JP3324888B2 - 安全保護紙とその真偽判定装置 - Google Patents
安全保護紙とその真偽判定装置Info
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Description
止を必要とする製品用の安全保護紙とその真偽判定装置
に関するものである。
ログラム印刷のような一般に偽造困難な特殊印刷技術に
よるものや、磁気インクによる図柄の塗布によるもの
や、紫外線あるいは赤外線に反応するインク印刷による
もの、樹脂,糸,あるいは金属片を安全線条として紙の
中に埋め込むものが一般的に知られている。また、安全
線条を備えた証券類等の真偽を判定するには、紫外線あ
るいは赤外線を照射して、反射,吸収量を検出する方法
や、電磁波による反射,吸収,磁気変化を検出する方法
が知られている。また、安全線条にアモルファス合金の
ような強磁性体の箔,糸,薄膜を用いて、安全保証用デ
ータを記録させたり、素材の有する磁気特性を利用する
方法も検討されている。〔本願出願人により出願された
特願平5−196688号(平成5年7月15日出願)
「安全保護紙とその真偽判定装置」参照〕
化,省力化がさかんになっているが、機械化の進歩とと
もに要求される証券類の安全保証はますます重要な課題
となってきた。例えば、安全線条を用いた安全保護紙の
場合、単なる樹脂あるいは金属片を紙の中に埋め込むも
のでは同等の材料を用いて偽造されやすい欠点を有して
おり、安全線条に安全保証用データを記録することが困
難であった。一方、磁気カードのように磁気を用いたこ
れまでのデータ記録は磁化の有無あるいは強度により記
録する形式がとられているため、多くのデータが記録で
きる反面、熱,外部磁界により変化,消滅する欠点があ
る。アモルファス合金を用いたものは多くの課題を解決
し得るが、記録形式についてはより耐久性と正確性が、
データ記録容量についてはより効果的な形式が求められ
ていた。アモルファス合金を用いた安全線条上へのデー
タ記録としては、線条表面への熱あるいは機械的変形,
スリットによる切断を利用する記録形式が本願出願人に
より提案されている。この形式は半永久記録として、極
めて外部環境に強い反面、単位面積当りの記録量が限ら
れている。安全保護紙に挿入する安全線条に簡単により
多くの情報を入れることができ、かつ安易な方法でその
データを読み出すことができれば信頼性と安全性はさら
高くなり、より利用価値を高めることができる。
と安全性を著しく向上させこれにより利用価値をさらに
高めた安全保護紙とその真偽判定装置を提供することに
ある。
に、本発明による安全保護紙には、安全保証用データを
固定又は半固定記憶させたアモルファス合金材からなる
強磁性体単体,あるいは樹脂を張り合わせた複合材を用
いた安全線条が埋め込まれている。さらに、安全線条に
幅の異なるスリットを設け、スリットに安全線条に用い
た強磁性材と異なる透磁率を有する磁性材を埋め込むか
あるいは熱による変化を生じさせたもので、外部から加
えた交流あるいは静磁界によりスリット近傍に生じる磁
界強度変化を検出し、アナログデータあるいは多値デー
タとして読み出せるように構成されている。この安全線
条に記録されたデータを読み出すために、スリットを施
した安全線条を外部から励磁する励磁コイルと、スリッ
ト近傍の磁界を検出する磁気ヘッドと、磁気ヘッドから
読み出されたデータを多値データとして処理し真偽判別
する判定回路とを備えた真偽判定装置が用いられる。
るいは静磁界を加えると、スリット近傍の磁界強度はス
リットの幅およびスリット自身の透磁率と強磁性体の透
磁率の比により変化する。
に説明する。まず、図1乃至図5により、本発明の原理
を各種特性データを基に説明する。例えば、図1に示す
ように、10μmの厚みtを有する比透磁率μ1=50
00なるアモルファス合金の強磁性体膜3を安全線条に
用いた場合、例えばスリット4の比透磁率μ2=50で
一定とすれば、10μm〜50μmのスリット幅Sの変
化による近傍磁界強度Bの変化はほぼスリット幅Sに比
例して大きくなる。図1はスリット幅変化−近傍磁界強
度曲線である。
ト幅Sを10μmに固定し、スリット4の比透磁率μ2
を変化させた場合、強磁性体膜3とスリット4の比透磁
率の比(μ1/μ2)が10〜100倍変化による近傍
磁界強度Bの変化は数倍(図2では約3倍)変化する。
図2は透磁率比−近傍磁界強度曲線である。
て安全性の高いデータを記録手段とすることが可能であ
る。図3は安全線条として強磁性体膜3にS1 ,S2 ,
S3なる幅の異なるスリット4を設け、外部よりH0 な
る磁界を励磁する。安全線条の長手方向(x方向)に励
磁した場合、スリット近傍のz方向磁界強度Bは図1に
示した特性表からスリット幅S1 ,S2 ,S3 にそれぞ
れ比例した強度b1 ,b2 ,b3 が発生する。
性体膜3にμ2,μ3,μ4なる異なった透磁率をもっ
たスリット4を設け、外部よりH0 なる磁界を安全線条
の長手方向(x方向)に励磁した場合、スリット4近傍
のz方向磁界強度Bは図2に示した特性表から安全線条
本体の透磁率μ1との比に比例した強度b4 ,b5 ,b
6 が発生する。
4に多くのデータを記録させることができ、少ないスリ
ットで多くの情報を書き込むことができる。さらにスリ
ット4の形状に自由度を与え、図5で示されるように円
形スリット4としてもよい。このような形状のスリット
4は、円形の中心を通ればいかなる方向から読んでも同
じデータが得られる利点を持ち、かつスリット4の幅S
11,S12,S13,S14と透磁率比を組合せれば限られた
スリットであっても希望する量の情報を記録させること
ができる。
は通常の磁気ヘッドで読み出すことができる。読み出さ
れたデータは必要に応じて数段階に設定されたしきい値
で多値化すれば各スリット4ごとに数ビットの情報が得
られる。この情報を予め定めた安全保証用データと比較
することで、スリット4の有無のみによる保証用データ
よりはより安全性の高い安全保護紙を提供することがで
きる。
する。図6は本発明の一実施例であって、1は安全線条
の施された証券等の安全保護紙である。2は安全線条で
ポリエチレン等の合成樹脂にスリットの入った強磁性体
膜3を施したものからなり、その安全保証用データは強
磁性体膜3に固定又は半固定記憶されている。安全線条
2の形状は検知できれば如何なる形状でも良く、(a)
は短冊状,(b)はリング状,(c)は文字/数字記号
形状に加工した安全線条を埋め込んでいる。(a)に示
す短冊状のものは加工が容易で、長手方向に寸法がとれ
るので多くの情報を記録することができる利点がある。
(b)に示すリング状のものはリングの中心を通るよう
に検出磁気ヘッドを移動させればどの方向からも情報が
読み出せる利点がある。(c)に示す文字/数字等は肉
眼でも判別することができ、安全対策上効果がある。
たものである。樹脂基板5の上に強磁性体膜3をスパッ
タ,メッキ,接着等により被着したもので、樹脂基板5
に乗せることで強度的に強化され、紙にすき込んだ場
合、紙との密着性を良くしている。スリット4は、その
スリット間隔,スリット幅,スリット4の透磁率μを情
報記録媒体として利用することができる。スリットを成
形する方法として機械的による方法と熱的による方法と
がある。機械的に行う方法は強磁性体膜3の一部を切断
したり、スパッタ蒸着時にグリッドによる選択蒸着法,
溶融液によるエッチングがある。熱による方法はレーザ
ー光加熱による結晶構造の変化を利用するもの、高周波
加熱によるもの等がある。また、スリット4の透磁率μ
を変化させる方法としては、前記熱加熱によるものが簡
単であるが、スリット空間部の透磁率の違いを情報とす
る場合に、基材とは別の透磁率を有する磁性材料を粉末
状にしてスリット4に塗布する方法が、多種の透磁率を
有するスリットを生成することができるので、有利であ
る。
護紙1に挿入されている安全線条2を励起する励磁コイ
ル6と励磁電流を流すための励磁電源7,安全保護紙1
を送る送り装置8,安全線条2に記録されたスリット近
傍の磁界変化を検知する検出用磁気ヘッド9,検知され
た信号を増幅する信号増幅器10,増幅された信号をそ
の強度に割り当てられたディジタル符号化するアナログ
/ディジタル変換器(略称A/D変換器)11,あらか
じめ決められた真正の安全保証用のデータが記憶されて
いるリードオンリーメモリー(略称ROM)12,A/
D変換器11の出力とROM12との出力を比較する比
較器13からなる。比較結果(d)はマイクロコンピュ
ータ等の主制御部へ送られ、真偽判定が行われる。
(a)は信号増幅器10からの検知信号でレベルが異な
る信号が検知されている。(b)はA/D変換器11を
通ったあとの出力で信号レベル(例えば、レベル1,
2,3…)により01,10,11の如きディジタル信
号に変換されている。(c)はROM12の出力で予め
決められた真正の安全保証用データに対応する信号が読
み出されている。(d)は(b)と(c)を比較した結
果で、一致したときは“0”,不一致のときは“1”が
出力される。従って、(d)の出力状態により、その出
力データが予め定められた真正の安全保証用データの各
信号のレベルと適正に一致したときに安全保護紙1が真
正であると判定し、読み出された出力データが予め定め
た真正の安全保証用データの各信号のレベルと適正に一
致しないときに安全保護紙1が偽造であると判定する判
定手段11,12,13を備えて、安全保護紙1の真偽
を判定することができる。
る証券類等の用紙にスリット幅もしくはスリットの透磁
率の変化を多値データとして記録した強磁性体膜と樹脂
基板からなる安全線条を埋め込んだ安全保護紙は、スリ
ットの有無による記録形式に比べより多くのデータを記
憶できる利点がある。しかもこの形式で作られた強磁性
体膜に固定又は半固定により書き込まれたデータは消
去,書換えが困難であり、かつ多値データとして書き込
まれているため、偽造が困難であり、また一方では真偽
判定装置により偽造製品の検出が容易であるため、安全
保護紙の信頼性と安全性の面でその実用的効果は高い。
傍磁界強度変化を示す特性図である。
る近傍磁界強度変化を示す特性図である。
の近傍の磁界強度変化例を示す特性図である。
ト上の近傍磁界強度変化例を示す図である。
視図である。
保護紙の一実施例を示す斜視図である。
ある。
統図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 安全保証用データを固定又は半固定記憶
させた強磁性材料よりなる安全線条が用紙内に埋め込ま
れており、前記安全線条には複数のスリットが設けら
れ、該複数のスリットからの磁気変化を利用する各読出
し信号のレベルに区別し得る差が生じるように該複数の
スリットに複数種類の幅が与えられることにより前記安
全保証用のデータが記憶されていることを特徴とする安
全保護紙。 - 【請求項2】 安全保証用データを固定又は半固定記憶
させた強磁性材料よりなる安全線条が用紙内に埋め込ま
れており、前記安全線条には複数のスリットが設けら
れ、該複数のスリットからの磁気変化を利用する各読出
し信号のレベルに区別し得る差が生じるように該複数の
スリットに複数種類の幅が与えられることにより前記安
全保証用のデータが記憶されている安全保護紙を取扱い
対象として、 前記安全線条から前記の記憶された安全保証用データを
磁気変化を利用した信号出力として読み出すデータ検知
手段と、 前記データ検知手段により読み出された前記安全保証用
データが予め定めた真正の安全保証用データの各信号の
レベルと適正に一致したときに前記安全保護紙が真正で
あると判定し、前記読み出された前記安全保証用データ
が予め定めた真正の安全保証用データの各信号のレベル
と適正に一致しないときに安全保護紙が偽造であると判
定する判定手段とを備えた安全保護紙の真偽判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29199494A JP3324888B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 安全保護紙とその真偽判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29199494A JP3324888B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 安全保護紙とその真偽判定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127997A JPH08127997A (ja) | 1996-05-21 |
JP3324888B2 true JP3324888B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=17776150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29199494A Expired - Lifetime JP3324888B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 安全保護紙とその真偽判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3324888B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW484101B (en) * | 1998-12-17 | 2002-04-21 | Hitachi Ltd | Semiconductor device and its manufacturing method |
WO2003075030A1 (en) * | 2002-03-04 | 2003-09-12 | Sicpa Holding S.A. | Measurement probe and authentication device comprising the same |
JP5485125B2 (ja) * | 2010-12-16 | 2014-05-07 | シクパ ホルディング ソシエテ アノニム | 測定プローブ及びこれを有する証明装置 |
-
1994
- 1994-11-02 JP JP29199494A patent/JP3324888B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08127997A (ja) | 1996-05-21 |
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