JP2003128393A - 高所作業車 - Google Patents

高所作業車

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JP2003128393A
JP2003128393A JP2001327599A JP2001327599A JP2003128393A JP 2003128393 A JP2003128393 A JP 2003128393A JP 2001327599 A JP2001327599 A JP 2001327599A JP 2001327599 A JP2001327599 A JP 2001327599A JP 2003128393 A JP2003128393 A JP 2003128393A
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boom
jack
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vehicle
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JP2001327599A
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Tsutomu Hojo
努 北條
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Aichi Corp
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Aichi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブル架渉作業のように車両を順次移動さ
せながら行う作業を効率よく行うことができるようにし
た高所作業車を提供する。 【解決手段】 ブーム30の格納状態を検出するブーム
格納検出器94と、ジャッキ60の接地状態を検出する
ジャッキ接地検出器95の他、ジャッキ60の格納状態
を検出するジャッキ格納検出器96を備える。コントロ
ーラ80のインターロック制御部84は、ブーム格納検
出器94によりブーム30が格納状態にあることが検出
されているときには、ジャッキ接地検出器95により全
てのジャッキ60,60,…が接地状態なるまでブーム
30の作動を規制するとともに、ジャッキ格納検出器9
6により全てのジャッキ60,60,…が格納状態にあ
ることが検出されているときには、上記ブーム30の作
動規制を解除してブーム30の作動を許可する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行体上に設けた
ブームの先端部に作業者搭乗用の作業台を取り付けて構
成した高所作業車に関し、更に詳しくは、ケーブル架渉
作業のように車両を順次移動させながら行う高所作業を
効率よくできるようにした高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】高所作業車は、車輪等により移動自在な
走行体上にブームを設け、そのブーム先端部に作業者搭
乗用の作業台を取り付けた構成となっている。ブームは
起伏、伸縮、旋回作動が自在であり、その作動制御は作
業台上に備えられた操作装置(レバー等)から行うこと
ができる。このため作業台に搭乗した作業者は自身が行
う操作で作業台を所望位置に移動させることができ、任
意の位置で高所作業を行うことが可能である。
【0003】このような高所作業車ではブームの伸長量
が大きくなったりブームの起伏姿勢が水平に近くなった
りすると、走行体を転倒させようとする転倒モーメント
が大きくなる。このような転倒モーメントに対しては車
輪のみで支持された走行体でも或る程度支持することが
できるが、車輪はサスペンションを介して走行体に取り
付けられていることなどから走行体の安定度は低く、あ
まり大きな転倒モーメントを支持することはできない。
このため走行体の前後左右各所にはジャッキが備えられ
ており、各ジャッキを下方に張り出して地面に接地させ
ることにより走行体を安定支持し、転倒モーメントに抗
する力を大きくできるようになっている。
【0004】また、このようなジャッキを備えた高所作
業車では作業の安全性を高めるため、全てのジャッキを
地面に接地させた状態でなければブームを格納位置から
作動させることができないようにしたインターロック装
置を備えたものもある。このようなインターロック装置
ではまた、ブームが作動中であったりブームの格納が不
完全である場合にはジャッキを格納させることができな
い構成にもなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインターロック装置を備えた高所作業車では、ジャ
ッキを接地させなければブームを作動させることはでき
ず、またブームを格納状態にしなければジャッキを格納
して走行することはできないため、道路上に並ぶ電柱に
ケーブルを掛け渡していくケーブル架渉作業を行う際に
は、車両を走行させた後停止してジャッキを接地させ、
ブームを作動させて高所作業をする、その高所作業が終
わったらブームを格納するとともにジャッキを格納し、
その上で道路上を走行して移動する、いう手順の作業を
順次行っていく必要があり、作業効率が大変悪いという
問題があった。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、ケーブル架渉作業のように車両を順次移動
させながら行う作業を効率良く行うことができるように
構成した高所作業車を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高所作業車
は、走行体と、走行体に起伏、旋回等の作動自在に設け
られたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業
者搭乗用の作業台と、走行体の複数箇所に備えられ、格
納状態から下方に張り出して地面に接地することにより
走行体を支持するジャッキと、ブームの格納状態を検出
するブーム格納検出手段(例えば、実施形態におけるブ
ーム格納検出器94)と、各ジャッキの接地状態を検出
するジャッキ接地検出手段(例えば、実施形態における
ジャッキ接地検出器95)と、ブーム格納検出手段によ
りブームが格納状態にあることが検出されているときに
は、ジャッキ接地検出手段により全てのジャッキが接地
状態なったことが検出されるまでブームの作動を規制す
る制御を行うインターロック制御手段(例えば、実施形
態におけるコントローラ80のインターロック制御部8
4)とを備えて構成される高所作業車であって、各ジャ
ッキの格納状態を検出するジャッキ格納検出手段(例え
ば、実施形態におけるジャッキ格納検出器96)を備
え、ジャッキ格納検出手段により全てのジャッキが格納
状態にあることが検出されているときには、インターロ
ック制御手段が上記作動規制を解除してブームの作動を
許可するようになっている。
【0008】このような高所作業車においては、ブーム
が格納状態にある場合、全てのジャッキが接地状態にな
るまでブームの作動が規制されるインターロック規制が
なされるようになっており、走行体が安定支持されてい
ない状態でブームを自由に作動させることにより生ずる
転倒モーメントによる車両の転倒が防止されるのである
が、ブームが格納状態にあるときであっても、全てのジ
ャッキが格納状態にある場合には例外的にブームを作動
させることができるようになっている。このためブーム
を格納位置から作動させた状態のまま車両を走行移動さ
せ、或いは車両を走行移動させながらブームを作動させ
ることができるので、ケーブル架渉作業のように車両を
順次移動させながら行う作業を非常に効率よく行うこと
ができるようになる。
【0009】ここで、インターロック制御手段が上記作
動規制を解除しているときに、ブームの作動を予め定め
られた許容範囲内に限定する規制を行うブーム作動範囲
規制手段(例えば、実施形態におけるコントローラ80
のブーム作動範囲規制部82)を備えていることが好ま
しい。このような構成であれば、ジャッキが接地されて
いない状態でブームを作動させても車両が転倒する虞が
なくなり、上記のように車両を走行移動させながら行う
作業においても高い安全性が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。図2は本発明に係る
高所作業車の側面図を示している。この高所作業車1は
タイヤ車輪11,11,…を備えて運転台12から走行
運転操作が可能なトラック式の走行体10と、走行体1
0の荷台10a上に設けられた旋回台20と、この旋回
台20から上方に延びて設けられた支柱21の上部にフ
ートピン22により上下揺動自在に取り付けられた伸縮
式のブーム30と、このブーム30の先端部に取り付け
られた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成されて
いる。
【0011】旋回台20は走行体10の後部に上下軸ま
わり360度回動自在に取り付けられており、走行体1
0に内蔵された旋回モータ53を油圧駆動することによ
り水平旋回作動させることができる。ブーム30は基端
ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30
cとが入れ子に組み立てられた構成となっており、内蔵
された伸縮シリンダ52を油圧駆動することにより長手
方向(軸方向)に伸縮作動させることができる。また、
ブーム30は基端ブーム30aと支柱21との間に跨設
された起伏シリンダ51を油圧駆動することにより上下
面内で起伏作動させることができる。
【0012】作業台40は、先端ブーム30cの先端部
において常時垂直姿勢に保持される垂直ポスト31に回
動自在に取り付けられており、作業台40自身に内蔵さ
れた首振りモータ54を油圧駆動することにより垂直ポ
スト31まわりに水平旋回(首振り)させることが可能
である。ここで、垂直ポスト31は上記のように常時垂
直姿勢が保たれるため、作業台40の床面はブーム30
の姿勢(起伏角度)によらず常に水平に保持される。
【0013】作業台40上にはブーム操作手段41及び
作業台首振り操作手段42が設けられている。ブーム操
作手段41はレバー等からなり、その操作により起伏シ
リンダ51、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53を作
動させることができる。また、作業台首振り操作手段4
2もレバー等からなり、その操作により首振りモータ5
4を作動させることができる。これにより作業者は自ら
のレバー操作等によりブーム30を起伏、伸縮、旋回さ
せ、或いは作業台40を首振りさせることができ、自身
の乗る作業台40を所望に位置(姿勢)に移動させて必
要な作業を行うことができる。
【0014】走行体10の前後左右各箇所には作業中の
走行体10を安定状態に支持するためのジャッキ60,
60,…が設けられている。図3はこのジャッキ60を
走行体10の後方より見た図であり、図3(A)はジャ
ッキ60が格納された状態、図3(B)はジャッキ60
が張り出されて接地した状態をそれぞれ示している。各
ジャッキ60は走行体10のサブフレームより側方に突
出して設けられたジャッキ保持部材13,13(図2参
照)に上端部が枢支されたインナージャッキ(ピストン
ロッド)61と、このインナージャッキ61を内包して
軸方向に移動自在なアウタージャッキ(シリンダチュー
ブ)62と、アウタージャッキ62の下端部に首振り自
在に設けられたジャッキパッド63と、ジャッキ保持部
材13とアウタージャッキ62との間に跨設されたリン
ク部材64とから構成されており、アウタージャッキ6
2を下方に移動させ、ジャッキパッド63を地面Gに接
地させて突っ張らせることにより走行体10を持ち上げ
状態に支持させることができるようになっている。
【0015】また、このジャッキ60はアウタージャッ
キ62を上方に移動させ完全に収縮させることにより格
納状態にすることができる。なお、ジャッキ保持部材1
3とアウタージャッキ62との間にリンク部材64が介
在していることにより、アウタージャッキ62が張り出
されたときにはジャッキパッド63が走行体10側方の
より遠い位置に接地するようになるとともに、アウター
ジャッキ62が格納されたときにはジャッキパッド63
が走行体10の内方に位置して走行の障害にならないよ
うになっている。なお、これらジャッキ60,60,…
の作動操作は走行体10の後部に備えられたジャッキ操
作手段14の操作により行うことができる。
【0016】図1は本高所作業車1の制御系統の一部を
示すブロック図である。この図に示すように、上記ブー
ム操作手段41の操作により出力された起伏シリンダ5
1、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53の作動指令信
号は走行体10上に設けられた(図2には図示せず)コ
ントローラ80のブーム作動制御部81に入力され、こ
の作動指令信号を受けたブーム作動制御部81は起伏シ
リンダ51、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53を作
動させる。このためブーム30はブーム操作手段41の
操作に応じて起伏、伸縮、旋回作動する。起伏シリンダ
51、伸縮シリンダ52及び旋回モータ53には図示し
ない油圧ポンプ(図示せず)より吐出される圧油が供給
されるようになっており、ブーム作動制御部81はこの
圧油の供給遮断を行う制御バルブ(図示せず)を電磁駆
動することにより起伏シリンダ51、伸縮シリンダ52
及び旋回モータ53の作動制御を行う。
【0017】また、このコントローラ80にはブーム3
0が走行体10を転倒させる位置に位置しないように
(ブーム30が走行体10を転倒させる姿勢をとらない
ように)、ブーム30の作動を規制するブーム作動範囲
規制部82が設けられている。このブーム作動範囲規制
部82は、ブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検
出器91、ブーム30の長さを検出する長さ検出器92
及び旋回台20の旋回角度(すなわちブーム30の旋回
角度)を検出する旋回角度検出器93(これら検出器9
1,92,93については図2参照)から得られる検出
情報に基づいてブーム30の先端部(以下、ブーム先端
部と称する)の位置を算出し、このブーム先端部の位置
が予め定められた許容領域(以下、許容作業範囲と称す
る)内に収まるように、ブーム作動制御部81をコント
ロールする。具体的には、ブーム先端部の位置が許容作
業領域を逸脱するようなブーム操作手段41からの作動
指令信号が出力されたときには、これを無視するように
ブーム作動制御部81に規制信号を出力する。
【0018】上記許容作業範囲をブーム30の旋回位置
(旋回角度)ごとに示した場合、その領域はブーム30
の中心軸を通って垂直面内に分布する2次元領域とな
る。この場合、2次元領域の横軸は作業半径であり、縦
軸は地上揚程となる。図4は、ブーム30の先端部が走
行体10の右方を向くように旋回台20を位置させた状
態における許容作業範囲の一例を示している(斜線で縁
取りした領域S1)。なお、この図ではブーム30の起
伏中心(フートピン22)から右に向かう方向が作業半
径の増大する方向、ブーム30の起伏中心から上に向か
う方向が地上揚程の増大する方向に相当する。この許容
作業範囲S1の外側限界線(点Aと点Bとを結ぶ線)M
はその旋回角度において許容されるブーム先端部の外側
移動限界を示しており、この外側限界線Mを超えてブー
ム先端部が移動することは走行体10を転倒に至らしめ
る虞があるために禁止される。
【0019】コントローラ80のブーム作動範囲規制部
82は、ブーム先端部の位置が許容作業領域から逸脱し
そうになったとき、すなわちブーム先端部の位置が上記
外側限界線M上に至ったことが検出されたときにはブー
ム作動制御部81に規制信号を出力してブーム30の作
動を規制する。このためブーム先端部は許容作業範囲の
外側限界線Mを超えて移動することはなく、作業者は走
行体10を転倒に至らしめる心配をすることなくブーム
操作手段41の操作を行うことができる。なお、図4中
に示す許容作業範囲S1の外側限界線(点Aと点Cとを
結ぶ線)N1及び内側限界線(点Dと点Eとを結ぶ線)
N2は、それぞれブーム30を全伸状態及び全縮状態で
作動させたときのブーム先端部の軌跡に等しく、これら
外側限界線N1若しくは内側限界線N2を超えてブーム
先端部を移動させることは物理的に不可能であるので、
ブーム30作動規制の対象とはされない。
【0020】図5は走行体10の周囲に設定される許容
移動領域を或る高さにおいて水平切断した状態を示した
ものである(斜線で縁取りした領域S2)。図中に示す
線K及びLは、旋回位置(旋回角度)ごとに定められる
許容作業範囲領域S2の外側限界線及び内側限界線のう
ち、共通する高さの部分を走行体10の周囲に連ねて
(全旋回位置に亘って)示した包絡線である。この図か
ら分かるように、外側限界線に対応する作業半径は走行
体10の前後領域において大きく側方領域において小さ
くなるのであるが、これは、ジャッキ60,60,…の
前後間隔が左右間隔よりも大きく設定されている関係
上、ブーム30の起伏角度と長さが同じである(転倒モ
ーメントが同じである)場合には、ブーム30が走行体
10の前後領域に位置している場合(ブーム30の軸B
1参照)の方が、ブーム30が走行体10の側方領域
に位置している場合(ブーム30の軸BL2参照)より
も大きい抵抗モーメント(転倒モーメントに対抗するモ
ーメント)を発揮できるからである。
【0021】車両走行時などではブーム30格納状態に
される。ブーム30は全縮状態で前方に倒伏し、基端ブ
ーム30aの先端部を走行体10上に設けられたブーム
受け15(図2参照)に載置するようにして格納され
る。ブーム受け15にはブーム30が載置されたことを
検出するブーム格納検出器94(例えばリミットスイッ
チ)が設けられている。このブーム格納検出器94がブ
ーム30の格納状態を検出したときに出力するブーム格
納信号はコントローラ80のインターロック制御部84
に入力される(図1参照)。
【0022】また、ジャッキ操作手段14の操作により
出力された各ジャッキ60の作動指令信号はコントロー
ラ80のジャッキ作動制御部83に入力される。そし
て、各ジャッキ60の作動指令信号を受けたジャッキ作
動制御部83は各ジャッキ60を張出又は格納作動させ
る。各ジャッキ60も前述の油圧ポンプから吐出供給さ
れる圧油を受けて作動するようになっており、ジャッキ
作動制御部83はこの圧油の供給遮断を行う制御バルブ
(図示せず)を電磁駆動することにより各ジャッキ60
の作動制御を行う。
【0023】各ジャッキ60にはそのジャッキ60の接
地状態を検出するジャッキ接地検出器95と、そのジャ
ッキ60の格納状態を検出するジャッキ格納検出器96
とが設けられている。ジャッキ接地検出器95及びジャ
ッキ格納検出器96はともにリミットスイッチからな
り、ジャッキ接地検出器95はジャッキパッド63が接
地してジャッキ60が地面からの反力を受けたことを検
出して接地検出信号を出力し、ジャッキ格納検出器96
はジャッキ60が格納状態になって格納姿勢になったこ
とを検出して格納検出信号を出力する。これらジャッキ
接地検出器95より出力される接地検出信号とジャッキ
格納検出器96より出力されるジャッキ格納検出信号は
ともにコントローラ80のインターロック制御部84に
入力される(図1参照)。
【0024】図6及び図7はジャッキ接地検出器95と
ジャッキ格納検出器96の取り付け位置を示す図であ
り、図6(A)は図3における領域VIAの一部断面拡大
図、図6(B)は図3における領域VIBの一部断面拡大
図、図7(A)は図3における領域VIIAの一部断面拡
大図、図7(B)は図3における領域VIIBの一部断面拡
大図である。
【0025】図6(A),(B)に示すようにジャッキ
接地検出器95はジャッキ保持部材13におけるインナ
ージャッキ61の上端部枢結点近傍に取り付けられてい
る。インナージャッキ61の上端部には走行体10の前
後両方向(図6では紙面に垂直方向)に延びた円筒状の
突起61a,61aが一対形成されており、これら突起
61a,61aがジャッキ保持部材13,13に上下に
延びて設けられた一対の長穴13a,13a内に挿入さ
れて枢支されている。このため上記突起61a,61a
はジャッキ60の格納時などジャッキパッド63が接地
状態にないときにはジャッキ60自身の自重により長穴
13a,13aの下端部に位置しているが、ジャッキパ
ッド63が接地してアウタージャッキ62及びインナー
ジャッキ61に地面からの反力が作用すると、上記突起
61a,61aは長穴13a,13aの上端部に位置す
るようになる。
【0026】ジャッキ接地検出器95の操作片(外力を
受けて接点を開閉する部分)95aは上記長穴13aの
上端部に延びて位置しており、アウタージャッキ62が
非接地状態にあり、インナージャッキ61の突起61a
が長穴13aの下端部に位置しているときには突起61
aと離間してオフとなっているが、アウタージャッキ6
2が張り出されてジャッキパッド63に地面からの反力
が作用し、インナージャッキ61が上方に押し上げられ
てその突起61aが長穴13aの上端部に位置したとき
にはこの突起61aに押圧されてオンとなるようになっ
ている。なお、このオンのときに出力される信号が上記
接地検出信号に相当する。
【0027】また、図7(A),(B)に示すようにジ
ャッキ格納検出器96はアウタージャッキ62とリンク
部材64との間の結合部(枢結点)近傍に取り付けられ
ている。アウタージャッキ62とリンク部材64との間
の結合部にはアウタージャッキ62に固定され、これと
一体となって動くカム板62aが取り付けられている。
このカム板62aはリンク部材64側に位置しており、
ジャッキ60が伸縮動作したときにはリンク部材64に
対する姿勢(回転位置)が相対的に変化するようになっ
ている。
【0028】ジャッキ格納検出器96はリンク部材64
に取り付けられており、その操作片96aはカム板62
aに近接して設けられている。そして、図7(B)に示
すようにジャッキ60が非格納状態にあるとき(接地状
態になくてもよい)には操作片はカム板62aと離間し
てオフとなっているが、ジャッキ60が格納状態になっ
たときには操作片62aがカム板62により押圧されて
オンとなるようになっている。なお、このオンのときに
出力される信号が上記格納検出信号に相当する。
【0029】コントローラ80のインターロック制御部
84は、ブーム格納検出器94よりブーム格納検出信
号が出力されている(ブーム30が格納状態にあること
が検出されている)ときには、4つのジャッキ接地検出
器95,95,…全てよりジャッキ接地検出信号が出力
される(全てのジャッキ60,60,…が接地状態にな
ったことが検出される)までブーム30の作動を規制す
るインターロック規制を行う。これは、全てのジャッキ
60,60,…が接地状態にならないうちにブーム30
を格納位置から自由に動かすことを許容したのでは、転
倒モーメントにより走行体10が転倒する虞が出てくる
ためである。
【0030】またコントローラ80のインターロック制
御部84は、4つのジャッキ接地検出器95,95,
…全てよりジャッキ接地検出信号が出力された(全ての
ジャッキ60,60,…が接地状態になったことが検出
された)後はブーム30の起伏、伸縮、旋回の自由な作
動を許容する(但し、コントローラ80のブーム作動範
囲規制部82により許容される作動範囲内)が、一旦ブ
ーム格納検出器94よりブーム格納検出信号が出力され
なくなった(ブーム30を格納位置から動かした)後
は、再びブーム格納検出器94よりブーム格納検出信号
が出力される(ブーム30が格納される)までジャッキ
60の作動(収縮作動)を規制するインターロック規制
を行う。これも、ブーム30を格納位置から動かした状
態のままジャッキ60を格納方向に作動させると、転倒
モーメントが大きい場合には走行体10が転倒する虞が
出てくるためである。
【0031】またインターロック制御部84は、4つの
ジャッキ接地検出器95,95,…全てよりジャッキ接
地検出信号が出力されて(全てのジャッキ60が接地状
態になったことが検出されて)ブーム30を格納位置か
ら動かしているときであって、それまで接地検出信号を
出力していた4つのジャッキ接地検出器95,95,…
のうちの一つ(或いは複数)からジャッキ接地検出信号
が出力されなくなったときにもブーム30の作動を許容
する。これは、全てのジャッキ60,60,…を接地状
態にしての作業中、地面の沈下等により4つのジャッキ
60,60,…のうちの少なくとも一つが非接地状態と
なったときには、引き続き高所作業を行うことができる
ようにすることが好ましいためである。
【0032】更に、本高所作業車1におけるコントロー
ラ80のインターロック制御部84は、4つのジャッキ
格納検出器96,96,…全てよりジャッキ格納検出信
号が出力されている(全てのジャッキ60が格納状態に
あることが検出されている)ときにはブーム30の作動
を許容するようになっている。これは、コントローラ8
0のインターロック制御部84が行うインターロック規
制のうち、ブーム30が格納状態にあるときには全ての
ジャッキ60,60,…が接地状態になるまでブーム3
0の作動を規制するという上記の規制を解除するもの
である。このため本高所作業車1では道路上を走行しな
がら(この際、全てのジャッキ60,60,…は格納さ
れた状態となっている)高所作業を行うことが可能であ
る。
【0033】但し、この場合にはインターロック制御部
84から信号を受けたブーム作動範囲規制部82が、ブ
ーム30の作動を予め定めた許容範囲内に限定する規制
を行う。具体的には、タイヤ車輪11,11,…のみで
支持された走行体10が転倒することのないとして予め
定めた許容作動範囲内からブーム30の先端部が逸脱し
ないようにブーム30の作動をコントロールする。この
際許容されるブーム30の許容作動範囲は全てのジャッ
キ60,60,…を接地させたときに許容されるブーム
30の作動範囲より狭くする必要があり、例えばブーム
30の動作可能な旋回範囲(旋回角度)を限定するよう
にする。図8はこの限定された旋回範囲を示す一例であ
り、本高所作業車1を上方から見た図である。本実施形
態に係る高所作業車1のように旋回台20が走行体10
の荷台10aの後部に位置するものでは、ブーム30の
旋回範囲は転倒モーメントが小さくなる走行体10の前
方領域(図8中、角度θで示す旋回角度領域)に限定さ
れることが好ましい(したがって、旋回台が走行体の荷
台の前方に位置する高所作業車ではブームの旋回範囲は
走行体の後方領域に限定されることが好ましい)。ま
た、旋回角度の限定だけでは転倒に対して不充分である
場合には、その限定された領域の中で、ブーム30の起
伏角度及び長さにも更に限定を与える必要がある。
【0034】また、このように全てのジャッキ格納検出
器96,96,…よりジャッキ格納検出信号が出力され
て(全てのジャッキ60,60,…が格納状態にあるこ
とが検出されて)ブーム30を動作させているときに
は、全てのジャッキ60,60,…の動作(張り出し動
作)は禁止されるようになっている。このような規制が
行われるのは、上記のように車両を走行移動させながら
高所作業をしている場合において誤ってジャッキ60が
張り出されると、車両の走行が阻害されて不慮の事態が
発生する虞があるからである。
【0035】図9はコントローラ80のインターロック
制御部84が行う上記制御内容を一覧にして示したもの
である。なお、この表において「ジャッキ非接地」とあ
るのは、ジャッキ60が格納状態にも接地状態にもない
状態を示している。具体的には、ジャッキ60を格納状
態から張り出して接地状態に至るまでの間、若しくはジ
ャッキ60を接地状態から張り出して格納状態に至るま
での間、或いはジャッキ60を張り出したものの接地に
いたることなく張り出し限界(ジャッキ60が伸びきっ
た状態)まで至った状態のいずれかである。
【0036】このように本高所作業車1においては、ブ
ーム30が格納状態にある場合、全てのジャッキ60が
接地状態になるまでブーム30の作動が規制されるイン
ターロック規制がなされるようになっており、走行体1
0が安定支持されていない状態でブーム30を自由に作
動させることにより生ずる転倒モーメントによる車両の
転倒が防止されるのであるが、ブーム30が格納状態に
あるときであっても、全てのジャッキ60,60,…が
格納状態にある場合には例外的にブーム30を作動させ
ることができるようになっている。このためブーム30
を格納位置から作動させた状態のまま車両を走行移動さ
せ、或いは車両を走行移動させながらブーム30を作動
させることができるので、ケーブル架渉作業のように車
両を順次移動させながら行う作業を非常に効率よく行う
ことができるようになる。
【0037】また、本高所作業車1において、4つのジ
ャッキ格納検出器96,96,…により全てのジャッキ
60,60,…が格納状態にあることが検出されてお
り、コントローラ80のインターロック制御部82がブ
ーム30のインターロック規制を解除しているときに
は、コントローラ80のブーム作動規制部82によりブ
ーム30の作動が予め定められた許容範囲内に限定され
るようになっているので、ジャッキ60,60,…が接
地されていない状態でブーム60を作動させても車両が
転倒する虞はなく、上記のように車両を走行移動させな
がら行う作業においても高い安全性が確保される。
【0038】これまで本発明の好ましい実施形態につい
て説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示
したものに限定されない。例えば、上述の実施形態にお
いては、4つのジャッキ格納検出器96,96,…によ
り全てのジャッキ60,60,…が格納状態にあること
が検出されており、コントローラ80のインターロック
制御部84がブーム30の作動を許可しているときに
は、コントローラ80のブーム作動範囲規制部82がブ
ームの作動を予め定められた許容範囲内に限定する規制
を行うようになっていたが、本発明においてはこのよう
なブーム30の作動範囲規制は必須ではなく、作業者が
注意してブーム30の作動操作を行うようにしてもよ
い。但し、このようなブーム30の作動範囲規制が行わ
れる方が安全性は高められる。
【0039】また、ジャッキ60の構成は上述のものに
限られず他の形態のもの、例えばアウタージャッキが走
行体のサブフレームに取り付けられており、このアウタ
ージャッキに対して伸縮するインタージャッキの下端部
にジャッキパッドが取り付けられているものであっても
よい。また、ジャッキ60は走行体10の側方に張り出
すことができる構成のもの(アウトリガ装置を備えたも
の)であってもよい。また、ジャッキの数は上記実施形
態形態に示した4つに限定される訳ではなく、5つ以上
或いは3つ以下(例えば、走行体の前側に2つ)であっ
てもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高所
作業車においては、ブームが格納状態にある場合、全て
のジャッキが接地状態になるまでブームの作動が規制さ
れるインターロック規制がなされるようになっており、
走行体が安定支持されていない状態でブームを自由に作
動させることにより生ずる転倒モーメントによる車両の
転倒が防止されるのであるが、ブームが格納状態にある
ときであっても、全てのジャッキが格納状態にある場合
には例外的にブームを作動させることができるようにな
っている。このためブームを格納位置から作動させた状
態のまま車両を走行移動させ、或いは車両を走行移動さ
せながらブームを作動させることができるので、ケーブ
ル架渉作業のように車両を順次移動させながら行う作業
を非常に効率よく行うことができるようになる。
【0041】また、本高所作業車においては、インター
ロック制御手段が上記作動規制を解除しているときに、
ブームの作動を予め定められた許容範囲内に限定する規
制を行うブーム作動範囲規制手段を備えていることが好
ましい。このような構成であれば、ジャッキが接地され
ていない状態でブームを作動させても車両が転倒する虞
がなくなり、上記のように車両を走行移動させながら行
う作業においても高い安全性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車の制御系統の一部を示
すブロック図である。
【図2】上記高所作業車の側面図である。
【図3】ジャッキを走行体の後方より見た図であり、
(A)はジャッキが格納された状態、(B)はジャッキ
が張り出されて接地した状態をそれぞれ示している。
【図4】ブーム先端部の許容作動範囲の一例を示す高所
作業車の背面図である。
【図5】走行体の周囲に設定される許容作動範囲を或る
高さにおいて水平切断した状態を示す高所作業車の平面
図である。
【図6】ジャッキ接地検出器の取り付け位置を示す図で
あり、(A)は図3における領域VIAの一部断面拡大
図、(B)は図3における領域VIBの一部断面拡大図で
ある。
【図7】ジャッキ格納検出器の取り付け位置を示す図で
あり、(A)は図3における領域VIIAの一部断面拡大
図、(B)は図3における領域VIIBの一部断面拡大図で
ある。
【図8】限定された旋回範囲を示す一例であり、本高所
作業車を上方から見た図である。
【図9】本高所作業車に備えられたコントローラのイン
ターロック制御部が行う制御内容の一覧を示す図表であ
る。
【符号の説明】
1 高所作業車 10 走行体 11 タイヤ車輪 14 ジャッキ操作手段 30 ブーム 40 作業台 41 ブーム操作手段 60 ジャッキ 80 コントローラ 81 ブーム作動制御部 82 ブーム作動範囲規制部 83 ジャッキ作動制御部 84 インターロック制御部 94 ブーム格納検出器 95 ジャッキ接地検出器 96 ジャッキ格納検出器
フロントページの続き Fターム(参考) 3F333 AA09 AA15 AB04 AC01 BA12 BB03 BB09 BB23 BB26 BD02 BE02 BE08 CA04 CA15 CA21 CA24 FA03 FA05 FA09 FA17 FA22 FA34 FA36 FD02 FD03 FD04 FD08 FD09 FE03 FE04 FE08 FE09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行体と、 前記走行体に起伏、旋回等の作動自在に設けられたブー
    ムと、 前記ブームの先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作
    業台と、 前記走行体の複数箇所に備えられ、格納状態から下方に
    張り出して地面に接地することにより前記走行体を支持
    するジャッキと、 前記ブームの格納状態を検出するブーム格納検出手段
    と、 前記各ジャッキの接地状態を検出するジャッキ接地検出
    手段と、 前記ブーム格納検出手段により前記ブームが格納状態に
    あることが検出されているときには、前記ジャッキ接地
    検出手段により前記全てのジャッキが接地状態なったこ
    とが検出されるまで前記ブームの前記作動を規制する制
    御を行うインターロック制御手段とを備えて構成される
    高所作業車であって、 前記各ジャッキの格納状態を検出するジャッキ格納検出
    手段を備え、前記ジャッキ格納検出手段により前記全て
    のジャッキが格納状態にあることが検出されているとき
    には、前記インターロック制御手段が前記作動規制を解
    除して前記ブームの前記作動を許可するようになってい
    ることを特徴とする高所作業車。
  2. 【請求項2】 前記インターロック制御手段が前記作動
    規制を解除しているときに、前記ブームの前記作動を予
    め定められた許容範囲内に限定する規制を行うブーム作
    動範囲規制手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の高所作業車。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289528A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Aichi Corp 作業車の安全装置
JP2006036525A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Aichi Corp ブーム作業車の安全装置
JP2006213472A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Aichi Corp 高所作業車
JP2006321618A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Aichi Corp 高所作業車
JP2007126238A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Aichi Corp 作業車の安全装置

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