JP4846605B2 - タイミング検証方法、及びタイミング検証装置 - Google Patents
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Description
半導体集積回路の開発においては、論理回路の遅延計算を実施し、動作タイミングや遅延を検証する工程がある。その工程では、半導体集積回路装置(LSI)の断面構造を抽出し、配線の特性による遅延時間の変動や特性値の変動を考慮した上でタイミング検証が行われている。配線の特性(配線抵抗・配線容量)は、LSIのテクノロジの進化や微細化に伴い、抵抗値や容量値が増加し、遅延時間や特性値に与える影響が大きくなるため、抵抗値や容量値を正しく扱うことが重要になっている。
図2は、タイミング検証装置11の概略構成図である。
タイミング検証装置11は一般的なCAD(Computer Aided Design) 装置からなり、中央処理装置(以下、CPU)12、メモリ13、記憶装置14、表示装置15、入力装置16、及びドライブ装置17を備え、それらはバス18を介して相互に接続されている。
OCV係数算出処理は、複数のサブステップ21a〜21cから構成されている。タイミング検証装置11は、各ステップ21a〜21cの処理を実行し、各ネットに対するOCV係数をそれぞれ算出する。つまり、タイミング検証装置11は、各ネットの配線構造に基づいて、該配線構造に応じて最適化したOCV係数を算出する。
配線における配線抵抗と、その配線と他の配線との間に形成される寄生素子(寄生容量)の値(配線容量)は、配線の高さ,幅,層間絶縁膜の厚さによって決定され、配線抵抗と配線容量のバラツキもこれらの要因によって決定される。図8(a)に示すように、単位長Lの1つのセグメントSgは、配線幅Wと配線高さHによって決定される断面積(=W×H)によって決定される配線抵抗を有している。また、このセグメントSgは、下面の面積(=W×L)と、その下層に形成される配線との間に形成される寄生素子(コンデンサ)に応じた配線容量と、側面の面積(=H×L)とその側方に形成される寄生素子(コンデンサ)に応じた配線容量を有している。
上記の抽出処理において、セグメントに対する配線抵抗のバラツキ値と配線容量のバラツキ値とが求められている。各セグメントにおいて、標準的な配線抵抗の値と配線容量の値は各セグメントの形状により決定される。従って、各セグメントに対して配線抵抗の最大値及び最小値と、配線容量の最大値及び最小値が求まる。タイミング検証装置11は、これらの値に基づいて、各セグメントに対して配線抵抗と配線容量の相関性を考慮したばらつき値を求める。
図3に示す範囲A1は、LSIを製造するプロセスにおける全てのバラツキを考慮した分布を示し、この分布は、配線抵抗に着目した分布であり、図5に示すように、正規分布となる。これに対し、タイミング検証において遅延時間を計算するコーナーモデルは、図5に示すオンチップバリエーション(on Chip variation )を用いる。この分布は、配線抵抗を対象とする場合、配線抵抗の最大値Rmax近傍の値Rm1 を中心とする分布と、配線抵抗の最小値Rminの近傍の値Rm2 を中心とする分布となる。これら配線抵抗の値Rm1,Rm2 に対し、図4に示すように、同様に配線容量も値Cm1,Cm2 を中心とする分布となる。そして、配線抵抗及び配線容量を考慮する場合、上記と同様に、配線抵抗と配線容量の積(RC積)によって遅延時間が変化する。従って、配線抵抗と配線容量のそれぞれの軸における分布の中心(Rm1,Cm2),(Rm2,Cm1)と、それらの点を通り、RC積のバラツキ(図中、矢印で範囲を示す)を用いる。これをセグメントにおける遅延の分布とすることで、配線抵抗と配線容量のバラツキ分布を考慮したタイミング検証を行うことができる。
OCV係数=(コーナーに対してばらつきを考慮した配線遅延値)/(コーナー条件における配線遅延値)
とする。畳み込み積分により得られたパスにおける遅延のバラツキは、各セグメントにおける遅延のバラツキの特性、つまりRC積に対応する。このため、コーナー条件における配線遅延値として分布の中心値、バラツキを考慮した配線遅延値を、その分布における3σの値とする。3σの値は、分布の中心値に対して、遅延時間が少ない値b1(−3σ)と、遅延時間が大きい値b2(+3σ)とがある。従って、OCV係数は、中心値をb0とすると、
係数(1)=b2/b0
係数(2)=b1/b0
として求められる。
係数(1)=b1/b2
係数(2)=b2/b1
として求める。
(1)基準形状の配線に対して、該配線の形状のバラツキに応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキのテーブルを記憶する第1の記憶手段を備え、信号経路における配線構造を抽出し、該配線構造に応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとをテーブルから抽出し、そのテーブルから抽出した配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得る係数算出工程を備え、係数に基づいて信号経路を伝播する信号の遅延時間を求めるようにした。
31 第1のファイル(第2の記憶手段)
32 第2のファイル(第3の記憶手段)
33 第3のファイル(第1の記憶手段)
33a〜33c テーブル
L1〜L6 配線
V1〜V7 ビア
Sg セグメント
A1 範囲
capb,capw コーナー値
tcb,tcaw コーナー値
Claims (9)
- 信号経路を伝播する信号の遅延時間を求めてタイミング検証をコンピュータが実行するタイミング検証方法であって、
前記コンピュータは、基準形状の配線に対して、該配線の形状のバラツキに応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキのテーブルを記憶する第1の記憶手段を備え、
前記信号経路における配線形状を抽出し、該配線形状に応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルから抽出し、そのテーブルから抽出した配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得る係数算出工程と、
前記係数に基づいて前記信号経路を伝播する信号の遅延時間を求める遅延時間算出工程とを有し、
前記係数算出工程では、前記信号経路における配線を基準形状のセグメントに分割し、各セグメントに対して、そのセグメントが形成されている配線層の配線密度及び前記セグメントが形成されている配線層よりも下層の配線層の配線密度に対応する配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルからそれぞれ抽出する、ことを特徴とするタイミング検証方法。 - 前記係数算出工程は、
前記信号経路における配線形状を抽出する第1の工程と、
前記配線形状に応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルから抽出する第2の工程と、
前記第2の工程により抽出された配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得る第3の工程とで構成され、
前記遅延時間算出工程では、前記第3の工程により得られた係数に基づいて前記信号経路を伝播する信号の遅延時間を求めるようにした、ことを特徴とする請求項1記載のタイミング検証方法。 - 前記コンピュータは、半導体集積回路装置の回路情報を記憶する第2の記憶手段と、前記半導体集積回路装置のレイアウトデータを記憶する第3の記憶手段とを備え、
前記係数算出工程では、前記回路情報に基づいて、前記レイアウトデータから前記信号経路における配線形状をネット毎に抽出し、ネット毎に、配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得るようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のタイミング検証方法。 - 前記第1の記憶手段には、ビアについて、ビアが接続する配線層間に対応する配線抵抗のバラツキのテーブルがさらに記憶され、
前記係数算出工程では、前記信号経路におけるビアの形状を抽出し、該ビアの形状に応じた各ビアに対する配線抵抗のバラツキを、前記ビアについてのテーブルから抽出する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイミング検証方法。 - 前記係数算出工程では、前記セグメントにおける配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキと、前記ビアに対する配線抵抗のバラツキとに基づいて、各ネットにおける遅延値のバラツキを算出し、該遅延値のバラツキに基づいて各ネットに対する係数を算出する、ことを特徴とする請求項4記載のタイミング検証方法。
- 前記係数算出工程では、前記セグメントにおける配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキと、前記ビアに対する配線抵抗のバラツキとに基づいて、各ネットにおける遅延値のバラツキを算出し、該遅延値のバラツキに基づいて各ネットに対して遅延時間を計算する範囲を示すコーナー値を設定し、該コーナー値に基づいて各ネットに対する係数を算出する、ことを特徴とする請求項4記載のタイミング検証方法。
- 信号経路を伝播する信号の遅延時間を求めてタイミング検証を実行するタイミング検証装置であって、
基準形状の配線に対して、該配線の形状のバラツキに応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキのテーブルを記憶する第1の記憶手段と、
前記信号経路における配線形状を抽出し、該配線形状に応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルから抽出し、そのテーブルから抽出した配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得る係数算出手段と、
前記係数に基づいて前記信号経路を伝播する信号の遅延時間を求める遅延時間算出手段とを備え、
前記係数算出手段は、前記信号経路における配線を基準形状のセグメントに分割し、各セグメントに対して、そのセグメントが形成されている配線層の配線密度及び前記セグメントが形成されている配線層よりも下層の配線層の配線密度に対応する配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルからそれぞれ抽出する、ことを特徴とするタイミング検証装置。 - 前記係数算出手段は、
前記信号経路における配線形状を抽出する第1の抽出手段と、
前記配線形状に応じた配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとを前記テーブルから抽出する第2の抽出手段とを備え、
前記係数算出手段は、前記第2の抽出手段により抽出された配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得るように構成され、
前記遅延時間算出手段は、前記係数算出手段により得られた係数に基づいて前記信号経路を伝播する信号の遅延時間を求める、ことを特徴とする請求項7記載のタイミング検証装置。 - 半導体集積回路装置の回路情報を記憶する第2の記憶手段と、前記半導体集積回路装置のレイアウトデータを記憶する第3の記憶手段とを備え、
前記係数算出手段は、前記回路情報に基づいて、前記レイアウトデータから前記信号経路における配線形状をネット毎に抽出し、ネット毎に、配線抵抗のバラツキと配線容量のバラツキとから係数を得る、ことを特徴とする請求項7又は8記載のタイミング検証装置。
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