JP5297118B2 - 高所作業車の耐震装置 - Google Patents

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余震を含めた地震発生下での作業の安全性を確保するため、地震が発生した場合にブームの作動規制を行う高所作業車の耐震装置に関する。
高所作業車は、一般に、走行体上に、走行体に対して旋回動自在な旋回台が取り付けられ、この旋回台に起伏シリンダの伸縮動により走行体に対して起伏動自在にブームが枢結され、複数のブーム部材を入れ子式に構成したブームの内部の伸縮シリンダの伸縮動によりブーム全体が伸縮動するように構成されている。また、ブームの先端には旋回動(首振動)自在に作業台が取り付けられ、作業台に搭乗した作業者が作業台に備えた操作装置を操作してブームを起伏動、旋回動、伸縮動させ、作業台を旋回動させることで、作業台を所望もしくは任意の高所位置に移動させ、電線のメンテナンス作業や建築物或いは船舶の壁塗り作業等、種々の高所での作業を可能としている。また、走行体の左右両側の前後には、走行体の左右方向外側への張り出しおよび走行体の下方に伸縮自在なアウトリガが配設されており、高所作業時には、このアウトリガが走行体を持ち上げ支持可能になっている。
このような高所作業車の作業範囲は、通常、作業台の積載荷重、ウィンチの吊り荷重およびアウトリガの張出量等により決められており、この作業範囲を超えるようなブームの起伏、伸縮、旋回等の作動を行うと、走行体を転倒させる方向に作用するモーメント(以下、「転倒モーメント」と称する)が許容値を超えて、走行体の安定支持性が低下することとなる。このため、転倒モーメントが許容値以内の状態で、ブームの作動が可能となる許容作業範囲を設定し、ブームがこの許容作業範囲を超えて作動することを規制する安全装置が組み込まれることにより作業の安全が図られた高所作業車が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−27894号公報
近年、地震による災害が頻発しており、このような高所作業車において、作業中に突然地震が発生した場合に速やかにブームの作動を規制するような地震対策は未だ講じられていない。一方、地震が発生した状況下では、たとえ高所作業車の上記許容作業範囲内であったとしても、ブームの作動を行うと転倒する危険がある。また、高所作業車においては、地震による災害地の復旧作業のため、余震下での作業が要求される場合も多く、余震を含めた地震下での安全な作業を確保することが大きな課題となっている。
以上のような課題に鑑みて、本発明では、余震を含めた地震発生下において車両の安定性が損なわれるようなブームの作動を規制し、安全な作業を確保することが可能な構成の高所作業車の耐震装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、走行体と、走行体上に少なくとも起伏作動、旋回作動および伸縮作動自在に配設されたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業台と、ブームの作動を操作する操作装置(例えば、実施形態における上部および下部操作装置50,58)と、ブームの先端部又は作業台の位置を検出する位置検出手段(例えば、実施形態における起伏角度検出器81、長さ検出器82、旋回角度検出器83およびコントローラ60の位置算出部62)と、操作装置からの操作信号に基づいて、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が予め設定された通常許容作業範囲を逸脱しない範囲でブームの作動を制御する作動制御手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60のバルブ制御部61)とを備えて構成される高所作業車の耐震装置において、地震波のうちのP波を検出可能な振動検出手段(例えば、実施形態におけるP波感知器48)と、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置と通常許容作業範囲よりも狭い領域となるよう設定された地震対応許容作業範囲とを比較し、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60の判断部64)とを備え、振動検出手段によりP波が検出されたとき、作動制御手段が、ブームの所定の作動を規制する制御を行うよう構成され、作動制御手段は、振動検出手段によりP波が検出されたとき、判断手段においてブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲の限界に達していると判断される場合には、所定の作動規制として、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲から逸脱するようなブームの作動を規制するよう構成される。
第2の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、振動検出手段による検出情報に基づいて、P波が、予め設定された所定値以上のレベルの振動であるか否かを判定する地震判定手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60の地震判定部66)を備え、振動検出手段によりP波が検出されたときに、作動制御手段が行うブームの所定の作動規制が、地震判定手段によりP波が所定値以上のレベルの振動であると判定されたときに、ブームの所定の作動を規制するよう構成される。
第3の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、走行体に取り付けられ走行体側方および下方に張り出して走行体を支持する複数のアウトリガと、複数のアウトリガに各々設けられアウトリガの走行体の側方への張出量を検出する張出量検出手段(例えば、実施形態における張出量検出器91,92,93,94)とを備え、振動検出手段によりP波が検出されたときに、作動制御手段が行うブームの所定の作動規制が、張出量検出手段により検出された複数のアウトリガの張出量に応じてブームの作動を規制するよう構成される。
第4の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、振動検出手段によりP波が検出されたときに、作動制御手段が行うブームの所定の作動規制が、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が複数のアウトリガの張出量に応じて設定される地震対応作動許容領域(例えば、実施形態における領域A1〜A4,B1〜B2)の域内に位置していると検出されたときは、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応作動許容領域の域外へ移動するようなブームの旋回作動を規制し、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が地震対応作動許容領域の域外に位置していると検出されたときには、地震対応作動許容領域の域外におけるブームの旋回作動を規制するよう構成される。
第5の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、地震対応作動許容領域は、アウトリガの張出量に拘らず常に設定される常時設定領域と、アウトリガの張出量に応じて選択的に設定される第1及び第2選択領域とを有して形成されており、複数のアウトリガの全てが予め定められた所定の張出量となっているときは、常時設定領域と第1及び第2選択領域とを含む領域全体が地震対応作動許容領域として設定され、複数のアウトリガのうちの何れかが所定の張出量未満となっているときには、所定量未満と判断されたアウトリガの走行体に対する位置に応じて、第1選択領域及び第2選択領域のうちの少なくとも一方が地震対応作動許容領域から除かれるよう構成される。
第6の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、走行体と、走行体上に少なくとも起伏作動、旋回作動および伸縮作動自在に配設されたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業台と、ブームの作動を操作する操作装置と、ブームの先端部又は前記作業台の位置を検出する位置検出手段と、操作装置からの操作信号に基づいて、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が予め設定された通常許容作業範囲を逸脱しない範囲でブームの作動を制御する作動制御手段とを備えて構成される高所作業車の耐震装置において、地震観測網の地震情報に基づいて生成され外部(例えば、実施形態における気象庁101および情報配信サービス会社102)から情報提供される緊急地震速報を受信する受信手段(例えば、実施形態における携帯電話105)と、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置と通常許容作業範囲よりも狭い領域となるよう設定された地震対応許容作業範囲とを比較し、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段とを備え、受信手段により緊急地震速報が受信されたとき、作動制御部が、ブームの所定の作動を規制する制御を行うよう構成され、作動制御手段は、受信手段により緊急地震速報が受信されたとき、判断手段においてブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲の限界に達していると判断される場合には、所定の作動規制として、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応許容作業範囲から逸脱するようなブームの作動を規制するよう構成される。
第7の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、走行体に取り付けられ、走行体側方および下方に張り出して前記走行体を支持する複数のアウトリガと、複数のアウトリガに各々設けられアウトリガの走行体の側方への張出量を検出する張出量検出手段とを備え、受信手段により緊急地震速報が受信されたときに、作動制御手段が行うブームの所定の作動規制が、張出量検出手段により検出された複数のアウトリガの張出量に応じてブームの作動を規制するよう構成される。
第8の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、受信手段により緊急地震速報が受信されたときに、作動制御手段が行うブームの所定の作動規制が、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が複数のアウトリガの張出量に応じて設定される地震対応作動許容領域の域内に位置していると検出されたときは、ブームの先端部又は作業台の位置が地震対応作動許容領域の域外へ移動するようなブームの旋回作動を規制し、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置が地震対応作動許容領域の域外に位置していると検出されたときには、地震対応作動許容領域の域外におけるブームの旋回作動を規制するよう構成される。
第9の本発明に係る高所作業車の耐震装置は、上記構成の上、地震対応作動許容領域は、アウトリガの張出量に拘らず常に設定される常時設定領域と、アウトリガの張出量に応じて選択的に設定される第1及び第2選択領域とを有して形成されており、複数のアウトリガの全てが予め定められた所定の張出量となっているときは、常時設定領域と第1及び第2選択領域とを含む領域全体が地震対応作動許容領域として設定され、複数のアウトリガのうちの何れかが所定の張出量未満となっているときには、所定量未満と判断されたアウトリガの走行体に対する位置に応じて、第1選択領域及び第2選択領域のうちの少なくとも一方が地震対応作動許容領域から除かれるよう構成される。
第1の本発明に関する高所作業車の耐震装置によれば、地震の主要動の到達前にブームの作動を規制する制御を行うことができるため、走行体の転倒を未然に防止することができ、作業の安全性を向上させることができる。
また、第1の本発明に関する高所作業車の耐震装置によれば、地震発生により走行体の安定性が低下した場合においても、通常の許容作業範囲をより狭く制限した地震対応の許容作業範囲に切り換えて、この地震対応の許容作業範囲を逸脱するブームの作動を規制する制御がされるため、ブームの作動により走行体の安定性がさらに低下するのを防止することができる。
さらに、第2の本発明に関する高所作業車の耐震装置によれば、地震の主要動の到達前にやってくるP波が予め設定された所定値以上のレベルの振動であるか否かを判定することにより、走行体の安定性を損なうおそれがないことが明らかな微振動や、突発的な外部からの衝撃等による微振動を受けて、過剰にブームの作動を規制してしまうのを防止することができる。
また、第3〜第5の本発明に関する高所作業車の耐震装置によれば、アウトリガの張出量を検出して、張出量が所定量未満のアウトリガ側へ走行体を転倒させようとする転倒モーメントを抑えるように、すなわち、張出量が所定量未満のアウトリガ側に車体を転倒させないようにブームの旋回作動を規制する制御がなされるため、地震が発生した場合でもアウトリガの張出状態に拘わらず、作業の安全性が確保される。
さらに、第6〜第9の本発明に関する高所作業車の耐震装置によれば、地震に関するリアルタイム情報として地震発生時に配信される緊急地震速報を活用することにより、地震の主要動の到達前において、迅速かつ確実にブームの作動を規制する制御を行うことができるため、作業の安全性をより効果的に確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図2に本発明に係る耐震装置を装備した高所作業車の一例を示す。
まず本発明に係る高所作業車の耐震装置の第1実施例について図面を参照して説明する。高所作業車1は、タイヤ車輪11,11,…を備えて運転キャビン12から走行運転操作が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回台20に基端部が枢結され上下揺動自在に取り付けられた伸縮ブーム(以下、単にブームと称する)30と、このブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成されている。
旋回台20は、走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、走行体10に内蔵された旋回モータ23を油圧駆動することにより水平旋回作動させることができる。ブーム30は、基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子式に構成されており、内部に設けられた伸縮シリンダ31を油圧駆動することによりブーム30全体を伸縮作動させることができる。また、ブーム30は基端ブーム30aと旋回台20との間に跨設された起伏シリンダ24を油圧駆動することにより上下面内で起伏動させることができる。
先端ブーム30cの先端部にはブームヘッド32が取り付けられており、このブームヘッド32に枢結されて垂直ポスト33が上下に揺動可能に取り付けられている。この垂直ポスト33は、先端ブーム30c先端あるいはブームヘッド32と垂直ポスト33との間に配設されたレベリング装置(図示しない)により垂直ポスト33の揺動制御が行われ、ブーム30の起伏の如何に拘らず垂直ポスト33が常に垂直に延びて位置するように垂直ポスト33が揺動制御される。このように常時垂直に保持される垂直ポスト33には、首振りモータ43により水平旋回自在(首振り自在)に作業台40が取り付けられており、作業台40はブーム30の起伏に拘らず常に水平に保持される。
走行体10上にはブーム30格納時にブーム30を載置支持するブーム受け35が立設されており、ブーム30を全縮状態にして走行体10の前方に延ばしてほぼ水平に倒伏させ、ブーム30をこのブーム受け35の上に載置して格納することができる。
走行体10の前後左右各箇所には、作業台40を所望の位置に移動して作業を行う際に、走行体10が安定した状態で支持できるように、アウトリガが配設されている(図2では、走行体10における左側前後に配設されたアウトリガ71,72と、右側後方に配設されたアウトリガ73が描かれているが、右側前方に配設されたアウトリガ74は不図示である)。
アウトリガ71〜74は、走行体10の側方に向かって伸縮可能に構成され、張出量が多いほど走行体10を安定支持することができ、作業台40の移動範囲(ブーム30の許容作業範囲)は広くなる。なお、このアウトリガ71〜74の作動は、走行体10の後部に設けられているアウトリガ操作装置70を作業者が操作することにより行われる。アウトリガ操作装置70には、各アウトリガに対応して操作レバーが設けられている(図2では、操作レバーの一部を省略している)。
ここで、走行体10の左側後方に配設されたアウトリガ71を例にとって、アウトリガの構成について説明するが、その構成は他の3つのアウトリガ72〜74についても同じである。アウトリガ71は、走行体10に取り付けられたアウトリガボックス75内にアウトリガシリンダ76(図1参照)により走行体10の側方に向かって伸縮可能にアウトリガビーム77が挿入され、そのアウトリガビーム77の先端にジャッキ78が取り付けられている。ジャッキ78は、アウタポスト78aと、アウタポスト78a内に図示しないジャッキシリンダにより下方に向かって伸縮可能に挿入されたインナポスト78bと、インナポスト78bの下端に設けられた接地板78cとから構成される。
そして、作業台40を任意の高所に移動させるために、旋回台20の旋回作動、ブーム30の起伏・伸縮作動を行う場合には、走行体10の側方に向かってアウトリガビーム77を張り出し、インナポスト78bを接地板78cが接地するまで下方に張り出すことにより、走行体10を安定支持させる。
作業台40上に備えられた上部操作装置50内には、図2に示すように、起伏操作レバー51、伸縮操作レバー52、旋回操作レバー53および首振り操作レバー54が設けられており、それぞれ自然状態である中立位置(垂直位置)から前後方向若しくは左右方向に傾動操作可能に構成されている。ここで、起伏操作レバー51を前後方向に傾動操作するとブーム30の起伏、即ち、起伏シリンダ24の伸縮動作を行わせる起伏操作信号が出力され、伸縮操作レバー52を前後方向に傾動操作するとブーム30の伸縮、即ち、伸縮シリンダ31の伸縮動作を行わせる伸縮操作信号が出力される。また、旋回操作レバー53を左右方向に傾動操作するとブーム30の旋回、即ち、旋回モータ23の順逆方向の回転動作を行わせる旋回操作信号が出力され、首振り操作レバー54を左右方向に傾動操作すると作業台40の首振り動、即ち、首振りモータ43の順逆方向の回転動作を行わせる首振り操作信号が出力される。これらの操作レバー51〜54の操作により出力される操作信号は、レバーの傾動方向を検出して得られる傾動方向信号と、レバーの傾動量(傾動角度)を検出して得られる傾動量信号とからなっている。
なお、走行体10の後部にも、作業台40に備えられた上部操作装置50とほぼ同様の機能を有する下部操作装置58が備えられており、地上の作業者はこの下部操作装置58を操作して上部操作装置50と同様な作動操作を行うことができる。
また、走行体10には、P波感知器48が搭載されており、図2に示すように、このP波感知器は作業時に作業現場の地表面に設置されて、地震の本震(大きな横揺れ)の数秒前にやってくるP波(初期微動)を感知するものである。そして、このP波感知器48がP波を検出した場合には、感知信号を後述するコントローラ60の地震判定部66に出力する。
図1は本高所作業車1におけるブーム30および作業台40の作動系統を示すブロック図である。上部操作装置50、下部操作装置58およびアウトリガ操作装置70内の操作レバーの操作により出力される操作信号は、走行体10内に設置されたコントローラ60のバルブ制御部61に入力される。
コントローラ60のバルブ制御部61は、起伏操作レバー51の傾動操作により出力される起伏操作信号に基づいて起伏シリンダ24に対応する第1制御バルブV1を電磁駆動し、伸縮操作レバー52の傾動操作により出力される伸縮操作信号に基づいて伸縮シリンダ31に対応する第2制御バルブV2を電磁駆動する。また、バルブ制御部61は、旋回操作レバー53の傾動操作により出力される旋回操作信号に基づいて旋回モータ23に対応する第3制御バルブV3を電磁駆動し、首振り操作レバー54の傾動操作により出力される首振り操作信号に基づいて首振りモータ43に対応する第4制御バルブV4を電磁駆動する。さらに、アウトリガ操作装置70内の操作レバーの傾動操作により出力されるアウトリガ操作信号に基づいてアウトリガシリンダ76に対応する第5制御バルブV5を電磁駆動する。また、アウトリガ操作装置70内の操作レバーの傾動操作によって、ジャッキシリンダに対応する第6制御バルブ(図示しない)を電磁駆動する。
走行体10内に設けられた油圧ポンプPより吐出される作動油は、上記第1〜第5制御バルブV1,V2,V3,V4,V5経由で起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23、首振りモータ43およびアウトリガシリンダ76に供給され、第6制御バルブ経由でジャッキシリンダに供給されるようになっている。
このように、作業台40に搭乗した作業者は、上部操作装置50内のこれら操作レバー51〜54を操作することにより、ブーム30を所望に移動させて任意の位置での作業を行うことが可能である。
コントローラ60には、図1に示すように、バルブ制御部61、位置算出部62、許容作業範囲データ記憶部63、判断部64、作動規制部65、地震判定部66、張出状況判定部67、作動許容領域設定部68およびインターロック制御部69が設けられている。
位置算出部62は、基端ブーム30a内に設けられてブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器81、基端ブーム30aの先端部に設けられてブーム30の長さを検出する長さ検出器82および走行体10内に設けられてブーム30の旋回角度を検出する旋回角度検出器83からの各検出情報に基づいて走行体10の所定の基準位置に対するブーム30の先端部の位置を算出する部分であり、その結果を後述の作動規制部65に出力するとともに、旋回角度検出器83において検出されたブーム30の旋回角度の情報を後述する許容作業範囲データ記憶部63に出力する。
張出状況判定部67は、アウトリガ71〜74に設けられたアウトリガビーム77の張出量を検出する張出量検出器91〜94の検出情報に基づいて、走行体10に設けられた4箇所のアウトリガ71〜74のアウトリガビーム77がそれぞれどれ位張り出されているか判定する。
インターロック制御部69は、ブーム30がブーム受け35に格納されたことを示すブーム格納検出器85からの検出信号と、ブーム30が全縮状態に収縮したことを示す長さ検出器82からの検出信号とを受信したときに、アウトリガ操作装置70による操作に応じたアウトリガ71〜74の作動を許容させるようになっている。なお、ブーム格納検出器82はブーム受け85に設けられ、例えば、オンオフ信号を出力可能なリミットスイッチから構成され、ブーム30の下面に押圧されることにより作動してオフ信号としての格納検出信号をこのインターロック制御部69に出力するものとなっている。
許容作業範囲データ記憶部63は、ブーム30の起伏動、伸長動および旋回動の作動可能な許容作業範囲データを記憶している部分であり、通常の作業状態で許容できる通常許容作業範囲Rと、この通常許容作業範囲Rを縮小補正された地震対応許容作業範囲Tとの許容作業範囲データが予め設定されている。図3(A)は、或るブーム30の旋回姿勢(及びアウトリガ71〜74の張出量)に対応して走行体10の側方に設定される許容作業範囲の一例を示したものであり、ここでは、図中に斜線で縁取りした領域が通常許容作業範囲Rに該当する。そして、図3(B)に示すように、通常許容作業範囲Rのうち、通常許容作業範囲Rの外縁内方に位置する領域(通常許容作業範囲Rの最も外側の外縁に沿って帯状に延びて位置した領域)Sを除く領域が、地震対応許容作業範囲Tとなる。この許容作業範囲データ記憶部63は、位置算出部62を経由して送られてくる旋回角度検出器83からの検出情報と、後述する地震判定部66から出力される設定指令信号に基づいて、そのときのブーム30の旋回姿勢に応じた許容作業範囲(通常許容作業範囲Rまたは地震対応作業範囲T)のデータを選択して判断部64に出力する。
地震判定部66は、P波感知器48と電気的に繋がっており、このP波感知器48が地震波の一つであるP波を検出したときに感知信号が入力されるようになっている。地震判定部66は、この感知信号を受信したとき、上記P波が、予め設定された所定値(任意に定めうるが、例えば、5ガル)以上の加速度の振動であるか否かを判定し、この所定値以上のレベルの振動であると判定されたときには、許容作業範囲データ記憶部63に信号を出力し、それまで許容作業範囲データ記憶部63に設定されていた通常許容作業範囲Rのデータを基準として行っていた判断部64への出力を解除させ、地震対応許容作業範囲Tのデータに基づいて判断部64に信号を出力させる。また、地震判定部66はP波感知器48から感知信号を受信したときに作動許容領域設定部68に信号を出力する。
さらに、地震判定部66は、P波感知器48により検出されたP波が所定値以上のレベルの振動であると判定したときには、上部および下部操作装置50,58にそれぞれ備えられた地震警報装置49に警報信号を出力する。地震警報装置49は警報ブザーによって構成され、警報信号を受信したときに警報音を発生させる警報作動を行い、作業者に対して地震発生の注意を喚起する。
作動許容領域設定部68は、地震判定部66からの出力信号を受信したときに、許容作業範囲データ記憶部63により設定された地震対応許容作業範囲Tの中からアウトリガ71〜74の張出状態に応じてブーム30の旋回作動を許容する地震対応作動許容領域を設定し、この設定情報を判断部64に出力する。
判断部64は、位置算出部62において算出されたブーム30の先端部の現在位置と、許容作業範囲データ記憶部63より与えられるブーム30の旋回姿勢に応じた許容作業範囲とを比較し、ブーム30の先端部が所定の許容作業範囲の限界に達しているか否かの判断を行うとともに、位置算出部62において算出されたブーム30の先端部の現在位置と、作動許容領域設定部68より与えられた地震対応作動許容領域とを比較し、ブーム30の旋回作動規制についての判断を行う。そして、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達したと判断されたとき、或いは、ブーム30の先端部と地震対応作動許容領域との位置関係に基づいてブーム30の所定の旋回作動を規制する判断がされたときには、規制指令信号を作動規制部65に出力する。
作動規制部65は、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達したと判断され、判断部64から規制指令信号を受信したときには、ブーム30の先端部が許容作業範囲を超えるようなブーム30の作動を規制するブーム作動規制信号をバルブ制御部61に出力する。バルブ制御部61は、作動規制部65からブーム作動規制信号を受けている間は、ブーム30の先端部が許容作業範囲を超えるブーム操作信号(起伏操作信号、伸縮操作信号、旋回操作信号)を無視する。これにより、ブーム30の作動は強制停止されるので、ブーム30の先端部が許容作業範囲から逸脱することはない。また、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達し判断部64より上記規制指令信号を受けている間は、作動規制部65は、上述のようにブーム30の先端部が許容作業範囲を超えるブーム操作信号を無視するとともに、ブーム30の先端部が許容作業範囲の領域内に移動するまでブーム30の収縮作動を行うようバルブ制御部61を制御させる。
また、作動規制部65は、ブーム30の先端部と地震対応作動許容領域との位置関係に基づいてブーム30の所定の旋回作動を規制すると判断され、判断部64から規制指令信号を受信したときには、ブーム30の所定の旋回動を規制するブーム作動規制信号をバルブ制御部61に出力する。したがって、転倒モーメントが過大となって走行体10が転倒に至ることはなく、作業の安全性が図られる。
なお、上部および下部操作装置50,58には警報ランプ88および警報ブザー89が備えられ、作動規制部65と電気的に繋がっており、作動規制部65が、バルブ制御部61に上記ブーム作動規制信号を出力しているときには、これら警報ランプ88および警報ブザー89にも同様の信号を出力し、警報ランプ88を点灯させるとともに警報ブザー89より警報音を発生させる。
次に、第1実施例に係る耐震装置が備えられた高所作業車1において、地震発生時のブーム30の作動規制について説明する。ここで、ブーム30の作動規制が行われる場合については、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達したと判断される場合と、ブーム30の先端部と地震対応作動許容領域との位置関係に基づいてブーム30の所定の旋回作動を規制する判断がされる場合とがあるが、まず、前者の場合について説明をする。
本高所作業車1により目的の作業現場に到着した作業者は、P波感知器48をこの作業現場の地表面に設置する。その後、アウトリガ71〜74により走行体10を安定支持させ、作業者は作業台40に搭乗し上部操作装置50内の操作レバーを操作することにより、作業台40を作業位置に位置させて所要の高所作業を行う。このとき、コントローラ60の判断部64においては、許容作業範囲データ記憶部63から出力される通常許容作業範囲Rのデータに基づいて、ブーム30の先端部の現在位置を比較して、ブーム30の先端部が通常許容作業範囲Rの領域から逸脱するようなブーム30の作動を規制し、この通常許容作業範囲Rの領域から逸脱することがないようにしている。
そして、この作業現場に到達する地震が発生した場合、地震の主要動が伝わる前の初期微動としてP波を作業現場の地表面に設置されたP波感知器48が検出する。これにより、このP波が所定値以上のレベルの振動であるとコントローラ60の地震判定部66により判定されると、地震警報装置49により警報音が発せられる。警報音が発生することにより作業者には、初期微動の後に続く大きな主要動発生直前の警報が行われ、この警報に基づいて作業者は作業台40の手摺につかまる等の身を守る行動をとることができる。
これと同時に地震判定部66は、許容作業範囲データ記憶部63に信号を出力し、それまで許容作業範囲データ記憶部63に設定されていた通常許容作業範囲Rのデータを基準として行っていた判断部64への出力を解除させ、地震対応許容作業範囲Tのデータを選択して、判断部64に信号を出力させる。これにより、ブーム30の先端部の許容作業範囲は、通常許容作業範囲Rから地震対応許容作業範囲Tへ切り替わり、これまで許容されていた作業範囲であった図3(B)に示す領域S(通常許容作業範囲Rの一部の領域)については、ブーム30の作動が規制されることとなる。このとき、判断部64は位置算出部62により算出されたブーム30の先端部の現在位置と地震対応許容作業範囲Tとを比較し、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの限界に達しているか否かの判断を行い、限界に達したと判断した場合には、バルブ制御部61は作動規制部65からブーム作動規制信号を受けている間は、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tを超えるブーム操作信号を無視する。このため、ブーム30を起伏、伸縮、旋回動させることにより、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの限界に達したときには、ブーム30の作動が強制的に停止されることとなる。
また、地震発生時(所定値以上レベルの振動のP波検出時)に、ブーム30の先端部が通常許容作業範囲Rの領域内であって、且つ、領域Sの領域内に位置して作業をしていた場合には、P波検出によりブーム30の先端部の許容作業範囲は地震対応許容作業範囲Tに切り替わって、このP波検出時点において、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの領域を超えている事態となる。このときは、上部および下部操作装置50,58からの操作に応じたブーム操作信号は無視された上で、バルブ制御部61によりブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの領域内に移動するまでブーム30の収縮作動が行われる。したがって、地震発生下においても転倒モーメントが過大となって走行体10が転倒に至ることはなく、作業の安全性が図られる。
なお、上述のように許容作業範囲が地震対応許容作業範囲Tに切り替わりブーム30の先端部がこの地震対応許容作業範囲Tを超えている事態となったときに、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの領域内に移動するまでブーム30の収縮作動を自動作動させる代わりに、地震対応許容作業範囲Tに切り換える切換スイッチを設け、この切換スイッチを地震対応許容作業範囲Tに切り換えた上で、作業者が伸縮操作レバー52を操作してブーム30を収縮作動する構成としてもよい。
そして、このようにブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの領域外に位置してブーム30作動の規制が働いているときには、上述のように作動規制部65が警報ランプ88を点灯させるとともに警報ブザー89より警報音を発生させるので、作業台40上の作業者に注意が喚起される。なお、許容作業範囲をこの地震対応許容作業範囲Tから通常許容作業範囲Rに戻すには、走行体10の電源をオフにして(図示しないバッテリユニットやエンジンユニット等の電源をオフにして)、再度電源をオンにすることにより通常許容作業範囲Rに復帰させるようになっている。また、許容作業範囲を地震対応許容作業範囲Tから通常許容作業範囲Rに戻す場合に、リセットスイッチあるいは地震対応許容作業範囲Tを選択する切換スイッチを設けて、これを操作する構成としてもよい。
次に、地震発生時のブーム30の作動規制について、ブーム30の先端部と地震対応作動許容領域との位置関係に基づいてブーム30の所定の旋回作動を規制する判断がされる場合について図4を用いて説明する。
図4(A)に示す線Mは、全アウトリガ71〜74の張出状態が最大である場合において、走行体10の安定性が確保されるブーム30の許容作業半径をブーム30の全旋回位置に亘って示した包絡線であり、この線Mで囲まれる円形の領域は、ブーム30の通常許容作業範囲Rが縮小補正された地震対応許容作業範囲Tを示す。
図4(B)に示す線Kは、アウトリガ71〜74の張出状態に応じて、上述の線Mで囲まれた円形の領域において、ブーム30の許容作業半径の左側および右側部分を縮小補正した許容作業半径をブーム30の全旋回位置に亘って示した包絡線である。この図4(B)から分かるように、アウトリガ71〜74の張出状態に応じて許容作業半径は走行体10の前後領域において大きく、側方領域において小さくなっている。これは、アウトリガ71〜74の前後間隔が左右間隔よりも大きく設定されている関係上、ブーム30の起伏角度と長さが同じ(転倒モーメントが同じ)である場合には、ブーム30が走行体10の前後領域に位置している場合の方が、ブーム30が走行体10の側方領域に位置している場合よりも走行体10の安定性が確保されるからである。そして、アウトリガ71〜74の張出状態に応じて、ブーム30の先端部が線Mまたは線Kで囲まれる領域を逸脱するようなブーム30の作動が規制される。
また、コントローラ60の許容作業範囲データ記憶部63には、アウトリガ71〜74の張出状態に応じ、地震対応許容作業範囲T内からブーム旋回作動を許容する地震対応作動許容領域として設定される複数の領域が予め記憶されている。この複数の領域は、線Mで囲まれたブーム30の地震対応許容作業範囲Tをブーム30の旋回角度θに応じて分割したもので構成され、領域A1、領域A2、領域A3、領域A4、領域B1および領域B2の6つの領域からなっている。そして、これらの領域のうち領域A1〜A4が示す領域が、線Kで囲まれる領域となる。ここで、旋回角度θとは、旋回台20の旋回中心Oを通り走行体10の前方方向に延びる中心軸線Jを旋回角度ゼロとして、ブーム30を時計方向および反時計方向に旋回動させたときのブーム30と中心軸Jとのなす角度を意味する。
上記領域を定めるために設定されるブーム30の旋回角度θは、中心軸線Jと旋回台20の旋回中心Oから各アウトリガ72〜74に延びる線とのなす角度を基準に設定されている。すなわち、中心軸線Jとアウトリガ74に延びる線とのなす角度であるE°、中心軸線Jとアウトリガ73に延びる線とのなす角度であるG°、中心軸線Jとアウトリガ71に延びる線とのなす角度であるH°、中心軸線Jとアウトリガ72に延びる線とのなす角度であるF°を基準にして6つの領域が設定されている。なお、6つの領域を設定するための基準となる旋回角度は、高所作業車の車種やアウトリガの張出量によっては、上記とは異なる角度になる。
ここで、領域A1はブーム30の旋回角度θが時計方向にF°からE°における扇形の領域であり、領域A2はブーム30の旋回角度θが時計方向にE°からG°において領域B1を除いた三角形の領域である。また、領域A3はブーム30の旋回角度θが時計方向にG°からH°における扇形の領域であり、領域A4はブーム30の旋回角度θが時計方向にH°からF°において領域B2を除いた三角形の領域である。そして、円形の線Mで囲まれた領域から線Kで囲まれた領域(領域A1〜A4)を除いた領域のうち、右側の領域が領域B1であり、左側の領域が領域B2である。
上記のように6つの領域が設定された本高所作業車1において、アウトリガ71〜74の張出状態に応じて作動許容領域設定部68は、許容作業範囲データ記憶部63に記憶された上記6つの領域A1〜A4,B1〜B2の中からブーム30の地震対応作動許容領域を設定する。
全アウトリガ71〜74のアウトリガビーム77において最大張出量が検出されている場合には、この検出情報を受信した張出状況判定部67は、4箇所全てのアウトリガ71〜74が最大張出状態であると判定する。そして、地震判定部66から地震発生による出力信号を受信した場合において、作動許容領域設定部68は許容作業範囲データ記憶部63に記憶された上記6つの領域A1〜A4,B1〜B2全てを地震対応作動許容領域として設定する。このため、全アウトリガ71〜74が最大張出状態である場合には、線Mで囲まれた円形の領域内において、ブーム30は旋回動することが可能となる。
地震判定部66から地震発生による出力信号を受信した場合において、張出状況判定部67により4箇所のアウトリガ71〜74のうち一部のアウトリガが最大張出状態ではないと判断されたときには、最大張出状態ではないと判定されたアウトリガの位置に応じて、許容作業範囲データ記憶部63に記憶された上記6つの領域A1〜A4,B1〜B2の中からブーム30の地震対応作動許容領域が設定される。
このように地震対応作動許容領域として設定される領域は、右側アウトリガ73,74のうち少なくとも一方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合には、右側の領域B1を除く領域A1〜A4,B2が地震対応作動許容領域として設定され、左側アウトリガ71,72のうち少なくとも一方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合には、左側の領域B2を除く領域A1〜A4,B1が地震対応作動許容領域として設定される。また前方側アウトリガ72,74の両方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合には、右側の領域B1および左側の領域B2を除く領域A1〜A4が地震対応作動許容領域として設定され、後方側アウトリガ71,73の両方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合にも、領域B1,B2を除く領域A1〜A4が地震対応作動許容領域として設定される。このように、領域A1〜A4の4つの領域は常に地震対応作動許容領域として設定されこの領域内におけるブーム30の作動が許容され、最大張出状態ではないと判定されたアウトリガの位置に応じて領域B1,B2のどちらか一方または両方の領域が地震対応作動許容領域から除かれてこの領域B1,B2の一方または両方を基準にしてブーム30の作動が規制されることとなる。
そして、判断部64により、ブーム30の先端部の位置に応じてブーム30の作動規制についての判定が行われる。具体的には、位置算出部62において算出されたブーム30の先端部の現在位置に応じてブーム30の作動規制をどのように行うかが判定される。ここで、アウトリガ71〜74のうち前方側アウトリガ72,74が最大張出状態ではないと判定されている場合には、上述のように、地震対応作動許容領域として領域B1,B2を除く領域A1〜A4の4つ領域が設定され、ブーム30の先端部が例えば図4(B)において点Cが示すように、地震対応作動許容領域の領域外となる領域B1の領域内に位置しているときには、ブーム30の旋回動が規制されることとなる。具体的には、領域B1内でブーム30を旋回動させているときに、P波感知器48によりP波が検出され、このP波が所定値以上のレベルの振動であると地震判定部66により判定されると、ブーム30の先端部が点Cから時計方向および反時計方向に旋回する旋回動が規制される。また、図示しないが、ブーム30の先端部が領域B2の領域内に位置しているような場合にも、同様にブーム30の旋回動が規制される。
なお、ブーム30の旋回動の規制は、判断部64からの規制指令信号に基づいて作動規制部65がブーム30の所定の旋回動を規制するブーム作動規制信号をバルブ制御部61に出力することにより行われ、このバルブ制御部61が、旋回操作レバー53の傾動操作により出力される旋回操作信号を規制(無視)することとなる。
また、上述したように地震対応作動許容領域の領域外でブーム30の旋回動が規制されている状態において、この旋回動の規制を解除するには、まず、ブーム30を全縮状態で前方に倒伏しブーム受け35に格納することにより、インターロック制御部69によるアウトリガの作動規制を解除させる。そして、アウトリガ操作装置70からの操作により前方側アウトリガ72,74が最大張出となるまで張出作動を行い、張出量検出器92,94により前方側アウトリガ72,74のアウトリガビーム77の最大張出量が検出された場合には、作動許容領域設定部68において領域B1,B2を含めた状態で地震対応作動許容領域が設定され(線Mで囲まれた円形の領域A1〜A4,B1〜B2が地震対応作動許容領域として設定され)、図4(A)に示すようにブーム30の先端部が領域B1の領域内を旋回動することが可能になる。
一方、ブーム30の先端部が、例えば図4(B)において点Dで示すように、地震対応作動許容領域として設定された領域A1の領域内に位置している場合には、ブーム30の先端部が地震対応作動許容領域である領域A1〜A4の領域内を作動することは許容されるが、地震対応作動許容領域の領域外である領域B1,B2の領域内に移動するようなブーム30の旋回動が規制される。
具体的には、ブーム30が点Dから時計方向に旋回している場合には、ブーム30の旋回角度θがE°を超えて、領域B1へ達したときにブーム30の旋回動が停止し、ブーム30が反時計方向に旋回している場合には、ブーム30の旋回角度θがF°を超えて、領域B2に達したときにブーム30の旋回動が停止する。このとき、ブーム30の先端部が領域B1,B2の領域内に移動しなければ、すなわち、ブーム30の先端部が領域A1〜A4内を移動している限りブーム30の作動は許容されるため、上述のようにブーム30の作動が停止した場合にブーム30を反転させることは可能である。
また、ブーム30の先端部が領域B1,B2の領域内へ移動する旋回動が規制されている状態において、この旋回動の規制を解除するには、ブーム30を収縮作動し、このブーム30が全縮状態まで収縮されたことを長さ検出器82が検出したときに、作動規制部65がブーム30の旋回作動を規制する信号をバルブ制御部61に出力するのを解除することにより行われる。このようにブーム30が全縮状態において旋回動の規制が解除されるのは、ブーム30を全縮状態にすることでブーム30を旋回動させても走行体10の安定性が著しく低下することがないためである。
このように作動許容領域設定部68により、ブーム30の作動が規制される領域として、2つの領域B1,B2が設定された場合を例に説明したが、例えば、右側アウトリガ73,74のうちいずれか一方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合には、地震対応作動許容領域として領域B1を除く領域A1〜A4,B2が設定され、この地震対応作動許容領域ではない領域B1を基準にブーム30の作動規制がなされる。また、左側アウトリガ71,72のうちいずれか一方のアウトリガが最大張出状態ではないと判定された場合には、地震対応作動許容領域として領域B2を除く領域A1〜A4,B1が設定され、この地震対応作動許容領域ではない領域B2を基準にブーム30の作動規制がなされる。さらに、後方側アウトリガ71,73の両方のアウトリガが、最大張出状態ではないと判定される場合には、上述の前側アウトリガ72,74の両方のアウトリガが最大張出量ではないと判定された場合と同様に、領域B1,B2を除く領域A1〜A4が地震対応作動許容領域として設定され、領域B1,B2を基準にブーム30の作動規制がなされることとなる。
次に、図6を用いて、本発明に係る高所作業車の耐震装置の第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同一の部材は同一の符号を付し、上記第1実施例と相違する部分を中心に説明する。
第1実施例では、地震の初期微動であるP波を感知するP波感知器48を利用して本高所作業車1におけるブーム30の作動規制を行う構成であったが、この第2実施例では、地震に関するリアルタイム情報を活用して、このリアルタイム情報に基づき到来する地震波を予測して本高所作業車1のブーム30の作動規制を行う構成となっている。ここで、リアルタイム情報として、例えば、気象庁101または2次配信機関(例えば、情報配信サービス会社102)から伝送される緊急地震速報の地震発生情報サービスを利用することが考えられる。
図6に示すように、気象庁101もしくは情報配信サービス会社102から配信される緊急地震速報は、携帯電話網より本高所作業車1に装備される携帯電話105が受信する。この緊急地震速報は、地震が発生した際に現れるP波(初期微動)を分析することで得られる地震の震源位置、地震発生時刻、予測震度等を含む震源情報である。そして、携帯電話105がこの緊急地震速報を受信したときには、携帯電話105に内蔵されたCPU(図示しない)が緊急地震速報の受信を判断して、コントローラ60′(地震判定部66′)に信号を出力する。また、携帯電話105と地震判定部66′とは、この携帯電話105および地震判定部66′の間でデータのやり取りを制御するために接続されたインターフェースI/Fを介して電気的に繋がっている。
図7は第2実施例に係る耐震装置を備えた高所作業車1におけるブーム30および作業台40の作動系統を示すブロック図である。コントローラ60′には、図7に示すように、バルブ制御部61、位置算出部62、許容作業範囲データ記憶部63、判断部64、作動規制部65、地震判定部66′、張出状況判定部67、作動許容領域設定部68およびインターロック制御部69が設けられている。
コントローラ60′の地震判定部66′は、携帯電話105が緊急地震速報を受信したときはインターフェースI/F(図7では図示しない)を介してこの受信信号を入力する。そして、地震判定部66′は許容作業範囲データ記憶部63に信号を出力し、それまで許容作業範囲データ記憶部63に設定されていた通常許容作業範囲Rのデータを基準として行っていた判断部64への出力を解除させ、地震対応許容作業範囲Tのデータに基づいて判断部64に信号を出力させる。
また、地震判定部66′は携帯電話105から受信信号を受けたときには、上部および下部操作装置50,58にそれぞれ設けられた地震警報装置49に警報信号を出力する。
次に、第2実施例に係る耐震装置が備えられた高所作業車1において、地震発生時のブーム30の作動規制について説明する。本高所作業車1により目的の作業現場で作業を行っているときに、この作業現場に到達する地震が発生した場合、全国に隈なく張り巡らされた地震観測網の震度計によりこの地震の初期微動であるP波が検知され、気象庁101もしくは情報配信サービス会社102から、この地震の震源位置、地震発生時刻、予測震度等を含む緊急地震速報が配信される。高所作業車1に備えられる携帯電話105がこの緊急地震速報を受信するとインターフェースI/Fを介してコントローラ60′の地震判定部66′に信号が出力される。地震判定部66′がこの信号を受けると地震警報装置49により警報音が発せられ、作業者に対して地震発生の注意が喚起される。
これと同時に地震判定部66′は、許容作業範囲データ記憶部63に信号を出力し、それまで許容作業範囲データ記憶部63に設定されていた通常許容作業範囲Rのデータを基準として行っていた判断部64への出力を解除させ、地震対応許容作業範囲Tのデータを選択して判断部64に信号を出力させる。これにより、ブーム30の先端部の許容作業範囲は、通常許容作業範囲Rから地震対応許容作業範囲Tへ切り換わり、これまで許容されていた作業範囲であった図3(B)に示す領域Sについては、ブーム30の作動が規制されることとなる。このとき、判断部64は位置算出部62により算出されたブーム30の先端部の現在位置と地震対応許容作業範囲Tとを比較し、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの限界に達しているか否かの判断を行い、限界に達していると判断した場合には、バルブ制御部61は作動規制部65からブーム作動規制信号を受けている間は、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tを超えるブーム操作信号を無視する。このため、ブーム30を起伏、伸縮、旋回動させることにより、ブーム30の先端部が地震対応許容作業範囲Tの限界に達したときには、ブーム30の作動が強制的に停止されることとなる。そして、この地震対応許容作業範囲Tに基づきブーム30の作動が許容され、地震対応許容作業範囲Tの領域から逸脱するようなブーム30の作動を規制し、この地震対応許容作業範囲Tの領域から逸脱することがないようにしている。
また、地震判定部66′から地震発生による出力信号が発信されたとき、作動許容領域設定部68はアウトリガ71〜74の張出状態に応じて、許容作業範囲データ記憶部63に記憶された地震対応許容作業範囲Tを構成する図4(A)に示す6つの領域A1〜A4,B1〜B2の中からブーム30の地震対応作動許容領域を設定し、この設定情報を判断部64に出力する。地震対応作動許容領域については、領域A1〜A4の4つの領域は常に地震対応作動許容領域として設定されこの領域内におけるブーム30の作動が許容され、最大張出状態ではないと判定されたアウトリガの位置に応じて領域B1,B2のどちらか一方または両方の領域が地震対応作動許容領域から除かれて、この領域B1,B2の一方または両方を基準にしてブーム30の作動が規制されることとなる。判断部64によりブーム30の先端部の現在位置に応じてブーム30の作動規制をどのように行うかが判定される。例えば、ブーム30の先端部が、地震対応作動許容領域の領域外に位置している場合には、ブーム30の旋回動が規制される。一方、ブーム30の先端部が、地震対応作動許容領域の領域内に位置している場合には、ブーム30の先端部が上記領域内を作動することは許容されるが、地震対応作動許容領域の領域外に移動するようなブーム30の旋回動は規制される。このようにして、アウトリガの張出状態に応じて走行体10の安定性が低下するようなブーム30の旋回動を規制する。
このような第2実施例に係る耐震装置によれば、地震に関するリアルタイム情報として地震発生時に配信される緊急地震速報を活用することにより、地震の主要動の到達前において、迅速かつ確実にブームの作動を規制する制御を行うことができるため、作業の安全性をより効果的に確保することができる。
これまで、本発明の好ましい実施形態について第1および第2実施例を一例として説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示されたものに限定されない。例えば、通常許容作業範囲Rから地震対応許容作業範囲Tへの作業範囲の切り換えは、第1実施例ではP波感知器48からの感知信号に基づいて、第2実施例では携帯電話105からの受信信号に基づいて、許容作業範囲データ記憶部63が作業範囲を選択して判断部64に出力設定することにより行われていたが、上部および下部操作装置50,58に手動操作可能な作業範囲切換スイッチ57を設けて、図5(図5では、作業範囲切換スイッチ57を第1実施例に適用した場合を示す)に示すように、この作業範囲切換スイッチ57の操作信号により地震判定部66を介して、強制的に地震対応許容作業範囲Tを設定させる構成としてもよい。
これによれば、地震による災害現場等における復旧作業時において本高所作業車1を使用する場合には、予め、作業者が作業範囲切換スイッチ57をオン操作して、許容作業範囲を地震対応許容作業範囲Tに設定しておくことにより、余震が続く作業環境の下においても、作業の安全性をより確実に図ることができる。この場合にはP波感知器48からの感知信号は許容作業範囲の切り換えには無関係となるが、P波感知器48を設けて上述のように地震警報装置49の警報作動により地震発生の警報音を発し、作業者に注意を喚起することが好ましい。また、このような構成によれば、地震警報装置49からの警報音を確認して、作業者が適時、作業範囲切換スイッチ57をオン操作して、許容作業範囲を切り換えることもできる。なお、作業範囲切換スイッチ57により許容作業範囲を切り換える場合には、この作業範囲切換スイッチ57をオフ操作することにより、許容作業範囲が地震対応許容作業範囲Tから通常許容作業範囲Rに切り換わることとなる。
また、作業範囲切換スイッチ57を第2実施例に適用した場合には、作業者が携帯電話105で緊急地震速報を受信することにより、この携帯電話105のメロディ機能等により作業者へ地震発生の注意を喚起して、作業者は作業範囲切換スイッチ57をオン操作して作業範囲を通常許容作業範囲Rから地震対応許容作業範囲Tに切り換えることができる。
さらに、第2実施例においては、緊急地震速報を受信する手段として携帯電話を受信手段の一例として説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、緊急地震速報を専用回線により受信するインターネット受信装置や、衛星回線により受信する衛星通信受信装置として構成してもよい。また、FM多重放送局から緊急地震速報の電波を受信したり、テレビ放送により緊急地震速報を受信するような構成としてもよいものである。
さらに、上述の実施形態では、ブーム30の先端部の位置がその許容作業範囲から逸脱するようなブーム30の作動を規制するようにした作業範囲規制として構成されているが、走行体10に作用する転倒モーメントを逐次算出してこれを予め定めた許容モーメント(通常許容モーメントおよび地震対応許容モーメント)と比較し、転倒モーメントが許容モーメントを超えるようなブーム30の作動を規制するモーメント規制として構成してもよいものである。さらに、作業台40の地上高さを算出し、この作業台40の地上高さが予め定めた許容作業高さ(通常許容作業高さおよび地震対応許容作業高さ)を超えるようなブーム30の作動を規制するものであってもよい。
また、上述の実施形態においては、作業台40を移動させるブーム30は伸縮式のブームであったが、これは屈伸式のブーム等であってもよい。さらに、上述の実施形態で示した高所作業車1はタイヤ車輪により走行する構成であったが、これは必ずしもタイヤ車輪により走行するものでなくてもよく、クローラ装置等により走行するものであってもよい。或いは軌道走行用車輪を備えて軌道上を走行する軌道走行用の高所作業車、さらにはタイヤ車輪と軌道走行用車輪との両方を備えた軌陸両用の高所作業車等であってもよい。
本発明の第1実施例に係る耐震装置を備えた高所作業車におけるブームおよび作業台の作動系統を示すブロック図である。 本発明の第1および第2実施例としての耐震装置を備えた高所作業車を示す斜視図である。 或るブームの旋回角度姿勢に対応して走行体の側方に設定されるブームの先端部の移動できる領域を例示する図であり、(A)は通常許容作業範囲を示し、(B)は地震対応許容作業範囲を示す。 本発明の第1および第2実施例としての耐震装置を備えた高所作業車による作動規制を説明するための高所作業車周辺の平面図であり、(A)は全アウトリガの最大張出状態を示し、(B)は前方側アウトリガの最大張出状態を示す。 本発明の第1実施例に係る耐震装置を備えた高所作業車に作業範囲切換スイッチを適用した場合のブームおよび作業台の作動系統を示すブロック図である。 本発明の第2実施例に係る耐震装置の一部を構成する携帯電話が緊急地震速報を受信する場合を説明するブロック図である。 本発明の第2実施例に係る耐震装置を備えた高所作業車におけるブームおよび作業台の作動系統を示すブロック図である。
符号の説明
1 高所作業車
10 走行体
30 ブーム
40 作業台
48 P波感知器(振動検出手段)
50 上部操作装置
58 下部操作装置
60,60′ コントローラ
61 バルブ制御部(作動制御手段)
62 位置算出部(位置算出手段)
64 判断部(判断手段)
66,66′ 地震判定部(地震判定手段)
71 左後アウトリガ
72 左前アウトリガ
73 右後アウトリガ
74 右前アウトリガ
81 起伏角度検出器(位置検出手段)
82 長さ検出器(位置検出手段)
83 旋回角度検出器(位置検出手段)
91 左後張出量検出器(張出量検出手段)
92 左前張出量検出器(張出量検出手段)
93 右後張出量検出器(張出量検出手段)
94 右前張出量検出器(張出量検出手段)
101 気象庁(外部)
102 情報配信サービス会社(外部)
105 携帯電話(受信手段)
A1〜A4,B1〜B2 領域(地震対応作動許容領域)
T 地震対応許容作業範囲

Claims (9)

  1. 走行体と、
    前記走行体上に少なくとも起伏作動、旋回作動および伸縮作動自在に配設されたブームと、
    前記ブームの先端部に取り付けられた作業台と、
    前記ブームの作動を操作する操作装置と、
    前記ブームの先端部又は前記作業台の位置を検出する位置検出手段と、
    前記操作装置からの操作信号に基づいて、前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が予め設定された通常許容作業範囲を逸脱しない範囲で前記ブームの作動を制御する作動制御手段とを備えて構成される高所作業車の耐震装置において、
    地震波のうちのP波を検出可能な振動検出手段と、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置と前記通常許容作業範囲よりも狭い領域となるよう設定された地震対応許容作業範囲とを比較し、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段とを備え、
    前記振動検出手段によりP波が検出されたとき、前記作動制御手段が、前記ブームの所定の作動を規制する制御を行うよう構成され、
    前記作動制御手段は、前記振動検出手段によりP波が検出されたとき、前記判断手段において前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲の限界に達していると判断される場合には、前記所定の作動規制として、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲から逸脱するような前記ブームの作動を規制するよう構成されたことを特徴とする高所作業車の耐震装置。
  2. 前記振動検出手段による検出情報に基づいて、前記P波が、予め設定された所定値以上のレベルの振動であるか否かを判定する地震判定手段を備え、
    前記振動検出手段によりP波が検出されたときに、前記作動制御手段が行う前記ブームの所定の作動規制が、
    前記地震判定手段により前記P波が前記所定値以上のレベルの振動であると判定されたときに、前記ブームの所定の作動を規制することであることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車の耐震装置。
  3. 前記走行体に取り付けられ、前記走行体側方および下方に張り出して前記走行体を支持する複数のアウトリガと、
    前記複数のアウトリガに各々設けられ前記アウトリガの前記走行体の側方への張出量を検出する張出量検出手段とを備え、
    前記振動検出手段によりP波が検出されたときに、前記作動制御手段が行う前記ブームの所定の作動規制が、
    前記張出量検出手段により検出された前記複数のアウトリガの張出量に応じて前記ブームの作動を規制することであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高所作業車の耐震装置。
  4. 前記振動検出手段によりP波が検出されたときに、前記作動制御手段が行う前記ブームの所定の作動規制が、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記複数のアウトリガの張出量に応じて設定される地震対応作動許容領域の域内に位置していると検出されたときは、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応作動許容領域の域外へ移動するような前記ブームの旋回作動を規制し、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応作動許容領域の域外に位置していると検出されたときには、前記地震対応作動許容領域の域外における前記ブームの旋回作動を規制することであることを特徴とする請求項3に記載の高所作業車の耐震装置。
  5. 前記地震対応作動許容領域は、前記アウトリガの張出量に拘らず常に設定される常時設定領域と、前記アウトリガの張出量に応じて選択的に設定される第1及び第2選択領域とを有して形成されており
    前記複数のアウトリガの全てが予め定められた所定の張出量となっているときは、前記常時設定領域と前記第1及び第2選択領域とを含む領域全体が前記地震対応作動許容領域として設定され、
    前記複数のアウトリガのうちの何れかが前記所定の張出量未満となっているときには、前記所定量未満と判断された前記アウトリガの前記走行体に対する位置に応じて、前記第1選択領域及び前記第2選択領域のうちの少なくとも一方が前記地震対応作動許容領域から除かれることを特徴とする請求項4に記載の高所作業車の耐震装置。
  6. 走行体と、
    前記走行体上に少なくとも起伏作動、旋回作動および伸縮作動自在に配設されたブームと、
    前記ブームの先端部に取り付けられた作業台と、
    前記ブームの作動を操作する操作装置と、
    前記ブームの先端部又は前記作業台の位置を検出する位置検出手段と、
    前記操作装置からの操作信号に基づいて、前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が予め設定された通常許容作業範囲を逸脱しない範囲で前記ブームの作動を制御する作動制御手段とを備えて構成される高所作業車の耐震装置において、
    地震観測網の地震情報に基づいて生成され外部から情報提供される緊急地震速報を受信する受信手段と、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置と前記通常許容作業範囲よりも狭い領域となるよう設定された地震対応許容作業範囲とを比較し、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段とを備え、
    前記受信手段により緊急地震速報が受信されたとき、前記作動制御部が、前記ブームの所定の作動を規制する制御を行うよう構成され、
    前記作動制御手段は、前記受信手段により緊急地震速報が受信されたとき、前記判断手段において前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲の限界に達していると判断される場合には、前記所定の作動規制として、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応許容作業範囲から逸脱するような前記ブームの作動を規制するよう構成されたことを特徴とする高所作業車の耐震装置。
  7. 前記走行体に取り付けられ、前記走行体側方および下方に張り出して前記走行体を支持する複数のアウトリガと、
    前記複数のアウトリガに各々設けられ前記アウトリガの前記走行体の側方への張出量を検出する張出量検出手段とを備え、
    前記受信手段により緊急地震速報が受信されたときに、前記作動制御手段が行う前記ブームの所定の作動規制が、
    前記張出量検出手段により検出された前記複数のアウトリガの張出量に応じて前記ブームの作動を規制することであることを特徴とする請求項6に記載の高所作業車の耐震装置。
  8. 前記受信手段により緊急地震速報が受信されたときに、前記作動制御手段が行う前記ブームの所定の作動規制が、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記複数のアウトリガの張出量に応じて設定される地震対応作動許容領域の域内に位置していると検出されたときは、前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応作動許容領域の域外へ移動するような前記ブームの旋回作動を規制し、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置が前記地震対応作動許容領域の域外に位置していると検出されたときには、前記地震対応作動許容領域の域外における前記ブームの旋回作動を規制することであることを特徴とする請求項7に記載の高所作業車の耐震装置。
  9. 前記地震対応作動許容領域は、前記アウトリガの張出量に拘らず常に設定される常時設定領域と、前記アウトリガの張出量に応じて選択的に設定される第1及び第2選択領域とを有して形成されており
    前記複数のアウトリガの全てが予め定められた所定の張出量となっているときは、前記常時設定領域と前記第1及び第2選択領域とを含む領域全体が前記地震対応作動許容領域として設定され、
    前記複数のアウトリガのうちの何れかが前記所定の張出量未満となっているときには、前記所定量未満と判断された前記アウトリガの前記走行体に対する位置に応じて、前記第1選択領域及び前記第2選択領域のうちの少なくとも一方が前記地震対応作動許容領域から除かれることを特徴とする請求項8に記載の高所作業車の耐震装置。
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