JP4846893B2 - 膵管用ドレナージチューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経内視鏡的に十二指腸から膵管内に挿入されて留置される膵管用ドレナージチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
急性膵炎や慢性膵炎といった膵疾患によって膵管狭窄が生じると、十二指腸に膵液が排出されにくくなり、それに伴って、疼痛が起こる。このような症状を緩和するため、一般に、ドレナージチューブが経内視鏡的に十二指腸乳頭から膵管内に挿入されて留置される。これにより、膵管と十二指腸との間に通路が確保され、十二指腸への膵液の良好な排出が可能となる。
【0003】
狭窄部位にチューブを留置して通路を確保する治療は胆管や尿管でも同様に行なわれており、その頻度は膵管の場合に比べて非常に多い。そのため、胆管や尿管に適合した形状や材質のドレナージチューブが数多く提案され、市場にも多くの製品が普及している。このように胆管や尿管に適合したドレナージチューブは、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン、ポリウレタン等の材料によって形成されており、直線状ものや、両端にループを有するものなど、様々な形状のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、膵管に最も適合する素材や形状のドレナージチューブは、その提案が少なく、また、市場にもあまり普及されていない。数少ないこのような膵管用ドレナージチューブの特徴は、胆管に適合する胆管用ドレナージチューブよりも外径が細く、チューブの側壁に側孔が多数設けられている点であるが、それ以外の材質や形状に関しては胆管用ドレナージチューブを流用しているのが現状である。
【0005】
一般に、胆管用ドレナージチューブは、プッシャビリティが要求されるため、その硬度が高い点に特徴がある(前述したように、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン、ポリウレタン等の材料によって形成されているが、フッ素樹脂のチューブは言うに及ばず、シリコーンチューブも温度によって硬度が変化せずに体温付近では硬いままであり、また、ポリエチレンも同様なものである。また、ポリウレタンに至っては、体液との長期接触によって加水分解等の化学変化を生じることも考えられ、膵管のように長期留置を行なうドレナージチューブとしては不向きである)。すなわち、一般の胆管用ドレナージチューブは、D型試験機を用いたそのショア硬さ(以下、ショアDという。)が60〜80に設定されている。そのため、このような硬質のドレナージチューブを流用して柔軟な管壁を有する膵管に挿入する場合には、膵管壁を擦らないように慎重な操作が必要とされる。また、膵管は胆管と異なりS字状に大きく湾曲しているため、直線状で硬いドレナージチューブを膵管内に挿入すると、ドレナージチューブの先端部が膵管の管壁に押し当てられ、この先端部の開口が塞がれて膵液の排出機能が低下してしまう場合がある。また、湾曲している膵管に直線状のチューブを留置する結果となるため、患者が違和感を抱くことがある。さらに、膵管はそれ自体が伸縮活動を行なうため、硬くて直線状のドレナージチューブを膵管内に挿入すると、膵管の伸縮活動によってチューブが移動して十二指腸に脱落することもあり、留置状態を頻繁に確認するなど、使用には十分な注意が必要とされる。
【0006】
一方、ドレナージチューブを柔らかい素材によって形成して湾曲する膵管に挿入した場合には、チューブの座屈が発生する虞がある。また、柔軟なドレナージチューブは、悪性腫瘍が原因とされる硬い狭窄部位への挿入が困難である。
【0007】
以上のように、膵管への適用においては、胆管用ドレナージチューブよりも柔らかく、それでいて、十分なプッシャビリティを持つ適度な硬度のドレナージチューブが求められる。
【0008】
こうした問題に関連して、特開昭57−99940号公報には、ドレナージチューブの基端に被把持部を設け、この被把持部が係脱自在に保持される保持部を挿入器具の先端に設けることにより、操作性を向上させる技術が開示されている。また、特開昭57−99941号公報には、ドレナージチューブの内孔と係合する部材を有するスタイレットを備えた挿入器具が開示されている。いずれの場合も、ドレナージチューブと挿入器具とを係合可能に構成したことにより、ドレナージチューブを挿入留置した後に引き戻すことができるという利便さがある。しかしながら、ドレナージチューブのプッシャビリティ不足を補うものではなかった。
【0009】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、容易且つ確実に膵管内に挿入留置できる最適な膵管用ドレナージチューブ柔らかくても硬い狭窄部位への挿入留置を可能にする膵管用ドレナージチューブを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、膵管内に挿入されて留置されることにより、十二指腸への膵液の排出通路を確保する膵管用ドレナージチューブにおいて、前記ドレナージチューブの遠位端部に係止フラップを設け、この係止フラップを設けた遠位端部よりも近位端側に位置するドレナージチューブの中途部は、第1の湾曲部と第2の湾曲部とを有し、前記第1の湾曲部の湾曲する向きと前記第2の湾曲部の湾曲する向きとが逆向きで該第1の湾曲部と該第2の湾曲部との全体でS字形状を成し、このS字形状を形成する中途部に複数のサイドホールを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明の膵管用ドレナージチューブにおいて、前記複数のサイドホールは、ドレナージチューブの周方向へ間隔のある螺旋状に配置して設けられていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1の(a)に示されるように、本実施形態に係る膵管用ドレナージチューブ1は、直線状のチューブ体から成る。また、ドレナージチューブ1は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率は、1%〜30%の範囲、好ましくは14%以下)を主成分とし、X線不透過成分として硫酸バリウムを40重量%含んでいる。さらに、ドレナージチューブ1は、その硬さがショアDで48に設定されるとともに、その外径が3.2mm、内径が2.4mmにそれぞれ設定されている。
【0015】
膵管への挿入性を向上させるため、ドレナージチューブ1の先端部11は、他の部位よりも径が細く設定されている。また、ドレナージチューブ1の先端側と基端側には係止フラップ12がそれぞれ2つずつ設けられている。これらの係止フラップ12は、ドレナージチューブ1の外周面に切込みを入れて得られるチューブ片を周方向に立ち上げて熱処理することにより形成され、膵管内にドレナージチューブ1を留置した状態に維持する。
【0016】
図1の(b)には、膵管用ドレナージチューブ1を膵管内に挿入するための挿入器具2が示されている。図示のように、この挿入器具2は、ガイドワイヤ3とガイドカテーテル4とプッシャーチューブ5とを備えている。ガイドカテーテル4は、ガイドワイヤ3が摺動自在に挿通される内部ルーメンを有するシャフト41から成る。シャフト41の外径は、ドレナージチューブ1の内部ルーメンに摺動自在に挿通できる寸法に設定されている。また、シャフト41の基端部には、シャフト41の内部ルーメンに液体を注入するためのルアー型の口金42が着脱自在に装着されている。この口金42は、雄部42bと雌部42aとから成り、雄部42bが雌部42aに螺合されて雌部42b内に設けられた図示しない弾性リングが潰されることにより、シャフト41の外周に固定される。なお、X線透視下でシャフト41の位置を確認できるように、シャフト41の先端部外周には、X線不透過マーカーとしての白金リング43が係合されている。
【0017】
プッシャーチューブ5は、シャフト51と、このシャフト51の基端側に接合された口金52とから成る。シャフト51は、シャフト41の外径よりも大きな内径の内部ルーメンを有し、その長軸方向長さがシャフト41のそれよりも短く設定されている。
【0018】
次に、上記構成の挿入器具2を用いて上記構成の膵管用ドレナージチューブ1を膵管内に挿入する場合について図2を参照しながら説明する。
【0019】
まず、内視鏡8の図示しないチャンネルを通じて、図示しないカテーテルの案内により、ガイドワイヤ3が十二指腸乳頭Xから膵管Yの狭窄部に挿入配設される。次に、配設されたガイドワイヤ3の案内により、ガイドカテーテル4が膵管Yの狭窄部に挿入される。そして、その状態で、口金42からシャフト41の内部ルーメンを通じて造影剤が膵管Y内に導入され、X線透視下にて膵管Yの狭窄部および拡張部が観察される。この時、ガイドカテーテル4の位置も白金リング43により確認される。
【0020】
次に、口金42の雄部42bと雌部42aとの螺合状態を緩め、シャフト41から口金42を取り外す。続いて、ドレナージチューブ1をシャフト41の基端側からシャフト41上に被せるように通す。この時、ドレナージチューブ1に続いてプッシャーチューブ5をシャフト41の基端側からシャフト41上に被せるように通し、プッシャーチューブ5によってドレナージチューブ1を押し出す。これにより、ドレナージチューブ1は、シャフト41に案内されながら、プッシャーチューブ5による押し出し力によって膵管Y内に挿入されていく。
【0021】
以上説明したように、本実施形態において、ドレナージチューブ1は、エチレン−酢酸ビニルの共重合体によって形成されるとともに、その硬さがショアDで48に設定されている。したがって、ドレナージチューブ1は、体温付近で更に潰れない程度に柔軟化して膵管Yの形状に合わせて屈曲(膵管Yの走向状態に適した形状に変形)できる。そのため、ドレナージチューブ1は、膵管Yに留置された状態でも患者に違和感を与えることがなく、また、膵管Yの中心軸方向に常に方向付けられながら挿入されるため、挿入中にその先端部が膵管Yの壁に押し当てられて先端開口が塞がることがなく、膵液のドレナージを確実に行なえる。また、ドレナージチューブ1は、適度な硬度を有するため、膵管Y内への挿入時に座屈してしまうこともない。無論、悪性腫瘍が原因とされる硬い狭窄部位への挿入も可能である。
【0022】
なお、本実施形態では、ドレナージチューブ1の硬さがショアDで48に設定されているが、前述した効果を得るためには、ドレナージチューブ1を形成する樹脂の平均硬度がショアDで40〜60の範囲に設定されていれば良い。ドレナージチューブ1の硬さがこの範囲を下回ると、ドレナージチューブは、十二指腸乳頭Xから膵管Yに挿入される際および膵管Y内の狭窄部に挿入される際に座屈を生じてしまう。そのため、狭窄部を越えて所望の部位まで到達できなかったり、留置できたとしても、留置中に内部ルーメンが潰れて膵液の排出機能が低下することになる。一方、ドレナージチューブ1の硬さがショアDで60を上回ると、膵管Y内への挿入時にドレナージチューブ1の先端部開口が膵管Yの管壁に押し当てられて塞がれ、膵液の排出機能が低下したり、あるいは、留置中に患者に違和感を与えてしまう。
【0023】
また、本実施形態において、ドレナージチューブ1は、適度な硬度を有するだけでなく、酢酸ビニル含有率が1%〜30%の範囲に設定されている。そのため、優れた表面状態を有し、内視鏡8への挿入性および膵管Yへの挿入性が高くなる。なお、酢酸ビニル含有率が30%を越えると、ドレナージチューブ1の表面が粘着性を帯び、挿入性が低下する。
【0024】
図3および図4は本発明の第2の実施形態を示している。
【0025】
図3に示されるように、本実施形態に係る膵管用ドレナージチューブ1Aは、その先端と基端との間に、2つの湾曲部13a,13bを有している。この場合、第1の湾曲部13aと第2の湾曲部13bの湾曲方向は互いに逆向きに設定されている。これにより、ドレナージチューブ1Aは、全体として、S字形状を成している。また、ドレナージチューブ1Aは、エチレン−酢酸ビニル共重合体80重量%と高密度ポリエチレン20重量%の混合物からなる樹脂に、X線不透過成分として酸化ビスマスが35重量%配合され、全体として硬度がショアDで55に調整されている。
【0026】
また、ドレナージチューブ1Aの全長にわたって膵液のドレナージ性を向上させるため、ドレナージチューブ1Aには、その周方向に90゜間隔で、複数のサイドホール14が螺旋状に設けられている。
【0027】
また、ドレナージチューブ1Aを膵管Y内に挿入するための挿入器具2は、基本的に第1の実施形態と同様の構成を成しているが、ドレナージチューブ1Aと一体的に膵管Yへ挿入できるように、プッシャーチューブ5の長さとドレナージチューブ1Aの長さとを加えた長さよりもガイドカテーテル4の長さが5センチ未満長くなるように設定されている。なお、それ以外は、第1の実施形態と同一である。
【0028】
次に、上記構成の膵管用ドレナージチューブ1Aを挿入器具2によって膵管内に挿入する場合について図4を参照しながら説明する。
【0029】
挿入手順は基本的には第1の実施形態と同様であるが、プッシャーチューブ5の長さとドレナージチューブ1Aの長さとを加えた長さよりもガイドカテーテル4の長さが5センチ未満長くなるように設定されているため、ガイドワイヤ3が配設された後、ガイドワイヤ3の案内によりドレナージチューブ1Aが挿入器具2と一体的に膵管Y内へ挿入される。その後、第1の実施形態と同様に、ガイドカテーテル4およびプッシャーチューブ5を操作することにより、ドレナージチューブ1Aが挿入器具2から離脱されて、膵管Yへ留置される(図4の状態)。なお、留置状態では、ドレナージチューブ1Aの側面に90゜間隔で螺旋状にサイドホール14が設けられているため、チューブ1Aの側面からも膵液がルーメン内に取り込まれてドレナージされる。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、サイドホール14が多数設けられているため、ドレナージチューブ1Aの先端開口以外からも内部ルーメン内に膵液を取り込むことができ、ドレナージ効果を高めることができる。また、サイドホール14が螺旋状に設けられているため、機械強度的に安定で座屈し難い。
【0031】
また、本実施形態のドレナージチューブ1Aは、全体として膵管Yの走向と同じS字形状を成しているため、膵管Yに適合し易く、また、膵管Yへの挿入時および留置中にその先端部が膵壁を突つくことがない。すなわち、再狭窄を起こすことがない。また、膵管Yに適合し易いことから、膵管Yから脱落し難いという効果もある。
【0032】
また、本実施形態のドレナージチューブ1Aは、その硬度が第1の実施形態よりも高く(しかし、ショアDで40〜60の範囲内)設定されているため、多数のサイドホール14を設け且つS字形状に形成しても、それに起因する座屈の可能性を補償することができ、結果的に挿入性を損なわないで済む。また、本実施形態によれば、挿入器具2とドレナージチューブ1Aとを一体で膵管Y内に挿入できるため、留置操作が簡便になるという効果がある。
【0033】
なお、本実施形態では、サイドホール14が一定間隔で設けられているが、湾曲部付近の座屈を考慮して、部分的に間隔をずらしてサイドホール14を設けても良い。また、サイドホール14の大きさを先端側と基端側とで変化させても良く、サイドホール14を2条の螺旋状に設けても良い。
【0034】
図5および図6は本発明の第3の実施形態を示している。
【0035】
図5に示されるように、本実施形態のドレナージチューブ1Bは、第2の実施形態の変形例であり、第1の実施形態のそれよりも径が細く設定されている。具体的には、ドレナージチューブ1Bは、その外径が2.3mm、内径が1.2mmに設定されている。また、ドレナージチューブ1Bは、基端側の係止フラップの代わりにループ部16を基端部に有し、先端側の係止フラップ12がドレナージチューブ本体と異なる材質によって形成されて接合されている。具体的には、ドレナージチューブ1Bの本体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし、タングステンを25重量%含み、硬度がショアDで55に設定されている。一方、係止フラップ12は、高密度ポリエチレンを主成分とし、タングステンを40重量%含み、硬度がショアDで68に設定されている。
【0036】
このような構成のドレナージチューブ1Bによれば、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、ドレナージチューブ1Bの基端側にループ部16が設けられているため、第1および第2の実施形態における係止フラップ12と比較して、ドレナージチューブ1Bを一定位置に係留させておく効果が高くなる(図6参照)。
【0037】
また、本実施形態のドレナージチューブ1Bは、これよりも硬度が高い係止フラップ12を先端側に接合状態で有しているため、第1および第2の実施形態のような切込み式の係止フラップを設けた場合と比べて、ドレナージチューブ1Bを細くしてもドレナージチューブ1Bの本体および係止フラップが座屈し難いという効果がある。また、ドレナージチューブ本体と係止フラップ12とが異なるタングステン濃度で形成されているため、X線透視下にて係止フラップ12の位置関係を確認し易いという効果がある。
【0038】
なお、図7に示されるように、係止フラップ12は、ドレナージチューブの基端側のみに形成されていても良い。また、図8に示されるように、湾曲部は、ドレナージチューブの先端と基端との間に1つだけ設けられていても良い。
【0039】
図9〜図11は本発明の第4の実施形態を示している。
【0040】
図9に示されるように、本実施形態に係るドレナージチューブ1Cは、その先端近傍の内孔に、この内孔径よりも小さい内径をもったパイプ16(材質はタンタル)が配置固定されている。そのため、ドレナージチューブ1Cの内孔には、パイプ16によって段差が形成されている。
【0041】
図10および図11に示されるように、ドレナージチューブ1Cを膵管内に挿入する本実施形態に係る挿入器具2Aは、ガイドカテーテル4のみによって構成されている。ガイドカテーテル4は、その軸方向の途中に設けられた段差部44を境に、先端側のA部(遠位端細径部)と、基端側のB部(基体部)とに分けられている。A部は、その外径がドレナージチューブ1Cの内孔径よりも若干小さく設定されており、ドレナージチューブ1Cよりも2mm長い。一方、B部は、その外径がドレナージチューブ1Cの内孔径よりも大きく設定されている。また、ガイドカテーテル4の内孔径は、ガイドワイヤ3が挿脱自在に配置できる寸法に設定されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0042】
このような構成では、まず、第2の実施形態と同様に、経内視鏡的に十二指腸乳頭から膵管の狭窄部にガイドワイヤ3が留置される。その後、挿入器具2AのA部にドレナージチューブ1Cが装着された状態で、ガイドワイヤ3の案内によってドレナージチューブ1Cが狭窄部に挿入される。この時、ガイドカテーテル4の先端43がドレナージチューブ1Cのパイプ16の端部16aに突き当てられ且つ段差部44がドレナージチューブ1Cの基端部17に突き当てられることにより、ドレナージチューブ1は、端部16aと基端部17の2点で押し出し力を受けながら、狭窄部へと前進させられる。また、この際、パイプ16がX線不透過性のタンタルによって形成されているため、X線透視画像下での操作でパイプ16が狭窄部を越えたことを確認でき、正確な留置を行なえる。
【0043】
以上のように、本実施形態の構成によれば、ドレナージチューブ1Cが基端側からだけでなく先端に近い端部16aからも突き出される。そのため、ドレナージチューブ1Cがたとえ柔らかい材質によって形成されていたとしても、ドレナージチューブ1Cを座屈させることなく硬い狭窄部へ容易に挿入留置させることができる。また、X線不透過性のパイプ16がドレナージチューブ1Cの先端付近に設けられているため、X線透視画像下でドレナージチューブ1Cが確実に狭窄部位に到達していることを確認できる。
【0044】
なお、本実施形態においては、ドレナージチューブ1Cの内孔にパイプ16を設けないで、図12に示されるように、ドレナージチューブ1Cの内面に直接に段差部18を形成しても良い。
【0045】
以上説明してきた技術内容によれば、以下に示されるような各種の構成が得られる。
【0046】
1.樹脂平均硬度がショアDで40〜60の範囲に設定されていることを特徴とする膵管用ドレナージチューブ。
【0047】
2.酢酸ビニル含有率が1%〜30%の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体と、X線不透過性粉末と、を主成分とすることを特徴とする第1項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0048】
3.ドレナージチューブの軸方向の少なくとも一端付近に、体腔内に前記ドレナージチューブを係止する目的の係止部を有し、両端部以外の中間部に2箇所の湾曲部が予め形成されていることを特徴とする膵管用ドレナージチューブ。
【0049】
4.ドレナージチューブのほぼ全長にわたり複数の側孔が設けられていることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0050】
5.前記側孔がドレナージチューブの軸方向に連続的螺旋状に配置されていることを特徴とする第4項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0051】
6.ドレナージチューブの遠位端開口近傍内孔に段差を有し、段差部の内径が内孔の径よりも小さくなっていることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0052】
7.前記ドレナージチューブの遠位端開口近傍の段差が、前記チューブ内孔内に固定されたリング状の部材から形成されていることを特徴とする第6項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0053】
8.前記リング状部材が白金、金、タングステン、ルテニウム、等のX線不透過性貴金属からなることを特徴とする第7項に記載の膵管用ドレナージチューブ。
【0054】
9.前記ドレナージチューブの遠位端開口近傍の段差から近位端までの長さよりも長く、かつ内孔径よりも小さな外径を有する遠位端細径部と、前記ドレナージチューブの内孔径よりも大きな外径を有する基体部とからなり、遠位端から近位端まで連通した内孔を有することを特徴とする第6項ないし第8項のいずれか1項に記載の膵管用ドレナージチューブを患部に挿入するための挿入具。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、容易且つ確実に膵管内に挿入留置できる最適な膵管用ドレナージチューブ柔らかくても硬い狭窄部位への挿入留置を可能にする膵管用ドレナージチューブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る膵管用ドレナージチューブの側面図、
(b)は(a)のドレナージチューブを患部に挿入するための挿入器具の側面図である。
【図2】図2のドレナージチューブが挿入器具により内視鏡を介して膵管に留置される状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る膵管用のドレナージチューブの側面図である。
【図4】図3のドレナージチューブが内視鏡を介して膵管に留置される状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る膵管用のドレナージチューブの側面図である。
【図6】図5のドレナージチューブが内視鏡を介して膵管に留置される状態を示す断面図である。
【図7】ドレナージチューブの第1の変形例を示す側面図である。
【図8】ドレナージチューブの第2の変形例を示す側面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るドレナージチューブの断面図である。
【図10】図9のドレナージチューブを膵管内に挿入するための挿入器具の全体構成を示す側面図である。
【図11】図10の挿入器具の先端部の断面図である。
【図12】第4の実施形態の変形例に係るドレナージチューブの断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C…ドレナージチューブ
2…挿入器具(挿入具)

Claims (2)

  1. 膵管内に挿入されて留置されることにより、十二指腸への膵液の排出通路を確保する膵管用ドレナージチューブにおいて、
    前記ドレナージチューブの遠位端部に係止フラップを設け、この係止フラップを設けた遠位端部よりも近位端側に位置するドレナージチューブの中途部は、第1の湾曲部と第2の湾曲部とを有し、前記第1の湾曲部の湾曲する向きと前記第2の湾曲部の湾曲する向きとが逆向きで該第1の湾曲部と該第2の湾曲部との全体でS字形状を成し、このS字形状を形成する中途部に複数のサイドホールを設けたことを特徴とする膵管用ドレナージチューブ。
  2. 前記複数のサイドホールは、ドレナージチューブの周方向へ間隔のある螺旋状に配置して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の膵管用ドレナージチューブ。
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