JP4841506B2 - 金属酸化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光型光触媒である金属酸化物、特に硫黄含有金属酸化物、又は窒素含有金属酸化物の製造方法に関する。
酸化チタン粉末は、白色顔料として古くから利用されており、近年は化粧品などの紫外線遮蔽材料、光触媒、コンデンサ、サーミスタの構成材料あるいはチタン酸バリウムの原料等電子材料に用いられる焼結材料などに広く利用され、また、最近は、色素増感型酸化チタンの電極などへの適用の研究開発がなされている。特にここ数年、光触媒としての利用が盛んに試みられており、光触媒反応の用途開発が盛んに行われている。
この酸化チタン光触媒の用途は非常に多岐に亘っており、水の分解による水素の発生、酸化還元反応を利用した有機化合物の合成、排ガス処理、空気清浄、防臭、殺菌、抗菌、水処理、照明機器等の汚れ防止等、数多くの用途開発が行われている。
しかしながら、酸化チタンは可視光付近の波長領域において大きな屈折率を示すため、可視光領域では殆ど光吸収は起こらない。屋内での蛍光灯などの下での利用を考えると、蛍光灯のスペクトルは殆どが400nm以上であるため、そのような光触媒では、十分な触媒性能を発現することはできない。
そこで、可視光領域で触媒活性を発現し、より利用性が高い高活性の光触媒の開発が行なわれている。
近年、従前の金属イオンを酸化チタンにドープした光触媒の不十分な触媒活性を改善するものとして、特許文献1の特開2004−143032号公報には、金属原子の一部を硫黄で置換した硫黄含有酸化チタン粉末が開示されている。また、特許文献1には、(i)チタン塩(金属アルコキシド)とチオ尿素の均一混合溶液から、溶媒を除去した後、この粉末を、酸素を含む雰囲気下、500〜900℃、3〜10時間で焼成する含硫黄酸化チタンの製造方法、(ii)チタン酸化物とチオ尿素との均一混合物を300〜500℃で焼成する含硫黄酸化チタンの製造方法、及び(iii)硫酸チタンアンモニウムを500〜900℃で焼成する含硫黄酸化チタンの製造方法が開示されている。
また、特許文献2の特開2005−254174号公報には、硫黄を含有するルチル型およびアナターゼ型の混合結晶の酸化チタン触媒が開示されており、また、酸化チタン粉末と硫黄または硫黄化合物の混合物の形成後、この混合物を200〜800℃、好ましくは300〜600℃、より好ましくは400〜500℃で焼成する酸化チタンの製造方法が開示されている。
また、従前の金属イオンを酸化チタンにドープした光触媒の不十分な触媒活性を改善するものとして、特許文献3のWO01/010552号公報には、酸化チタン結晶に窒素を含有させたTi−O−N構成を有する窒素含有酸化チタン粉末が開示されている。製造方法の一例として、特開2002−154823号公報には、酸化チタンと尿素、チオ尿素、二酸化チオ尿素、1,1−ジメチル尿素、シアヌル酸などの還元力を有する窒素化合物(酸化物に常温で吸着する窒素化合物)との混合物を加熱することが開示されている。
特開2004−143032号公報(特許請求の範囲) 特開2005−254174号公報(特許請求の範囲、段落番号0024) WO01/010552号公報(特許請求の範囲) 特開2002−154823号公報(段落番号0009,段落番号0012)
しかしながら、酸化チタン粉末と硫黄、硫黄化合物又は窒素化合物との混合物を焼成する際、セラミックスの焼成に一般的に用いられているムライト製又はアルミナ製の容器を用いた場合、200〜500℃の低温で、短時間で焼成する場合、容器内部の酸化チタン粉末と硫黄、硫黄化合物又は窒素化合物との混合物の温度制御が難しく、反応を均一に進めることが困難であるという問題点があった。また、焼成後、焼成物粉の付着や焼成容器の変色が観察され、更に、焼成を行う毎に、焼成容器の空焼きが必要となるという問題があった。
また、特許文献2には、上部が開放され、この上部に非固定式の蓋体を備えた円筒形、皿状又は矩形などの容器が示されている。しかしながら、このような容器では、大量生産が困難であるという問題もあった。
従って、本発明の第一の課題は、酸化チタン等の金属酸化物と硫黄化合物又は窒素化合物との混合物の焼成温度を制御し易く、硫黄含有金属酸化物又は窒素含有金属酸化物の大量生産を行なうことができる硫黄含有金属酸化物又は窒素含有金属酸化物の製造方法を提供することにある。また、本発明の第二の課題は、酸化チタン等の金属酸化物と硫黄化合物又は窒素化合物との混合物を、焼成容器中で焼成する際に、該焼成容器に焼成物粉の付着がなく、該焼成容器の変色が少なく、且つ焼成容器を空焼きすることなく再使用することができる硫黄含有金属酸化物または窒素含有金属酸化物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)内壁がチタン又はチタン合金である焼成容器を用いることにより、反応性を制御し易く且つ、焼成後に焼成物粉の付着が少なく、該焼成容器の変色が少なく、且つ該焼成容器を空焼きすることなく再使用することができること、(2)該焼成容器を、側面の上方に開放部を有する焼成トレーを、2個以上積み重ねた多段焼成トレー積層容器とし、且つ開放部の総面積を特定の範囲とすることにより、反応性を制御し易く且つ大量生産を行なうことができるようになること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、チタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物又はその前駆体と、硫黄化合物又は窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、これらいずれもと、の混合物を、内壁がチタン又はチタン合金である焼成容器であり、開放部を有し、且つ該開放部の総面積及び該焼成容器の体積が、下記式(1):
0.005≦A/B≦0.2 (1)
(式中、Aは開放部の総面積(cm )を示し、Bは焼成容器内の体積(cm )を示す。)
で表される関係を有する焼成容器中で焼成することを特徴とする金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記焼成容器が、側面の上方に開放部を有している焼成トレーを、2個以上の積み重ねた、多段焼成トレー積層容器であることを特徴とする本発明()の金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記混合物が、前記金属酸化物又はその前駆体と、チオ尿素との混合物であることを特徴とする前記本発明(1)又は)いずれかの金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記金属酸化物又はその前駆体が、酸化チタン又は酸化チタンの前駆体であることを特徴とする前記本発明(1)〜()いずれかの金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記混合物中の前記硫黄化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする前記本発明()の金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記混合物中の前記窒素化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する窒素原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする前記本発明()の金属酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、前記混合物中の前記硫黄化合物及び前記窒素化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子及び窒素原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする前記本発明()の金属酸化物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、酸化チタン等の金属酸化物又はその前駆体と、硫黄化合物又は窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、これらいずれもと、の混合物を、焼成容器中で焼成する際に、反応性を制御し易く且つ大量生産を行なうことができる硫黄含有金属酸化物又は窒素含有金属酸化物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該焼成容器に焼成物粉の付着がなく、該焼成容器の変色が少なく、且つ該焼成容器を空焼きすることなく再使用することができる金属酸化物の製造方法を提供することができる。
本発明の金属酸化物の製造方法は、チタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物又はその前駆体と、硫黄化合物又は窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、いずれもと、の混合物を、内壁がチタン又はチタン合金である焼成容器中で焼成する金属酸化物の製造方法である。なお、以下、本発明の金属酸化物の製造方法に係るチタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物を、原料金属酸化物と記載する。
本発明に係る該原料金属酸化物は、チタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる1種の金属の酸化物、又はチタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物であり、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、チタン酸ストロンチウムが挙げられる。また、該原料金属酸化物は、1種類の該原料酸化物であってもよく、あるいは、2種類以上の該原料金属酸化物の組み合わせであってもよい。
該原料金属酸化物が酸化チタンの場合、酸化チタンとしては、結晶構造が、アナターゼ型、ルチル型又はブルッカイト型のいずれのものでもよいが、アナターゼを主体とする結晶構造の酸化チタンが、可視光での酸化チタンの光触媒活性が高くなる点で好ましい。なお、本発明において、アナターゼを主体とするとは、下記の式で定義されるルチル化率が、1%以下であることを指す(ASTM D 3720−84)。
ルチル化率(質量%)=100−100/(1+1.2×Ir/Id)
Ir:X線回折パターンにおけるルチル型結晶酸化チタンの最強干渉線(面指数110)のピーク面積、
Id:X線回折パターンにおけるアナターゼ型酸化チタン粉末の最強干渉線(面指数101)のピーク面積
本発明に係る該原料金属酸化物の前駆体とは、焼成されることにより、該原料金属酸化物に変化する物質であり、例えば、金属アルコキシド、金属水酸化物などが挙げられ、金属元素がチタンの場合、メタチタン酸塩、オルトチタン酸塩、ペルオキソチタン酸塩、Ti(OCHCH、Ti(OCH(CH)CH、Ti(OCH(CH)CHCH、Ti(OCHCHCHCH、Ti(OC(CH、Ti(OCHCH(CHなどが挙げられる。
該原料金属酸化物又はその前駆体は、いかなる製造方法で製造されたものであってもよい。また、該硫黄化合物又は該窒素化合物と混合される、該原料金属酸化物又は該金属酸化物の前駆体は、該原料金属酸化物及び該原料金属酸化物の前駆体のうちのいずれか一方、あるいは、両方の組み合わせのいずれもでもよい。
該原料金属酸化物が酸化チタンの場合、例えば、該原料金属酸化物としては、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタン、又はチタン塩の加水分解により得られる酸化チタンが挙げられる。また、該原料金属酸化物としては、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタン、又はチタン塩の加水分解により得られる酸化チタンを、更に、加熱処理して得られる酸化チタンが挙げられる。
チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により酸化チタンを得る場合や、チタン塩の加水分解により酸化チタンを得る場合、製造条件を種々選択することにより、アナターゼを主体とする酸化チタンを製造することができる。また、チタン塩とアルカリ化合物との中和反応により得られる酸化チタン、又はチタン塩の加水分解により得られる酸化チタンを、更に、加熱処理することにより酸化チタンを得る場合、加熱処理する際の加熱処理温度、加熱処理時間等の加熱処理条件を種々選択することにより、酸化チタンの物性を変化させることもできる。
また、該原料金属酸化物は、四塩化チタン水溶液にアルカリ化合物を、20℃〜80℃にて、短時間(例えば、0.5時間以下)で、添加し、中和反応によって得られた酸化チタンを、更に、加熱処理することにより製造された酸化チタンであってもよい。この場合、加熱処理の際の雰囲気は、特に限定はされず、空気、酸素ガスなどの酸化性雰囲気下、水素ガス、アンモニアガスなどの還元性雰囲気下、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性雰囲気下、真空下などが挙げられ、経済的には、空気雰囲気が有利である。
本発明に係る該硫黄化合物は、熱により分解し、その分解過程でSOガスが発生する、分子中に硫黄原子を有する化合物であればよく、常温で固体または液体である化合物が好ましく、含硫黄有機化合物、含硫黄無機化合物、金属硫化物、硫黄などが挙げられ、更に具体的には、例えば、チオ尿素、チオ尿素の誘導体、硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、特に、チオ尿素が、400〜500℃で完全に分解し、金属酸化物中に残存しないため好ましい。
また、本発明に係る該窒素化合物は、加熱により、窒素が金属酸化物中に侵入するものであれば良い。具体的には、例えば、尿素、1,1−ジメチル尿素などの還元力を有するものが挙げられる。
そして、該原料金属酸化物又はその前駆体と混合される、該硫黄化合物又は該窒素化合物は、該硫黄化合物又は該窒素化合物のうちのいずれかであってもよく、あるいは、該硫黄化合物及び該窒素化合物の組み合わせであってもよい。また、該硫黄化合物は、1種の該硫黄化合物であっても、2種以上の該硫黄化合物の組み合わせであってもよい。また、該窒素化合物は、1種の該窒素化合物であっても、2種以上の該窒素化合物の組み合わせであってもよい。
本発明に係る該混合物は、該原料金属酸化物又はその前駆体と、該硫黄化合物又は該窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、これらいずれもと、の混合物である。
該混合物を得る方法としては、特に制限されないが、(1)該原料金属酸化物又はその前駆体に、該硫黄化合物又は該窒素化合物を溶解させた溶液を添加し、十分混合した後、溶媒を蒸発させる方法、(2)該原料金属酸化物又はその前駆体と該硫黄化合物又は該窒素化合物とを、乾式で混合する方法、(3)該原料金属酸化物又はその前駆体と該硫黄化合物又は該窒素化合物を、分散媒中で混合する方法などが挙げられる。これらの混合方法のち、(2)の方法が、操作性の点から好ましい。
該混合物中の、該硫黄化合物及び該窒素化合物の混合量は、該原料金属酸化物の金属種や硫黄含有量、窒素含有量により、適宜選択される。
該混合物中の該硫黄化合物及び該窒素化合物の混合量について、該原料金属酸化物又はその前駆体が、酸化チタン又はその前駆体である場合について説明する。該硫黄化合物のみを用いる場合、該混合物中の該硫黄化合物の合計混合量は、該酸化チタン及び該酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子の合計質量が、好ましくは5〜150質量部、特に好ましくは5〜50質量部となる量である。また、該窒素化合物のみを用いる場合、該混合物中の該窒素化合物の合計混合量は、該酸化チタン及び該酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する窒素原子の合計質量が、好ましくは5〜150質量部、特に好ましくは5〜50質量部となる量である。また、該硫黄化合物及び該窒素化合物を併用する場合、該混合物中の該硫黄化合物及び該窒素化合物の合計混合量は、該酸化チタン及び該酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子及び窒素原子の合計質量が、好ましくは5〜150質量部、特に好ましくは5〜50質量部となる量である。なお、例えば、チオ尿素のように、1つの分子中に硫黄原子及び窒素原子の両方を有する場合、該混合量は、チオ尿素は該硫黄化合物であるとして、硫黄原子の質量を基準に計算する。また、該酸化チタン又は該酸化チタンの前駆体のいずれか一方を用いる場合は、該酸化チタン又は該酸化チタンの前駆体のいずれかをTiO換算したときの値を基準に計算する。例えば、硫黄を含有する酸化チタンを得る場合、該硫黄化合物を用いるが、該混合物中の該硫黄化合物の混合量は、酸化チタン及び酸化チタン前駆体を、TiO換算したときの100重量部に対する硫黄原子の質量が、好ましくは5〜150質量部、特に好ましくは5〜50質量部となる量である。該酸化チタン及び酸化チタン前駆体と、該硫黄化合物との混合物中の、該硫黄化合物の混合量が上記範囲内にあることにより、可視光での硫黄を含有する酸化チタンの光触媒活性が高くなる。
そして、本発明の金属酸化物の製造方法では、該原料金属酸化物又はその前駆体と、該硫黄化合物又は該窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、これらいずれもと、の混合物を、該焼成容器に入れ、次いで、該焼成容器を焼成炉などの加熱装置内に静置し、該焼成容器中で該混合物を焼成することにより、該原料金属酸化物又は該前駆体が変化した金属酸化物に、陽イオンとして硫黄原子が導入された硫黄含有金属酸化物、あるいは、該金属酸化物又は該前駆体が変化した金属酸化物に窒素原子が導入され、酸素原子の一部が窒素に置換された結合を有する窒素含有金属酸化物が得られる。硫黄化合物と窒素化合物の混合物を用いれば、陽イオンとして硫黄原子が導入され、酸素原子の一部が窒素に置換された結合を有する金属酸化物が得られる。
本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成では、該硫黄化合物を用いる場合、該混合物の焼成の際に、熱により該硫黄化合物が分解して、その分解過程でSOガスが発生し、これらのガス中の硫黄が、該原料金属酸化物又は該前駆体が変化した金属酸化物中に取り込まれ、そして、金属酸化物中の金属原子の一部が硫黄原子で置換される。つまり、本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成では、該硫黄化合物を用いる場合、該硫黄化合物の分解により生じるSOガスを雰囲気に滞留させつつ、該原料金属酸化物又はその前駆体と該硫黄化合物との混合物の焼成を行う。また、本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成では、該窒素化合物を用いる場合、該窒素化合物が金属酸化物に吸着し、該窒素化合物中の窒素が加熱により金属酸化物内に侵入する。
本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成容器は、該混合物と接触する内壁が、純チタン又はチタン合金である焼成容器である。該焼成容器に係るチタン合金としては、例えば、Ti−0.15Pd合金、NiやRuを添加したTi−0.5Ni−0.05RuやTi−0.8Ni−0.3Mo合金、Ti−0.4Ni−0.015Pd−0.025Ru−0.14Crなどが挙げられる。
該焼成容器は、全てがチタン又はチタン合金の焼成容器であることが、伝熱性が高くなるので、該焼成の操作性及び処理量を向上させることできる点で好ましい。
該焼成容器の内壁が、純チタン又はチタン合金であることにより、該焼成後に、焼成物である金属酸化物の粉が該焼成容器の内壁に付着し難く、該焼成容器の変色が少なく、且つ該焼成容器を空焼きすることなく再使用することができる。
本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成において、該焼成容器が、上部が完全に開放された容器だと、雰囲気に、該硫黄化合物の分解により生じるSOガスを滞留させることが困難であり、また、完全に密閉された容器だと、炭素原子を有する硫黄化合物の焼成により発生する炭酸ガスなどの副生ガスを、容器の外へ排出することができなくなる。そのため、該焼成容器の形態例としては、例えば、上部が開放され、この上部に非固定式の蓋体を備えた円筒形状、皿状又は四角柱形状の容器が挙げられる。
また、該焼成容器の形態例としては、図1〜図4に示す焼成容器が挙げられる。図1は、本発明に係る焼成容器の形態例の模式的な斜視図であり、図2は、図1の該焼成容器の構成を示す模式図であり、図3は、図1の該焼成容器を構成する該焼成トレーの1つを示す、模式的な斜視図であり、図4は、図3の該焼成トレーの側面図である。
図1及び図2中、焼成容器10は、同一形状の焼成トレー1(1a、1b、1c、1d、1e・・・・・1z)が、上下に複数個積み重ねられて構成されている。
図3に示すように、該焼成トレー1では、側面の上側の一部を切り欠くことによって、開放部2が設けられる。つまり、該焼成トレーは、側面の上側に開放部を有している。なお、本発明において、該焼成トレーの側面の上側とは、該焼成トレーの側面の高さ方向の上側半分を指す。よって、該焼成トレーは、該焼成トレーの側面の上側半分の一部に、該開放部を有する。
該焼成トレー1では、該開放部2の総面積(図3では、2aの面積+2bの面積+2cの面積+2dの面積)と、該焼成トレー1の内部の体積とが、下記式(1):
0.005≦C/D≦0.2 (1)
(式中、Cは該焼成トレー1の開放部の総面積(cm)を示し、Dは該焼成トレー1の内部の体積(cm)を示す。)
で表される関係を有していることが好ましく、0.005≦C/D≦0.025であることが特に好ましい。なお、図4では、該開放部2aに相当する部分を斜線で示すが、本発明では、斜線で示された部分の面積が、該開放部2aの面積である。また、本発明では、該焼成トレー1の内部の体積とは、該焼成トレー1の底面3の面積(E(cm))と該焼成トレー1の高さt(cm)の積(E×t(cm))である。
そして、図1〜図4の該焼成トレー1は、全て同一形状なので、該焼成トレー1を重ね合わせた該焼成容器10における、該開放部2の総面積と該焼成容器10内の体積との関係は、該焼成トレー1における、該開放部2の総面積と該焼成トレー1の内部の体積との関係と同じになる。つまり、該焼成容器10は、該開放部2を有しており、且つ該開放部2の総面積及び該焼成容器10内の体積が、
0.005≦A/B≦0.2 (1)
(式中、Aは該焼成容器10の開放部の総面積(cm)を示し、Bは焼成容器10内の体積(cm)を示す。)
で表される関係を有していることが好ましく、0.005≦A/B≦0.025であることが特に好ましい。該焼成容器の開放部の総面積及び該焼成容器内の体積が、上記式(1)で表される関係を有することにより、適切な分圧で、該硫黄化合物の分解により生じるSOガス、又は窒素化合物を、雰囲気に滞留させることができるので、金属酸化物の収率が高くなる。
該開放部の形状は、図4では、矩形であるが、他には、丸形、横長のスリットなどが挙げられ、特に制限されない。また、該焼成トレーの側面に設けられる該開放部の数は、特に制限されない。
該焼成トレーの底面の形状、すなわち、該焼成容器の底面の形状は、特に制限されず、矩形、円形等が挙げられる。
該焼成容器10は、多数の焼成トレーを重ね合わせることができるので、該多段焼成トレー積層容器は、上部が開放され、この上部に非固定式の蓋体を備えた円筒形状、皿状又は四角柱形状の焼成容器に比べ、1バッチ当りの生産量を多くすることができ、大量生産が可能となる。
本発明の金属酸化物の製造方法に係る該焼成で、焼成を行う際の焼成温度及び焼成時間は、該原料金属酸化物又はその前駆体の種類により、適宜選択される。
該原料金属酸化物が酸化チタンの場合、該焼成を行う際の焼成温度は、好ましくは200〜800℃、特に好ましくは300〜600℃、更に好ましくは400〜500℃である。該焼成温度が、上記範囲内にあることにより、可視光での酸化チタンの光触媒活性が高くなる。また、該焼成を行う際の焼成時間は、好ましくは1〜10時間、特に好ましくは1〜5時間、更に好ましくは2〜5時間である。
該硫黄化合物を用いる場合、該焼成で、焼成を行う際の該焼成容器の周辺の雰囲気、つまり、該加熱装置内の雰囲気は、特に制限されず、空気中、酸素ガス中のような酸化性雰囲気下;窒素ガス中、アルゴンガス中のような不活性雰囲気下;真空下等が挙げられ、特殊な設備を要しない点で、空気中が有利である。一方、該窒素化合物を用いる場合、該焼成で、焼成を行う際の該焼成容器の周辺の雰囲気、つまり、該加熱装置内の雰囲気は、窒化物の酸化を防止するために、水素ガス、アンモニアガス、ヒドラジンガスなどの還元性ガスの雰囲気であり、特にアンモニアガス雰囲気が好ましい。つまり、該窒素化合物を用いる場合、該焼成では、還元性の雰囲気下で、窒素化合物の酸化を抑制させつつ、該原料金属酸化物又はその前駆体と該窒素化合物との混合物の焼成を行う。
本発明の金属酸化物の製造方法を行い得られる金属酸化物は、金属酸化物の骨格構造中に硫黄原子がドープされた化合物であり、金属酸化物の金属サイト(カチオンサイト)の一部が、硫黄原子で置換された構造、すなわち、硫黄カチオン置換型金属酸化物であるか、金属酸化物の骨格構造中に窒素原子がドープされた化合物であり、金属酸化物の酸素サイト(アニオンサイト)の一部が、窒素原子で置換された構造、すなわち、窒素アニオン置換型金属酸化物であるか、金属酸化物の金属サイト(カチオンサイト)の一部が硫黄原子で置換され且つ金属酸化物の酸素サイト(アニオンサイト)の一部が窒素原子で置換された構造であるか、あるいは、これらの混合物である。
本発明の金属酸化物の製造方法を行い得られる金属酸化物が、硫黄含有酸化チタンの場合、該硫黄含有酸化チタンは、酸化チタンの骨格構造中に硫黄原子がドープされた化合物であり、酸化チタンのチタンサイト(カチオンサイト)の一部が、硫黄原子で置換された構造、すなわち、硫黄カチオン置換型酸化チタンである。また、本発明の金属酸化物の製造方法を行い得られる金属酸化物が、窒素含有酸化チタンの場合、該窒素含有酸化チタンは、酸化チタンの骨格構造中に窒素原子がドープされた化合物であり、酸化チタンの酸素サイト(アニオンサイト)の一部が、窒素原子で置換された構造、すなわち、窒素アニオン置換型酸化チタンである。
酸化チタンのチタンサイトの一部が、硫黄原子に置換されていることの確認は、X線光電子分光法(XPS)分析により行なわれる。硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が、硫黄原子に置換されている場合、S4+に由来する169eV付近の特性ピークが見られる。チタンサイト、つまり、カチオンサイトの一部が、硫黄原子で置換されていると推測できる。一方、硫黄含有酸化チタンのチタンサイトの一部が、硫黄原子に置換された構造ではなく、酸素原子の一部が、硫黄原子で置換された構造を有するものも知られている。その場合は、S2−に由来する160eV付近の特性ピークが見られ、169eV付近には特性ピークは見られない。また、硫黄含有酸化チタンが、酸化チタン中の原子の一部が硫黄原子で交換された化合物ではなく、単なる酸化チタンと硫黄との混合物である場合は、169eV付近及び160eV付近のいずれにも特性ピークは見られない。
また、酸化チタンの酸素サイトの一部が、窒素原子に置換されていることの確認は、X線光電子分光法(XPS)分析により行なわれる。窒素含有酸化チタンの酸素サイトの一部が、窒素原子に置換されている場合、N1sに由来する396eV〜398eV付近の特性ピークが見られる。酸素サイト、つまり、アニオンサイトの一部が、窒素原子で置換されていると推測できる。同様に、酸化チタン以外の金属酸化物でも、XPS分析により確認することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(1)酸化チタン中の硫黄又は窒素含有量の測定
X線光電子分光装置(XPS)(PHI社製XPS5700)によって、酸化チタン中の硫黄原子又は窒素原子の定量分析を行った。
(2)焼成容器の評価
焼成容器への焼成物の付着、焼成後の焼成容器の色の変化を、目視により行った。
(3)X線回折測定条件
X線回折測定条件は下記である。
回折装置 RAD−1C(株式会社リガク製)
X線管球 Cu
管電圧・管電流 40kV、30mA
スリット DS-SS:1度、RS:0.15mm
モノクロメータ グラファイト
測定間隔 0.002度
計数方法 定時計数法
ルチル化率は、ASTM D 3720−84に従い、X線回折パターンにおけるルチル型結晶酸化チタンの最強干渉線(面指数110)のピーク面積(Ir)と、アナターゼ型酸化チタン粉末の最強干渉線(面指数101)のピーク面積(Id)を求め、以下の算出式より求めた。
ルチル化率(質量%)=100−100/(1+1.2×Ir/Id)
(4)比表面積の測定
BET法により測定した。
(5)光触媒性能の測定
イソプロピルアルコール(IPA)の分解性能において評価した。10mlの試験管に、IPAの初期濃度が50mmol/lのアセトニトリル溶液5mlを用意する。これに得られた硫黄含有酸化チタン粉末を0.10g混合する。このような試験管を2つ用意する(試験管X1及び試験管Y1)。1つの試験管(試験管X1)には、撹拌子で撹拌しながら、350nm以下の波長を除いた光を2時間照射する。他の1つの試験管(試験管Y1)は、光を当てないように暗所で2時間撹拌する。
所定の時間経過後、それぞれの試験管中の溶液を遠心分離機にかけ、上澄みを分取し、ガスクロマトグラフィーを使用してIPAの濃度を測定した。IPA分解性能は以下の式で求めた。
分解性能(%)=(2時間後のY1のIPA濃度−2時間後のX1のIPA濃度)×100/(2時間後のY1のIPA濃度)
(5)XPSの測定
以下の測定条件にて行った。エッチングなどの試料の前処理は特に行わなかった。
(XPSの測定条件)
XPS装置:PHI社製XPS-5700
X線源:単色化 AlKα(1486.6eV) 200W
測定領域:800μm径
検出角:45°(試料法線から)
中和電子銃:使用
スパッタ条件:
イオン積:Ar
加速電圧:3kV
ラスター面積:4×4mm
レート:1.4nm/min.(SiO換算)
(酸化チタンと硫黄化合物との混合物の調製)
撹拌機を備えた容量10Lのビーカーに純水3,640gを入れ、次いで60℃に加熱した。次いでこれに四塩化チタン水溶液(チタン濃度:16.6質量%)を1,160g加えた後、次いで、アンモニア水(NH濃度:5.2%)を3,430g加えて、1時間攪拌を行い、中和反応処理を行った。
この中和反応処理液を乾燥したのち、得られた固形物を、純水で洗浄し、濾過するという操作を2回繰り返した。濾過後の粉末を、110℃、24時間乾燥後、250℃、3時間、大気圧下にて加熱処理を行い、酸化チタン粉末を得た。
次いで、乳鉢で粉砕したチオ尿素40gと得られた酸化チタン粉末320gを、添加及び混合し、酸化チタンとチオ尿素との混合物aを得た。
(実施例1)
該混合物aを、全てがチタン製であり、形状が図1に示す焼成トレー1の形状である焼成トレーに入れた。該焼成トレー1の底面の形状は、一辺の長さが30cmの正方形であり、該焼成トレー1の高さtは5.8cmである。また、該開放部2は、縦1cm×横20cmの矩形であり、該焼成トレー1の4つの側面の各々の上側に、切り欠きとして、1つづつ設けられている。このとき、該焼成トレー1の該開放部2の総面積Cは80cmであり、該焼成トレー1の内部の体積Dは5220cmであるので、C/Dの値は0.015である。次いで、該混合物aを入れた該焼成トレー1の上に、更に、同じ形状の空の焼成トレー1を載置し、積層容器とした。次いで、該積層容器を、焼成炉に入れ、大気中、昇温速度5℃/分、450℃で2.5時間焼成し、焼成物bを得た。焼成後、焼成物bを取り出したところ、該焼成トレーの内壁には、該焼成物bの粉の付着がなく、また、内壁の変色も観察されなかった。
得られた焼成物bを、純水中で撹拌しながら洗浄した後、110℃で乾燥して淡黄色の硫黄含有酸化チタンcを得た。得られた硫黄含有酸化チタンc中の硫黄含有量は0.4atomic%、表面積は90m/g、ルチル化率は0%であった。また、IPAの分解性能は16%であり、該硫黄含有酸化チタンcが、可視光で光触媒活性を示すことが確認された。また、XPSスペクトルの測定の結果、S4+に由来する169eV付近の特性ピークが見られ、S2−に由来する160eV付近の特性ピークが見られなかった。
(実施例2)
実施例1で使用したチタン製の焼成トレーを用い、実施例1の操作を50回繰り返した。焼成物を取り出した容器には、焼成物の粉の付着がなく、また、焼成トレーの内壁の変色も観察されなかった。
(実施例3)
実施例1で使用したチタン製の焼成トレーを12段積層した多段焼成トレー積層容器用い、同様に調製した該混合物a 7,560gを、チタン製の焼成トレー12個に分けて挿入し、これを12段積層して実施例1と同様の操作を行った。焼成物を取り出した容器には、焼成物の粉の付着がなく、また、焼成トレーの内壁の変色も観察されなかった。各焼成トレーの焼成物粉末について、光触媒性能、S4+に由来する169eV付近の特性ピークも同様に確認できた。
(比較例1)
ムライト製であること以外は、実施例1で使用した焼成トレーと同じ焼成トレーを用いて、実施例1と同様の方法で焼成を行った。焼成後、焼成物を取り出したところ、焼成トレーの内壁には、焼成物の粉の付着があり、また、焼成トレーの内壁は黄色に変色していた。さらに、焼成物中に、チオ尿素が完全に分解できなかったと思われる残留物が見られた。
また、該積層容器を、焼成炉に入れ、大気中、昇温速度5℃/分、450℃で12時間焼成したところ、チオ尿素が完全に分解できなかったと思われる残留物はなくなったものの、焼成トレーの内壁には、同様に、焼成物の粉の付着があり、また、焼成トレーの内壁は黄色に変色していた。
(比較例2)
SUS316製であること以外は、実施例1で使用した焼成トレーと同じ焼成トレーを用いて、実施例1と同様の方法で焼成を行った。焼成後、焼成物を取り出したところ、焼成トレーの内壁は、黒色に腐食され、また、この腐食層が剥離して焼成物中に混入していた。
(実施例4)
乳鉢で粉砕した尿素310gと上記酸化チタン粉末320gを、添加及び混合し、酸化チタンと尿素との混合物dを得た。
次いで、該混合物aに代えて、該混合物dとし、該積層容器を、焼成炉に入れ、大気中、昇温速度5℃/分、450℃で2.5時間焼成することに代えて、該積層容器を、焼成炉に入れ、アンモニア雰囲気中、昇温速度5℃/分、450℃で2.5時間焼成すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。焼成後、得られた焼成物eを取り出したところ、該焼成トレーの内壁には、該焼成物eの粉の付着がなく、また、内壁の変色も観察されなかった。
また、IPAの分解性能測定の結果、可視光で光触媒活性を示すことが確認された。また、XPSスペクトルの測定の結果、N1sに由来する396eV〜398eV付近の特性ピークが見られた。
本発明に係る焼成容器の形態例の模式的な斜視図である。 図1の該焼成容器の構成を示す模式図である。 図1の該焼成容器を構成する該焼成トレーの1つを示す、模式的な斜視図である。 図3の該焼成トレーの側面図である。
符号の説明
1 焼成トレー
2 開放部
3 底面
10 焼成容器
t 焼成トレーの高さ

Claims (7)

  1. チタン、ジルコニウム、タンタル及びストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物又はその前駆体と、硫黄化合物又は窒素化合物のうち少なくともいずれか、あるいは、これらいずれもと、の混合物を、内壁がチタン又はチタン合金である焼成容器であり、開放部を有し、且つ該開放部の総面積及び該焼成容器の体積が、下記式(1):
    0.005≦A/B≦0.2 (1)
    (式中、Aは開放部の総面積(cm )を示し、Bは焼成容器内の体積(cm )を示す。)
    で表される関係を有する焼成容器中で焼成することを特徴とする金属酸化物の製造方法。
  2. 前記焼成容器が、側面の上方に開放部を有している焼成トレーを、2個以上の積み重ねた、多段焼成トレー積層容器であることを特徴とする請求項記載の金属酸化物の製造方法。
  3. 前記混合物が、前記金属酸化物又はその前駆体と、チオ尿素との混合物であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の金属酸化物の製造方法。
  4. 前記金属酸化物又はその前駆体が、酸化チタン又は酸化チタンの前駆体であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の金属酸化物の製造方法。
  5. 前記混合物中の前記硫黄化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする請求項記載の金属酸化物の製造方法。
  6. 前記混合物中の前記窒素化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する窒素原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする請求項記載の金属酸化物の製造方法。
  7. 前記混合物中の前記硫黄化合物及び前記窒素化合物の合計混合量が、前記酸化チタン及び前記酸化チタンの前駆体をTiO換算したときの100質量部に対する硫黄原子及び窒素原子の合計質量が、5〜150質量部となる量であることを特徴とする請求項記載の金属酸化物の製造方法。
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