JP4843235B2 - Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも、互いに電気伝導型が異なる2つのIII族窒化物半導体層と、その中間に設けられたIII族窒化物半導体からなる発光層とを積層した積層構造体からなるIII族窒化物半導体発光素子の製造方法に関するものである。
従来から、青色帯または緑色帯の短波長光を放射する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)等のIII族窒化物半導体発光素子は、例えば、窒化ガリウム・インジウム(組成式GaYInZN:0≦Y,Z≦1、Y+Z=1)を発光層として利用して構成されている(例えば特許文献1参照)。また、発光部は、発光層の両側に、互いに電気伝導型が異なる2つのIII族窒化物半導体からなるクラッド層を配置して構成されている。この様な2重異種接合(ダブルヘテロ:DH)構造の発光部を構成するためのクラッド層は、例えば、窒化アルミニウム・ガリウム(組成式AlXGaYN:0≦X,Y≦1、X+Y=1)から構成されるものとなっている。
特公昭55−3834号公報
上記の様な、発光層を、n型クラッド層とp型クラッド層との中間に挟持してなるDH構造の発光部を備えたpn接合型DH構造のIII族窒化物半導体発光素子を構成するための積層構造体は、従来からもっぱら、サファイア(α―Al23単結晶)や炭化珪素(SiC)単結晶を基板として形成されている。発光層からの発光を透過できる光学的透明性を有し、且つ高温を要するIII族窒化物半導体層の結晶成長にも耐え得る耐熱性を有するからである。そして、従来のIII族窒化物半導体発光素子は、発光素子用途の積層構造体を形成するために用いた上記の様な基板を、素子化工程以後も積層構造体を機械的に支持する板状体として残存させて作製されるのが通例である。
しかし、例えばサファイアの結晶からなる基板やSiC結晶基板を残存させてなるIII族窒化物半導体発光素子は、積層構造体を機械的な支持力を維持するには適するが、短波長の紫外線に関しては、光の吸収が起きる故に、発光効率が落ちることが欠点となっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、基板のような機械的に支持する機能を備えるとともに、短波長の紫外線に対する光の吸収を低減でき、発光効率を向上させることができるようにしたIII族窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
)第の発明は、少なくとも、互いに電気伝導型が異なる2つのIII族窒化物半導体層と、その中間に設けられたIII族窒化物半導体からなる発光層とを積層した積層構造体からなる紫外光を発光するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法において、上記積層構造体を設けるために使用された結晶基板を除去し、上記結晶基板除去により露出された露出面に、発光層から放射される光に対し透明な材料からなる板状体を陽極接合法による貼り合わせにより形成し、上記発光層から放射された光が板状体から取り出されるようにしており、該板状体は蛍光ガラスである、ことを特徴としている。
)第の発明は、上記した)項に記載の発明の構成に加えて、上記積層構造体からの結晶基板の除去は、積層構造体と結晶基板との接合界面領域にレーザ光を照射して行われる、ことを特徴としている。
本発明では、積層構造体を設けるために使用された結晶基板を除去した後の露出面に、発光層から放射される光に対し透明な材料からなる板状体を形成したので、その板状体で機械的に支持するとともに、短波長の紫外線に対する光の吸収を低減でき、発光効率を向上させることができる。
また、板状体に積層構造体の熱膨張率とほぼ同じ熱膨張率を持つ材料を選ぶことができ、したがって、電流を長時間に亘り通流しても、積層構造体に熱応力に因る亀裂は発生せず、信頼性を向上させることができる。
また、発光素子をサブマウントに搭載するだけでLEDランプとすることができるようにしたので、簡易にLEDランプを製造することができる。
以下にこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のIII族窒化物半導体発光素子は、結晶基板上に形成された、(a)第一の伝導型の第一のIII族窒化物半導体層と、(b)第二の伝導型の第二のIII族窒化物半導体層と、(c)第一及び第二のIII族窒化物半導体との中間に挟持したIII族窒化物半導体からなる発光層とを備えた発光素子用途の積層構造体から構成する。なお、第一および第二のIII族窒化物半導体層は、クラッド層やコンタクト層としての機能を有している。
積層構造体を形成するための結晶基板には、サファイアや酸化リチウム・ガリウム(組成式LiGaO2)等の酸化物単結晶、3C結晶型の立方晶単結晶炭化珪素(3C−SiC)、4Hまたは6H結晶型の六方晶単結晶SiC(4H−SiC,6H−SiC)、珪素(Si)単結晶(シリコン)、燐化ガリウム(GaP)や砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族半導体単結晶等を利用できる。
積層構造体をなす第一のIII族窒化物半導体層を、それとは格子整合の関係に無い結晶基板上に設ける場合、格子ミスマッチを緩和する緩衝(buffer)層を介して設ける。例えばサファイア基板上に、GaN系の第一のIII族窒化物半導体層を成長させるのに際し、基板表面上に、シーディングプロセス(SP)手法(特開2003−243302号公報参照)等により設けたGaN緩衝層を介して第一のIII族窒化物半導体層を積層する。GaNに代替してAlNから低温緩衝層を構成しても基板との格子ミスマッチを緩和するのに効果を上げられる。AlNから構成する場合、低温緩衝層の層厚は1nm以上で100nm以下の範囲、好ましくは2nm以上で50nm以下の範囲、更に好ましくは2nm以上で5nm以下の範囲とする。
低温緩衝層の表面は、微少な凹凸があるよりは平坦な方が適する。例えば、表面粗さは、Raにして0.10μm以下、好ましくは0.05μm以下であるのが好適である。この様な粗さの小さい表面の低温緩衝層は、例えば350℃〜450℃の低温での成長時に結晶基板との界面に単結晶層を設けることで得られる。表面粗さは例えば、原子間力顕微鏡(AFM)などの測定機器を用いて求められる。粗さの少ない平坦な表面を有する低温緩衝層は、表面の平坦性に優れる上層を積層するのに優位に作用する。例えば、粗さの小さなGaN低温緩衝層の表面上には、凹凸が無く平滑で平坦な表面の下地層を成長できる。
緩衝層上に設けられた、表面が平坦な下地層、例えばGaN層は、表面の平坦性に優れる第一または第二の電気伝導型のIII族窒化物半導体層をもたらすのに貢献できる。此処で、第一のIII族窒化物半導体層がn型層であれば、第二のIII族窒化物半導体層は反対の電気伝導型のp型層である。表面の平坦性に優れる第一および第二のIII族窒化物半導体層をもたらすのに優位となる下地層の層厚は、GaN層の場合を例にすれば、0.5μm以上で5μm以下であり、好ましくは1μm以上で3μm以下の範囲であるのが適切である。表面の平坦な第一または第二のIII族窒化物半導体層は、平坦性に優れる極薄膜の井戸層からなる量子井戸構造を積層するのに好都合なn型またはp型クラッド層として利用できる。また、密着性に優れる入力、出力電極を形成するために好都合なn型またはp型コンタクト層として利用できる。
第一及び第二のIII族窒化物半導体層としては、不純物を故意に添加していないアンドープ層を利用できる。また、電気伝導型やキャリア濃度、抵抗値を制御するために不純物を故意に添加(ドーピング)したn型またはp型のIII族窒化物半導体層を利用できる。層内の原子濃度を1×1018cm-3以上で5×1019cm-3以下となる様にn型またはp型不純物がドーピングされた第一及び第二のIII族窒化物半導体層は、例えば、順方向電圧が低く、動作上信頼性のある発光素子を得るためのクラッド層を構成に適する。クラッド層とする第一または第二のIII族窒化物半導体層は、発光層の構成材料より大きな禁止帯幅の材料から構成する必要はあるものの、必ずしも同一のIII族窒化物半導体材料から構成する必要はない。例えば、n型クラッド層をn型GaYInZN(0≦Y,Z≦1,Y+Z=1)から構成し、p型クラッド層をp型AlXGaYN(0≦X,Y≦1,X+Y=1)から構成する例を上げられる。異なる材料のIII族窒化物半導体からなる第一または第二の電気伝導型のクラッド層を利用すれば、発光層に対し、バンド(band)構造上、非対称型の発光部を構成できる。
上記の原子濃度の範囲に於いて、高濃度に不純物を含み、低抵抗とした第一および第二のIII族窒化物半導体層はコンタクト層として有用である。キャリア濃度が1×1018cm-3以上である低抵抗のIII族窒化物半導体層は、低接触抵抗のオーミック電極を形成するのに特に優位である。低抵抗のn型III族窒化物半導体層を得るのに利用できるn型不純物としては、珪素(Si)やゲルマニウム(Ge)等の第IV族、またはセレン(Se)等の第VI元素がある。p型不純物としては、マグネシウム(Mg)やベリリウム(Be)等の第II族元素を使用できる。コンタクト層の層厚は、オーミック電極を構成する材料が拡散して侵入する深さ以上であるのが望ましい。合金化(アロイング)熱処理を施してオーミック電極を形成する場合は、所謂、アロイフロント(alloy front)の深さ以上の厚さとするのが適する。例えば、10nm以上とするのが適する。
第1および第2のIII族窒化物半導体層の中間に設ける発光層は、例えば窒化ガリウム・インジウム(組成式GaYInZN:0≦Y,Z≦1,Y+Z=1)から構成する。また例えば、窒化燐化ガリウム(組成式GaN1-aa:0≦a<1)等の窒素(N)と窒素とは別の第V族元素とを含むAlXGaYInZ1-aa(0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1、記号Mは窒素以外の第V族元素を表し、0≦a<1である。)から構成する。発光層は単一層(SQW)から構成しても構わないし、或いは多重量子井戸構造(MQW)から構成しても構わない。量子井戸構造をなす井戸層を例えば、GaYInZNから構成する場合にあって、インジウム(In)組成比(=Z)は、所望する発光波長に鑑み調整する。より長波長の発光を期する程、インジウム組成比はより大とする。GaYInZNを井戸層とする多重量子井戸構造の発光層の全体の層厚は、好ましくは100nm以上で500nm以下であるのが好適である。
発光層の量子井戸構造は、第一または第二のIII族窒化物半導体層に接合する層を、障壁層または井戸層として形成できる。量子井戸構造の始端(最下底層)は障壁層または井戸層の何れであっても構わない。同じく、量子井戸構造の終端(最表層)をなすのは障壁層または井戸層の何れであっても構わない。始端層と終端層は組成が相違しても差し支えない。アンドープのため結晶性に優れる井戸層と、不純物をドーピングした障壁層とから構成した量子井戸構造は、ピエゾ(piezo)効果に因る悪影響を回避して、強度的に優れ、且つ発光波長の安定したIII族窒化物半導体発光素子を得るのに寄与できる。井戸層および障壁層は、GaYInZN(0≦Y,Z≦1,Y+Z=1)に加え、GaN1-aa(0≦a<1)等のAlXGaYInZ1-aa(0≦X,Y,Z≦1、X+Y+Z=1、記号Mは窒素以外の第V族元素を表し、0≦a<1である。)の薄膜から構成できる。
積層構造体をなすIII族窒化物半導体各層は、例えば、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)手段、ハイドライド(水素化物;hydride)気相成長(VPE)手段、および分子線エピタキシャル(MBE)手段等の気相成長手段に依り成長できる。量子井戸構造発光層の井戸層をなす数nmから、第一または第二のIII族窒化物半導体層に適するμmのオーダーの広い膜厚の範囲の層を得るのには、MOCVD手段やMBE手段が適する。その中で特に、窒素以外の揮発性の高い砒素(As)や燐(P)を含むIII族窒化物半導体層を気相成長させるのには、MOVPE手段が適する。常圧(略大気圧)または減圧方式のMOCVD手段を利用できる。
本発明では、発光素子用途の積層構造体を構成するために利用した結晶基板を除去して構成するため、光学的に透明な結晶を基板とする必要は無い。むしろ、先在する基板(積層構造体を形成するために利用した結晶基板)を除去する必要があるため、湿式手法、または高周波プラズマエッチング手法等の乾式手法に依るエッチング手段、或いはレーザー(laser)照射手法等に依る手段で容易に簡便に剥離できる結晶を基板とするのが好まれる。レーザー照射手段で剥離するのに都合が良いのは、積層構造体の構成層とは顕著に相違する熱膨張率を有する結晶基板である。
また、本発明では、積層構造体の最表層に、先在する結晶基板を除去した後、積層構造体の機械的な支持力低下を補強するために、機械的強度のある板状体を貼付して設ける。貼付する板状体として、発光層から放射される光に対し透明な材料からなる板状体、例えばガラスを例示できる。
積層構造体と板状体との接合は、貼り付けを行う積層構造体の表面或いは板状体の積層構造体と接合する表面を予めきれいに洗浄することにより、双方の貼り合わせが簡易となる。例えば、板状体とIII族窒化物半導体層(積層構造体)とを頑固に貼り合わせるのには、貼り合わせ時に、例えば1kg/cm2〜5kg/cm2の外圧で加圧するか、或いは500℃から1000℃の高温に加温する、もしくは、温度・圧力・電圧をかけ陽極接合法を用いることにより、貼り合わせを容易となすことができる。この場合は、板状体と発光層との間に、接合を強固にする、GaN、AlN、GaAlNなどの層を形成するとより特性に悪影響を与えずに接合することが可能である。
また、表面にシリコーン樹脂などの接着層を形成後、板状体を貼り合わせることも可能である。
積層構造体を形成するために使用した基板を除去するのには、研磨手段や剥離手段が利用できる。例えば、サファイア基板は、シリカ、アルミナ、またはダイヤモンド微粉を主体とした研磨紛を利用して研磨できる。
積層構造体から、それを形成するのに利用した結晶基板を剥離するのには、レーザ照射手段が適する。剥離するために照射するのに適するレーザー光は、パルスレーザ光、炭酸ガス(CO2)レーザ光、エキシマレーザ光等を利用できる。特に、励起ガスとして弗化アルゴン(ArF)や弗化クリプトン(KrF)等を用いるエキシマレーザを用いることが好ましい。レーザ光の波長は、193nm或いは248nmであるのが好ましい。レーザ光を照射して結晶基板を剥離する場合、結晶基板の厚さが厚いと、レーザ光が吸収され易くなり、効率的に剥離させる領域を加熱できない。従って、レーザ光を照射して積層構造体と結晶基板とを効率的に剥離させるのには、結晶基板の厚さは100μm〜300μmとしておくのが適当である。また、結晶基板の表面に凹凸、細かな傷などがあった場合にはレーザ光の吸収がかわり、剥離にむらが起き易い。
以上述べたように、本発明の実施形態では、積層構造体を設けるために使用された結晶基板を除去した後の露出面に、発光層から放射される光に対し透明な材料からなる板状体を形成したので、その板状体で機械的に支持するとともに、短波長の紫外線に対する光の吸収を低減でき、発光効率を向上させることができる。
また、板状体に積層構造体の熱膨張率とほぼ同じ熱膨張率を持つ材料を選ぶことができ、したがって、電流を長時間に亘り通流しても、積層構造体に熱応力に因る亀裂は発生せず、信頼性を向上させることができる。
なお上記の説明では、積層構造体を形成するために利用した結晶基板を完全に除去して板状体を設けるようにしたが、この結晶基板は必ずしも完全に除去する必要はなく、厚さを薄くする程度に止めても良い。
積層構造体を形成するために利用した結晶基板の厚さを薄くすることにより、結晶基板から透過する光が吸収されるのを低減することができ、外部への発光の取り出し効率に優れ、且つ、静電耐圧に優れるIII族窒化物半導体発光素子を得ることができるようになる。そのためには、光学的に透明で、且つn型またはp型の導電性単結晶を基板とするのが好適である。残存させる結晶基板は、積層構造体を機械的に支持する作用とともに、発光層からの発光を外部へ透過する作用を併せ持っている。残存させる結晶基板の厚さをより薄くすれば、発光の透過率は増加し、外部への発光の取り出し効率に優れるIII族窒化物半導体発光素子を得るのに優位とはなる。一方で、薄層化に伴い、結晶基板の積層構造体を支持する作用は低減される。従って、双方の兼ね合いから、残存させる結晶基板の厚さは100μm〜300μmが適当である。
板状体として、ガラス基板を積層構造体の最表層に貼付して、III族窒化物半導体発光素子を構成する場合を例にして、本発明の内容を説明する。
図1はサファイア基板上に形成した積層構造体の断面構造を模式的に示す図、図2は図1の積層構造体からチップ化して作成した本発明に係るLEDの断面構造を模式的に示す図、図3はLEDの平面図、図4はLEDをマウントして構成したLEDランプを示す断面図である。
先ず図1に示すように、厚さを約350μmとする電気絶縁性のサファイア基板100の(0001)結晶面上に、シーディングプロセス(SP)手段を用いて、窒化アルミニウム(AlN)層101を、一般的な減圧MOCVD法により900℃で形成した。AlN層101の層厚は5nmとした。AlN層101上には、1050℃で層厚を18nmとする窒化ガリウム(GaN)からなる緩衝層102を形成した。
GaN緩衝層102上には、珪素(Si)を層内の原子濃度が1×1018cm-3となる様に、アルミニウム組成比を0.01とするn型窒化アルミニウム・ガリウム混晶(Al0.01Ga0.99N)からなるn型のコンタクト層103を形成した。コンタクト層103は、一般的な減圧MOCVD法に依り、1050℃で成長させた。n型コンタクト層103の層厚は約2.5μmとした。
n型Al0.01Ga0.99Nコンタクト層103上には、n型Al0.10Ga0.90Nからなるn型クラッド層104を積層した。n型クラッド層104は、Siを、層内の原子濃度が1×1018cm-3となる様にドーピングして形成した。一般的な減圧MOCVD法で成長させたn型クラッド層104の層厚は、約0.5μmとした。
上記のn型Al0.10Ga0.90Nクラッド層104上には、n型AlXGaYNからなる障壁層と、n型GaYInZNからなる井戸層とから構成した多重量子井戸構造のn型発光層105を積層した。井戸層のインジウム(In)組成比(=Z)は、上記の量子井戸構造から波長を360nmから370nmとする紫外光が放射される様に調整した。井戸層の層厚は約5nmとし、障壁層の層厚は15nmとして、量子井戸構造を構成した。
多重量子井戸構造の発光層105上には、p型不純物のMgを故意に添加した(ドーピング)した、2.5nmの層厚のp型AlX1GaY1Nクラッド層106を形成した。アルミニウム組成比(=X1)は約0.10(=10%)とした。Mgは、同層106内で原子濃度が約5×1018となる様にドーピングした。p型クラッド層106上には、MgをドーピングしたAl組成比がより小さいAlX2GaY2N(X1>X2≧0)からなるp型コンタクト層107を形成した。コンタクト層107の内部のMgの原子濃度は、約2×1019/cm-3とした。
p型コンタクト層107の表面には、p型オーミック電極膜108として、白金(Pt)の薄膜を一般的な高周波スパッタリング手段に依り形成した。p型オーミック電極膜108上には、前記の多重量子井戸構造の発光層105からの発光を、結晶基板100側へ反射させるため金属反射膜109を設けた。金属反射膜109は、ロジウム(Rh)被膜から構成した。
またn型コンタクト層103には、マスクでカバーし、ドライエッチングプロセスで掘り込んだ面にCr/Ti/Auからなるn型オーミック電極113を形成した(図3)。このn型オーミック電極113の最表層は、金(Au)である。
金属反射膜109の上には、接合用の金膜110を形成し、サファイア基板100から金属反射膜109までの積層構造体11を前段階として構成した。
その後、今迄積層構造体11を機械的に支持していたサファイア基板100の裏面を研削した。サファイア基板100の裏面は、平均粒径が0.5μmの酸化珪素細粒を含むコロイダル状シリカを用いて、130μm〜150μmの厚さに亘り研磨した。この研磨により、サファイア基板100の厚さを、210±10μmと薄くした。
サファイア基板100の裏面を研削した後、反対側の金属反射膜109にはガラスを水溶性接着材を用いて貼り合わせ、積層構造体11の機械的支持力を一時的に補強した。
薄く研磨したサファイア基板100の表面から、サファイア基板100とGaN緩衝層102との接合界面に焦点を合わせて、波長を248nmとするエキシマレーザ光を照射した。これにより、サファイア基板100とその上の積層構造体11との熱膨張率に差異があることを利用して、AlN層101およびGaN緩衝層102の部分から、研磨して既に薄層化したサファイア基板100を剥離した。
その面に370nm付近の紫外線に対し、RGBの3色を発光する蛍光体ガラスを板状体111として陽極接合法を用いて貼り合わせた。陽極接合法における電圧は340Vとし、温度は比較的低温の300℃程度で良好な接合が可能となった。蛍光体をガラスに分散させる方法としては、スピンコート法により、ガラス表面に蛍光体を塗布する方式を用いた。微粉をガラスに分散させるその他の方法としては、ゾルゲル法により、10nm以下の微粉をガラスに分散させる方法が微粉の凝集が防止でき、極めて特性の良いものが製作可能である。
しかる後に、積層構造体11の金属反射膜109の表面側に一時的に設けたガラスを外し、電極表面を洗浄してLEDウェーハを完成させた。
次に、一般的なレーザスクライブ法により、素子分割用の割り溝を半導体側に設けた。その後、この溝に対し、一般的なブレーカーを利用して機械的圧力を加え、一辺の長さを約350μmとする平面視略正方形の個別のIII族窒化物半導体発光素子(チップ)12(以下、「LED12」という)に分離した。これにより、サファイア基板100を削除して、積層構造体11に貼付した板状体111の蛍光ガラス体に積層構造体11の機械的支持を担わせた、pn接合型DH構造の白色III族窒化物半導体LED12(図2、図3)を完成させた。
LED12は、貼付した板状体111を利用して、その全面に亘って、素子を形成したため、極めて演色性の良い、高輝度白色LED素子を作ることができた。
次に、このLED12を利用してLEDランプ10を構成した。LED12(積層構造体11)の表面側に設けたp型オーミック電極108(金属反射膜109、金膜110)、n型オーミック電極113を、図4に示すように、Siサブマウント23上にAuボールバンプ21を形成してマウントした。また、p型オーミック電極108(金属反射膜109、金膜110)とn型オーミック電極113との間に素子駆動電流を通流できる回路構成とした。
p型オーミック電極108(金属反射膜109、金膜110)とn型オーミック電極113の各表面を金(Au)膜としてあるため、簡易にボンディングができた。その後、紫外線に因る劣化を防止するための防止剤を含ませた半導体封止用途のエポキシ樹脂22で封止し、発光ダイオード(LED)ランプ10を完成させた。
n型オーミック電極113及びp型オーミック電極108(金属反射膜109、金膜110)間に順方向に素子駆動電流を流すと、駆動電流を発光層105の広範囲な領域に平面的に拡散できた。素子駆動電流を20mA流してLED12を発光させたとき、発光出力は、波長を約370nmの紫外線光について測定したところ、約20ルーメン/ワット(lm/W)に達した。また、順方向電流を20mAとした際の順方向電圧Vfは約3.4Vと低値であった。
このように、積層構造体11を設けるために使用されたサファイア基板100を除去した後の露出面に、発光層105から放射される光に対し透明な材料からなる板状体111を形成したので、その板状体111で機械的に支持するとともに、短波長の紫外線に対する光の吸収を低減でき、発光効率を向上させることができた。
また、駆動電流を発光層105の広範囲な領域に平面的に拡散でき、発光領域が拡張されて発光出力の強いLEDとなった。
また、板状体111に積層構造体11の熱膨張率とほぼ同じ熱膨張率を持つ材料を選ぶことができ、したがって、電流を長時間に亘り通流しても、積層構造体11に熱応力に因る亀裂は発生せず、信頼性を向上させることができた。
また、LED12は、板状体111として、屈折率が1.5のガラスを使用したため、光の取り出し効率が増し、極めて発光特性に良好な素子ができた。すなわち、板状体111の屈折率1.5は積層構造体11の主な材料であるGaNとエポキシ樹脂の中間の値であり、板状体111とGaN(積層構造体11)との界面、また板状体111とエポキシ樹脂22との界面での反射が減少するため、光の取り出し効率を改善することができる。
本発明の構成からなるLED12を利用すれば、成長に用いた基板の特性に囚われずに、光の取り出し効率、多色発光、静電対策などのさまざまな特性に対し、好適な材料を選択し、発光素子を完成させることができる。また、このLEDランプ10は、紫外線に対し、耐性の強い蛍光ガラスで表面を覆っているため、樹脂の変質の少ない信頼性の良いランプができた。
サファイア基板上に形成した積層構造体の断面構造を模式的に示す図である。 図1の積層構造体からチップ化して作成した本発明に係るLEDの断面構造を模式的に示す図である。 LEDの平面図である。 LEDをマウントして構成したLEDランプを示す断面図である。
符号の説明
10 LEDランプ
11 積層構造体
100 サファイア基板
101 AlN層
102 GaN緩衝層
103 GaNコンタクト層
104 n型クラッド層
105 量子井戸構造発光層
106 p型クラッド層
107 p型コンタクト層
108 p型オーミック電極
109 金属反射膜
110 金膜
111 板状体
113 n型オーミック電極
21 Auボールバンプ
22 エポキシ樹脂
23 Siサブマウント

Claims (2)

  1. 少なくとも、互いに電気伝導型が異なる2つのIII族窒化物半導体層と、その中間に設けられたIII族窒化物半導体からなる発光層とを積層した積層構造体からなる紫外光を発光するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    上記積層構造体を設けるために使用された結晶基板を除去し、
    上記結晶基板除去により露出された露出面に、発光層から放射される光に対し透明な材料からなる板状体を陽極接合法による貼り合わせにより形成し、
    上記発光層から放射された光が板状体から取り出されるようにしており、
    該板状体は蛍光ガラスである、
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 上記積層構造体からの結晶基板の除去は、積層構造体と結晶基板との接合界面領域にレーザ光を照射して行われる、請求項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
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