以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は遊技機の一つである第2種パチンコ機に本発明を適用した例である。 まず図1には、パチンコ機10の外観を正面図で示す。図1においてパチンコ機10の遊技盤面12上には、入球したパチンコ球を検出する個々の始動口センサ44,42,30をそれぞれ有する始動口46,26,28、キャラクタ体20や作動可能な羽根24,50等を有する電動役物装置14、その他に一般の入賞口や風車,障害釘などが適宜に配置されている。パチンコ球が始動口46,26,28に入賞すると、羽根24,50がソレノイド84によって作動されて大入賞口60,76が開放及び閉止される(図2参照)。
遊技盤面12の下方には、タバコの吸い殻等を入れる灰皿38や、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿36、パチンコ球を発射させるために遊技者が操作するハンドル34、賞球の受皿である上皿32の内部に設けられて音(音声,音楽,効果音等)を出すスピーカ40などを備える。ハンドル34には、遊技者の接触状態を検出するタッチセンサ34aを備える。また上皿32の上方には、球貸を指示する球貸スイッチ54や、カード残量等の情報を表示する情報表示器56、プリペイドカードの返却を指示する返却スイッチ58等を備える。その他には、パチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置されるランプ類16(発光体)なども備える。これらの部材や装置は周知であるので、構成や動作内容等の詳細については省略する。
続いて電動役物装置14の構成や動作等について、図2,図3を参照しながら説明する。図2(A)には電動役物装置14の外観を正面図で示し、図2(B)には図2(A)におけるB−B線矢視の断面図を示す。図3には一部を破断した電動役物装置14を斜視図で示す。より詳しくは、キャラクタ体20の口部に相当する停留部72を閉じて停留不能になる非停留姿勢を図2(B)の実線と図3(A)に示し、当該停留部72を開けて停留可能になる停留姿勢を図2(B)の二点鎖線と図3(B)に示す。
図2(A)に示す電動役物装置14は「センター役物」とも呼ばれ、一般の入賞口と同様に入賞すると対応個数の賞球を払い出す天入賞口80(いわゆる天穴)や、ラウンド遊技間のインターバルの残り時間を表示可能なドットマトリクス表示器78(詳しくは後述する)、大入賞口60,76を開放及び閉止する羽根24,50、大入賞口60,76に入球したパチンコ球PBを検出すると通過信号を出力する入球センサ52,22、停留部72を作動可能に構成するとともに恐竜を模して形成したキャラクタ体20、装置内に入ったパチンコ球PBを流下(落下を含む)させてキャラクタ体20に到達させ得る棚板74、停留部72の近傍に備えられてパチンコ球PBの到達を検出すると到達信号を出力可能な到達センサ62、大当たり遊技における次回のラウンドを継続するための特別入賞口であってVセンサ48を備えたVゾーン64、Vゾーン64や入賞球排出口66,68へパチンコ球PBを流下させ得る誘導板70、停留部72から誘導板70に通ずる流下通路82等を有する。本実施の形態では、このVゾーン64へパチンコ球が入賞することにより大当たり遊技が付与されるための条件(本発明の「特定遊技条件」に対応している)が満たされるようになっている。また、大入賞口60,76へのパチンコ球PBの入球は入球センサ52,22によって検出され、この入球センサ52,22からの検出信号によって大入賞口60,76へのパチンコ球の入球数がカウントされるようになっている。 ここで、ドットマトリクス表示器78はスクロール表示が可能に構成し、ラウンド遊技のインターバルの残りの合計時間を表示する。羽根50,24は実線で示す姿勢と二点鎖線で示す姿勢との間で往復運動が可能であって、それぞれ矢印D2,D6に沿って運動する。キャラクタ体20の口部を模した停留部72は、所定個数(例えば1個または2個以上)のパチンコ球PBが停留可能に形成している。棚板74および誘導板70について少なくとも一方には、パチンコ球PBの流下方向を変化(あるいは規制)させ得る凹凸を形成したり、凹凸部材を設けてもよい。
図2(B)に示す電動役物装置14には、上記羽根50,24を往復運動させるソレノイド84、モータ91(例えばパルスモータやサーボモータ等)で発生させた回転トルクを所定方向(例えば矢印D10で示す図面上下方向)の往復運動に変換してキャラクタ体20の停留部72にトルク伝達するトルク伝達機構86、モータ91の軸92に固定した指標部90によって当該モータ91の回転(あるいは基準位置)を検出する回転センサ88、電動役物装置14の室内を照らすランプ類94、後述する妨害部材97を所定方向(例えば矢印D12に示す上下方向)に往復作動させるソレノイド96等を有する。ソレノイド96はロッド95を矢印D14に沿って伸縮させることで、妨害部材97を往復作動させる。
上記のように構成された電動役物装置14によれば、パチンコ球PBは例えば図2(A)に示すように矢印D4に沿って大入賞口76に入球する。そして、パチンコ球PBが最終的にVゾーン64に入賞するルートとしては、例えば図2(B)に示すように矢印D8に沿って棚板74,キャラクタ体20の停留部72,誘導板70を流下し、Vゾーン64に入賞するルートがある。
停留部72が非停留姿勢になると図3(A)に示すようにパチンコ球PBは経路D16に沿って流下し易くなり、入賞球排出口66(あるいはVゾーン64を挟んで反対側の入賞球排出口68)に入り易くなる。これに対して停留部72が停留姿勢になると図3(B)に示すようにパチンコ球PBが経路D18に沿って流下し易くなってVゾーン64に入賞し易くなるが、流下経路の途中に位置する妨害部材97の位置によってはVゾーン64に入賞し難くなる場合がある。
始動口46,26,28のいずれかに入賞したパチンコ球は、対応する始動口に備えた始動口センサ44,42,30によってそれぞれ検出される。始動口センサ44,42,30がパチンコ球を検出すると羽根24,50が決められた開閉回数だけ作動される。本実施の形態では、左右の始動口46,28にパチンコ球が入賞すると羽根24,50が一回だけ作動され、中央の始動口26にパチンコ球が入賞すると羽根24,50が2回だけ作動される。
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するために基板と装置等とを接続した一例について図4を参照しながら説明する。なお単に「接続する」という場合には、特に断らない限り電気的に接続することを意味する。
CPU(プロセッサ)122を中心に構成したメイン制御基板120は、遊技制御プログラム等を格納したROM124、乱数等のように一時的データを格納可能なRAM126等を備える。CPU122は、遊技制御プログラムを実行してパチンコ遊技を実現する。当該遊技制御プログラムには、後述するような始動口処理,大当り遊技処,ラウンド回数決定処理,通常ラウンド処理,最終ラウンド処理,インターバル処理等の手続きを実現するためのプログラムを含む。例えばROM124にはEPROMを用い、RAM126にはDRAMを用いるが、他種のメモリ(例えばEEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等)を任意に用いてもよい。他の構成要素については周知の構成と同様であるので、図示および説明を省略する。なおメイン制御基板120は、例えばパチンコ機10の背面側に設けられる。
メイン制御基板120には、タッチセンサ34aや払出制御基板112からの信号を受けて発射用のモータ100を駆動制御する発射制御基板110や、駆動センサ104や計数センサ106等からの信号を受けて払い出し用のモータ102を駆動制御する払出制御基板112、任意に備えるカードユニット(CRユニット)や払出制御基板112と接続してデータの送受信や情報表示器56の表示等を制御するインタフェース基板114(図4では「I/F基板」と表記する)、ドットマトリクス表示器78への表示を制御する図柄制御基板130、スピーカ40から出す音を制御する音声制御基板132、ランプ類16等の表示を制御するランプ制御基板134などを接続する。これらの各基板は、いずれもメイン制御基板120と同様にCPUを中心に構成する。駆動センサ104は、モータ102やパチンコ球を払い出す払出装置等の駆動状態を監視する。計数センサ106は、実際に払い出したパチンコ球の個数をカウントする。 なお、駆動センサ104、計数センサ106、入球センサ22,52、始動口センサ44,42,30、Vセンサ48等には、接触型センサあるいは非接触型センサ等を用いる。
またメイン制御基板120には、パチンコ機10の外部装置に信号(例えば大当たり,図柄確定等の遊技情報を含む)を伝達可能な外部端子板108や、始動口センサ44,42,30などを直接に接続する。さらにメイン制御基板120から離れた位置に備えた装置(例えばモータ91、入球センサ22,52、通過口センサ49、Vセンサ48、ソレノイド84等)は、信号中継用の中継端子板136を介して接続する。モータ91の作動を制御して、キャラクタ体20の停留部72を矢印D10に沿って運動させて停留姿勢と非停留姿勢とに切り換える。同様にしてソレノイド84の作動を制御して、羽根24,50を矢印D2,D6に沿って往復運動させて大入賞口60,76の開閉を実現する。
上記のように構成したパチンコ機10において、本発明を実現するにあたってメイン制御基板120で行う手続きについて図5〜図10を参照しながら説明する。ここで、図5には始動口46,26,28への入球に伴う処理を実現する始動口処理の手続きを、図6にはVゾーン64への入賞に伴なう処理を実現する大当り遊技処理の手続きを、図7には一回の大当り遊技中におけるラウンド遊技の最大の繰り返し回数を決定するラウンド回数決定処理の手続きを、図8には通常のラウンド遊技を実現する通常ラウンド処理の手続きを、図9には最後のラウンド遊技を実現する最終ラウンド処理の手続きを、図10には各ラウンド遊技間のインターバルにおいて実行するインターバル処理の手続きをそれぞれフローチャートで示す。これらの手続きはいずれも図4に示すメイン制御基板120のROM124に格納されている遊技制御プログラムをCPU122が適当なタイミングで実行して実現される。
以下では説明を簡単にするため、特に明示する場合を除いて次の制限を課す。始動口26,28,46はそれぞれほぼ同等に機能するので、始動口46を例に説明する。よって始動口センサ44,42,30についても、始動口46に備えた始動口センサ44を例に説明する。また電動役物装置14外であって遊技盤面12で移動するのはパチンコ球PAとし、電動役物装置14内で移動するのはパチンコ球PBとする。
図5に示す始動口処理では、まず、遊技中にパチンコ球PAが始動口46に入球したか否かを判別する〔ステップS10〕。パチンコ球PAが始動口46に入球したか否かは、メイン制御基板120が始動口センサ44からの検出信号を受信したか否かによって判別することができる。パチンコ球PAが始動口46に入球したと判別した場合には(YES)、次のステップS12に進む。パチンコ球PAが始動口46に入球していないと判別した場合には(NO)、そのまま始動口処理の手続を終了する〔リターン〕。
ステップS12の手続きに進むと、羽根24,50を開閉作動させるための処理が実行される。本実施の形態では、パチンコ球が左側の始動口46に入球しているので、羽根24,50を例えば2秒間かけて1回だけ開閉作動させる
。羽根24,50を開閉作動させる処理が実行されると、次に、ステップS14の手続きに進む。
ステップS14の手続きでは、パチンコ球PAがVゾーン64に入球したか否かを判別する処理が行なわれる。パチンコ球PAがVゾーン64に入球したか否かは、メイン制御基板120がVセンサ48からの検出信号を受信したか否かによって判別することができる。パチンコ球PAがVゾーン64に入球したと判別した場合には(YES)、次のステップS16の「大当り遊技処理」の手続きに進む。パチンコ球PAがVゾーン64に入球していないと判別した場合には(NO)、始動口処理の手続きをそのまま終了する〔リターン〕。
Vゾーン64にパチンコ球PAが入球したと判別した場合に進む「大当り遊技処理」の手続きについて、図6のフローチャートを参照しながら説明する。この「大当り遊技処理」は、大入賞口60,76を所定回数あるいは所定時間だけ開放して遊技者に多くの賞球を獲得する機会を与える「大当たり遊技」(本発明の「特典遊技」に対応する。)を実現するための処理である。 図6に示す「大当り遊技処理」では、まず、ステップS20の「ラウンド回数決定処理」を実行する。このラウンド回数決定処理は、今回の大当り遊技中におけるラウンド遊技の最大の繰り返し回数を決定するための処理である。ラウンド回数決定処理の具体的な手続きについて、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
図7のフローチャートに示す「ラウンド回数決定処理」では、まず、今回の大当り遊技中におけるラウンド遊技の最大の繰り返し回数を決定する〔ステップS40〕。具体的には、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数が、{3回,7回,16回}の3つの中から乱数抽選によって決定される。ラウンド遊技の最大の繰り返し回数が例えば3回に決定された場合には、大当り遊技中に最大でも3回までしかラウンド遊技を継続することができないので、遊技者にとって不利な状況だといえる。反対に、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数が16回に決定された場合には、最大で16回もラウンド遊技を継続することができるので、遊技者にとって有利な状況だといえる。なお、以下の説明では、ステップS40で決定したラウンド遊技の最大の繰り返し回数を、単に「最大ラウンド回数」と称する場合がある。
最大ラウンド回数を決定すると、次に、時間パラメータの総量を決定する処理が実行される〔ステップS42〕。この時間パラメータとは、ラウンド遊技のインターバルにそれぞれ割り付けられる一種の変数のことであり、RAM126に記憶されたこの時間パラメータがCPU122によって参照されることで、インターバルの待機時間が決定される(詳しくは後述する)。時間パラメータの総量とは、今回の大当り遊技が最大ラウンド回数まで継続したときの、各ラウンド遊技のインターバルにそれぞれ割り付けられる時間パラメータの総量である。ステップS42において決定された時間パラメータの総量は、RAM126に一時的に記憶される。
時間パラメータの総量を決定すると、次に、その時間パラメータの総量を、各ラウンド遊技のインターバルにそれぞれ割り付ける処理が実行される〔ステップS44〕。具体例を挙げて説明すると、ステップS40において最大ラウンド回数が7回であると決定された場合には、1回目〜6回目までの各ラウンド遊技のインターバルに対して、決定した総量値に一致するように時間パラメータをそれぞれ割り付ける処理が実行される。なお、「ラウンド遊技のインターバル」というときは、そのラウンド遊技が終了した直後のインターバルのことを指している。前述の例では、7回目のラウンド遊技が終了すると大当り遊技も終了するので、この7回目のラウンド遊技のインターバルを考慮する必要がない。時間パラメータを「割り付ける」と言っているのは、各ラウンド遊技のインターバルに対して、インデックスを用いるなどして「時間パラメータ」というデータを内部的に関連づける処理のことを指している。各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータは、RAM126に一時的に記憶される。各ラウンド遊技のインターバルに時間パラメータを割り付けつける処理が実行されると〔ステップS44〕、図7のフローチャートの「ラウンド回数決定処理」が終了する〔リターン〕。
図6のフローチャートに戻ると、ステップS20の「ラウンド回数決定処理」が終了し、次のステップS22に進む。 ステップS22では、ラウンド遊技を開始するに先立ってラウンド回数を初期化するべく1を設定する。そしてラウンド遊技を行うため、大入賞口60,76を開閉可能にするべく大入賞口開閉処理用の実行フラグをオンにする〔ステップS24〕。 もし、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであれば(ステップS26のYES)、最終ラウンドの遊技を実現するべく最終ラウンド処理を実行する〔ステップS36〕。今回のラウンドが最終ラウンド以外のラウンドである場合には(ステップS26のNO)、通常のラウンド遊技を実現するべく通常ラウンド処理を実行する〔ステップS28〕。今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かは、今回のラウンド回数が最大ラウンド回数に一致しているか否かによって判別することができる。
ステップS28で実行する通常ラウンド処理の具体的な手続きについて、図8を参照しながら説明する。 図8に示す通常ラウンド処理では、パチンコ球PBを停留可能にするべく停留部72を停留姿勢に作動した後〔ステップS50〕、大入賞口60,76にパチンコ球PBが所定数(例えば10個)入賞するまでの間(ステップS52のNO)、もしくは、大入賞口60,76が所定回数(上限値;例えば18回)開閉するまでの間は待機する(ステップS54のNO)。この待機期間中は、前述の大入賞口開閉処理用の実行フラグがオンになっているので羽根24,50の開閉動作が継続する。 そして大入賞口60,76にパチンコ球PBが所定数入賞するか(ステップS52のYES)、あるいは羽根24,50の開閉動作が18回に到達すると(ステップS54のYES)、停留されたパチンコ球PBを放出するべく停留部72を非停留姿勢に作動するとともに〔ステップS56〕、羽根24,50の開閉動作を停止するべく大入賞口開閉処理用の実行フラグをオフにする〔ステップS58〕。 もしパチンコ球PBが停留部72に停留されていたときは、図2(B)に示す流下経路(矢印D8)に沿ってキャラクタ体20の中を通り、棚板74に落下する。すなわち、パチンコ球PBはVゾーン64に入賞し易くなる。そしてVセンサ48がパチンコ球PBを検出したときは(ステップS60のYES)、次回のラウンドに移行可能に設定する処理が行なわれ〔ステップS62〕、通常ラウンド処理を終了する〔リターン〕。反対に、パチンコ球PBがVゾーン64に入賞しなかったときは(ステップS60のNO)、次回のラウンドに移行することなく大当たり遊技(大当り遊技処理)を終了する(図6のステップS30でNO)。
ステップS28の通常ラウンド処理を終了すると図6のフローチャートに戻り、今回のラウンド中にパチンコ球PBがVゾーン64に入賞して次回のラウンド遊技に移行するときは(ステップS30のYES)、今回のラウンド遊技の終了時と次回のラウンド遊技の開始時との間の期間であるインターバルにおいて「インターバル処理」を実行する〔ステップS32〕。このインターバル処理の具体的な手続きについて図10を参照しながら説明する。
図10に示すインターバル処理では、まず、今回のラウンド遊技のインターバルに対応した時間パラメータがRAM126から読み出しされる〔ステップS80〕。具体的には、例えば今回のラウンド遊技の回数が1回目である場合(最初のラウンド遊技である場合)には、この1回目のラウンド遊技と2回目のラウンド遊技との間のインターバルに対して割り付けられた時間パラメータがRAM126から読み出しされる。 時間パラメータの読み出しがされると、次に、ステップS42において決定した「時間パラメータの総量」から、ステップS80において読み出した時間パラメータを減算する処理が実行される〔ステップS82〕。つまり、「時間パラメータの総量」は、ステップS42において初期値が決定された後、このステップS82において、以降のラウンド遊技が1回終了する毎に逐次減算されていく。
「時間パラメータの総量」から時間パラメータを減算した後、次に、「現時点における時間パラメータの総量」をドットマトリクス表示器78に表示する〔ステップS84〕。具体的には、時間パラメータの総量を表示するための指示コマンドが、メイン制御基板120から図柄制御基板130に送信される。
時間パラメータの総量をドットマトリクス表示器78に表示するための処理が実行された後、次に、「インターバル待機処理」が実行される〔ステップS86〕。このインターバル待機処理では、ステップS80において読み出した時間パラメータに基づいて決定される待機時間の分だけ、次回のラウンド遊技を開始せずに待機する。例えば、ステップS80において読み出した時間パラメータが「15」という値である場合には、羽根24,50を作動させずに15秒間だけ待機する処理が実行される。 ステップS86の「インターバル待機処理」が終了すると、図10のフローチャートの「インターバル処理」が終了する〔リターン〕。
図6のフローチャートに戻ると、ステップS32の「インターバル処理」が終了し、次のステップS34の手続きに進む。ステップS34では、ラウンド回数を1増やす処理が実行される。例えば、今回のラウンド遊技が1回目であった場合には、ラウンド回数が1増えて2回目になる。ステップS34の手続きが終了すると、次回のラウンド遊技を実現するべくステップS24に戻って上述した処理を繰り返す。その一方、今回のラウンド中にVゾーン64に入賞しなかったときは、次回のラウンドに移行できず(ステップS30のNO)、大当り遊技処理を終了して大当たり遊技を終える〔リターン〕。
次に、ステップS26において最終ラウンドであると判別されたときに進む「最終ラウンド処理」の具体的な手続きについて、図9を参照しながら説明する。最終ラウンド処理では、まずパチンコ球PBを停留不能にするべく停留部72を非停留姿勢にした後は〔ステップS70〕、大入賞口60,76にパチンコ球PBが所定数(例えば10個)入賞するまでの間(ステップS72のNO)、もしくは、大入賞口60,76が所定回数(例えば18回)開閉するまでの間待機する(ステップS74のNO)。この待機期間中は、大入賞口開閉処理用の実行フラグがオンになっているので羽根24,50の開閉動作が継続している。 そして大入賞口60,76にパチンコ球PBが所定数入賞するか(ステップS72のYES)、あるいは大入賞口60,76が所定回数開閉し終えると(ステップS74のYES)、羽根24,50の開閉動作を停止するべく大入賞口開閉処理用の実行フラグをオフにし〔ステップS76〕、最終ラウンド処理を終了する〔リターン〕。最終ラウンド処理が終了すると、大当たり遊技処理が終了する(図6の〔リターン〕)。
次に、上記に説明したパチンコ機10による実際の「大当り遊技」の流れを具体例に沿って説明する。 今、パチンコ球PBがVゾーン64に入球し、ステップS14においてYESと判別されてステップS16の「大当り遊技処理」が開始された場合を仮定する。「大当り遊技処理」が開始されると、まず、ステップS20の「ラウンド回数決定処理」の手続きに進むので、図7のフローチャートにおける「ラウンド回数決定処理」が開始される。
「ラウンド回数決定処理」では、ステップS40〜ステップS44の手続きが次々と実行されて、今回の大当り遊技を特徴づける3種類の要素、すなわち、(1)最大ラウンド回
数(=N)、(2)時間パラメータの総量(=Ptotal)、(3)各ラウンド遊技のインターバルにそれぞれ割り付けられる時間パラメータの値(P1〜PN−1)、が決定される。本実施の形態では、N及びPtotalの値が、(1)最大ラウンド回数;N=7回(2)時間パラメータの総量;Ptotal=150と決定され、かつ、(3)各ラウンド遊技のインターバルにそれぞれ割り付けられる時間パラメータの値(P1〜P6)が、以下の[表1]に示すように決定される。
上記[表1]において、例えばP1とあるのは、1回目のラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータのことを指している。つまり、上記[表1]によれば、1回目のラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータの値は15である。
ステップS20のラウンド回数決定処理が終了すると、羽根24,50が18回開閉作動するか、あるいは、大入賞口60,76にパチンコ球PBが10個入球するまで継続するラウンド遊技がVゾーン64への入賞を条件として最大で7回まで繰り返される(ステップS22〜ステップS36)。
図11は、今回の大当り遊技中におけるラウンド遊技及びインターバルのタイムチャートである。ラウンド遊技は最大の7回まで継続した場合を仮定している。図11に示すように、ドットマトリクス表示器78には、時間パラメータの総量(Ptotal)が表示されている。パチンコ球PBがVゾーン64に入賞した後、実際の大当り遊技が開始する前のタイミングでは、ドットマトリクス表示器78に時間パラメータ総量Ptotalの初期値である「150」が表示されている。1回目のラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータP1=15なので([表1]参照)、図11に示すように、1回目のラウンド遊技のインターバルは15秒間となっている。すなわち、1回目のラウンド遊技の終了時から2回目のラウンド遊技が開始されるまでの時間は15秒間に設定され、この時間は羽根24,50の開閉作動が行われない(図10のステップS86参照)。 また、図11に示すように、P1〜P6の値は不均一となるように割り付けられているので([表1]参照)、1回目から6回目のラウンド遊技のインターバルは不均一となっている。また、P1〜P6の総量値Ptotal=150なので、1回目から6回目のラウンド遊技のインターバルの総量も150秒間になっている。
また、このPtotalからは、各ラウンド遊技のインターバル毎に、そのインターバルに割り付けられた時間パラメータ(P1〜P6)の値が逐次減算されていく(図10のステップS82参照)。減算した結果はドットマトリクス表示器78にリアルタイムで表示される。したがって、1回目のラウンド遊技のインターバルでは、 Ptotal − P1 = 135 という減算結果がドットマトリクス表示器78に表示される。 以降、同様に、 2回目のラウンド遊技のインターバルでは、 135 − P2 = 90 3回目のラウンド遊技のインターバルでは、 90 − P3 = 80 4回目のラウンド遊技のインターバルでは、 80 − P4 = 50 5回目のラウンド遊技のインターバルでは、 50 − P5 = 10 6回目のラウンド遊技のインターバルでは、 10 − P6 = 0という減算結果がそれぞれドットマトリクス表示器78に表示される。 7回目のラウンド遊技は最終ラウンドなので、図9のフローチャートに示す最終ラウンド処理が実行されて、今回の大当り遊技が終了する。
本実施の形態におけるパチンコ機10によれば、以下の(1)〜(4)説明する効果を達成することができる。
(1)ラウンド遊技の最大の繰り返し回数(最大ラウンド回数)を直接的に(例えば7回などと)表示するのではなく、インターバルの残りの時間として間接的に表示することができる。 すなわち、大当り遊技が開始されると、ラウンド遊技中もしくは各ラウンド遊技のインターバル中には、現時点での時間パラメータの総量がドットマトリクス表示器78に表示される。このパラメータの総量からは、大当り遊技が進行するのに伴って、各ラウンド遊技に対応した時間パラメータ(P1〜P6)の分だけ逐次減算されていく。ラウンド遊技が繰り返されると、時間パラメータの総量は徐々に減っていくので、これを見た遊技者は、時間パラメータの総量の残量によって、1回の大当り遊技中におけるラウンド遊技の残りの回数を大まかに推測することができるのである。(2)また、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数があまり大きくない数(例えば3回)に決定された場合でも、遊技者の抱く落胆の度合いを小さくできるという効果がある。なぜならば、最初のラウンド遊技で表示された時間パラメータの総量が小さい場合であっても、各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられる時間パラメータが小さい数であれば、最大ラウンド回数は実際には大きい数(例えば16回)になるのではないかという期待感を遊技者に対して抱かせることができるからである。逆に言えば、最初のラウンド遊技で表示された時間パラメータの総量が大きい場合であっても、各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられる時間パラメータが大きい数であれば、最大ラウンド回数が期待したよりも小さい数(例えば3回)になるおそれがあるので、遊技者に対してより緊迫感のある遊技を提供できるという効果がある。(3)また、各ラウンド遊技のインターバルは、そのインターバルに対して割り付けられた時間パラメータ(P1〜P6)に基づいてその待機時間が決定される。これにより、ラウンド遊技の残りの回数を、インターバルの残り時間として観念させることができるので、遊技者に対してより体感的な迫力ある遊技を提供できるという効果がある。(4)また、時間パラメータ(P1〜P6)は不均一となるように割り付けられるので、7回のラウンド遊技が繰り返された場合に、ドットマトリクス表示器78に表示される時間パラメータの総量が一定の割合で減算されなくなる。これにより、時間パラメータの総量がある時点では急激に減算され、ある時点ではほとんど減算されないといった状況が作り出されているので、遊技者に対してより緊迫感のある遊技を提供することができる。
〔他の実施の形態〕 上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造、形状、大きさ、材質、配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定するものでない。
上記実施の形態では、遊技機の1つである第2種パチンコ機の例を示したが、このような態様に限定するものではない。本発明は、例えば第1種パチンコ機にも適用することが可能である。 例えば、本発明を第1種パチンコ機に適用した場合には、特別図柄が「7,7,7」等のように揃って表示された後に「大当り遊技」が開始された場合に、その大当り遊技中の各ラウンド遊技のインターバルにおいて、図10のフローチャートに示す「インターバル処理」を実行することができる。この場合にも、大当り遊技中における残りのラウンド数を、遊技者に対してインターバルの残り時間を使って間接的に表示できるので、上記(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられる時間パラメータ(P1〜P6)の値が不均一である例を示したが、このような態様に限定するものではない。 時間パラメータ(P1〜P6)の値は、例えば図12のタイムチャートに示すように、それぞれ同じ値となるように均一に割り付けてもよい。ただし、この場合には、1回の大当り遊技中の時間パラメータは均一であるが、複数の大当り遊技間では、各ラウンド遊技のインターバルに対して時間パラメータを不均一に割り付けるのが好ましい。例えば、図12の例では、時間パラメータ(P1〜P6)が25ずつ割り付けられている例を示しているが、次の大当り遊技では時間パラメータが10ずつ割り付けられるようにしてもよい。これにより、ある大当り遊技では「時間パラメータの総量」が急激に減算され、別の大当り遊技では「時間パラメータの総量」がゆっくりと減算されるといった状況を作り出すことができるので、遊技者に対してより緊迫感のある遊技を提供できる。
また、上記実施の形態では、時間パラメータ(P1〜P6)に基づいてインターバルの「時間」を決定する例を示したが、このような態様に限定するものではない。つまり、時間パラメータ(P1〜P6)の大きさを「時間」として遊技者に観念させるのではなく、別の概念、例えば、別個に設置した液晶表示器に表示したゲージの長さや、光の強さ、音の強さなどによって遊技者に観念させることもできる。 例えば、時間パラメータ(P1〜P6)の総量値をゲージの長さとして表示しておき、ラウンド遊技が繰り返される毎に、そのゲージの長さを徐々に短くすることで、各ラウンド遊技のインターバル毎の減算結果を遊技者に対して表示することもできる。
また、上記実施の形態では、パラメータ総量の「変化」の例として、時間パラメータの総量(Ptotal)から各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータ(P1〜P6)を逐次減算する例を示したが、このような態様に限定するものではない。 例えば、図13のタイムチャートに示すように、時間パラメータの総量の「変化」として、各ラウンド遊技のインターバルに割り付けられた時間パラメータ(P1〜P6)を逐次加算することで時間パラメータ総量(Ptotal)を変化させるようにしてもよい。 この場合、図13に示すように、パチンコ球PBがVゾーン64に入賞してから大当り遊技が開始される前のタイミングでは、ドットマトリクス表示器78に時間パラメータ総量Ptotalの最大値である「150」が一瞬だけ表示される。1回目のラウンド遊技のインターバルは15秒間なので、時間パラメータ総量Ptotalが15加算されてドットマトリクス表示器78には「15」が表示される。以後、同様に、各ラウンド遊技のインターバル毎に時間パラメータ(P2〜P6)が逐次加算されて、ドットマトリクス表示器78にはその加算された結果が表示される。そして、加算された結果が「150」に到達すると、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数に到達したということであり、その後のラウンド遊技で大当り遊技が終了する。
また、上記実施の形態では、電動役物装置14内に設置されたドットマトリクス表示器78に「時間パラメータの総量」を表示する例を示したが、電動役物装置14とは別に設置した他の表示器(液晶表示器等)に表示することもできる。
また、上記実施の形態では、各ラウンド遊技のインターバル毎の減算結果をドットマトリクス表示器78に表示する例を示したが、このインターバル毎の減算結果を例えばカウントダウン式に表示することもできる。インターバル毎の減算結果をカウントダウン式に表示する場合には、例えば図11を例にして説明すると、1回目のラウンド遊技の終了後にまず初期値である「150」を表示し、その後のインターバルで1秒間経過する毎に、この150から1ずつ減算した結果をドットマトリクス表示器78にリアルタイムで表示することができる。1回目のインターバルの時間は15秒間なので、インターバルの終了時にはドットマトリクス表示器78に「135」が表示されることになる。 同様に、各ラウ
ンド遊技のインターバル毎に時間パラメータ(P1〜P6)を逐次加算することで時間パラメータ総量(Ptotal)を変化させる場合であっても、この加算した結果を1秒間毎のカウントアップ方式でドットマトリクス表示器78にリアルタイムで表示することができる。
また、上記実施の形態では、ステップS44において、各ラウンド遊技のインターバルに時間パラメータ(P1〜P6)をまとめて割り付ける例を示したが、このような態様に限るものではない。例えば、各ラウンド遊技が到来する毎に、そのラウンド遊技のインターバルに対応する時間パラメータをその都度割り付けるようにしてもよい。この場合、時間パラメータ総量の最大値を予め決めておけば、時間パラメータの総量がその最大値に到達した時点で大当り遊技が終了する。
また、上記実施の形態では、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数が{3回,7回,16回}の3つの中から乱数抽選によって決定される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、ラウンド遊技の最大の繰り返し回数が、1回〜16回の中から乱数抽選によって決定されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、ステップSS40において最大ラウンド回数(N)を決定してから、ステップS42において時間パラメータの総量(Ptotal)を決定する例を示したが、これらの処理の順番は逆でもよい。
また、上記実施の形態における図5〜図10に示すフローチャートは、本発明を実施するための処理手順の一例を示したものである。したがって、その他の異なるアルゴリズム等を用いて同様の機能を実現することにより、本発明を実施し得ることは勿論である。