JP2010058318A - 隠蔽はがき - Google Patents

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Abstract

【課題】セキュリティ性の高い隠蔽はがきを提供する。
【解決手段】隠蔽はがき10は、秘匿情報記入欄111を設けたはがき本体部11と、はがき本体部11にミシン目mを挟んで連設され、ミシン目mの折返しで少なくとも秘匿情報記入欄111を被覆可能な隠蔽部12とからなるものとした。この隠蔽部12は、隠蔽基材13上に、少なくとも剥離層14と、樹脂転写層15と、粘着層16と、剥離シート17とが積層されて形成されており、樹脂転写層15は、秘匿情報記入欄111側に粘着層16とともに転写された際に、はがき本体部11から実質的に剥離不可能な程度の脆弱性を有するものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、はがきに記載された秘匿情報を隠蔽可能な隠蔽基材を有する隠蔽はがきに関するものである。
従来、記入された個人情報等の情報を保護する目的で、はがき等に連接された又は別体であって透明タック紙を備えた隠蔽ラベルを情報が記入された部分に貼付することにより隠蔽可能な隠蔽はがきが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような隠蔽はがきでは、正当な受取人が隠蔽ラベルを剥がして情報を確認するまでの間に、悪意ある第三者による二次記入等の情報の改ざんや、情報の盗視を防止する目的で、様々な工夫がなされている。
特開2006−330218号公報
しかし、このような隠蔽はがきにおいて、さらなるセキュリティの向上は、常々求められていることである。
本発明の課題は、セキュリティ性の高い隠蔽はがきを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、秘匿情報記入欄(111)を設けたはがき本体部(11)と、前記はがき本体部に折り線(m)を挟んで連設され、前記折り線の折返しで少なくとも前記秘匿情報記入欄を被覆可能な隠蔽部(12)とからなる隠蔽はがきであって、前記隠蔽部は、隠蔽基材(13)上に、少なくとも剥離層(14)と、樹脂転写層(15)と、粘着層(16)とが積層されて形成されており、前記樹脂転写層は、前記秘匿情報記入欄側に前記粘着層とともに転写された際に、前記はがき本体部から実質的に剥離不可能な程度の脆弱性を有すること、を特徴とする隠蔽はがき(10,20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の隠蔽はがきにおいて、前記樹脂転写層(15)は、破断強度が0.1〜5.0N/25mmであること、を特徴とする隠蔽はがき(10,20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の隠蔽はがきにおいて、前記樹脂転写層(15)は、厚さが5〜50μmであることを特徴とする隠蔽はがき(10,20)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の隠蔽はがきにおいて、前記剥離層(14)と前記粘着層(16)との間に、エネルギーを付加することによって有色から無色へと可逆的に変色する変色インキ層を有すること、を特徴とする隠蔽はがきである。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明による隠蔽はがきは、秘匿情報記入欄を設けたはがき本体部と、そのはがき本体部に折り線を挟んで連設され、折り線の折返しで少なくとも秘匿情報記入欄を被覆可能な隠蔽部を備えており、この隠蔽部は、隠蔽基材上に、少なくとも剥離層と、樹脂転写層と、粘着層とが積層されて形成され、樹脂転写層は、秘匿情報記入欄側に粘着層とともに転写された際に、はがき本体部から実質的に剥離不可能な程度の脆弱性を有している。
従って、悪意ある第三者が、情報を改ざんするために秘匿情報記入欄上に転写された樹脂転写層を剥離しようとすると、その脆弱性によって樹脂転写層が修復不能に破断し、剥離することができない。
また、隠蔽部をはがき本体部から剥離すると、樹脂転写層の表面は、その脆弱性等により微細な凹凸を有する状態となるので、悪意ある第三者が、秘匿情報記入欄に偽造を目的とした偽情報を記入した場合にも、その字体や文字のインク等の質感等により、二次的な記入の有無を検知することができる。
(2)樹脂転写層は、破断強度が0.1〜5.0N/25mmであるので、はがき本体部から剥離しようとすると修復不能に破断して層状には剥離不能であるので、改ざんの防止及び検知することができる。
(3)樹脂転写層は、厚さが5〜50μmであるので、はがき本体部から剥離しようとすると修復不能に破断して層状には剥離不能であるので、改ざんの防止及び検知することができる。
(4)隠蔽部は、剥離層と粘着層との間に、エネルギーを付加することによって有色から無色へと可逆的に変色する変色インキ層を有するので、エネルギーを付加しない状態では、秘匿情報記入欄が変色インキ層によって被覆され、秘匿情報記入欄に記入された情報を視認することができないが、エネルギーを付加することによって秘匿情報記入欄に記入された情報が視認可能になる。従って、悪意ある第三者が、隠蔽部を剥離したとしても、情報を視認することができず、情報の盗視を防止できる。
以下、図面等を参照しながら、本発明の隠蔽はがきの実施形態について、詳細に説明する。
図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の隠蔽はがきを示す図である。図1(a)は、第1実施形態の隠蔽はがき10を表面側(宛名面側)から見た平面図であり、図1(b)は、隠蔽はがき10を裏面側から見た平面図である。図1(c)は、図1(b)に示す矢印A−Aに沿って切断した断面図である。なお、理解を容易にするために、図1(a),(b)では、はがき本体部11の短辺方向を矢印X方向とし、長辺方向を矢印Y方向として示している。この矢印X方向と矢印Y方向とは直交する。
第1実施形態の隠蔽はがき10は、はがき本体部11と、隠蔽部12とを有する矩形のシート状の部材である。
はがき本体部11は、はがきとして使用される矩形の部分であり、図1(a)に示すように、表面11aには、宛名欄や切手欄等を有し、裏面11b側には、情報を記入可能な秘匿情報記入欄111を有している。このはがき本体部11は、上質紙等の紙製である。
はがき本体部11には、折り線となるミシン目mを介して後述する隠蔽部12(隠蔽基材13)が連接して設けられている。
秘匿情報記入欄111は、はがき本体部11の裏面11bの少なくとも一部に設けられた筆記又は印字可能な領域であり、鉛筆やボールペン等の筆記具や印刷等によって情報を記入可能な領域である。本実施形態では、秘匿情報記入欄111には、はがき本体部11の裏面11bの隠蔽部12に近接する領域に形成されている。
また、秘匿情報記入欄111には、第三者に対して秘匿する情報、例えば、この隠蔽はがき10が通信販売等の申し込みの際に利用されるものである場合には、購入希望者である差出人の住所や氏名等の個人情報や、申し込み商品の番号や支払い方法に関する情報(銀行の口座番号やクレジットカードのカード番号等)が記入可能である。
隠蔽部12は、隠蔽基材13と、隠蔽基材13に積層された剥離層14と、樹脂転写層15と、粘着層16と、剥離シート17とを有している。
隠蔽基材13は、隠蔽部12の基材となる部材であり、はがき本体部11の長辺の延長方向に、折り線となるミシン目mを介して連続して設けられ、はがき本体部11と同一の上質紙等により形成されている。この隠蔽基材13は、ミシン目mに沿ってはがき本体部11の裏面11b上に重ねるように折り曲げた場合に、秘匿情報記入欄111の全域を被覆して記入された情報を十分隠蔽することが可能な大きさを有している。
隠蔽基材13は、図1(c)に示すように、使用前の状態(隠蔽はがき10をミシン目mに沿って折らない状態)において、秘匿情報記入欄111と同一平面となる面(裏面)13b上に、剥離層14,樹脂転写層15,粘着層16,剥離シート17が積層されて形成されている。
本実施形態の隠蔽基材13は、矩形であり、図1に示すX方向の寸法は、はがき本体部の短辺の寸法に等しく、Y方向の寸法は、秘匿情報記入欄111のY方向における寸法より大きいものとした。
また、本実施形態の隠蔽基材13は、光源等に隠蔽はがき10を透かした場合に、秘匿情報記入欄111の情報が視認可能となることを防ぐ目的で、その表面13aに地紋等が印刷されている。
剥離層14は、隠蔽基材13の裏面13b上に形成された層であり、隠蔽部12(隠蔽基材13)をはがき本体部11に対して剥離可能とする剥離性を有する層である。
この剥離層14は、アクリル系、シリコーン系等の樹脂を隠蔽基材13の裏面11b上に印刷することにより形成されている。本実施形態の剥離層14は、シリコーン系樹脂により形成されている。
樹脂転写層15は、剥離層14上(剥離層14の隠蔽基材13とは反対側)に、紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型インク)等を印刷することにより形成されている。本実施形態の樹脂転写層15は、透明又は半透明な層である。
この樹脂転写層15は、秘匿情報記入欄111側に粘着層16とともに転写された際に、はがき本体部11から実質的に剥離不可能な程度の脆弱性を有している。
本実施形態の樹脂転写層15は、メジウムインキを印刷することにより形成され、その塗布量が20g/mであり、その膜厚が20μm程度である。樹脂転写層15は、塗布量が5〜50g/m、膜厚が5〜50μmの範囲内であれば、破断強度が0.1〜5.0N/25mmの範囲内となり、はがき本体部11に転写した後に剥離不能となる脆弱性を有するので、この範囲内で適宜自由に設定してよい。破断強度の測定方法に関しては、後述する。
粘着層16は、樹脂転写層15上(樹脂転写層15の隠蔽基材13とは反対側)に形成された粘着性を有する層であり、その粘着性によって隠蔽部12をはがき本体部11に貼付する機能を有する。この粘着層16は、透明又は半透明の層である。
粘着層16は、アクリル系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を印刷することにより形成することができる。
本実施形態の粘着層16は、塗布量が20g/mであり、その膜厚が20μmである。粘着層16の塗布量は、5〜100g/m、その膜厚が5〜100μmの範囲内であれば、適宜自由に設定してよい。
剥離シート17は、粘着層16上に積層された剥離性を有する剥離部材であり、粘着層16の表面を保護する機能を有する。本実施形態の剥離シート17は、その表面にシリコーン樹脂等が塗布された剥離紙を用いているが、アクリル系やPVA(ポリビニルアルコール)等のその他の樹脂によって剥離性を付与したプラスチックフィルム等を用いてもよい。
本実施形態の隠蔽はがき10は、この剥離シート17が積層された形態で、使用者に提供可能である。
ミシン目mは、隠蔽部12をはがき本体部11側へ折返す折り目であり、はがき本体部11と隠蔽部12(隠蔽基材13)との境界部分に形成されている。このミシン目mは、隠蔽部12をはがき本体部11側へ折り曲げ易くする機能を有する。
本実施形態では、剥離層14、樹脂転写層15、粘着層16、剥離シート17が、隠蔽基材13の裏面13bの法線方向から見て同じ面積及び形状であって隠蔽基材13の裏面13bに秘匿情報記入欄を111を被覆可能な大きさで形成されている。
また、本実施形態の隠蔽はがき10は、剥離シート17を剥離して隠蔽部12を秘匿情報記入欄111上に貼付した状態での重量(すなわち、はがき本体部11と、剥離シート17を除く隠蔽部12とを合わせた重量)及び寸法(すなわち、はがき本体部11の寸法)は、第2種郵便物として郵便規則によって規定される重量(2g以上6g以内)及び寸法(長さ14cm〜15.4cm、幅9cm〜10.7cm)を満たしている。
ここで、本実施形態の樹脂転写層15の破断強度を、従来の透明タック紙に使用される透明フィルムやグラシン紙の破断強度、上質紙の破断強度と比較した結果を示す。
本実施形態の樹脂転写層15の例としてサンプル1,2を以下のように作成した。
まず、剥離紙としてPETセパレーター(東レフィルム加工株式会社製、商品名「セラピールMFA(A)」)を用い、そのPETセパレーター表面に対して紫外線硬化型樹脂(ザ・インクテック株式会社製、商品名「UV BF SGメジウム」)を塗布厚が20μmとなるようアプリケーターを用いて塗工した後、市販の紫外線照射装置を用いて200mJの紫外光を照射し、PETセパレーター上に樹脂転写層を作製した。
次に、PETセパレーターから樹脂転写層を剥がした後、25mm×150mmにカットし、破断強度測定用のサンプル1を作製した。サンプル2は、厚さが50μmである点以外は、サンプル1と同様である。
サンプル3は、厚さが12μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルム(東洋紡績株式会社製 E5100)を、25mm×150mmのサイズにカットして作製した。
サンプル4は、厚さが20μmの市販のグラシン紙を、25mm×150mmのサイズにカットして作製した。
サンプル5は、米坪量64g/mの上質紙(王子製紙株式会社製 OK55)を、25mm×150mmのサイズにカットして作製した。
上記のように作製した各サンプルを、JIS Z0237の規格に準拠した条件で引張り試験機(株式会社エーアンドディー製、商品名「RTF−1150−H」)を用いて、その破断強度を測定した(引張条件:速度300mm/分、引張試験機のチャック間距離:100mm)。
Figure 2010058318
表1は、上記破断強度の測定結果を示している。
表1に示すように、紫外線硬化型樹脂(メジウムインキ)により形成されたサンプル1,2は、それぞれ破断強度が1.10N/25mm、1.72N/25mmであった。
これに対して、PETフィルム製のサンプル3は、その破断強度が29.9N/25mm、市販のグラシン紙製のサンプル4は、その破断強度が28.8N/25mm、上質紙製のサンプル5は、その破断強度が161.5N/25mmであった。
これらの結果が示すように、サンプル1,2は、サンプル3,4,5と厚さが等しい又はそれらよりも厚い場合にも、サンプル3,4,5に比べて破断強度が十分に小さい。
また、表1示すように、サンプル1,2は、破断強度が1.0〜5.0N/25mmの範囲内であり、十分に脆弱性を有している。
(使用方法)
次に、本実施形態の隠蔽はがきの使用方法について説明する。
図2は、第1実施形態の隠蔽はがきの使用方法を説明する図である。なお、図2では、理解を容易にするために、図1(c)に示した断面と同様の断面における様子を示している。
まず、図2(a)に示すように、差出人は、秘匿情報記入欄111に必要な情報を筆記等により記入する。
記入後に、差出人は、剥離シート17を剥離してミシン目mに沿って折り、隠蔽部12(隠蔽基材13)をはがき本体部11の裏面11b側へ秘匿情報記入欄111を被覆するように折り重ねる(図2(b)参照)。このとき、図2(b)に示すように、粘着層16によって、隠蔽部12(隠蔽基材13)がはがき本体部11の秘匿情報記入欄111上に貼付され、秘匿情報記入欄111を隠蔽することができる。この状態で、差出人は、隠蔽はがき10を投函する。
受取人は、隠蔽はがき10を受け取ったら、図2(c)に示すように、隠蔽部12(隠蔽基材13及び剥離層14)をはがき本体部11から剥離する。このとき、隠蔽部12とはがき本体部11は、樹脂転写層15と剥離層14との間で剥離する。
図2(d)には、隠蔽はがき10から隠蔽部12を剥離した状態が示されている。図2(d)では、隠蔽部12(隠蔽基材13及び剥離層14)をミシン目mに沿って切り取った状態を示しているが、隠蔽部12を切り取らなくてもよい。
粘着層16及び樹脂転写層15は、図2(d)に示すように、秘匿情報記入欄111上に転写されている。樹脂転写層15は、厚さが5〜50μm(本実施形態では、厚さが20μm)であり、その破断強度が0.1〜5.0N/25mmの範囲内であり、かつ、表面に微細な凹凸を有する紙基材(隠蔽基材13)上に形成されるため、隠蔽部12の剥離後の樹脂転写層15の表面(剥離層14側の面)は、微細な凹凸を有する粗面となる。
ここで、仮に、悪意ある第三者が、情報を改ざんする目的で樹脂転写層15の表面に筆記具等により偽の情報を記入したとしても、秘匿情報記入欄111に差出人によって記入された正規の情報と、樹脂転写層15上に第三者によって記入された偽情報とでは、筆記された文字の色みや艶感等が異なり、また、偽情報は樹脂転写層15の粗面上に記入するために文字が細かく震えたり歪んだりするので、受取人は、改ざんの有無を容易に判別することができる。
また、グラシン紙や透明フィルム等を用いた透明タック紙等を備える従来の隠蔽ラベルでは、グラシン紙や透明フィルム等が所定の破断強度等を有するので、悪意ある第三者が透明タック紙を剥離して秘匿情報記入欄111に偽情報を書き込むおそれがあった。しかし、本実施形態によれば、転写された樹脂転写層15及び粘着層16をはがき本体部11から剥離しようとすると、樹脂転写層15は、膜状に剥離されることなく、その脆弱性によって粉状又は粒状に剥離されて修復不能に破壊される。従って、樹脂転写層15を剥離して偽情報を書き込むことは不可能であり、悪意ある第三者による情報の改ざんを防止できる。
さらに、隠蔽部12(隠蔽基材13及び剥離層14)を剥離することによって、樹脂転写層15と剥離層14との間で剥離が生じるので、剥離した隠蔽部12の樹脂転写層15側の面(剥離層14の樹脂転写層15側の面)にも、はがき本体部11側の樹脂転写層15の表面にも、粘着性が残らない。従って、剥離した隠蔽基材13を、再度、秘匿情報記入欄111上に貼付することができない。
よって、悪意ある第三者が、情報を盗み見る目的で隠蔽部12(隠蔽基材13及び剥離層14)を剥離すると、再度、隠蔽部12を貼付して剥離前の状態に戻すことができず、受取人は、受取人以外の何者かが隠蔽部12を剥がしたことを容易に検知できる。
以上のことから、本実施形態によれば、悪意ある第三者による秘匿情報記入欄111に記載された情報の改ざんを防止することができ、また、悪意ある第三者による情報の盗視を検知することができる。
また、本実施形態によれば、印刷によって粘着層16、樹脂転写層15、剥離層14を形成することができるので、従来使用されている透明タック紙を用いた隠蔽はがきに比べて、製造が容易になり、生産コストを低減することができる。しかも、従来使用されている透明タック紙を用いた隠蔽はがきと遜色ない、もしくはそれ以上にセキュリティ性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、フィルム等を用いていないので、紙ごみとして処分できるので、処分が容易であり、かつ、リサイクルも容易となり、資源を有効利用できる。
(第2実施形態)
図3及び図4は、第2実施形態の隠蔽はがき20とその使用方法とを説明する図である。図3及び図4は、図1(c)に示した断面に相当する断面におけると同様の断面における第2実施形態の隠蔽はがき20を示している。
第2実施形態の隠蔽はがき20は、図3(a)に示すように、隠蔽部22が変色インキ層28を備えている点以外は、第1実施形態と同様の形態である。従って、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の隠蔽はがき20は、折り線となるミシン目mを介してはがき本体部11及び隠蔽部22を有している。
隠蔽部22は、図3(a)に示すように、隠蔽基材13の裏面13bに、隠蔽基材13側から順に剥離層14と、樹脂転写層15と、変色インキ層28と、粘着層16と、剥離シート17とが積層されて形成されている。
この変色インキ層28は、樹脂転写層15と粘着層16との間に形成された層であり、通常の状態では有色状態であるが、エネルギーを付加することによって消色し、有色から無色へと可逆的に変色するという性質を有している。
本実施形態の変色インキ層28は、常温常態では有色(本実施形態では、赤色)であるが、加熱により44度以上となると消色して無色透明へと変色し、44度未満へ冷却されると再度有色状態になる(赤色を呈する)という性質を有する示温インキ(STカラーUVオフセット47ピンク/久保井インキ株式会社製)を用いている。示温インキとしては、UVサーマルカラー(株式会社セイコーアドバンス社製)等も変色インキ層28の形成に使用できる。
また、本実施形態の変色インキ層28は、塗布量が40g/mであり、その膜厚が40μmである。変色インキ層28は、塗布量が30〜120g/m、その膜厚が40〜120μmの範囲内であれば、エネルギーを付加されない状態で秘匿情報記入欄111に記入された情報を十分隠蔽できるので、この範囲内で適宜自由に設定してよい。
変色インキ層28に使用される示温インキに含まれる感温変色剤としては、酸顕色性組成物、酸性組成物からなるものを用いることができる。
酸顕色性組成物としては、例えば、3,3’−ジメトキシフルオラン、3−クロロ−6−フェニルアミノフルオラン、3,3’,3’’−(p−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン等が挙げられる。本実施形態においてはこれらの酸顕色性組成物を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、酸性組成物としては、例えば、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、クレゾール、クロログリシン、フェノール樹脂オリゴマー等のフェノール類、又はこれらの塩、5−クロロベンゾトリアゾール、4−ラウリルアミノスルホベンゾトリアゾール、ジベンゾトリアゾール、2−オキシベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、又はこれらの塩、安息香酸、ステアリン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、又はこれらの置換誘導体並びにこれらの塩等が挙げられる。本実施形態においては、これらの酸性組成物を1種又は2種以上組み合わせたインキを用いることができる。
(使用方法)
図3及び図4を参照しながら、第2実施形態の隠蔽はがき20の使用方法を説明する。
第2実施形態の隠蔽はがき20の使用方法は、第1実施形態に示す隠蔽はがき10と略同様であり、差出人は、秘匿情報記入欄111に情報を記入した後に、剥離シート17を剥離する(図3(b)参照)。
次に、差出人は、ミシン目mに沿って隠蔽はがき20を折り、隠蔽部22をはがき本体部11の秘匿情報記入欄111上に貼付して秘匿情報記入欄111を隠蔽する(図3(c)参照)。差出人は、この状態で、隠蔽はがき20を投函する。
受取人は、隠蔽はがき20を受け取った後、図3(d)に示すように、隠蔽部22(隠蔽基材13及び剥離層14)をはがき本体部11から剥離する。
このとき、樹脂転写層15と変色インキ層28と粘着層16とは、はがき本体部11にの秘匿情報記入欄111上に転写された状態となっており、図3(d)に示すように、樹脂転写層15と剥離層14との間で剥離する。
秘匿情報記入欄111は、図4(a)に示すように、転写された樹脂転写層15、変色インキ層28及び粘着層16に覆われた状態となっており、変色インキ層28が有色(本実施形態では、赤色)であるので、秘匿情報記入欄111に記載された情報が隠蔽され、その情報を目視することができない。
なお、図4(a)では、隠蔽部22(隠蔽基材13及び剥離層14)をミシン目mに沿って切り取った状態を示しているが、隠蔽部22を切り取らなくてもよい。
受取人は、粘着層16,変色インキ層28,樹脂転写層15に覆われた秘匿情報記入欄111に熱風を当てたり、熱源等を近づける等して、変色インキ層28に熱エネルギーを付与する(図4(b)参照)。すると、変色インキ層28が加熱により所定の温度(本実施形態では、44度)を超えると消色して無色透明へと変化するので、受取人は、秘匿情報記入欄に記載された情報を視認することができる(図4(c)参照)。
ここで、仮に、悪意ある第三者が隠蔽部22を剥がして秘匿情報記入欄111の情報を盗み見ようとして隠蔽部22を剥離したとする。秘匿情報記入欄111は、変色インキ層28等によって隠蔽されているので、悪意ある第三者は、秘匿情報記入欄111の情報を盗み見ることができない。また、変色インキ層28の消色に関する情報は、受取人のみが知り得る極秘情報となっているので、悪意ある第三者が、変色インキ層28を消色させて秘匿情報記入欄111の情報を視認することは非常に困難である。従って、悪意ある第三者による情報の盗み見を防止できる。
また、隠蔽部22を剥離すると、秘匿情報記入欄111上は、変色インキ層28の色(本実施形態では、赤色)が表出した状態となるので、情報を盗視しようとした悪意ある第三者に対して、視覚的及び心理的な威圧感を与えることができ、盗視を抑止する効果も期待できる。
さらに、隠蔽部22を剥離すると、秘匿情報記入欄111上は、変色インキ層28の色(本実施形態では赤色)が表出した状態となるので、変色インキ層28上に偽情報を記入しても偽情報であることが一目瞭然であり、悪意ある第三者が偽情報を書き込んで情報を改ざんすることができない。
よって、本実施形態によれば、転写された樹脂転写層15、変色インキ層28、粘着層16をによって秘匿情報記入欄111を隠蔽するので、悪意ある第三者による情報の盗視や、情報の改ざんを防止することができる。
また、第1実施形態と同様に、樹脂転写層15をはがき本体部11から剥離しようとすると、樹脂転写層15がその脆弱性によって修復不能に破壊されるので、樹脂転写層15及び変色インキ層28、粘着層16を剥離して秘匿情報記入欄111の情報を改ざんすることができない。従って、悪意ある第三者による情報の改ざんを防止できる。
さらに、隠蔽部22を一旦剥離すると、再貼付することが不可能であるので、受取人は受取人以外の何者かが隠蔽部22を剥離したことを検知できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)第2実施形態において、変色インキ層28は、隠蔽部22の厚み方向において樹脂転写層15と剥離層14との間に形成される例を示したが、これに限らず、隠蔽部22の厚み方向において剥離層14と粘着層16との間であれば、適宜自由に選択して形成してよい。
例えば、第2実施形態では、変色インキ層28は、隠蔽部22の厚み方向において樹脂転写層15と剥離層14との間に形成される例を示したが、変色インキ層を樹脂転写層15と剥離層14との間に形成してもよい。この位置に形成することにより、隠蔽部22を剥離したときに変色インキ層と剥離層14との間で剥離が生じるので、はがき本体部11の秘匿情報記入欄111上の最表面に変色インキ層が表出する形態となる。従って、変色インキ層の色が鮮やかに表出する形態となるので、悪意ある第三者への盗視抑制効果を高めることができる。
このような形態であっても、樹脂転写層15の破断強度が0.1〜5.0N/25mm、その厚さが5〜50μmを満たすならば、脆弱性を有しているので、樹脂転写層15及び変色インキ層28、粘着層16を剥離しようとすると樹脂転写層15が修復不能に破壊し、情報の改ざんを防止できる。
また、第2実施形態では、変色インキ層28と樹脂転写層15とを別層として記載したが、樹脂転写層15を形成する紫外線硬化型樹脂に変色インキ層28を形成する示温インキ等を添加して、樹脂転写層15に変色インキ層としての機能を付与してもよい。
このような形態とすることにより、第2実施形態と同様の効果を有しつつ、工数を低減でき、より容易かつ低コストで製造することができるという効果を奏する。
(2)第2実施形態では、変色インキ層28を形成するインキとして、所定の温度を閾値として可逆的に変色する示温インキを用いる例を示したが、これに限らず、例えば、特定の波長領域の光(例えば、紫外線や赤外線、電子線等)を当てることにより、可逆的に有色から無色へと消色するインキを用いてもよい。
(3)各実施形態において、樹脂転写層15は、紫外線硬化型樹脂により形成される例を示したが、これに限らず、例えば、メタモカラー(パイロットインキ株式会社製)等の熱硬化性樹脂により形成してもよい。
(4)各実施形態において、剥離層14、樹脂転写層15、粘着層16、変色インキ層28は、印刷によって形成する例を示したが、これに限らず、例えば、コーティングによって形成してもよい。
(5)各実施形態において、隠蔽部12,22は、はがき本体部11の長辺の延長方向に設けられる例を示したがこれに限らず、秘匿情報記入欄111を隠蔽可能であるならば、はがき本体部11の短辺の延長方向に設けてもよい。
また、各実施形態において、隠蔽部12,22は、はがき本体部11の裏面11b全面を隠蔽可能としてもよい。
(6)各実施形態において、剥離層14、樹脂転写層15、粘着層16、剥離シート17及び変色インキ層28は、はがき本体部11の裏面11bの法線方向から見たときに、すべて同じ大きさであり、隠蔽基材13の裏面13bの全面に形成される例を示したが(図1(b)参照)、これに限らず、秘匿情報記入欄111を隠蔽可能であるならば、これらの層を裏面13bの一部に形成してもよいし、樹脂転写層15及び変色インキ層28を他の層より小さく形成してもよい。
また、裏面13bの粘着層16等が形成されていない部分に、隠蔽部12を剥離する際のきっかけとなるような剥離導入部等を形成してもよい。
(7)各実施形態において、折り線としてミシン目mが設けられる例を示したが、これに限らず、例えば、折り線としてハーフカットや筋押し、エンボス等を設けて折り線としてもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
第1実施形態の隠蔽はがきを示す図である。 第1実施形態の隠蔽はがきの使用方法を説明する図である。 第2実施形態の隠蔽はがきとその使用方法とを説明する図である。 第2実施形態の隠蔽はがきとその使用方法とを説明する図である。
符号の説明
10,20 隠蔽はがき
11 はがき本体部
111 秘匿情報記入欄
12,22 隠蔽部
13 隠蔽基材
14 剥離層
15 樹脂転写層
16 粘着層
17 剥離シート
28 変色インキ層

Claims (4)

  1. 秘匿情報記入欄を設けたはがき本体部と、前記はがき本体部に折り線を挟んで連設され、前記折り線の折返しで少なくとも前記秘匿情報記入欄を被覆可能な隠蔽部とからなる隠蔽はがきであって、
    前記隠蔽部は、隠蔽基材上に、少なくとも剥離層と、樹脂転写層と、粘着層とが積層されて形成されており、
    前記樹脂転写層は、前記秘匿情報記入欄側に前記粘着層とともに転写された際に、前記はがき本体部から実質的に剥離不可能な程度の脆弱性を有すること、
    を特徴とする隠蔽はがき。
  2. 請求項1に記載の隠蔽はがきにおいて、
    前記樹脂転写層は、破断強度が0.1〜5.0N/25mmであること、
    を特徴とする隠蔽はがき。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の隠蔽はがきにおいて、
    前記樹脂転写層は、厚さが5〜50μmであること、
    を特徴とする隠蔽はがき。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の隠蔽はがきにおいて、
    前記剥離層と前記粘着層との間に、エネルギーを付加することによって有色から無色へと可逆的に変色する変色インキ層を有すること、
    を特徴とする隠蔽はがき。
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JP2013059913A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Dainippon Printing Co Ltd 隠蔽はがき

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