JP4847025B2 - 高所作業車 - Google Patents

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本発明は、車体上に起伏、伸縮および旋回作動が可能に配設されたブームの先端に作業台が取り付けられ、また、格納状態から下方に張り出して地面に接地することにより車体を支持するジャッキを有して構成される高所作業車に関し、さらに詳しくはこの高所作業車の作業制御装置に関する。
高所作業車では、ブームを起伏、伸縮および旋回作動等させることによりブーム先端の作業台を所望高所に移動させ、作業台に搭乗した作業員により高所作業が行われる。このような高所作業を行うとき、ブームの移動状態による車体に対する作業台の位置に応じて、車体を転倒させようとする転倒モーメントが掛かる。この転倒モーメントに対しては車輪のみで支持された車体でもある程度支持することはできるが、車輪はサスペンションを介して車体に取り付けられていることなどから安定度は低く、あまり大きな転倒モーメントを支持することはできない。このため高所作業車にはジャッキが複数箇所に備えられており、格納状態から下方に張り出して地面に接地することにより車体をより安定して支持できるようになっている。
このようなジャッキを備えた高所作業車では、作業の安全性を高めるため、全てのジャッキを地面に接地させた状態でなければブームを安全位置(格納状態)から作動することができないようにしたインターロック装置を備えたものがある。またこのようなインターロック装置では、ブームが作動中であったり、ブームの格納が不完全である場合には、接地されているジャッキを格納させることができない構成にもなっている。
しかしながら、このようなインターロックを備えた高所作業車では、ジャッキを接地させなければブームを作動することはできず、またブームを格納状態にしなければジャッキを格納して走行することができない。このため、例えば道路上に並ぶ電柱にケーブルを掛け渡していくケーブル架渉作業を行う際には、車体を走行させた後停止してジャッキを接地させ、ブームを作動させて高所作業を行い、その高所作業が終わったらブームを格納するとともにジャッキを格納し、その上で道路上を走行して移動する、という手順の作業を順次行っていく必要があり、作業効率が良くないという問題があった。
このような問題に対処するために、このインターロックを解除して、全てのジャッキが格納状態にある場合でも例外的にブームを作動させることができるようにしたものがある(例えば特許文献1)。この特許文献1では、所定の範囲におけるブームの作動を許可することで、車体を走行移動させながらブームを作動でき、ケーブル架渉作業のように車体を順次移動させながら行う作業を効率良く行うことができる。
特開2003−128393
前述した特許文献1のような方法はブーム(作業台)を狭い範囲でのみ作動できればよい作業においては有用であるが、より広い作業領域でブームの作動を行いたいときには作業時にジャッキの接地を行う必要がある。このような場合には、ある地点での作業終了とともにブームを格納せずにジャッキだけを格納し、車体を別の地点へ移動させ、車体を停止させるとともにジャッキを再び接地させてブーム作業を再開する、という手順の作業が求められる。
上記のような手順でブームの作動を繰り返し行うとき、車体を移動させるためにはジャッキを毎回格納せねばならないが、この移動後に作業員がジャッキの接地を忘れたまま作業を再開してしまう恐れがある。特にインターロックとその解除装置を用いた構成の高所作業車においてこのような作業を行うときには、ブーム非格納状態での車体移動を可能にするためインターロックは解除されており、ジャッキの接地・非接地に関わらずブームの作動が可能な状態が継続されているため、作業員がジャッキ接地を怠ったままブームを操作すると車体の安定性が低下する可能性があった。
また、ジャッキの接地を怠らずに高所作業を行った場合でも、作業場所の地形やブームの位置など作業状態によっては一部のジャッキが宙に浮くなどして実質的には全ジャッキの接地が行われていないことがある。このような状態では、車体の支持は一部のジャッキと車体の車輪等で行われることになり、作業員がこのことを認識せずに全てのジャッキが接地されていると思い込んでブームを操作すると車体の安定性が低下する可能性があった。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ブーム作業を行う際に作業員がジャッキの張り出しを忘れることを防ぎ、またジャッキの張り出しが常に安定した状態で行われるように警報を行う警報手段を有した高所作業車を提供する。
上記課題を解決するため、本発明に係る高所作業車は、車体と、車体に起伏、旋回及び伸縮自在に設けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業台と、車体の複数箇所に備えられ、格納状態から下方に張り出して地面に接地することにより前記車体を支持するジャッキと、各ジャッキの接地状態を検出するジャッキ接地検出手段と、ジャッキが接地し車体が支持された状態でブームの作動が許容される許容作業領域と、全てのジャッキが未設置の状態でブームの作動が許容される非ジャッキ安全領域と、ジャッキ接地検出手段により全てのジャッキが未接地であることが検出された状態においてブームの作動を規制し、全てのジャッキが接地した状態においては、許容作業領域でのブームの作動を許可するが、ブームが格納された状態を除きジャッキの作動を規制するインターロック手段と、を備える。さらに、インターロック手段によるジャッキの作動規制を解除可能なインターロック解除手段と、ブームが非ジャッキ安全領域にあるか否かを判定する判定器を備え、インターロック解除手段によるジャッキの作動規制解除を、判定器によりブームが非ジャッキ安全領域に位置すると判定されたときに許容して、全てのジャッキは格納作動可能となり、ジャッキの接地数が1以下に減少した時に、警報手段が警報作動して作業者に警報を発し、ブームの作動を規制する。
なお、上記構成の高所作業車において、好ましくは、インターロック解除後のジャッキの接地数が1以下になり警報手段が警報作動している状態から、ジャッキ接地検出手段により全てのジャッキが接地状態になったことが検出された場合は、インターロック手段が再作動し、ブームの許容作業領域での作動を許可し、ブームが格納された状態を除きジャッキを作動規制し、警報手段の警報作動を解除する。
なお、警報手段の警報作動内容には、ブームの作動規制や、表示灯、音声警報、ブザー等により作業員に警告することが含まれる。
以上説明したように、本発明に係る高所作業車では、ブーム作業中に車体を支持するジャッキの接地が1本以下になった場合には警報手段が警報作動し、全てのジャッキを再接地させるまではこの警報手段による警報作動を継続させる。警報手段が警報作動している間は、表示灯等により作業員に警報がなされるとともにブームの作動が規制されているため、ジャッキ未接地状態でのブーム作動等危険作動を防止し、車体の転倒を未然に防いで作業員の安全を確保することができる。これにより、例えばブームを格納せずにジャッキだけを格納させて車体の移動を行い別の場所で作業を再開する際に、作業員がジャッキの再接地を怠ったままブーム作動を行う危険を防止する。また、ブーム作業中に何らかの理由でジャッキの接地が1本以下となった場合にも、全てのジャッキの再接地が行われるまでは警報手段による警報作動は継続されるので、車体の安定を常に保つことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は本発明に係る高所作業車の側面図を示しており、まずこの図1を参照して高所作業車の全体の構成について説明する。この高所作業車1はタイヤ車輪11,11,11,11を備えて運転台12から走行運転操作が可能なトラック式の車体10と、車体10上に設けられた旋回台20の上部にフートピン22により上下揺動自在に取り付けられたブーム30と、ブーム30の先端に取り付けられた作業車搭乗用の作業台40とを有して構成されている。
旋回台20は車体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、車体10に内蔵された旋回モータ53を駆動することにより水平旋回作動させることができる。ブーム30は基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子に組み立てられた構成となっており、内蔵された伸縮シリンダ52を伸縮駆動することにより長手方向(軸方向)に伸縮作動させることができる。また、ブーム30は基端ブーム30aと旋回台20との間に跨設された起伏シリンダ51を伸縮駆動することにより上下内面で起伏作動させることができる。
作業台40は、先端ブーム30cの先端部において常時垂直姿勢に保持される垂直ポスト31に回動可能に取り付けられており、作業台40自身に内蔵された首振りモータ54を回動駆動することにより垂直ポスト31のまわりに水平旋回(首振り)させることが可能である。ここで、垂直ポスト31は上記のように常時垂直姿勢が保たれるため、作業台40の床面はブーム30の姿勢(起伏角度)によらず常に水平に保持される。
作業台40上にはブーム操作手段41及び作業台首振り操作手段42が設けられている。ブーム操作手段41及び作業台首振り操作手段42はレバー等からなり、作業員はこれらのレバー等を自ら操作してブーム30を起伏、伸縮、旋回させ、或いは作業台40を首振りさせることができ、自身の乗る作業台40を所望位置(姿勢)に移動させて必要な作業を行うことができる。
このように構成された高所作業車1の車体10の前後左右各箇所には作業中の車体10を安定状態に支持するためのジャッキ60,60,60,60が設けられている。図2はこのジャッキ60を車体10の後方より見た図であり、図2(A)はジャッキ60が格納された状態、図2(B)はジャッキ60が張り出されて接地した状態をそれぞれ示している。各ジャッキ60は車体10より側方に突出して設けられたジャッキ保持部材13,13に上端部が枢支されたインナージャッキ(ピストンロッド)61と、このインナージャッキ61を内包して軸方向に移動自在なアウタージャッキ(シリンダチューブ)62と、アウタージャッキ62の下端部に揺動自在に設けられたジャッキパッド63と、ジャッキ保持部材13とアウタージャッキ62との間に跨設されたリンク部材64とから構成されており、アウタージャッキ62を下方に移動させ、ジャッキパッド63を地面Gに接地させて突っ張らせることにより車体10を持ち上げ状態に支持させるようになっている。
このジャッキ60はアウタージャッキ62を上方に移動させ完全に収縮させることにより格納状態にすることができる。なお、ジャッキ保持部材13とアウタージャッキ62との間にリンク部材64が介在していることにより、アウタージャッキ62が張り出されたときにはジャッキパッド63が車体10側方のより遠い位置に接地するようになるとともに、アウタージャッキ62が格納されたときにはジャッキパッド63が車体10の内方に位置して走行の障害にならないようになっている。なお、これらジャッキ60,60,60,60の作動操作は車体10の後部に備えられたジャッキ操作手段14の操作により行うことができる。
図3は本高所作業車1の制御系統の一部を示すブロック図であり、ここでは、ブーム及びジャッキ操作手段41,14による操作情報(操作信号)とブーム及びジャッキ検出器91〜96による検出情報(検出信号)とに基づいた、コントローラ80によるブーム30及びジャッキ60の作動制御方法を示している。
この図に示すように、ブーム操作手段41による操作信号はコントローラ80のブーム作動制御部81に入力される。ブーム作動制御部81は、この操作信号に加えてブーム作動範囲規制部82及びメイン制御部84からも作動指令信号を受けてブーム30の作動内容を決定し、さらにこの命令を出力して、ブーム30の起伏、伸縮、旋回作動を行う。詳細には、図1に示す起伏シリンダ51、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53には油圧ポンプ(図示せず)より吐出される圧油が供給されるようになっており、ブーム作動制御部81はこの圧油の供給遮断を行う制御バルブ(図示せず)を電磁駆動することにより起伏シリンダ51、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53の作動制御を行う。
このコントローラ80にはブーム30が車体10を転倒させる位置に位置しないように(ブーム30が車体10を転倒させる姿勢をとらないように)、ブーム30の作動範囲を規制するブーム作動範囲規制部82が設けられている。このブーム作動範囲規制部82は、ブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器91、ブーム30の長さを検出する長さ検出器92及び旋回台20の旋回角度(すなわちブーム30の旋回角度)を検出する旋回角度検出器93(これら検出器91,92,93については図1参照)から得られる検出情報に基づいてブーム30の先端部(以下、ブーム先端部と称する)の位置を算出し、このブーム先端部の位置がメイン制御部84により決定される許容作業領域内に収まるように、ブーム作動制御部81をコントロールする。具体的には、ブーム先端部の位置が許容作業領域を逸脱するようなブーム操作手段41からの操作信号が出力されたときには、これを無視するようにブーム作動制御部81に規制信号を出力する。このため、ブーム先端部は許容作業領域を越えて移動することはなく、作業員は車体10を転倒に至らしめる心配をすることなくブーム操作手段41の操作を行うことができる。
また、ジャッキ操作手段14より出力される各ジャッキ60の操作信号はコントローラ80のジャッキ作動制御部83に入力される。ジャッキ作動制御部83は、メイン制御部84からの作動指令信号も受けて各ジャッキ60の作動内容を決定する。なお、これら各ジャッキ60も前述の油圧ポンプから吐出供給される圧油を受けて作動するようになっており、ジャッキ作動制御部83はこの圧油の供給遮断を行う制御バルブ(図示せず)を電磁駆動することにより各ジャッキ60の作動制御を行う。
メイン制御部84は、ブーム30及びジャッキ60の両方の作動内容に係る制御部であり、ブーム格納検出器94により検出されるブーム30の格納状態とジャッキ接地・格納検出器95,96により検出されるジャッキ60の接地・格納状態とに基づいて、ブーム作動制御部81、ブーム作動範囲規制部82及びジャッキ作動制御部83に作動指令信号を出力する。
ブーム格納検出器94は、例えばリミットスイッチで構成され、車体10上に設けられたブーム受け15に取り付けられている(図1参照)。そして、ブーム30が全縮状態で前方に倒伏し、基端ブーム30aの先端部をブーム受け15に載置するようにして格納すると、ブーム格納検出器94はブーム30の格納状態を検出してブーム格納検出信号を出力し、この信号はメイン制御部84に入力される。
同様に、各ジャッキ60にはそのジャッキ60の接地状態を検出するジャッキ接地検出器95(リミットスイッチ)と、そのジャッキ60の格納状態を検出するジャッキ格納検出器96(リミットスイッチ)とが設けられており(図2参照)、ジャッキ接地検出器95はジャッキパッド63が接地してジャッキ60が地面からの圧力を受けたことを検出して接地検出信号を出力し、ジャッキ格納検出器96はジャッキ60が格納状態になって格納姿勢になったことを検出して格納検出信号を出力する。そして、これらジャッキ接地検出器95より出力される接地検出信号とジャッキ格納検出器96より出力されるジャッキ格納検出信号もメイン制御部84に入力される。
上記のように構成された高所作業車1において、ブーム30およびジャッキ60の作動規制を行うメイン制御部84で使用されるアルゴリズムをフローチャートとして図4に示し、このメイン制御部84で行われる制御内容に基づいたジャッキ60の接地状態に対するブーム30の作動状態をテーブルにして図6に示している。ここではこれらの図を併せて、本発明に係る高所作業車1の警報手段の警報作動内容として、地面Gに接地しているジャッキ60の本数とその数の変化に対応するブーム30の作動・規制の制御方法を説明する。なお、図4のS4に示される「ブーム操作=0」はブーム30の作動を規制することを、S5に示される「ブーム操作=1」はブーム30の作動を許可することを意味する。
まずはじめに、高所作業車1は車体10より4本のジャッキ60全てを接地させ、ブーム30を作動させて高所作業を行っているものとする。このとき、ジャッキ接地検出器95により4本全てのジャッキ60の接地が検出されているために、S1→S2→S5とフロー処理が行われてブーム30の操作は可能な状態と判断されている。しかしながら、例えば高所作業車1が不安定な場所で作業を行っている場合にブーム作業を継続して行っていると、車体のねじれやフレームのゆがみ等で、ジャッキ60の接地が不完全な状態となり、車体10の支持が実質的にはタイヤ車輪11とジャッキ60とによって行われている状態になることがある。このような場合、特にジャッキ60の接地数が1本以下となった場合には、高所作業車1は不安定な状態にあるためブーム30の作動を規制する必要があるが、作業員は作業に気を取られていて気が付かないことが多い。そこで、本実施例に係るメイン制御部84ではジャッキ60の接地が1本以下になった場合には自動的にブーム30の作動を規制(S1→S4)する制御を行うようにして作業の安全を図っている。そしてこの一旦規制されたブーム30の作動は、車体10の支持状態が安定するまで、すなわち4本のジャッキ60の接地が再びジャッキ接地検出器95によって検出されるまで(S1→S2→S5のフローが行われるまで)は解除されない構成となっている。なお、このブームの作動規制については、ブームを特定の作動(作業範囲を縮小させる方向の作動)に限って解除するような構成にしてもよい。
また、高所作業車1がブーム作業中でない場合、つまりブーム30の格納がブーム格納検出部94によって検出されている状態では、ジャッキ60の接地数が4本の場合を除いてブーム30の作動は常に規制され(S1→S2→S3→S4)、ブーム格納状態が保持される。これは、ブーム30を格納状態から作動させるときには常にジャッキ60の接地数が4本で車体10が安定した状態でなければならないことを意味し、誤操作を防いで安全性を確保するためのものである。これに対して、高所作業車1が作業中でブーム30が非格納状態にある場合には、ジャッキ60の接地数が1以下になるまでブーム30の作動は規制されない。これは作業中に車体10の重心が移動して接地状態にあるジャッキ60の数が一時的に3本ないし2本となることがあるためで、4本以外の状態を全て規制するとブーム作動が度々止まってしまうからである。本発明では車体10が不安定とされる状態をジャッキ接地数1本以下とすることで、操作性と安全性のバランスを図っている。
このように本発明によれば、ブーム30の作業中におけるジャッキ60の接地状態の変化に応じてブーム作動の規制を行うことで、足場の不安定な作業場など何らかの形でジャッキ60の接地数が変化した場合にも自動的に対処することができ、作業員は安全に作業に集中することができる。
実施例1で説明したような構成を有する高所作業車のブーム30及びジャッキ60の制御方法としては、インターロックI(図示せず)を用いたものが従来から知られている。このインターロックIは、安全に高所作業を行うために高所作業車の作業内容を制限するものであり、ブーム30の作動は常に全てのジャッキ60が接地された状態で行われるように、また、ジャッキ60の格納はブーム30が格納された状態でのみ行われるようになっている。詳細には、ジャッキ接地検出器95によって4本全てのジャッキ60が未接地であることが検出されたときにはブーム30の作動を規制し、同様にジャッキ接地検出器95によってこれら4本全てのジャッキ60の接地が検出されたときにはブーム30の作動を許可し、ブーム30が作動中でブーム格納検出器94によりブーム30の格納が検出されていない場合にはジャッキ60を接地させたままその作動を規制するものである。
ところで、高所作業の種類によっては異なる場所で作業を行うために車体10の移動を何回も行わなければならない場合も多く、インターロックIを用いた高所作業車1でこのような移動を行うときには、ある地点での作動を終えるとともにブーム30を格納してジャッキ60も格納する必要がある。しかしこの作業を繰り返し行うのは作業員にとって煩わしいため、インターロック解除スイッチC(図示せず)を有してインターロックIの制御内容を解除することで、ブーム30の格納を行わなくても例外的にジャッキ60だけを格納させて車体10の移動を行えるようにした高所作業車1が知られている。
なお、ブーム作業中にこのインターロック解除スイッチCを作動させて各ジャッキ60を格納させると、車体1の支持は車輪11のみで行われることになり、転倒モーメントの許容量が小さくなるとともにブーム30の許容作業領域も狭くなる。このためインターロック解除スイッチCの作動は、全てのジャッキ60を格納させても車体1を転倒させることなくブーム作動可能な許容作業領域内にブーム先端部が位置するときにのみ、できるようになっている。詳細には、まずジャッキ接地検出器95により検出されたジャッキ60の接地状態に基づいてブーム30の許容作業領域が算出され、次に起伏角度検出器91、長さ検出器92及び旋回角度検出器93から得られるブーム30の検出情報に基づいてブーム先端部の位置が算出される。そして、このブーム先端部が許容作業領域内に位置するかをブーム作動範囲規制部82にて判定し、ブーム先端部が許容作業領域内に位置すると判定されたときのみインターロック解除スイッチCが作動可能となる。
ここで、全てのジャッキ60を格納させても車体1を転倒させることなくブーム30が作動可能な許容作業領域を非ジャッキ安全領域Sとし、ブーム先端部が車体10の右方を向くように旋回台20を位置させた状態における非ジャッキ安全領域Sの一例を図7で示している(斜線で縁取りした領域S)。なお、この図ではブーム30の起伏中心から右に向かう方向が作業半径の増大する方向、ブーム30の起伏中心から上に向かう方向が地上揚程の増大する方向に相当する。この非ジャッキ安全領域Sの外側限界線(点Aと点Bとを結ぶ線)Mはその旋回角度において許容されるブーム先端部の外側移動限界を示しており、この外側限界線Mを超えてブーム先端部が移動することは車体10を転倒に至らしめる虞があるために禁止される。また、非ジャッキ安全領域Sの内側限界線(点Dと点Eとを結ぶ線)Nは、ブーム30を全縮状態で作動させたときのブーム先端部の軌跡に等しく、この内側限界線Nより内側にブーム先端部を移動させることは物理的に不可能であるので、ブーム30作動規制の対象とはされない。
図8は車体10の周囲に設定される非ジャッキ安全領域Sを或る高さにおいて水平切断した状態を示したものである(斜線で縁取りした領域S)。図中に示す線K及びLは、旋回位置(旋回角度)ごとに定められる非ジャッキ安全領域Sの外側限界線及び内側限界線のうち、共通する高さの部分を車体10の周囲に連ねて(全旋回位置に亘って)示した包絡線である。この図から分かるように、外側限界線に対応する作業半径は車体10の前後領域において大きく側方領域において小さくなるのであるが、これは、車輪11,11,…の前後間隔が左右間隔よりも大きく設定されている関係上、ブーム30の起伏角度と長さが同じである(転倒モーメントが同じである)場合には、ブーム30が車体10の前後領域に位置している場合(ブーム30の軸BL1参照)の方が、ブーム30が車体10の側方領域に位置している場合(ブーム30の軸BL2参照)よりも大きい抵抗モーメント(転倒モーメントに対抗するモーメント)を発揮できるからである。
このようなインターロックI及びインターロック解除スイッチCを有した高所作業車におけるジャッキ60の接地数の変化に伴うブーム30の制御方法を図5、図6を用いて説明する。図5はジャッキ60の作動方法におけるフロー処理を示しており、実施例1に示したフロー(図4参照)とほぼ同じ構成であるが、実施例1のフロー処理内容に加えてインターロックI,インターロック解除スイッチC及びインターロック再動スイッチRを備えている。インターロックIはそれ自体が独立したフロー処理内容を有しており、その具体的な制御内容はこの図5には示していないが、上述したような制御を行う。そしてブーム作業中にインターロック解除スイッチCを入れると、インターロックIで設定された制御内容から独立した、本発明に係る制御が行われる。なお、このインターロック解除状態からインターロックIの制御内容に戻りたいときには、インターロック再動スイッチRを入れればよい。
本実施例では高所作業車1は車体10より4本のジャッキ60全てを接地させて作業を行っており、ブーム30を格納しないまま車体10を別の場所へ移動させて作業を行うものとする。まず、最初の状態ではジャッキ接地検出器95により4本全てのジャッキ60の接地が検出されており、S1→S2→R→S5とフロー処理が行われてブーム30の操作が可能である。作業員はここでブーム30をブーム受け15に格納せずにジャッキ60を格納させていくのであるが、実施例1で述べたように、ジャッキ60接地数が1本以下になるとブーム30の規制が行われる(S1→S4)。そして、車体10の移動が行われて高所作業を再開する際にも、ジャッキ接地検出手段95により4本全てのジャッキ60が検出されるまではブーム30の規制は継続する。
このように本発明によれば、一旦ブーム30の作動が規制された場合にこの規制を解除するには4本全てのジャッキ60の接地を行うことが不可欠であるため、インターロックIを解除してブーム30を格納しないままジャッキ60を格納して車体10の移動を行った場合において、作業員がジャッキ60の再接地を忘れたまま誤ってブーム30の操作しようとしても、ブーム30の作動は規制されているために車体10が不安定な状態になることを防ぐ。
なお、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されず、例えば上述実施形態においては4本のジャッキ60が設けられているが、このジャッキの数は5本以上或いは3本以下であってもよい。また、本実施例では警報手段としてブーム30の作動規制(S4)を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示装置や音声装置、またはブザーを設けて、ジャッキ60の接地数が1本以下と検出されたときには、表示灯を点灯させたり音声で警報したりブザーを鳴らせたりして作業員に警告する構成にしてもよい。
本発明に係る高所作業車の側面図である。 ジャッキを車体の後方より見た図であり、(A)はジャッキが格納された状態、(B)はジャッキが張り出されて接地した状態をそれぞれ示している。 上記高所作業車の制御系統の一部を示すブロック図である。 上記制御系統での制御内容を示すフローチャートである(実施例1)。 上記制御系統での制御内容を示すフローチャートである(実施例2)。 上記制御内容を行った場合でのジャッキの接地状態におけるブームの作動・規制状態を示す表である。 全ジャッキ格納時におけるブーム先端部の許容作動範囲を示す高所作業車の背面図である。 全ジャッキ格納時における車体の周囲に設定される許容作動範囲を或る高さにおいて水平切断した状態を示す高所作業車の平面図である。
符号の説明
1 高所作業車
10 車体
11 タイヤ車輪
14 ジャッキ操作手段
30 ブーム
40 作業台
41 ブーム操作手段
60 ジャッキ
80 コントローラ
81 ブーム作動制御部
82 ブーム作動範囲規制部 (判定器)
83 ジャッキ作動制御部
84 メイン制御部 (警報手段)
94 ブーム格納検出部
95 ジャッキ接地検出部 (ジャッキ接地検出手段)
96 ジャッキ格納検出部
I インターロック (インターロック手段)
C インターロック解除スイッチ (インターロック解除手段)
S 非ジャッキ安全領域 (安全領域)

Claims (2)

  1. 車体と、
    前記車体に起伏、旋回及び伸縮自在に設けられたブームと、
    前記ブームの先端部に取り付けられた作業台と、
    前記車体の複数箇所に備えられ、格納状態から下方に張り出して地面に接地することにより前記車体を支持するジャッキと、
    前記各ジャッキの接地状態を検出するジャッキ接地検出手段と、
    前記ジャッキが接地し前記車体が支持された状態で前記ブームの作動が許容される許容作業領域と、
    前記全てのジャッキが未設置の状態で前記ブームの作動が許容される非ジャッキ安全領域と、
    前記ジャッキ接地検出手段により前記全てのジャッキが未接地であることが検出された状態において前記ブームの作動を規制し、前記全てのジャッキが接地した状態においては、前記許容作業領域での前記ブームの作動を許可するが、前記ブームが格納された状態を除き前記ジャッキの作動を規制するインターロック手段と、を備える高所作業車において、
    前記インターロック手段による前記ジャッキの作動規制を解除可能なインターロック解除手段と、
    前記ブームが前記非ジャッキ安全領域にあるか否かを判定する判定器と、を備え
    前記インターロック解除手段による前記ジャッキの作動規制解除、前記判定器により前記ブームが前記非ジャッキ安全領域に位置すると判定されたときに許容して、前記全てのジャッキは格納作動可能となり、
    前記ジャッキの接地数が1以下に減少した時に、警報手段が警報作動して作業者に警報を発し、前記ブームの作動を規制することを特徴とする高所作業車。
  2. 前記インターロック解除後の前記ジャッキの接地数が1以下になり前記警報手段が警報作動している状態から、前記ジャッキ接地検出手段により前記全てのジャッキが接地状態になったことが検出された場合は、前記インターロック手段が再作動し、前記ブームの前記許容作業領域での作動を許可し、前記ブームが格納された状態を除き前記ジャッキを作動規制し、前記警報手段の警報作動を解除することを特徴とする請求項1に記載の高所作業車。
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