以下、本発明の配電システムの一実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態の配電システムは、図1に示すように、複数(本実施形態では8つ)の直流系機器ユニット2A〜2Hと、電圧側導電バー30及び接地側導電バー31からなり直流系機器ユニット2A〜2Hに電力を供給する直流給電路3と、商用交流電源を元に直流電源を生成して直流給電路3に供給する電力変換ユニット4とを盤体(図示せず)内に収納してなる電源盤1と、1乃至複数の蓄電池(二次電池)からなる二次電池モジュール50を有し直流系機器ユニット2A〜2Hに電力供給を行うバッテリユニット5と、バッテリユニット5の二次電池モジュール50の電池状態情報及び各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報を収集する情報収集部61を有する電源マネージメントユニット6と、情報収集部61で収集した前記電池状態情報及び前記動作状態情報を表示する表示ユニット7A,7Bとを備えている。
電源盤1について図1〜図3を参照して説明する。電源盤1は、図2に示すように、例えば屋内配線の分岐に用いられる住宅用分電盤を利用して構成されているものであり、住宅の壁面等の造営面に取り付けられる盤体(図示せず)と、交流供給ブロック10と、直流供給ブロック11とを備えている。この盤体は、壁面等の造営面に取り付けられる前面が開口した箱状のボックス(図示せず)、及びボックス(図示せず)の前面に開閉自在に取り付けられるカバー(図示せず)等を備えているものであって、盤体内には、系統側となる交流供給ブロック10、及び直流供給ブロック11を収納するためのスペースが設けられている。
交流供給ブロック10は、盤体内に引き込まれた低圧側配電線(例えば、単相三線の低圧配電線)が接続されるリミッタ10aと、リミッタ10aが入力側(電源側端子)に接続される主幹ブレーカ10bと、主幹ブレーカ10bの出力側(負荷側端子)に接続される主幹路10cと、主幹路10cから分岐する分岐路10dと、分岐路10dに接続される分岐ブレーカ10eとで構成されている。
リミッタ10aは、低圧側配電線から主幹ブレーカ10bに、各家庭における電力会社との契約内容に応じた電流を供給するとともに、契約時の電流値以上の電流が流れると主幹ブレーカ10bへの給電路を遮断するように構成されている。
主幹ブレーカ10bは、リミッタ10aに接続される電源側端子(図示せず)と、電源側端子に接続される負荷側端子(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子とが通電している際にはオン側に位置する操作ハンドル(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子との間に過電流が生じた際にはこれら端子間を遮断するとともに、操作ハンドルをオフ側に位置させる回路遮断機構(図示せず)とを備えている。
分岐ブレーカ10eは、分岐路10dをそれぞれ接続可能な分岐路用端子部(図示せず)と、負荷側の電源線(図示せず)を電気的に接続するための電源線用端子部(図示せず)と、通常時はオン側に位置する操作ハンドル(図示せず)と、分岐路用端子部と電源線用端子部との間に過電流が生じた際にこれら端子部間を遮断するとともに、操作ハンドルをオフ側に位置させる回路遮断機構(図示せず)とを備えている。
尚、リミッタ10aと、主幹ブレーカ10bと、分岐ブレーカ10eとは、従来周知のものを採用することができるから、詳細な説明は省略する。また尚、主幹ブレーカ10a及び分岐ブレーカ10eの各回路遮断機構は、過電流だけではなく、短絡電流の発生に対しても回路を遮断するように構成してもよい。
主幹路10cは、電圧極用の導電バーL1,L2及び中性極用の導電バーNを有しており、これら導電バーL1,L2,Nは、いずれも導電性を有する金属板を用いて長尺の矩形板状に形成されており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。また、分岐路10dは、主幹路10cの各導電バーL1,L2,Nに一体に設けられており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
一方、直流供給ブロック11は、上述した直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3と、電力変換ユニット4とを備えている。
まず、直流給電路3について説明する。直流給電路3は、図3に示すように、導電性を有する金属板を用いて長尺の矩形板状に形成された電圧側導電バー30及び接地側導電バー31からなり、各導電バー30,31には、直流系機器ユニット2A〜2Hを接続するための接続バー30a,31aが複数設けられている。尚、各導電バー30,31及び接続バー30a,31aの幅や、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
直流系機器ユニット2A〜2Hは、図3に示すように、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、これら直流系機器ユニット2A〜2Hの本体部23には、直流給電路3に接続するための電源端子部20,21が設けられている。ここで、電源端子部20,21について図3を参照して説明する。尚、電源端子部20,21は、上述したように各直流系機器ユニット2A〜2Hに共通するものであるから、以下の説明では、直流系機器ユニット2Aを例に挙げて説明し、他の直流系機器ユニット2B〜2Hの電源端子部の説明は省略する。
電源端子部20,21は、図3に示すように、直流系機器ユニット2Aの合成樹脂製の本体部23の一側面に設けられ、直流給電路3の電圧側導電バー30の接続バー30a及び接地側導電バー31の接続バー31aをそれぞれ差し込み可能な開口21a,22aと、開口21a,22a内に差し込まれた接続バー30a,31aをその差込方向と直交する方向(図3に示す例では接続バー30a,31aの厚み方向)で狭持する接続端子21b,22bとで構成された、所謂プラグイン方式のものである。
したがって、電源端子部20,21に、直流給電路3の各導電バー30,31の接続バー30a,31aを差し込むだけで直流系機器ユニット2Aを直流給電路3に電気的且つ機械的に接続することができるようになっている。
以下に、直流系機器ユニット2A〜2Hについてさらに詳細に説明する。
直流系機器ユニット2A〜2C,2Gは、通信ユニットであって、例えば、LANケーブル接続用モジュラジャック(図示せず)や、同軸ケーブル接続用コネクタ(図示せず)、光ファイバケーブル接続用コネクタ(図示せず)等の各種通信ケーブルを接続するケーブル接続部(図示せず)と、直流給電路3を伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニット並びに電源マネージメントユニット6と通信を行う通信部24A〜24C,24Gと、ケーブル接続部に接続されているLANケーブル等の通信ケーブル用の信号を直流給電路3用の信号に変換する、或いは直流給電路3用の信号を通信ケーブル用の信号に変換するメディアコンバータからなる信号変換手段(図示せず)とをそれぞれ備えている。
このような直流系機器ユニット2A〜2C,2Gには、インターネット接続用のLANケーブルや、情報コンセント、ドアホン親機、ドアホン子機、情報処理用の端末器T1〜T3等が接続される。これら直流系機器ユニット2A〜2C,2Gは、直流給電路3を介して相互に通信可能であるから、例えば、直流系機器ユニット2Gに接続されている端末器T1〜T3は、直流系機器ユニット2G、直流給電路3、及び直流系機器ユニット2Aを介してインターネットに接続することが可能になる。
これら直流系機器ユニット2A〜2C,2Gの信号変換手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば信号変換手段の動作を停止して)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2A〜2C,2Gの各モード切換手段は、電源マネージメントユニット6によってそれぞれ切換動作が制御されるように構成されている。
また、通信部24A〜24C,24Gは、それぞれ対応する直流系機器ユニット2A〜2C,2Gにおける消費電力量や、消費電流、動作モードの状態等の動作状態情報を検出し、検出した動作状態情報として電源マネージメントユニット6に出力可能に構成されている。尚、消費電力量を検出する方法としては、従来周知のものを採用することができるから、説明を省略する。
直流系機器ユニット2Dは、例えば、ドアセンサや、窓センサ、人感センサ等の防犯センサ(図示せず)を接続する防犯ユニットである。このような直流系機器ユニット2Dは、直流給電路3を伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニット並びに電源マネージメントユニット6と通信を行う通信部24Dと、電線を介して接続された防犯センサに直流給電路3から直流電源を供給するとともに、防犯センサに直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで防犯センサと通信を行い、防犯センサより異常検出信号を受信すると、異常検出信号を出力するセンサ制御手段(図示せず)とを備えている。尚、直流系機器ユニット2Dから出力される異常検出信号は、直流給電路3を介して端末器T1〜T3等に送られる。
この直流系機器ユニット2Dのセンサ制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、作動させる防犯センサの数を減らすことで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Dのモード切換手段は、電源マネージメントユニット6によって切換動作が制御されるように構成されている。
また、通信部24Dは、直流系機器ユニット2Dにおける消費電力量や、消費電流、動作モードの状態等の動作状態情報を検出し、検出した動作状態情報として電源マネージメントユニット6に出力可能に構成されている。
直流系機器ユニット2Eは、例えば、煙センサや、ガスセンサ、火災センサ等の防災センサS1,S2を接続する防犯ユニットである。このような直流系機器ユニット2Eは、直流給電路3を伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニット並びに電源マネージメントユニット6と通信を行う通信部24Eと、電線を介して接続された防災センサに直流給電路3から直流電源を供給するとともに、防災センサに直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで防災センサと通信を行い、防災センサより異常検出信号を受信すると、異常検出信号を出力するセンサ制御手段(図示せず)とを備えている。尚、直流系機器ユニット2Eから出力される異常検出信号は、直流給電路3を介して端末器T1〜T3等に送られる。
この直流系機器ユニット2Eのセンサ制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、作動させる防災センサの数を減らすことで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Eのモード切換手段は、電源マネージメントユニット6によって切換動作が制御されるように構成されている。
また、通信部24Eは、直流系機器ユニット2Eにおける消費電力量や、消費電流、動作モードの状態等の動作状態情報を検出し、検出した動作状態情報として電源マネージメントユニット6に出力可能に構成されている。
直流系機器ユニット2Fは、例えば、直流給電路3から供給される直流電源を、直流電源により動作する直流負荷(図示せず)に供給するための端子台である。このような直流系機器ユニット2Fは、図示しない直流負荷の一対の電源線(電圧側配線及び接地側配線)が個別に接続される負荷端子部(図示せず)と、負荷端子部を個別に電源端子部20,21に接続する回路開閉手段(図示せず)と、直流給電路3を伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニット並びに電源マネージメントユニット6と通信を行う通信部24Fとを備えている。
このような回路開閉手段は、電源マネージメントユニット6によって開閉動作が制御されるように構成されており、これにより直流負荷への電源供給を行う通常モードと、直流負荷への電源供給を停止する低消費モードとが切り換えられるようになっている。尚、回路開閉手段は、所定以上の電流が流れた際に、回路を遮断するブレーカとしての機能を持たせたものや、直流給電路3の直流電源の電圧を変圧する機能を持たせたもの等であってもよい。
また、通信部24Fは、直流系機器ユニット2Fにおける消費電力量や、消費電流、動作モードの状態等の動作状態情報を検出し、検出した動作状態情報として電源マネージメントユニット6に出力可能に構成されている。
直流系機器ユニット2Hは、例えば、LED照明器具等の照明器具F1〜F3を接続する照明ユニットである。このような直流系機器ユニット2Hは、直流給電路3を伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニット並びに電源マネージメントユニット6と通信を行う通信部24Hと、電線を介して接続された照明器具F1〜F3に直流電源を供給するとともに、照明器具F1〜F3に直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで照明器具F1〜F3と通信し、照明器具F1〜F3の制御(調光制御等)を行う照明制御手段(図示せず)とを備えている。
この直流系機器ユニット2Hの照明制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、点灯させる照明器具F1〜F3の数を減らす間引き運転を行ったり、照明器具F1〜F3の明るさを暗く設定したりすることで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Hのモード切換手段は、電源マネージメントユニット6によって切換動作が制御されるように構成されている。
また、通信部24Hは、直流系機器ユニット2Hにおける消費電力量や、消費電流、動作モードの状態等の動作状態情報を検出し、検出した動作状態情報として電源マネージメントユニット6に出力可能に構成されている。
尚、直流系機器ユニットは、上述した直流系機器ユニット2A〜2Hに限られるものではなく、ユーザの嗜好に合わせてその機能を適宜変更するようにしてもよい。
電力変換ユニット4は、図2に示すように、交流供給ブロック10の主幹路10cに接続され、該主幹路10cから供給される商用交流電源を元に、直流電源(例えば二次電池モジュール50の出力電圧と同じ50Vの直流電源)を生成するAC/DCコンバータ40を備えている。また、電力変換ユニット4は、電圧側線路42a及び接地側線路42bからなる電源路42を介してAC/DCコンバータ40に接続される前述のDC/DCコンバータ41を備え、DC/DCコンバータ41は、電源路42より供給される直流電源を降圧して、所定の電圧(例えば20V)の直流電源を生成し、この直流電源を直流給電路3に供給するように構成されている。
ところで、電源路42には、バッテリユニット5が次のようにして接続されている。すなわち、バッテリユニット5は、後述のスイッチ回路51の電圧側の出力端(図示せず)及び接地側の出力端(図示せず)を、電圧側線路42a及び接地側線路42bにそれぞれ電気的に接続することによって、電源路42に接続されている。
また、電力変換ユニット4は、電圧側線路42aにおけるAC/DCコンバータ40との接続点とバッテリユニット5との接続点との間に流れる電流を計測する電流センサCTを有する電流検出回路43と、電圧側線路42aと接地側線路42bとの間の電位差を計測するための抵抗Rを有する電圧検出回路44と、制御部45とを備えている。
尚、電力変換ユニット4のAC/DCコンバータ40、DC/DCコンバータ41、電流検出回路43、及び電圧検出回路44の回路構成は、従来周知のものを採用することができるから、詳細な説明は省略する。
制御部45は、例えばマイコン等を用いて構成されており、電源路42の電圧側配線42a及び直流給電路3の電圧側導電バー30、すなわち直流電源の供給路を伝送路として通信を行うための電力線通信手段(例えば、PLC等の交流信号を利用したもの)45aを備えている。また、制御部45Aは、電力線通信手段45aの交流信号を電圧側配線42aに重畳させる機能と、電圧側配線42aに重畳された交流信号を取り出す機能とを備える結合器(図示せず)を有しており、これにより電圧側配線42aとの間で交流信号の送受信が行えるようになっている。
さらに、制御部45は、DC/DCコンバータ41を常時動作させるとともに、電流検出回路43及び電圧検出回路44の検出出力に基づいて、バッテリユニット5のスイッチ回路51のオン/オフを制御するように構成されている。
以下に、制御部45の制御動作について詳細に説明する。制御部45は、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値(例えばAC/DCコンバータ40が出力する直流電源の電圧値)以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出される状態であれば、停電等が発生した非常時ではないと判断するように構成されている。そして、非常時ではないと判断した際には、制御部45は、スイッチ回路51をオフさせる制御信号をバッテリユニット5に出力するように構成されている。
一方、制御部45は、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値(例えばAC/DCコンバータ40が出力する直流電源の電圧値)未満であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されていない状態であれば、停電等が発生した非常時であると判断するように構成されている。そして、非常時であると判断した際には、制御部45は、停電検出信号を出力するとともに、バッテリユニット5にスイッチ回路51をオンさせる制御信号を出力するように構成されている。
また、制御部45は、電流検出回路43で検出する電圧側線路42の電流が所定の制限値(交流供給ブロック10の主幹ブレーカ10cがトリップ動作するような電流値を元に設定された値)を越えた際には、バッテリユニット5のスイッチ回路51をオンさせるための制御信号をバッテリユニット5の通信部53に出力するように構成されている。つまり、制御部45は、直流給電路3に流れる電流値が前記制限値を越える際には、バッテリユニット5から電力を供給して不足分を補填するように構成されている。
バッテリユニット5は、例えば、住宅の壁面等の造営面に取り付けられる筐体5aを備え、筐体5a内には、1乃至複数の二次電池(蓄電池)からなる二次電池モジュール(蓄電池モジュール)50と、複数の二次電池モジュール50を並列接続可能な前述の充放電路(図示せず)と、二次電池モジュール50の充放電制御用の前述のスイッチ回路51と、スイッチ回路51のオン/オフを行う電池制御部52と、二次電池モジュール50の電池状態を検出するためのセンサ部53とを備え、電池制御部52には、電力線通信手段52aが設けられている。
二次電池モジュール50は、蓄電池(例えばリチウムイオン電池)を用いて、所定の電圧(例えば50V)の直流電源V3が得られるように構成されたものであって、蓄電池が収納されるハウジング(図示せず)と、ハウジングに設けられる電圧極と接地極の2極の接続端子(図示せず)とを有している。尚、リチウムイオン電池は、自己放電が非常に少なく、メモリー効果がない、小型で大容量、軽量等の様々な利点がある。
充放電路は、電圧極用の導電バー(図示せず)と、接地極用の導電バー(図示せず)とで構成され、前記電圧極用の導電バーには、二次電池モジュール50の電圧極の接続端子にプラグイン方式により接続可能な接続バー(図示せず)が一体に設けられ、接地極用の導電バーには、二次電池モジュール50の接地極の接続端子にプラグイン方式により接続可能な接続バー(図示せず)が一体に設けられている。
このような充放電路は、上述したように、複数の二次電池モジュール50を並列的に接続できるように構成されており、充放電路に接続する二次電池モジュール50の数によって、バッテリユニット5の容量を増減できるようになっている。つまり、バッテリユニット5では、直流給電路3に接続される機器の総消費電力量に応じて、容量を調整できるようになっている。尚、充放電路の導電バー及び接続バーは、例えば、導電性を有する金属板から曲成することによって得ることができる。また尚、二次電池モジュール50と充放電路との接続方式は、プラグイン方式に限られるものではなく、ねじ止め等であってもよく、要は電気的に接続可能なものであれば足りるが、プラグイン方式としたほうが、接続が容易となるため好ましい。
スイッチ回路51は、例えば、MOSFET等の半導体スイッチング素子を用いて構成されたものであり、電池制御部52により動作(オンオフ)が制御される。さらに詳しく説明すると、スイッチ回路51は、電圧側の入力端と出力端との間にのみ、電池制御部52によりオンオフ制御される半導体スイッチング素子(図示せず)が設けられ、接地側の入力端と出力端との間は、常に導通した状態となるように構成されている。そして、このスイッチ回路51の電圧側の入力端には、充放電路の電圧極用の導電バーが、接地側の入力端には、充放電路の接地極用の導電バーがそれぞれ接続されている。
また、スイッチ回路51は、電池制御部52の電力線通信手段52aの交流信号を後述する電源路42の電圧側配線42aに重畳させる機能を備える結合器(図示せず)を備えている。
加えて、スイッチ回路51の電圧側の出力端は、逆流防止用のダイオードDを介してバッテリユニット5の接続部材の電圧極の導電バー(図示せず)に接続されており、これにより電圧側線路42a、電圧極側の導電バー、2次電池モジュール50、接地極側の導電バー、スイッチ回路51、接地側線路42bの経路で、2次電池モジュール50を充電できるようになっている。尚、逆流防止用のダイオードDは、バッテリユニット5の筐体5a内に設けられている。
センサ部53は、例えば、二次電池モジュール50の出力電圧を計測する電圧検出手段、及び二次電池モジュール50の出力電流を計測する電流検出手段を有しており、これら検出手段から得た情報は、電池制御部52に伝送される。
電池制御部52は、電源路42の電圧側配線42a及び直流給電路3の電圧側導電バー30、すなわち直流電源の供給路を伝送路として通信を行う電力線通信手段(例えば、PLC等の交流信号を利用したもの)52aを備え、電力線通信手段52aを用いて電力変換ユニット4の後述する制御部45と通信し、制御部45が伝送する交流信号の内容に応じてスイッチ回路51のオン/オフを制御するように構成されている。
また、電池制御部52は、センサ部54より得た情報に基づいて二次電池モジュール50の電池状態情報を生成し、電圧側配線42a及び電圧側導電バー30を介して電力変換ユニット4の制御部45及び直流系機器ユニット2A〜2H並びに電源マネージメントユニット6に出力するように構成されている。
ここで、電池状態情報は、少なくとも二次電池モジュール50の残量(すなわち二次電池の残量)を示す情報を有している。尚、二次電池モジュール50の残量は、例えば、センサ部53の電圧検出手段及び電流検出手段を、充電時のデータと比較することや、二次電池モジュール50が満充電状態から二次電池モジュール50が放電により消費した電力量を得ること等によって算出することができ、このような蓄電池の残量の算出方法は、従来周知のものであるから、詳細な説明は省略する。
また、電池状態情報は、センサ部53で得られる二次電池モジュール50の出力電流値と二次電池モジュール50の残量を元に算出されるバッテリユニット5の残り使用可能時間を有している。尚、バッテリユニット5の残り使用可能時間は、表示ユニット7A,7Bの後述する使用状態表示手段74aにおいて算出するようにしてもよく、また、このような残り使用可能時間は、二次電池モジュール50の残量と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報(例えば、消費電力量)とを元に算出するようにしてもよい。
さらに、電池状態情報は、二次電池モジュール50が充電中であるか放電中であるかを示すような情報であってもよい。
電源マネージメントユニット6は、図1に示すように、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、上述した電源端子部20,21と同様の電源端子部(図示せず)を備えている。また、電源マネージメントユニット6は、図4に示すように、電力線通信部60と、制御部61と、RAMやHDD等の記憶装置からなるメモリ部62と、DC/DCコンバータ63と、フィルタ部64とを備えている。
電力線通信部60は、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5及び電力変換ユニット4並びに直流系機器ユニット2A〜2Hと通信を行うための
ためのものであり、例えばPLC等の交流信号を利用したものが用いられる。
この電力線通信部60には、情報収集手段60aが設けられている。情報収集手段60aは、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5及び直流系機器ユニット2A〜2Hと通信を行い、バッテリユニット5の電池状態情報、及び各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報(消費電力量)を収集するように構成されている。また、情報収集手段60aは、取得した電池状態情報及び動作状態情報を、表示ユニット7A,7Bに送信するように構成されている。また、情報収集手段60aは、電力変換ユニット4から出力される停電検出信号を受け取った際に、電池状態情報及び動作状態情報に加えて、停電検出信号を表示ユニット7A,7Bに送信するように構成されている。
制御部61は、直流給電路3に接続されている直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行うためのものであって、自動制御手段61aと、手動制御手段61bとを備えている。自動制御手段61aは、予め設定された制御内容、すなわちメモリ部62に予め記憶された制御プログラム(制御内容)に基づいて直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を制御するように構成されている。
ここで、メモリ部62には、上述したように制御部61の自動制御手段61aで用いる直流系機器ユニット2A〜2Hの制御プログラムが記憶されており、例えば、本実施形態では、制御部45の停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、電池状態情報に関連して各直流系機器ユニット2A〜2Hに対応して設定された優先順位とに基づいて各直流系機器ユニットの動作を制御するように自動制御部61aを動作させる制御プログラムが記憶されている。
さらに詳しく説明すると、この制御プログラムでは、電池状態情報である二次電池モジュール50の残量を元に電池レベルを判定するようになっており、例えば、残量が0〜40%以下のときは電池レベルが1、40%超〜50%以下のときは電池レベルが2、50%超〜60%以下のときは電池レベルが3、60%超〜70%以下のときは電池レベルが4、70%超〜80%以下のときは電池レベルが5、80%超〜100%のときは電池レベルが6であると判定される。
また、上記制御プログラムでは、優先順位は、停電時に必要な直流系機器ユニットの順番に基づいて各直流系機器ユニット2A〜2Hに対応して設定されるようになっており、例えば、通信、明かり、防災、防犯、利便性(その他)の順に優先順位が低くなるようになっている。具体的には、通信ユニットである直流系機器ユニット2A〜2C,2Gに対応する優先順位が1に設定され、次いで照明ユニットである直流系機器ユニット2Hに対応する優先順位が2、防災ユニットである直流系機器ユニット2Eに対応する優先順位が3、防犯ユニットである直流系機器ユニット2Dに対応する優先順位が4、端子台である直流系機器ユニット2Fに対応する優先順位が5に設定されている。
そして、上記の制御プログラムでは、優先順位の値(1〜5)が、電池レベルの値(1〜6)値以上か否かによって、電源マネージメントユニット6による直流系機器ユニットの動作モードが決定されるようになっている。すなわち、優先順位の値が電池レベルの値以上の直流系機器ユニットは、消費電力を低減した低消費モードとなるように制御され、優先順位の値が電池レベルの値未満の直流系機器ユニットは、消費電力の低減等を行わない通常モードとなるように制御されるように設定されている。
一方、手動制御手段61bは、ユーザが直接的に各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を制御するためのものであって、表示ユニット7A,7Bの後述する入力手段73の入力内容に応じて各直流系機器ユニット2A〜2Hに制御信号を出力して、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行うように構成されている。ここで、手動制御手段61bによる直流系機器ユニットの動作制御は、自動制御手段61aによる直流系機器ユニットの動作制御より優先して行われるようになっている。
また、制御部61は、変更手段61cを備えている。この変更手段61cは、メモリ部62に記憶されている制御プログラムの内容を表示ユニット7A,7Bに伝送する機能と、メモリ部62の制御プログラムを、表示ユニット7A,7Bの入力手段73で入力された内容に応じて変更する機能とを備えている。例えば、変更手段61cは、各直流系機器ユニット2A〜2Hの優先順位に関する情報を表示ユニット7A,7Bに伝送し、入力手段73で入力された内容に応じて、各直流系機器ユニット2A〜2Hの優先順位を変更するように構成される。尚、変更手段61cによって制御プログラムを全て変更可能としてもよいし、部分的に変更可能としてもよい。
表示ユニット7Aは、バッテリユニット5の電池状態情報、及び各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報を元にしてバッテリユニット5の電力の使用状態を表示するために設けられた専用ビュアであり、図5(a)に示すように、外部機器との通信部70と、表示ユニット7Aの動作電源を供給するバッテリ71と、液晶ディスプレイ等の画像表示装置である表示部72と、入力キーや、キーボード等のユーザインターフェースからなる入力部73と、演算処理部74とを備えている。この表示ユニット7Aは、直流系機器ユニット2Bのケーブル接続部に接続されている。
通信部70は、例えば、LAN等を用いて外部機器と通信可能に構成されており、LANケーブル接続用モジュラジャック(図示せず)や、同軸ケーブル接続用コネクタ(図示せず)、光ファイバケーブル接続用コネクタ(図示せず)等の各種通信ケーブルを接続するケーブル接続部や、無線LAN用の赤外線ポート(図示せず)等を有している。
演算処理部74は、例えばCPU等であって、前述の使用状態表示手段74aと、制御内容表示手段74bとを備え、これらはソフトウェア等により実現されている。また、演算処理手段74は、バッテリユニット5の電池状態情報である残量と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報である消費電力量とを元にして、バッテリユニット5の残り使用可能時間を算出する算出手段74cを備えている。
使用状態表示手段74aは、電源マネージメントユニット6の情報収集手段60aから送信された電池状態情報と、各直流系機器ユニットの動作状態情報と、場合によっては停電検出信号を元にして、バッテリユニット5の電力の使用状態を表示部72に表示させるように構成されている。例えば、状態表示手段74aは、表示部72に、図5(b)に示すように、停電時等の非常時であることを示す「停電時」や、商用交流電源によりバッテリユニット5が充電中であることを示す「充電中」等の現在の状態を示すメッセージM1と、停電時である場合に表示される「バックアップ推定時間」等のメッセージM2と、バッテリユニット5の残り使用時間を表示するメッセージM3と、「消費電力」等の直流系機器ユニットの動作状態情報の種類を表示するメッセージM4とを表示するように構成されている。
また、状態表示手段74aは、それぞれ直流系機器ユニットの種別を示す名称、例えば「LED照明」、「通信」、「防犯」、「防災」等をそれぞれ表示するフレームN1〜N4を表示部72に表示するように構成されており、ここで、各フレームN1〜N4は、対応する直流系機器ユニットの消費電力に比例して領域の大きさ(主に長さ)が決定されるようにしている。例えば、図5(b)に示す例では、領域の大きさが、フレームN1>フレームN2>フレームN3=フレームN4となっており、これが消費電力の大小関係を示している。
したがって、以上述べた状態表示手段74aによれば、表示部72に、電池状態情報としてバッテリユニット5の残り使用推定時間が表示されるとともに、直流系機器ユニットの動作状態情報として消費電力量とが表示されることになる。尚、表示部72には、電池状態情報として、バッテリユニット5の残量や、出力電流、出力電圧等を表示するようにしてもよいし、動作状態情報として、直流系機器ユニットの消費電流や、動作モード情報、オンオフ情報等を表示するようにしてもよい。
また、状態表示手段74aにより表示部72に電池状態情報及び動作状態情報が表示されている状態では、ユーザが入力部73を用いて操作入力を行うことによって、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行えるようになっている。ここで、入力部73において入力された内容は、通信部70と、直流系機器ユニット2Bと、直流給電路3とを経由して電源マネージメントユニット6の手動制御手段61bに伝送され、これにより手動制御手段61bによる各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御が行われる。
制御内容表示手段74bは、電源マネージメントユニット6から伝送されたメモリ部62の制御プログラムの内容を表示部72に表示する通常表示モードと、メモリ部62の制御プログラムの内容を変更するための表示を表示部72に行わせる変更表示モードとを備えている。ここで、制御内容表示手段74bが変更表示モードで動作している場合、入力部73の操作入力によって、制御プログラムの内容を変更することができるようになっており、例えば、本実施形態の場合、直流系機器ユニットの優先順位を入力部73の操作入力によって変更できるようになっている。ここで、入力部73において入力された内容は、通信部70と、直流系機器ユニット2Bと、直流給電路3とを経由して電源マネージメントユニット6の変更手段61cに伝送され、これにより変更手段61cによるメモリ部62の制御プログラムの変更が行われる。
表示ユニット7Bは、外部機器との通信手段、バッテリ、キーボード等のユーザインターフェースからなる入力部73、並びに液晶ディスプレイ等の画像表示装置からなる表示部72を備える情報処理用の端末器(例えばノートパソコン)の表示部72を、電池状態情報及び動作状態情報を表示するための表示手段として利用するとともに、専用のソフトウェアをインストールすることによって構成されている。尚、表示ユニット7Bの動作は、表示ユニット7Aと同様であるから説明を省略する。また尚、表示ユニット7Bは、直流系機器ユニット2Aのケーブル接続部に接続されている。
このように、情報処理用の端末器の画像表示装置を表示手段として利用すれば、専用のビュア等を用いる場合に比べて、バッテリユニット5の電池状態情報と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報との表示を容易に行うことが可能になる。また、これら表示ユニット7A,7Bは、自身が保有するバッテリ71によって動作可能であるから、商用交流電源の供給が停止した停電時等でも問題なく使用でき、バッテリユニット5の電池状態情報等を表示するのに最適である。
以上により本実施形態の配電システムは構成されており、次にその動作について説明する。尚、初期状態では、バッテリユニット5の二次電池モジュール50が充電されておらず、主幹路10cから電力変換ユニット4に商用交流電源が供給されているとする。また尚、スイッチ回路51はオフであるとする。さらに、各直流系機器ユニット2A〜2Hは動作モードが通常モードであるとする。
上記初期状態では、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45Aでは、停電等が発生していないと判断される。このとき、制御部45によってDC/DCコンバータ41が制御されて、DC/DCコンバータ41で直流電源の生成が行われ、DC/DCコンバータ41で生成された直流電源が直流給電路3に供給される。
そして、直流給電路3に供給された直流電源は、各直流系機器ユニット2A〜2H及び電源マネージメントユニット6に供給されて各直流系機器ユニット2A〜2H及び電源マネージメントユニット6が動作し、これにより端末器T1〜T3や、防犯センサS1,S2、照明器具F1〜F3、電源マネージメントユニット6等の動作が開始される。
また、AC/DCコンバータ41から電源路42に直流電源が供給されている場合、電源路42の電圧側線路42aから逆流防止用のダイオードDを介して二次電池モジュール50に直流電源が供給されて、二次電池モジュール50が充電される。
ここで、二次電池モジュール50が充電途中である場合には、電源マネージメントユニット6に、例えば残量が10%以下である等の電池状態情報が伝送されることになるが、自動制御部61aは、停電検出信号を受信したときにのみ直流系機器ユニット2A〜2Hの制御を行うため、二次電池モジュール50の充電時には、直流系機器ユニット2A〜2Hが自動制御部61により制御されてしまうことがない。
また、電源マネージメントユニット6の情報収集手段60aは、バッテリユニット5から電池状態情報、各直流系機器ユニット2A〜2Hから動作状態情報を取得して、表示ユニット7A,7Bに送信し、情報収集手段60aから電池状態情報及び動作状態情報を受け取った表示ユニット7A,7Bで、表示部72に、電池状態情報及び動作状態情報を表示させる。例えば、電池状態情報としては、二次電池モジュール50の残量や、充電中であるという情報が表示され、動作状態情報としては、各直流系機器ユニットの動作モードの情報や、消費電力量が表示される。
ところで、停電が発生したり、過電流によって主幹ブレーカ10bがトリップ動作したりして、主幹路10cから電力変換ユニット4への商用交流電源の供給が停止された際には、電圧検出回路44の検出電圧が所定の電圧値未満になるとともに、電流検出回路43により電流が検出されなくなる。これにより、制御部45は、停電等が発生した非常時であると判断して、電源路42に停電検出信号を出力する。
これに並行して、制御部45は、バッテリユニット5にスイッチ回路51をオンさせる制御信号を出力し、これにより二次電池モジュール50が電源路42に接続されて(充放電路の電圧極用の導電バーが電源路42の電圧側線路42aに接続されて)、二次電池モジュール50から電源路42に直流電源の供給が行われる。そして、DC/DCコンバータ41では、電源路42に供給されたバッテリユニット5の直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源の生成が行われ、これによりDC/DCコンバータ41から直流給電路3には、直流電源の供給が継続して行われることになる。
したがって、商用交流電源の供給が得られなくなった場合でも、直流給電路3に直流電源を供給することができ、これにより直流系機器ユニット2A〜2H及び電源マネージメントユニット6への電力供給も継続して行われる。
そして、電源マネージメントユニット6の情報収集手段60aは、バッテリユニット5から電池状態情報、各直流系機器ユニット2A〜2Hから動作状態情報を取得して、表示ユニット7A,7Bに送信する。このとき、停電検出信号が出力されているから、この停電検出信号も表示ユニット7A,7Bに送信される。情報収集手段60aから電池状態情報及び動作状態情報並びに停電検出信号を受け取った表示ユニット7A,7Bで、表示部72に、図5(b)に示すように、電池状態情報及び動作状態情報を表示させる。
一方、電源マネージメントユニット6では、電池状態情報を受信した自動制御部61aにより電池レベルが判定されるが、残量が80%以上であれば、電池レベルが6であると判定されて、優先順位の値が1〜5で設定されている直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御は行われない。
このような非常状態が継続されれば、バッテリユニット5の二次電池モジュール50の残量は減り続けていく。そして、二次電池モジュール50の残量が80%以下となった際には、このような電池状態情報を受信した自動制御部61bによって電池レベルが5であると判定されて、優先順位が5である直流系機器ユニット2Fの動作制御が行われる。すなわち、直流系機器ユニット2Fでは、回路開閉手段を開くような制御が行われて直流負荷への電力供給が停止され、これによりバッテリユニット5の放電消費電力量の低減が図られる。
この状態が継続され、二次電池モジュール50の残量が70%以下となった際には、このような電池状態情報を受信した自動制御部61aによって電池レベルが4であると判定されて、優先順位が4である直流系機器ユニット2Dが通常モードから低消費モードに切り換えられ、これによりバッテリユニット5の放電消費電力量のさらなる低減が図られる。
この後に二次電池モジュール50の残量が60%以下となった際には、このような電池状態情報を受信した自動制御部61aによって電池レベルが3であると判定されて、優先順位が3である直流系機器ユニットEが通常モードから低消費モードに切り換えられる。さらに二次電池モジュール50の残量が50%以下となった際には、このような電池状態情報を受信した自動制御部61aによって電池レベルが2であると判定されて、優先順位が2である直流系機器ユニット2Hが通常モードから低消費モードに切り換えられる。最後に二次電池モジュール50の残量が40%以下となった際には、このような電池状態情報を受信した制御部80によって電池レベルが1であると判定されて、優先順位が1である直流系機器ユニット2C,2Gが通常モードから低消費モードに切り換えられることになる。尚、電源マネージメントユニット6と表示ユニット7A,7Bとの通信は行えるようにする必要があるため、直流系機器ユニット2A,2Bは通常モードが維持される。
このように、本実施形態の配電システムでは、二次電池モジュール50の残量の減少に伴って、メモリ部62に記憶されている制御プログラムの優先順位順に、直流系機器ユニットにおける消費電力量を低減する動作制御が行われ、これにより段階的に二次電池モジュール50の放電消費電力量の低減が図られるようになっている。
つまり、本実施形態の配電システムでは、重要度が低い直流系機器ユニットから順に直流系機器ユニットにおける消費電力量を低減させることで、二次電池モジュール50を長持ちさせるようにしている。
また、本実施形態の配電システムでは、電源マネージメントユニット6の手動制御手段61bによって各直流系機器ユニット2A〜2Hを制御できるようになっている。そのため、例えば、表示ユニット7Aの表示部72を見て、消費電力が大きい直流系機器ユニットの動作を、自動制御手段61aにより制御される前に、通常モードから低消費モードに切り換えることができるようになっている。
ところで、停電等が復旧して電力変換ユニット4Aに商用交流電源が供給された際には、AC/DCコンバータ40から電源路42に、直流電源が供給され、DC/DCコンバータ41では、AC/DCコンバータ40からの直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源が生成される。また、AC/DCコンバータ40から電源路42に供給される直流電源によって、バッテリユニット5が充電される。
また、商用交流電源の供給が再開された際には、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45は、停電等が発生していない常時であると判断して、スイッチ回路51をオフさせるための制御信号をバッテリユニット5に出力し、これによりバッテリユニット5から電源路42への直流電源の供給が停止される。
そして、バッテリユニット5が充電されて、二次電池モジュール50の残量が40%を越えた際には、電池状態情報を受信した自動制御部61aによって電池レベルが2になったと判定され、優先順位が1である直流系機器ユニット2C,2Gが通常モードに切り換えられる。この後に、二次電池モジュール50の残量が50%を越えた際には、電池状態情報を受信した自動制御部61aによって電池レベルが3になったと判定され、以後、電池レベルの上昇にともなって、優先順位順に直流系機器ユニットが通常モードに切り換えられ、やがて、上記の初期状態に復帰することになる。
以上述べた本実施形態の配電システムによれば、バッテリユニット5の二次電池モジュール50の電池状態情報と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報とを情報収集手段60aにより収集して、表示ユニット7Aの表示部72に表示するから、表示部72aを見るだけでバッテリユニット5の電池状態及び直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態を確認でき、これにより電力の使用状態を直ちに把握することができるという効果を奏する。しかも、電池状態情報として、バッテリユニット5の残り使用可能時間を表示するから、表示部72を見るだけでバッテリユニット5の残り使用可能時間を確認でき、これによりユーザにバッテリユニット5の電池状態を分かりやすく報せることができるという効果を奏する。
また、配電システムは、直流系機器ユニット2A〜2Hに電力を供給する直流給電路3と、商用交流電源を元に直流電源を生成して直流給電路3に供給する電力変換ユニット4とを盤体内に収納してなる電源盤1を備えているから、商用交流電源が供給される常時には、電力変換ユニット4が直流給電路3に供給する直流電源によって直流系機器ユニット2A〜2Fを動作させることができ、商用交流電源の供給が停止される停電時等の非常時には、バッテリユニット5からの電力供給により直流系機器ユニット2A〜2Hを動作させることができるようになるという効果を奏する。
さらに、複数の直流系機器ユニット2A〜2Hとそれぞれ通信するとともに、電池状態情報に基づいて複数の直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を、予め設定された制御内容に従って制御するように構成された自動制御手段61aを有する電源マネージメントユニット6を備えているから、バッテリユニット5の二次電池モジュール50の電池状態に応じて直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行うことができるという効果を奏する。
しかも、自動制御手段61aによる直流系機器ユニットの制御内容は、ユーザの操作入力によって変更することができるので、ユーザの嗜好性を自動制御手段61aの制御内容に反映させることができ、これによりユーザの好みに合致した直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行えるようになるという効果を奏する。
ところで、電源マネージメントユニット6のメモリ部62に記憶されている上記の制御プログラムは、制御部45の停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、電池状態情報に関連して各直流系機器ユニット2A〜2Hに対応して設定された優先順位とに基づいて各直流系機器ユニットの動作を制御するように自動制御部61aを動作させるものであるが、メモリ部62に記憶させる制御プログラムは、上記のものに限られるものではない。
例えば、メモリ部62に記憶させる制御プログラムとしては、制御部45の停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの消費電力量とに基づいて直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を制御するように自動制御部61aを動作させるものであってもよい。さらに詳しく説明すると、バッテリユニット5の残量が多いときは、全ての直流系機器ユニット2A〜2Hを通常モードとし、残量が少なくなるにつれて、通常モードと低消費モードとの間の消費電力量の差が大きい直流系機器ユニットから動作モードを低消費モードに切り換えるように構成されている。
このようにすれば、消費電力量が多い直流系機器ユニットから、順次、低消費モードに切り換えられるので、バッテリユニット5による動作時間を効率良く長くすることが可能となる。
また、メモリ部62に記憶される制御プログラムとしては、上記の優先順位と、消費電力量とを組み合わせたものとしてもよく、このようにすれば、優先順位を第1の基準として直流系機器ユニットの動作制御を行えるとともに、同じ優先順位を持つ直流系機器ユニット同士では、低消費モードに切り換えることで、消費電力量をより低減できる直流系機器ユニットから低消費モードに切り換えるといった動作制御が可能となり、これにより、必要な直流系機器ユニットの動作時間を長くできるとともに、バッテリユニット5の電力を効率良く使用できるという効果を奏する。
一方、電源マネージメントユニット6のメモリ部62は、交換可能な構成としてもよい。すなわち、メモリ部62としてSDカード等の携帯可能なメモリを用い、電源マネージメントユニット6にメモリ部62用のスロットを設けるようにしてもよく、このようにすれば、メモリ部62を、異なる制御プログラムが記憶されたメモリ部に交換することによって、電源マネージメントユニット6の制御プログラムの内容を非常に容易に変更することができるようになる。
また、電源マネージメントユニット6は、ユーザにより直流系機器ユニットの動作制御を行うための手動制御手段61bを備えているから、表示部72に表示されるバッテリユニット5の電池状態情報や、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報を参照して、必要のない直流系機器ユニットの動作を停止したり、必要な直流系機器ユニットの動作を開始したりすることで、バッテリユニット5の電力を効率的に使用することが可能となるという効果を奏する。
ところで、本実施形態では、直流系機器ユニットの動作モードを、通常モードと低消費モードとの間で切り換えるようにしているが、低消費モードとしては、完全に動作を停止させる停止モードと、最低限の動作を行わせる省エネルギーモードとのいずれか一方、又はその両方であってもよい。要は、低消費モードは、直流系機器ユニットでの消費電力量が低くなるようなモードであればよい。
本実施形態の配電システムでは、電源マネージメントユニット6は、直流給電路3から直流電源を受電可能に、直流給電路3に接続された状態で盤体内に収納されており、これにより電源マネージメントユニット6を、電源マネージメントユニット6により制御される直流系機器ユニット2A〜2Hに近接して配置することができるとともに、直流給電路3を伝送路として各直流系機器ユニット2A〜2Hと通信を行わせることが可能となるから、通信用の配線の省配線化を図ることができるという効果を奏する。
尚、本実施形態では、電源マネージメントユニット6に、情報収集手段60aを設けているが、このような情報収集手段60aは、電源マネージメントユニット6とは別体にして、直流系機器ユニットと同様に、直流電源を受電可能に直流給電路3に接続することで、盤体内に収納するようにしてもよいし、表示ユニット7A,7Bに設けるようにしてもよい。また尚、バッテリユニット5と、電力変換ユニット4と、各直流系機器ユニット2A〜2Hと、電源マネージメントユニット6とは、直流給電路3等を伝送路として通信する構成に限られるものではなく、専用の通信線等を用いて通信する構成としてもよい。
ところで、本実施形態の配電システムでは、住宅用分電盤を利用することで、図1に示すように、交流供給ブロック10と、直流供給ブロック11とを一の盤体内に収納するようにしているが、交流供給ブロックと直流供給ブロックとを別々の盤体内に設けるようにしてもよい。
すなわち、電源盤1の代わりに、図6に示すように、リミッタ10aと、主幹ブレーカ10bと、主幹路10cと、分岐路10dと、分岐ブレーカ10eとが盤体(図示せず)内に収納されてなる住宅用分電盤12の分岐ブレーカ10eに接続される電力変換ユニット4と、直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3とを盤体(図示せず)内に収納してなる電源盤13を用いてもよい。
このようにすれば、住宅に既設の住宅用分電盤12を用いて、配電システムを後付けで設置することが可能となるという効果が得られる。
また、電源盤1の代わりに、図7に示すように、住宅用分電盤12の分岐ブレーカ10eに接続される電力変換ユニット4と、直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3と、バッテリユニット5とを盤体(図示せず)内に収納してなる電源盤14を用いたものであってもよい。
つまり、バッテリユニット5を電源盤14の盤体内に収納するようにしてもよく、このようにすれば、住宅に既設の住宅用分電盤12を用いて、配電システムを後付けで設置することが可能となるという効果が得られるだけでなく、バッテリユニット5と電源盤14との間の配線の引き回し等が不要になり、取り付け作業が簡単になるという効果が得られる。