JP4844787B2 - 土木用ブロック、土木構築物構造、土木構築物構造の構築方法及び土木用ブロックの製造方法 - Google Patents

土木用ブロック、土木構築物構造、土木構築物構造の構築方法及び土木用ブロックの製造方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、海岸、河川、湖沼等における施工面に多数配設して、緩傾斜提、潜堤等を形成したり、護床、根固め等を行う土木用ブロック、その土木用ブロックを用いた土木構築物構造、その土木構築物構造を構築する土木構築物構造の構築方法及び土木用ブロックの製造方法に関する。
【従来の技術】
【0002】
護岸工法として、重量物としての多数の土木用ブロックを施工面に積み重ねつつ敷設するものがある。この工法に用いられる土木用ブロックは、複雑な形状とされ(例えばテトラポット)、他の土木用ブロックと協働して、護岸機能、消波機能を確保することとされていたが、近年、この土木用ブロックは、特開平10−237846号公報に示すように、単に、消波機能、護岸機能を発揮するだけでなく、周囲の自然環境との調和、動植物の生息環境を保全すべく、コンクリート本体の表面に多数の石を固定したものが開発されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記土木用ブロックの構造の下では、その製造において、コンクリート本体の表面に多数の石を固定するに際して、石として、アンカー付きのものを用意する一方、複雑形状のコンクリート本体に、石の大きさを考慮しつつ取付け穴を多数あけ、その各取付け穴に各石をその各石のアンカーをもって逐一固定することになり、作業が行いにくいばかりか、コンクリート本体に対する石の固定作業が繁雑となる。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、重量安定性、周囲の自然環境との調和、動植物の生息環境の保全、護岸機能、消波機能を確保しつつ、製造を容易にできる土木用ブロックを提供することにある。の製造方法を提供することにある。
第2の技術的課題は、上記土木用ブロックを用いた土木構築物構造を提供することにある。
第3の技術的課題は、上記土木構築物構造を構築する土木構築物構造の構築方法を提供することにある。
第4の技術的課題は、前記土木用ブロックの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックにおいて、
前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されている構成としてある。
【0006】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項2に係る発明)にあっては、
施工面に、多数の土木用ブロックが敷設され、
前記各土木用ブロックは、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されている、ことを特徴とする土木構築物構造とした構成としてある。
【0007】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項3に係る発明)にあっては、
土木用ブロックとして、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されているものを用意し、
前記土木用ブロックをそのまま施工面に設置する、
ことを特徴とする土木構築物構造の構築方法とした構成とされている。
【0008】
上記第4の技術的課題を達成するために本発明(請求項4に係る発明)にあっては、
井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックを製造する土木用ブロックの製造方法であって、
可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、
次に、前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填し、
前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填する前に、前記木枠を底板上に固定する構成としてある。
【0009】
上記第4の技術的課題を達成するために本発明(請求項5に係る発明)にあっては、
井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックを製造する土木用ブロックの製造方法であって、
可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、
次に、前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填して、該コンクリートを前記可撓性シート製型枠と共に前記木枠の隙間に入り込むように膨出させる構成としてある。
【0010】
上記請求項5の好ましい態様としては、請求項6の記載の通りとなる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、当該土木用ブロックを施工面上に用いることによって、該施工面を覆うことになる台座をもって、護岸、護床、消波機能を実質的に発揮させることができる一方、当該土木用ブロックを、コンクリートの特性を利用(未硬化状態、硬化段階を利用)して、強度に関して高い信頼性を確保しつつ、容易に製造できることになる。
また、台座の少なくとも周囲に木材が配設されることから、完成後の使用段階において、その木材をもって当該土木用ブロックを違和感なく周囲の自然景観にとけ込ませることができると共に、木材を構成する自然木自体を海藻等の栄養源等として貢献させることができ、豊かな海等を作ることができることになる。勿論、当該土木用ブロックは、コンクリート製台座が該土木用ブロックの大部分を占めて重量物としての性格を示し、従前同様の重量安定性を確保することになり、また、台座上の複数の石は、周囲の自然景観に調和し、その各石の空隙は、虫、魚、貝類等の生息空間を確保することになる。
【0012】
また、木材が、台座を収納する木枠を構成していることから、その構造により、木枠を型枠として利用して台座を製造できるばかりか、その型枠としての木枠を残し、その木枠を周囲の環境に調和させる手段として生かしつつ、脱型の手間を省くことができることになる。さらに、構造上、木枠を型枠として利用した後、脱型することなくそのまま使用できることから、型枠の使用と脱型とを行う通常の場合とは異なり、型枠の数の制限を受けることなく、円滑に順次、当該土木用ブロックを製造できることになる。さらにまた、構造上、木枠を型枠として利用できることから、通常の鋼製の型枠とは異なり、大きさを容易に調整できることになり、当該土木用ブロックの重量調整を簡単に行うことができることになる。
【0013】
また、木枠と台座との間に可撓性シート製型枠が介在されていることから、木枠だけでなく可撓性シート製型枠をも型枠として利用して台座を確実に形作ることができることになる。勿論、使用開始後、長期に亘る使用により可撓性シート製型枠が消滅したとしても、そのことが、護岸、護床、消波機能に何等影響を与えることはない。
【0014】
また、木枠が井桁状に組まれた状態で形成されていることから、その木枠の井桁形状に基づく隙間により、魚等の生息空間を的確に確保できることになる。その一方、この木枠が井桁形状とされていても、その内部に可撓性シート製型枠が内蔵されることから、その可撓性シート製型枠によりコンクリートを受け止めて、台座を確実に形成することができることになる。
【0015】
さらに、台座の側面部が、可撓性シート製型枠と共に、木枠の隙間に入り込むように突出されていることから、単に台座側面部と木枠との摩擦だけでなく、その台座の側面部が木枠の隙間に入り込むことに基づいて係合関係を成立させることができ、木枠と台座との間の一体化を一層高めることができることになる。しかも、この係合関係を得るために、木枠の隙間と、製造段階におけるコンクリートの流動性と、可撓性シート製型枠とを有効に利用できることになる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、施工面に、多数の土木用ブロックが敷設され、前記各土木用ブロックは、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されていることから、前述の請求項1に係る土木用ブロックを施工面に用いて、護岸、護床、消波機能等を発揮する土木構築物構造を得ることができることになる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、土木用ブロックとして、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されているものを用意し、前記土木用ブロックをそのまま施工面に設置することから、当該方法により、前記請求項2に係る土木構築物構造を構築できるばかりか、施工面上の土木用ブロックにおいては、台座形成のための型枠としての木枠が残され、その木枠を周囲の環境に調和させる手段として生かしつつ、土木用ブロック製造時における脱型の手間を省くことができることになる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、次に、可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填することから、当該方法により、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックを具体的に製造できることになる。
【0019】
この場合、上記請求項4に係る発明により製造される土木用ブロックにおいては、前記請求項1に係る発明と同様、構造上、簡単に製造できる一方、コンクリート製台座により、重量安定性、護岸、護床機能等を確保でき、木枠により、周囲の自然環境との調和等を図ることができることになる。
また、可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填する前に、木枠を底板上に固定することから、コンクリートの注入を底板により確実に受け止めることができると共に、底板を予め浮かせた状態の下で当該土木用ブロックを製造し、その製造後における当該土木用ブロックの搬送作業(ロープ掛け、持ち上げ作業等)を容易にすることができることになる。
この場合、上記請求項4に係る発明により製造される土木用ブロックにおいては、木枠が底板上に固定され、木枠内に、底板上において台座が収納されていることから、台座と木枠との摩擦、係合だけでなく重量物としての台座の重さを利用して、底板を介して木枠が台座から離脱することを防止できることになる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、次に、前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填して、該コンクリートを前記可撓性シート製型枠と共に前記木枠の隙間に入り込むように膨出させることから、当該方法により、前述の請求項1に係る土木用ブロックを具体的に製造できることになる。また、木枠等を脱型することなく使用することから、型枠の使用と脱型とを行う通常の場合とは異なり、型枠の数の制限を受けることなく、円滑に順次、当該土木用ブロックを製造できることになる。さらに、木枠を型枠として利用することから、通常の鋼製の型枠とは異なり、大きさを容易に調整できることになり、当該土木用ブロックの重量調整を簡単に行うことができることになる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填する前に、木枠を底板上に固定することから、コンクリートの注入を底板により確実に受け止めることができると共に、底板を予め浮かせた状態の下で当該土木用ブロックを製造し、その製造後における当該土木用ブロックの搬送作業(ロープ掛け、持ち上げ作業等)を容易にすることができることになる。
【0022】
この場合、上記請求項6に係る発明により製造される土木用ブロックにおいては、木枠が底板上に固定され、木枠内に、底板上において台座が収納されていることから、台座と木枠との摩擦、係合だけでなく重量物としての台座の重さを利用して、底板を介して木枠が台座から離脱することを防止できることになる。
【発明の実施の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図6は第1実施形態を示すものである。その図1、図2において、符号1は、海岸の緩傾斜提であり、この緩傾斜提1には、実施形態に係る土木構築物構造(護岸構造)が適用されている。この緩傾斜提1においては、その施工面2(法尻、法面、法肩)上に裏込め層3を介して多数の第1実施形態に係る土木用ブロック4が護岸、消波機能を確保するために敷設されている。
【0025】
上記裏込め層3は、施工面2に沿いつつ、小石、砕石等により一定の厚みを有するように形成されており、この裏込め層3に基づき、地耐力、支持力を強化すると共に、表法面からの浸透水や提体からの浸出水(土砂粒を含む)に対するフィルターとしての効果を確保し、さらには、戻り波(戻り流れ)を減衰させて洗掘を低減させることになっている。
【0026】
上記土木用ブロック4は、図1〜図4に示すように、木枠(木材)5と、該木枠5内に設けられるコンクリート製台座6と、該台座6上面に設けられる複数の自然石7とから概略構成されている。
【0027】
上記木枠5は、図3、図4に示すように、角材からなる加工丸太8を互い違いに組み上げて井桁状に形成されており、その四隅における各交差部の加工丸太8は、長ボルトを貫通させてそれにナットを螺合することにより、連結されている。これにより、木枠5は、上方視において四角形状(本実施形態では一辺が2000mm前後の正方形)の内部空間9を区画すると共に、加工丸太8の積み上げ段のうち、存在しない個所において、その内部空間9と外部とが連通する隙間10を形成することになっている。尚、図2、図3において、上記長ボルト、ナット等により構成される一連の締結具を符号11をもって示す。
【0028】
この木枠5内には、図3、図4に示すように、可撓性シート製型枠としての布製型枠12が内蔵されている。布製型枠12は、化学繊維等の布を用いて、袋状に形成されており、その布製型枠12の側面は木枠5の内面に沿うようにして収容され、その上部開口部は断面略コ字状の留め具13をもって木枠5を構成する加工丸太8に留められている。尚、図3においては、木枠5を見やすくする関係上、布製型枠12の断面をとり、留め具13に関しては図示が略されている。
【0029】
上記台座6は、図3、図4に示すように、前記木枠5内における布製型枠12内において収納されて、木枠5の全内側容積を占めている。この台座6の側面6aは、木枠5(上下の加工丸太間)の隙間10が存在する個所において、多少、膨らんで、その膨らみ部16が布製型枠12と共にその隙間10に入り込んでおり、台座6の側面6aと木枠5とが係合して該木枠5が該台座6から確実に抜けないようにされている。その一方、台座6の上面6b及び下面6cは、平坦面を形成している。
【0030】
上記複数の自然石7は、図1〜図4に示すように、台座上面6bの全体に亘って固定されている。各自然石7は、その径が約300〜500mm(好ましくは400mm)程度とされており、その各自然石7は、台座上面6bに対応した金網17(平面視において正方形)の一面側に載置された状態で該金網17に取付座金18、打込みアンカー19を介して強固に取付けられ、その金網17とその各自然石7の下部(全体の1/3以下)とは、コンクリート製台座6内に埋め込まれている。これにより、台座6を構成するコンクリートが金網17の構成線材を包み込んで、台座6を構成するコンクリートと金網17の構成線材との間で係合関係が成立することになり、各自然石7に関し、2/3以上が台座上面6bから上方に突出していても、各自然石7と台座6とは強固に一体化されることになっている。この場合、金網17としては、菱形金網、亀甲金網等の種々のものを用いることができるが、金網17に代えて、合成樹脂ネット、カーボン繊維ネット、メッシュ、各種鉄筋、鉄骨(井桁状鉄筋、格子状鉄筋等)等を適宜用いてもよい。
【0031】
本実施形態においては、図4に示すように、前記木枠5の四隅下部に脚部31がそれぞれ設けられている。この各脚部31は短尺な角材(例えば、一辺が125mm前後の正方形の端面をもって延び方向長さが400mm前後とされるもの)をもって形成されており(図4は端面を示す)、その各脚部31は、前記締結具11を利用して木枠5の四隅下部に固定されて、木枠5、台座6等を裏込め層3から浮かせたような状態としている。これは、台座6の平坦な下面を凹凸のある裏込め層3上にそのまま載置した場合に、設置安定性が悪くなる(不安定となる)ことがあることを考慮し、それを解消すべく、4つの脚部31により、木枠5、台座6等を四点支持することとしているのである。
【0032】
このような土木用ブロック4は、次のようにして製造される。先ず、内部に前記布製型枠12を内蔵した井桁状の前記木枠5(図5参照)と、複数の自然石7を保持した自然石保持ユニット20(図6参照)とを用意する。上記木枠5には、前記布製型枠12が内蔵されており、その布製型枠12の上部開口部は留め具13をもって木枠5に留められている。
【0033】
一方、自然石保持ユニット20は、台座6の上面6bに対応した四角形状の金網17の一面側に複数の自然石7が満遍なく配置され、その各自然石7は、取付座金18、打込みアンカー19を用いて金網17に固定されている。この自然石保持ユニット20の製造においては、取付け穴(図示略)を有する自然石7を複数用意して、その複数の自然石7を取付け穴を上方に向けつつ作業面上に並べ、その複数の自然石7上に金網17を被せる。そして、各自然石7毎に金網17上に取付座金18を宛い、その取付座金18の挿通孔(図示略)、金網17の網目を介して打込みアンカー19を自然石7の取付け穴に打ち込み、各自然石7と金網17とを一体化することになる。勿論この場合、打込みアンカー19等に代えて、接着剤を用いて自然石7と金網17とを一体化してもよい。
【0034】
次に、図5に示すように、木枠5を作業土面上に載置する一方、各脚部31を、作業土(好ましくは砂地等)に埋める。次の工程におけるコンクリート充填時において、脚部31に基づく支持構造よって支障を受けることなく、コンクリートの受け面として作業土面を的確に利用するためである。
【0035】
次に、台座6を形成するべく、図6に示すように、上記木枠5内における布製型枠12内にコンクリートを充填する。この場合、できるだけ重量を確保する観点から、できるだけ内部に気泡が形成されないようにコンクリートを注入することが好ましい。また、このコンクリートの注入に際しては、中詰め材として、鉄鋼スラグ等の破棄物を投入してもよい。これにより、廃棄物が隔離処理できると共に、その廃棄物の重い重量を、台座6の重量として利用できることになる。勿論この場合、海水に不足している鉄分やシリカ等をも入れることもできる。
【0036】
次に、木枠5内のコンクリートと自然石保持ユニット15とを一体化するべく、図6に示すように、布製型枠12内のコンクリートが硬化する前に、該型枠12の上方開口から前記自然石保持ユニット20を入れる。このとき、自然石保持ユニット20は、その金網17を複数の自然石7よりも下側にしつつ、未硬化コンクリートに沈められ、金網17と各自然石7の下部(全体の1/3以下)とが、未硬化コンクリート内に埋め込まれ、各自然石7に関し、2/3以上が未硬化コンクリート上面6bから上方に突出することになっている。この場合、作業性の向上を図る観点から、金網17及び複数の自然石7に作用する未硬化コンクリートによる浮力(経時変化(硬化程度の変化)に伴う浮力を含む)を考慮し、自然石保持ユニット20を型枠13内の未硬化コンクリート上面6bに載置するだけで、その自然石保持ユニット20の重量とのバランスから、該自然石保持ユニット20が前記所望の深さだけ沈み込むように設定するのが好ましい。勿論、波の激しさを考慮し、波が激しいと予想される個所で使用されるものほど、自然石保持ユニット20(金網17)の沈み込み量を深くし、使用時に、金網17に対する台座6における硬化コンクリートの保持(係合)強度を高めるのがよい。
【0037】
この後、木枠5内の未硬化コンクリートの硬化を待ち、製造を終える。
【0038】
このように、上記土木用ブロック4は、コンクリート製台座6と金網17との物理的係合関係(硬化コンクリートが金網17の構成線材を包み込む関係)により、複数の自然石7(自然石保持ユニット15)が台座6上に保持される構造であることから、複数の自然石7(自然石保持ユニット15)を台座6上に強固に保持できるだけでなく、製造に際して、コンクリートの特性(未硬化状態、硬化段階)を利用して、その強固な保持を容易且つ迅速に得ることができることになる。しかも、型枠としての木枠5を残し、その木枠5を周囲の環境に調和させる手段として生かしつつ、脱型の手間を省くことができることになる。
【0039】
このような土木用ブロック4の多数は、緩傾斜提1を構築するに際しては、図2に示すように、裏込め層3上において適宜の配置関係をもって配置され、その各土木用ブロック4間における空隙部21には、間詰石22が充填されている。この場合、各隣り合う土木用ブロック4同士を、連結具を用いて連結しておくことが好ましく、また、布製型枠12の上部を除去して、木枠5が露出するようにしておくことが好ましい。
【0040】
したがって、このような緩傾斜提1においては、施工面2が、台座6、該台座6上の自然石7、さらには本実施形態では空隙部21に充填される間詰石22によっても覆われることになり、台座6、該台座6上の各自然石7、間詰石22の粗度等によって護岸(護床、根固め等をも含む)機能、消波機能、前海浜の洗掘防止効果が発揮されることになる。
【0041】
その一方、各土木用ブロック4は、コンクリート製台座6に基づく重量物としての性格により、また、好ましい態様としての土木用ブロック4同士の連結により、各土木用ブロック4の位置保持性(重量安定性)が高められることになる。しかも、間詰め石22に関しては、各横列における土木用ブロック4間に対して隣り合う横列の土木用ブロック4が臨む構成(千鳥配列構成)は、間詰め石2が流失すること(洗い流されること)を抑制することになる。このため、この緩傾斜提1においては、間詰め石22によっても護岸、消波機能を確実に発揮させることができることになる。
【0042】
勿論、台座6上の自然石7、空隙部21に充填される間詰石22は、周囲の自然景観に調和すると共に、その各自然石7等の空隙は、虫、魚、貝類等の生息空間ともなる。
【0043】
図7は第2実施形態、図8は第3実施形態、図9〜図11は第4実施形態、図12は第5実施形態、図13、図14は第6実施形態、図15〜図17は第7実施形態を示す。この各実施形態において、前記実施形態と同一構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図7に示す第2実施形態においては、埋設材として、前記実施形態に係る自然石保持ユニット20に代えて、アンカー23が各自然石7毎に用いられている。このアンカー23は、その一端部が自然石7に固定され、他端部は、硬化コンクリートとの抵抗を確保すべく折り曲げられている。これにより、アンカー23をもって簡単且つ的確に台座6に各自然石7を取付けることができると共に、アンカー付き自然石のアンカー23をコンクリートの未硬化時に個々に埋め込むことができ、台座6上面に対する各自然石7の配置位置を自由に決めることができることになる。勿論この場合にも、前記第1実施形態に係る脚部31を木枠5の四隅下部にそれぞれ設けて、4点支持構造としてもよい。
【0045】
図8に示す第3実施形態は、前記第1実施形態に係る土木用ブロック4の配置の変形例を示すものである。この第3実施形態においては、図8に示すように、土木用ブロック4が縦横に連続して列をなすように整然と配置されており、その隣り合う土木用ブロック4間に間詰石22が充填されている。これにより、この配置構造においても、護岸機能等を発揮することになる。
【0046】
図9〜図11に示すに示す第4実施形態は、消波機能等の他に、護床、根固めにも適した土木用ブロックを示している。この土木用ブロック4は、井桁状の木枠(木枠部又は基礎木枠部)40、木枠(木枠部又は積み上げ木枠)41が複数段(本実施形態においては二段)に積み上げられて、下段における木枠40内に台座6が収納され、その木枠40内の台座6上から上段における木枠41内に亘って中詰め石42が充填されている。
【0047】
すなわち、下段の木枠40内には、前記第1,第2実施形態同様、図11に示すように、折り畳んで箱形状とされた布製型枠(例えば不織布製型枠)12が内蔵されており(本実施形態においては、複数のコ字状の留め具を布製型枠12を介して木枠内面に打ち込むことにより複数個所で固定)、その布製型枠12内にコンクリートが注入されて、木枠40内には、前記実施形態同様、台座6が収納保持されている。
【0048】
一方、上段の木枠41は、布製型枠12を内蔵しておらず、その上段の木枠41は、下段における木枠40に対して積み重ねられた状態をもって連結されている。この連結においては、連結具として、前記第1実施形態に係る一連の締結具11が共通のものとして用いられており、その締結具11のうちの長ボルトが上下の木枠40,41の四隅に対して貫通され、その上下端部がナット締めされることになっている。勿論、別の連結方法として、下段における木枠40を一連の締結具11により組み立てた後、ワイヤ等の別の連結具を用いて、上段における木枠41を下段における木枠に対して連結してもよい。この上段の木枠41内及び下段の木枠40(下段の木枠40においては台座6の上方空間)には、中詰め石42が充填されており、その中詰め石42は、互いに噛み合うと共に木枠41とも噛み合って、木枠41と共に一体化されている。
【0049】
このような土木用ブロック4は、例えば前記図2、図8に示すようにして、施工面2上に配置され、護岸、消波ブロックとしてだけでなく、護床、根固め用ブロックとして用いられることになる。勿論この場合にも、前記第1実施形態に係る脚部31を木枠40の四隅下部にそれぞれ設けて、4点支持構造としてもよい。
【0050】
したがって、第4実施形態に係る土木用ブロック4においては、木枠40内に台座6を収納保持する一方、その台座6上の木枠41内等に中詰め石42を充填することから、特別な固定手段を講じなくても、前記第1、第2実施形態と同様の作用効果(重量安定性を確保すると共に護岸(護床、根固めを含む)、消波機能等を確保しつつ、迅速且つ容易に製造できる構造を得ること等)を得ることができ、しかも、木枠41の数を調整することにより、土木用ブロックの高さを所望のものとすることができることになる。
【0051】
このような第4実施形態に係る土木用ブロック4は、次のようにして製造される。先ず、下段における木枠40内の布製型枠12内にコンクリートを注入し、前記第1,第2実施形態と同様に、台座6を形成する。重量安定性を確保すべく、主重量を確保するためである。この場合、木枠40内における台座6の形成は、その木枠40を予め施工面2上に配置した後に行ってもよいし、施工面2以外の場所で台座6を形成した後に、その台座6を保有する木枠40を施工面2に搬送してもよい。尚、この段階における木枠40においては、一連の締結具11は、長ボルトの下端部にナットが螺合され、その長ボルトの上端側は、木枠40の四隅から突出した状態となっている。
【0052】
次に、上記台座6を保有する木枠40を施工面2に配置した後、図10に示すように、その木枠40の上に木枠41を積み重ね、両木枠40,41を連結する。具体的には、木枠40から突出している長ボルトに対して木枠41の四隅(加工丸太8の端部)を貫通させた後、その各長ボルトの上端部に対してナット締めが行われる。中詰め石42の充填空間を確保するためである。
【0053】
次に、中詰め石42を木枠41の上部開口から充填し、図9に示すように、1つの土木用ブロックを得る。さらなる重量を確保すると共に、護岸、護床、消波機能等を確保するためである。この場合、中詰め石42の充填時において、木枠40内の布製型枠12内のコンクリートは、未硬化でも、硬化状態のいずれでもよいが、コンクリートがある程度未硬化状態時に中詰め石42を充填した方が好ましい。コンクリートがある程度未硬化状態の場合、充填当初の中詰め石42をコンクリート内にある程度潜り込ませて、コンクリートの硬化後、その潜り込んだ中詰め石42と硬化コンクリート(台座6)との間で係合関係を確保させ、その潜り込んだ中詰め石42の他部を突出部として他の中詰め石42を係合させることができることになり、中詰め石42全体を一体化する観点、木枠41等に作用する中詰め石42の荷重を軽減する観点等から、好ましいからである。
【0054】
図12に示す第5実施形態においては、底板としてのコンクリート板25上に木枠5が前記締結具11を用いて固定されており、その木枠5内に台座6等が設けられている。この場合、木枠5と台座6との間に布製型枠12が介在されるが、台座6とコンクリート板25との間には布製型枠12は全体に亘って存在せず、布製型枠12は、製造段階において、木枠5の隙間10からコンクリートが流出することを防ぎ、木枠5の下方側からのコンクリートの流出防止に関しては、コンクリート板25に委ねることになっている。このため、この土木用ブロック4の製造に際しては、先ず、コンクリート板25上に布製型枠12を内蔵した木枠5を固定し、その後、前記第1実施形態において示した順序に従って製造することになる。尚、この実施形態においても、前記第1実施形態同様、脚部31が前記締結具11を用いて木枠5の四隅下部にそれぞれ取付けられて、4点支持構造とされている。
【0055】
したがって、当該土木用ブロック4においては、台座6と木枠5との摩擦、木枠5の隙間10への膨らみ部16の進入に基づく係合(図9においては図示略)だけでなく、重量物としての台座6の重さを利用して、コンクリート板25を介して木枠5が台座6から離脱(水中で浮き上がること等)することを確実に防止できることになる。また、コンクリート板25の存在により、製造時にコンクリートの注入を確実に受け止めることができると共に、コンクリート板25を複数の支持材(図示略)上に載せて予め浮かせた状態とし、その状態の下で当該土木用ブロックを製造できることになり、その製造後におけるロープ掛け、持ち上げ作業(フォークリフトの爪の進入)等を容易にできることになる。
【0056】
図13、図14に示す第6実施形態においては、木枠5内に自然石7を充填した土木用ブロック4を示している。この土木用ブロック4においては、その下部が金網28により覆われ、その上部が金網29により覆われており、その木枠5、金網28,29が区画する内部空間に自然石7が充填されている。この場合、各金網28,29は、木枠5の上下面に全周に亘ってそれぞれ固定されるアングル材26をもって該木枠5に保持されることになっている。このアングル材26は、木枠5の補強をも兼ねているが、本実施形態においてはさらに、補助アングル材27が図10に示すようにアングル材26に掛け渡されて、さらなる木枠5の補強が図られている。図11中、符号30は補助アングル材27を木枠5に留めるための長ボルトである。
【0057】
図15〜図17に示す第7実施形態は、台座6と木枠5とを連結部材としての略U字状の鉄筋51によって一体化を図ることとしたものを示している。すなわち、木枠5の各側面には、隙間10を利用して鉄筋51がそれぞれ挿入されており、その各鉄筋51は、その一端側が台座6内に進入している一方、その他端側が隙間10を貫通して木枠6外に突出している。この各鉄筋51は、互いに対向する一対の対向線部52と、各対向線部52の一端側に外に向けて折曲された状態で設けられる折曲部53と、その一対の対向線部52の他端側を湾曲状態をもってつなぐ連絡部54と、をもって構成されており、各対向線部52の一端側における折曲部53が台座6内に進入されて抜け止め機能を発揮し、対向線部52の他端側における連絡部54が、各土木用ブロック4を互いに連結するための引っ掛け部を構成することになっている。この場合、鉄筋51は、木枠5内における布製型枠12内へのコンクリート充填前にセットされるが、このとき、鉄筋51の対向線部52は、略U字形状に基づくばね性に基づき、隙間10を区画する上下の加工丸太10に付勢状態をもって係合し、木枠5に対する鉄筋51のセットが容易になされることになっている。そしてこの後、コンクリート充填を終えて、そのコンクリートが硬化した後には、鉄筋51の一端側においては、両対向線部52の間にも硬化コンクリートが存在することから、両対向線部52の拡縮性が規制され、各鉄筋は、台座6と木枠5とを一体化することになる。また、台座6上面の各自然石7は、その上下高さの2/3以上が台座6上面から突出しており、その各自然石7間の空間が動植物の生息空間として好ましいものとなっている。
【0058】
このような土木用ブロック4は、図1に示すように、消波ブロックとして用いられるだけでなく、図17に示すように、河川等において、その護床、根固め等を目的としても用いられる。尚、図17において、符号55は、コンクリート壁内に各自然石を2/3程度埋め込んで構成した護岸壁、符号56は水面を示す。
【0059】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次のような態様を包含する。
1)自然石7に代えて人工石を用いること。
2)木枠を井桁状に組まないときには、台座6と木枠5との間に連結手段を介在させること。
3)第1,第2,第4実施形態において、木枠5(40)底部に底板(例えば、コンクリート板、金網等)を設けること。
4)第4実施形態において、木枠の段数を3段以上とすること。
5)第4実施形態において、ネット、金網等で木枠の上面を覆って、中詰め石が、確実に流失しないようにすること。
6)各実施形態に係る土木用ブロックを、海、河川、湖沼等において、護岸(護床、根固めを含む)機能、消波機能等を発揮させるように適宜用いること。
【0060】
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として記載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る土木用ブロックを用いて構築される緩傾斜提を示す説明図。
【図2】図1に係る緩傾斜提を平面的に示す図。
【図3】第1実施形態に係る土木用ブロックを示す平面図。
【図4】第1実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図5】第1実施形態に係る土木用ブロックの製造工程を説明する説明図。
【図6】図5に続く製造工程を示す説明図。
【図7】第2実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図8】第3実施形態に係る土木用ブロックの配置を平面的に示す図。
【図9】第4実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図10】第4実施形態に係る土木用ブロックの製造工程を示す説明図。
【図11】第4実施形態に係る下段の木枠、布製型枠等の組付けを説明する説明図。
【図12】第5実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図13】第6実施形態に係る土木用ブロックを示す平面図。
【図14】第6実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図15】第7実施形態に係る土木用ブロックを示す平面図。
【図16】第7実施形態に係る土木用ブロックを示す縦断面図。
【図17】第7実施形態に係る土木用ブロックを用いて護床、根固めを図る状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 緩傾斜提
2 施工面
4 土木用ブロック
5 木枠
6 台座
7 自然石
10 隙間
12 布製型枠
16 膨らみ部
17 金網
25 コンクリート板

Claims (6)

  1. 井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックにおいて、
    前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されている、
    ことを特徴とする土木用ブロック。
  2. 施工面に、多数の土木用ブロックが敷設され、
    前記各土木用ブロックは、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されている、
    ことを特徴とする土木構築物構造。
  3. 土木用ブロックとして、井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在され、前記台座の側面部が、前記可撓性シート製型枠と共に、前記木枠の隙間に入り込むように突出されているものを用意し、
    前記土木用ブロックをそのまま施工面に設置する、
    ことを特徴とする土木構築物構造の構築方法。
  4. 井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックを製造する土木用ブロックの製造方法であって、
    可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、
    次に、前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填し、
    前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填する前に、前記木枠を底板上に固定する、
    ことを特徴とする土木用ブロックの製造方法。
  5. 井桁状の木枠内にコンクリート製台座が、該台座の周囲が囲まれるようにして収納され、前記木枠と前記台座との間に可撓性シート製型枠が介在されている土木用ブロックを製造する土木用ブロックの製造方法であって、
    可撓性シート製型枠を内面に沿うようにして内蔵する井桁状の木枠を用意し、
    次に、前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填して、該コンクリートを前記可撓性シート製型枠と共に前記木枠の隙間に入り込むように膨出させる、
    ことを特徴とする土木用ブロックの製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記可撓性シート製型枠内にコンクリートを充填する前に、前記木枠を底板上に固定する、
    ことを特徴とする土木用ブロックの製造方法。
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