JP4124381B2 - 強磁性体膜を有する記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、証券類用の磁気スレッドやセキュリティに用いられる磁性体膜を有する記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体カードとして、現在国内で最も多く利用されているプリペイドカードには、NTT(日本電信電話株式会社)の発行するテレホンカードと日本カードシステムの発行するパチンコ遊技カードなどがある。
これらのカードは変造,改ざんをされやすく大きな社会問題となっている。これらのカードを対象として変造,改ざんの防止対策として特開平6−286368号「記録担体カードとその真偽判定装置」が提案されている。
この従来の記録担体カードAは、図24(a)(b)(c)で示されるように形成されており、(a)はその平面構成図、(b)(c)はその部分断面図である。記録担体カードAはカード基板36上に管理対象情報を記録する第一の記録領域37と、該第一の記録領域とは別の位置にアモルファス強磁性体層38が配置されるとともに、必要な個数のパンチ穴40をあけることを予定して設けられた第二の記録領域42とを供えた構成を有している。39は印刷層である。
また、前記第二の記録領域42にはセキュリティコード41が記録される構成となっている。これらの構成を有するカードの第二の記録領域42に鑚孔されたパンチ穴40の位置を磁気的に読み出して、該第一の記録領域37に記録された管理情報とその読み出されたパンチ穴40の位置情報とを比較して改ざんの有無を判定する方法をとるため、あけられたパンチ穴40に適宜の遮蔽材を埋め込むか貼付することによる改ざんを容易に検出することができ、改ざん防止を図ることができるという優れた利点をもっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、前記従来例には、悪質な改ざんを防止する対策として、通常では入手できない組成の磁性膜を用いてその素材特有の磁気特性を利用することと、カードの第二記録領域に書換え出来ないように予め書き込んであるセキュリティコードを利用することが提示されている。
一般にプリペイドカードは何種類かの金額の異なったカードが発行されており、これらの金額の異なったカードを使用して低金額カードを高金額カードに見せかける改ざんに対しては前記の従来例の方法では、セキュリティ性が不充分であるという欠点がある。
その欠点の第一は、素材特有の磁気特性を利用する方法ではカードの種類に対応した種類の固有特性を有する素材を用意しなければならないことであり、種類が多くなると製作上困難を伴う。
第二はセキュリティコードの書き込みであるが、鑚孔される部分以外の領域に書かれるため、いわゆるハイブリッド法(切り貼り)と呼ばれる変造方法で変造されるおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、これらの偽造・変造を防止することができる記録担体を実現するために用いられる磁性体膜を有する記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明による強磁性体膜を有する記録媒体は、樹脂基板上に、管理対象情報が記録された第一の磁気記録領域と、セキュリティコードが記録されると共にパンチ穴をあける予定の第二の磁気記録領域とを備えた記録媒体において、前記第二の磁気記録領域に第一のアモルファス強磁性体膜と第二のアモルファス強磁性体膜との二種類のアモルファス強磁性体膜とが前記樹脂基板の面に沿う方向に配置されるように形成され、前記第一のアモルファス強磁性体膜は連続して形成されると共に一定周期の間隔で、前記樹脂基板の面から当該第一のアモルファス強磁性体膜の表面までの厚みが異なるように形成され、前記第二のアモルファス強磁性体膜は前記樹脂基板の面に交叉する方向において前記第一のアモルファス強磁性体膜と重なるように連続又は前記一定周期に対応する所定の間隔で形成されていることを特徴とする構成を有している。
従って、前記に種類の強磁性体膜に基づいて検出される波形は、一定周期によるパター
ンの不連続磁気特性を示すものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明によるアモルファス強磁性体膜の如き強磁性体膜を有する記録媒体は、パンチ穴をあけることを予定されている領域に貼り付けるかまたは、カード樹脂基板内に埋め込んで用いる。
カードが使用されると残り度数に応じて穴があけられ、同時にその領域に配置された本発明による記録媒体にも穴があけられる。その記録媒体を形成するアモルファス強磁性体膜に物理的欠陥(パンチ穴)があるとその部分に磁気変化があり、外部からの交流あるいは直流磁気バイアス磁気センサによって穴の位置検出が可能である。
【0007】
本発明によれば対象とする領域を通過する一つの直線に沿って予め定めた特有の磁気パターンを有する偽造防止用の強磁性体膜が形成してあり、その磁気パターンを変えることで種別情報とすることができる。
しかもパンチ穴をあけることを予想される領域全域に亘って特殊のパターンを形成すれば、一部分の切り貼りによる変造の発見は容易である。
特有の磁気パターンを持たせるためには、二種以上の異なる磁気特性を有する磁性体膜を予め定めたパターンになるように配置すること、磁性体膜の厚さを予め定めたパターンになるように変化させること、またこれらを組み合わせることによって達成することができる。
さらに、ここで磁気パターンを一般的に模倣が困難な特異なのもとするためには、保持力(Hc)、透磁率(μ)、飽和磁束密度(Bm)、角形比(Bm/Br)、磁気モーメント(M)、磁気異方性などのパラメータを外部励起磁界強度により非線形とすることにより達成される。この磁気特異性を持たせるためには、磁性膜をアモルファスとすることがひとつの有効な手段である。
【0008】
パンチ穴があった部分を切りとってつなぎ合わせるいわゆる「だるまおとし」変造に対しては、偽造防止用の磁性体膜の幅をパンチ穴径以上で、パンチする際の位置誤差あるいは偽造防止用の磁性体膜の貼り付け位置誤差を考慮し充分に広くしておけば、前記のように変造されたカードから読み出されるパターンはパンチ穴径だけ短くなりパターン情報の検知出力電圧差から容易に発見可能である。偽造防止用の強磁性体膜をアモルファス膜とした場合、金属種類,合金配合比は特殊であり、その磁気特性は固有の物であるから、もし別の強磁性体膜によって偽造されても簡単に発見することができる。
【0009】
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
図1は偽造防止用の強磁性体膜を拡大した斜視図(a)と一部断面図(b)である。ここで、1は樹脂基板であり5μm〜20μm厚みのPET(ポリエチレンテレフタレート) 、PEN(ポリエチレンナフタレート)の薄いフィルムを基材とする。2は非磁性金属層でありアルミニウム,銅,チタンなどを1μm以下に蒸着あるいはスパッタしたもので、次工程でその上にスパッタする磁性体材料の磁気特性を安定させるために用いられるが、本発明においてこの層はあってもなくてもかまわない。3,4はそれぞれ異なる磁気履歴特性を持ったアモルファス強磁性体膜であり、図面に示す通り樹脂基板1の面に交叉する方向において相互に重なるように形成されている。この強磁性体膜3,4をアモルファスとする場合にはCo−Zr系あるいはFe−Si系などが代表的な組成である。強磁性体膜3,4の磁気特性をそれぞれ異なるようにするためには、例えばスパッタリングターゲット材を異なる組成とするのが一般的であるが、そのほか同一材料であっても製法上で差異をもたせることもできる。薄膜を形成する方法はスパッタ以外にもメッキ法,蒸着法によっても可能である。5は接着材であり、熱可塑性樹脂であるポリエチレン,ポリアミド,アクリルのように100℃程度の熱で溶融しカード基板上に接着させることができる。また、紙の中に挿入する際に紙の繊維に溶け込み抜け防止となるが、本発明においてはその接着方法はいずれの方法でもかまわない。
また、図には示されていないが、強磁性体膜を保護する目的で外側に形成する金属層も同様で、あってもなくてもかまわない。
【0010】
図2は本発明の一実施例で、カード基板上の第二の記録領域に磁気パターンを有する偽造防止磁性体膜を貼り付けることを想定した本発明を実施したカードの一部を除去した斜視図(a)と一部断面図(b)である。6はカード基板、7は管理情報を記録する第一の記録領域、8は偽造防止用の磁性体膜による第二の記録領域、9は印刷層、10はパンチ穴、11は磁性体膜8によって特殊のパターンを形成する磁気パターンである。
なお、(b)は第一の記録領域7と第二の記録領域8とが重ならないように形成した例であるが、これに限らず記録領域7と8は重ねて形成するようにしても第二の記録領域8を検出することが可能であり、カード基板6をはさんで両面又は片面に重なるように形成することができる。
【0011】
図3は本発明による偽造防止用の磁性体膜8をスレッド状にして紙にすきこみ、安全保護紙26としたものである。このようにして作られた安全保護紙26は、紙幣,証券,金券などに用いることができる。一種類の一様な強磁性体膜を用いた従来の方法と比べセキュリティ性を格段に高くすることができる。
【0012】
〔実施例1〕
図4(a)〜(e)はそれぞれ樹脂基板1上に磁気特性の異なった二種類以上の強磁性体膜3,4を形成し、その強磁性体膜3,4がある一定の周期をもって配列され、対象とする領域では樹脂基板1の表と裏において、少なくともいずれか一方で強磁性体膜が常に樹脂基板1上に存在するように形成された場合の偽造防止用磁性体膜の構成例である。
(a)は、樹脂基板1の表面に膜厚Daで膜幅Laからなる強磁性体膜3を所定の間隔Lb毎に形成して磁気パターン化するとともに、裏面には膜厚Dbからなる強磁性体膜4を面一に形成して偽造防止を図るようにした実施例である。
(b)は、樹脂基板1の表面に第1層として膜厚Dbからなる強磁性体膜4を面一に形成し、その上部に第2層として膜厚Daで膜幅Laからなる強磁性体膜3を所定の間隔Lb毎に形成して磁気パターン化した実施例である。
(c)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dcで膜幅Laからなる強磁性体膜3と膜厚Dcで膜幅Lbからなる強磁性体膜4を交互に配置し磁気パターン化した実施例である。
(d)は、樹脂基板1の表面に膜厚Ddで膜幅Lcからなる強磁性体膜3を間隔Ldをおいて順に配置し、裏面には膜厚Deで膜幅Ldからなる強磁性体膜4を間隔Lcをおいて膜幅Lcと重複しない逆側の位置に順に配置してそれぞれ磁気パターン化した実施例である。
(e)は、樹脂基板1の表面に膜厚Dfからなる強磁性体膜3を面一に形成するとともに、強磁性体膜3の内部に膜厚Dgで膜幅Lfからなる強磁性体膜4を間隔LeをおいてLg毎に順次埋め込み配置して磁気パターン化を図った実施例である。
これらの各実施例はどのような寸法で、どのような位置にパンチ穴があいてもそのパンチ穴の位置に強磁性体膜3又は4又は双方が存在するので、磁気的に検出可能である。また、一つの直線すなわち例えば図示の断面に沿って固有の磁気パターン11を有しているため、切り貼りによる変造を磁気的に検出することができる。
【0013】
〔実施例2〕
図5(a)〜(f)はそれぞれ実施例1の構造においてさらに、二種類の強磁性体膜3,4の少なくとも一方の強磁性体膜を、一定の周期をもって厚さを変えて前記と同様に一つの直線に沿って固有の磁気パターンを形成した場合の偽造防止用磁性体膜の構成例である。
(a)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dhで膜幅Lhを有する厚膜部と膜厚Diで膜幅Liを有する薄膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置し、裏面には膜厚Djからなる強磁性体膜4を面一に形成し、磁気パターン化して偽造防止を図るようにした実施例である。
(b)は、樹脂基板1の表面に、第1層として膜厚Dkで膜幅Liを有する薄膜部と膜厚Dlで膜幅Lhを有する厚膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置するとともに、その上部に第2層として膜厚Dmで膜幅Ljからなる強磁性体膜4を薄膜部および厚膜部の所定の位置(それぞれ中央部)に形成配置して磁気パターン化した実施例である。
(c)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dkで膜幅Liを有する薄膜部と膜厚Dlで膜幅Lhを有する厚膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置し、裏面には膜厚Dmで膜幅Ljからなる強磁性体膜4を薄膜部および厚膜部に対応する所定の位置(それぞれ裏面の対称中央部)に形成配置して磁気パターン化した実施例である。
(d)は、樹脂基板1の表面に、第1層として膜厚Dlで膜幅Lhを有する厚膜部と膜厚Dkで膜幅Liを有する薄膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置するとともに、その上部に第2層として、膜厚Doで膜幅Lkを有する第1厚膜部と、膜厚Dnで膜幅Llを有する第1薄膜部と、膜厚Dmで膜幅Lmを有する第2薄膜部と、膜厚Dm+Dnで膜幅Lnを有する第2厚膜部とを順次形成した強磁性体膜4を配置して磁気パターン化した実施例である。
(e)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dlで膜幅Lhを有する厚膜部と膜厚Dkで膜幅Liを有する薄膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置し、裏面には膜厚Doで膜幅LkまたはLpを有する厚膜部と、膜厚Dnと膜幅LoまたはL1を有する薄膜部とからなり厚膜部と薄膜部を交互に順次形成した強磁性体膜4を配置して磁気パターン化した実施例である。
(f)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dpで膜幅Lqを有する厚膜部と、膜厚Dqと膜幅Lrを有する薄膜部を交互に形成した強磁性体膜3を配置するとともに、強磁性体膜3の厚膜部内部の中央位置に膜厚Drで膜幅Ltからなる強磁性体膜4を両側に膜幅Ls,Luをそれぞれ残して順次埋め込み配置して磁気パターン化を図った実施例である。
これらはどのような寸法で、どのような位置にパンチ穴10があいても、そのパンチ穴10の位置に強磁性体膜3もしくは4又は双方が存在するので、磁気的に検出可能である。また、固有の磁気パターン11を有しているため、切り貼りによる変造を磁気的に検出することができる。これらの実施例は、実施例1よりもさらに検出精度が高いので、偽造は一層困難になる。
以上のように、図5(a)〜(f)に示された実施例では、強磁性体膜3と強磁性体膜4とは、樹脂基板1の面に沿う方向に配置され、また、樹脂基板1の面に交叉する方向において互いに重なるように形成されている。さらに、強磁性体膜(第一の強磁性体膜)3は、連続して形成されると共に一定周期の間隔で異なる膜厚で形成され、強磁性体膜(第二の強磁性体膜)4は、連続又はその一定周期に対応する所定の間隔で形成されている。
【0014】
〔実施例3〕
図6(a)(b)はそれぞれ樹脂基板1上に一種類の強磁性体膜4を形成し、その強磁性体膜4が一定の周期をもって厚さが異なる場合の偽造防止用磁性体膜の例である。
(a)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dlで膜幅Lhを有する厚膜部と膜厚Dkで膜幅Liを有する薄膜部を交互に形成した強磁性体膜4を形成配置して磁気パターン化した実施例である。
(b)は、樹脂基板1の表面に、膜厚Dtで膜幅Ltを有する第1中膜部と、膜厚Duで膜幅Luを有する厚膜部と、膜厚Dtで膜幅Lvを有する第2中膜部と、膜厚Dsで膜幅Lwを有する薄膜部とを順次形成した強磁性体膜4を配置して磁気パターン化した実施例である。
これらはどのような寸法で、どのような位置にパンチ穴10があいてもそのパンチ穴10の位置に強磁性体膜4が存在するので、磁気的に検出可能である。また、例えば図示の断面上の一つの直線に沿って固有の磁気パターン11を有しているため、切り貼りによる変造を磁気的に検出することができる。
なお、これらの実施例以外にも、磁気パターン化の事例は種々の形をとり得るものである。従って、これらの実施例1乃至3に限定されるものではない。
【0015】
以上の各実施例での磁気判別原理は強磁性体のB−H特性を利用したものである。以下に、その特性を用いた真偽判定装置について説明する。
図7は、前記情報記録媒体が真正品であるか又は偽造,変造品であるかを判定する真偽判定装置例である。この実施例では、第一の記録領域7と第二の記録領域8を有し、パンチ穴10をプリペイド課金使用残高の目安とするように作成された磁気カードの真偽を判定する装置例を示している。13−1は第1の磁気センサであり第一の記録領域7に記録された情報を読み出すためのものである。13−2は第2の磁気センサであり第二の記録領域8のパンチ穴位置あるいは、この領域が不正に切り張りされたかを検出するものである。13−3は第3の磁気センサであり第二の記録領域8に使用されているアモルファス強磁性体が真正であるか否かを判定することと、第二の記録領域8に書き込まれたカード種別を行うためのパターン情報を読み出すために用いられる。14は第2の磁気センサ13−2に静磁バイアスを印加するための直流電源である。15は第3の磁気センサ13−3に交流磁気バイアスを印加するための交流電源である。16は上記検知カードを水平に搬送するための記録媒体駆動装置である。17は各磁気センサの信号を増幅するための信号増幅器である。
【0016】
図8は各磁気センサの動作原理を説明する図である。
(a)は第1の磁気センサ13−1の動作で、第一の記録領域7上の磁気コーティングされた磁性層に書かれた情報を磁性材の保磁力を利用して読み出し、信号増幅器17を介して出力するものである(磁気カードの規格および磁気記録様式については、JISX6301−79,JISX6302−79参照)。
また、読み出し回路は一般に用いられているものを使用する(例えば「データキャリア」日本工業新聞社発行、竹田晴見著参照)。
【0017】
(b)は第2の磁気センサ13−2の動作を示すものであり、磁気ヘッド13−2に外部の直流電源14により静磁バイアスを印加させ、ヘッドギャップから漏洩する磁束が第二の記録領域8に張られたアモルファス強磁性体膜3又は4に浸透する。
強磁性体膜3又は4が一様ならば磁束変化はなく信号は検出されない。もし、パンチ穴10が穿けられているならば、その部分に磁束変化を生ずる。アモルファス強磁性体膜3又は4の比透磁率が高い材料(数千)を使用しておけば磁束変化も大きくなり、検出が容易になる。
不正を行うものが故意に同一材料で穴を塞ぐ細工を行っても、材料の境目において磁束変化が生じて細工を行ったことが判明する。また、異なった材料で全体を切り張り交換しても、次に述べる、第3の磁気センサ13−3によって判別することができる。
【0018】
(c)は第3の磁気センサ13−3の動作であり、交流磁気バイアスされた作動型の磁気ヘッドを使用する。この判別原理はアモルファス強磁性体のB−H特性を利用したものであり、材料固有の値を持つ。
【0019】
図9は上記真偽判定装置制御部のブロック図である。
18は第一の記憶領域7からの情報読み取り回路で、第1の磁気センサ13−1からの検知信号S1をもとにこの領域に記憶されているカード種別情報,パンチ穴位置情報,その他のカード情報を含む各種の情報を読み出して、カード種別判別回路22,パンチ穴位置判別回路23,その他カード情報判別回路24にそれぞれ出力する。
19はパンチ穴位置検出回路で、第2の磁気センサ13−2からの検知信号S2をもとにパンチ穴位置情報を読み出して、パンチ穴位置判別回路23に出力する。
20は磁気特性判別回路で、検知信号S3をもとにアモルファス強磁性体膜33又は34の固有の特性情報を判別して、その判別情報をマイクロコンピュータシステム25に出力する。
21はパターン情報読み出し回路で、検知信号S3をもとにパターン化されたアモルファス強磁性体膜33又は34のパターン情報を磁気特性判別回路20のバンドパスフィルタを介して読み出して、カード種別判別回路22に出力する。
22はカード種別判別回路で、第一の記録領域7から情報読み取り回路18により読み出された情報と、パターン情報読み出し回路21からの情報を取り込んでカード種別情報をマイクロコンピュータシステム25に出力する。
23はパンチ穴位置判別回路で、第一の記録領域7から情報読み取り回路18により読み出された情報と、パンチ穴位置検出回路19により読み出された情報とを取り込んで、パンチ穴位置情報をマイクロコンピュータシステム25に出力する。
24はその他カード情報判別回路で、第一の記録領域7から情報読み取り回路18により読み出された情報のうちカードに予め記録されている一般書誌的情報を取り込んで、その他カード情報としてマイクロコンピュータシステム25に出力する。
25はマイクロコンピュータシステムで、各回路18〜24からの情報をもとに各種制御を行う。
【0020】
次に図9に示す各回路18〜25について更に詳細に説明する。
第一の記録領域7から情報を読みとる情報読み取り回路18は、前述したように一般に使用されている磁気記録情報読み出し回路を使用することができるので、説明を省略する。
図10(a),(b)は、パンチ穴位置検出回路19の一実施例を示すもので、(a)はパンチ穴位置検知信号波形図であり、(b)はその回路例である。
図10(a)は検知信号S2からのパンチ穴検知信号波形で、3個の穴が明いている時はその間隔に対応する時間間隔T1,T2,T3で信号が検出される。最初に検出した穴が度数0に近いとすると、図10(b)に示すパンチ穴位置検出回路19のカウンタ回路19−1は搬送開始と同時にスタートして、T1時間後にその値はバッファ回路19−2に一時記憶される。
一度記憶された内容は再度スタートするまで保持されるようになっている。この値は不正がなければ第一の記憶領域7に記憶されているべき度数管理情報と一致しているはずである。
【0021】
図11(a)(b)は、磁気特性判別回路20の磁気特性判別の原理を示す波形図とスペクトラム分布図であり、図12はその磁気特性判別回路20の具体的回路構成の一実施例を示す。図11(a)は異なった磁気特性を持ったアモルファス強磁性体膜がA部,B部,A部と並んで配置された状態の第二記録領域8を検知した時の時間軸波形である。A部では三角波が検出され、B部ではパルス波形が検出された場合を例示している。
図11(b)は上記波形の各部分のスペクトラム(周波数成分)分析結果である。A部は一次,二次,三次の順にその成分電力比が小さくなるが、B部では二次,三次,一次の順に小さくなっている。この成分比は材料によって一定であるから、これらのスペクトラム比を比べることで材料の真偽を判定することができる。
【0022】
スペクトラム比を判定するには一例として、図12の回路20に示すように、励磁周波数によって決まる高調波成分に相当するバンドパスフィルタ20−1,20−2,…,20−Nを準備して各バンドパスフィルタからの信号レベルが想定されるレベルであるか否かを判定するA部判定用レベル判定回路群20−11,20−12,…20−1Nと、B部判定用レベル判定回路群20−21,20−22,…,20−2Nをもち、各回路からの一致を取る一致回路20−31,20−32によってA部,B部がそれぞれ定められた材料の磁気特性をもつか否かによって真偽判別を行う。
この例ではバンドパスフィルタによるスペクトラム抽出を示したが、A/D変換器、FET演算あるいはディジタルフィルタによっても同様の効果が得られる。
【0023】
図13(a)(b)は、パターン情報読み出し回路21のパターン情報判別の原理を示す波形図であり、図14はそのパターン情報読み出し回路21の具体的回路構成の一実施例を示すものであり、一例として前記磁気特性判別回路20の中のバンドパスフィルタ出力を利用することができる。図13(a)(b)によりこのパターン情報読み出し回路21の動作を説明する。
(a)は検知信号S3の元波形であり、(b)は磁気特性判別回路20内の特定のバンドパスフィルタの出力(例えば、バンドパスフィルタ20−2の出力)F2である。特定のバンドパスフィルタはA部,B部で使用される材料の磁気特性で最も顕著に差の出るスペクトラムを選択する。A部は三角波が検出され、B部は正弦波状波形が検出される。もし、パターン情報が材料の厚みの差によって構成されている場合には、検知信号S3の波形は各部振幅差となって現れ、振幅比較により分離が可能である。
(b)はこのような原理によって分離したA部,B部の振幅波形であり、各部分のパターンピッチが波形の出現する時間間隔になって現れる。すなわちA部は時間幅T1およびT3の中で振幅波形が現れ、B部は時間幅T2の中で波形が現れない。
【0024】
図14はこれらの時間間隔を測定するためのパターン情報読み出し回路21の例である。一定周期のクロック信号をカウントするカウンタ回路21−1とパターン情報から分離された信号(例えばF2)から作られる信号によって、カウンタ値をバッファ回路21−2,21−3,21−4に順次に一時記憶させる。
バッファ回路は図示のように複数個ありそれぞれのパターン間隔が記憶される。このようにして予め定められたパターン情報としてカード種別判別回路22に出力される。
【0025】
図15はカード種別判別回路22の一実施例である。第一の記録領域7から情報読み取り回路18によって読み出された情報によりカード種別判別情報レジスタ22−1に予め設定されるカード種別判別情報とパターン情報読み出し回路21から得られてパターン情報レジスタ22−2に設定されたパターン情報との比較を一致回路22−3で行い、予め割り付けられている種別であるか否かを比較して、一致していれば真の情報を、一致していなければ偽の情報をマイクロコンピュータシステム25等の主制御部に送る。
【0026】
図16はパンチ穴位置判別回路23の一実施例である。第一の記録領域7から情報読み取り回路18により読み出された情報によりパンチ穴位置管理情報レジスタ23−1に予め設定されるパンチ穴管理情報と実際にパンチ穴位置検出回路19によって検出されてパンチ穴位置検出情報レジスタ23−2に設定されるパンチ穴位置情報の残高値との一致を一致回路23−3で取り、一致していれば真の情報を、一致していなければ偽の情報をマイクロコンピュータシステム25等の主制御部に送る。
カード種別判別回路22,パンチ穴位置判別回路23はマイクロコンピュータシステム25のソフトウェアで代行することもできる。この実施例では、第二の磁気センサ13−2により、パンチ穴位置を検出したが、第三の磁気センサ13−3の感度を上げるか、または、パンチ穴10を大きくすれば、第三の磁気センサ13−3の出力にも、パンチ穴10による信号が検出される。
【0027】
その他カード情報判別回路24については、カードの発行年月日,有効期限,発行所等の一般書誌的情報を判別するものであるが、これらの判別方法は、テレホンカード等のプリペイドカードで行われている方法と同様に実施できるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
図17は第二の磁気センサ13−2を用いない実施例である。
この場合、パンチ穴10による検知信号の変化は、アモルファス強磁性体の磁気特性を示す信号と比較して、極めて大きく現れるので、信号の振幅の違いにより、パンチ穴10を示す信号とアモルファス強磁性体の磁気特性を示す信号とを区別することができる。
この場合、図9に示す真偽判定装置制御部におけるパンチ穴位置検出回路19には検知信号S3が入力される。
【0029】
以上図7乃至図17により説明した真偽判別装置を用いて、図4乃至図6に示した実施例1乃至実施例3からの検出信号波形がどのような形で検出され、真偽の判定出力として用いられるかについて説明する。
まず、図18に示すように、強磁性体膜3の検出信号波形は区間Laにおいて(a)に示すような三角波出力(波高値:Va,−Va)となって取り出される。また、強磁性体膜4の検出信号波形は区間Laにおいて(b)に示すようなプラス又はマイナスの極性をとるパルス波出力(波高値:Vb,−Vb)となって検出される。
従って、強磁性体膜3および4が同時に検出される場合の検出信号波形は、区間Laにおいて(c)に示すように、三角波とパルス波との合成波形(波高値:(Va+Vb),(−Va+Vb))となって検出される。
なお、以下に示す実施例の説明においては、出力信号波形が複雑にならずに容易に理解できるように、強磁性体膜3または4の膜厚DaまたはDbは、例えば実施例1においてはDa=Dbとし、その三角波出力の波高値Vaとパルス波出力の波高値VbはVa=Vbとして説明する。実施例2,3についても同様である。
実際には強磁性体膜3と4の材質に差異がある場合や同じ材質でも膜厚に若干でも差異があれば、それらの磁気特性は差異となって検出されるので、その検出信号出力もVa=Vbとはならないことは容易に理解し得よう。
従って、本発明はこれらの材質の差異やパターン化および膜厚の差異に基づく検出出力の変化を利用して、偽造が極めて困難な記録媒体を構築するものである。
【0030】
次に、図4の実施例1の検出信号波形は、図19(a)乃至(d)の波形となって検出される。
まず、図4の(a)の構成例においては、図19(a)の検出波形となる。Laの区間においては強磁性体膜3と4の波形が同時に検出されるため、前述のようにDa=Dbとした場合図示のように、3と4の合成波形(Va+Vb)と−(Va+Vb)となって検出される。Lbの区間においては、強磁性体膜3は存在せず強磁性体膜4のみが形成されているため、パルス波形Vbと−Vbとなって検出される。
図4の(b)の構成例においては、強磁性体膜3,4は2層構成となっているが、検出波形は図4(a)と同様に図19(a)の波形として検出される。
図4の(c)の構成例においては、強磁性体膜3と4が交互に検出されることになるため、例えば膜厚Dc=Da=Dbとした場合、図19(b)の検出波形となる。すなわちLa区間においては、強磁性体膜3のみが対象となるので三角波Vaと−Vaが検出され、Lb区間においては強磁性体膜4のみが対象となるのでパルス波Vbと−Vbが検出される。
図4の(d)の構成例においては、強磁性体膜3が膜幅Lcを有し強磁性体膜4の膜幅Ldであるため、例えば膜厚Dd=Da,膜厚De=Dbとした場合、その検出波形は図19(c)として検出される。すなわち、Lc区間においては三角波Vaと−Vaが検出され、Ld区間においてはパルス波Vbと−Vbが検出される。
図4の(e)の構成例においては、強磁性体膜3の膜厚Dfが厚く2Daとなっており、その中に膜厚Dgの強磁性体膜4が埋め込まれる構成となっているため、その検出波形は図19(d)として検出される。すなわち、例えば膜厚Dfは、図4(a)の膜厚Da×2となり、膜厚Dgが図4(a)の膜厚Dbと同じとした場合、Le区間の波形は大きな三角波2Vaと−2Vaが検出され、Lf区間においては、合成波形(Va+Vb)と−(Va+Vb)となって検出され、Lg区間においてはLe区間と同様に大きな三角波2Vaと−2Vaが検出される。
【0031】
次に、図5の実施例2の検出信号波形は、図20(a)乃至(d)の波形となって検出される。
まず、図5の(a)の構成例においては、例えば、膜厚Dh=2Diとし、Dh=Da,Dj=Dbとした場合は、図20の(a)の検出波形となる。Lhの区間においては、強磁性体膜3と4の波形が同時に検出されるため、図示のように3と4の合成波形(Va+Vb)と−(Va+Vb)となって検出される。Liの区間においては、強磁性体膜3の膜厚DiはLh区間Dhの1/2となるため、3と4の合成した波形は((Va/2)+Vb)と−((Va/2)+Vb)なって検出される。
図5(b)の構成例においては、例えば膜厚Dl=2Dkで、膜厚Dm=Dj/2とし、Dl=DaDj=Dbとした場合には、図20(b)の検出波形となる。強磁性体膜3と4は2層構成となっているが、Liの区間においては、Va/2と−Va/2が検出され、そのうちの中央部Lj区間は(Va+Vb)/2と−(Va+Vb)/2の波形が検出される。また、Lhの区間においては、Vaと−Vaが検出され、そのうちの中央部Lj区間の波形は(Va+(Vb/2))と−(Va+(Vb/2))となって検出される。
図5(c)の構成例においては、強磁性体膜4は3と逆側に配置されるが、その検出信号波形は図5(b)と同様に、図20(b)の波形として検出される。
図5(d)の構成例においては、例えば膜厚Dl=2Dk,膜厚Do=2Dn,膜厚Dm=2Dnとし、Dl=Da,Do=Dbとした場合には、図20(c)の検出波形となる。強磁性体膜3と4は2層構成となっているが、Lhの区間のうちLk区間には、(Va+Vb)と−(Va+Vb)が検出され、Ll区間には(Va+(Vb/2))と−(Va+(Vb/2))の波形が検出される。Liの区間においては、Lm区間で((Va+Vb)/2)と−((Va+Vb)/2)の波形が検出され、Ln区間で((Va/2)+Vb)と−((Va/2)+Vb)の波形が検出される。
図5(e)の構成例においては、強磁性体膜4は3と逆側に配置されているが、その検出信号波形は、図5(d)と実質的に同様に図20(c)の波形として検出される。
図5(f)の構成例においては、強磁性体膜3の膜厚Dpが厚く2Dqとなっており、その中に膜厚Drの強磁性体膜4が埋め込まれた構成となっているため、その検出波形は図20(d)として検出される。すなわち、例えば膜厚Dp=2Daとし、膜厚Dr=Dbとした場合、Lq区間のうちLs区間は2Vaの波形が検出され、Lt区間では(Va+Vb)と−(Va+Vb)の波形、Lu区間では−2Vaの波形が検出される。
一方、Lr区間においては、Vaと−Vaの波形が検出される。
【0032】
次に、図6の実施例3の検出信号波形は、図21(a)(b)の波形として検出される。
この実施例3は、強磁性体膜4を用いた一層構成による単純な構成で実現するもので、予め定められた一定のパターンのみで検出しようというものである。
図6(a)の構成例においては、例えば、Dl=Db,Dk=Dl/2とした場合、検出波形は図21(a)として検出される。Lh区間においては、Vbと−Vbとなって検出され、Li区間においてはVb/2と−Vb/2の波形となって検出される。
図6(b)の構成例においては、例えばDt=Db,Ds=Dt/2,Du=1.5Dbとした場合、検出波形は図21(b)として検出される。LvおよびLx区間においては、Vbと−Vbの波形、Lw区間においては、1.5Vbと−1.5Vbの波形、Ly区間においては、Vb/2と−Vb/2の波形が検出される。
【0033】
以上、図4(a)〜(e)に示す実施例1の構成例においては、図19(a)〜(d)に示すように、いずれも強磁性体膜3又は4によって磁気パターン化されている。
このため例えば図4(a)において区間Laにパンチ穴10が形成され、この部分を他の担体カードから切り取って埋め込んでも、磁気パターンの異なる膜は、図19(a)の区間Laの出力信号波形とは異なる波形となって検出されるため変造カードであることを極めて容易に判別することができる。
すなわち、あけられた穴部の特殊な磁気パターンが判らない限り、その穴に同じパターンの膜を埋め込むことは不可能であり、変造することは極めて困難となる。また、仮に、磁気パターンが何らかの理由で知られた場合でも、他のカードから同じ特殊パターンの一部を取りかつそれをパターンを一致させて埋め込むことは、これも極めて困難であり、いずれにしても本発明の記録媒体はセキュリティ性が十分なカードとして実現することができる。
なお、図4(b)〜(e)の例についても同様に変造の検出が容易に行える。
【0034】
また、図5(a)〜(f)に示す実施例2の構成例の場合には、特殊な磁気パターンを形成する他に、強磁性体膜3または4およびその両方の厚みの変化を利用してそれぞれの膜を形成するものであるため、実施例1よりも更に変造検出精度の向上した実施例である。
例えば、図5(c)において区間Liにパンチ穴10が形成され、この部分を他の担体カードから切り取って埋め込んでも、磁気パターンの異なる膜は図20(b)の区間Liの出力信号波形とは異なる波形となって検出されるため変造カードであることを高精度で容易に判別することが可能である。
なお、同様に図5(a),(b),(d)〜(f)の変造検出も容易である。
更に、図6(a),(b)に示す実施例3の構成例の場合には、一種類の強磁性体膜4を用いて、特殊な磁気パターンを形成するとともに、その膜厚の変化を組み合わせて、簡易な構成でかつ高精度で変造が検出できるようにしている。
例えば、図6(b)において、区間Luにパンチ穴10が形成され、この部分を他の担体カードから切り取って埋め込んでも、磁気パターンの異なる膜は図21(b)の区間Lvと出力信号波形とは異なる波形となって検出される。このため、簡易な構成であっても高精度で変造を判別することができる。
以上、各実施例1乃至3におけるいずれの場合においても、変造は極めて困難であり、本発明記録媒体によれば確実に変造を検出することができる。
【0035】
〔比較例〕
次に、本発明の実施例1乃至実施例3と比較して、図22(a)〜(e)に示す例はどのような検出信号波形となるかについて図23(a)〜(d)に基づいて説明する。
図22(a)の場合、樹脂基板1上に1種類の強磁性体膜3が全面に均一に形成されている。この場合には図23(a)に示すように、検出信号波形は一様に波高値:Va,−Vaの三角波であれば三角波の繰り返し出力又はパルス波であればパルス波の繰り返し出力となって取り出される。
従って、例えば区間Laにパンチ穴10が形成され、使用度数が検出される場合、この穴を他の同様な担体カードの同様な部分を切り取って、貼り合わせたり埋め込んだりした場合、固有の磁気パターンを有していないため、正規のカードと同様に波形が検出されるので変造が可能である。
図22(b)の例は、樹脂基板1の表裏に強磁性体膜3および4を全面に均一にそれぞれ形成されている。この場合には図23(b)に示すように、検出信号波形は一様に波高値:(Va+Vb),−(Va+Vb)の繰り返し出力となって検出される。
従って、この場合も例えば区間Laにパンチ穴10が形成された場合、固有な磁気パターンを有していないため、図22(a)と同様にして切り貼りによる変造が可能である。
図22(c)の例は、樹脂基板1上の区間Laに1種類の強磁性体膜3を一定のパターンを有して形成され、それ以外の区間xには強磁性体膜3又は4は存在していない。この場合には、図23(c)に示すように、区間Laの検出信号波形は波高値:Va,−Vaの出力となって検出され、区間xの検出信号波形は何も出力されない。
従って、強磁性体膜3または4が存在しない領域xの位置にパンチ穴10があいた場合、この区間xでは磁気的な検出ができない区間であるため磁気的に穴を読み取れず、この穴を他の同様な担体カードの樹脂基板1を切り取って塞げば、変造が可能となってしまう。
【0036】
図22(d)の例は、樹脂基板1の区間Laに図22(c)と同様に1種類の強磁性体膜3をパターン化して形成され、その上を金属層2で覆った構成となっている。この場合には、図23(c)と同様に検出信号波形が取り出される。
従って、この場合も図22(c)の例と全く同様に変造が可能となってしまう。
図22(e)の例は、樹脂基板1の表側の区間Laに強磁性体膜3が一定のパターンを有して形成され、それ以外の区間には強磁性体膜3が存在しない構成となり、裏側の区間Leに強磁性体膜4を一定のパターンを有して形成され、それ以外の区間は強磁性体膜3,4が存在しない構成となっている。
この場合の検出信号波形は、図23(d)に示すように区間Laでは、波高値:Va,−Vaが検出され、区間leでは波高値:Vb,−Vbが検出される。一方区間zにおいては、表裏ともに強磁性体膜3,4が存在しないため検出信号波形は何も出力されない。
従って、強磁性体膜3又は4が存在しない領域zの位置にパンチ穴があいた場合、この区間zは磁気的な検出ができない区間であるため磁気的に穴を読み取れず、この穴を他の同様な担体カードの樹脂基板1を切り取って塞げば、変造が可能となる。
以上説明したように、強磁性体膜3又は4が存在しない場合、磁気パターン化されていない場合には変造され易いが、本発明はそれらが用いられ更に組み合わせられているので変造が困難である。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、プリペイドカードや証券類の偽造を防ぐために、異なった磁気特性の磁性膜を交互に形成あるいは、厚みを変えて磁気パターンを予め書き込んである偽造防止磁性体膜をある領域に貼り付け、用いるカード類の種別パターンと使用素材の正真性を検出することで簡単にかつ安全性の高い情報記録媒体を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる偽造防止用磁性体膜の拡大斜視図(a)と一部断面図(b)である。
【図2】本発明による偽造防止用磁性体膜を貼り付けたカードの一部を除去した斜視図(a)と一部断面図(b)である。
【図3】本発明を証券類に適用した実施例を示す斜視図である。
【図4】実施例1による偽造防止用磁性体膜の構造例を示す断面図(a)〜(e)である。
【図5】実施例2による偽造防止用磁性体膜の構造例を示す断面図(a)〜(f)である。
【図6】実施例3による偽造防止用磁性体膜の構造例を示す断面図(a)(b)である。
【図7】本発明による偽造防止用磁性膜を対象とする装置例の検知回路部の具体例を示す接続構成図である。
【図8】図7の具体例に用いられる第1,第2,第3の磁気センサの構成と動作を説明するための側面略図(a)(b)(c)である。
【図9】本発明による偽造防止用磁性膜を対象とする真偽判定装置例における判別回路部の具体例を示すブロック図である。
【図10】図9におけるパンチ穴位置判別回路の具体例を示すブロック図(b)とその動作を説明するための波形図(a)である。
【図11】図9における磁気特性判別回路の動作を説明するための波形図(a)とスペクトラム特性図(b)である。
【図12】図9における磁気特性判別回路の構成例を示すブロック図である。
【図13】図9におけるパターン情報読み出し回路の動作を説明するための波形図(a)(b)である。
【図14】図9におけるパターン情報読み出し回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】図9におけるカード種別判別回路の構成例を示すブロック図である。
【図16】図9におけるパンチ穴位置判別回路の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明による真偽防止用磁性膜の検知回路部の他の具体例を示す接続構成図である。
【図18】図4に示す偽造防止用磁性膜からの検知出力例を説明するための波形図(a)(b)(c)である。
【図19】図4に示す偽造防止用磁性膜からの検知出力例を示す波形図(a)(b)(c)(d)である。
【図20】図5に示す偽造防止用磁性膜からの検知出力例を示す波形図(a)(b)(c)(d)である。
【図21】図6に示す偽造防止用磁性膜からの検知出力例を示す波形図(a)(b)である。
【図22】比較例による偽造防止用磁性体膜の構造例を示す断面図(a)(b)(c)(d)(e)である。
【図23】図22に示す比較例からの検知出力を示す波形図(a)(b)(c)(d)である。
【図24】従来の記録担体カードの構造例を示す平面模式図(a)と断面図(b)(c)である。
【符号の説明】
1 樹脂基板
2 金属層
3 強磁性体膜
4 強磁性体膜
5 接着材
6 カード基板
7 第一の記録領域
8 本発明による偽造防止用磁性体膜(第二の記録領域)
9 印刷層
10 パンチ穴
11 磁気パターン
12 従来技術による強磁性体膜を含む第二の記録領域
13−1 第一の磁気センサ
13−2 第二の磁気センサ
13−3 第三の磁気センサ
14 直流電源
15 交流電源
16 記録媒体駆動装置
17a,17b,17c 信号増幅器
18 情報読み取り回路
19 パンチ穴検出回路
19−1 カウンタ回路
19−2 バッファ回路
20 磁気特性判別回路
20−1,20−2,…20−N バンドパスフィルタ
20−11,20−12,…,20−1N,20−21,20−22,…20−2N レベル判定回路
20−31,20−32 一致回路
21 パターン情報読み出し回路
21−1 カウンタ回路
21−2,21−3,21−4 バッファ回路
22 カード種別判別回路
22−1 カード種別判別情報レジスタ
22−2 パターン情報レジスタ
22−3 一致回路
23 パンチ穴位置判別回路
23−1 パンチ穴位置管理情報レジスタ
23−2 パンチ穴検出情報レジスタ
23−3 一致回路
24 その他カード情報判別回路
25 マイクロコンピュータシステム
26 安全保護紙
A 記録担体カード
36 カード基板
37 第一の記録領域
38 アモルファス強磁性体層
39 印刷層
40 バンチ穴
41 セキュリティコード
42 第二記録領域

Claims (5)

  1. 樹脂基板上に、管理対象情報が記録された第一の磁気記録領域と、セキュリティコードが記録されると共にパンチ穴をあける予定の第二の磁気記録領域とを備えた記録媒体において、
    前記第二の磁気記録領域に第一のアモルファス強磁性体膜と第二のアモルファス強磁性体膜との二種類のアモルファス強磁性体膜とが前記樹脂基板の面に沿う方向に配置されるように形成され、
    前記第一のアモルファス強磁性体膜は連続して形成されると共に一定周期の間隔で、前記樹脂基板の面から当該第一のアモルファス強磁性体膜の表面までの厚みが異なるように形成され、
    前記第二のアモルファス強磁性体膜は前記樹脂基板の面に交叉する方向において前記第一のアモルファス強磁性体膜と重なるように連続又は前記一定周期に対応する所定の間隔で形成されていることを特徴とするアモルファス強磁性体膜を有する記録媒体。
  2. 前記第一のアモルファス強磁性体膜と前記第二のアモルファス強磁性体膜とは、前記樹脂基板の同一面に重畳されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス強磁性体膜を有する記録媒体。
  3. 前記第一のアモルファス強磁性体膜と前記第二のアモルファス強磁性体膜とは、前記樹脂基板を挟んで互いに対面する位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス強磁性体膜を有する記録媒体。
  4. 前記連続で形成される第二のアモルファス強磁性体膜は、一定周期の間隔で異なる膜厚で形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のアモルファス強磁性体膜を有する記録媒体。
  5. 前記所定の間隔で形成される第二のアモルファス強磁性体膜は、前記第一のアモルファス強磁性体膜の膜厚の厚い箇所の内部に埋め込み配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス強磁性体膜を有する記録媒体。
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