JP4845906B2 - ハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法 - Google Patents

ハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、主として自動車の内装パーツや、携帯電話、携帯メディアプレイヤー、その他の電化製品類の外装パーツとして用いられる、ハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法に関するものである。
従来、自動車の内装パーツや、携帯電話、携帯メディアプレイヤー、その他の電化製品類の外装パーツに用いられる樹脂成形品について、その表面に加飾されたフィルムや特殊な機能性を有するフィルムを一体化するために、インサート成形法が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、文字や図柄が設けられたインサートフィルムAを射出成形機10の成形用の金型9である可動型9aと固定型9bの間に配置し、成形樹脂8を溶融して射出し成形するインサート成形法により、樹脂成形品を形成するのと同時にその表面にインサートフィルムAを一体化して接着することにより、樹脂成形品を加飾することが開示されている(図8参照)。
当該インサート成形法のプロセスについて、概要を説明すると、まず、図8aに示すように、インサートフィルムAを射出成形機10の成形用の金型9である可動型9aの内側に配置する。
次に、図8bに示すように、前記金型9を閉じ、射出成形機10のホッパーに供給した成形樹脂8である熱可塑性樹脂をスクリュー10aの回転によって計量するとともに混練し、スクリュー10aの先端の射出口10bに前記樹脂8が達すると油圧装置からの押圧により、高温で溶解した成形樹脂8を射出し、成形時の圧力と熱により、樹脂成形品を形成するのと同時にその表面にインサートフィルムAを一体化して接着する。
次に、前記金型9を冷却後、前記金型9を開き、図9に示すような、インサートフィルムAが樹脂成形品Bに一体化されたインサート成形品Cを取り出す。
インサート成形法で表面形状が深いインサート成形品を製造する際には、インサートフィルムを予め真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形などのプレフォーム(予備成形)型で成形品表面の形状に成形しておく手法が用いられるが(特許文献1では「絞り加工」)、この際のフィルムの材質としては加熱による伸展性の良いポリカーボネート、ABS、アクリル等樹脂やアロイ品などが適している。しかし、これらの材質は柔らかく、得られたインサート成形品は表面の耐磨耗性および耐擦傷性が低い。このため、インサート成形品の表面にハードコート層を形成する手法が開発されている。
特開2005−280122公報
ハードコート層を形成する場合、特許文献1の実施例に示すようにインサートフィルムに予め硬化状態のハードコート層を形成しておきプレフォームするという手法があるが、高硬度のハードコート層は大きな変形を与えるとクラック(ひび割れ)を生ずるため、深いプレフォーム形状を形成することはできない。
そのため、紫外線硬化系のハードコート剤に熱硬化系の硬化剤を配合し、フィルムに塗布後に熱処理して半硬化状態の柔らかいハードコート層を備えたインサートフィルムを作成し、これをプレフォームし、さらにプレフォーム型から取り出してインサート成形用の金型内に移してインサート成形した後、インサート成形品に対して紫外線を照射することでハードコート層を完全硬化させる工法も考案された。しかし、この工法では、インサート成形時にハードコート層が金型のキャビティ形成面に接しているため、半硬化状態のハードコート層のモノマー成分8が当前記キャビティ形成面に付着して汚染されるという問題があった(図10参照)。
また、半硬化状態のハードコート層を備えたインサートフィルムをプレフォームし、プレフォーム型から取り出した後、プレフォームされたインサートフィルムに対して紫外線を照射することでインサート成形用の金型9内に移す前にハードコート層を完全硬化させる工法も考案された(図11a参照)。図11a中、符号6はUVランプであり、当該UVランプ6からの矢印は照射を示している。しかし、この工法では、折角プレフォームされたインサートフィルムが照射の熱やハードコート層の硬化収縮(図中の白抜き矢印)によって大きく変形するため、インサート成形用の金型9に上手くインサートできず、シワ等が発生するという問題があった(図11b参照)。
したがって、本発明は、以上のような従来技術の課題を考慮し、ハードコート層を備え、なおかつ外観の優れたインサート成形品の製造方法を提供するものである。
本発明のハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法は、少なくともフィルム基材の外側に未硬化または半硬化状態のハードコート層が設けられてなるインサートフィルムを、プレフォーム型で成形品表面の形状に成形しておく工程と、
インサートフィルムの成形終了後にインサートフィルムをプレフォーム型に沿わせたままの状態で、電離放射線を照射してハードコート層を完全硬化する工程と、
電離放射線の照射終了後にプレフォーム型から取り外したインサートフィルムを、射出成形機の成形用の金型である可動型と固定型の間に配置する工程と、
型締め後、キャビティ内に成形樹脂を射出成形するのと同時に樹脂成形品の表面にインサートフィルムを一体化接着させる工程と、
冷却固化後に型開きして、樹脂成形品の表面にインサートフィルムが一体化されたインサート成形品を型外に取り出す工程と、
を備えるように構成した。
また、上記構成において、プレフォーム型に空気吸引孔を設けておき、エア吸引をしながら電離放射線を照射するように構成した。
本発明に従えば、プレフォーム工程の終了後、インサートフィルムAをプレフォーム型に沿わせたままの状態で、電離放射線を照射することにより未硬化または半硬化状態のハードコート層2を完全硬化するので、プレフォーム型から取り外したインサートフィルムAをインサート成形用の金型9内に配置しても、完全硬化したハードコート層2が金型9のキャビティ形成面に接するため、当該キャビティ形成面がハードコート層2のモノマー成分で汚染されることがない。
また、ハードコート層2の完全硬化時にもインサートフィルムAのプレフォーム形状がプレフォーム型によって維持されているため、照射の熱やハードコート層の硬化収縮によってインサートフィルムAが大きく変形することがない。すなわち、インサート成形用の金型9内に配置されるインサートフィルムAは成形品表面の形状に合致するため、シワ等が発生しない。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明で用いるインサートフィルムAを説明する説明図である。当該インサートフィルムAは、インサート成形用の金型9内に配置されて成形樹脂8の表面に一体化接着されるインサートフィルムAであって、少なくともフィルム基材1の外側にハードコート層2が設けられている積層フィルムである。本明細書において、フィルム基材1の外側とは、樹脂成形品Bとは反対側のことである。
前記フィルム基材1としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂やポリカーボネート/PETアロイ、などの加熱加工性の良いものを選ぶと良い。また、前記フィルム基材1は、透明でもよいし、着色剤を含有させて着色してもよい。
次に、当該フィルム基材1の厚みは、強度、剛性などについて必要最小限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎるとコストが高くなり、薄すぎると強度、剛性などが低下して好ましくないので12μmから150μm程度、好ましくは75μmから125μm程度が特に望ましい。
前記未硬化または半硬化状態のハードコート層2は、前記フィルム基材1の外側に紫外線(UV)や電子線(EB)等で硬化する電離放射線硬化型コーティング剤をコーティングして作製する。未硬化または半硬化状態まま完全硬化しないでおくことで、インサートフィルムAを深い形状にプレフォームする時でもハードコート層2にクラックが生じない。前記未硬化または半硬化状態のハードコート層2しては、ウレタンアクリレート系樹脂、シアノアクリレート系樹脂などが使用できる。半硬化状態にする方法としては、イソシアネートなどの添加剤を加えて熱を加えることによりモノマーまたはオリゴマーの一部を架橋させる方法などがある。また、当該ハードコート剤をフィルム基材1の外側にコーティングする方法は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
また、必要に応じて、本発明にかかるインサートフィルムAには、加飾層3を設けてもよい(図3参照)。加飾層3は、未硬化または半硬化状態のハードコート層2とフィルム基材1との間やフィルム基材1の内側に形成される。加飾層3は、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。また、金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属粒子やマイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることもできる。加飾層3の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。
また、加飾層3は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。また、金属箔を使用してもよい。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。
金属薄膜層を設ける際に、他の転写層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層などのアンカー層を設けてもよい。アンカー層の材質としては、二液硬化性ウレタン系樹脂、熱硬化ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するとよい。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
なお、加飾層3とハードコート層2との間に、密着性の向上を目的としてアンカー層を設けてもよい。アンカー層の材質としては、二液硬化性ウレタン系樹脂、熱硬化ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するとよい。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
また、前記フィルム基材1の内側に、樹脂成形品Bとの密着性を高めるための接着層4を設けてもよい(図4参照)。接着層4としては、樹脂成形品Bの材質に適した感熱圧接着性を有する樹脂を適宜使用する。たとえば、樹脂成形品Bの材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。樹脂成形品Bの材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。樹脂成形品Bの材質がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層14の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法がある。
以上のようにして作成したインサートフィルムAを、インサート成形を行なう前に、予め真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形などのプレフォーム型5で成形品表面の形状に成形しておく。例えば、真空成形とは、インサートフィルムAを加熱軟化させ、プレフォーム型5とインサートフィルムAとの間を真空にし、インサートフィルムAをプレフォーム型5に沿わせ成形するものである(図5参照)。図5中、符号7は加熱のためのヒーター、符号5aは真空にするためのエア吸引孔をそれぞれ示し、当該エア吸引孔5a内の矢印はエア吸引を示している。
また、圧空成形とは、インサートフィルムAを加熱軟化させ、圧縮空気の力でインサートフィルムAを引きのばしてプレフォーム型5に沿わせ成形するものである(図6参照)。図6中、符号11は圧縮空気をインサートフィルムAに加えるための圧空容器であり、当該圧空容器11にはエア注入孔11aが設けられ、矢印は圧縮空気の注入を示している。真空圧空成形は、真空成形と圧空成形を併用したものである。
また、プレス成形とは、インサートフィルムAを加熱軟化させ、プレフォーム型5と凹型12でインサートフィルムAを挟み込んでプレフォーム型に沿わせ成形するものである(図7参照)。
本発明の特徴は、このプレフォーム工程の終了後、インサートフィルムAをプレフォーム型5に沿わせたままの状態で、電離放射線を照射することにより未硬化または半硬化状態のハードコート層2を完全硬化させたことにある(図1a参照、図中の符号6はUVランプを示す)。このようにすることにより、プレフォーム型5から取り外したインサートフィルムAをインサート成形用の金型9内に配置しても、完全硬化したハードコート層2が金型9のキャビティ形成面に接するため、当該キャビティ形成面がハードコート層2のモノマー成分で汚染されることがない。また、ハードコート層2の完全硬化時にもインサートフィルムAのプレフォーム形状がプレフォーム型5によって維持されているため、照射の熱やハードコート層の硬化収縮によってインサートフィルムAが大きく変形することがない。むしろインサートフィルムAをプレフォーム型5から取り外した後も完全硬化されたハードコート層2によって逆にプレフォーム形状が維持が維持される。すなわち、インサート成形用の金型9内に配置されるプレフォーム済みのインサートフィルムA(図11b参照)は成形品表面の形状に合致するため、シワ等が発生しない。
電離放射線は、400〜4000mJ/cm程度の条件で照射するとよい。照射量が400mJ/cm未満では、ハードコート層2の硬化が不十分となるという問題がある。また、照射量が4000mJ/cmを超えると、熱が蓄積してフィルム基材1のダメージとなるという問題がある。なお、短時間に極めて強い電離放射線を照射するとフィルム基材1のダメージとなる可能性があるという問題があり、逆に照射に時間をかけすぎるとサイクルタイムが長くなり生産性に影響するという問題があるので、照射量に応じて適宜設定する。
なお、プレフォーム形状をより強固に維持するためには、プレフォーム型5にエア吸引孔5aを設けておき(真空成形及び真空圧空成形では常設)、エア吸引をしながら電離放射線を照射するとよい。もうこれ以上プレフォーム型5の形状に沿えないという状況までプレフォームした状態でハードコート層2が完全硬化するわけである。また、インサートフィルムAをプレフォーム型5に沿わせたままの状態で電離放射線を照射するが故にハードコート層2の硬化収縮によってインサートフィルムAがプレフォーム型5から外れにくくなった場合、前記エア吸引孔5aより逆に空気をプレフォーム型5とインサートフィルムAとの間に吹き込むことによりインサートフィルムAの離脱を補助してもよい。
次に、プレフォーム型から取り外したインサートフィルムAについて必要に応じて所定の形状に打ち抜き加工を行い、その後、金型9内に配置し、成形樹脂8を射出成形するのと同時に樹脂成形品Bの表面に当該インサートフィルムAを一体化接着させるインサート成形法(図8参照)により、樹脂成形品Bの表面に当該インサートフィルムAが一体化したインサート成形品C(図9参照)を作製する。
前記インサート成形法は、プラスチック射出成形技術の1種で合成樹脂の中でも、主に熱可塑性樹脂に熱と圧力を加えて、これを溶解(可塑化)し、適当な流動状態となったものを、高い圧力(射出圧)のもとに、閉鎖した金型内に高速で流し込み充分固化させて取り出す成形方法である。
当該インサート成形法のプロセスについて、概要を説明すると、まず、図9aに示すように、インサートフィルムAを射出成形機10の成形用の金型9である可動型9aの内側に配置する。
次に、図8bに示すように、前記金型9を閉じ、射出成形機10のホッパーに供給した成形樹脂8である熱可塑性樹脂をスクリュー10aの回転によって計量するとともに混練し、スクリュー10aの先端である射出口10bに前記成形樹脂8が達すると油圧装置からの押圧により、高温で溶解した前記成形樹脂8を射出し、成形時の圧と熱により、樹脂成形品Bを形成するのと同時にその表面にインサートフィルムAを一体化して接着する。
次に、金型9を冷却後、前記金型9を開き、図9に示すように、インサートフィルムAが樹脂成形品Bに一体化されたインサート成形品Cを取り出す。
このような射出成形に使用する成形樹脂は、透明樹脂であれば特に限定しない。すなわち、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂や、その他の熱硬化樹脂でもよい。
<実施例1>
本発明のインサートフィルムAは、フィルム基材として、厚みが150μmのポリカーボネートフィルムを使用し、当該フィルム基材の外面上にイソシアネート系の硬化剤を配合した、アクリル系の紫外線(UV)硬化型ハードコート剤をマイクログラビアコート法にて10μmの厚みでコーティングし、140℃にて熱処理し、半硬化状態のハードコート層を形成した。
次に、前記フィルム基材1の内面側に、グラビア印刷法にて、アクリル系の加飾層、塩酢ビ(塩酸・酢酸ビニル)系の接着層をそれぞれ1μmの厚みで形成してインサートフィルムAを作製した。
以上のようにして作製したインサートフィルムAを加熱軟化させ、プレフォーム型とインサートフィルムAとの間をエア吸引により真空にし、インサートフィルムAをプレフォーム型に密着させて成形(プレフォーム)を行なった後、エア吸引を続けたまま800mJ/cmの紫外線を照射して8秒でハードコート層を完全硬化させた。これにより、クラックが発生することなく成形品表面の形状にプレフォームされたインサートフィルムAとした。
次に、エア吸引を止め、逆にエア吸引孔より空気をプレフォーム型とインサートフィルムとの間に吹き込むことによりインサートフィルムAの離脱を補助する。さらに、プレフォーム型からプレフォームされたインサートフィルムAを取り外した後に、所定の形状に打ち抜き加工を行って不要部分を切除した。
次に、前記インサートフィルムAを、図8a示すように、金型9の可動型9aの内側に配置した。
型締め後、図8b示すように、成形樹脂8として高温で溶解したアクリル樹脂を射出し、成形時の圧力と熱により、樹脂成形品Bを形成するのと同時にその表面にインサートフィルムAを一体化して接着し、インサート成形品Cを作製した。
次に、金型9を冷却後、前記金型9を開き(図8c参照)、インサートフィルムAが樹脂成形品Bに一体化されたインサート成形品Cを取り出す。
以上のようにして得られた本発明のインサート成形品Cは、高硬度なハードコート層による表面の高い耐磨耗性および耐擦傷性を有し、なおかつ美麗な外観を有する携帯電話端末の筐体パーツである。
なお前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明に係るハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法における電離放射線の照射工程を説明する図である。 本発明で用いるインサートフィルムAを説明する説明図である。 本発明で用いるインサートフィルムAを説明する説明図である。 本発明で用いるインサートフィルムAを説明する説明図である。 真空成形を説明する説明図である。 圧空成形を説明する説明図である。 プレス成形を説明する説明図である。 周知のインサート成形法のプロセスを説明する説明図である。 周知のインサート成形法により作成したインサート成形品を説明する説明図である。 従来技術の問題点を説明する説明図である。 従来技術の問題点を説明する説明図である。
符号の説明
A インサートフィルム
B 樹脂成形品
C インサート成形品
1 フィルム基材
2 ハードコート層
3 加飾層
4 接着層
5 プレフォーム型
5a エア吸引孔
5b エア排出孔
6 UVランプ
7 ヒーター
8 モノマー成分
9 金型
9a 可動型
9b 固定型
9c ランナー部
9d ゲート部
10 射出成形機
10a スクリュー
10b 射出口
11 圧空容器
11a エア注入孔
12 凹型

Claims (1)

  1. 少なくともフィルム基材の外側に未硬化または半硬化状態のハードコート層が設けられてなるインサートフィルムを、プレフォーム型で成形品表面の形状に成形しておく工程と、
    インサートフィルムの成形終了後にインサートフィルムをプレフォーム型に沿わせたままの状態で、プレフォーム型に設けられた空気吸引孔にてエア吸引をしながら電離放射線を照射してハードコート層を完全硬化する工程と、
    電離放射線の照射終了後にプレフォーム型から取り外したインサートフィルムを、射出成形機の成形用の金型である可動型と固定型の間に配置する工程と、
    型締め後、キャビティ内に成形樹脂を射出成形するのと同時に樹脂成形品の表面にインサートフィルムを一体化接着させる工程と、
    冷却固化後に型開きして、樹脂成形品の表面にインサートフィルムが一体化されたインサート成形品を型外に取り出す工程と、
    を備えたことを特徴とするハードコート層を備えたインサート成形品の製造方法。
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