JP4846379B2 - 連続式熱処理設備のワーク供給装置およびワーク供給方法 - Google Patents
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Description
この連続式熱処理炉は、前室11と、加熱室12と、後室13とをほぼ直線状に配置すると共に、それぞれに開閉口22A〜23Bを備え、これら開閉口22A〜23Bを貫通するように1つ以上の搬送ラインで連結したものであり、前室11でワークの洗浄や脱脂などの前処理を行った後、加熱室12で所定の熱処理を行い、引き続きその後に後室13において焼き入れや焼き戻しなどの後処理といった一連の処理を連続して行うようにしたものである。
また、さらには、その落下時の反動などによって一部のボルトがベルトコンベアから転げ落ちてしまうことがある。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、長尺状のワークを良好かつ確実に連続式熱処理設備側に供給できる新規な連続式熱処理設備のワーク供給装置およびワーク供給方法を提供するものである。
連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する装置であって、前記連続式熱処理設備内に順次送り込まれる搬送ベルト側に前記長尺状のワークを投下するワーク投下手段と、当該ワーク投下手段から投下されるワークを一旦受け入れると共に、当該ワークを整列させてから前記搬送ベルト上に載せ換えるワーク整列手段と、を備え、前記ワーク整列手段は、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパー本体と、当該ホッパー本体を前記搬送ベルトの搬送方向前後方向に転回させる転回機構と、を有し、前記ワーク投下手段は、前記ワークを振動させながら投下する振動フィーダを有することを特徴とするものである。
請求項1に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、前記振動フィーダは、平板状のフィーダ本体と、当該フィーダ本体を加振する加振機構と、当該フィーダ本体を昇降させる昇降機構と、を有することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置は、
連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する装置であって、前記連続式熱処理設備内に順次送り込まれる搬送ベルト側に前記長尺状のワークを投下するワーク投下手段と、当該ワーク投下手段から投下されるワークを一旦受け入れると共に、当該ワークを整列させてから前記搬送ベルト上に載せ換えるワーク整列手段と、を備え、前記ワーク整列手段は、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパー本体と、当該ホッパー本体を前記搬送ベルトの搬送方向前後方向に転回させる転回機構とを有し、前記ワーク整列手段のホッパー本体の近傍に、当該ホッパー本体に投下するワークの飛散を防止する飛散防止部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項1又は2に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、前記振動フィーダの近傍に、当該振動フィーダに供給するワークの飛散を防止する飛散防止部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置は、
請求項3または4に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、前記飛散防止部材は、のれん状をしたゴムシートまたは樹脂シートからなることを特徴とするものである。
そして、請求項6に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置は、
請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面逆台形状になっていることを特徴とするものである。
そして、請求項7に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置は、
請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面逆三角形状になっていることを特徴とするものである。
そして、請求項8に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置は、
請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面半円形状になっていることを特徴とするものである。
連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する方法であって、当該連続式熱処理設備内に順次流れ込む搬送ベルトの上部に、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパーを転回自在に設け、前記ホッパー内に前記長尺状のワークを投下した後、当該ホッパーを振動させて当該ホッパー内のワークを当該ホッパーの長手方向に整列させた後、 当該ホッパーを転回させて当該ホッパー内のワークを前記搬送ベルト上に移し換えて前記連続式熱処理設備に供給することを特徴とするものである。
これによって、高温で過酷な環境下におけるワークの整列作業といった重労働を回避することができる。
さらに、本発明によれば、前記ワーク投下手段を前記ワークを振動させながら投下する振動フィーダから構成したため、前記ワーク整列手段のホッパー本体に対して所定量のワークを容易、かつ確実に供給することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記振動フィーダの近傍に、飛散防止部材を設けたことから、当該振動フィーダに供給されるワークの飛散を防止することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記飛散防止部材は、のれん状をしたゴムシートまたは樹脂シートからなるため、ワークとの接触に際してワークを傷付けたり、大きな衝突音が発生することを防止することができる。
しかも、請求項9に記載の発明によれば、前記ホッパー内に前記長尺状のワークを投下した後、当該ホッパーを振動させるようにしたため、当該ホッパー内のワークを当該ホッパーの長手方向に確実に整列させることができる。
図1および図2は本発明に係るワーク供給装置100の実施の一形態を示したものである。
図示するようにこのワーク供給装置100は、連続式熱処理設備S内に順次送り込まれるように流れる搬送ベルト(メッシュベルト)V側に長ボルトなどの長尺状のワークWを投下するワーク投下手段10と、このワーク投下手段10から投下されるワークWを一旦受け入れると共に、そのワークWを整列させてから前記搬送ベルトV上に載せ換えて供給するワーク整列手段20とから主に構成されている。
この振動フィーダ11は、矩形平板状をしたフィーダ本体12と、このフィーダ本体12を加振する加振機構13と、このフィーダ本体12を昇降させる昇降機構14とから主に構成されており、フィーダ本体12に供給された複数のワークWを加振機構13によって加振させると共に、昇降機構14によってこのフィーダ本体12の先端側を昇降させることによってフィーダ本体12内のワークWをそのタイミングと供給量をコントロールしながらワーク整列手段20側に投下(供給)するようになっている。
そして、このフィーダ本体12を加振する加振機構13は、このフィーダ本体12の下面側にブラケット12cを介して設けられた1つ以上の公知の振動モータ(偏心モータ)13aと、この振動モータ13aを制御する制御部(図示せず)とから構成されており、この振動モータ13aを適宜駆動させてフィーダ本体12を所定時間(例えば、数秒〜数十秒)加振することでそのフィーダ本体12上に供給された複数のワークWをその端部からワーク整列手段20側に順次投下(供給)するようになっている。
このホッパー本体21は、その底面が断面逆台形状になっていると共にその両端面側にはそれぞれ長手方向外側に突出した支持軸21a、21aが設けられた構造となっている。そして、これら各支持軸21a、21aが前述した搬送ベルトV側のコンベアフレームF2から上方に突出した一対のブラケット21b、21bに軸支されており、この支持軸21a、21aを中心としてホッパー本体21全体が前記搬送ベルトVの搬送方向前後方向に転回自在となっている。
なお、このサーボモータ22bをコントロールする図示しない制御部、および前記振動モータ13aをコントロールする図示しない制御部、ならびに前記昇降用シリンダ14aをコントロールする図示しない制御部は、共通した制御手段からなっており、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の用途のために設計・製造されるLSIの他、パソコンなどの汎用コンピュータと各制御用のソフトウェアなどから構成されている。
図5(1)に示すように、先ず、振動フィーダ11のフィーダ本体12の供給端側が上昇した状態で、そのフィーダ本体12内に供給コンベアC側から複数のワークWの供給が開始されることになるが、このときはそのフィーダ本体12の供給端(先端)側が上昇した状態となっているため、フィーダ本体12内に供給されたワークWがそのままワーク整列手段20のホッパー本体21に供給(落下)されることはない。
そして、このようにしてそのホッパー本体21内に適量のワークWが溜まったならば、振動モータ13aを停止し、フィーダ本体12の供給端側を上昇してから前述した転回機構22によって同図(3)に示すようにそのホッパー本体21を適度な角度、例えば水平状態に対して前後50°程度の角度まで交互に傾斜してホッパー本体21全体を数回程度揺動させる。
これによって、振動フィーダ10や搬送ベルトVからワークWが転げ落ちることがなくなり、これを拾い集めるなどといった作業も不要となる。
なお、本実施の形態では、ホッパー本体21として底面が逆台形状の例で説明したが、溜まった長尺状のワークWが整列しやすい形状であれば、この形状に限定されるものでなく、例えば図8(1)に示すようにその底面が逆三角形状であったり、同図(2)に示すように半円形状であっても良い。
〔実施例1〕
ワークWとして長さ250mmでM20の長ボルトを、概ね時間あたりの供給量が680kgとなるようにベルトコンベア(供給コンベアC)で振動フィーダ11上に供給した後、前述したホッパー本体21を上向きの状態(図5(1)の状態)にして、振動フィーダ11のフィーダ本体12の供給端を所定の高さに下降し、ホッパー本体21への1回あたりのワークWの供給量が概ね6kgとなるように、そのフィーダ本体12に3秒間の振動を与えた。
しかる後、このホッパー本体21を搬送ベルトVの搬送方向下流側に120°転回させ、その搬送ベルトV上に全てのワークWを排出してホッパー本体21を元の上向き状態に戻した。さらに、この動作を30秒に1回の割合で繰り返し1時間行った。
そして、このようにして搬送ベルトV上に排出(供給)されたワークWの形態を観察したところ、ワークW同士が重なり合った状態であっても、いずれのワークWも概ねその搬送ベルトVの搬送方向に対して直交方向に並んでおり、起き上がったり、搬送ベルトVから転げ落ちるようなものは全くなかった。
次に、ワークWとしてホッパー本体21の底面幅(102.84mm)より短い長さ60mmでM4のボルトを用いた他は、実施例1と同様に概ね時間あたりの供給量が680kgとなるようにして同様な処理を行った。なお、振動フィーダ11に振動を与える時間は2秒であった。
この結果、長さ60mmのボルトであっても概ねその向きを揃えることができ、また、実施例1と同様に重なり合った状態であっても搬送ベルトV上で起き上がったり、搬送ベルトVから転げ落ちるようなものは皆無であった。
次に、ワークWとして長さ400mmでM28のボルトを用いた他は、実施例1と同様な条件で処理を行った。
この結果、長さ400mmのボルトであっても概ねその向きを揃えることができ、また、実施例1と同様に重なり合った状態であっても方向が揃い搬送ベルトV上に起き上がったり、搬送ベルトVから転げ落ちるようなものは皆無であった。
次に、ワークWとして長さ250mmでM20のボルトを用い、概ね時間あたりの680kgの供給量で振動フィーダ11から直接このワークWを落下させて搬送ベルトV上に供給した。
この結果、ボルトの向きが不揃いで互いに重なり、その重なり高さは実施例1の1.5倍程度となった上に、その一部が起き上がって先端が飛び出すものが発生して熱処理設備Sの前室入口の天井に引っかかってしまい、それを搬送ベルトVのセンサが感知して緊急停止してしまった。
次に、比較例1と同様に、ワークWとして長さ250mmでM20のボルトを用い、概ね時間あたりの680kgの供給量で振動フィーダ11から直接このワークWを滑らせて搬送ベルトV上に供給したところ、この搬送ベルトV上の一部のボルトがこの振動フィーダ11から次々と供給されるボルトに押されてせり上がってそのまま起き上がってしまった。
そして、このように振動フィーダ11から直接搬送ベルトV上にワークWを供給する場合、これらの不都合を招くことなく確実に供給できる量は、時間あたり350kg程度であり、実施例の半分程度であることが分かった。
10…ワーク投下手段
11…振動フィーダ
12…フィーダ本体
13…加振機構
14…昇降機構
20…ワーク整列手段
21…ホッパー本体
22…転回機構
23,24…飛散防止部材
C…供給コンベア
S…連続式熱処理設備
V…搬送コンベア
W…ワーク(長ボルト)
Claims (9)
- 連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する装置であって、
前記連続式熱処理設備内に順次送り込まれる搬送ベルト側に前記長尺状のワークを投下するワーク投下手段と、
当該ワーク投下手段から投下されるワークを一旦受け入れると共に、当該ワークを整列させてから前記搬送ベルト上に載せ換えるワーク整列手段と、を備え、
前記ワーク整列手段は、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパー本体と、当該ホッパー本体を前記搬送ベルトの搬送方向前後方向に転回させる転回機構とを有し、
前記ワーク投下手段は、前記ワークを振動させながら投下する振動フィーダを有することを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項1に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記振動フィーダは、平板状のフィーダ本体と、
当該フィーダ本体を加振する加振機構と、
当該フィーダ本体を昇降させる昇降機構と、を有することを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する装置であって、
前記連続式熱処理設備内に順次送り込まれる搬送ベルト側に前記長尺状のワークを投下するワーク投下手段と、
当該ワーク投下手段から投下されるワークを一旦受け入れると共に、当該ワークを整列させてから前記搬送ベルト上に載せ換えるワーク整列手段と、を備え、
前記ワーク整列手段は、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパー本体と、当該ホッパー本体を前記搬送ベルトの搬送方向前後方向に転回させる転回機構と、を有し、
前記ワーク整列手段のホッパー本体の近傍に、当該ホッパー本体に投下するワークの飛散を防止する飛散防止部材を設けたことを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項1または2に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記振動フィーダの近傍に、当該振動フィーダに供給するワークの飛散を防止する飛散防止部材を設けたことを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項3または4に記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記飛散防止部材は、のれん状をしたゴムシートまたは樹脂シートからなることを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面逆台形状になっていることを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面逆三角形状になっていることを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の連続式熱処理設備のワーク供給装置において、
前記ホッパーの底面は、断面半円形状になっていることを特徴とする連続式熱処理設備のワーク供給装置。 - 連続式熱処理設備に長尺状のワークを供給する方法であって、
当該連続式熱処理設備内に順次流れ込む搬送ベルトの上部に、前記搬送ベルトの搬送方向とほぼ直交する方向に延びる樋状でかつその底部が狭まるような断面形状になっているホッパーを転回自在に設け、
前記ホッパー内に前記長尺状のワークを投下した後、当該ホッパーを振動させて当該ホッパー内のワークを当該ホッパーの長手方向に整列させた後、
当該ホッパーを転回させて当該ホッパー内のワークを前記搬送ベルト上に移し換えて前記連続式熱処理設備に供給することを特徴とする連続式熱処理設備へのワーク供給方法。
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