JP4846401B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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本発明は、対向配置される一対の基板と、両基板上に設けられ、液晶層を挟んで互いに重なり合って表示領域を形成する一対の透明電極とを備える液晶表示素子であって、表示領域として視角特性が異なる少なくとも2種類の領域を有するものに関する。
従来から液晶表示素子は視角特性を持つことが知られている。この視角特性は主に電圧印加時の液晶分子の挙動によって生じるものである。具体的には、誘電率異方性が正の液晶を注入した水平配向型の液晶層を有する液晶表示素子では、電圧印加によって液晶分子が立上る方向が、また、誘電率異方性が負の液晶を注入した垂直配向型の液晶層を有する液晶表示素子では、電圧印加により液晶分子が倒れ込む方向と逆方向が、より低い印加電圧でも表示が見える方向となり、通常この方向を最良視認方向と呼んでいる。この最良視認方向と逆の方向は、表示をさせようとして電圧を印加しても透過率が変化し難く、甚だ表示品位の悪い方向となってしまう。
ここで、水平配向型の代表的なモードであるTN−LCDでは、ラビングにより液晶の配向方向が決まると共に電圧印加時の液晶分子の立上り方向を決めるのに重要なプレチルト角が付与され、ラビング方向とツイスト方向によって視角特性(最良視認方向)が決まる。また、垂直配向型の代表的なモードであるECB−LCDでは、プレチルト角で電圧印加時の液晶分子の倒れ込み方向が決まる。プレチルト角は一般的にラビングにより付与するようにしており、そのため、ECB−LCDでもラビング方向によって視角特性(最良視認方向)が決まる。
一般に一つの液晶表示素子は全面に亘って同じ視角特性を有している。これは、液晶表示素子を構成する一対の基板の夫々に対して全面に亘り同一方向の1回のラビングが施されるためである。然し、用途によっては、表示領域として視角特性が異なる少なくとも2種類の領域を有する液晶表示素子が必要になることがある。
この場合、従来は、各基板の1回目のラビング後に、視角特性を変えたい領域に合致する開口を持つマスクで各基板を覆い、この状態で1回目とは異なる方向にラビングし、これにより各基板にラビング方向が異なる領域を設けている。然し、これでは、一連の量産ラインの中でラビング工程を繰り返すことが必要になり、量産性を著しく損なってしまい、結果としてコスト高を招いてしまう。
ところで、従来、広視角化のために、透明電極にスリットを形成したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これを図1、図2を参照して説明する。図1で1,2は一対の基板であり、両基板1,2上には、液晶層3を挟んで互いに重なり合って表示領域を形成する一対の透明電極4,5が設けられている。両透明電極4,5の表示領域に合致する部分には、図2に示す如く、細長形状のスリット6,7がスリット短手方向に間隔を存して複数形成されている。そして、一方の透明電極4のスリット6と他方の透明電極5のスリット7とがスリット短手方向に等間隔で交互に配置される。
このものでは、電圧印加時に、両透明電極4,5間に、図1に点線で示す如く、各スリット6,7を境にして傾き方向が逆になる斜め電界が発生する。そして、液晶層3が垂直配向型であれば、図3に示す如く、液晶分子LCが各スリット6,7を境にして逆方向に倒れ込むことになり、所謂2ドメイン配向構造が実現されて視角特性が広視角化される。また、液晶層3がTN型等の水平配向型であれば、液晶分子は各スリットを境にして逆方向から立上ることになり、この場合も2ドメイン配向構造が実現されて視角特性が広視角化される。
特許第3108768号公報 特開2004−252298号公報
本発明は、上述した透明電極のスリットの技術を利用し、ラビングを繰り返すことなく視角特性の異なる領域を形成できるようにした低コストの液晶表示素子を提供することをその課題としている。
本発明は、対向配置される一対の基板と、両基板上に設けられ垂直配向型の液晶層を挟んで互いに重なり合って表示領域を形成する一対の透明電極とを備え、両透明電極の表示領域に合致する部分に夫々細長形状のスリットが該スリットの短手方向に間隔を存して複数形成され、一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットとが各スリットの短手方向に交互に配置され、前記表示領域として視角特性が異なる少なくとも2種類の領域を有する液晶表示素子において、領域により一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットとのスリット短手方向の相対位置関係及び両透明電極のスリットの長手方向を相違させることで視角特性が異なる領域が形成されることを特徴とする。
ここで、一方の透明電極のスリットの短手方向における間隔の中心位置から短手方向片側にオフセットした位置に他方の透明電極のスリットが配置されていれば、一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットとの間の間隔が広い部分と狭い部分とができる。そして、間隔が広い部分に生ずる斜め電界の影響が支配的になり、この斜め電界の傾き方向により視角特性(最良視認方向)が決定される。
従って、本発明における相対位置関係の相違として、一方の透明電極のスリットの短手方向における間隔の中心位置に対する他方の透明電極のオフセット方向を相違させれば、前記オフセット方向が異なる領域では、上記間隔が広い部分に生ずる斜め電界の傾き方向が変わり、視角特性も変わる。
また、一方の透明電極のスリットの短手方向における間隔の中心位置から短手方向片側にオフセットした位置に他方の透明電極のスリットが配置されていれば、スリットの長手方向が異なる領域では、上記間隔が広い部分に生ずる斜め電界の傾き方向が当然に変わり、視角特性も変わる。
かくして、ラビングを繰り返さなくても視角特性が異なる少なくとも2種類の領域を形成することができ、コストダウンを図ることができる。
ここで、液晶層が水平配向型である場合は、液晶分子の立上り方向が、ラビングにより規制される配向方向片側とその反対側の2方向に制限されるのに対し、液晶層が垂直配向型であれば、液晶分子は任意の方向に倒れ込み得るため、本発明を適用できる。
但し、液晶層が垂直配向型で、これに本発明を適用しても、そのままでは、偏光板の透過軸方位又はこれと直交する方位に最良視認方向を持ってくることはできない。これは、電圧印加により偏光板透過軸と平行な又は直交する方向に液晶分子が倒れ込む場合は、透過率変化を生じないからである。
これに対し、液晶層の液晶がツイスト構造を有するものであれば、或いは偏光板が円偏光板であれば、上述した最良視認方向の制限を解除でき、各領域の視角特性の設定の自由度が増す。
先ず、水平配向型の代表なモードであるTN型の液晶表示素子を第1実施形態として説明する。
この液晶表示素子は、図4に示す如く、ガラス製の背面側基板1と、背面側基板1に対向するガラス製の前面側基板2とを備え、両基板1,2間にシール材3aで囲われた液晶層3が設けられている。背面側基板1上には、セグメント電極となる背面側透明電極4が設けられ、前面側基板2上には、コモン電極となる前面側透明電極5が設けられている。そして、両透明電極4,5が液晶層3を挟んで重なり合い、この重なり合う部分で表示領域が形成される。また、両透明電極4,5の表示領域に合致する部分には、夫々、後述するスリット6,7が形成されている。
液晶表示素子の製造に際しては、各基板1,2上に各透明電極4,5を覆うようにして水平配向膜(例えば、日産化学工業製SE−410)を塗布焼成し、次いで、各基板1,2をラビングする。その後、各基板1,2にシール材3aを塗布し、更に、所定の直径(例えば、9μm)のギャップコントロール材を散布した後、両基板1,2を重ね合わせてシール材3aを硬化させる。次に、両基板1,2間の空セルに誘電率異方性が正の液晶(例えば、メルク社製の複屈折率0.25の液晶)を注入して水平配向型の液晶層3を形成する。その後、背面側基板1の外側に背面側偏光板8を貼り合わせると共に、前面側基板2の外側に前面側偏光板9を貼り合わせる。
図7を参照して、背面側基板1のラビング方向R1は左右方向に対し左下方に45°傾斜した方向であり、前面側基板2のラビング方向R2は左右方向に対し左上方に45°傾斜した方向である。また、液晶のツイスト方向は左巻き(図7で反時計方向)であって、液晶層3の厚さ方向中央部の液晶分子の配向方向は図7で左右方向になる。ここで、両基板1,2のラビング方向R1,R2のうち一方は通常とは反対向きになっている。これにより、液晶分子は液晶層3の厚さ方向にスプレイ配向し、液晶層3の厚さ方向中央部の液晶分子のプレチルト角が0°になって、後述する斜め電界の傾き方向に応じて液晶分子が左右何れの方向にも立上るようになる。また、背面側偏光板8の透過軸8aと前面側偏光板9の透過軸9aは共に背面側基板1のラビング方向R1に平行な平行ニコルの配置であり、そのためノーマルブラックの液晶表示素子となる。
ここで、第1実施形態では、シール材3aで囲われる一つの液晶層3に対応する表示領域、即ち、一つのセルの表示領域を左右2つの領域10L,10Rに区画して、両領域10L,10Rの視角特性を異ならせている。以下、この点について詳述する。
図5(a)(b)を参照して、背面側と前面側の両透明電極4,5には、夫々、細長形状のスリット6,7がスリット長手方向たる図5の上下方向とスリット短手方向たる図5の左右方向に間隔を存して複数形成されている。スリット6,7の具体的寸法を例示すると、スリット6,7のスリット長手方向の長さ(スリット長)が100μm、スリット6,7のスリット短手方向の幅(スリット幅)が20μm、スリット6間のスリット長手方向間隔及びスリット7間のスリット長手方向間隔が20μm、スリット6間のスリット短手方向間隔及びスリット7間のスリット短手方向間隔が100μmである。尚、各スリット6,7をスリット長手方向に間隔を存して配置したのは、この間隔を電路部として電極抵抗を低減するためであるが、各スリット6,7をスリット長手方向に連続した形状に形成することも可能である。
これら背面側透明電極4のスリット6と前面側透明電極5のスリット7はスリット短手方向たる左右方向に交互に配置される。但し、背面側透明電極4のスリット6と前面側透明電極5のスリット7とは左右方向に等間隔で交互に配置されておらず、左側の領域10Lと右側の領域10Rとで背面側透明電極4のスリット6と前面側透明電極5のスリット7との左右方向における相対位置関係が異なる。より具体的には、背面側透明電極4のスリット6の左右方向の間隔の中心位置から左右方向片側にオフセットした位置に前面側透明電極5のスリット7を配置して、背面側透明電極4のスリット6と前面側透明電極5のスリット7との左右方向の間隔が広く(例えば、70μm)なる部分と狭く(例えば、10μm)なる部分とができるようにしている。そして、背面側透明電極4のスリット6の間隔中心位置に対する前面側透明電極5のスリット7のオフセット方向を左側の領域10Lでは図5(a)に示す如く右側にし、右側の領域10Rでは図5(b)に示す如く左側にしている。
電圧印加時には、各スリット6,7を境にして傾き方向が左右逆になる斜め電界が発生する。そして、左側の領域10Lでは、背面側透明電極4のスリット6の間隔中心位置に対する前面側透明電極5のスリット7の右側へのオフセットにより、図6(a)に示す如く、左側に傾いた斜め電界ELの発生面積の方が右側に傾いた斜め電界ERの発生面積より広くなる。また、右側の領域10Rでは、背面側透明電極4のスリット6の間隔中心位置に対する前面側透明電極5のスリット7の左側へのオフセットにより、図6(b)に示す如く、右側に傾いた斜め電界ERの発生面積の方が左側に傾いた斜め電界ELの発生面積より広くなる。ここで、発生面積の広い斜め電界での液晶分子の挙動が視角特性に対し支配的影響を与える。そして、左側の領域10Lでは、発生面積が広い左側に傾いた斜め電界ELで液晶分子が左上がりに立上るため、最良視認方向は図7に矢印SLで示す左方向となり、また、右側の領域10Rでは、発生面積が広い右側に傾いた斜め電界ERで液晶分子が右上がりに立上るため、最良視認方向は図7に矢印SRで示す右方向になる。
このように第1実施形態によれば、視角特性の異なる領域を有するTN型液晶表示素子をラビングを繰り返すことなく製造でき、コストダウンを図ることができる。また、従来のようにラビング方向を変えて視角特性の異なる領域を形成するものでは、視角特性が異なる領域の境界部の下地の部分の配向が微妙に異なるため、深い角度から見るとこの境界部が視認されてしまい表示品位が悪くなるが、第1実施形態では、表示領域の全域に亘り同一の配向処理が施されるため、視角特性が異なる領域の境界部でも下地の見え方に差は生じず、表示品位が良好になる。
次に、垂直配向型の代表的なモードであるECB型の液晶表示素子を第2実施形態として説明する。図8は第2実施形態の断面構造を示しており、上記第1実施形態と同様の部材に上記と同一の符号を付している。
第2実施形態においても、背面側と前面側の両透明電極4,5に、左側の領域10Lに合致する部分において、図5(a)に示す配列でスリット6,7を形成すると共に、右側の領域10Rに合致する部分において、図5(b)に示す配列でスリット6,7を形成している。
第2実施形態の液晶表示素子の製造に際しては、各基板1,2上に各透明電極4,5を覆うようにして垂直配向膜(例えば、日産化学工業製SE−1211)を塗布焼成し、次いで、各基板1,2にシール材3aを塗布し、更に、所定の直径(例えば、4μm)のギャップコントロール材を散布した後、両基板1,2を重ね合わせてシール材3aを硬化させる。次に、両基板1,2間の空セルに誘電率異方性が負の液晶(例えば、メルク社製の複屈折率0.1の液晶)を注入して垂直配向型の液晶層3を形成する。その後、背面側基板1の外側に背面側偏光板8を貼り合わせると共に、前面側基板2の外側に負の一軸フィルムから成る視角補償板11(例えば、住友化学工業製VAC−180フィルム)と前面側偏光板9とを重ねて貼り合わせる。
図9に示す如く、背面側偏光板8の透過軸8aは上下方向に対し時計方向に45°傾斜した方向、前面側偏光板9の透過軸9aは上下方向に対し反時計方向に45°傾斜した方向であり、両透過軸8a,9aが直交ニコルの配置となって、ノーマルブラックの液晶表示素子になる。
電圧印加時には、左側の領域10Lに第1実施形態と同様の図6(a)に示す斜め電界が発生し、左側に傾く斜め電界ELの発生面積が右側に傾く斜め電界ERの発生面積より広くなり、また、右側の領域10Rに第1実施形態と同様の図6(b)に示す斜め電界が発生し、右側に傾く斜め電界ERの発生面積が左側に傾く斜め電界ELの発生面積より広くなる。従って、左側の領域10Lの最良視認方向は、発生面積の広い左側に傾く斜め電界ELの影響で図9に矢印SLで示す左方向になり、右側の領域10Rでは、発生面積の広い右側に傾く斜め電界ERの影響で図9に矢印SRで示す右方向になる。
ここで、第1実施形態では1回ではあるがラビングが必要になるのに対し、第2実施形態では、垂直配向型であることからラビングが不要であり、コスト的に有利である。また、表示領域の全域に亘り同一の配向処理(垂直配向処理)が施されるため、視角特性が異なる領域の境界部でも下地の見え方に差は生じず、表示品位が良好になる。以上の効果は後述する第3乃至第5実施形態のものにおいても得られる。
次に、第3実施形態の液晶表示素子について説明する。この液晶表示素子はECB型であって、第2実施形態と同様の図8に示す断面構造になっており、第2実施形態と同様の方法で製造される。また、背面側と前面側の両偏光板8,9の透過軸8a,9aも、図11に示す如く、第2実施形態と同様の直交ニコルの配置になっている。
第3実施形態と第2実施形態との相違点は、図10(a)(b)に示す如く、背面側と前面側の両透明電極4,5のスリット6,7の長手方向が、左側の領域10Lと右側の領域10Rとで相違することである。即ち、スリット6,7の長手方向が、左側の領域10Lでは、第1、第2実施形態と同様に上下方向になっているが、右側の領域10Rでは、左右方向になっている。
そして、左側の領域10Lでは、背面側透明電極4のスリット6の間隔中心に対する前面側透明電極5のスリットのオフセット方向が右側で、発生面積の広い斜め電界の傾き方向が左側になるため、最良視認方向は図11の矢印SLで示す左方向になる。また、右側の領域10Rでは、背面側透明電極4のスリット6の間隔中心に対する前面側透明電極5のスリットのオフセット方向が上側で、発生面積の広い斜め電界の傾き方向が下側になるため、最良視認方向は図11に矢印SRで示す下方向になる。
尚、水平配向型の液晶表示素子では、視角特性を決定する液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子の立上り方向がこの液晶分子の配向方向片側と反対側の2方向に限定される。従って、液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子の配向方向が左右方向である場合に、スリット6,7の長手方向を左右方向にして上側と下側に傾く斜め電界を発生させても、液晶分子は斜め電界に応じた方向には立上らず、最良視認方向を上下方向に持ってくることはできない。その結果、水平配向型液晶表示素子では最良視認方向が180°異なる領域しか形成できない。これに対し、垂直配向型の液晶表示素子では、液晶分子が任意の方向に倒れ込み得るため、第3実施形態のように最良視認方向が90°異なる領域も形成できる。
但し、垂直配向型の液晶表示素子であっても、偏光板8,9の透過軸8a,9aの方位若しくは直角な方位に最良視認方向を持ってくることはできない。これは、偏光板8,9の透過軸8a,9aと平行若しくは直交する方向に液晶分子が電圧印加で倒れ込んでも透過率変化を生じないからである。従って、第2実施形態や第3実施形態のように単純なネマティック液晶と通常の偏光板のみを用いる場合には、最良視認方向が45°異なる領域は形成できない。そこで、特別な工夫を施して、最良視認方向が45°異なる領域を形成した第4、第5実施形態について以下説明する。
第4実施形態の液晶表示素子はECB型であって、第2実施形態と同様の図8に示す断面構造になっており、液晶を除いて第2実施形態と同様の方法で製造される。第4実施形態で用いる液晶は誘電率異方性が負の液晶にカイラル材を加えたものであり、液晶がツイスト構造になる。加えるカイラル材の量は、液晶層3の厚さdと液晶の自然ピッチpとの比(d/p)が0.5になるように調整した。また、図12(a)(b)に示す如く、背面側と前面側の両透明電極4,5のスリット6,7の長手方向を、左側の領域10Lでは上下方向とし、右側の領域10Rでは上下方向に対し反時計方向に45°傾いた方向にしている。背面側と前面側の両偏光板8,9の透過軸8a,9aは、図13に示す如く、第2実施形態と同様の直交ニコルの配置になっている。
第4実施形態では、左側の領域10Lの最良視認方向が図13に矢印SLで示す左方向になり、右側の領域10Rの最良視認方向が図13に矢印SRで示すように左下方に45°傾いた方位になる。右側の領域10Rの最良視認方向は偏光板8、9の透過軸8a,9aの一方に平行で他方に直角な方位であるが、液晶層3の液晶がツイスト構造になることで旋光性が得られ、このような方位に最良視認方向を持ってくることができる。
尚、カイラル材を加えない液晶を用いた場合には、左下方からは表示を視認できなかった。また、第4実施形態ではd/pの値を0.5に設定したが、この値を変えて実験したところ、d/pが0.2以上であれば同様の効果が得られることが分かった。但し、d/pが0.75以上になると垂直配向を得ることができなくなる。従って、第4実施形態に適するd/pの値は0.2以上0.75未満ということになる。
第5実施形態の液晶表示素子はECB型であって、その断面構造は図14に示す通りであり、スリット6,7の配列及び偏光板8,9を除いて第2実施形態と同様の構造になっており、第2実施形態と同様の方法で製造される。第4実施形態で用いる偏光板8,9は円偏光を生成する円偏光板であり、直線偏光の偏光板81,91に1/4波長板82,92を貼り合わせた構造になっている。また、背面側と前面側の両透明電極4,5に、左側の領域10Lに合致する部分において、第4実施形態と同様の図12(a)に示す配列でスリット6,7を形成すると共に、右側の領域10Rに合致する部分において、第4実施形態と同様の図12(b)に示す配列でスリット6,7を形成している。
第5実施形態でも、第4実施形態と同様に、左側の領域10Lの最良視認方向が図15に矢印SLで示す左方向になり、右側の領域10Rの最良視認方向が図15に矢印SRで示すように左下方に45°傾いた方位になる。
尚、第4実施形態と第5実施形態では、左側の領域10Lと右側の領域10Rとで最良視認方向が45°異なるようにしているが、液晶を第4実施形態のようにツイスト構造を有するものにし、また、偏光板8,9を第5実施形態のように円偏光板で構成すれば、両領域10L,10Rの最良視認方向の角度差を任意に設定でき、更には、視角特性が異なる3種類以上の領域を形成することも可能である。
又、上記実施形態では、1つのセルの表示領域を視角特性の異なる領域に区画するようにしたが、セル毎に表示領域の視角特性を異ならせる場合にも同様に本発明を適用できる。
電極にスリットを形成した液晶表示素子の従来例の模式的断面図。 従来例のスリットの配列を示す説明図。 斜め電界による液晶分子の挙動を示す断面図。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の断面図。 第1、第2実施形態の液晶表示素子に共通するスリットの配列を示す説明図。 第1、第2実施形態の液晶表示素子に共通する斜め電界の発生状況を示す断面図。 第1実施形態の液晶表示素子における偏光板の透過軸と最良視認方向を示す説明図。 第2乃至第4実施形態に共通する液晶表示素子の断面図。 第2実施形態の液晶表示素子における偏光板の透過軸と最良視認方向を示す説明図。 第3実施形態の液晶表示素子のスリットの配列を示す説明図。 第3実施形態の液晶表示素子における偏光板の透過軸と最良視認方向を示す説明図。 第4実施形態の液晶表示素子のスリットの配列を示す説明図。 第4実施形態の液晶表示素子における偏光板の透過軸と最良視認方向を示す説明図。 第5実施形態の液晶表示素子の断面図。 第5実施形態の液晶表示素子における最良視認方向を示す説明図。
符号の説明
1,2…基板、3…液晶層、4,5…透明電極、6,7…スリット、8,9…偏光板、10L,10R…視角特性の異なる領域。

Claims (4)

  1. 対向配置される一対の基板と、両基板上に設けられ垂直配向型の液晶層を挟んで互いに重なり合って表示領域を形成する一対の透明電極とを備え、両透明電極の表示領域に合致する部分に夫々細長形状のスリットが該スリットの短手方向に間隔を存して複数形成され、一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットとが各スリットの短手方向に交互に配置され、前記表示領域として視角特性が異なる少なくとも2種類の領域を有する液晶表示素子において、
    領域により一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットとのスリット短手方向の相対位置関係及び両透明電極のスリットの長手方向を相違させることで視角特性が異なる領域が形成されることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記一方の透明電極のスリットのスリット短手方向における間隔の中心位置からスリット短手方向片側にオフセットした位置に前記他方の透明電極のスリットが配置され、前記相対位置関係の相違は前記中心位置に対する他方の透明電極のスリットのオフセット方向の相違であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 前記液晶層の液晶がツイスト構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 前記両基板に沿わせて設ける偏光板が円偏光板であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
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