JP4844859B2 - 安全スレッドおよびその真偽判別装置並びにその真偽判別方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は印刷物の真偽判別のために印刷物に付す細長い条片(これを本明細書では「安全スレッド」と呼ぶ)と、安全スレッドを付した印刷物の真偽判別装置と、その真偽判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物の真偽判別のために、印刷物の一部に安全スレッドを挿入し、あるいは貼着することが行われている。安全スレッドは、ポリエステルや塩化ビニール等の基材の上に金属被膜等の導電層あるいは磁性体を含む磁性層をコーティングし、導電層を部分的に除去し、あるいは磁性層に磁気データを記録させたりしたものである。この安全スレッドの存在により、目視、あるいは、静電容量検出器、マイクロ波検出器、渦電流検出器、X線検出器等の機械処理によってそれを挿入した印刷物の真偽判別をすることができる。
【0003】
特許第2906352号には、安全スレッドの基材に真空蒸着、化学的エッチング、レーザーエッチング等の方法によって金属被膜を施し、その金属被膜を繰り返しのパターンで部分的に除去し、その安全スレッドを付した紙をマイクロ波検出器等に通した時に、安全スレッドの繰り返しパターンを機械によって同定し、繰り返しパターンの反射マイクロ波の変化パターンを真正印刷物のパターンと比較して真偽判定をする技術が記載されている。この技術は、それ以前の安全スレッドが単にスレッドが存在するか否か、あるいは安全スレッド上に文字が存在するか否か、すなわち部分的に除去されているか否かを検出するものであるのに対し、一歩進んで繰り返しパターンで部分的に金属被膜を除去した安全スレッドが一定のマイクロ波検出電圧の波形パターンを生じることに着目し、そのマイクロ波検出電圧の波形パターンを真正印刷物のそれと比較して真偽判別するものである。
【0004】
この技術によれば、部分的に金属被膜を除去した安全スレッドによって、真正印刷物と偽造印刷物とを判別することができるようになる。
一方、特開平第10−269556号には、基材にMnBiを主体とする磁性粉末と、酸化物磁性粉末、金属磁性粉末、合金磁性粉末、化合物磁性粉末の中の少なくとも一種の磁性材料からなる磁性層を付し、再生可能な磁気データを記録し、一度書き込むとその後の書き換えが困難な磁気記録媒体が記載されている。
この技術は、安全スレッドに関するものではないが、それ以前の技術では磁性層に記録された磁気データが偶発的な消磁あるいは意図的な改竄によって変化することを防止するために考案されたものである。この技術を安全スレッドに適用することにより、それ以前問題であった磁気データの改竄による偽造印刷物の検出漏れを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼しかし、上記従来の技術は、安全スレッドを印刷物に付す製造時に、安全スレッドと印刷物に相対的なずれが生じ、このために安全スレッドに担持されている信号の読み取りに問題が生じることがあった。このことを以下に説明する。
【0006】
安全スレッドを印刷物の用紙に付す製造工程では、安全スレッドに真偽判別用のデータを予め付与してリールに巻き、連続して送られる用紙にリールの安全スレッドを同期させて解き、用紙に安全スレッドを貼着あるいは埋設してゆく。しかし、用紙の流れと安全スレッドの流れは厳密に一致することが難しく、両者に相対的なずれが生じ、このようにして印刷された結果、印刷画像に対して安全スレッド中のデータ位置が印刷物ごとに位相が相違することが生じる。この場合、図13に示すように、安全スレッドの裁断位置によって磁気データ等の読み取り結果が異なることになり、機械処理時の真偽判別が困難になる。
【0007】
上記磁気データの読み取り錯誤の対策として、特許第2906352号のように安全スレッド上のデータを繰り返しパターンとし、繰り返しパターンを同定することによりデータを特定する方法があるが、この方法では一定長さ中に同定するのに十分な繰り返しパターンを入れる必要があるため、記録することができるデータの量(データの内容)が限られてしまう。また、読み取り錯誤を防止するために、安全スレッド上のデータに見出しデータを付加する方法も考えられる。しかし、見出しデータを付加するとデータ長が長くなり、結局記録できるデータ量が少なくなることと、機械による読み取り時には測定した見出しデータの認識や照合のための処理部が必要になり判別装置の負担が大きくなること等の問題がある。
【0008】
▲2▼細長い線状の安全スレッド上にデータを担持させた場合、これを機械処理で読み取ると一列のデータのみが読み取れることになる。従って、印刷物たとえば紙幣に一つの安全スレッドのみを付し、ATMや自動販売機などで自動機械判別しようとする場合、紙幣を挿入する方向は表裏と正逆、あわせて4方向の可能性がある。この場合、機械の読み取り方向が逆になると、安全スレッドに書き込んだデータのビットの順番が逆になり、たとえば「100」というデータは「001」と読み取られ、書き込み時とは異なるデータとして認識されてしまう。
【0009】
▲3▼金属被膜を部分的に除去して形成した文字やパターンを機械によって読み取るには静電容量検出器によって検出する方法と、マイクロ波検出器によって検出する方法とがある。
静電容量検出器によって導電体の静電容量を検出するには比較的広い面積が必要になり、安全スレッド上の文字やパターンに対しては分解能が低くなる。つまり、静電容量検出器による静電容量の検出では、文字やパターンが存在するか否かをおおよその検知レベルとして検知できるが、安全スレッド上の文字やパターンをデータ値やID情報として読み取ることは困難である。
【0010】
一方、マイクロ波検出器による金属被膜上の文字やパターンを検出するには、文字あるいはパターンを形成した金属被膜層に向けてマイクロ波等の電磁波を放射し、その反射、透過、あるいは僅かな吸収をもとに文字やパターンの種類に応じた電磁波レベルの相違を検知するが、マイクロ波検出器から空間に送信および受信する電磁波の広がりが大きいため、測定精度が低く、静電容量検出器の場合と同様に安全スレッド上に文字やパターンが存在するか否かをおおよその検知レベルとして検知できる程度である。
【0011】
つまり、安全スレッド上の文字やパターンをマイクロ波検出器で読み取ろうとすると、上記特許第2906352号に記載されているような連続的に変化する検知波形を検出できるだけであり、特定の情報を伝達できる信号、たとえば0,1の配列信号を検出することはできない。
【0012】
さらに、静電容量やマイクロ波検知電圧の上述したような連続的に変化する検知波形は、偽造者がカラーコピー等の一般的な紙の表面に何らかの導電材料を適量塗布したり、金属箔を張り付けたりすることにより、偽造印刷物を検出することが困難になる。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、以上の従来技術の課題を解決し、安全スレッドと印刷物用紙の位相ずれに関わらず機械による読み取り錯誤を防止し、磁性層はむろん導電層にも情報伝達可能なデータを担持させられ、正逆方向の読み取り錯誤を防止できる安全スレッド、その真偽判別装置およびその真偽判別方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係る安全スレッドは、
基材上に磁性層と導電層とを有する安全スレッドであって、導電層に相対的にマイクロ波検知電圧が強い導電部を設け、前記相対的にマイクロ波検知電圧が強い導電部の位置と磁性層に記録した磁気データの位置とを一定の位置関係に配置している。
【0015】
本発明によれば、導電部は相対的に大きいマイクロ波検知電圧を生じ、この電圧検知時点を基準として磁気データを読み取る。なお、「基準」とは、マイクロ波電圧の検知時点と磁気データの検知時点がずれていても、予め定めた時間的・距離的なずれを補正して磁気データの先頭ビットを確定することを表す意である。
【0016】
「導電部」とは、導電部分の意であり、「相対的にマイクロ波検知電圧が強い導電部」は、形状に関係なく、金属被膜を一定パターンで部分的に除去したもの、本発明の実施形態のように所定の長さを有する導電帯など、種々の変形例を取り得る。
【0017】
本願請求項2に係る安全スレッドは、
前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に検知用マイクロ波の波長のほぼ整数分の一の長さを有する導電帯からなるものである。
【0018】
本発明によれば、マイクロ波は電磁波であるので、波長の整数分の一の長さの導電帯は共振して強い電波を反射する。ただし、実際には種々の要因が加わって正確には波長の整数分の一のようにならないので、ここでは「検知用マイクロ波の波長のほぼ整数分の一の長さ」としている。
【0019】
本願請求項3に係る安全スレッドは、請求項1または2の安全スレッドにおいて、
前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に所定の長さを有する第1の導電帯と第2の導電帯とからなり、前記第1の導電帯は磁気データの開始位置と、前記第2の導電帯は磁気データの各ビット位置とそれぞれ一定の位置関係に配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明では、第1と第2の導電帯が少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を生じさせるので、これらの電圧を使い分けることができる。本発明では、一種類の長さの導電帯をスタートタイミングとして使用し、他の導電帯をデータタイミングとして使用する。
【0021】
本願請求項4に係る安全スレッドは、請求項3の安全スレッドにおいて、
前記導電帯は、マイクロ波検知器の走査方向の正方向および逆方向に対応して磁気データの各ビットが記録されている位置に対して走査方向の前方または後方にずれているものである。
【0022】
本発明では、導電帯が磁気データの各ビットに対して前方または後方にずれていることにより、スタートタイミングと磁気データの先頭ビットの先後によって走査方向を検出することができ、適宜正逆の位相補正を行うことができる。
【0023】
本願請求項5に係る安全スレッドは、請求項1の安全スレッドにおいて、
前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に所定の長さを有する第1の導電帯と、安全スレッドの長さ方向に少なくとも2種類の長さを有する第2の導電帯とからなり、前記第1の導電帯は磁気データの開始位置と、前記第2の導電帯は磁気データの各ビット位置とそれぞれ一定の位置関係に配置され、前記第2の導電帯は磁気データと照合するための照合データを担持していることを特徴とするものである。
【0024】
本発明では、導電部が第1の導電帯と第2の導電帯とからなり、第2の導電帯はさらに安全スレッドの長さ方向に少なくとも2種類の長さを有している。これにより、少なくとも2種類の電圧を検知させ、これらの検知電圧はデジタル化でき、スタートタイミングとデータタイミングとして使用できる他、デジタルデータとして任意の情報を表現することができる。本発明は、導電帯によるマイクロ波検知電圧を電磁データとの照合用データとして用いるものである。
【0025】
本願請求項6に係る安全スレッドは、請求項5の安全スレッドにおいて、
前記導電帯は、マイクロ波検知器の走査方向の正方向および逆方向に対応して磁気データの各ビットが記録されている位置に対して前方または後方にずれているものである。
【0026】
本発明では、導電帯がマイクロ波検知器の走査方向の正方向および逆方向に対応して磁気データの記録位置に対して予め定めた前方または後方にずれていることにより、マイクロ波検知電圧と電磁データの検知の先後によって検知器の走査方向を検出する。
【0027】
本願請求項7に係る安全スレッドは、
基材上に導電層を有する安全スレッドであって、前記導電層に安全スレッドの長さ方向に少なくとも2種類の長さを有する導電帯を形成し、前記導電帯を認識用データを担持するように配列したものである。
【0028】
本発明では、安全スレッドの長さ方向に少なくとも2種類の長さを有する導電帯は少なくともに2種類のマイクロ波電圧を検知させる。これらの電圧はデジタル化することができ、これによって導電層単体で安全スレッドの認識用のデータを担持させることができる。
【0029】
本願請求項8に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とするものである。
【0030】
本発明では、マイクロ波検知器が導電部のマイクロ波電圧を検知し、磁気検知器が磁性層に記録された磁気データを検知する。タイミング照合手段は、マイクロ波電圧の検知時点をデータ読み取りタイミングとして磁気データを読み取る。これにより、磁気データの区切りが明確になり、データとして有意に読み取ることができる。
【0031】
本願請求項9に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有しているものである。
【0032】
本発明では、マイクロ波検知器は導電部のマイクロ波電圧を検知し、磁気検知器は磁性層に記録された磁気データを検知する。タイミング照合手段は、マイクロ波電圧の検知時点をスタートタイミングとして磁気データを読み取る。
【0033】
本願請求項10に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とするものである。
【0034】
本発明では、マイクロ波検知器は導電部のマイクロ波電圧を検知し、磁気検知器は磁性層に記録された磁気データを検知し、タイミング照合手段は、マイクロ波電圧の検知時点を基準として磁気データの読み取りを開始するとともに、磁気データの各ビットを読み取る。
【0035】
本願請求項11に係る安全スレッドの真偽判別装置は、請求項8〜10の安全スレッドの真偽判別装置において、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検出したタイミングと前記磁気検知器が磁気波形を検出したタイミングの先後によって、磁気検知器が読み取った磁気データを正逆位相補正する位相補正手段を有しているものである。
本発明では、位相補正手段は、マイクロ波検知電圧の検出タイミングと磁気波形の検出タイミングの先後によって検知器の走査方向を検出し、読み取った磁気データの位相補正を行う。
【0036】
本願請求項12に係る安全スレッドの真偽判別装置は、請求項8〜11のいずれかの装置において、
真正印刷物の識別データを記憶した記憶手段と、
前記磁気データを真正印刷物の識別データと比較して真偽判定する真偽判定手段と、を有しているものである。
本発明では、真偽判定手段は、読み取った磁気データを記憶手段に記憶された識別データと照合し、これにより印刷物の真偽判定を行う。
【0037】
本願請求項13に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が検知した段階的強弱を有するマイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換する導電性データ化手段と、
前記マイクロ波検知器がマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とするものである。
【0038】
本発明では、導電性データ化手段により、マイクロ波検知器が検知した段階的強弱を有するマイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換する。これにより、タイミング照合手段が、所定の導電性データを読み取ったタイミングを、磁気データの各ビットを読み取るデータタイミングとして使用する。
【0039】
本願請求項14に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が検知した段階的強弱を有するマイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換する導電性データ化手段と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とするものである。
【0040】
本発明では、タイミング照合手段が、所定の導電性データを読み取ったタイミングを磁気データ読み取り開始のスタートタイミングとし、他の種類の導電性データを読み取ったタイミングを、磁気データ各ビットを読み取るデータタイミングとして使用する。
【0041】
本願請求項15に係る安全スレッドの真偽判別装置は、請求項13または14の装置において、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検出したタイミングと前記磁気検知器が磁気波形を検出したタイミングの先後によって、磁気検知器が読み取った磁気データを正逆位相補正する位相補正手段を有しているものである。
本発明では、マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検出したタイミングと磁気検知器が磁気波形を検出したタイミングの先後により、先後位相補正手段が磁気データの正逆位相補正を行う。
【0042】
本願請求項16に係る安全スレッドの真偽判別装置は、請求項13〜15のいずれかの装置において、
前記導電性データと前記磁気データの内容を照合するデータ照合手段を有しているものである。
本発明では、真正印刷物の認識データを保持することなく、データ照合手段により導電性データと磁気データを照合して印刷物の真偽判定を行う。
【0043】
本願請求項17に係る安全スレッドの真偽判別装置は、
マイクロ波検知器と磁気検知器とを印刷物の安全スレッドを設けた部分あるいはその搬送路の両側に対向して配置し、印刷物と磁気検知器の間にマイクロ波反射板を設けたものである。
本発明では、反射板がマイクロ波検知器からのマイクロ波を反射し、外部からのノイズをカットする一方、磁気検知器の検知には影響を及ぼすことがない。
【0044】
本願請求項18に係る安全スレッドの真偽判別方法は、
所定のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準として磁気データを読み取るステップとを有しているものである。
本発明では、マイクロ波による電圧を検知し、この検知時点を基準として磁気データの読み取りを開始する。これにより、磁気データの先頭ビットが明らかになる。
【0045】
本願請求項19に係る安全スレッドの真偽判別方法は、
所定のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップとを有していることを特徴とするものである。
本発明では、マイクロ波による電圧を検知し、この検知時点を基準として磁気データの各ビットを読み取る。これにより、磁気データの各ビットの内容が確定される。
【0046】
本願請求項20に係る安全スレッドの真偽判別方法は、
2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
1種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップとを有しているものである。
本発明では、2種類のマイクロ波検知電圧を検知し、1種類のマイクロ波電圧の検知時点をスタートタイミングとし、他の種類のマイクロ波電圧の検知時点をデータタイミングとして使用する。
【0047】
本願請求項21に係る安全スレッドの真偽判別方法は、請求項18〜20のいずれかの方法において、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと前記磁気データを検知したタイミングの先後によって磁気データを正逆位相補正するステップを有するものである。
本発明では、マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと磁気データを検知したタイミングの先後により磁気データの正逆位相補正を行う。
【0048】
本願請求項22に係る安全スレッドの真偽判別方法は、
少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換するステップと、
マイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップと、
前記導電性データと前記磁気データとを照合して真偽を判別するステップと、を有するものである。
本発明によれば、所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを基準に磁気データの各ビット内容を読み取り、且つ、導電性データと前記磁気データの内容を照合して真偽判定をすることができる。
【0049】
本願請求項23に係る安全スレッドの真偽判別方法は、
少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換するステップと、
1種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップと、
前記導電性データと前記磁気データとを照合して真偽を判別するステップと、を有していることを特徴とするものである。
【0050】
本発明によれば、少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を検知し、マイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換し、所定の導電性データをデータ読み取り開始タイミング、他の導電性データを磁気データの各ビットを読み取るタイミングとして磁気データを読み取り、且つ、導電性データと磁気データとを照合して印刷物の真偽判定を行う。
【0051】
本願請求項24に係る安全スレッドの真偽判別方法は、請求項22または23の方法において、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと前記磁気データを検知したタイミングの先後によって磁気データを正逆位相補正するステップを有するものである。
本発明では、マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと前記磁気データを検知したタイミングの先後によって磁気データを正逆位相補正する。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を用いて以下に説明する。
図1に本発明の一実施形態による安全スレッドを示す。図1(a)に示すように、本実施形態の安全スレッド1は細長い条片に形成され、印刷物2の一辺に平行にその表面または内部に接着または埋設されている。
【0053】
図1(b)は図1(a)において矢印A−A方向に見た安全スレッド1の側断面である。図1(b)に示すように、本実施形態の安全スレッド1は、主に基材3と磁性層4と導電層5とからなり、必要に応じて保護層7と接着層6とを設けている。
【0054】
基材3は非導電性の材料、たとえばポリエステル、再生セルロース、塩化ビニールその他のプラスティックをフィルム状に成形したものを使用する。基材3の厚さの設計は、材質によるがPETフィルムでは強度的には厚さ4μm以上必要であり、また、製造ラインでのテンションによる導電層5の破断を考慮すると厚さ10μmが好ましい。
【0055】
磁性層4は基材3上磁性体を塗布することにより形成することができる。磁性体はバリウム−フェライトを代表とする一般的な磁性体でも良いが、偽造防止・改竄防止を目的として、特開平10−269556号(MnBiを主体とする磁性粉末と、酸性磁性粉末、金属磁性粉末、合金磁性粉末および化合物磁性粉末のうちのすくなくとも1種類の磁性材料からなる磁気記録媒体に関する特許)が教示する保持力の高い磁性材料を使用するのが好ましい。
【0056】
導電層5は真空蒸着、スパッタリング、メッキ等の方法、装置等を用いて基材3上にアルミニウムやクロムなどの導電薄膜を形成し、その後に当該導電薄膜を部分的に除去する。なお、導電薄膜を部分的に除去するには、以下の▲1▼〜▲5▼の方法がある。
【0057】
▲1▼真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等により一様に金属薄膜を形成した後にレーザ照射により金属薄膜を部分的に消却する、
▲2▼真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等により一様に金属薄膜を形成した後にフォトエッチングにより金属薄膜を任意の形状に部分的に除去する。
▲3▼金属薄膜を除去したい部分に水溶性樹脂を転写しておき、金属薄膜を形成した後に水で水溶性樹脂の部分を洗い出して金属薄膜を部分除去する。
▲4▼熱や接着により金属薄膜を部分的に転写して形成する。
▲5▼スクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷等の印刷方法により導電性の材料を基材3上に印刷し、導電部分を部分形成する。
【0058】
なお、本実施形態では、導電層5と磁性層4が共存するので、磁気データの読み取りに導電層5が、逆に、導電性データ(マイクロ波検知電圧によって表されたデータ・情報)の読み取りに磁性層4がノイズとして互いに影響しないように配慮するのが好ましい。このため、磁性材料は上述したように一般的な磁性材料若しくは特開平10−269556号が教示する磁性材料を用いる一方、導電層5はアルミニウム、クロムを含む体積抵抗率が低く、かつ、透磁率が低い材料が好ましい。導電層5の膜厚は約400Å〜約2000Åであるのが好ましい。
【0059】
磁性層4や導電層5の配置は基材3に関して上下どちら側でもよく、また、基材3の片側に重層してもよい。導電層5は少なくとも一層あればよいが、基材3の上下両側にそれぞれ一層を配置する場合は内側の磁性層を不可視化できるので、偽造防止の効果をさらに向上させることができる。
【0060】
保護層7は、磁性層4や導電層5を保護することを目的として付すものである。磁性層4や導電層5が空気や水分に触れて腐食するのを防止するため、保護層7はアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系の樹脂を用いる。磁性層4と導電層5が基材3の片側に重層される場合には、磁性層4と導電層5の直接の接触を防止するために保護層7を使用することもできる。
【0061】
接着層6は、安全スレッド1を印刷物2上に接着する場合に設ける必要がある(印刷物中に挿入・埋設する場合は紙層中への定着効果が期待できる)。接着層6は、表面の平滑性の向上に効果があり、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系等の樹脂を用いる。接着層6の膜厚は導電層5等のムラや平滑性への影響を防止するため、膜厚2μm以上が好ましい。
【0062】
製造工程において安全スレッド1を印刷物2に接着あるいは埋設するには、連続して流れる印刷用紙に、予めボビンに巻かれた安全スレッド1を同期させて解いて付着させ、その後に印刷用紙を所定の寸法に裁断するようにする。
【0063】
本発明の安全スレッドは、図1の実施形態にも示すように導電層5を部分的に除去して導電部分と非導電部分とを形成している。導電部分は、図1(a)に示すように、安全スレッド1上に帯状に形成されるので、本明細書ではこの導電部分を「導電帯」という。本発明は、安全スレッド1の長さ方向に沿った導電帯の長さを調整し、複数種類の長さの導電帯の組み合わせによって任意の情報を表現することができるようにしている。以下にその導電層5に任意の情報(導電性によって表わされるデータいう意味で「導電性データ」という)を担持させる方法を説明する。
【0064】
図2は、横軸に導電帯の長さ、縦軸にマイクロ波検知電圧をとったグラフである。マイクロ波は電磁波であり、周波数(GHz)と波長(mm)は、下式に示す通りである。
波長λ=c/f (c:光速、f:周波数)
【0065】
電磁波に対するアンテナの共振波長は波長λの整数分の一である。ここで、24.125GHzのマイクロ波検知器を用いるとすると、発明者の実験によると、種々の要因が加わって図2に示すように長さ約4mmの導電帯においてもっとも大きなマイクロ波検知電圧を得ることができる。なお、上記種々の要因が加わるので本明細書では導電帯の長さを電磁波波長の「ほぼ」整数分の一の長さということにした。
【0066】
マイクロ波検知電圧の値は上述したように種々の要因の影響を受けるので、発明者は実際に種々の長さの導電帯を用いてそのマイクロ波検知電圧を計測した(図3参照)。この中から長さ4mmと2mmの導電帯を選択し、4mmと2mmの導電帯を配置することにより図4に示すような段階的な強さのマイクロ波検知電圧を計測することができた。
なお、発明者の実験によれば、一般に、検知用マイクロ波の波長のほぼ1/4の長さの導電帯で検知電圧が高く、1/2,1/8,1/16,・・・というように1/4の整数倍または整数分の一でマイクロ波検知電圧の極大値を観測することができた。
【0067】
図4は、長さ4mmの導電帯と、2mmのものを2個並べた導電帯を交互に配置した例である。長さ2mmの導電帯は、4mmの導電帯の中央部に炭酸ガスレーザを照射して切れ込みを入れたものである。なお製造可能であれば1mmの導電帯を4個配置してもよい。図4のグラフは上記導電帯に対して24.125GHzのドップラーモジュール(マイクロ波検知器)で測定した電圧波形である。長さ4mmの導電帯に電磁波の周波数が共振し、長さ2mmの導電帯は共振しないため、電圧の段階的な相違が見られた。このような段階的な電圧差により、電圧波形を数値化が可能となる。例えば、24.125GHzのマイクロ波を使用する場合、導電帯の長さの設計として高レベルのマイクロ波検知電圧を得るものを4mm、中レベルのものを2mmまたは8mm、低レベルのものを0mmとすることにより、それぞれの検知電圧のレベルに応じて3種類の信号を得られることになる。
【0068】
高レベルの検知電圧を検知したタイミングをデータが開始する基準(この基準を本明細書では「スタートタイミング」という)とすると、中レベルと低レベル検知電圧によって0と1の値による情報表現を得られる。あるいは、高レベルと中レベルの検知電圧を用いて、最初の高レベルの検知電圧の検知時点をスタートタイミングとし、以降は高レベルと中レベルの検知電圧によって0と1の情報を構成することもできる。
【0069】
また、相対的に強いマイクロ波検知電圧を示す導電部、例えば4mm等の適当な長さの導電帯を磁気データを記録した部分に対応させて設けることにより、高い電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準(この基準を本明細書では「データタイミング」という)とすることもできる。
【0070】
安全スレッド1の磁性層4に磁気データを記録する方法について説明する。
磁気データを記録するには、磁気ヘッドに図5に示すような交流電圧を印加して磁性層4に交流磁界で信号を書き込むようにする。この場合、安全スレッド1の走行速度と1データの波長の長さとの兼ね合いによって交流電圧の周波数が決定されるが、この例では2KHzの周波数を用い26本/4mmとした。図5の例では帯磁した4mm部分と帯磁していない4mm部分が形成され、それぞれ1と0の磁気データとなる。
【0071】
次に、上記導電性データと磁気データとを組み合わせた使用法について図6を用いて説明する。
図6(a)は、導電性データをスタートタイミングとしてのみ使用する例を示している。図6(a)の例では、磁性層に「101101」という磁気データが記録されており、導電性データは磁気データの開始と終了の位置と同一位置に設けられている。この例では、導電性データを検知した時点と磁気データの開始時点とが対応しており、導電性データを検知した時点で磁気データの先頭ビットが確定され、それに続くデータが磁気データとして読み取られる。つまり、導電性データが磁気データのスタートタイミングとなっている。磁気データの終了位置にもスタートタイミングが設けられているのは、逆方向から検知器が走査した場合を考慮したものである。
【0072】
なお、スタートタイミングの導電性データは、図6(a)のように磁気データの先頭ビットと同一位置に配置されているのが好ましいが、導電性データは磁気データの先頭ビットに対して既知の一定の距離、たとえば所定の距離前方または後方にずれていてもよい。このような一定の距離のずれは、マイクロ波検知器と磁気検知器の配置、あるいは位置センサによる検知、あるいはソフトウェアによる補正により、時間的にスタートタイミングと磁気データの先頭ビットの読み取りタイミングを整合させることができる。導電性データの読み取りタイミングが磁気データの読み取り開始の「基準」としているゆえんである。
【0073】
図6(b)は、導電性データをスタートタイミングとデータタイミングとして使用する例を示している。図6(b)の例では、スタートタイミングの導電性データが磁気データの先頭および末尾に対応して設けられ、データタイミングの導電性データが磁気データの先頭と末尾の間の各ビットに対応して設けられている。スタートタイミングは同図(a)で説明したように磁気データの読み取り開始時点を標示している。一方、データタイミングは磁気データの各ビットを読み取るべき時点を標示している。データタイミングが示す時点また位置で磁気を検知できない場合は「0」と認識し、磁気を検知した場合は「1」と認識するというようにして磁気データ全体を読み取ることができる。データタイミングを使用することにより、検知器の走査速度のムラや磁気データの記録位置の微妙なずれを吸収し、磁気データの読み取りミスを減らすことができるようになる。なお、この例においても同図(a)の場合と同様に、磁気データとスタートタイミングとデータタイミングが一定の位置関係、すなわち既知の距離や時間前後にずれていてもよい。
【0074】
次に、本発明による安全スレッドの真偽判別装置について図7と図8とを用いて説明する。
図7は、本発明の一実施形態による安全スレッドの真偽判別装置の物理的な構成を概略示している。この例の真偽判別装置8は、印刷物2を搬送するためのベルトコンベアを有し、印刷物2の搬送路の上下にマイクロ波検知器9と磁気検知器10とを設けている。必要に応じて真偽判別装置8に印刷物の位置を検知する位置センサー(図示せず)を設けるようにする。
【0075】
真偽判別装置8において印刷物2を図7に示す搬送方向に送ることにより、マイクロ波検知器9と磁気検知器10によってそれぞれ導電性データと磁気データとを読み取ることができる。なお、導電性データと磁気データの処理手段については別途説明する。
【0076】
図8は、マイクロ波検知器9と磁気検知器10の配置構成例を示している。図8(a)の例は、印刷物あるいは印刷物の搬送路を挟んでその両側にマイクロ波検知器9と磁気検知器10とを互いにずらして配置したものであり、マイクロ波と磁気の相互の影響を防止するするようにしたものである。同図(b)の例は、(a)の構成においてマイクロ波検知器9の対向位置に反射板11を設けたものである。反射板11はマイクロ波を反射するとともに、外来ノイズを防止し、検知電圧の調整に役立つ。なお、反射板11は、一例としてアルミニウム製とすることができる。同図(c)の例は、同様にマイクロ波検知器9の対向位置に無反射終端器12を設けたものである。同図(d)の例は、印刷物あるいは印刷物の搬送路を挟んでその両側にマイクロ波検知器9と磁気検知器10を互いに対向させて配置し、印刷物(印刷物の搬送路)と磁気検知器10の間に反射板11を設けたものである。この(d)の例によれば、マイクロ波が反射板11によって反射されて磁気検知器10の読み取りに影響を与えることがなく、かつ、マイクロ波検知器9と磁気検知器10とを対向させて配置できることにより検知器全体の小型化に寄与することができる。
【0077】
次に、本発明による安全スレッドの真偽判別の実施例について図9,10,11,12を用いて説明する。
図9は本発明の第一実施例による安全スレッドの真偽判別を示している。同図(a)は物理的な構成、(b)は真偽判別の処理手段と処理の流れ、(c)は真偽判別の方法をそれぞれ示している。
【0078】
この第一実施例はマイクロ波検知電圧をデータタイミングとして利用する例である。スレッド層の構成は以下の通りである。
▲1▼第一保護層:2μm (図示せず)
▲2▼導電層(アルミ):500Å
▲3▼基材:10μm
▲4▼磁性層:10μm
▲5▼第2保護層:5μm (図示せず)
本実施例の導電層の加工は、アルミの導電被膜(500Å)の蒸着前に基材となるPETフィルム上に水溶性樹脂を塗り、蒸着後に水で洗い出す方法により導電部と非導電部を構成したものである。
【0079】
導電帯は図9(a)に示すように長さ4mm×5個を、一つの導電パターンとして配置している。導電帯の間の距離は0.1mm以上離してある。
基材のPETフィルムの下側の面には保持力が高い磁性材料を塗布機により塗布し、書き込み信号の変調を2KHzとして26本/4mmとなるように磁気データを書き込んだ。
【0080】
安全スレッドの幅(紙面に対して垂直方向)は約1.5mmに裁断してある。マイクロ波検知器磁気検知器は互いに位置をずらして配置してある。
図9(b)は第一実施例の真偽判別装置の処理手段と処理の流れを示している。マイクロ波検知器は、図示していないが発信回路、検波回路、送信アンテナ、受信アンテナを内蔵しており、安全スレッドにマイクロ波を放射し、マイクロ波の反射、透過、吸収、共振による受信レベルを検知する。マイクロ波検知器に接続されたアンプは検知されたマイクロ波の波形を増幅し、オフセット調整、ゲイン調整を行って適切なアナログ電圧値を得る。
【0081】
磁気検知器は、磁気センサとして一般的な磁気センサ、たとえばMRヘッド、TMF薄膜磁気センサ等を用いて磁性層に書き込まれた磁気データを検出する。なお、MRヘッドは出力電圧の取り出しが容易である一方、TMF薄膜磁気センサ等は必要な駆動回路を適宜回路に組み込むようにする。磁気検知器に接続されたアンプは磁気検知器からの信号波形を増幅し、オフセット調整、ゲイン調整を行って適切なアナログ電圧値を得る。前記アンプに接続された波形処理回路は、磁気検知器で検出した信号を波形処理するものであれば任意の公知のものを利用することができる。例えばMRヘッドは1つの信号に対して上下に電圧波形が振れるので、整流回路や波形整形回路等を用いる。波形処理されたアナログ電圧をA/D変換し、閾値によりデジタル信号に変換し、磁気データとして用いる。
【0082】
タイミング照合手段は、マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを基準に磁気検知器が検知した磁気データを読み取る手段である。本実施例ではマイクロ波検知電圧はデータタイミングとして用いられ、タイミング照合手段に送られ、対応する磁気データを情報として読み取るようにしている。なお、タイミング照合手段は、マイクロ波検知電圧のタイミングと磁気データのタイミングをタイムディレー等ソフトウェア上で補正するものでもよく、位置センサ等のハードウェアによって補正するものでもよい。
【0083】
位相補正手段は、印刷物の搬送方向の正方向や逆方向を検出し、逆方向の場合には読み取られたデータビットの順番を並べ替える(この操作を「正逆位相補正」という)を行う手段である。なお、本実施例の場合は、意図的に磁気データを「11011」として正方向と逆方向のいずれでも同じ磁気データを検出できるようにしている。この場合の位相補正手段は読み取りデータの下位3桁を読み取るだけであるが、広い意味での位相補正を行っている。
【0084】
真偽判定手段は、磁気データを真正印刷物の識別データと比較照合して真偽判定する手段である。記憶手段は、上記真正印刷物の識別データを記憶する手段である。
【0085】
図9(c)は、真偽判定方法の処理の流れを示している。この実施例では、マイクロ波検知電圧はデータタイミングとして用いられ、タイミング照合手段の処理によって対応する磁気データ「11011」が読み取られる。磁気データは前述したように意図的に対称的に配置されおり、印刷物の正搬送と逆搬送のいずれの場合も磁気データ「011」が真偽判別用の磁気データとして読み取られる。
【0086】
一方、記憶手段には、真正印刷物の識別データ、すなわち券種A「001」、券種B「010」、券種C「011」が予め記憶されている。真偽判定手段は、真偽判別用の磁気データと上記真正印刷物の識別データ「011」とを比較照合し、判別対象の印刷物が真正印刷物の券種Cであると判定する。
【0087】
次に、本発明の第二実施例による安全スレッドの真偽判別について図10を用いて説明する。
図10(a)は第二実施例の物理的な構成、同図(b)は真偽判別の処理手段と処理の流れ、同図(c)は真偽判別の方法をそれぞれ示している。
第二実施例の安全スレッドの真偽判別は、マイクロ波検知電圧をスタートタイミングとデータタイミングとして利用する例である。
【0088】
図10(a)は第二実施例の物理的な構成を示している。
第二実施例のスレッド層の構成は第一実施例と同一である。本実施例の導電層の加工は第一実施例と同様に水溶性樹脂の洗い出しによる。ただし、導電帯は長さ4mmのものと、長さ2mmのものを2個並べたものとを用いてパターンとして配置している。2つの長さ2mmの導電帯は間隔0.1mm以上離して配置している。
【0089】
磁気データの付与の方法、安全スレッドの幅、マイクロ波検知器と磁気検知器の配置等は第一実施例と同様であるので説明を省略するが、本実施例ではマイクロ波検知器の下方に反射板を設けている。
【0090】
第二実施例の真偽判別装置の処理手段や処理の流れは図10(b)に示す通りであって、第一実施例のそれとほぼ同じであるが、マイクロ波検知電圧は導電帯が4mmと2mmの2種類があるので高低2種類の電圧を検知し、タイミング照合手段において高い電圧の検知電圧をスタートタイミングとし、低い電圧の検知電圧をデータタイミングとして処理を行っている。
【0091】
図10(c)は第二実施例の真偽判定方法の処理の流れを示している。第二実施例では、マイクロ波検知電圧が高い検知電圧はスタートタイミングとして磁気データの読み取りが開始され、それに続く低い電圧のデータタイミングに対応して磁気データの各ビット内容が読み取られる。本実施例によれば磁気データ「10101」が読み取られ、下位3桁「101」が真偽判別用の磁気データとして読み取られる。なお、本実施例でも印刷物の正搬送と逆搬送のいずれの場合にも同じ「101」が読み取られるように磁気データの各ビット内容が意図的に対称的に配置されている。
【0092】
第二実施例の記憶手段には、真正印刷物の識別データ、券種A「001」、券種B「010」、券種C「100」、券種D「101」が予め記憶されており、真偽判定手段は、真偽判別用の磁気データ「101」と上記真正印刷物の識別データとを比較照合し、判別対象の印刷物が真正印刷物の券種Dであると判定する。
【0093】
次に、本発明の第三実施例による安全スレッドの真偽判別について図11を用いて説明する。図11(a)は第三実施例の物理的な構成、同図(b)は真偽判別の処理手段と処理の流れ、同図(c)は真偽判別の方法をそれぞれ示している。
第三実施例による安全スレッドの真偽判別は、マイクロ波検知電圧をスタートタイミングおよびデータタイミング並びに導電性データとして利用し、磁気データと照合するようにした例である。
【0094】
図11(a)において、第三実施例のスレッド層の構成は第一、第二実施例と同一である。また、本実施例の導電層の加工も第一、第二実施例と同様に水溶性樹脂の洗い出しによる。ただし、導電帯は長さ4mmのものと、長さ8mmのものとを用いてパターンとして配置している。長さ8mmの導電帯は長さ2mmの導電帯と同様に相対的に弱いマイクロ波検知電圧を検知できる。
【0095】
磁気データの付与の方法、安全スレッドの幅、マイクロ波検知器と磁気検知器の配置等は第一、第二実施例と同様であるので説明を省略するが、本実施例ではマイクロ波検知器の下方に無反射終端器を設けている。
本実施例では、導電帯に対して磁性層の帯磁部が後方、すなわち印刷物の正の搬送方向に対しての下流側にずれていることが特徴となっている。
【0096】
図11(b)は、第三実施例の真偽判別装置の処理手段とその処理の流れを示している。第一、第二実施例の装置と比較すると、マイクロ波検知電圧を数値化する、すなわち導電性データ化する「導電性データ化手段」を有している点、スタートタイミングのマイクロ波検知電圧と最初に検知した磁気データの位相ずれをタイミング照合手段に送る点、記憶手段を省略している点等で第一、第二実施例と相違する。
【0097】
導電性データ化手段は、マイクロ波検知電圧のアナログ電圧値をA/D変換し、少なくとも1つの閾値によってマイクロ波検知電圧を2値化あるいは3値化する。たとえば3値化の場合は、マイクロ波検知電圧をH、M、Lの3レベルに分割し、それぞれデジタル値に対応させるが、本実施例ではH(値「1」)をスタートタイミングとし、M(値「0」)をデータタイミングとして用いる。導電性データは上述スタートタイミングとデータタイミングとして使用される他、0,1の配置によって所定の情報(本実施例では真偽照合用のデータ)を担持することができる。
【0098】
図11(c)は第三実施例の真偽判定方法の処理の流れを示している。
第三実施例では、マイクロ波検知電圧は導電性データ化手段によってデータ「1001」として読み取られる。データ「1」はスタートタイミング、データ「0」はデータタイミングとして用いられるのと同時に、データ「1001」全体が磁気データと真偽照合できる導電性データとなっている。
【0099】
一方、磁気データはスタートタイミングを基準として読み取られるが、スタートタイミングと磁気データのずれにより、搬送方向の正方向・逆方向によって異なる読み取り結果となる。正方向の場合、スタートタイミング検知後に磁気データの先頭ビットが読み取られるので、磁気データは「1001」と検知され、上位3桁をとるようにすると真偽判別用データとして「100」を得られる。
【0100】
これに対して逆方向の場合、スタートタイミング検知後に読み取る磁気データは上位3桁をとるとデータ「001」を得る。この場合、スタートタイミング検知前に磁気データの先頭ビットを検知していることから、通紙方向が逆方向であることが検出され、位相補正手段によって各ビットの順番が逆に配列されてデータ「100」を得る。
【0101】
位相補正された真偽判別用データ「100」は導電性データ「100」(上位3桁)と比較され、これらが一致するので真正印刷物と判定されている。
なお、第三実施例において磁気データと導電性データがともにビットを対称的に配置した「1001」からなるが、正逆位相補正するので、対称的に配置したデータでなくてもよい。
【0102】
上述した真偽判定処理では、逆方向に検知した場合にスタートタイミング検知後の磁気データ「001」のみを読み取り、正逆位相補正により照合用データ「100」を得るようにしているが、磁気データ「1001」を読み取りその後にスタートタイミングと磁気データの先頭ビットの先後によってソフトウェア的に正逆位相補正する方法も可能である。
【0103】
次に、本発明の第四実施例による安全スレッドの真偽判別について図12を用いて説明する。
第四実施例による安全スレッドの真偽判別は、マイクロ波検知電圧をスタートタイミングおよびデータタイミング並びに導電性データとして利用する他の例である。
【0104】
第四実施例のスレッド層の構成は第一実施例等と同一である。また、本実施例の導電層の加工は第一実施例等と同様に水溶性樹脂の洗い出しによる。ただし、導電帯は長さ4mmのものと、長さ2mmのものを2個並べたものとを用いてパターンとして配置している。2つの長さ2mmの導電帯は間隔0.1mm以上離して配置している。
【0105】
本実施例では、導電帯が4mm、2/2mm、2/2mmに繰り返し配置され、磁性層が「100」に繰り返し帯磁され、帯磁部が導電帯の後方、すなわち印刷物の正の搬送方向に対しての下流側にずれている。本実施例では、データが「100,100,・・・」というように連続している。
【0106】
磁気データの付与の方法、安全スレッドの幅等は第一、第二、第三実施例と同様であるが、本実施例ではマイクロ波検知器と磁気検知器とを対向させて配置し、印刷物の搬送路と磁気検知器の間にアルミ製の反射板を配置している。
【0107】
図12(b)は、第四実施例の真偽判別装置の処理手段とその処理の流れを示しているが、これらは第三実施例の装置と同様であるので重複する説明を省略する。
【0108】
図12(c)は、第四実施例の真偽判定方法の処理の流れを示している。
第四実施例では、導電性データは繰り返しのデータ「100」となり、「1」がスタートタイミング、「0」がデータタイミングとなっている。一方、磁気データは正方向の場合には「100」と読み取られ、逆方向の場合には「001」と読み取られる。スタートタイミングの「1」と磁気データの「1」の先後が判断され、逆方向の場合には「001」が正逆位相補正されて「100」となる。その後に導電性データ「100」と位相補正後の磁気データ「100」が比較照合され、一致することにより真正印刷物と判定される。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、導電層に導電部と非導電部を設ける場合を含めて相対的にマイクロ波検知電圧が高い導電部を設け、前記導電部を電磁データ読み取り開始のスタートタイミングとすることにより、印刷物に対する安全スレッドの付着位置のばらつきに関わりなく磁気データの先頭ビットを確定でき、印刷物に対する安全スレッドのずれによる磁気データの読み取り錯誤を防止することができる。
【0110】
また、本発明では、導電部の位置と磁気データを意図的にずらし、マイクロ波検知電圧と磁気データの読み取りの先後により、印刷物の搬送方向の正逆を判定する。これにより、安全スレッドを走査することにより、印刷部の挿入方向を検知でき、一本の細長い安全スレッドのみを設けた印刷物においても安全スレッド上に付した情報を正しい方向に補正して読み取ることができる。
【0111】
さらに、本発明では導電層に検知用マイクロ波の波長のほぼ整数分の一の複数種の長さの導電帯を設けたことにより、導電帯が複数の段階的な強さのマイクロ波検知電圧を生じ、複数のデジタル値に変換することができる。これにより、導電帯の配置によって任意の情報を表現でき、導電層のみによって安全スレッドの認識データを担持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様による安全スレッドの付着状態と側断面を示した図。
【図2】導電帯の長さの相違によるマイクロ波検知電圧の相違を示したグラフ。
【図3】1mm〜7mmの導電帯のマイクロ波検知電圧を実験的に計測したグラフ。
【図4】4mmと2/2mmの導電帯のマイクロ波検知電圧を計測したグラフ。
【図5】磁気データの記録方法の一例を説明した図。
【図6】導電部と磁気データとを組み合わせて導電部によるマイクロ波検知電圧をスタートタイミングおよびデータタイミングとして使用する方法を説明した図。
【図7】本発明の安全スレッドの真偽判別装置の一例を示した図。
【図8】マイクロ波検知器と磁気検知器の配置構成例を示した図。
【図9】マイクロ波検知電圧をデータタイミングとして利用する本発明の第一実施例による安全スレッドの真偽判別を示した図。
【図10】マイクロ波検知電圧をスタートタイミングとデータタイミングとして利用する本発明の第二実施例による安全スレッドの真偽判別を示した図。
【図11】マイクロ波検知電圧をスタートタイミングおよびデータタイミング並びに導電性データとして利用する本発明の第三実施例による安全スレッドの真偽判別を示した図。
【図12】マイクロ波検知電圧をスタートタイミングおよびデータタイミング並びに導電性データとして利用する本発明の第四実施例による安全スレッドの真偽判別を示した図。
【図13】印刷物と安全スレッドの位置のずれによって磁気データの読み取り錯誤が生じることを説明した図。
【符号の説明】
1 安全スレッド
2 印刷物
3 基材
4 磁性層
5 導電層
6 接着層
7 保護層
8 真偽判別装置
9 マイクロ波検知器
10 磁気検知器
11 反射板
12 無端反射器
Claims (23)
- 基材上に磁性層と導電層とを有する安全スレッドであって、導電層に相対的にマイクロ波検知電圧が強い導電部を設け、前記相対的にマイクロ波検知電圧が強い導電部の位置と磁性層に記録した磁気データの位置とを一定の位置関係に配置したことを特徴とする安全スレッド。
- 前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に検知用マイクロ波の波長のほぼ整数分の一の長さを有する導電帯からなることを特徴とする請求項1記載の安全スレッド。
- 前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に所定の長さを有する第1の導電帯と第2の導電帯とからなり、前記第1の導電帯は磁気データの開始位置と、前記第2の導電帯は磁気データの各ビット位置とそれぞれ一定の位置関係に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の安全スレッド。
- 前記導電帯は、マイクロ波検知器の走査方向の正方向および逆方向に対応して磁気データの各ビットが記録されている位置に対して走査方向の前方または後方にずれていることを特徴とする請求項3に記載の安全スレッド。
- 前記導電部は、安全スレッドの長さ方向に所定の長さを有する第1の導電帯と、安全スレッドの長さ方向に少なくとも2種類の長さを有する第2の導電帯とからなり、前記第1の導電帯は磁気データの開始位置と、前記第2の導電帯は磁気データの各ビット位置とそれぞれ一定の位置関係に配置され、前記第2の導電帯は磁気データと照合するための照合データを担持していることを特徴とする請求項1に記載の安全スレッド。
- 前記導電帯は、マイクロ波検知器の走査方向の正方向および逆方向に対応して磁気データの各ビットが記録されている位置に対して前方または後方にずれていることを特徴とする請求項5に記載の安全スレッド。
- 安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別装置。 - 安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別装置。 - 安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別装置。 - 前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検出したタイミングと前記磁気検知器が磁気波形を検出したタイミングの先後によって、磁気検知器が読み取った磁気データを正逆位相補正する位相補正手段を有していることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の安全スレッドの真偽判別装置。
- 前記マイクロ波検知器と前記磁気検知器とを前記安全スレッドを含む印刷物の安全スレッドを設けた部分あるいはその搬送路の両側に対向して配置し、前記印刷物と前記磁気検知器の間にマイクロ波反射板を設けたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の安全スレッドの真偽判別装置。
- 真正印刷物の識別データを記憶した記憶手段と、
前記磁気データを真正印刷物の識別データと比較して真偽判定する真偽判定手段と、を有していることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載した安全スレッドの真偽判別装置。 - 安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が検知した段階的強弱を有するマイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換する導電性データ化手段と、
前記マイクロ波検知器がマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別装置。 - 安全スレッドに沿って走査するマイクロ波検知器と磁気検知器と、
前記マイクロ波検知器が検知した段階的強弱を有するマイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換する導電性データ化手段と、
前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として前記磁気検知器が検知した磁気波形を磁気データとして読み取るタイミング照合手段と、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別装置。 - 前記マイクロ波検知器が所定のマイクロ波検知電圧を検出したタイミングと前記磁気検知器が磁気波形を検出したタイミングの先後によって、磁気検知器が読み取った磁気データを正逆位相補正する位相補正手段を有していることを特徴とする請求項13または14記載の安全スレッドの真偽判別装置。
- 前記導電性データと前記磁気データの内容を照合するデータ照合手段を有していることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の安全スレッドの真偽判別装置。
- 所定のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準として磁気データを読み取るステップとを有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別方法。 - 所定のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップとを有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別方法。 - 2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
1種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップとを有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別方法。 - 前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと前記磁気データを検知したタイミングの先後によって磁気データを正逆位相補正するステップを有することを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の安全スレッドの真偽判別方法。
- 少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換するステップと、
マイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップと、
前記導電性データと前記磁気データとを照合して真偽を判別するステップと、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別方法。 - 少なくとも2種類のマイクロ波検知電圧を検知するステップと、
前記マイクロ波検知電圧を少なくとも2つ値を有する導電性データに変換するステップと、
1種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングを読み取り開始の基準とし、他の種類のマイクロ波検知電圧を検知したタイミングをデータ読み取りタイミングの基準として磁気データを読み取るステップと、
前記導電性データと前記磁気データとを照合して真偽を判別するステップと、を有していることを特徴とする安全スレッドの真偽判別方法。 - 前記マイクロ波検知電圧を検知したタイミングと前記磁気データを検知したタイミングの先後によって磁気データを正逆位相補正するステップを有することを特徴とする請求項21または22に記載の安全スレッドの真偽判別方法。
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