ加工を施す。両フィルム2,4を圧着する際の圧力は2.5Mpaに設定すると特に良い結果が得られる。
尚、本例ではラミネートした後の両フィルム2,4をエンボスロール14とゴムロール15にて圧着してシボ加工を施したが、ラミネートした後の両フィルム2,4は外周を鏡面仕上げしたロール間で圧着して鏡面仕上げしても良い。
以下、より具体的な例を用いて本発明を説明する。
本例にて使用可能な試材の具体例は例えば以下の通りである。
ポリカーボネート樹脂フィルムとして、帝人化成社製のパントライトフィルム、三菱エンジニアリングプラスチックス社製のユーピロン・フィルムを用いることができる。
ABS樹脂フィルム(厚み:0.2〜0.3mm)は、一般ABSとして、日本A&L社製のクララスチックK−2540A,S3717L,K−1163,サンタックET−70、東レ社製のトヨラック300,600、UMGABS社製のブレンデックス201、テクノポリマー社製のテクノABS150,170等を用いることができる。
また、ナイロンとABSの混合系(ポリマーアロイ)、例えば、東レ社製のトヨラック SX01などを用いることができる。
(配合例)
・ABS樹脂(一般ABS,透明ABS,耐熱ABS,難燃ABS、アロイ(共重合)ABS等):100重量部
・メタリック顔料,パール顔料:1〜20重量部
・その他の顔料:0〜20重量部
・モディファイヤー(MBS,ポリカ,ナイロン,EVA,PVC樹脂等):10〜50重量部
・加工助剤(三菱レイヨン社製メタブレンPシリーズ,カネカ社製カネエースPAシリーズ、これらと同等品や類似品等):0〜10重量部
・安定剤,滑剤,その他(金属石ケン,エステル系滑剤,HALS,UVA,酸化防止剤,シリカ等):1〜5重量部
接着剤(塗布量:3〜5μ厚/dry)は、アクリル系接着剤としての溶剤型熱可塑性アクリルレジン:三菱レイヨン社製のダイヤナールLR−269を用いた。
上記した各種材料を適宜選択して構成した本発明に係る樹脂成形品用基材は、全ての層間において十分な密着強度を確保することができた。その密着強度試験の評価方法と結果を以下に示す。尚、当該試験に使用した接着剤はアクリル系接着剤の他に、比較例として前記塩酢ビアクリル系接着剤とアクリルウレタン系接着剤を使用した。その結果も表記した。
ABS樹脂フィルムとして、表1記載の配合で作製したフィルムを用いた。
アクリル系接着剤として、前述のダイヤナールLR−269を用いた。
ポリカーボネートフィルムとして、前述のユーピロン・フィルムFEBを用いた。
評価方法は、180度ピーリング試験における剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
樹脂:塩酢ビ樹脂、アクリル樹脂、又はそれらの混合樹脂
顔料:アルミニウム、パール、有機系など
溶剤:MEK,MIBK,酢酸ブチル,酢酸エチルなど
希釈溶剤:MEK,MIBK,酢酸エチルなど
また、アルミ顔料インキ,パール顔料インキ,有色顔料インキを混合調色して、目的の色調に合わせる。
a:外装フィルム
1:樹脂層(ABS系樹脂層)
2:ABS樹脂フィルム
3:アクリル系接着剤層
4:ポリカーボネートフィルム
R:加圧ロール装置
Claims (8)
- メタリック顔料を含有したABS樹脂フィルムの表面に、アクリル系接着剤を介してポリカーボネートフィルムを積層してなることを特徴とする樹脂成形品用外装フィルム。
- 上記メタリック顔料に含まれるメタリック粒子の粒径が10〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品用外装フィルム。
- 上記アクリル系接着剤にメタリック粒子を含有したことを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂成形品用外装フィルム。
- 上記メタリック顔料は、アルミ顔料、パール顔料、銅顔料のうちのいずれか一種又は二種以上からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の樹脂成形品用外装フィルム。
- ABS系樹脂又はポリカーボネート樹脂又はそれらの混合樹脂から成る樹脂層の表面に積層され、メタリック調の外観を呈する化粧層として用いられる請求項1乃至4のいずれか記載の樹脂成形品用外装フィルム。
- 請求項1乃至5のいずれか記載の外装フィルムを、ABS系樹脂又はポリカーボネート樹脂又はそれらの混合樹脂から成る樹脂層の表面に積層して成る樹脂成形品用基材。
- 請求項6記載の樹脂成形品用基材を用いてなるメタリック調の外観を呈する樹脂成形品。
- 請求項1乃至5のいずれか記載の樹脂成形品用外装フィルムの製造方法であって、
アクリル系接着剤を塗布したABS樹脂フィルムを、加熱により前記アクリル系接着剤の溶剤分を揮発させた後、加熱ロール間にてポリカーボネートフィルムと積層して圧着成形することを特徴とする樹脂成形品用外装フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007166186A JP4847402B2 (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007166186A JP4847402B2 (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009000963A JP2009000963A (ja) | 2009-01-08 |
JP4847402B2 true JP4847402B2 (ja) | 2011-12-28 |
Family
ID=40317882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007166186A Expired - Fee Related JP4847402B2 (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4847402B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190135067A (ko) * | 2018-05-28 | 2019-12-06 | 현대자동차주식회사 | 필름 및 이의 제조방법 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02263644A (ja) * | 1989-04-03 | 1990-10-26 | Toyo Alum Kk | 成形用シート |
JPH0867857A (ja) * | 1994-08-31 | 1996-03-12 | Kuramoto Sangyo:Kk | Abs樹脂製被着体用感圧接着シート |
JP3667135B2 (ja) * | 1999-02-15 | 2005-07-06 | キヤノン株式会社 | 積層体 |
JP2007118350A (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-17 | Dainippon Ink & Chem Inc | 成形用積層シート |
-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007166186A patent/JP4847402B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009000963A (ja) | 2009-01-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6835500B2 (ja) | 加飾フィルム及びそれを貼り付けた物品 | |
JP3929082B2 (ja) | 化粧シートおよびその製造方法 | |
CN107206726A (zh) | 装饰性膜以及与其整合的制品 | |
CN109321033B (zh) | 油墨组合物及利用其的室内装饰薄膜 | |
JP2007118350A (ja) | 成形用積層シート | |
JP2013193298A (ja) | 転写箔および装飾成形品 | |
JP2017177539A (ja) | 加飾シート及び加飾樹脂成形品 | |
JP6152066B2 (ja) | 光輝性シートおよびその製造方法、並びにこれを用いた積層成形品の製造方法 | |
JP2008087303A (ja) | インサート成形用加飾シート | |
JP4847402B2 (ja) | 樹脂成形品用外装フィルム及びその製造方法、並びに、その外装フィルムを用いてなる樹脂成形品用基材、樹脂成形品 | |
JP2002292798A (ja) | 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法 | |
JP6745189B2 (ja) | 合成樹脂成形体の製造方法 | |
JP5359375B2 (ja) | 成型用樹脂積層体 | |
JP2004050777A (ja) | 化粧シート | |
KR101469199B1 (ko) | 입체 라벨 및 그 제조방법 | |
JP3998957B2 (ja) | 射出成形同時加飾用シート及び加飾成形品 | |
JP2008110532A (ja) | 化粧シート及び化粧材 | |
JP4941041B2 (ja) | インサート成形用加飾シート及びそれを用いたインサート成形品の製造方法 | |
JP2004249526A (ja) | 化粧シート | |
JP2000343649A (ja) | 化粧シート | |
JP2002187238A (ja) | 光輝性積層シート | |
JP2015214031A (ja) | 転写フィルムおよび装飾成形品 | |
WO2003024710A1 (fr) | Stratifie presentant un brillant metallique et colore, et son procede de production | |
JP2018089873A (ja) | 化粧シート及び化粧板 | |
JP5063446B2 (ja) | 光輝性積層樹脂フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100622 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110908 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110920 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111013 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4847402 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |