JP4844085B2 - 水性塗料用硬化促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水性塗料用樹脂組成物に好適に用いることができる硬化促進剤に関する。
近年、環境保護や作業環境の改善の観点から、さまざまな塗料分野で有機溶剤を含有する塗料(油性塗料)から水を媒体とする塗料(水性塗料)への移行が行われている。特に屋外で使用されることの多い、低温から常温で硬化可能なアルキド樹脂、ウレタン樹脂、酸化重合型変性エポキシ樹脂等をバインダー樹脂とする塗料用樹脂組成物においても水性化が進行している。これらの樹脂組成物を硬化させるためには、硬化促進剤(ドライヤー)が添加されるが、水性塗料用樹脂組成物への相溶性の点から、該硬化促進剤も水性であることが好ましく、従来硬化促進作用が大きい鉛金属石鹸を界面活性剤で水性化したものが使用されてきた。しかしながら、鉛金属石鹸を含有する水性塗料用硬化促進剤は、公害問題からその使用は忌避されており、同等以上の硬化促進作用を有する水性塗料用硬化促進剤が切望されている。
これらの課題を解決する手段として、コバルト金属石鹸とマンガン金属石鹸とを併用し、更にアミノアルコールと界面活性剤を用いる、水分散性又は水可溶性樹脂用硬化促進剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、その硬化促進作用は、満足できるレベルではなく、生産性の向上の観点から切望されている水性塗料の速硬化性を発現させるための新たな水性塗料用硬化促進剤が求められている。
特開2001−089672号公報(第2−3頁)
上記のような実情に鑑み、本発明は、鉛金属石鹸を用いなくても、同等以上の硬化促進作用を有し、水性塗料用樹脂組成物に好適に用いることができる水性塗料用硬化促進剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ホウ素を併用することによって、従来品よりも硬化促進作用が大きい金属石鹸を得ることが出来ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)と界面活性剤(C)とを含有することを特徴とする水性塗料用硬化促進剤を提供するものである。
本発明によれば、水性塗料用樹脂組成物の硬化促進作用に優れる水性塗料用硬化促進剤を提供することが出来る。該硬化促進剤は、生産性に優れる水性塗料を与えるものであって、得られる塗膜の光沢や硬度を高めることに寄与し、工業的有用性の高いものである。
本発明に用いる有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)は、従来金属石鹸として知られている有機酸コバルト金属石鹸、有機酸マンガン金属石鹸中の金属原子として、更にホウ素を含有するものである。
従来硬化促進剤として用いられる金属石鹸としては、金属が鉛、コバルト、マンガンであるものが硬化促進作用が大きなものとして知られている。このうち、鉛は近年の公害問題からその使用が制限されており、その結果、コバルトやマンガンが多く使用されるようになってきた。本発明は、コバルトやマンガンにホウ素を併用することによって、硬化促進作用が大きい金属石鹸が得られたものであるが、金属としてこれ以外のもの、例えば、鉄、亜鉛、銅、カルシウム、セリウム等を用いた場合においても、ホウ素を併用することによって、これらの金属を単独で有する金属石鹸よりも、硬化促進作用は大きくなり、硬化促進助剤として有用なものを得ることが出来る。
前記有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)中の有機酸としては、特に限定されるものではなく、種々のものを使用することができ、例えば、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、桐油酸、亜麻仁油酸、大豆油酸、樹脂酸等が挙げられ、より硬化促進作用が大きい点から炭素原子数7〜12の脂肪族モノカルボン酸を用いること好ましく、特にオクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸を用いることが好ましい。これらは、単独でも、2種以上を併用しても良い。
前記有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)と有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)とは、単独で用いても硬化促進作用を有するものであるが、更にこれらを併用することによって、例えば、空気中の酸素によって重合させる場合に均一硬化が難しいとされる厚膜での乾燥性にも優れる水性塗料を与えることが可能である。更にまた、前記有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は前記有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)と、従来品である有機酸マンガン金属石鹸とを組み合わせることによっても、厚膜等での均一硬化が可能であり、特に、有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)と有機酸マンガン金属石鹸とを併用する場合には、硬化促進作用に優れる低価格の促進剤が得られる。
前記有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、目的とする金属石鹸を効率的に得られる点から、例えば、特公昭63−63551号公報に記載されている下記の方法で製造することが好ましい。
以下、製造方法について記載する。
まず、炭素原子数7〜12のカルボン酸と、酢酸又はプロピオン酸との混合物にコバルト又はマンガン、或いはこれらの水和物、水酸化物、炭酸塩などのコバルト化合物又はマンガン化合物を加えた後、通常40℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃にて反応させる。ここで使用するコバルト又はマンガン、或いは、コバルト化合物又はマンガン化合物と、カルボン酸と、酢酸又はプロピオン酸の混合物とのモル比(カルボン酸と酢酸又はプロピオン酸の混合物/コバルト又はマンガン、或いはコバルト化合物又はマンガン化合物のモル比)としては、通常1.0〜4.0、好ましくは1.5〜2.5である。また酢酸よりプロピオン酸を使用する方が次工程の反応が穏やかに進行する為に好ましい。
次いで得られたカルボン酸コバルト塩又はカルボン酸マンガン塩に有機ホウ素化合物を加え通常100℃〜250℃、好ましくは150℃〜230℃の温度で反応させ、副生する揮発性のエステルを常圧又は減圧下で、留去又は除去することにより、目的とする有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)を得ることが出来る。カルボン酸コバルト塩又はカルボン酸マンガン塩と、有機ホウ素化合物とのモル比(カルボン酸コバルト塩又はカルボン酸マンガン塩/有機ホウ素化合物のモル比)としては、通常2.0〜7.0、好ましくは2.5〜5.5である。ここで使用する有機ホウ素化合物としては、例えば、アルキル又はアルキルオルトボレート、具体的にはn−ブチルオルトボレート又はメタボレートがよい。
上記反応において、反応混合物が反応途中で固化したり粘性が高くなったりした場合、有機溶剤を添加してもよく、また、有機溶剤存在下において上記反応を行っても良い。このとき用いることができる有機溶剤としては特に限定されるものではなく、原料及び生成物に対して不活性であれば種々のものを使用することができるが、溶解性が良好で、且つ水性塗料用硬化促進剤として使用する場合に除去する必要がなく、生産工程が簡略できる点から、炭化水素系溶媒を用いることが好ましく、特にキシレン、ホワイトスピリットを用いることが好ましい。
前記のようにして得られる有機酸コバルトホウ素金属石鹸、有機酸マンガンホウ素金属石鹸は、未反応物や副生成物を含有した反応混合物であって、該反応混合物から目的とする金属石鹸のみを取り出すことは通常困難であり、又、生産性の上からも効率的ではない。しかしながら、得られる反応混合物をそのまま硬化促進剤として使用する場合、金属石鹸の製造方法によっては、目的とする十分な硬化促進作用が得られない場合も生じる可能性がある。上記のような観点から検討を試みたところ、硬化促進剤としてより有用な有機酸コバルトホウ素金属石鹸としては、水で抽出されるホウ素の含有率が0.06重量%以下であり、有機酸マンガンホウ素金属石鹸としては、水で抽出されるホウ素の含有率が0.06重量%以下であるものである。尚、該含有率は、以下のようにして求めた値である。まず、反応混合物である金属石鹸10gを0.1mg単位まで精秤し、試薬特級トルエン300mlに溶解させた。この溶液に精秤した蒸留水100mlを加え、25℃で1.5分間拡販した後、分液ロートに移し、30分間静置後、水層を採取した。採取した水層より5mlを精秤し、100mlのメスフラスコに移し、蒸留水でメスアップ(100mlにする)し、原子吸光測定用試料を作製した。原子吸光による定量は、ホウ素の原子吸光用標準溶液により検量線を予め作成して求めた。水で抽出されるホウ素の含有率が低いということは、本発明の水性塗料用硬化促進剤としての保存安定性が良好であって、且つ、水性塗料に対して特に優れた硬化促進作用を発現しうる事を意味する。
本発明で用いる界面活性剤(C)は、前述の有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)を水性化するために必要なものであって、界面活性能を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、種々のものを使用することが可能である。例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライドなどのグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、アルキルリン酸カリウムなどのリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤などが挙げられ、これらは単独でも、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、水性塗料用樹脂組成物への分散性に優れる点から、非イオン性界面活性剤のみ、又は、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とを組み合わせて使用するのが好ましい。
本発明の水性塗料用硬化促進剤としては、更に水性塗料の乾燥性を向上させるために、アミノアルコール(D)を併用することが好ましい。前記アミノアルコール(D)としては、特に限定されるものではなく、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルエタノールアミン、n−ブチルエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、t−ブチルエタノールアミン、t−ブチルジエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルブタノールアミン、ジメチルヘキサノールアミン、ジメチルアミノフェノール等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、より乾燥性に優れ、水性塗料用樹脂組成物への相溶性が良好である点から、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミンを用いることが好ましい。
前記アミノアルコール(D)と有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)との使用割合としては、特に制限されないが、有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)中のコバルト金属とマンガン金属の合計1重量部に対して、アミノアルコール(D)を0.5〜5重量部配合することが、得られる硬化塗膜の硬度が良好な点で好ましい。
本発明の硬化促進剤は、前述の有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)と界面活性剤(C)とを用いること以外になんら制限されるものではないが、この硬化促進剤を水性塗料用に用いる際に、より取り扱い性が良好になる点から、各種溶剤に予め均一に溶解させた溶液として用いることが好ましい。
前記溶剤としては、均一に溶解でき、且つ有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)と界面活性剤(C)に対して不活性であればなんら制限されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、プロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのエーテル系溶媒や水などが挙げられ、単独でも、2種以上を混合した混合溶剤であっても良い。
本発明の水性塗料用硬化促進剤を配合する、水性塗料用樹脂組成物としては、特に限定されるものではなく、酸化重合を起こして硬化が促進される樹脂を含有するものであり、例えば、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、酸化重合型変性エポキシ樹脂等を含有するものが挙げられる。
本発明で言う水性とは、水溶性及び/又は水分散性を意味するものであり、本発明の水性塗料用硬化促進剤が適用される水性塗料用樹脂組成物は、水溶液であっても、エマルジョンであっても良い。
前記水性のアルキド樹脂としては、多塩基酸成分、多価アルコール成分、及び油脂肪酸がエステル化された樹脂であって、且つ水性で塗膜形成能を有するものであれば、特に制限されるものではない。
前記多塩基酸成分としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸等の二塩基酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸;スルホフタル酸、スルホイソフタル酸及びこれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩や低級アルキルエステル化物などが併用される。また酸成分として、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸を分子量調整などの目的で併用することができる。
前記多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール;ポリオキシエチレン基を有する多価アルコールなどを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。また前記酸成分、アルコール成分の一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、パラオキシ安息香酸など;これらの酸の低級アルキルエステル;ε−カプロラクトンなどのラクトン類などのオキシ酸成分に置き換えることもできる。
前記油脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は5〜80%、特に20〜70%程度の範囲内であることが、得られる塗膜の硬化性、強靭性、肉持ち感などの面から好適である。
これらの成分のエステル化反応(エステル交換反応も包含する)は、種々の方法によって行うことができる。
また、アルコール成分の一部としてエポキシ化合物を使用してエポキシ化合物を部分エステル化したエポキシ変性アルキド樹脂;アルキド樹脂に無水マレイン酸を導入してなるマレイン化アルキド樹脂;マレイン化アルキド樹脂と水酸基含有アルキド樹脂とを付加してなるグラフト化アルキド樹脂;アルキド樹脂にスチレン、(メタ)アクリル酸エステルなどのビニルモノマーをグラフト重合させたビニル変性アルキド樹脂等にも適用することができる。
さらに、資源のリサイクルのために回収されたポリエチレンテレフタレート(例えば、PETボトル)、産業廃棄物ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸を主原料とするポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル製品(フィルム、繊維、自動車部品、電子部品など)の製造に際して発生する屑などから再生されたテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂(以下、「再生PES」と略す)を利用して、上述のアルコール成分と多塩基酸成分との混合物中に、この再生PESを溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させることにより得られるアルキド樹脂や、該アルキド樹脂を無水マレイン酸と反応させて得られるマレイン化アルキド樹脂、該アルキド樹脂とエチレン性不飽和基を有さない酸無水物とを反応させて得られる変性アルキド樹脂等にも適用できる。
前記アルキド樹脂を水性とするためには、例えば、アルキド樹脂を高酸価のものとし、アミン化合物などの塩基性化合物で中和して水性化する方法、アルキド樹脂中にポリオキシエチレン基などの親水基を導入し、この親水基の働きにより水中に自己乳化させる方法、アルキド樹脂を乳化剤の存在下にてディスパー型撹拌機などのような高速撹拌機を使用し、水中に強制攪拌して水中に分散させる方法、さらにアルキド樹脂を低酸価のものとし、高速撹拌機で得られた水分散アルキド樹脂粒子を、水分散性を向上させ、粒子径をさらに小さくそろえる目的で、微粒化する特定の高エネルギーせん断能力を有する分散機を用いて水中に分散させる方法、これらを併用した方法などを挙げることができる。
前記水性アルキド樹脂のうち、得られる塗膜の防食性・耐水性の点から、特に乳化剤は添加しないあるいはできるだけ少なく、かつ低酸価のアルキド樹脂を水分散化したものが好適である。具体的には酸価20以下、好ましくは10未満のアルキド樹脂が好適である。
前記水性アルキド樹脂に、本発明の水性塗料用硬化促進剤を配合することで、塗膜の乾燥を促進する。更に塗膜内部を含む塗膜全体の乾燥性を上げる為に、2次ドライヤーとして働く金属、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス、セリウム、カルシウムなどを含む金属石鹸を併用することも可能である。水性塗料用硬化促進剤の配合量としては、特に限定されるものではないが、水性アルキド樹脂固形分100重量部に対し金属成分として0.005〜1重量部の範囲内が好ましい。
前記水性のウレタン樹脂としては、特に限定されるものではないが、硬化性に優れるウレタン樹脂として、例えば、カルボキシル基を有するジオール、ポリオール及び油脂と多価アルコールとのウムエステル化したポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させてカルボキシル基と二重結合を有する末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーを合成し、次にこのウレタンプレポリマーを塩基性有機化合物及び伸長剤を含有する脱イオン水に滴下して、鎖伸長反応とカルボキシル基の中和反応とによりイオン付与を行うことによりアニオン化されたカルボキシル基と二重結合を有する水性ウレタン樹脂が好ましい。
前記反応のウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量(固形分換算)が0.5〜10重量%、好ましくは0.8〜4重量%になるように調整することが更に水性化しやすい点から好ましい。
また、前記反応において、カルボキシル基を有するジオールの量は、酸価(固形分換算)として10以上、好ましくは15以上になるように設定することが、自己乳化しやすく、安定性が良好となり好ましいものである。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,8−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族イソシアネート類、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート等の脂環族ジシソシアネート類、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフテンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソサネート、4,4−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、塩素化ジイソシアネート類、臭素化ジイソシアネート類等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては、線状のプレポリマー分子中に、分岐状にカルボキシル基が付与されるものなら、いずれも使用できるが、プレポリマー中のカルボキシル基含有量を多くするには、分岐状にカルボキシル基を少なくとも1個有する炭素数3〜10の低分子量のジオールが好ましく、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸等が好ましい。
前記ポリオールとしては、通常ウレタン樹脂の製造に使用される種々のポリオール、例えば、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリブタジエンポリオール、フランジメタノール等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
これらポリオールは、目的、用途に応じて、適時選択し、硬質、軟質等の必要な物性を容易に設計することができる。
前記油脂と多価アルコールとのウムエステル化したポリオールとしては、ヨウ素価が7〜200の油脂とトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとをウムエステル化したものが挙げられ、XP1076E、XP1077E、XP1580E、FB20−50XB(三井東圧化学株式会社製)等の市販品も使用できる。
前記水性ウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、前記ウレタンプレポリマーを溶媒及び/または水に溶解もしくは懸濁混合し、カルボキシル基と反応させて親水性を増大させるための塩基性化合物及び伸長剤を滴下するか、または溶媒及び/または水に塩基性化合物及び伸長剤を溶解し、これにウレタンプレポリマーの溶液を滴下する等の方法により、ウレタンプレポリマーに親水性をもたせると同時に伸長剤との反応を行い、次いで不揮発分の濃度が30〜45%となるまで脱水及び/または脱溶剤を行い、さらに70〜90℃で約6時間反応させる方法が挙げられる。
前記伸長剤としては、例えば、水またはポリアミン類が挙げられ、ポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、α,α’−メチレンビス(2−クロルアニリン)、3,3’−ジクロル−α,α’−ビフェニルアミン、m−キシレンジアミン、イソフォロンジアミン、N−メチル−3,3’−ジアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミンとアクリレートとのアダクトもしくはその加水分解生成物等が挙げられる。
またカルボキシル基と反応して、親水性を付与するための塩基性有機化合物としては、特に好ましい例として、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
更に得られる硬化塗膜の性能を向上させるために、エポキシ樹脂を反応させても良い。ここで用いることができるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水性化しやすいポリエーテル構造を有する変性エポキシ樹脂等が挙げられ、市販品としては、EPICLON 850、1050、4050、HP−091、HP−101(以上大日本インキ化学工業株式会社製ビスフェノール型エポキシ樹脂)、EPICLON 830(大日本インキ化学工業株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、デナコールEX810,811,851,830,832,841,861,911,941,920,921,931,211,212,221,721,313,314,321,421,512,521,611,612,614,614B,622(ナガセ化成工業株式会社製)等として容易に入手できる。
エポキシ樹脂で変性する際には、アニオン化されたカルボキシル基及び二重結合を有する水性ウレタン樹脂中のカルボキシル基に対するエポキシ基の当量比としては通常0.02〜0.7、好ましくは0.02〜0.35の範囲である。
本発明の水性塗料用硬化促進剤を前記水性ウレタン樹脂を含む組成物に配合する場合の配合量としては、通常、水性樹脂固型分換算100重量部に対して金属成分として0.005〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.35重量部の範囲である。
前記酸化重合型変性エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂を、不飽和脂肪酸成分及び酸基含有アクリル成分と反応させることにより、不飽和基及び酸基を導入することで得られる酸化重合可能なエポキシ樹脂である。水性化する手法としては、この酸化重合型変性エポキシ樹脂中の酸基を中和した後、水性媒体に分散する方法が挙げられる。前記酸化重合型変性エポキシ樹脂の酸価としては、水性塗料の安定性と、硬化塗膜の耐水性のバランスの観点から25〜60であるものが好ましく、特に酸価が25〜55であることが好ましい。
前記酸化重合型変性エポキシ樹脂は水性媒体中で、粒子形状を保持しているものであり、通常その平均粒径は200nm以下、好ましくは20nm〜100nm、より好ましくは40〜100nmである。
前記酸化重合型変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸成分と酸基含有アクリル成分とを原料として得られるものであって、前記原料の合計重量100重量%に対し、エポキシ樹脂は30〜50重量%、不飽和脂肪酸成分は25〜40重量%及び酸基含有アクリル成分10〜45重量%であると、水性化しやすく、且つ硬化塗膜の性能に優れる点から好ましい。
また酸化重合型変性エポキシ樹脂のヨウ素価としては、硬化性が良好で、水性塗料としたときの安定性に優れる点から30〜100であるものが好ましく、特に35〜90であることが好ましい。
原料として使用できるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、変性が容易で且つ得られる硬化塗膜の性能に優れる点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を同時に使用してよい。
また、不飽和脂肪酸成分としては、天然または合成系の不飽和脂肪酸がいずれも使用でき、例えば、桐油、アマニ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、トール油、大豆油、ヤシ油から得られる不飽和脂肪酸等が挙げられる。
また、酸基含有アクリル成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸及びイタコン酸等の酸基含有アクリルモノマーと、スチレンや(メタ)アクリル酸エステル類等の酸基を含有しないアクリルモノマーとの混合物等を用いることができ、得られる塗膜の硬度の点から、後者の酸基を含有しないアクリルモノマーとして好ましくはスチレンである。
酸化重合型変性エポキシ樹脂は、以下のようにして得ることができる。まず、エポキシエステル樹脂を形成する。エポキシエステル樹脂は、前記エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸成分とから種々の方法で合成してよい。例えば、エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸成分とを、トルエン、キシレン等の適当な溶媒中、縮合触媒を用い、必要に応じて、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下において、150〜250℃で、所望の酸価となるまで反応させる方法が挙げられる。上記縮合触媒としては、ジブチル錫オキサイドやテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
次に、得られたエポキシエステル樹脂を、前記酸基含有アクリル成分と反応させて、酸化重合型変性エポキシ樹脂を得る。エポキシエステル樹脂と酸基含有アクリル成分との反応は、重合開始剤の存在下、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下において、80〜150℃の温度範囲で行うことができる。
前記反応に使用する重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物等の種々のものがいずれも使用でき、例えば、化薬アクゾ製「カヤブチルB(アルキルパーエステル系)」等を、使用するモノマー合計量に対して0.1〜20重量%の量で使用できる。
前記方法により得られた変性エポキシ樹脂の酸基を中和剤により中和することにより、水性媒体に分散可能にする。中和剤の例としてはアンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−プロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジメタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。特にトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等が好ましい。尚、水性媒体は水を中心とした媒体であるが、水溶性有機溶剤や水溶性有機溶剤と混和可能な有機溶剤、界面活性剤などを併用することも可能である。
本発明の水性塗料用硬化促進剤を配合する際のその使用量としては、酸化重合型変性エポキシ樹脂固形分100重量部に対し通常金属成分として0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.02〜2重量部である。
また、前記各種の水性樹脂を含有する組成物を水性塗料として用い金属面に塗装した場合に、金属面の錆が塗膜表面にブリードして点錆などを発生(フラッシュラスト)させるのを防止するために、フラッシュラスト抑止剤を必要に応じて配合することができる。該フラッシュラスト抑止剤としては、水性系における腐食を抑制するものであれば特に制限なく使用でき、例えば水溶性の亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウムなどの亜硝酸塩;フィチン酸ナトリウム、フィチン酸カリウムなどのフィチン酸塩;タンニン酸塩;N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、及びこれらのアルカリ金属塩などのポリアミン系キレート剤;4−メチル−γ−オキソ−ベンゼンブタン酸とN−エチルモルフォリンの付加反応物;モノアルキルアミンやポリアミン、第四級アンモニウムイオンなどをトリポリリン酸二水素アルミニウムなどの層状りん酸塩にインターカレートしてなる層間化合物;ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物、ヒドラゾン化合物などのヒドラジン誘導体などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上併用して使用できる。
前記フラッシュラスト抑止剤の添加量は、塗料液中に0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の範囲内が適当である。
また、さらに必要に応じて顔料分散剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、硬化触媒、沈降防止剤など通常の塗料用添加剤を配合することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。なお、例中の部及び%はすべて重量基準である。
合成例1(ネオデカン酸コバルトホウ素金属石鹸の合成)
ネオデカン酸3モル、プロピオン酸3.1モルの混合物に水酸化コバルト3モルを添加し、その後190℃にて反応させ、6モルの水が生成留去するまで加熱を続けた。生成したコバルトのプロピオン酸塩にホウ酸n−ブチル1モルを添加し、220℃まで昇温して、生成留去するプロピオン酸ブチルが3モルになるまで加熱を続けることによって、目的とするネオデカン酸コバルトホウ素金属石鹸(A1)を得た。得られたネオデカン酸コバルトホウ素金属石鹸(A1)の水で抽出されるホウ素の含有率(測定方法は、本文中に記載)は0.04重量%であり、コバルト含有率は22重量%である。
合成例2(ネオデカン酸マンガンホウ素金属石鹸の合成)
合成例1において、水酸化コバルト3モルの代りに水酸化マンガン3モルを用いる以外は、合成例2と同様にしてネオデカン酸マンガンホウ素金属石鹸(B1)を得た。得られたネオデカン酸マンガンホウ素金属石鹸(B1)の水で抽出されるホウ素の含有率は0.03重量%であり、マンガン含有率は21重量%である。
実施例1〜6、及び比較例1〜3
合成例1、2で得られた金属石鹸、及びCo−NAPHTHENATE 6%、Mn−NAPHTHENATE 6%(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)を用いて、表1記載の配合比にて界面活性剤とアミノアルコールを配合し、水性塗料用硬化促進剤を調整した。
Figure 0004844085
表1の脚注:
ペネロールNP−10:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(松本油脂製薬株式会社製)
アクチノールL−3:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(松本油脂製薬株式会社製)
アクチノールF−5:ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(松本油脂製薬株式会社製)
ラバションC:アルキルベンセンスルホン酸カルシウム(松本油脂製薬株式会社製)
試験例1〜6、及び比較試験例1〜3
チタンホワイト顔料(石原産業株式会社製R−820)1500g、水系アルキド樹脂ウォーターゾールCD−520(大日本インキ化学工業株式会社製)3500g、皮張防止剤としてメチルエチルケトオキシム15gを3本ロールにて混練して得られた水性塗料40gに、実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた水性塗料用硬化促進剤を表2に示す割合で混合した。これをガラス板上にアプリケーターを用いて乾燥厚膜が50μmになるよう塗布し、ドライングレコーダーにて、乾燥時間を測定した。この結果を表2に示す。
Figure 0004844085
表2の脚注
配合量:樹脂不揮発分100部に対するコバルト金属、マンガン金属の合計量
乾燥時間:乾燥条件 25℃、湿度60% 単位:時間
合成例3(水性ウレタン樹脂の製造)
温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた2000mlの四ツ口フラスコに、XP1077E(商品名、三井東圧化学株式会社製のアマニ油とペンタエリスリトールのウムエステル化ポリオール、分子量638、ヨウ素価133)を115.4g、分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを71.2g、トリメチロールプロパン5.8g、ジメチロールプロピオン酸21.5g、N−メチル−2−ピロリドンを34.4g仕込、窒素を導入しながら90℃まで昇温し、内容物を溶解した。次に40℃まで冷却し、86.5gのアセトンを入れ、内温が30℃になったところで、トリレンジイソシアネート86.2gを1時間かけて滴下した。内温を30〜40℃に保ち、8時間反応を行った後、86.5gのアセトンで希釈した。このウレタンプレポリマーのNCO基含有量は、0.9%であった、さらに、エポキシ化合物としてEPICLON1050(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量450)を1.5g加えエポキシ化合物を混合したウレタンプレポリマーを調整した。
ジメチルエタノールアミン12.1gを含有する脱イオン水485gを40℃に保ち、上記のエポキシ化合物を混合したウレタンプレポリマーを滴下しさらに40℃で減圧脱アセトンを行った後に内温を70℃に保ち、6時間かけてカルボキシル基のイオン化およびNCO基を鎖伸長させ、さらに40℃で減圧脱アセトンを行い不揮発分39.0%、粘度650cps/25℃、pH7.7、酸価30.0KOHmg/g(固形分換算)のエポキシ化合物を混合した水性ウレタン樹脂分散体を得た。
上記、エポキシ化合物を混合した水性ウレタン樹脂分散体の内温を70℃に保ち、6時間かけてカルボキシル基に対してエポキシ基を当量比で0.033の割合で反応させ水性塗料用樹脂組成物を得た。
試験例7〜12、及び比較試験例4〜6
試験例1〜6及び比較試験例1〜3と同様にして、前記で得られたウレタン樹脂を用いて含有塗料用組成物に実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた硬化促進剤を配合して、水性塗料を調整し、その乾燥時間を同様の手法にて測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004844085
表3の脚注
配合量:樹脂不揮発分100部に対するコバルト金属、マンガン金属の合計量
乾燥時間:乾燥条件 25℃、湿度60% 単位:時間
合成例4(酸化重合型変性エポキシ樹脂の合成)
EPICLON 2055(大日本インキ化学工業株式会社製ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂)738.2g、脱水ヒマシ油738.2g、ジブチル錫オキサイド1.4gおよび循環用キシロール42.0gを反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下において、攪拌しながら、酸価が4.4になるまで、210〜240℃で6時間縮合反応させた。反応後、ブチルセロソルブを添加して、不揮発分95.7重量%および酸価4.4のエポキシエステル樹脂を得た。
上記エポキシエステル樹脂271.2gとブチルセロソルブ121.4gを反応容器に入れ、140℃に昇温した。この温度において3時間かけて、スチレン54.6g、アクリル酸25.2gおよびカヤブチルB(化薬アクゾ社製重合開始剤)1.44gを滴下した。滴下終了後、0.5時間エージングした。次いで、カヤブチルB 0.16gおよびブチルセロソルブ91.6gを滴下した後、さらに1.5時間エージングすることにより、ヨウ素価60、酸価42.2および不揮発分70重量%の酸化重合型変性エポキシ樹脂を得た。この酸化重合型変性エポキシ樹脂における各原料の占める割合は、エポキシ樹脂が34重量%、不飽和脂肪酸成分が33重量%、および酸基含有アクリル成分が33重量%である。
得られた樹脂をトリエチルアミンを用いて理論中和率100%になるように中和した後、水に分散させて不揮発物35重量%のエマルション樹脂を得た。このエマルション樹脂の光散乱粒径は60nmであった。
試験例13〜18、及び比較試験例7〜9
試験例1〜6及び比較試験例1〜3と同様にして、前記で得られた酸化重合型変性エポキシ樹脂含有塗料用組成物を調整した。ここに実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた硬化促進剤を配合して、水性塗料を調整し、その乾燥時間を同様の手法にて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004844085
表4の脚注
配合量:樹脂不揮発分100部に対するコバルト金属、マンガン金属の合計量
乾燥時間:乾燥条件 25℃、湿度60% 単位:時間

Claims (6)

  1. 有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)と界面活性剤(C)とを含有することを特徴とする水性塗料用硬化促進剤。
  2. 更にアミノアルコール(D)を含有する請求項1記載の水性塗料用硬化促進剤。
  3. アミノアルコール(D)が、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン及びn−ブチルジエタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上のアミノアルコールである請求項2記載の水性塗料用硬化促進剤。
  4. 有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)及び/又は有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)中のコバルト金属とマンガン金属の合計1重量部に対して、アミノアルコール(D)を0.5〜5重量部配合する請求項2記載の水性塗料用硬化促進剤。
  5. 更に有機酸マンガン金属石鹸を併用する請求項1〜4の何れか1項記載の水性塗料用硬化促進剤。
  6. 有機酸コバルトホウ素金属石鹸(A)から水で抽出されるホウ素の含有率が0.06重量%以下であり、有機酸マンガンホウ素金属石鹸(B)から水で抽出されるホウ素の含有率が0.06重量%以下である請求項1記載の水性塗料用硬化促進剤。

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