JP4842790B2 - 建物の外壁上部構造 - Google Patents

建物の外壁上部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4842790B2
JP4842790B2 JP2006337109A JP2006337109A JP4842790B2 JP 4842790 B2 JP4842790 B2 JP 4842790B2 JP 2006337109 A JP2006337109 A JP 2006337109A JP 2006337109 A JP2006337109 A JP 2006337109A JP 4842790 B2 JP4842790 B2 JP 4842790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airtight
wall
holding member
wall panel
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006337109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008150795A (ja
Inventor
敏晴 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Homes Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Homes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Homes Corp filed Critical Asahi Kasei Homes Corp
Priority to JP2006337109A priority Critical patent/JP4842790B2/ja
Publication of JP2008150795A publication Critical patent/JP2008150795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4842790B2 publication Critical patent/JP4842790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

本発明は、コンクリート系外壁パネルを利用した建物の外壁上部構造に関し、特に、建物の内部で生じる湿気を屋外に脱気し得るようにした外壁上部構造に関するものである。
断熱性を備えた建物では、外気温度と屋内温度との差によって外壁の内側に結露が生じる虞があるため、外壁と断熱材との間に通気層を形成し、この通気層を利用して換気をはかることで結露を防止し得るように構成されたものが多い。
例えば、コンクリート系パネルからなる外壁パネルを有する鉄骨造建物の場合、外壁パネルの上端部分に換気口を構成しておき、この換気口を通気層に連通させて換気するように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。この技術では、外壁に沿って屋内側に形成された通気層を介して屋内の通気をはかり、且つ通気層の上端部分に対応して設けた換気口から屋外に換気することができる。
また、パラペット部に通気口を設けて通気をはかるようにした技術も提案されている。例えば特許文献2に記載された技術では、外壁に沿って設けた通気層をパラペット部まで延長して端部に煙突部材からなる換気孔を設けることで換気をはかり、且つ外壁の上端部分に取り付けた笠木ブラケットに笠木を取り付けることで、この笠木を換気孔の屋根として外壁に沿って設けた通気層に雨水が入り込むのを防止し得るように構成されている。
上記した各技術は何れも外壁に沿って通気層を構成すると共に該通気層を換気口、或いは換気孔に接続し、通気層の空気を換気口、換気孔から屋外に換気して積極的な通気をはかるようにしたものである。この場合、屋外に換気する換気量の制御を行うことはなく、自然通気による換気を行うのが一般的である。
一方、コンクリート系外壁パネルを利用した建物では、新築後数年の間、コンクリート系外壁パネルに蓄えられた水分や、床スラブを構成する際に打設したモルタルの水分から放散される湿気により、屋内の湿度が高くなってしまうという問題を抱えている。
特に、外壁に対応する部位では、室内側の内壁との間(壁体内)に湿度の高い層が形成されてしまうことがあり、これらの湿気が建物に於ける高い部位に上昇して滞留し、長期間にわたり、壁体内の上部或いは屋根下部分を湿気の高い状態に保持してしまうという問題がある。
特開2000−129812号公報 特開2001−288866号公報
上記各特許文献に記載された技術では屋内の湿気を換気することができるものの、特別に換気量の制御を行うことがないため、必要以上の量の換気を行ってしまう虞がある。この場合、換気に伴って屋内の熱が逃げることとなり、冷暖房等によって投入した熱の損失を招く虞がある。
本発明の目的は、屋内の熱の損失をできるだけ抑え、コンクリート系外壁パネルから放散される湿気、屋内で生じる湿気を脱気することができる建物の外壁上部構造を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る第1の建物の外壁上部構造は、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造において、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上部に気密保持部材を配置して該上端小口面との間に気密間隙を設け、前記気密間隙に屋内側の空気を連通させ、前記気密保持部材に複数の開口を設けると共に該開口に難通気性を持った透湿シートを貼り付けた気密キャップを着脱可能に且つ気密を保持して取り付けたものである。
また本発明に係る第2の建物の外壁上部構造は、コンクリート系外壁パネルと該コンクリート系外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に空気層が設けられ且つコンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造において、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上部に気密保持部材を配置して該上端小口面との間に気密間隙を設け、前記気密間隙にコンクリート系外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に設けられた空気層を連通させ、前記気密保持部材に複数の開口を設けると共に該開口に難通気性を持った透湿シートを貼り付けた気密キャップを着脱可能に且つ気密を保持して取り付けたものである。
上記第2の建物の外壁上部構造に於いて、空気層が屋根の屋内側に沿った湿気溜まりにも連通していることが好ましい。
また上記何れかの建物の外壁上部構造に於いて、気密保持部材に設けた開口に気密キャップを取り付けたとき、該気密キャップが固定されたことを表示する表示手段を備えることが好ましい。
また上記何れかの建物の外壁上部構造に於いて、気密保持部材に設けた複数の開口が建物に設定されたモジュール寸法と対応する間隔を有して形成されていることが好ましい。
更に、上記何れかの建物の外壁上部構造に於いて、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造が陸屋根のパラペットである場合、前記気密保持部材と屋根面を構成する部材とを一体的に構成することが好ましい。
本発明に係る第1の建物の外壁上部構造(以下単に「外壁上部構造」という)では、コンクリート系外壁パネル(以下「外壁パネル」という)の上端小口面に気密保持部材を配置して、上端小口面と気密保持部材との間に気密間隙を形成し、この気密間隙に屋内側の空気を連通させたので、上昇してくる湿気を持った屋内側の空気を建物の最上部にある気密間隙に集めることができる。そして、気密保持部材に設けた複数の開口には、難通気性を持った透湿シートを貼り付けた気密キャップが取り付けられているので、気密間隙に存在する空気に含まれた湿気を透湿シートを通して外気に透過させて脱気することができる。
透湿シートが難通気性を有するため、外壁パネルの上端小口面を含んで構成された気密間隙は気密性が保持され、屋内側の空気が外気に放出される所謂換気を行うことがない。このため、換気に伴って屋内側に保持された熱が逃げることがなく、換気によって生じる熱損失を減少させ或いはなくすことができる。
また気密キャップが開口に対し着脱可能に構成されているため、透湿シートが持つ透湿性を保持し得る期間が経過した後、適宜交換して初期の性能を回復することができる。
また気密保持部材に設けた開口に気密キャップを取り付ける際に、表示手段によって気密キャップが固定されたことを表示することで、確実な気密性を保持すると共に透湿性を確保することができる。
また気密間隙が外壁パネルの上端小口面を含めて構成されているため、外壁パネルを構成するコンクリートから長期間にわたって放散される湿気を他の部位に逸散させることなく、確実に脱気することができる。
また、気密保持部材が外壁パネルの上端小口面に対向して笠木との間に配置されるため、外部から気密保持部材を直接視認することはできない。このため、外観意匠を向上させることができる。
また本発明に係る第2の外壁上部構造では、外壁パネルと該外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に設けられた空気層が、外壁パネルの上端小口面と気密保持部材とによって構成された気密間隙に連通しているため、前記空気層の湿気が気密間隙に上昇したとき、空気に含まれた湿気を透湿シートを通して脱気することができる。このため、外壁パネルを構成するコンクリートに含まれたら水分が経時的に屋内側の面や小口面から放散した湿気を確実に脱気することができる。
また外壁にそって構成された空気層と、屋根下で気密断熱材の上面に形成された僅かな間隙である空気溜まりを共に外壁パネルの上端小口面を含む気密間隙に連通することで、溜まった湿気を外壁の上端部分に形成された気密間隙に集中させて脱気することができる。
また気密保持部材に設ける開口を建物に設定されたモジュール寸法に対応させた間隔で形成した場合には、外壁を構成する個々の外壁パネルの上端小口面に対し確実に1又は複数の開口を配置することができる。このため、施工時に気密キャップの取付忘れを生じることがない。
また本発明に係る外壁上部構造が陸屋根のパラペットである場合、気密保持部材と屋根面を構成する部材とを一体的に構成することで、部品点数を増加させることなく、且つ容易な施工を実現することができる。
この場合、気密保持部材と屋根部材とが一体的に構成されることによって、予期せぬ大雨によって気密保持部材が水没したような場合であっても、気密キャップに貼り付けられた透湿シートが難通気性を有するため、雨水が屋内の空気層に浸透することがなく、防水性を確保することができる。
以下、本発明に係る外壁上部構造の最も好ましい実施の形態について説明する。本発明の外壁上部構造は、建物の屋内側で生じた湿気を外壁の上端部分から脱気して屋内側に於ける過大な湿度の上昇を防ぐようにしたものである。本発明に於いて、外壁の上部とは、外壁パネルの上端小口面を含んで構成される陸屋根のパラペットやベランダ等の腰壁の上端部分をいうものとする。
また本発明に於いて、脱気とは、透湿シートを境界として空気の流通を行うことなく湿気のみを外気に透過させて除湿することをいうものとする。
本発明に於ける外壁パネルを構成するコンクリート系パネルとしては、軽量気泡コンクリート(ALC)パネルやプレキャストコンクリート(PC)パネル等があり、何れのパネルであっても用いることが可能である。これらのALCパネルやPCパネルは経時的に内部に含まれた水分が外部に放散される。
気密保持部材は外壁の上部に気密空間を設けるための部材であり、外壁パネルの上端小口面に沿って笠木との間に配置される。特に、気密保持部材は全体が笠木によって覆われることが好ましく、このように、笠木によって気密保持部材を覆うことで、笠木を建物の外壁の上端部分の化粧部材として機能させることが可能となる。この構成では、気密保持部材と笠木との間には外気が流通するものの、雨水は笠木によって遮断されて気密保持部材(気密キャップ)に直接降りかかることはない。
本発明に於いて、外壁パネルの上端小口面の上部に気密保持部材を配置することで、外壁パネルの上端小口面と気密保持部材とによって気密間隙が構成され、この気密間隙に屋内側の空気が連通している。このように、本発明に於ける気密間隙は外壁パネルと気密保持部材とによって独立した気密空間を構成するものではなく、外気側に対しては気密性を保持し、屋内側の空間に対しては連通した構造を有している。屋内側の空気が気密間隙に連通する構造は特に限定するものではなく、浴室や居室、或いは台所等の建物を構成する部屋の空気が連通し得る構造であれば良い。
特に、経時的に外壁パネルから放散する水分による湿気を気密間隙に集めて透湿シートを通して脱気する場合、外壁パネルと該外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に空気層(間隙)を設け、この空気層を外壁パネルの上端小口面に対応して設けた気密間隙に連通させることが好ましい。このように、外壁パネルの屋内側の面に空気層を設けることで、外壁パネルの裏面から放散された湿気、及び外壁に於ける下方に配置された外壁パネルの小口面から放散された湿気を空気層を通して気密間隙に集めることが可能であり、上端に配置された外壁パネルの上端小口面から放散された湿気を直接気密間隙に集めることが可能である。
外壁パネルの屋内側に配置される気密断熱材としての材質は特に限定するものではなく、気密性と断熱性を兼ね備えたパネル状のものであれば採用することが可能である。このような気密断熱材としては、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレン或いはフェノール樹脂発泡体等の成形体や発泡体を含む硬質プラスチック系材料からなるものが好ましい。
またフェノール樹脂発泡体からなる気密性を有する断熱材としては、本件出願人が開発した技術(ネオマフォーム(登録商標))がある。
フェノール樹脂発泡体からなる断熱材では、従来の押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームの約2/3程度の厚さで略同等の断熱性能を発揮することが可能である。このため、外壁パネルと気密断熱材との間に全面にわたって空気層を形成することが可能であり、外壁パネルからの湿気をより早く放散させることが可能となる。
更に、外壁パネルの屋内側の面に沿って構成された空気層を気密間隙に連通するのに加えて、屋根の屋内側に沿った湿気溜まりを連通することが好ましい。このように、気密間隙に屋根の屋内側に沿った湿気溜まりを連通することで、外壁パネルから放散された湿気に加えて建物の内部で発生した湿気を脱気することが可能となる。
気密保持部材には複数の開口が設けられ、この開口に気密キャップが取り付けられる。隣接する開口間の間隔は特に限定するものではないが、建物に設定されたモジュール寸法に対応した寸法であることが好ましい。開口のピッチをモジュール寸法に対応させることで、外壁を構成する個々の外壁パネルの幅寸法の如何に関わらず、1又は複数の開口を対向させることが可能である。
気密保持部材に設けた開口に取り付けられる気密キャップには難通気性の透湿シートが貼り付けられている。透湿シートとしては空気を流通させることなく、一方側の面にある湿気を他方側の面に透過させる機能を有するものであれば利用することが可能である。このような透湿機能を持ったシートとしては、タイベックス(登録商標)、或いはゴアテックス(登録商標)があり、これらのシートを選択的に利用することが可能である。
気密キャップに対し透湿シートを貼り付ける手段は特に限定するものではなく、接着や溶着を採用することが可能である。しかし、長期間にわたって安定した固定状態を保持するためには高周波溶着であることが好ましい。この場合、気密キャップの材質をポリエチレンとすることが好ましい。
気密キャップを開口に取り付ける構造は特に限定するものではないが、透湿シートの性能が劣化したとき容易に交換し得るような構造(乾式構造)であることが好ましい。このような構造としては、ねじやバヨネット等があり、これらの機能を選択的に採用することが可能である。また、気密キャップを開口に取り付けたとき、該気密キャップが固定されたことを表示する表示手段を設けることが好ましい。このような表示手段を設けることによって、開口に対する気密キャップの取り付けの信頼性を確保することが可能となる。
気密キャップを開口に取り付けたとき、気密キャップと開口との接続部位が気密性を有することが必要である。このため、気密キャップの開口と対応する部位にはパッキンを配置して気密性を確保し得るようにすることが好ましい。
特に、外壁上部構造が陸屋根のパラペットとして構成されている場合、予期しない大雨が降ったときに気密保持部材が冠水する虞が生じる。このため、開口に立ち上がり部を設けておき、この立ち上がり部に気密キャップを嵌め込んで固定し得るようにすることが好ましい。
また本発明の外壁上部構造が陸屋根のパラペットである場合、外壁パネルの上端小口面に対向して配置される気密保持部材と、屋根を構成する部材と、が一体的に構成されることが好ましい。このように気密保持部材と屋根部材とを一体的に構成することによって、外気に対しより高い気密性を確保することが可能となる。
次に、第1実施例に係る外壁上部構造について図を用いて説明する。図1は外壁上部構造の構成を説明する図である。図2は気密保持部材の構成を説明する図である。図3は気密キャップの構成を説明する図である。図4は気密キャップの気密保持部材に対する取付構造を説明する図である。
先ず、建物の外壁と屋根を含む上部構造について図1により簡単に説明する。図示しない梁に外壁パネル1が取り付けられており、また、屋根を構成する屋根パネル20が載置されている。
外壁パネル1の屋内側の面には該外壁パネル1に沿って気密断熱材2が配置されている。本実施例では、外壁パネル1の屋内側の面と気密断熱材2との間には外壁パネル1の端部切欠部分による間隙3が形成されており、この間隙3が空気層としての機能を有している。
屋根パネル20の上面には全面にわたって気密断熱材4が配置されており、この気密断熱材4の上面に水勾配を有する勾配パネル21が敷き込まれ、該勾配パネル21と気密断熱材4とが同時に屋根パネル20に固定されている。
更に、勾配パネル21の上面には防水シートを含む防水層が施工されて陸屋根が構成されている。本実施例では外壁パネル1の上端部分は勾配パネル21の水下線よりも上位に配置されたパラペットとして構成されており、該外壁パネル1の上端部分に沿って排水溝22が形成されている。
屋根パネル20に載置した気密断熱材4と勾配パネル21との間には僅かな隙間5が形成されており、この隙間5は外壁パネル1によって規制された端部で該外壁パネル1の屋内側の面に沿って構成された間隙3に連通している。そして間隙5が上昇してきた湿気のたまり場(湿気溜まり)となる。
尚、勾配パネル21と気密断熱材4との間に形成された隙間5は、必ずしも屋根の全面にわたって形成されるものではなく、部分的に且つ断続的に形成されても良い。
外壁パネル1の上端小口面1aに対向して気密保持部材10が配置されている。この気密保持部材10は予め設定された長さを持った長尺状の部材として構成され、上端小口面1aと対向する平面片10aと、平面片10aの幅方向の一方の端部に沿って設けた垂直片10bと、他方側の端部に沿って設けた気密保持片10cと、を有して構成されており、平面片10aには建物に設定されたモジュール寸法と対応する間隔を持って複数の開口11が形成されている。
気密保持部材10は、平面片10aを外壁パネル1の上端小口片1aに対向させると共に、垂直片10bを外壁パネル1の屋内側の面に沿って垂下し、外壁パネル1に沿って配置された排水溝22を構成するパネルの端面に対向させて両者の間に挟み込み、予め所定の間隔を持った設けられたブラケットにボルト等を利用して固定されている。
上記の如くして固定された気密保持部材10の垂直片10bには、屋根の防水層を構成する防水シートが接着又は溶着されている。従って、垂直片10bは実質的に屋根の防水層と気密性を保持して接続されると共に、外壁パネル1の屋内側の面に構成された空気層3に対しては気密性を保持することなく連通している。
また気密保持部材10の気密保持片10cは、端部を外壁パネル1の上端小口面1aの一部に当接させた状態で、接続部位にシーリング材12を施工することで気密性を持って接続されている。
上記の如くして気密保持部材10を外壁パネル1の上端小口面1aに対向して配置することで、該気密保持部材10と上端小口面1aとによって気密間隙13を形成することが可能である。そしてこの気密間隙13は、建物の屋内側に構成された間隙3、隙間5と夫々連通している。
開口11は気密キャップ15を着脱可能に取り付けるものであり、気密保持部材10の平面片10aに孔を形成すると共に該孔の周縁には円筒状の立ち上がり部11bが形成されており、該立ち上がり部11bの端部を複数(本実施例では6つ)に分割し、分割した部位を一つおきに切除すると共に残った片を外側に折り返して係止片11aが形成されている。
気密キャップ15は、円筒状のボス部15aと、ボス部15aの長手方向の一方側に端部に形成されたフランジ部15bと、ボス部15aの内周面に形成された3つの係合部15cと、を有して構成されている。またボス部15aの他方側の端面には二条の突起15dが形成されており、該突起15dを利用して透湿シート16が溶着により固定されている。
更に、ボス部15aの外周面には内部に形成した係合部15cと対応する位置に突起15eが形成されている。この突起15eは気密キャップ15を開口11に取り付けたときに固定されたことを表示する表示手段となるものであり、ボス部15aの他方側の端面に透湿シート16を固定することで内部を視認し得なくなったとき、係合部15cの位置を確認して開口11に対する固定位置を表示するものである。
フランジ部15bは気密保持部材10の開口11に取り付けたとき、平面部10aと接触するものであり、端面にパッキン17を装着して気密性を保持し得るように構成されている。
係合部15cは気密保持部材10に設けた開口11の係止片10aと係合して固定される機能を有するものであり、透湿シート15d側が僅かな勾配を持った勾配面として構成されている。そして、係止片10aを隣接する係合部15cの間に形成された切り欠き部分に通過させ、その後、気密キャップ15を所定方向に所定角度回転させることで、勾配面が係止片10aと係合して弾性的に押さえ込まれて開口11に固定される。
従って、気密保持部材10に取り付けられている気密キャップ15を交換する場合には、該気密キャップ15を反対方向に回転させることで、係合部15cの係止片10aに対する係合を解除することで、取り外すことが可能である。
外壁パネル1の上端小口面1aに対向して取り付けた気密保持部材10を覆って笠木30が取り付けられている。笠木30の構成は特に限定するものではないが、本実施例では、気密保持部材10の平面片10aの上部からブラケット29に取り付けた笠木ブラケット30aに固定されている。このように、笠木ブラケット30aに笠木30を取り付けることで、気密保持部材10は笠木30によって覆われ、該笠木30との間に外気が流通する空間31が構成される。
上記の如く構成された外壁上部構造では、建物を構成する外壁パネル1の屋内側に構成された間隙3、屋根を構成する勾配パネル24の屋内側に構成された隙間5が夫々外壁パネル1の上端小口面1aと気密保持部材10とによって構成された気密間隙13に連通している。このため、間隙3及び隙間5に存在する湿気が上昇して気密間隙13に集められる。
気密間隙13に集められた湿気は、気密保持部材10の平面片10aの開口11に固定した気密キャップ15の透湿シート16を通して空間31に脱気される。特に、気密保持部材10と笠木30との間に構成された空間31には常に空気が流通するため、透湿シート16を境界として湿度の異なる空気が存在することとなり、湿度の高い気密間隙13側から湿度の低い空間31に対して湿気が放散される。従って、気密間隙13に存在する湿気は透湿シート16を通して脱気されることとなる。
次に、第2実施例に係る外壁の上部構造の構成について説明する。本実施例は、図5に示すように、気密保持部材を陸屋根に設けた排水溝を構成する部材と一体的に構成したものであり、他の構造は前述の第1実施例と同じである。
図に示すように、気密保持部材18は、前述した気密保持部材10と同様に、複数の開口11を設けた平面片18aと、垂直片18bと、気密保持片18cとを有し、更に、垂直片18bの下端部に連続してV字状に形成された排水溝片18dと、排水溝片18dに連続して屋根面の一部を構成する屋根片18eと、を有している。
上記の如く構成された気密保持部材18を用いた場合には、該気密保持部材18をブラケットに固定したとき、同時に排水溝22を構成することが可能であり、且つ屋根面の防水層を構成する防水シートを屋根片18eに接着又は溶着することで、防水層を施工することが可能であり、容易な作業を実現することが可能となる。
更に、屋根片18eに防水シートを接着又は溶着することで、気密保持部材18と外壁パネル1の上端小口面1aとによって構成される気密間隙13の気密性を確保することが可能である。
本実施例の外壁上部構造であっても、間隙3、隙間5を通して屋内の湿気を気密間隙13に集めると共に、該気密間隙13に集められた湿気を気密キャップ15の透湿シート16を通して脱気することが可能である。
本発明の外壁上部構造は、建物の内部で生じる湿気のみを脱気することが可能であり、屋内で使用された冷暖房による熱の放出を伴うことがなく、熱効率を低下させることなく湿気を除去することが可能であり、特にコンクリート系外壁パネルを用いた建物に適用して有利である。
外壁上部構造の構成を説明する図である。 気密保持部材の構成を説明する図である。 気密キャップの構成を説明する図である。 気密キャップの気密保持部材に対する取付構造を説明する図である。 第2実施例に係る気密保持部材の構成を説明する図である。
符号の説明
1 外壁パネル
1a 上端小口面
2 気密断熱材
3 間隙(空気層)
4 気密断熱材
5 隙間(湿気溜まり)
10 気密保持部材
10a 平面片
10b 垂直片
10c 気密保持片
11 開口
11a 係止片
11b 立ち上がり部
12 シーリング材
13 気密間隙
15 気密キャップ
15a ボス部
15b フランジ部
15c 係合部
15d 突起
15e 突起
16 透湿シート
17 パッキン
18 気密保持部材
18a 平面片
18b 垂直片
18c 気密保持片
18d 排水溝片
18e 屋根片
20 屋根パネル
21 勾配パネル
22 排水溝
30 笠木
31 空間

Claims (6)

  1. コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造において、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上部に気密保持部材を配置して該上端小口面との間に気密間隙を設け、前記気密間隙に屋内側の空気を連通させ、前記気密保持部材に複数の開口を設けると共に該開口に難通気性を持った透湿シートを貼り付けた気密キャップを着脱可能に且つ気密を保持して取り付けたことを特徴とする建物の外壁上部構造。
  2. コンクリート系外壁パネルと該コンクリート系外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に空気層が設けられ且つコンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造において、コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上部に気密保持部材を配置して該上端小口面との間に気密間隙を設け、前記気密間隙にコンクリート系外壁パネルの屋内側に配置された気密断熱材との間に設けられた空気層を連通させ、前記気密保持部材に複数の開口を設けると共に該開口に難通気性を持った透湿シートを貼り付けた気密キャップを着脱可能に且つ気密を保持して取り付けたことを特徴とする建物の外壁上部構造。
  3. 前記空気層が屋根の屋内側に沿った湿気溜まりにも連通していることを特徴とする請求項2に記載した建物の外壁上部構造。
  4. 前記気密保持部材に設けた開口に気密キャップを取り付けたとき、該気密キャップが固定されたことを表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した建物の外壁上部構造。
  5. 前記気密保持部材に設けた複数の開口が建物に設定されたモジュール寸法と対応する間隔を有して形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した建物の外壁上部構造。
  6. コンクリート系外壁パネルの上端小口面の上方に笠木を被せた建物の外壁上部構造が陸屋根のパラペットである場合、前記気密保持部材と屋根面を構成する部材とを一体的に構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した建物の外壁上部構造。
JP2006337109A 2006-12-14 2006-12-14 建物の外壁上部構造 Active JP4842790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006337109A JP4842790B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 建物の外壁上部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006337109A JP4842790B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 建物の外壁上部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008150795A JP2008150795A (ja) 2008-07-03
JP4842790B2 true JP4842790B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=39653265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006337109A Active JP4842790B2 (ja) 2006-12-14 2006-12-14 建物の外壁上部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4842790B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004197383A (ja) * 2002-12-18 2004-07-15 Mitsui Home Co Ltd バルコニーの通気構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008150795A (ja) 2008-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008303552A (ja) 換気装置
US20190323283A1 (en) A pane module adapted to be installed on a window frame and a method for making a pane module
JP2014159738A (ja) 通気構造
JP2008267021A (ja) ガラスカーテンウォールにおけるスパンドレル部分の結露防止構造
JP4842790B2 (ja) 建物の外壁上部構造
JP2008038556A (ja) 通気壁構造
JP5117978B2 (ja) 換気構造
JP5950714B2 (ja) 住宅の壁体構造部における換気構造
JP4869639B2 (ja) 水切部材及び建物通気構造
JP2004257097A (ja) 建物の多重断熱通気装置
JPH08277596A (ja) パネルを主体とした屋根構造、パネルおよび通気方法
JP2018184748A (ja) 笠木構造体
JP7284081B2 (ja) カーテンウォールユニット
JP5026329B2 (ja) バルコニーと出窓部の接合構造
JP2009074258A (ja) バルコニー床下換気構造
JP2011157696A (ja) 通気見切材及び建築物の外壁構造
JP2008291534A (ja) 通気壁構造
JP4669342B2 (ja) 断熱防水構造
JP5373154B2 (ja) 換気装置
JP3189522U (ja) 建築物の外壁及び建築物の外壁構造
JP2000248647A (ja) 建 物
JPH0742261A (ja) 建物の換気装置
JP2004068496A (ja) 建物の通気構造
JP2001323573A (ja) 改装壁の構造
JP2005282278A (ja) 通気外壁構造及びそれに用いられる下部金物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090812

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4842790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350