JP4847380B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータの駆動により制動力を発生する電動ブレーキ装置の技術分野に属する。
従来、ブラシレスDCモータの駆動装置としては、回転速度の低速側と高速側で制御方式を切り替えてモータを駆動し、直流電流値に異常が生じた場合には、直ちにインバータの駆動を停止するものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−184884号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、異常発生時は直ちにモータを停止しているため、電動ブレーキ装置に適用した場合、電流異常等の発生により直ちにモータが停止し、制動能力を維持できないという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、電動モータに異常が発生した場合であっても、可能な範囲で制動力を確保でき、制動能力の維持を図ることができる電動ブレーキ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、車両に制動力を発生させるアクチュエータとしての電動モータと、前記電動モータの各相に矩形波の電圧を印加する矩形波駆動手段と、前記電動モータの相電流が正弦波状となるように電圧を印可する正弦波駆動手段と、制動力要求に応じて、前記電動モータを駆動する駆動手段を前記矩形波駆動手段と前記正弦波駆動手段とで切り替える駆動手段切り替え手段と、を有する電動ブレーキ装置において、前記電動モータに異常が発生しているか否かを判断する異常判断手段と、前記電動モータに異常が発生していると判断された場合、前記矩形波駆動手段による電動モータの駆動を禁止する禁止手段と、を備え、前記異常判断手段は、前記電動モータに係る状態検出値の少なくとも1つが正常範囲外である状態が異常判断時間継続した場合、電動モータに異常が発生していると判断し、前記状態検出値と正常範囲境界値との偏差が大きくなるほど前記異常判断時間を短くすることを特徴とする。
ここで、「電動モータの異常」とは、電源電流値、3相電流値、トルク電流値、励磁電流値等、「矩形波駆動の動作異常」の他に、電源電圧値、電子制御装置の温度、電動モータの温度等、「電動ブレーキ装置の動作環境異常」を含む。
よって、本発明では、電動モータに異常が発生した場合、制動力要求にかかわらず、矩形波駆動が禁止され、正弦波駆動により電動モータが駆動される。すなわち、正弦波駆動は、矩形波駆動と比較して電動モータに付与する駆動電圧が低いため、状況の悪化を最小限に抑えて電動モータを駆動することができる。この結果、電動モータに異常が発生した場合であっても、可能な範囲で制動力を確保でき、制動能力の維持を図ることができる。
以下、本発明の電動ブレーキ装置を実現するための最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[システム構成]
図1は、実施例1の電動ブレーキ装置を適用した4輪ブレーキワイヤシステムのシステム構成図である。
第1,第2液圧ユニット(油圧制御装置)HU1,HU2は、メインECU(演算制御装置)300からの指令に基づき第1,第2サブECU100,200により駆動される。ブレーキペダルBPはマスタシリンダM/Cと接続するストロークシミュレータS/Simにより反力を付与される。
第1,第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ油路A1,A2によりマスタシリンダM/Cと接続し、油路B1,B2によりリザーバRSVと接続する。油路A1,A2には第1,第2M/C圧センサM/C/Sen1,M/C/Sen2が設けられている。
また、第1,第2液圧ユニットHU1,HU2は、それぞれポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を備え(図2参照)、それぞれ独立して液圧を発生させる油圧アクチュエータである。第1液圧ユニットHU1はFL,RR輪の液圧制御を行い、第2液圧ユニットHU2はFR,RL輪の液圧制御を行う。
すなわち、2つの液圧源であるポンプP1,P2によって、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)を直接増圧する。アキュムレータを用いずに直接ポンプP1,P2によってホイルシリンダW/Cを増圧するため、故障時にアキュムレータ内の油が油路内にリークすることがない。また、ポンプP1はFL,RR輪、ポンプP2はFR,RL輪を増圧することにより、いわゆるX配管を構成する。
第1,第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ別体に設けられている。別体とすることで、一方の液圧ユニットにリークが発生した場合であっても、他方のユニットにより制動力を確保するものである。なお、第1,第2液圧ユニットHU1,HU2を一体に設け、電気回路構成を1箇所に集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することとしてもよく、特に限定しない。
メインECU300は各第1,第2液圧ユニットHU1,HU2が発生する目標液圧P*fl〜P*rrを演算する上位ECUである。このメインECU300は第1,第2電源BATT1,BATT2に接続してBATT1,BATT2のいずれかが正常であれば作動するよう設けられ、イグニッション信号IGNにより、またはCAN3により接続する他のCU1〜CU6からの起動要求により起動する。
メインECU300には第1,第2ストロークセンサS/Sen1,S/Sen2からストローク信号S1,S2、第1,第2M/C圧センサM/C/Sen1,M/C/Sen2からM/C圧Pm1,Pm2が入力される。
また、メインECU300には車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後加速度Gも入力される。さらに、リザーバRSVに設けられた液量センサL/Senの検出値が入力され、ポンプ駆動によるブレーキバイワイヤ制御を実行可能であるかが判断される。また、ストップランプスイッチSTP.SWからの信号により、ストローク信号S1,S2およびM/C圧Pm1,Pm2によらずブレーキペダルBPの操作を検出する。
このメインECU300内には演算を行う2つの第1,第2CPU310,320が設けられている。第1,第2CPU310,320は、それぞれ第1,第2サブECU100,200とCAN通信線CAN1,CAN2によって接続され、第1,第2サブECU100,200を介して第1,第2CPU310,320にポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実液圧Pfl〜Prrが入力される。このCAN通信線CAN1,CAN2は相互に接続されるとともに、バックアップ用に2重系が組まれている。
入力されたストローク信号S1,S2、M/C圧Pm1,Pm2、実液圧Pfl〜Prrに基づき、第1,第2CPU310,320は目標液圧P*fl〜P*rrを演算し、CAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200へ出力する。
なお、第1CPU310において第1,第2液圧ユニットHU1,HU2の目標液圧P*fl〜P*rrをまとめて演算し、第2CPU320は第1CPU310のバックアップ用としてもよく特に限定しない。
また、メインECU300はこのCAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200の起動を行う。第1,第2サブECU100,200をそれぞれ独立して起動する信号を発するが、1つの信号で各サブECU100,200を同時に起動することとしてもよく特に限定しない。またイグニッションスイッチIGNにより起動することとしてもよい。
ABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には、車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後加速度Gも合わせて取り込んで目標液圧P*fl〜P*rrの制御を行う。VDC制御中にはブザーBUZZにより運転者に警告を発する。また、VDCスイッチVDC.SWにより制御のON/OFFを運転者の意思により切り替え可能となっている。
また、メインECU300はCAN通信線CAN3により他のコントロールユニットCU1〜CU6と接続し、協調制御を行う。回生ブレーキコントロールユニットCU1は制動力を回生して電力に変換し、レーダーコントロールユニットCU2は車間距離制御を行う。また、EPSコントロールユニットCU3は電動パワーステアリング装置のコントロールユニットである。
ECMコントロールユニットCU4はエンジンのコントロールユニット、ATコントロールユニットCU5は自動変速機のコントロールユニットである。さらに、メータコントロールユニットCU6は各メータを制御する。メインECU300に入力された車輪速VSPは、CAN通信線CAN3を介してECMコントロールユニットCU4、ATコントロールユニットCU5、メータコントロールユニットCU6へ出力される。
各ECU100,200,300の電源は第1,第2電源BBATT1,BATT2である。第1電源BATT1はメインECU300および第1サブECU100に接続し、第2電源BATT2はメインECU300および第2サブECU200に接続する。
第1,第2サブECU100,200はそれぞれ第1,第2液圧ユニットHU1,HU2と一体に設けられる。なお、車両レイアウトに合わせ別体としてもよい。この第1,第2サブECU100,200には、メインECU300から出力された目標液圧P*fl〜P*rrおよび第1,第2液圧ユニットHU1,HU2からそれぞれポンプP1,P2の吐出圧Pp1,Pp2、各実液圧Pfl,PrrおよびPfr,Prlが入力される。
第1,第2サブECU100,200は、入力されたポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実液圧Pfl〜Prrに基づき、目標液圧P*fl〜P*rrを実現するよう各第1,第2液圧ユニットHU1,HU2内のポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を駆動して液圧制御を行う。なお、第1,第2サブECU100,200は各第1,第2液圧ユニットHU1,HU2と別体であってもよい。
この第1,第2サブECU100,200は、一旦目標液圧P*fl〜P*rrが入力されると、新たな目標値が入力されるまでは前回入力値に収束するよう制御するサーボ制御系を構成している。
また、第1,第2サブECU100,200により電源BATT1,BATT2からの電力が第1,第2液圧ユニットHU1,HU2のバルブ駆動電流I1,I2およびモータ駆動電圧V1,V2に変換され、リレーRY11,12およびRY21,22を介して第1,第2液圧ユニットHU1,HU2へ出力される。
ストロークシミュレータS/SimはマスタシリンダM/Cに内蔵され、ブレーキペダルBPの反力を発生させる。また、マスタシリンダM/CにはマスタシリンダM/CとストロークシミュレータS/Simとの連通/遮断を切り替える切り替え弁Can/Vが設けられている。
この切り替え弁Can/VはメインECU300により開弁/閉弁され、ブレーキバイワイヤ制御終了時やサブECU100,200の失陥時に速やかにマニュアルブレーキに移行可能となっている。また、マスタシリンダM/Cには第1,第2ストロークセンサS/Sen1,S/Sen2が設けられている。ブレーキペダルBPのストローク信号S1,S2がメインECU300に出力される。
[液圧ユニット]
図2は、油圧制御装置である液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。第1液圧ユニットHU1にはシャットオフバルブS.OFF/V、FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)の各電磁弁、およびポンプP1、モータM1が設けられている。前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるよう、各バルブの開度等が予め設定されている。
ポンプP1の吐出側油路F1は油路C1(FL,RR)を介してそれぞれFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)と接続し、吸入側油路H1は油路B1を介してリザーバRSVと接続する。油路C1(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,RR)を介して油路B1と接続する。
また、油路C1(FL)と油路E1(FL)の接続点I1は油路A1を介してマスタシリンダM/Cと接続する。さらに、油路C1(FL,RR)の接続点J1は油路G1を介して油路B1と接続する。
シャットオフバルブS.OFF/Vは常開電磁弁であり、油路A1上に設けられてマスタシリンダM/Cと接続点I1との連通/遮断を行う。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)はそれぞれ油路C1(FL,RR)上に設けられた常開比例弁であり、ポンプP1の吐出圧を比例制御してFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に供給する。また、油路C1(FL,RR)上にポンプP1側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,RR)が設けられている。
FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,FR)上に設けられている。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉比例弁であるが、RR輪アウトバルブOUT/V(RR)は常開比例弁となっている。また、油路G1上にはリリーフバルブRef/Vが設けられている。
第1液圧ユニットHU1とマスタシリンダM/Cとの間の油路A1には第1M/C圧センサM/C/Sen1が設けられ、第1M/C圧Pm1をメインECU300へ出力する。また液圧ユニットHU1内であって油路C1(FL,FR)上にはFL,RR輪液圧センサW/C/Sen(FL,RR)が設けられ、ポンプP1の吐出側油路F1にはポンプ吐出圧センサP1/Senが設けられてそれぞれの検出値Pfl,PrrおよびPp1を第1サブECU100へ出力する。
次に、実施例1の4輪ブレーキワイヤシステムの各動作モードについて説明する。
(増圧モード)
増圧モードでは、シャットオフバルブS.OFF/Vを閉弁、インバルブIN/V(FL,RR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を閉弁し、モータMを駆動する。モータM1によりポンプP1が駆動されて吐出圧が油路F1を介して油路C1(FL,FR)に供給され、インバルブIN/V(FL,RR)により液圧制御を行ってFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に導入し、増圧を行う。
(減圧モード)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を開弁して液圧をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持モード)
保持モードでは、インバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)を全て閉弁し、液圧を保持する。
(マニュアルブレーキ)
システム失陥時等、マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,RR)が閉弁される。したがってマスタシリンダ圧PmはRR輪ホイルシリンダW/C(RR)には供給されない。
一方、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉であるため、マニュアル時には閉弁されてFL輪ホイルシリンダW/C(FL)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。よって、運転者のペダル踏力によって増圧したマスタシリンダ圧PmをFL輪ホイルシリンダW/C(FL)に作用させ、マニュアルブレーキを確保する。
なお、マニュアルブレーキをRR輪にも作用させてもよいが、FL輪に加えRR輪の液圧をペダル踏力により増圧する場合、運転者に与える踏力負荷が高くなり過ぎて現実的ではない。したがって本願実施例では、第1液圧ユニットHU1においては制動力の大きいFL輪にのみマニュアルブレーキを作用させることとする。
このためRR輪アウトバルブは常開とされ、システム失陥時に速やかにRR輪ホイルシリンダW/C(RR)の残圧を排出させてRR輪のロックを回避することとする。
第2液圧ユニットHU2についても、回路構成および制御は同一である。第1液圧ユニットHU1と同様、FR輪アウトバルブOUT/V(FR)は常閉、RL輪アウトバルブOUT/V(RL)は常開とされてマニュアルブレーキはFR輪にのみ作用する。
次に、演算制御装置であるメインECU300の構成について説明する。
図3は、メインECU300の内部構成を示す図であって、メインECU300は、例えば、エンジンルーム内に配置されている。このメインECU300は、データ信号線を介して4輪ブレーキワイヤシステムの状態、例えばブレーキ液圧の現在値や動作モード現在値の情報等をCAN通信1により受信する。
このように4輪ブレーキワイヤシステムの状態を監視しながら、ペダル操作量または車両挙動制御処理の結果として得られる制動力目標値に応じた適切な制御信号をCPU2によって演算し、データ信号線を介して制御信号をアクチュエータ制御装置3に送信し、ブレーキワイヤシステムを適切に動作させる。また、システム失陥時には、フェールセーフ等の制御も行う。
なお、以下の説明では、メインECU300を単にECUと称する。
図4は、ECUにおける制動制御処理の制御ブロック図である。
運転者によるペダル操作量4および車両挙動制御処理の結果として得られる制動量操作量5を、4輪ブレーキワイヤシステムへの要求制動力と回生制動力6とに分配する(制動力分配部7)。ここで、4輪ブレーキワイヤシステムへの要求が急制動か否かを判断する。制動力要求値に対して実制動力が一致するように液圧サーボ処理部8およびモータ制御処理部9で処理を行い、その結果に従って図2に示した油圧制御装置(液圧ユニットHU1,HU2)が動作することでホイルシリンダW/C(FL〜RR)にブレーキ液圧が発生する。このブレーキ液圧によってブレーキパッドで各ディスクロータを挟むように押圧することで車両10に制動力を発生させる。
図5は、メインモータMain/M(以下、単にモータMと称す。)に印可する電圧を制御するインバータ回路11の構成を示す図である。このインバータ回路は、6つのFET(電界効果トランジスタ)11a〜11fと、6つの還流用ダイオード11g〜11lから構成され、アクチュエータ制御装置3の出力に応じてバッテリ電圧EdをモータMに供給する。なお、モータMには、モータ回転子の回転角度を検出する磁極位置検出器12が設けられている。また、インバータ回路11には、モータMに供給される電流を検出する電流センサ13a〜13cと、電源電流値を検出する電流センサ13dと、電源電圧値を検出する電圧センサ14と、が設けられている。
[モータ駆動制御処理]
図6は、実施例1のECUで実行されるモータ駆動制御処理(駆動手段切り替え手段)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、モータMが矩形波駆動されているか否かを判定する。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
ステップS2では、矩形波駆動が選択されている場合の異常判断による駆動手段選択処理を実行し、ステップS3へ移行する。矩形波駆動が選択されている場合の異常判断による駆動手段選択処理については後述する。
ステップS3では、ステップS2で異常判断がなされなかったか否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する(禁止手段)。
ステップS4では、矩形波駆動が選択されている場合の駆動指令による駆動手段選択処理を実行し、ステップS5へ移行する。駆動指令による駆動手段選択処理について後述する。
ステップS5では、ステップS4で矩形波駆動要求がなされたか否かを判定する。YESの場合にはステップS6へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS6では、後述する矩形波電圧出力処理を実行し、本制御を終了する。
ステップS7では、後述する正弦波指令電圧演算処理を実行し、ステップS13へ移行する。
ステップS8では、後述する矩形波指令電圧演算処理を実行し、ステップS6へ移行する。
ステップS9では、正弦波駆動が選択されている場合の異常判断による駆動手段選択処理を実行し、ステップS10へ移行する。正弦波駆動が選択されている場合の異常判断による駆動手段選択処理については後述する。
ステップS10では、ステップS9で異常判断がなされなかったか否かを判定する。YESの場合にはステップS11へ移行し、NOの場合にはステップS14へ移行する(禁止手段)。
ステップS11では、正弦波駆動が選択されている場合の駆動指令による駆動手段選択処理を実行し、ステップS12へ移行する。駆動指令による駆動手段選択処理については後述する。
ステップS12では、ステップS11で正弦波駆動要求がなされたか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。
ステップS13では、後述する正弦波電圧出力処理を実行し、本制御を終了する。
ステップS14では、後述するバックアップ制御処理を実行し、本制御を終了する。
[矩形波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理]
図7は、ステップS4の矩形波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS201では、バッテリ電圧値Edを読み込み、ステップS202へ移行する。
ステップS202では、モータトルク指令値T*を読み込み、ステップS203へ移行する。
ステップS203では、モータ回転子位置θeを読み込み、ステップS204へ移行する。
ステップS204では、モータ回転速度ωeを読み込み、ステップS205へ移行する。
ステップS205では、急制動要求の有無を表す急制動要求フラグを読み込み、ステップS206へ移行する。
ステップS206では、後述する電流制御指令演算処理を実行し、ステップS207へ移行する。
ステップS207では、急制動要求フラグの有無に基づいて、急制動要求時であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS208へ移行し、NOの場合にはステップS216へ移行する。
ステップS208では、後述する矩形波指令電圧演算処理を実行し、ステップS209へ移行する。
ステップS209では、下記の式に基づいて、矩形波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsqu*||を演算し、ステップS210へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS210では、ステップS209で演算した矩形波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsqu*||が正弦波電圧閾値よりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS211へ移行し、NOの場合にはステップS214へ移行する。ここで、正弦波電圧閾値は、電源電圧値Edから下記の式で求められる正弦波駆動制御での出力可能電圧Vsin_maxよりも僅かに小さな値とすることで、正弦波駆動移行後に電圧飽和によってトルクが減少することを回避することができる。ただし、下記の式に示されるVsin_maxは、||Vdqsqu*||と比較するために、座標変換による絶対変換係数が含まれている。また、Tsinは、正弦波駆動で印加する電圧基本周期に対して十分に短い必要がある。
Figure 0004847380
ただし、Tsinは正弦波駆動制御一周期、Td_sinは正弦波駆動手段におけるデッドタイムである。ここで、「デッドタイム」とは、インバータ回路11を構成する上流と下流の半導体スイッチを共にオフする期間をいう。
ステップS211では、電源電圧値Edおよびモータトルク指令値T*から、図8に示すマップを用いて、正弦波駆動手段から矩形波駆動手段に切り替える際の駆動手段切り替え速度ωchを演算し、ステップS212へ移行する。図8のマップにおいて、駆動手段切り替え速度ωchは、電源電圧値Edが低いほど小さくなるように、また、モータトルク指令値T*が大きいほど小さくなるように設定されている。
ステップS212では、モータ回転速度ωeが駆動手段切り替え速度ωchよりも大きいか否かを判断する。YESの場合にはステップS213へ移行し、NOの場合にはステップS215へ移行する。
ステップS213では、矩形波駆動を要求し、本制御を終了する。
ステップS214では、矩形波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsqu*||が正弦波電圧閾値よりも小さいという判断の継続時間が所定時間以内であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS211へ移行し、NOの場合にはステップS216へ移行する。
ステップS215では、モータ回転速度ωeが駆動手段切り替え速度ωchよりも低速であるという判断の継続時間が所定時間以内であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS213へ移行し、NOの場合にはステップS216へ移行する。
ステップS216では、正弦波駆動を要求し、本制御を終了する。
(電流制御指令演算処理)
図9は、ステップS206の電流制御指令演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS2061では、モータトルク指令値T*を読み込み、ステップS2062へ移行する。
ステップS2062では、液圧サーボ処理部8で求められるモータトルク指令値T*から下記の式の演算によって指令トルク電流Iq*を算出し、ステップS2063へ移行する。具体的には、ベクトル変換されたトルク電流と出力されるモータトルクは、ステータコアの磁気飽和が発生しない領域で使用される場合には比例関係にあるので、式内のGqはモータ固有の定数となる。
Iq*=T*×Gq
ここで、指令トルク電流Iq*の符号について、正であればCW方向、負であればCCW方向側にトルクを出力する。実施例1では加圧側のトルク指令値T*が正の時に正(CW)方向に回転すると考えるが、ポンプの回転方向の都合上、モータトルク指令値T*とは符号が一致しない例も考えられる。そのような場合には定数Gqにて符号を反転させる。
ステップS2063では、指令励磁電流Id*を設定し、本制御を終了する。一般的にはゼロとすることが多く、実施例1でもId*=0と設定する。
(矩形波指令電圧演算処理)
図10は、ステップS8およびステップS208の矩形波指令電圧演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS2081では、下記の式に従って、指令モータ電流(Id*,Iq*)を満足するための矩形波指令トルク電圧Vqsqu*を算出し、ステップS2082へ移行する。
Vqsqu=ωe(LdId*+Φ)
ただし、ωeは電気角速度[rad/sec]、Ld,Lqは軸インダクタンス[H]、Φは永久磁石鎖交磁束数[Wb]である。
ステップS2082では、下記の式に従って、指令モータ電流(Id*,Iq*)を満足するための矩形波指令励磁電圧Vdsqu*を算出し、本制御を終了する。
Vdsqu*=−ωeLqIq*
[矩形波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理]
図11は、ステップS2の矩形波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理(異常判断手段)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS301では、電源電圧値(バッテリ電圧)Edを読み込み、ステップS302へ移行する。
ステップS302では、ECU温度を読み込み、ステップS303へ移行する。
ステップS303では、モータ温度を読み込み、ステップS304へ移行する。
ステップS304では、電源電流値を読み込み、ステップS305へ移行する。
ステップS305では、3相電流値Iu,Iv,Iwを読み込み、ステップS306へ移行する。
ステップS306では、回転子位置θeを読み込み、ステップS307へ移行する。
ステップS307では、後述する座標変換処理を実行し、ステップS308へ移行する。
ステップS308では、ステップS301で読み込んだ電源電圧値Edに基づいて、後述する電源電圧異常判断処理を実行し、ステップS309へ移行する。
ステップS309では、ステップS302で読み込んだECU温度に基づいて、後述するECU温度異常判断処理を実行し、ステップS310へ移行する。
ステップS310では、ステップS303で読み込んだモータ温度に基づいて、後述するモータ温度異常判断処理を実行し、ステップS311へ移行する。
ステップS311では、ステップS304で読み込んだ電源電流値に基づいて、後述する電源電流異常判断処理を実行し、ステップS312へ移行する。
ステップS312では、ステップS305で読み込んだ3相電流値Iu,Iv,Iwに基づいて、後述する3相電流異常判断処理を実行し、ステップS313へ移行する。
ステップS313では、モータMの実トルク電流Iqに基づいて、後述するトルク電流異常判断処理を実行し、ステップS314へ移行する。
ステップS314では、モータMの実励磁電流Idに基づいて、後述する励磁電流異常判断処理を実行し、本制御を終了する。
(座標変換処理)
図12は、ステップS307の座標変換処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS3071では、モータMの磁極位置を検出する磁極位置検出器12より信号を受け取り、u相を基準としてCW方向に設定した電気角(モータ回転子位置)θeを演算し、ステップS3072へ移行する。すなわち、磁場の位置に合わせて座標変換を行うため、磁極位置を検出する処理が必要となる。なお、実施例1では、位置信号が電気角θeとなる磁極位置検出器12を用いている。
ステップS3072では、モータMの各相に流れている実電流の大きさ(Iu,Iv,Iw)を電流センサ13a〜13cより読み取り、ステップS3073へ移行する。
ステップS3073では、ステップS3072で読み込んだ電流値に対して座標変換を行い、ステップS3074へ移行する。具体的には、下記の式を用いて3相交流電流(Iu,Iv,Iw)を2相交流電流(Iα,Iiβ)に変換する。
Figure 0004847380
ステップS3074では、ステップS3073で求めた2相交流電流(Iα,Iiβ)と、ステップS3071で求めた電気角θeより、下記の式を用いて2軸直流電流(実トルク電流Iq,実励磁電流Id)に変換し、本制御を終了する。
Figure 0004847380
(電源電圧異常判断処理)
図13は、ステップS308の電源電圧異常判断処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS3081では、電源電圧値Edが正常範囲内を表す閾値以上であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3082へ移行し、NOの場合にはステップS3085へ移行する。
ステップS3082では、電源電圧値Edが閾値以上であるとの判断時間が所定時間内であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3081へ移行し、NOの場合にはステップS3083へ移行する。
ステップS3083では、電源電圧値Edと閾値との差の積分値をクリアし、ステップS3084へ移行する。
ステップS3084では、異常なしと判定し、本制御を終了する。
ステップS3085では、電源電圧値Edと閾値との差を積分し、ステップS3086へ移行する。
ステップS3086では、電源電圧値Edと閾値との差の積分値が積分閾値以下であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3084へ移行し、NOの場合にはステップS3087へ移行する。
ステップS3087では、正弦波駆動での指令トルク電流リミッタを電源電圧値Edの低下と共に減少させ、ステップS3088へ移行する。このステップでは、図16に示すようなマップを参照し、同様の結果をもたらす演算処理を行っても良い。
ステップS3088では、異常ありと判定し、本制御を終了する。
(ECU温度異常判断処理)
図14は、ステップS309のECU温度異常判断処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、図13に示したフローチャートにおいて、電源電圧値EdをECU温度に置き換えて同様の処理を行うものであるため、説明を省略する。
(モータ温度異常判断処理)
図15は、ステップS310のモータ温度異常判断処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、図13に示したフローチャートにおいて、電源電圧値Edをモータ温度に置き換えて同様の処理を行うものであるため、説明を省略する。
(電源電流異常判断処理)
図17は、ステップS311の電源電流異常判断処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS3111では、電源電流値が正常範囲内にあるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3112へ移行し、NOの場合にはステップS3115へ移行する。
ステップS3112では、電源電流値が正常範囲内にあるとの判断時間が所定時間以内であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3111へ移行し、NOの場合にはステップS3113へ移行する。
ステップS3113では、電源電流値と電源電流閾値との差の積分値をクリアし、ステップS3114へ移行する。
ステップS3114では、異常なしと判定し、本制御を終了する。
ステップS3115では、電源電流値と電源電流閾値との差を時間積分し、ステップS3116へ移行する。
ステップS3116では、電源電圧異常判断の積分閾値(ステップS3086)を減少させ、ステップS3117へ移行する。
ステップS3117では、ECU温度異常判断の積分閾値(ステップS3096)を減少させ、ステップS3118へ移行する。
ステップS3118では、モータ温度異常判断の積分閾値(ステップS3106)を減少させ、ステップS3119へ移行する。
ステップS3119では、電源電流値と電源電流閾値との差の積分値が積分閾値以下であるか否かを判断する。YESの場合にはステップS3114へ移行し、NOの場合にはステップS3120へ移行する。
ステップS3120では、異常ありと判定し、本制御を終了する。
(3相電流異常判断処理)
図18は、ステップS312の3相電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、図17に示したフローチャートにおいて、電源電流を3相電流値Iu,Iv,Iwに置き換えて同様の処理を行うものであるため、説明を省略する。
(トルク電流異常判断処理)
図19は、ステップS313のトルク電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、図17に示したフローチャートにおいて、電源電流を実トルク電流Iqに置き換えて同様の処理を行うものであるため、説明を省略する。
(励磁電流異常判断処理)
図20は、ステップS314の励磁電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、図17に示したフローチャートにおいて、電源電流を実励磁電流Idに置き換えて同様の処理を行うものであるため、説明を省略する。
[正弦波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理]
ステップS9の正弦波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理(異常判断手段)も、図11に示した矩形波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理と同様の流れとなるが、判断閾値および判断時間も異ならせる。すなわち、正弦波駆動は矩形波駆動と比較して、電流(モータ出力)の制御性に優れているため、正常動作中と判断する範囲は狭くて良い。よって、異常と判断するのに要する時間は、矩形波駆動の場合よりも短く設定する。
[正弦波指令電圧演算処理]
図21では、ステップS7の正弦波指令電圧演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS601では、図12に示した3相交流の座標系(U,V,W)を2軸直流の座標系(q,d)に変換する座標変換処理を実行し、ステップS602へ移行する。
ステップS602では、後述する電流PI制御処理を実行し、本制御を終了する。
(電流PI制御処理)
図22は、ステップS602の電流PI制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS6021では、指令トルク電流Iq*と実トルク電流Iqとの偏差であるトルク電流偏差量Δiqを求め、ステップS6022へ移行する。
Δiq=Iq*−Iq
ステップS6022では、トルク電流偏差量ΔiqからPI制御によって出力する制御量(指令トルク電圧Vq*)を下記の式を用いて演算し、ステップS6023へ移行する。
Vq*=Kpq×Δiq+Kiq×Σ(Δiq)
ここで、Kpqは比例制御ゲイン、Kiqは積分制御ゲイン、Σ(Δiq)はトルク電流偏差量Δiqの時間積分値である。ここでの処理により、指令値が電流から電圧に変換される。
ステップS6023では、ステップS6021と同様の処理により、励磁電流偏差量Δidを演算し、ステップS6024へ移行する。
Δid=Id*−Id
ステップS6024では、ステップS6022と同様の処理により、下記の式を用いて指令励磁電圧Vd*を算出し、本制御を終了する。
Vd*=Kpd×Δid+Kid×Σ(Δid)
ここで、kpdは比例制御ゲイン、Kidは積分制御ゲイン、Σ(Δid)は励磁電流偏差量Δidの時間積分値である。
[正弦波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理]
図23は、ステップS11の正弦波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図7に示したフローチャートと同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS801では、図21に示した正弦波指令電圧演算処理を実行し、ステップS207へ移行する。
ステップS802では、正弦波指令電圧(Vdsin*,Vqsin*)から下記の式を参照し、正弦波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsin*||を演算し、ステップS803へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS803では、正弦波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsin*||が正弦波電圧閾値よりも大きいか否かを判断する。YESの場合にはステップS804へ移行し、NOの場合にはステップS804へ移行する。正弦波電圧閾値は、上述したVsin_maxよりも僅かに小さい値とすることで、正弦波駆動時に電圧飽和によってトルクが減少することを回避することができる。
ステップS804では、正弦波指令電圧ベクトルのノルム||Vdqsin*||が正弦波電圧閾値よりも小さいという判断の継続時間が所定時間以内であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS211へ移行し、NOの場合にはステップS216へ移行する。
[矩形波駆動制御処理]
図24は、ステップS6の矩形波電圧出力処理(矩形波駆動手段)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS51では、矩形波指令電圧(Vdsqu*,Vqsqu*)を読み込み、ステップS52へ移行する。
ステップS52では、回転子位置θeを読み込み、ステップS53へ移行する。
ステップS53では、矩形波指令電圧の位相角(tan-1(Vqsqu*/Vdsqu*))と回転子位置θeから、下記の式に基づいて矩形波指令電圧位相θ_Vsqu*を演算し、ステップS54へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS54では、インバータ回路11のスイッチングパターンを決定し、ステップS55へ移行する。
3相インバータでは、出力可能な電圧ベクトルは図25に示すように6通りと全FETをOFF状態またはON状態とした場合の8通りである。正弦波駆動では、これらの電圧を高速で切り替えることにより、各パターンの中間電圧を表現している。一方、矩形波駆動では、電気角周期を図25に示すように60deg毎に分割し、矩形波指令電圧位相θ_Vsqu*が各領域を通過する期間中、領域中央にある出力電圧を出力し続ける。すなわち、スイッチング周波数は電気角周波数の6倍となる。これは高静粛性や高制御性を目的として高スイッチング周波数を採用する正弦波駆動と比較して、インバータ回路11のスイッチング回数を大幅に減らすことができる。つまり、インバータ回路11の上下短絡防止のために設けられる、上下FET同時OFF期間(デッドタイム)が大幅に減少し、電源電圧の利用率が高まる。また、FETのON/OFF切り替えに伴うスイッチング損失も低減できる。さらにモータに印加される電圧波形が矩形波となることから、基本波成分が矩形波のピーク(電源電圧値)を超えることになる。以上の理由から矩形波駆動は正弦波駆動と比較して、高いモータ出力を得ることができる。
ステップS55では、出力電圧方向を固定する時間を、矩形波指令電圧位相θ_Vsqu*が現在の位相から60deg進んだ位相に最も近い領域の境界まで進むのに必要な時間として求め、ステップS56へ移行する。
ステップS56では、デッドタイムTd_sqの調整を行い、ステップS57へ移行する。すなわち、正弦波駆動から矩形波駆動に移行する際の出力電圧の違いによるトルク、電流脈動を低減するため、駆動手段切り替え時には矩形波電圧に付与するデッドタイムTd_sqを延長することで、基本波成分を抑える。
このデッドタイムTd_sqは、図26に示すように、指令モータトルクT*とモータ回転速度ωeとの関係から求められる。なお、矩形波電圧、正弦波電圧それぞれの基本波成分を合わせるようにデッドタイムを決定しても良い。
ステップS57では、各FETを駆動するために、アクチュエータ制御装置3に接続されているマイコンポートの状態を変化させるマイコンポート出力処理を実行する。
以上で矩形波駆動制御処理を終了し、インバータ回路11によりモータMに出力を行う。
[正弦波電圧出力処理]
図27は、ステップS13の正弦波電圧出力処理(正弦波駆動手段)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1201では、正弦波指令電圧(Vd*,Vq*)を読み込み、ステップS1202へ移行する。
ステップS1202では、2軸直流座標系(q,d)で設定された指令値でモータMを駆動するために、3相交流座標系(u,v,w)に戻すとともに、下記の式を用いて2軸直流電圧指令(Vq*,Vd*)を2相交流電圧指令(Vα*,Vβ*)に変換し、ステップS1203へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS1203では、2相交流電圧指令(Vα*,Vβ*)とモータ回転子位置θeより、下記の式を用いて3相交流電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)に変換し、ステップS1204へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS1204では、3相交流電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)の中心を下記の式を用いてEd/2(V)にオフセットし、ステップS1205へ移行する。これは、3相交流電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)は0(V)中心に±方向に出力する正弦波であるが、実際に出力可能な電圧は0〜Ed(V)であるためである。
Figure 0004847380
ステップS1205では、ステップS1204で設定した電圧指令値(Vu_buf*,Vv_buf*,Vw_buf*)が出力可能な電圧の範囲となるように、図28の真理値表に基づいて制限処理を行い、ステップS1206へ移行する。
ステップS1206では、各相へPWM出力を行うため、下記の式を用いて電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)相当となるようなDuty(Du,Dv,Dw)を演算し、ステップS1207へ移行する。
Figure 0004847380
ステップS1207では、ステップS1206で求めたDuty(Du,Dv,Dw)から、下記の式を用いて各FETのON/OFF時間(THon_u,THOff_u,TLon_u,TLoff_u,THon_v,THOff_v,TLon_v,TLoff_v,THon_w,THOff_w,TLon_w,TLoff_w)を演算し、ステップS1208へ移行する。
Figure 0004847380
すなわち、正弦波駆動制御処理では、PWM信号はマイコンのタイマ機能を利用してアクチュエータ制御装置3へ出力する。インバータ回路11内のFETは、各相でHi側とLo側に1個ずつあり、それぞれのFETをDutyに応じた時間でON/OFFするために、ECU内にあるマイコンの出力ポートを制御する必要があるためである。
ステップS1208では、ステップS1207で求めたON/OFF時間をマイコンタイマに設定する。マイコンはタイマ機能に各FETのON/OFF時間が設定されると、信号の増幅を行うアクチュエータ制御装置3を介してFETのゲートに結線されている出力ポートのレベルを設定タイミング通りに制御する。
以上で正弦波駆動制御処理を終了し、インバータ回路11によりモータMに出力を行う。
[バックアップ制御処理]
モータMまたはその駆動回路であるインバータ回路11に異常が発生し、直ちに回復できない場合には、ステップS14のバックアップ制御処理により、シャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FR,RR)が閉弁される。これにより、運転者の踏力に応じたブレーキ液圧が直接ホイルシリンダW/Cに供給されるため、制動力を確保することができる。
次に、作用を説明する。
[異常発生時の矩形波駆動禁止作用]
図29は、実施例1の異常発生時の矩形波駆動禁止作用を示すタイムチャートであり、何らかの異常でECU温度が温度閾値の近傍にある状態を示している。
ブレーキ液圧指令と同時にモータトルク指令値が立ち上がり、それに応じてモータMの出力電圧指令が上昇し、要求トルクが満足されてモータMは加速する。このとき、時点t1以前の期間では、図6のモータ駆動制御処理では、ステップS1→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13へと進む流れが繰り返され、モータMは正弦波駆動される。
時点t1では、モータMの加速に伴い、主にインバータ回路11の発熱によってECU温度が上昇する。やがてモータ速度が駆動手段切り替え速度ωchを超え、さらに指令電圧が駆動手段切り替え電圧閾値(Vsin_maxよりも僅かに小さな値)を超えると、モータ駆動制御処理では、ステップS1→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS8→ステップS6へと進み、正弦波駆動から矩形波駆動へと移行する。その後は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返される。
矩形波駆動時の相電圧波形とその基本波は、図30に示すようになる。駆動手段を矩形波駆動とした後は、相電圧基本波が電源電圧Edを超えて出力されている。これによりモータ駆動に使用できる電圧が増加するため、正弦波駆動に比べて大きな出力を得ることができる。
図31には、制御手段切り替え時のFET駆動信号を示す。ここでは便宜上正弦波駆動時のPWM2周期に対して矩形波駆動制御1周期が対応するように描いてある。通常は、静粛性向上のために、正弦波駆動時のPWM周波数はその周波数に同期して発生する騒音を人間の可聴領域から外すこと、および制御性の面から、非常に高周波数に設定されているため、矩形波駆動制御1周期(電気角1周期)と同期間に入る正弦波PWM周期は図31に示されているよりも多くなる。
図31を見ると、正弦波駆動時は電圧波形に含まれるデッドタイムTd_sqが多くなることがわかる。このデッドタイムTd_sqは、インバータ回路11を保護するために不可欠であるが、デッドタイム期間はインバータ回路11が電力の供給をすることができないため、含まれるデッドタイムの増加によって、インバータ回路11がモータMに供給できる電力は減少する。一方で矩形波駆動では、回転速度に因らず電気角1周期に対してデッドタイムTd_sqは2回分のみ含まれる。そのため、電源電圧を利用できる割合が高くなることがわかる。電圧利用率が高く取れることはモータMの最大出力向上に有効である。
また駆動手段切り替え期間では矩形波駆動におけるデッドタイムTd_sqを可変にすることで、正弦波駆動から完全な矩形波駆動へ移行する間のトルクを制御し、滑らかな駆動手段の切り替えを可能にしている。ただし、これはデッドタイムTd_sqを可変にする手段の他にも、矩形波指令電圧位相θ_Vsqu*を可変にすることでモータトルクを制御すること、およびこれらの手段を併用することによっても達成することができる。
時点t1の矩形波駆動切り替え後は、モータ出力の上昇と共にECU温度も上昇し、時点t2で検出ECU温度が温度閾値を超えると、検出ECU温度と温度閾値との差分の時間積分を開始する。このとき、図14のECU温度異常判断処理では、ステップS3091→ステップS3095→ステップS3096→ステップ3094へと進む流れを繰り返す。
時点t3で検出ECU温度と温度閾値との差分の積分値が積分閾値を超えると、ステップS3091→ステップS3095→ステップS3096→ステップS3097→ステップS3098へと進み、ECU温度異常と判断される。よって、図6のモータ駆動制御処理では、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS7→ステップS13へと進み、矩形波駆動から正弦波駆動へと移行する。
つまり、実施例1では、ECU温度異常を検出した場合でも、矩形波駆動から正弦波駆動へ移行してモータトルクを維持しているため、矩形波駆動による発生液圧には劣るものの、ブレーキ液圧を確保できていることがわかる。
また、実施例1では、検出ECU温度と温度閾値との差分の積分値が積分閾値を超えたとき、ECU温度異常と判断しているため、センサノイズ等によりECU温度が一瞬正常範囲外となった場合でも、ECU温度異常と誤判断することがないため、センサノイズ等に伴う異常の誤判断を防止でき、異常判断の信頼性を高めることができる。
さらに、検出ECU温度と温度閾値との差分の積分値と積分閾値とを比較して異常判断を行っている。すなわち、検出ECU温度と温度閾値との偏差が大きくなるほど異常判断をより早めるため、検出ECU温度の上昇率が高いほどより早期に矩形波駆動を禁止でき、ECU温度がさらに上昇するのを抑制することができる。
特に、ECU温度を含め、モータ温度、電源電圧値の異常は、「矩形波駆動の動作異常」とは異なる「電動ブレーキ装置の動作環境異常」、すなわち周囲環境の異常である。つまり、ECU温度、モータ温度、電源電圧値の異常は、矩形波駆動以外の原因で発生している可能性がある。よって、実施例1では、周囲環境の変化の度合いが高いほど、より早期に異常判断を行うことにより、周囲環境がさらに悪化するのを抑制することができる。
時点t3〜t4の区間では、モータMが正弦波駆動されるが、実施例1では、正弦波駆動での指令トルク電流リミッタをECU温度に応じて減少させているため(ステップS3097)、正弦波駆動時のモータ出力が抑えられ、ECU温度の上昇が抑制される。
時点t4でECU温度が温度閾値以下になると、ECU温度異常判断処理では、ステップS3091→ステップS3092を繰り返し、時点t5では、所定時間(判断時間)が経過したため、ステップS3091→ステップS3092→ステップS3093→ステップS3094へと進み、ステップS3093で積分値がクリアされ、ステップS3094で異常なしと判定される。このとき、モータ駆動制御処理では、モータ回転速度、電圧指令が矩形波駆動条件を満足しているため、ステップS1→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS8→ステップS6へと進み、正弦波駆動から矩形波駆動へと切り替えられる。
以上説明したように、実施例1の電動ブレーキ装置にあっては、モータMに異常が発生しているか否かを判断する異常判断手段(ステップS2,S9)と、モータMに異常が発生していると判断された場合、矩形波駆動による電動モータの駆動を禁止する禁止手段(ステップS3,S10)と、を備え、矩形波駆動時に異常が検出された場合には、矩形波駆動を禁止し、正弦波駆動が可能な状態であるときは正弦波駆動へと移行する。このため、異常検出によって直ちにバックアップ制御へと移行せず、正弦波駆動により制動力を確保することが可能となり、異常検出時でも制動能力を可能な限り残すことができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではない。例えば、ブレーキワイヤシステムおよび油圧制御装置の構成は、矩形波駆動と正弦波駆動とが切り替えて電動モータを駆動可能な構成であれば、図1、図2に示した構成に限られない。
また、実施例1では、センサ値(状態検出値)と正常範囲境界値との偏差の積分値が積分閾値を超えた場合に異常と判断する例を示したが、各センサ値が正常範囲外である状態が所定時間継続した場合に異常と判断し、かつ、各センサ値の変化率が高いほど所定時間を短くする構成であれば良い。
さらに、上記実施例から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載の電動ブレーキ装置において、
前記異常判断手段は、前記電動モータに係る状態検出値の少なくとも1つが正常範囲外である状態が異常判断時間継続した場合、電動モータに異常が発生していると判断することを特徴とする電動ブレーキ装置。
これにより、センサノイズ等により状態検出値が一瞬正常範囲外となった場合でも、異常と誤判断することがないため、センサノイズ等に伴う異常の誤判断を防止でき、異常判断の信頼性を高めることができる。
(ロ)上記(イ)に記載の電動ブレーキ装置において、
前記異常判断手段は、前記状態検出値と正常範囲境界値との偏差が大きくなるほど前記異常判断時間を短くすることを特徴とする電動ブレーキ装置。
これにより、状態検出値の変化の程度を見ることができるとともに、正常範囲境界値に対する状態検出値の変化の程度が大きいほど、より早期に異常発生との判断がなされ、矩形波駆動が禁止されるため、状態がより悪化するのを抑制することができる。
(ハ)上記(ロ)に記載の電動ブレーキ装置において、
前記異常判断手段は、電源電圧値の低下、電子制御装置または電動モータの温度上昇に応じて前記異常判断時間を短くすることを特徴とする電動ブレーキ装置。
これにより、周囲環境の変化度合いが高いほど、より早期に異常発生との判断がなされ、矩形波駆動が禁止されるため、周囲環境の悪化を抑制することができる。
(ニ)請求項1、上記(イ)、(ロ)、(ハ)のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置において、
前記正弦波駆動手段は、電源電圧値の低下、電子制御装置または電動モータの温度上昇に応じて、制動力要求に対する電動モータの出力要求を低下させることを特徴とする電動ブレーキ装置。
これにより、周囲環境の悪化を抑制しつつ、モータMを継続して駆動することができる。
実施例1の電動ブレーキ装置を適用した4輪ブレーキワイヤシステムのシステム構成図である。 油圧制御装置である液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。 メインECU300の内部構成を示す図である。 ECUにおける制動制御処理の制御ブロック図である。 メインモータMain/Mに印可する電圧を制御するインバータ回路11の構成を示す図である。 実施例1のECUで実行されるモータ駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS4の矩形波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理の流れを示すフローチャートである。 駆動手段切り替え速度ωchの設定マップである。 ステップS206の電流制御指令演算処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS8およびステップS208の矩形波指令電圧演算処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS2の矩形波駆動選択時の異常判断による駆動手段選択処理(異常判断手段)の流れを示すフローチャートである。 ステップS307の座標変換処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS308の電源電圧異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS309のECU温度異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS310のモータ温度異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 指令トルク電流リミッタの算出マップである。 ステップS311の電源電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS312の3相電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS313のトルク電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS314の励磁電流異常判断処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS7の正弦波指令電圧演算処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS602の電流PI制御処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS11の正弦波駆動選択時の駆動指令による駆動手段選択処理の流れを示すフローチャートである。 ステップS6の矩形波電圧出力処理の流れを示すフローチャートである。 3相インバータ回路の出力可能電圧方向と、矩形波駆動における出力固定領域を示す図である。 矩形波電圧に付与するデッドタイムを示す図である。 ステップS13の正弦波電圧出力処理の流れを示すフローチャートである。 正弦波駆動における電流リミッタを示す真理値表である。 実施例1の異常発生時の矩形波駆動禁止作用を示すタイムチャートである。 駆動手段切り替え前後の電圧波形を示す図である。 駆動手段切り替え前後のFET駆動信号を示す概略図である。
符号の説明
1 CAN通信
2 CPU
3 アクチュエータ制御装置
4 ペダル操作量
5 制動量操作量
6 回生制動力
7 制動力分配部
8 液圧サーボ処理部
9 モータ制御処理部
10 車両
11 インバータ回路
11a〜11f FET(電界効果トランジスタ)
11g〜11l 還流用ダイオード
12 磁極位置検出器
13a〜13d 電流センサ
14 電圧センサ

Claims (2)

  1. 車両に制動力を発生させるアクチュエータとしての電動モータと、
    前記電動モータの各相に矩形波の電圧を印加する矩形波駆動手段と、
    前記電動モータの相電流が正弦波状となるように電圧を印可する正弦波駆動手段と、
    制動力要求に応じて、前記電動モータを駆動する駆動手段を前記矩形波駆動手段と前記正弦波駆動手段とで切り替える駆動手段切り替え手段と、
    を有する電動ブレーキ装置において、
    前記電動モータに異常が発生しているか否かを判断する異常判断手段と、
    前記電動モータに異常が発生していると判断された場合、前記矩形波駆動手段による電動モータの駆動を禁止する禁止手段と、
    を備え、
    前記異常判断手段は、前記電動モータに係る状態検出値の少なくとも1つが正常範囲外である状態が異常判断時間継続した場合、電動モータに異常が発生していると判断し、前記状態検出値と正常範囲境界値との偏差が大きくなるほど前記異常判断時間を短くすることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 車両に制動力を発生させるアクチュエータとしての電動モータと、
    前記電動モータの各相に矩形波の電圧を印加する矩形波駆動手段と、
    前記電動モータの相電流が正弦波状となるように電圧を印可する正弦波駆動手段と、
    制動力要求に応じて、前記電動モータを駆動する駆動手段を前記矩形波駆動手段と前記正弦波駆動手段とで切り替える駆動手段切り替え手段と、
    を有する電動ブレーキ装置において、
    前記電動モータに異常が発生しているか否かを判断する異常判断手段と、
    前記電動モータに異常が発生していると判断された場合、前記矩形波駆動手段による電動モータの駆動を禁止する禁止手段と、
    を備え、
    前記異常判断手段は、電源電圧値、電子制御装置または電動モータの温度の少なくとも1つが正常範囲外である状態が異常判断時間継続した場合、電動モータに異常が発生していると判断し、電源電圧値の低下、電子制御装置または電動モータの温度上昇に応じて前記異常判断時間を短くすることを特徴とする電動ブレーキ装置。
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