JP4842275B2 - 電流測定のための検出回路 - Google Patents

Description

本発明は、主要な１個の主変流器、および２個の実質的に同一な補助変流器を含む電流測定のための検出回路であって、主電流は、前記主変流器の中に起磁力を誘起し、前記起磁力は、補償電流によって誘起された起磁力によって打ち消され、同時に、２個の補助変流器は、変調信号によって逆位相に磁化され、前記回路は、補償電流用の調整信号を発生させるための同期整流器を備えている、電流測定のための検出回路である。

デンマーク国特許Ｎｏ．１４９２３８は、粒子加速器内の電磁石用の電流を測定するためのゼロ磁束変流器を開示している。非常に大きな電流値、すなわち、数百アンペアの電流が関与するので、主電流は、比較的小さく、取り扱いが容易で、定抵抗を通して流される測定電流に有利に変換される。そのため、測定抵抗両端の電圧降下は、主電流の値を示す測定値である。

公知のゼロ磁束変流器は、磁気積分器と組み合わされた第二高調波磁気変調器によって形成されている。原則的に、磁気積分器は、強磁性体材料のリングコアを備え、前記リングコアは、一次巻線、二次巻線および検知巻線を備えている。検知巻線は、計測抵抗を通して二次電流を流す増幅器の入力端子に通じている。

従って、リングコアの磁束の変化は、検知巻線に電圧を誘起し、かつ、この電圧は増幅器に影響を与え、前記増幅器は、一次電流によって誘起された磁束の変化を打ち消す補償電流を発生させる。その結果、一次巻線を流れる電流によって発生した起磁力は、二次巻線を流れる電流によって発生した起磁力により、一次巻線の電流値と二次巻線の電流値の間に、特定の関係を有するように等化される。

しかし、磁気積分器は、ＤＣおよび非常に低い周波数を扱うことはできず、従って、別回路がこの機能のために必要である。このような回路は、２個の同等に巻かれたリングコア、および駆動回路を備える磁気変調器によって形成されている。リングコアは、飽和状態で駆動され、ゼロ磁束になる平衡点で、電流曲線は、ゼロに関して対称的である。その結果、偶数高調波成分は、ゼロである。

従って、ウィンドウ比較器／シュミットトリガの手段による直接的、対称的な検出、または変調信号の倍周波数を示す電流信号の同期整流を使用した第二高調波検出器の、どちらか一方を使用することができる。いずれの場合でも、一次と二次のアンペア巻線数が平衡点でゼロになる出力信号が得られる。アンペア巻線数の不平衡は、前記不平衡の程度、および極性に依存する振幅および極性の電圧を生じる。

後者の検出機能を実行するためには、１個のコアで十分であるが、補償回路が検出を抑制することを防止するために、かつ変調信号が磁気的結合で磁気積分器と干渉することを防止するためには、逆位相の２個のコアが必要である。

さらにデンマーク国特許出願Ｎｏ．ＰＡ２００３０１７５２は、上記の種類の検出回路を開示している。しかし、そこに記載されている回路は、かなり複雑である。

本発明の目的は、比較的強い電流を測定するための公知の回路よりも簡単な回路を提供することである。

本発明によれば、上記の種類の検出回路は、自動的に定常状態を得るようになっている負帰還ループを備えることにより、補助変流器のみならず、主変流器を囲む共通巻線の電流を測定するために補償電流が使用され、一方、同時に、補助変流器間の発生し得る誤差信号が、補償電流を調整するために使用されることを特徴としている。

さらに本発明においては、誤差信号は、変流器間で発生する電圧の差であってもよい。

特に有利な実施形態によれば、主変流器は、補助変流器に隣接して配置されており、可能であれば、補助変流器を囲むようにして配置されている。

次に本発明を、図面を参照しながら、詳しく説明する。

比較的強い電流を測定するための図１と図２に示される検出回路は、主電流が流れる導体を囲むリング状の主変流器１、および主電流Ｉ₁が流れる導体を囲む２個の実質的に同一のリング状の補助変流器２、３を備えている。３個のリング状の変流器コアには、補償巻線Ｌ３が巻かれている。それによって、３個のリング形状のコア１、２、３に流れる主電流Ｉ₁は、補償巻線Ｌ３に補償電流ｉ₁を生じ、前記補償電流ｉ₁は、主電流Ｉ₁によって誘起された起磁力を打ち消そうとする。

同時に、平衡駆動、例えば倍周波数２ｆを有する信号の逓減によって出現する、例えば１０ｋＨｚの周波数ｆの矩形波信号の形状での平衡駆動から生じる変調信号によって、２個の補助変流器２、３は、逆位相に磁化されている。変調信号は、補助変流器のうちの1個である補助変流器３により、巻線Ｌ２へ直接導かれるとともに、補助変流器２の巻線Ｌ１へ反転されて導かれ、それにより、２個の変流器２、３は逆位相で変調される。

コア２、３は、飽和状態で駆動され、かつ平衡点で信号曲線は、ゼロに関して対称である。その結果、偶数高調波成分はゼロである。従って、変調信号周波数ｆの倍周波数２ｆを示す信号の同期整流を使用した第２高調波検出器によって、直接的で対称的な検出が利用できる。不平衡の場合には、振幅と極性が不平衡の大きさと極性に依存する信号電圧の様式で、誤差信号が発生する。

帰還ループにより、振幅と極性が不平衡の大きさと極性に依存する信号電圧を使用して、補償電流Ｉ₁を調整することが出来る。さらに、検出回路は、３個全てのコア１、２、３の周りに巻かれた交流ピックアップ巻線Ｌ５を備えている。交流ピックアップ巻線は、コア１の周囲に巻かれており、これにより、１Ｈｚを超える周波数の交流電流を検出でき、負帰還を有する追加回路により、この交流電流を補償できる。

巻線Ｌ５がコア２と３をも囲んでいることによって、さらに、負帰還によりコア１と２の間に発生し得る差異を補償することになる。

コア１と２の間で発生しうる差異は、ある程度まで補償されるが、発生し得る差異は、測定される主電流と同様に、測定結果における雑音となる可能性があるので、この差異を限りなく小さくする必要がある。

物理的に、コア１は、コア２と３に接近して配置され、コア１は、場合によってはコア２と３を囲んでいてもよい。

さらに、検出回路は、発生し得る直流の不平衡を補償するために、１個以上のコンデンサーを備えている。

比較的強い電流を測定するための、本発明による検出回路を示す図である。 補償巻線と交流ピックアップ巻線を省いた検出回路の特定の実施形態を示す図である。 補償巻線および交流ピックアップ巻線を具備した、検出回路を示す図である。

符号の説明

１ 主変流器
２ 補助変流器
３ 補助変流器

Claims (3)

1. 主変流器（１）および２個の同一の補助変流器（２、３）を含む電流測定のための検出回路において、主電流（Ｉ₁）は、前記主変流器（１）の中で起磁力を誘起し、前記起磁力は、補償電流（ｉ₁）によって誘起された起磁力によって打ち消され、一方、２個の補助変流器（２、３）は、同時に変調信号により逆位相に磁化され、前記回路は、補償電流（ｉ₁）のための調整信号を発生させるための同期整流器を含む検出回路であって、
   補償電流は、補助変流器（２、３）と同様に主変流器を囲む共通巻線（Ｌ３）の電流を測定するために使用され、一方、同時に、補助変流器（２、３）の間に発生する可能性のある誤差信号が、補償電流（ｉ ₁ ）を調整するために使用され、また負帰還ループが備えられ、前記負帰還ループは、自動的に定常状態を達成しようとし、前記検出回路は、さらに、帰還ループの手段により交流電圧を補償できる、交流電圧を検出するための追加巻線（Ｌ５）を有することを特徴とする検出回路。
2. 前記誤差信号は、補助変流器（２、３）の間に発生する可能性のある電圧差であることを特徴とする、請求項１に記載の検出回路。
3. 前記主変流器（１）は、補助変流器（２、３）に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項１または２に記載の検出回路。

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