JP4844603B2 - ラベル用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ラベル用紙に関する。
ラベル用紙は、ラベル、シール、ステッカ、ワッペンなどとして商業用、事務用、家庭用など広範囲な用途に用いられている。ラベル用紙には、印刷用ラベル用紙、インクジェットプリンタ用ラベル用紙、電子写真方式の画像形成装置用ラベル用紙、例えばレーザプリンタ用ラベル用紙(例えば、特許文献1参照)などがあり、それぞれ目的に応じた所望の印刷が施されて使用されている。これらのラベル用紙は一般に、ラベル基材と、剥離紙と、ラベル基材と剥離紙との間に形成された粘着層とから構成されており、例えばラベル基材に上記各種印刷法により所望の印刷が施された後、剥離紙から剥離紙と粘着層との間でラベル基材が剥がされて、そのラベル基材が貼付対象物に貼り付けられて使用される。
一方、紙幣や有価証券などのような特殊な文書(特殊文書)においては、偽造の防止が極めて重要である。このような特殊文書における偽造防止のために、特殊文書中に磁気的手段により検知可能な磁性材料などの金属繊維を漉き込んだり埋め込んだりする技術が従来より知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、近年、コンピュータやネットワークの普及により、膨大な情報の中から所望の情報を容易に取得し、取得した情報を印刷、複写することが可能となってきた。このため、秘匿性の高い情報が不正に複写もしくは印刷された印刷物が持ち出されることによって機密情報が漏洩するという問題がクローズアップされつつある。そこで、秘匿性の高い情報が不正に複写もしくは印刷された印刷物が持ち出されることによって機密情報が漏洩することを防止するために情報のセキュリティを強化した種々の装置や方法が提案されている。
例えば、用紙中に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料などの金属繊維を配合し、磁性材料の大バルクハウゼン効果を利用して、磁性材料に起因するパルス信号を検出装置によって検出することによって、用紙の存在を確認する方法が知られている。
また、ラベル用紙に関して、ラベルを貼付した対象品の真贋判定を正確に行うために、アモルファス強磁性体を基材上に転写可能に設けた感熱磁気転写箔から強磁性体膜がラベル基材上の一部に製造管理情報として転写される製品管理ラベル(例えば、特許文献3参照)や、書類に記載された機密情報を含む全ての情報を肉眼では読み取りできないようにするとともに、その書類の真偽を判定する照合機能を付与して書類の偽造防止を確実にした隠蔽シール(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
特開2005−164915号公報 特開平10−143708号公報 特開2007−78897号公報 特開2007−271965号公報
本発明は、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙である。
請求項1に記載の発明は、一方の面に印刷が施される紙であるラベル基材と、剥離紙と、前記ラベル基材のもう一方の面と前記剥離紙との間に形成された粘着層と、を有し、前記ラベル基材と前記剥離紙との間に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料が1つ以上配合され、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力をAとしたとき、前記磁性材料の最上部から前記ラベル基材の表面の間に前記粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在し、前記粘着層の前記剥離層側の面から前記ラベル基材側の面へ達し、前記ラベル基材には達しない切り込みを2以上有し、前記切り込みの間に磁性材料が存在するラベル用紙である。
ここで、ラベル用紙について、粘着層と剥離紙との間でラベル基材(粘着層および磁性材料を含む)を剥離紙から剥がし、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)に準じて、SUS板にそのラベル基材を貼り付け、指でラベル基材を引き剥がした際に、磁性材料の剥がれが見られないことにより、磁性材料の最上部からラベル基材の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在することが示される。
請求項2に記載の発明は、前記ラベル基材と前記粘着層との間に微粒子配合層を有する請求項1に記載の発明である。
請求項3に記載の発明は、前記ラベル基材と前記粘着層との間に発泡層を有する請求項1または2に記載の発明である。
請求項に記載の発明は、一方の面に印刷が施される紙であるラベル基材と、剥離紙と、前記ラベル基材のもう一方の面と前記剥離紙との間に形成された粘着層と、前記ラベル基材と前記粘着層との間に形成された遮蔽層と、を有し、前記ラベル基材と前記剥離紙との間に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料が1つ以上配合され、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力をAとしたとき、前記磁性材料の最上部から前記ラベル基材の表面の間に前記粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在し、前記粘着層の前記剥離層側の面から前記遮蔽層の前記ラベル基材側の面へ達し、前記ラベル基材には達しない切り込みを2以上有し、前記切り込みの間に磁性材料が存在するラベル用紙である。
請求項に記載の発明は、前記ラベル基材と前記遮蔽層との間、前記遮蔽層と前記粘着層との間のうち少なくとも一方に微粒子配合層を有する、あるいは前記遮蔽層に微粒子が配合されている請求項に記載の発明である。
請求項に記載の発明は、前記ラベル基材と前記遮蔽層との間、前記遮蔽層と前記粘着層との間のうち少なくとも一方に発泡層を有する、あるいは前記遮蔽層が発泡構造を有する請求項またはに記載の発明である。
請求項に記載の発明は、前記ラベル基材の粘着層側の面に離型剤が塗布されている請求項1〜のいずれか1項に記載の発明である。
本発明の請求項1によると、本構成を有さない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の請求項2によると、微粒子配合層を有さない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の請求項3によると、発泡層を有さない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の請求項によると、本構成を有さない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすく、磁性材料が目立ちにくい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する
本発明の請求項によると、微粒子配合層を有さない場合、あるいは遮蔽層に微粒子が配合されていない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の請求項によると、発泡層を有さない場合、あるいは遮蔽層が発泡構造を有さない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の請求項によると、ラベル基材の粘着層側の面に離型剤が塗布されていない場合に比較して、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすい、磁性材料を配合したラベル用紙を提供する。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の一例を示す断面概略図である。ラベル用紙1は、ラベル基材10と、剥離紙14と、ラベル基材10と剥離紙14との間に形成された粘着層12とを有し、ラベル基材10と剥離紙14との間、すなわち粘着層12に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料16が1つ以上配合されている。
ラベル用紙1は、例えば、ラベル基材10の表面(粘着層12側とは反対側の面)に所望の印刷などが施された後、ラベル基材10が粘着層12と剥離紙14との間で剥離紙14から剥がされ、図2に示すようにラベル基材10の裏面(粘着層12側の面)に残った粘着層12によりセキュリティ対象物26などの貼付対象物に貼り付けられて使用される。このとき、粘着層12には磁性材料16が含まれるため、磁性材料16はラベル基材10とともにセキュリティ対象物26などに貼り付けられることになる。
ラベル用紙1において、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層12との粘着力をAとしたとき、図2に示す磁性材料16の最上部からラベル基材10の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在する。
本実施形態において、磁性材料16の最上部からラベル基材10の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分を1つ以上存在させるために、以下のような方法のうち少なくとも1つを用いればよい。
(A)ラベル基材と粘着層との間に微粒子配合層を設ける
(B)ラベル基材の粘着層側の面に離型剤を塗布する
(C)ラベル基材と粘着層との間に発泡層を設ける
(D)粘着層の一方の面から他方の面への切り込みを2以上設け、切り込み間に磁性材料を存在させる
以下、これらの方法について説明する。
<(A)ラベル基材と粘着層との間に微粒子配合層を設ける方法>
例えば、図3に示すように、ラベル基材10と粘着層12との間に微粒子を含む微粒子配合層18を設ける。これにより、ラベル基材10と粘着層12との間の接着力が弱まり、セキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしても、ラベル基材10は剥がれるが、磁性材料16はセキュリティ対象物などに残りやすくなる。
微粒子配合層18は、例えば、熱可塑性樹脂と微粒子と溶媒とを混合した混合塗料をラベル基材10と粘着層12との間に塗布して形成すればよい。塗布する方法としては一般に公知の塗布装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータなどを適宜用いればよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル、エチレンアクリル酸共重合体、種々の分子量およびケン化度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン、デンプンの誘導体(酸化デンプン、カチオン化デンプンのような各種化工デンプン)、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコールなどの水溶性樹脂、ならびに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル−ウレタン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRラテックス)、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどの樹脂、エステル結合を有する樹脂、尿素樹脂などのポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂などのセルロース樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニルモノマとの共重合体樹脂、アクリル樹脂、さらにはニカワ、カゼイン、大豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムなどが例示され、これらのポリマは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートの微粒子などを用いればよい。微粒子の粒径(体積平均粒径)は、例えば、0.2μm以上20μm以下の範囲である。
溶媒としては、例えば、有機溶剤、水などを用いればよい。
微粒子配合層18の厚さは、例えば、2μm以上20μm以下の範囲である。
<(B)ラベル基材の粘着層側の面に離型剤を塗布する方法>
ラベル基材10の粘着層12側の面に離型剤を塗布する。これにより、ラベル基材10と粘着層12との間の接着力が弱まり、セキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしても、ラベル基材10は剥がれるが、磁性材料16はセキュリティ対象物などに残りやすくなる。
離型剤としては、シリコンオイルなどを用いればよい。離型剤を塗布する方法としては一般に公知の塗布装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータなどを適宜用いればよい。
<(C)ラベル基材と粘着層との間に発泡層を設ける方法>
例えば、図4に示すように、ラベル基材10と粘着層12との間に発泡構造を有する発泡層20を設ける。これにより、ラベル基材10と粘着層12との間の接着力が弱まり、セキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしても、ラベル基材10は剥がれるが、磁性材料16はセキュリティ対象物などに残りやすくなる。
発泡層20は、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とした所定の範囲の粘度の塗料を泡立て器などで泡立てた後、塗布することにより形成すればよい。塗布する方法としては一般に公知の塗布装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータなどを適宜用いればよい。
熱可塑性樹脂としては、微粒子配合層18に用いたものと同様のものを用いればよい。
使用する塗料の粘度としては、例えば、10mPa・s以上50,000mPa・s以下の範囲である。
発泡層20の厚さは、例えば、5μm以上60μm以下の範囲である。
<(D)粘着層の一方の面から他方の面への切り込みを2以上設け、切り込み間に磁性材料を存在させる方法>
例えば、図5のように、粘着層12に、粘着層12の一方の面(ラベル基材10側の面)から他方の面(剥離紙14側の面)への、粘着層12に対して平行でない切り込み22を2以上(図5の例では磁性材料16が2本に対して、切り込み22を3つ)設け、切り込み22間に磁性材料16を存在させる。これにより、セキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしても、切り込み22の部分で粘着層12が分断され、磁性材料16はセキュリティ対象物に残りやすくなる。
切り込み22の幅および長さは、粘着層12が分断されるように適宜設定すればよい。切り込み22の幅は、例えば、0.1mm以上5mm以下の範囲とすればよい。
本実施形態において、図6に示すように、ラベル基材10と粘着層12との間に遮蔽性を有する遮蔽層24を設けてもよい。遮蔽層24を設けることにより、例えばセキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしたときに、セキュリティ対象物に残った磁性材料16が隠蔽される。なお、粘着層12に遮蔽性を付与して、粘着層12が遮蔽層を兼ねる粘着遮蔽層としてもよい。
遮蔽層24を設けた場合は、磁性材料16の最上部からラベル基材10の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分を1つ以上存在させるために、以下のような方法のうち少なくとも1つを用いればよい。
(a)ラベル基材と遮蔽層との間、遮蔽層と粘着層との間のうち少なくとも一方に微粒子配合層を設ける、あるいは遮蔽層に微粒子を配合する
(b)ラベル基材の粘着層側の面に離型剤を塗布する
(c)ラベル基材と遮蔽層との間、遮蔽層と粘着層との間のうち少なくとも一方に発泡層を設ける、あるいは遮蔽層を発泡構造を有するものとする
(d)遮蔽層のラベル基材側の面から粘着層の剥離紙側の面への切り込みを2以上設け、切り込み間に磁性材料を存在させる
<(a)ラベル基材と遮蔽層との間、遮蔽層と粘着層との間のうち少なくとも一方に微粒子配合層を設ける、あるいは遮蔽層に微粒子を配合する方法>
例えば、図7に示すように、ラベル基材10と遮蔽層24との間に微粒子配合層18を設ける。あるいは、図8に示すように、遮蔽層24と粘着層12との間に微粒子配合層18を設ける。ラベル基材10と遮蔽層24との間、遮蔽層24と粘着層12との間の両方に微粒子配合層18を設けてもよい。また、図6の遮蔽層24に微粒子を配合して、遮蔽層24が微粒子配合層を兼ねる微粒子含有遮蔽層としてもよい。これらにより、ラベル基材10と遮蔽層24との間、あるいは遮蔽層24と粘着層12との間の接着力が弱まる。
<(b)ラベル基材の粘着層側の面に離型剤を塗布する方法>
本方法は、上記(B)の場合と同様に、ラベル基材10の粘着層12側の面に離型剤を塗布する方法である。
<(c)ラベル基材と遮蔽層との間、遮蔽層と粘着層との間のうち少なくとも一方に発泡層を設ける、あるいは遮蔽層を発泡構造を有するものとする方法>
例えば、図9に示すように、ラベル基材10と遮蔽層24との間に発泡層20を設ける。あるいは、図10に示すように、遮蔽層24と粘着層12との間に発泡層20を設ける。ラベル基材10と遮蔽層24との間、遮蔽層24と粘着層12との間の両方に発泡層20を設けてもよい。また、図6の遮蔽層24を発泡構造を有するものとして、遮蔽層24が発泡層を兼ねる発泡遮蔽層としてもよい。これらにより、ラベル基材10と遮蔽層24との間、あるいは遮蔽層24と粘着層12との間の接着力が弱まる。
<(d)遮蔽層のラベル基材側の面から粘着層の剥離紙側の面への切り込みを2以上設け、切り込み間に磁性材料を存在させる方法>
例えば、図11のように、粘着層12および遮蔽層24に、遮蔽層24のラベル基材10側の面から粘着層12の剥離紙14側の面への、粘着層12および遮蔽層24に対して平行でない切り込み22を2以上(図11の例では磁性材料16が2本に対して、切り込み22を3つ)設け、切り込み22間に磁性材料16を存在させる。これにより、セキュリティ対象物などからラベル基材10を剥がしても、切り込み22の部分で粘着層12および遮蔽層24が分断され、磁性材料16はセキュリティ対象物に残りやすくなる。
ラベル基材10としては、上質紙、クラフト紙、再生紙、コート紙などを使用すればよい。ラベル基材10の坪量は、例えば、50g/m以上180g/m以下の範囲で用いられる。
ラベル基材10に配合する内添剤としては、特に限定はなく、有機系および無機系の粒子であればよく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョークなどの炭酸カルシウム系填料や、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、およびタルクなどのケイ酸類や二酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ホワイトカーボン、サポナイト、ドロマイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイトなどの無機填料、ポリメチルメタクリレート粒子、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂粒子、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、およびスチレンなどの有機填料を使用すればよい。
さらに、ラベル基材には、サイズ剤などの各種薬品を内添または外添させてもよい。紙基材に添加してもよいサイズ剤の種類としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤が挙げられる。さらに、硫酸バンド、カチオン化澱粉などのサイズ剤と、定着剤とを組み合わせて使用してもよい。上記サイズ剤のうち、電子写真方式の画像形成装置において、画像が形成された後の用紙の保存性などの観点から、中性サイズ剤、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマ、アルケニルケテンダイマ、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂などを用いてもよい。また、表面サイズ剤として、酸化変性澱粉、酵素変性澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース変性体、スチレンアクリル系ラテックス、スチレンマレイン酸系ラテックス、アクリル系ラテックスなどを単独または組み合わせて使用してもよい。
さらに、ラベル基材には、紙力増強剤を内添あるいは外添してもよい。
紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド−エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体などを使用すればよく、これらの材料を単独あるいは混合して使用してもよい。
また、この他にも、染料、pH調整剤など、通常の紙媒体に配合される各種助剤を適宜使用してもよい。
粘着層12を構成するための粘着剤としては、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系、合成ゴム系の接着剤など、各種の粘着剤を使用すればよい。
粘着層12は、例えば、上記粘着剤をラベル基材10または剥離紙14の上に塗布することにより形成すればよい。
粘着層12の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下の範囲で形成される。
粘着層12の粘着力は、例えば、粘着層12に用いる粘着剤の種類、塗工量などにより調整すればよい。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力をAとしたとき、粘着力Aを2N/25mm以上とすることで、貼付対象物への貼付前のラベルの状態において、粘着層12と剥離紙14との接着の安定性が増す。粘着力Aの上限は、特に制限はないが、本実施形態においては、40N/25mm以下のものが用いられる。
剥離紙14としては、基紙を剥離剤で含浸処理あるいは表面処理したものを使用すればよい。基紙としては、上質紙、クラフト紙、ポリラミ紙、再生紙、コート紙などを使用すればよい。剥離剤としては、シリコーン樹脂系、ワックス類、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸アミドなどの剥離剤が挙げられ、シリコーン樹脂系の剥離剤が好ましい。剥離紙14の坪量は、例えば、50g/m以上180g/m以下の範囲で用いられる。剥離剤の基紙への含浸処理または表面処理は、公知の方法によって行えばよい。
磁性材料16は、大バルクハウゼン効果を有するものである。ここで、大バルクハウゼン効果について簡単に説明する。図12は、大バルクハウゼン効果を説明するための図である。大バルクハウゼン効果は、図12(a)に示すようなB−H(磁束密度−磁界)特性、つまり、ヒステリシスループがほぼ長方形で、保磁力(Hc)が比較的小さな材料、例えば、Co−Fe−Ni−B−Siにより構成されるアモルファス磁性材料を交番磁界中においた際に、急峻な磁化反転が起きる現象である。このため、励磁コイルに交流電流を流して交番磁界を発生させ、その交番磁界中に磁性材料を置くと、磁化反転時に、磁性材料の近傍に配置した検知コイルにパルス状の電流が流れることとなる。
例えば、励磁コイルにより図12(b)の上段に示すような交番磁界を発生させた場合、検知コイルには、図12(b)の下段に示すようなパルス電流が流れることとなる。
ただし、検知コイルに流れる電流には、交番磁界によって誘導される交流電流も流れており、パルス電流は、この交流電流に重畳されて検出されることとなる。また、複数の磁性材料を含むものを交番磁界中に置いた場合には、複数のパルス電流が重畳され、図12(c)に示すような電流が検出される。
磁性材料16としては、一般には永久磁石、例えば希土類系のネオジュウム(Nd)−鉄(Fe)−ボロン(B)を主成分としたもの、サマリウム(Sm)−コバルト(Co)を主成分としたもの、アルニコ系のアルミ(Al)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)を主成分としたもの、フェライト系のバリュウム(Ba)またはストロンチウム(Sr)と酸化鉄(Fe)を主成分としたものや、その他に軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料などがあるが、基本組成がFe−Co−SiやCo−FeNi系であるアモルファス磁性材料を用いることが好ましい。
磁性材料16の形状としては、大バルクハウゼン効果を起こすのに適した縦長の形状であれば特に限定されないが、大バルクハウゼン効果を起こすには、断面積に対して所定の長さが必要となってくることから、基本的にはワイヤ状や帯状などの繊維状であることが好ましく、ワイヤ状であることがより好ましい。
磁性材料16がワイヤ状である磁性体ワイヤの場合には、上述のような大バルクハウゼン効果を起こすために、その直径は10μm以上であることが好ましい。
磁性体ワイヤの長さは、大バルクハウゼン効果を起こすために10mm以上が好ましい。なお磁性体ワイヤの最大長については、ラベル用紙1の内部に含有されたときに、ラベル用紙1から露出されない程度の長さであればよく、特に限定はされないが、350mm以下であることが好ましい。なお、磁性体ワイヤの直径や長さは、ラベル用紙1中に含まれる全ての磁性体ワイヤの直径や長さが上述した範囲を満たすことが好ましいが、値に分布がある場合には、平均値として上述した範囲を満たすことが好ましい。また、磁性材料16の表面はパルス信号の出力を高くするなどのためにセラミック、ガラスなどの絶縁材料により絶縁処理されていてもかまわない。
遮蔽層24としては、遮蔽性を有するものであればよく特に制限はない。例えば、不透明化剤をラベル基材10と粘着層12との間に塗布する方法、ラベル基材10の裏面側(粘着層12側)に印刷する方法、上記粘着剤に顔料などを混合してラベル基材10と粘着層12との間に塗布する方法などにより遮蔽層24を形成すればよい。また、粘着層12を構成する粘着剤に顔料などを混合してラベル基材10と剥離紙14との間に塗布して、粘着層と遮蔽層とを兼ねた粘着遮蔽層とする構成にしてもよい。
遮蔽層24の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下の範囲で形成される。
<ラベル貼付セキュリティ対象物およびラベル剥離後セキュリティ対象物の検出方法および検出手段>
ラベル基材10が貼り付けられた後のセキュリティ対象物(ラベル貼付セキュリティ対象物)、ラベル基材10が剥がされた後のセキュリティ対象物(ラベル剥離後セキュリティ対象物)には、上述のように大バルクハウゼン効果を有する磁性材料16が含まれるため、磁界中にラベル貼付セキュリティ対象物あるいはラベル剥離後セキュリティ対象物(以降、「ラベル貼付セキュリティ対象物」および「ラベル剥離後セキュリティ対象物」のうち少なくとも1つのことをまとめて、「ラベル貼付セキュリティ対象物など」と呼ぶ場合がある)が置かれた場合に、磁性材料16に発生する電気的信号(例えば、図12に例示するパルス信号など)が、検出装置により検出される。
検出装置としては、上述した電気的信号が何らかの形で検出できるものであればその構成や使用態様は特に限定されるものではない。本実施形態においては、人間が通過できる程度の幅を有するように所定の位置に固定して配置された一対の非接触型の検出手段から構成される検出装置(本明細書において、「検出ゲート」と呼ぶ場合がある)を用いることが好適である。
この検出ゲートでは、一対の検出手段間に検出エリアが形成されるため、検出ゲートをラベル貼付セキュリティ対象物などが通過する際に、ラベル貼付セキュリティ対象物などの存在を感知する。例えば、持ち出しを禁止したい物品にラベルを貼り付け、この物品の不正持ち出しを防止するなどの用途に利用してもよい。ただし、本実施形態のラベル用紙は上述した用途での利用のみに限定されるものではない。
本実施形態に係るラベル用紙は、印刷用ラベル用紙、インクジェットプリンタ用ラベル用紙、レーザプリンタ、複写機などの電子写真方式の画像形成装置用ラベル用紙などとして使用してもよい。
本実施形態に係るラベル用紙は、1枚のラベル用紙に2枚以上のラベルを印刷して、それをそれぞれの大きさに切断して使用してもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
参考例1>
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、東洋紡績株式会社製MD1930)100質量部に、微粒子(PMMA、ガンツ化成株式会社製PM−030、体積平均粒径0.3μm)5質量部を混合した混合塗料をバーにより塗工することにより、微粒子配合層(膜厚5μm)を形成した。次に、微粒子配合層の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は20g/mであった。一方、剥離紙(リンテック株式会社製EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、微粒子配合層と、剥離紙と、微粒子配合層と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは14.6N/25mmであった。
参考例2>
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、離型剤(シリコンオイル、信越化学工業株式会社製KF−642)バーにより塗布した。次に、離型剤を塗工したラベル基材の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は6g/mであった。一方、剥離紙(64EVS、王子製紙株式会社製、坪量64g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、剥離紙と、ラベル基材と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは5.1N/25mmであった。
参考例3>
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、東洋紡績株式会社製MD−1930)100質量部を発泡装置(愛工舎製作所株式会社製KENMIX)により泡立てた後、バーにより塗工することにより、発泡層(膜厚15μm)を形成した。この塗料の粘度は1500mPa・sであった。次に、発泡層の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は24g/mであった。一方、剥離紙(64EVS、王子製紙株式会社製、坪量64g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、発泡層と、剥離紙と、発泡層と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは15.8N/25mmであった。
<実施例
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は21g/mであった。粘着層に、直径1mmの金属棒により、粘着層の一方の面から他方の面への切り込みを約10mm間隔で20個設けた。一方、剥離紙(リンテック株式会社製剥離紙EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を、各切り込みの間に磁性材料が配置されるように貼り合わせて、ラベル基材と、剥離紙と、ラベル基材と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは14.9N/25mmであった。
参考
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、微粒子(PMMA、ガンツ化成株式会社製PM−030、体積平均粒径0.3μm)5質量部と、顔料(チタン系、赤穂化成株式会社製Tilack D)5質量部とを含む混合塗料をバーにより塗工して、微粒子含有遮蔽層(膜厚8μm)を形成した。微粒子含有遮蔽層の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は20g/mであった。一方、剥離紙(リンテック株式会社製剥離紙EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、微粒子含有遮蔽層と、剥離紙と、微粒子含有遮蔽層と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは14.3N/25mmであった。
参考
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、熱可塑性樹脂(ポリエステル系樹脂、東洋紡績株式会社製製MD−1930)100質量部と、顔料(炭酸カルシウム、白石工業株式会社製MD−1930)10質量部とを混合した混合塗料を発泡装置(愛工舎製作所株式会社KENMIX)により泡立てた後、バーにより塗工することにより、発泡遮蔽層(膜厚10μm)を形成した。この混合塗料の粘度は2500mPa・sであった。次に、発泡遮蔽層の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は22g/mであった。一方、剥離紙(リンテック株式会社製剥離紙EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、発泡遮蔽層と、剥離紙と、発泡遮蔽層と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは14.7N/25mmであった。
<実施例
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、バーにより遮蔽層(膜厚5μm)を形成した。遮蔽層の上に接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製HV−C9500)をバーにより塗工した。塗工量は25g/mであった。粘着層および遮蔽層に、直径1mmの金属棒により、遮蔽層のラベル基材側の面から粘着層の剥離紙側の面への切り込みを約10mm間隔で20個設けた。一方、剥離紙(リンテック株式会社製剥離紙EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を、各切り込みの間に磁性材料が配置されるように貼り合わせて、ラベル基材と、遮蔽層と、剥離紙と、遮蔽層と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは17.2N/25mmであった。
<比較例1>
ラベル基材(富士ゼロックス株式会社C2紙、坪量70g/m)の一方の面に、接着剤(アクリル系、東亞合成株式会社製)をバーにより塗工した。塗工量は2g/mであった。一方、剥離紙(リンテック株式会社製剥離紙EN80シロP、坪量80g/m)の一方の面の上に、ワイヤ状の磁性材料(組成Feベース、直径30μm、長さ20mm)10本を約20mm間隔になるように配置し、その上から接着剤を塗工したラベル基材を貼り合わせて、ラベル基材と、剥離紙と、ラベル基材と剥離紙との間に形成された粘着層とを有するラベル用紙を作製した。
比較例1では、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力Aは1.6N/25mmであった。
<評価方法>
(剥がれ評価)
実施例1,2、参考例1〜5および比較例1のラベル用紙について、粘着層と剥離紙との間でラベル基材(粘着層および磁性材料を含む)を剥離紙から剥がし、JIS Z 0274(180度引き剥がし法)に準じて、SUS板にそのラベル基材を貼り付けた。指でラベル基材を引き剥がした際に磁性材料も剥がされるかどうかを以下の基準で評価した(サンプル数N=10)。磁性材料の剥がれが見られないことにより、磁性材料の最上部からラベル基材の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在することが示される。結果を表1に示す。
○:磁性材料の剥がれは見られなかった
×:磁性材料の剥がれが見られた
(パルス値評価)
実施例1,2、参考例1〜5および比較例1のラベル用紙について、粘着層と剥離紙との間でラベル基材(粘着層および磁性材料を含む)を剥離紙から剥がし、そのラベル基材を貼付対象物に貼り付けた。その後、ラベル基材を剥離して、その貼付対象物(以下、「ラベル剥離後貼付対象物」と呼ぶ場合がある)の存在を確認することができるかどうか評価した。
ラベル剥離後のラベル剥離後貼付対象物の存在の検出精度を評価するために、図13に示す検出ゲート(ユニパルス株式会社製、磁性ワイヤ方式物品監視システム、商品名:SAS)を用いて、検出されるかどうか評価した。
評価に用いた検出ゲートは、交番磁界を形成する励磁コイルとラベル剥離後貼付対象物100中の磁性体ワイヤの磁化反転を検出する検出コイルとを備えた2つの検出器を対にして配置したものである。図13は、実施例の評価に用いた検出ゲートの構成を示す概略模式図であり、図13(A)は検出ゲートの正面図であり、図13(B)は、検出ゲートを構成する一方の検出器を側面から観察した場合(図13(A)中の矢印X方向から観察した場合)の側面図であり、図13(C)は、検出ゲートを構成する一方の検出器を上方から観察した場合(図13(A)中の矢印Y方向から観察した場合)の上面図である。また、図中、100が(A4サイズの)ラベル剥離後貼付対象物、300が検出ゲート、302が第1の検出器、304が第2の検出器、400が床面を表し、また、Hは床面400からラベル剥離後貼付対象物100までの高さ、Eが第1の検出器302の(長辺側の)側端部からラベル剥離後貼付対象物100の短辺の中心点までの距離を表す。
図13に示すように検出ゲート300は、床面400上に対向配置された第1の検出器302と第2の検出器304とから構成され、第1の検出器302および第2の検出器304は同等の構成を有し、その高さは約1.5mである。また、2つの検出器302、304間の距離は約0.9mである。ここで、パルス信号の測定は、23℃,30%RH環境下にて、図13に示すようにラベル剥離後貼付対象物100を床面400と平行にした状態で、ラベル剥離後貼付対象物100の一方の短辺を第1の検出器302の第2の検出器304が配置された側の面に接触させて静止した状態で実施した。なお、床面400からラベル剥離後貼付対象物100までの高さHは1250mmとし、第1の検出器302の側端部からラベル剥離後貼付対象物100の短辺の中心点までの距離Eは200mmとした。また、測定に際しては、第1の検出器302のラベル剥離後貼付対象物100を接触させる面内において、床面からの高さH、第1の検出器302の側端部からの距離Eの位置の交番磁界の最大強度が、9.2Oeとなるように設定した。
評価は、各々の実施例、比較例で得られたラベル剥離後貼付対象物について10回検出されるかどうかを確認し、以下の基準で評価した。
○:100%検出可能
×:検出100%未満
Figure 0004844603
表1からわかるように、実施例1,2のラベル用紙は、磁性材料の最上部からラベル基材の表面の間に粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在するために、貼付対象物からラベル基材を剥がしても磁性材料が貼付対象物に残りやすいので、より確実に磁性体ワイヤの大バルクハウゼン効果によるパルス信号が検出された。
本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態において、ラベル基材がセキュリティ対象物に貼り付けられた後のラベル貼付セキュリティ対象物の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るラベル用紙の構成の他の例を示す概略断面図である。 大バルクハウゼン効果を説明するための図である。 実施例の評価に用いた検出ゲートの構成を示す概略模式図である。
符号の説明
1 ラベル用紙、10 ラベル基材、12 粘着層、14 剥離紙、16 磁性材料、18 微粒子配合層、20 発泡層、22 切り込み、24 遮蔽層、26 セキュリティ対象物、100 ラベル剥離後貼付対象物、300 検出ゲート、302 第1の検出器、304 第2の検出器、400 床面。

Claims (7)

  1. 一方の面に印刷が施される紙であるラベル基材と、剥離紙と、前記ラベル基材のもう一方の面と前記剥離紙との間に形成された粘着層と、を有し、
    前記ラベル基材と前記剥離紙との間に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料が1つ以上配合され、
    JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力をAとしたとき、前記磁性材料の最上部から前記ラベル基材の表面の間に前記粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在し、
    前記粘着層の前記剥離層側の面から前記ラベル基材側の面へ達し、前記ラベル基材には達しない切り込みを2以上有し、前記切り込みの間に磁性材料が存在することを特徴とするラベル用紙。
  2. 請求項1に記載のラベル用紙であって、
    前記ラベル基材と前記粘着層との間に微粒子配合層を有することを特徴とするラベル用紙。
  3. 請求項1または2に記載のラベル用紙であって、
    前記ラベル基材と前記粘着層との間に発泡層を有することを特徴とするラベル用紙。
  4. 一方の面に印刷が施される紙であるラベル基材と、剥離紙と、前記ラベル基材のもう一方の面と前記剥離紙との間に形成された粘着層と、前記ラベル基材と前記粘着層との間に形成された遮蔽層と、を有し、
    前記ラベル基材と前記剥離紙との間に大バルクハウゼン効果を有する磁性材料が1つ以上配合され、
    JIS Z 0274(180度引き剥がし法)によるSUS板と粘着層との粘着力をAとしたとき、前記磁性材料の最上部から前記ラベル基材の表面の間に前記粘着力Aより粘着力が小さい部分が1つ以上存在し、
    前記粘着層の前記剥離層側の面から前記遮蔽層の前記ラベル基材側の面へ達し、前記ラベル基材には達しない切り込みを2以上有し、前記切り込みの間に磁性材料が存在することを特徴とするラベル用紙。
  5. 請求項に記載のラベル用紙であって、
    前記ラベル基材と前記遮蔽層との間、前記遮蔽層と前記粘着層との間のうち少なくとも一方に微粒子配合層を有する、あるいは前記遮蔽層に微粒子が配合されていることを特徴とするラベル用紙。
  6. 請求項またはに記載のラベル用紙であって、
    前記ラベル基材と前記遮蔽層との間、前記遮蔽層と前記粘着層との間のうち少なくとも一方に発泡層を有する、あるいは前記遮蔽層が発泡構造を有することを特徴とするラベル用紙。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のラベル用紙であって、
    前記ラベル基材の粘着層側の面に離型剤が塗布されていることを特徴とするラベル用紙。
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