(実施形態1)
本実施形態の配電システムは、図1及び図2に示すように、複数(本実施形態では8つ)の直流系機器ユニット2A〜2Hと、複数の直流系機器ユニット2A〜2Hに電力を供給する直流給電路3と、商用交流電源を元に直流電源を生成して直流給電路3に供給する電力変換ユニット4とを盤体内に収納してなる電源盤1と、1乃至複数の二次電池(蓄電池)からなる二次電池モジュール(蓄電池モジュール)50、及び当該二次電池モジュール50の電池状態情報を送信する送信手段となる通信部53を有し、直流系機器ユニット2A〜2Hに電力供給を行うバッテリユニット5と、通信部53が送信する電池状態情報を受信し、当該電池状態情報に基づいて直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を個別に制御する制御部24A〜24Hとを備えている。
まず、バッテリユニット5について図1及び図2を参照して説明する。バッテリユニット5は、例えば、住宅の壁面等の造営面に取り付けられる筐体5a(図2参照)を備え、筐体5a内には、1乃至複数の二次電池からなる二次電池モジュール50と、複数の二次電池モジュール50を並列接続可能な充放電路(図示せず)と、二次電池モジュール50の充放電制御用のスイッチ回路51と、スイッチ回路51のオン/オフを行う電池制御部52と、電力変換ユニット4の後述する通信部46と通信する通信部53と、二次電池モジュール50の電池状態を検出するためのセンサ部54とを備えている。
二次電池モジュール50は、二次電池(例えばリチウムイオン電池)を用いて、所定の電圧(例えば50V)の直流電源が得られるように構成されたものであって、二次電池が収納されるハウジング(図示せず)と、ハウジングに設けられる電圧極と接地極の2極の接続端子(図示せず)とを有している。尚、リチウムイオン電池は、自己放電が非常に少なく、メモリー効果がない、小型で大容量、軽量等の様々な利点がある。
充放電路は、電圧極用の導電バー(図示せず)と、接地極用の導電バー(図示せず)とで構成され、前記電圧極用の導電バーには、二次電池モジュール50の電圧極の接続端子にプラグイン方式により接続可能な接続バー(図示せず)が一体に設けられ、接地極用の導電バーには、二次電池モジュール50の接地極の接続端子にプラグイン方式により接続可能な接続バー(図示せず)が一体に設けられている。
このような充放電路は、上述したように、複数の二次電池モジュール50を並列的に接続できるように構成されており、充放電路に接続する二次電池モジュール50の数によって、バッテリユニット5の容量を増減できるようになっている。つまり、バッテリユニット5では、電源盤1に接続される機器の総消費電力量に応じて、容量を調整できるようになっている。尚、充放電路の導電バー及び接続バーは、例えば、導電性を有する金属板から曲成することによって得ることができる。また尚、二次電池モジュール50と充放電路との接続方式は、プラグイン方式に限られるものではなく、ねじ止め等であってもよく、要は電気的に接続可能なものであれば足りるが、プラグイン方式としたほうが、接続が容易となるため好ましい。
スイッチ回路51は、例えば、MOSFET等の半導体スイッチング素子を用いて構成されたものであり、電池制御部52により動作(オンオフ)が制御される。さらに詳しく説明すると、スイッチ回路51は、電圧側の入力端と出力端との間にのみ、電池制御部52によりオンオフ制御される半導体スイッチング素子(図示せず)が設けられ、接地側の入力端と出力端との間は、常に導通した状態となるように構成されている。そして、このスイッチ回路51の電圧側の入力端には、充放電路の電圧極用の導電バーが、接地側の入力端には、充放電路の接地極用の導電バーがそれぞれ接続されている。
加えて、スイッチ回路51の電圧側の出力端は、逆流防止用のダイオードDを介してバッテリユニット5の接続部材の電圧極の導電バー(図示せず)に接続されており、これにより後述する太陽電池(図示せず)の発電電力を用いてバッテリユニット5の二次電池モジュール50の充電を行えるようにしている。尚、逆流防止用のダイオードDは、バッテリユニット5の筐体5a内に設けられている。
センサ部54は、例えば、二次電池モジュール50の出力電圧を計測する電圧検出手段や、二次電池モジュール50の出力電流を計測する電流検出手段等を有しており、これら検出手段から得た情報は、電池制御部52に伝送される。
電池制御部52は、通信部53を介して電力変換ユニット4の後述する制御部45と通信し、制御部45が通信部53に伝送する制御信号の内容に応じてスイッチ回路51のオン/オフを制御するように構成されている。また、電池制御部52は、センサ部54より得た情報に基づいて二次電池モジュール50の電池状態情報を生成し、通信部53を介して制御部45に出力するように構成されている。
ここで、電池状態情報は、少なくとも二次電池モジュール50の残量(すなわち二次電池の電池残量)を示す情報を有している。尚、二次電池モジュール50の残量は、例えば、センサ部54の電圧検出手段及び電流検出手段を、充電時のデータと比較することや、二次電池モジュール50が満充電状態から二次電池モジュール50が放電により消費した電力量を得ること等によって算出することができ、このような蓄電池の残量の算出方法は、従来周知のものであるから、詳細な説明は省略する。
また、電池状態情報は、センサ部54で得られる二次電池モジュール50の出力電流値と二次電池モジュール50の残量を元に算出されるバッテリユニット5の残り使用可能時間であってもよい。尚、このような残り使用可能時間は、二次電池モジュール50の残量と、各直流系機器ユニット2A〜2Hの動作状態情報(例えば、消費電力量)とを元に算出するようにしてもよい。さらに、電池状態情報は、二次電池モジュール50が充電中であるか放電中であるかを示すような情報であってもよい。
次に、電源盤1について図1〜図3を参照して説明する。電源盤1は、図2に示すように、例えば屋内配線の分岐に用いられる住宅用分電盤を利用して構成されているものであり、住宅の壁面等の造営面に取り付けられる盤体(図示せず)と、交流供給ブロック10と、直流供給ブロック11とを備えている。この盤体は、壁面等の造営面に取り付けられる前面が開口した箱状のボックス(図示せず)、及びボックス(図示せず)の前面に開閉自在に取り付けられるカバー(図示せず)等を備えているものであって、盤体内には、系統側となる交流供給ブロック10、及び直流供給ブロック11を収納するためのスペースが設けられている。
交流供給ブロック10は、盤体内に引き込まれた低圧側配電線(例えば、単相三線の低圧配電線)が接続されるリミッタ10aと、リミッタ10aが入力側(電源側端子)に接続される主幹ブレーカ10bと、主幹ブレーカ10bの出力側(負荷側端子)に接続される主幹路10cと、主幹路10cから分岐する分岐路10dと、分岐路10dに接続される分岐ブレーカ10eとで構成されている。
リミッタ10aは、低圧側配電線から主幹ブレーカ10bに、各家庭における電力会社との契約内容に応じた電流を供給するとともに、契約時の電流値以上の電流が流れると主幹ブレーカ10bへの給電路を遮断するように構成されている。
主幹ブレーカ10bは、リミッタ10aに接続される電源側端子(図示せず)と、電源側端子に接続される負荷側端子(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子とが通電している際にはオン側に位置する操作ハンドル(図示せず)と、電源側端子と負荷側端子との間に過電流が生じた際にはこれら端子間を遮断するとともに、操作ハンドルをオフ側に位置させる回路遮断機構(図示せず)とを備えている。
分岐ブレーカ10eは、分岐路10dをそれぞれ接続可能な分岐路用端子部(図示せず)と、負荷側の電源線(図示せず)を電気的に接続するための電源線用端子部(図示せず)と、通常時はオン側に位置する操作ハンドル(図示せず)と、分岐路用端子部と電源線用端子部との間に過電流が生じた際にこれら端子部間を遮断するとともに、操作ハンドルをオフ側に位置させる回路遮断機構(図示せず)とを備えている。
尚、リミッタ10aと、主幹ブレーカ10bと、分岐ブレーカ10eとは、従来周知のものを採用することができるから、詳細な説明は省略する。また尚、主幹ブレーカ10b及び分岐ブレーカ10eの各回路遮断機構は、過電流だけではなく、短絡電流の発生に対しても回路を遮断するように構成してもよい。
主幹路10cは、電圧極用の導電バーL1,L2及び中性極用の導電バーNを有している。これら導電バーL1,L2,Nは、いずれも導電性を有する金属板を用いて長尺の矩形板状に形成されており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。また、分岐路10dは、主幹路10cの各導電バーL1,L2,Nに一体に設けられており、その幅、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
一方、直流供給ブロック11は、上述した直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3と、電力変換ユニット4とを備えている。
まず、直流給電路3について説明する。直流給電路3は、図3に示すように、導電性を有する金属板を用いて長尺の矩形板状に形成された電圧側導電バー30及び接地側導電バー31からなり、各導電バー30,31には、直流系機器ユニット2A〜2Hを接続するための接続バー30a,31aが複数設けられている。尚、各導電バー30,31及び接続バー30a,31aの幅や、厚み等は、主幹ブレーカ10bの最大定格電流に合わせた最大電流容量を有するように設定されている。
直流系機器ユニット2A〜2Hは、図3に示すように、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、これら直流系機器ユニット2A〜2Hの本体部23には、直流給電路3に接続するための電源端子部20,21が設けられている。ここで、電源端子部20,21について図3を参照して説明する。尚、電源端子部20,21は、上述したように各直流系機器ユニット2A〜2Hに共通するものであるから、以下の説明では、直流系機器ユニット2Aを例に挙げて説明し、他の直流系機器ユニット2B〜2Hの電源端子部の説明は省略する。
電源端子部20,21は、図3に示すように、直流系機器ユニット2Aの合成樹脂製の本体部23の一側面に設けられ、直流給電路3の電圧側導電バー30の接続バー30a及び接地側導電バー31の接続バー31aをそれぞれ差し込み可能な開口20a,21aと、開口20a,21a内に差し込まれた接続バー30a,31aをその差込方向と直交する方向(図3に示す例では接続バー30a,31aの厚み方向)で狭持する接続端子20b,21bとで構成された、所謂プラグイン方式のものである。
したがって、電源端子部20,21に、直流給電路3の各導電バー30,31の接続バー30a,31aを差し込むだけで直流系機器ユニット2Aを直流給電路3に電気的且つ機械的に接続することができるようになっている。
以下に、直流系機器ユニット2A〜2Hについてさらに詳細に説明する。
直流系機器ユニット2A〜2C,2Gは、通信ユニットであって、例えば、LANケーブル接続用モジュラジャック(図示せず)や、同軸ケーブル接続用コネクタ(図示せず)、光ファイバケーブル接続用コネクタ(図示せず)等の各種通信ケーブルを接続するケーブル接続部(図示せず)と、専用の通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24A〜24C,24Gと、ケーブル接続部に接続されているLANケーブル等の通信ケーブル用の信号を通信線N用の信号に変換する、或いは通信線N用の信号を通信ケーブル用の信号に変換するメディアコンバータからなる信号変換手段(図示せず)とをそれぞれ備えている。
したがって、このような直流系機器ユニット2A〜2C,2Gには、インターネット接続用のLANケーブルや、情報コンセント、ドアホン親機、ドアホン子機、情報処理用の端末器T1〜T3等が接続される。そして、これら直流系機器ユニット2A〜2C,2Gは、通信線Nを介して相互に通信可能であるから、例えば、直流系機器ユニット2Gに接続されている情報処理用の端末器T1〜T3は、直流系機器ユニット2G、直流給電路3、及び直流系機器ユニット2Aを介してインターネットに接続することが可能になる。
また、直流系機器ユニット2A〜2C,2Gの信号変換手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば信号変換手段の動作を停止して)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2A〜2C,2Gの各モード切換手段は、制御部24A〜24C,24Gによってそれぞれ切換動作が制御されるように構成されている。
直流系機器ユニット2Dは、防災用の端末器、例えば、ドアセンサや、窓センサ、人感センサ等の防犯センサ(図示せず)を接続する防犯ユニットである。このような直流系機器ユニット2Dは、専用の通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24Dと、電線を介して接続された防犯センサに直流給電路3から直流電源を供給するとともに、防犯センサに直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで防犯センサと通信を行い、防犯センサより異常検出信号を受信すると、通信線Nに異常検出信号を出力するセンサ制御手段(図示せず)とを備えている。尚、直流系機器ユニット2Dから通信線Nに出力される異常検出信号は、通信線Nを介して端末器T1〜T3等に送られる。
また、直流系機器ユニット2Dのセンサ制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、作動させる防犯センサの数を減らすことで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Dのモード切換手段は、制御部24Dによって切換動作が制御されるように構成されている。
直流系機器ユニット2Eは、防犯用の端末器、例えば、煙センサや、ガスセンサ、火災センサ等の防災センサS1,S2を接続する防犯ユニットである。このような直流系機器ユニット2Eは、専用の通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24Eと、電線を介して接続された防災センサS1,S2に直流給電路3から直流電源を供給するとともに、防災センサS1,S2に直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで防災センサS1,S2と通信を行い、防災センサS1,S2より異常検出信号を受信すると、通信線Nに異常検出信号を出力するセンサ制御手段(図示せず)とを備えている。尚、直流系機器ユニット2Eから通信線Nに出力される異常検出信号は、通信線Nを介して端末器T1〜T3等に送られる。
また、直流系機器ユニット2Eのセンサ制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、作動させる防災センサの数を減らすことで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Eのモード切換手段は、制御部24Eによって切換動作が制御されるように構成されている。
直流系機器ユニット2Fは、例えば、直流給電路3から供給される直流電源を、直流電源により動作する直流負荷(図示せず)に供給するための端子台である。このような直流系機器ユニット2Fは、図示しない直流負荷の一対の電源線(電圧側配線及び接地側配線)が個別に接続される負荷端子部(図示せず)と、負荷端子部を個別に電源端子部20,21に接続する回路開閉手段(図示せず)と、専用の通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24Fとを備えている。
このような回路開閉手段は、制御部24Fによって開閉動作が制御されるように構成されており、これにより直流負荷への電源供給を行う通常モードと、直流負荷への電源供給を停止する低消費モードとが切り換えられるようになっている。尚、回路開閉手段は、所定以上の電流が流れた際に、回路を遮断するブレーカとしての機能を持たせたものや、直流給電路3の直流電源の電圧を変圧する機能を持たせたもの等であってもよい。
直流系機器ユニット2Hは、照明用の端末器、例えば、LED照明器具等の照明器具F1〜F3を接続する照明ユニットである。このような直流系機器ユニット2Hは、専用の通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24Hと、電線を介して接続された照明器具F1〜F3に直流電源を供給するとともに、照明器具F1〜F3に直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで照明器具F1〜F3と通信し、照明器具F1〜F3の制御(調光制御等)を行う照明制御手段(図示せず)とを備えている。
また、直流系機器ユニット2Hの照明制御手段には、自身の動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、このモード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、点灯させる照明器具F1〜F3の数を減らす間引き運転を行ったり、照明器具F1〜F3の明るさを暗く設定したりすることで)、消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット2Hのモード切換手段は、制御部24Hによって切換動作が制御されるように構成されている。
上述した制御部24A〜24Hは、通信線Nを介して制御部45から後述する停電検出信号を受信した際に、それぞれ対応する直流系機器ユニット2A〜2Hのモード切換手段の制御を開始するように構成されている。
ここで、制御部24A〜24Hは、停電検出信号を受信した後は、バッテリユニット5から電池状態情報(本実施形態では二次電池モジュール50の残量)を受信し、受信した電池状態情報に基づいてそれぞれ対応する直流系機器ユニット2A〜2Hのモード切換手段を制御する(直流系機器ユニット2A〜2Hの動作を制御する)ように構成されている。
すなわち、各制御部24A〜24Hは、電池状態情報の二次電池モジュール50の残量に応じてそれぞれ対応するモード切換手段を制御するようになっており、例えば、制御部24A〜24C,24Gは、二次電池モジュール50の残量が60%以下となった際に、各直流系機器ユニット2A〜2C,2Gの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成されている。
加えて、制御部24Dは、二次電池モジュール50の残量が70%以下となった際に、直流系機器ユニット2Dの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成され、制御部24Eは、二次電池モジュール50の残量が50%以下となった際に、直流系機器ユニット2Eの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成されている。
さらに、制御部24Fは、二次電池モジュール50の残量が80%以下となった際に、直流系機器ユニット2Fの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成され、制御部24Hは、二次電池モジュール50の残量が40%以下となった際に、直流系機器ユニット2Hの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成されている。
また、制御部24A〜24Hは、通信線Nを介して制御部45から後述する停電復旧信号を受信した際には、それぞれ対応する直流系機器ユニット2A〜2Hの動作モードを低消費モードから通常モードに切り換えるように構成されている。
一方、本実施形態の配電システムでは、直流系機器ユニット2A〜2Hの消費電力量は、直流系機器ユニットと、該直流系機器ユニットに接続されて直流系機器ユニットからの電力供給により動作される端末器との総消費電力量としている。例えば、直流系機器ユニット2Hの場合は、直流系機器ユニット2Hの消費電力量は、直流系機器ユニット2Hと、照明器具F1〜F3との総消費電力量として与えるようにしている。このようにすれば、実際のシステム構成に則した直流系機能ユニット2A〜2Hの動作制御が行えるようになる。この点は、後述する実施形態2〜5においても同様である。
尚、直流系機器ユニットは、上述した直流系機器ユニット2A〜2Hに限られるものではなく、ユーザの嗜好に合わせてその機能を適宜変更するようにしてもよい。
電力変換ユニット4は、図1に示すように、交流供給ブロック10の主幹路10cに接続され、該主幹路10cから供給される商用交流電源を元に、直流電源(例えば二次電池モジュール50の出力電圧と同じ50Vの直流電源)を生成するAC/DCコンバータ40を備えている。また、電力変換ユニット4は、電圧側線路42a及び接地側線路42bからなる電源路42を介してAC/DCコンバータ40に接続されるDC/DCコンバータ41を備え、DC/DCコンバータ41は、電源路42より供給される直流電源を降圧して、所定の電圧(例えば20V)の直流電源を生成し、この直流電源を直流給電路3に供給するように構成されている。
ところで、電源路42には、上述したバッテリユニット5が次のようにして接続されている。すなわち、バッテリユニット5は、スイッチ回路51の電圧側の出力端(図示せず)及び接地側の出力端(図示せず)を、電圧側線路42a及び接地側線路42bにそれぞれ電気的に接続することによって、電源路42に接続されている。さらに、電源路42の電圧側線路42aは、逆流防止用のダイオードDを介してバッテリユニット5の充放電路の電圧極側の導電バーに接続されており、これにより電圧側線路42a、電圧極側の導電バー、2次電池モジュール50、接地極側の導電バー、スイッチ回路51、接地側線路42bの経路で、2次電池モジュール50を充電できるようになっている。
また、電力変換ユニット4は、電圧側線路42aにおけるAC/DCコンバータ40との接続点とバッテリユニット5との接続点との間に流れる電流を計測する電流センサCTを有する電流検出回路43と、電圧側線路42aと接地側線路42bとの間の電位差を計測するための抵抗Rを有する電圧検出回路44と、前述の制御部45と、前述の通信部46とを備えている。尚、電力変換ユニット4のAC/DCコンバータ40、DC/DCコンバータ41、電流検出回路43、及び電圧検出回路44等の回路構成は、従来周知のものを採用することができるから、詳細な説明は省略する。
制御部45は、例えばマイコン等であって、DC/DCコンバータ41を常時動作させるとともに、電流検出回路43及び電圧検出回路44の検出出力に基づいて、バッテリユニット5のスイッチ回路51のオン/オフを制御するように構成されている。以下に、制御部45の制御動作について詳細に説明する。
制御部45は、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値(例えばAC/DCコンバータ40が出力する直流電源の電圧値)以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出される状態であれば、停電等が発生した非常時ではないと判断するように構成されている。そして、非常時ではないと判断した際には、制御部45は、スイッチ回路51をオフさせる制御信号をバッテリユニット5に出力するように構成されている。
一方、制御部45は、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値(例えばAC/DCコンバータ40が出力する直流電源の電圧値)未満であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されていない状態であれば、停電等が発生した非常時であると判断するように構成されている。そして、非常時であると判断した際には、制御部45は、前述した停電検出信号を出力するとともに、バッテリユニット5にスイッチ回路51をオンさせる制御信号を出力するように構成されている。
この後に、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値(例えばAC/DCコンバータ40が出力する直流電源の電圧値)以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出される状態となった際には、制御部45は、停電状態から復旧したと判断して、前述した停電復旧信号を出力するとともに、バッテリユニット5にスイッチ回路51をオフさせる制御信号を出力するように構成されている。
また、制御部45は、電流検出回路43で検出する電圧側線路42aの電流が所定の制限値(交流供給ブロック10の主幹ブレーカ10bがトリップ動作するような電流値を元に設定された値)を越えた際には、バッテリユニット5のスイッチ回路51をオンさせるための制御信号をバッテリユニット5の通信部53に出力するように構成されている。つまり、制御部45は、直流給電路3に流れる電流値が前記制限値を越える際には、バッテリユニット5から電力を供給して不足分を補填するように構成されている。
以上により本実施形態の配電システムは構成されており、次にその動作について説明する。尚、初期状態では、バッテリユニット5の二次電池モジュール50が充電されておらず、主幹路10cから電力変換ユニット4に商用交流電源が供給されている(すなわち停電状態ではない)とする。また尚、スイッチ回路51はオフであるとする。
上記初期状態では、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45では、停電等が発生していないと判断される。このとき、制御部45によってDC/DCコンバータ41が制御されているため、DC/DCコンバータ41によって直流電源の生成が行われて、DC/DCコンバータ41で生成された直流電源が直流給電路3に供給される。そして、直流給電路3に供給された直流電源は、各直流系機器ユニット2A〜2Hに供給されて各直流系機器ユニット2A〜2Hが動作し、これにより端末器T1〜T3や、防犯センサS1,S2、照明器具F1〜F3等の動作が開始される。
また、AC/DCコンバータ40から電源路42に直流電源が供給されている場合、電源路42の電圧側線路42aから逆流防止用のダイオードDを介して二次電池モジュール50に直流電源が供給されて、二次電池モジュール50が充電される。
ここで、二次電池モジュール50が充電途中である場合には、各直流系機器ユニット2A〜2Hに、例えば残量が10%以下である等の電池状態情報が伝送されることになるが、各制御部24A〜24Hは、停電検出信号を受信したときにのみ直流系機器ユニット2A〜2Hの制御を行うように構成されているため、二次電池モジュール50の充電時には、直流系機器ユニット2A〜2Hが制御部24A〜24Hにより制御されてしまうことがない。
ところで、停電が発生したり、過電流によって主幹ブレーカ10bがトリップ動作したりして、主幹路10cから電力変換ユニット4への商用交流電源の供給が停止された際には、電圧検出回路44の検出電圧が所定の電圧値未満になるとともに、電流検出回路43により電流が検出されなくなり、これにより、制御部45は、停電等が発生した非常時であると判断して、通信部46から通信線Nに停電検出信号を出力する。
これに並行して、制御部45は、バッテリユニット5にスイッチ回路51をオンさせる制御信号を出力し、これにより二次電池モジュール50が電源路42に接続されて(充放電路の電圧極用の導電バーが電源路42の電圧側線路42aに接続されて)、二次電池モジュール50から電源路42に直流電源の供給が行われる。そして、DC/DCコンバータ41では、電源路42に供給されたバッテリユニット5の直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源の生成が行われ、これによりDC/DCコンバータ41から直流給電路3には、直流電源の供給が継続して行われることになる。
したがって、商用交流電源の供給が得られなくなった場合でも、直流給電路3に直流電源を供給することができ、これにより直流系機器ユニット2A〜2Hへの電力供給も継続して行われる。
ところで、このような非常状態が継続されれば、バッテリユニット5の二次電池モジュール50の残量は減り続けていく。そして、二次電池モジュール50の残量が80%以下となった際には、制御部24Fによって、直流系機器ユニット2Fが通常モードから低消費モードに切り換えられ、これによりバッテリユニット5の放電消費電力量の低減が図られる。この状態が継続され、二次電池モジュール50の残量が70%以下となった際には、制御部24Dによって、直流系機器ユニット2Dが通常モードから低消費モードに切り換えられ、これによりバッテリユニット5の放電消費電力量のさらなる低減が図られる。
この後に二次電池モジュール50の残量が60%以下となった際には、制御部24A〜24C,24Gによって各直流系機器ユニット2A〜2C,2Gが通常モードから低消費モードに切り換えられ、さらに二次電池モジュール50の残量が50%以下となった際には、制御部24Eによって直流系機器ユニット2Eが通常モードから低消費モードに切り換えられ、最後に二次電池モジュール50の残量が40%以下となった際には、制御部24Hによって直流系機器ユニット2Hが通常モードから低消費モードに切り換えられることになる。
このように、本実施形態の配電システムでは、二次電池モジュール50の残量の減少に伴って、直流系機器ユニット2F、直流系機器ユニット2D、直流系機器ユニット2A〜2C,2G、直流系機器ユニット2E、直流系機器ユニット2Hの順に、直流系機器ユニットの消費電力量を低減する動作制御が行われ、これにより段階的に二次電池モジュール50の放電消費電力量の低減が図られるようになっている。
つまり、本実施形態の配電システムでは、重要度が低い直流系機器ユニットから順に直流系機器ユニットの消費電力量を低減させることで、バッテリユニット5の二次電池モジュール50を長持ちさせる(バッテリユニット5による動作時間を長くする)ようにしている。
ところで、停電等が復旧して電力変換ユニット4に商用交流電源が供給された際には、AC/DCコンバータ40から電源路42に、直流電源が供給され、DC/DCコンバータ41では、AC/DCコンバータ40からの直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源が生成される。また、AC/DCコンバータ40から電源路42に供給される直流電源によって、バッテリユニット5が充電される。
このように商用交流電源の供給が再開された際には、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45は、停電等が発生していない常時であると判断して停電復旧信号を出力し、これにより直流系機器ユニット2A〜2Hの動作モードが通常モードに切り換えられ、初期状態に復帰することになる。また、制御部45は、スイッチ回路51をオフさせるための制御信号をバッテリユニット5に出力し、これによりバッテリユニット5から電源路42への直流電源の供給が停止される。
以上述べた本実施形態の配電システムによれば、商用交流電源が供給される常時には、電力変換ユニット4が直流給電路3に供給する直流電源によって直流系機器ユニット2A〜2Hを動作させることができる一方、商用交流電源の供給が停止される停電時等の非常時には、バッテリユニット5からの電力供給により直流系機器ユニット2A〜2Hを動作させることができるという効果を奏する。しかも、直流系機器ユニット2A〜2Hに個別に設けられた制御部24A〜24Hによって、バッテリユニット5の蓄電池の電池状態(二次電池モジュール50の電池状態)に応じて直流系機器ユニット2A〜2Hの動作制御を行うことができるという効果を奏する。
特に、各制御部24A〜24Hは、二次電池モジュール50の電池状態に応じてそれぞれ対応する直流系機器ユニット2A〜2Hの動作モードを通常モード又は低消費モードに切り換えることによって、各直流系機器ユニット2A〜2Hにおける消費電力量を制御するから、直流系機器ユニット2A〜2Hでの電力消費を抑制して、バッテリユニット5による動作時間を長くするような動作制御が可能になるという効果を奏する。
尚、直流系機器ユニットを電池状態情報に基づいてどのように動作させるかは、ユーザの嗜好に合わせて適宜設定してもよい。
ところで、本実施形態では、直流系機器ユニットの動作モードを、通常モードと低消費モードとの間で切り換えるようにしているが、低消費モードとしては、完全に動作を停止させる停止モードと、最低限の動作を行わせる省エネルギーモードとのいずれか一方、又はその両方であってもよい。要は、低消費モードは、直流系機器ユニットでの消費電力量が低くなるようなモードであればよい。
(実施形態2)
ところで、上記実施形態1の配電システムは、専用の通信線Nを用いて、バッテリーユニットと、電力変換ユニットと、直流系機器ユニットとが通信するように構成されているが、本実施形態では、専用の通信線Nを設けずに、バッテリーユニットと、電力変換ユニットと、直流系機器ユニットとが通信するように構成している点に特徴がある。尚、上記実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の配電システムは、図4に示すように、複数(本実施形態では8つ)の直流系機器ユニット6A〜6Hと、複数の直流系機器ユニット6A〜6Hに電力を供給する直流給電路3と、電力変換ユニット4Aとを盤体内に収納してなる電源盤1と、二次電池モジュール50、及び当該二次電池モジュール50の電池状態情報を送信する送信手段となる電力線通信手段52aを有し、直流系機器ユニット6A〜6Hに電力供給を行うバッテリユニット5Aと、電力線通信手段52aが送信する電池状態情報を受信し、当該電池状態情報に基づいて直流系機器ユニット6A〜6Hの動作を個別に制御する制御部60A〜60Hとを備えている。
以下に、電力変換ユニット4A、バッテリユニット5A、及び直流系機器ユニット6A〜6Hについて説明する。
電力変換ユニット4Aは、図4に示すように、AC/DCコンバータ40と、電源路42と、DC/DCコンバータ41と、電流検出回路43と、電圧検出回路44と、制御部45Aとを備えている。
制御部45Aは、例えばマイコン等であって、DC/DCコンバータ41を常時動作させるとともに、電流検出回路43及び電圧検出回路44の検出出力に基づいて、バッテリユニット5Aのスイッチ回路51Aのオン/オフを制御するように構成されている点は、上記実施形態1と同様であるが、電源路42の電圧側配線42a及び直流給電路3の電圧側導電バー30、すなわち直流電源の供給路を伝送路として通信を行うための電力線通信手段(例えば、PLC等の交流信号を利用したもの)45aを備えている点で異なっている。
また、制御部45Aは、電力線通信手段45aの交流信号を電圧側配線42aに重畳させる機能と、電圧側配線42aに重畳された交流信号を取り出す機能とを備える結合器(図示せず)を有しており、これにより電圧側配線42aとの間で交流信号の送受信が行えるようになっている。尚、制御部45Aの動作については、上記実施形態1と同様であるから説明を省略する。また尚、電力線通信手段45aや、結合器は、従来周知のものを採用することができるから、これらについての詳細な説明は省略する。
バッテリユニット5Aは、筐体5aを備え、筐体5a内には、二次電池モジュール50と、上記の充放電路と、二次電池モジュール50の充放電制御用のスイッチ回路51Aと、スイッチ回路51Aのオン/オフを行う電池制御部52Aと、センサ部54とを備えている。
電池制御部52Aは、電源路42の電圧側配線42a及び直流給電路3の電圧側導電バー30、すなわち直流電源の供給路を伝送路として通信を行う電力線通信手段(例えば、PLC等の交流信号を利用したもの)52aを備えている点で、上記実施形態1の電池制御部52と異なっており、電力線通信手段52aを用いて電力変換ユニット4Aの制御部45Aと通信し、制御部45Aが伝送する交流信号の内容に応じてスイッチ回路51Aのオン/オフを制御するように構成されている。
また、電池制御部52Aは、センサ部54より得た情報に基づいて二次電池モジュール50の電池状態情報を生成し、電圧側配線42a及び電圧側導電バー30を介して電力変換ユニット4Aの制御部45A及び直流系機器ユニット6A〜6Hの制御部60A〜60Hに出力するように構成されている。ここで、電池状態情報は、上記実施形態1と同様に、二次電池モジュール50の残量(すなわち二次電池の残量)を示す情報を有している。
スイッチ回路51Aは、上記実施形態1のスイッチ回路51と同様のものであるが、電池制御部52Aの電力線通信手段52aの交流信号を電圧側配線42aに重畳させる機能を備える結合器(図示せず)が設けられている点で異なっている。
直流系機器ユニット6A〜6Hは、上記実施形態1の直流系機器ユニット2A〜2Hと同様に、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、それぞれ直流給電路3に接続するための電源端子部20,21を備えている。
各直流系機器ユニット6A〜6Hは、主として、上記実施形態1の直流系機器ユニット2A〜2Hのように通信線Nを伝送路として電力変換ユニット4及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部24A〜24Hを備える代わりに、電源路42の電圧側配線42a及び直流給電路3の電圧側導電バー30からなる直流電源の供給路を伝送路として電力変換ユニット4A及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部60A〜60Hを備えている点で異なっているため、一例として直流系機器ユニット6Hについてのみ図5を参照して詳細に説明する。
直流系機器ユニット6Hは、照明器具F1〜F3を接続する照明ユニットであり、図5に示すように、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5A、電力変換ユニット4A、及び他の直流系機器ユニットと通信を行う制御部60Hと、直流給電路3から直流電源を受け取る受電部61と、電線を介して接続された照明器具F1〜F3に受電部61で受け取った直流電源を供給するとともに、照明器具F1〜F3に直流電源を供給する電線に交流信号を重畳させることで照明器具F1〜F3と通信し、照明器具F1〜F3の制御(調光制御等)を行う照明制御手段62と、直流給電路3から交流信号を取り出すためのフィルタ手段となるコンデンサCとを備えている。
尚、フィルタ手段は、制御部60Hでの通信に使用する交流信号の周波数帯を透過するように構成されたハイパスフィルタであるようなコンデンサCに限られるものではなく、例えば、前記交流信号の周波数帯を透過するように構成されたバンドパスフィルタであってもよい。
照明制御手段62には、動作モードを切り換えるモード切換手段(図示せず)が設けられており、モード切換手段は、機能制限を行うことで(例えば、点灯させる照明器具F1〜F3の数を減らす間引き運転を行ったり、照明器具F1〜F3の明るさを暗く設定したりすることで)消費電力を小さくする低消費モードと、機能制限等を行わない通常モードとを切り換えるように構成されている。
このような直流系機器ユニット6Hのモード切換手段は、制御部60Hによって切換動作が制御されるように構成されている。制御部60Hは、直流給電路3を介して制御部45Aから停電検出信号を受信した際に、直流系機器ユニット6Hのモード切換手段の制御を開始するように構成されている。
ここで、制御部60Hは、停電検出信号を受信した後は、バッテリユニット5Aから電池状態情報(本実施形態では二次電池モジュール50の残量)を受信し、受信した電池状態情報に基づいて直流系機器ユニット6Hのモード切換手段を制御する(直流系機器ユニット6Hの動作を制御する)ように構成されている。
すなわち、制御部60Hは、電池状態情報の二次電池モジュール50の残量に応じてモード切換手段を制御するようになっており、例えば、二次電池モジュール50の残量が40%以下となった際に、直流系機器ユニット6Hの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるように構成されている。また、制御部60Hは、制御部45Aから停電復旧信号を受信した際には、直流系機器ユニット6Hの動作モードを低消費モードから通常モードに切り換えるように構成されている。
残る直流系機器ユニット6A〜6Gは、それぞれ直流系機器ユニット2A〜2Gと同様の構成を有している(すなわち、直流系機器ユニット6A〜6C,6Gは直流系機器ユニット2A〜2C,2Gと同様の通信ユニットであり、直流系機器ユニット6Dは直流系機器ユニット2Dと同様の防犯ユニットであり、直流系機器ユニット6Eは直流系機器ユニット2Eと同様の防災ユニットであり、直流系機器ユニット6Fは直流系機器ユニット2Fと同様の端子台である)が、制御部24A〜24Gを備える代わりに、制御部60A〜60Gと、直流給電路3から交流信号を取り出すためのフィルタ手段(図示せず)とを備えている点で異なっている。
また、これら制御部60A〜60Gは、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5A、電力変換ユニット4A、及び他の直流系機器ユニットと通信を行う点で制御部24A〜24Gと異なっているが、直流給電路3を介して制御部45Aから停電検出信号を受信した際に、それぞれ対応する直流系機器ユニット6A〜6Gのモード切換手段の制御を開始する点等については制御部24A〜24Gと同様である。
ところで、直流系機器ユニット6A〜6C,6Gは、上記の他に、信号変換部の構成が、直流系機器ユニット2A〜2C,2Gと異なっている。すなわち、直流系機器ユニット6A〜6C,6Gの信号変換部は、ケーブル接続部に接続されているLANケーブル等の通信ケーブル用の信号を、直流給電路3を伝送路として通信を行うための信号に変換する、或いは直流給電路3を伝送路として通信を行うための信号を、通信ケーブル用の信号に変換するように構成されている点で異なっている。
尚、本実施形態の配電システムの動作は、上記実施形態1と略同様であるから説明は省略する。
以上述べた本実施形態の配電システムによれば、上記実施形態1と同様の効果を奏する上に、バッテリユニット5Aと、電力変換ユニット4Aと、直流系機器ユニット6A〜6Hとの通信を、直流電源の供給路である電源路42及び直流給電路3を用いて行うことができるから、上記実施形態1とは異なり専用の通信線N等を用いる必要がなくなって、省配線化を図ることができ、これにより施工作業が容易になるという効果を奏する。
(実施形態3)
本実施形態の配電システムは、図6及び図7に示すように、複数(本実施形態では8つ)の直流系機器ユニット7A〜7Hと、複数の直流系機器ユニット7A〜7Hに電力を供給する直流給電路3と、電力変換ユニット4Aとを盤体内に収納してなる電源盤1と、直流系機器ユニット7A〜7Hに電力供給を行うバッテリユニット5Aと、複数の直流系機器ユニット7A〜7Hとそれぞれ通信するとともに、電力線通信手段52aが送信する電池状態情報に基づいて複数の直流系機器ユニット7A〜7Hの動作をそれぞれ制御するように構成された電源マネージメントユニット8とを備えている。尚、以下の説明において、実施形態1又は2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
まず、直流系機器ユニット7A〜7Hについて説明する。直流系機器ユニット7A〜7Hは、それぞれ上記実施形態2の直流系機器ユニット6A〜6Hと同様の構成を有するものである(すなわち、直流系機器ユニット7A〜7C,7Gは直流系機器ユニット6A〜6C,6Gと同様の通信ユニットであり、直流系機器ユニット7Dは直流系機器ユニット6Dと同様の防犯ユニットであり、直流系機器ユニット7Eは直流系機器ユニット6Eと同様の防災ユニットであり、直流系機器ユニット7Fは直流系機器ユニット6Fと同様の端子台であり、直流系機器ユニット7Hは直流系機器ユニット6Hと同様の照明ユニットである)。
しかしながら、直流系機能ユニット7A〜7Hは、制御部60A〜60Hを備える代わりに直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5A、電力変換ユニット4A、及び他の直流系機器ユニットと通信を行う通信部70A〜70Hを備える点と、各直流系機能ユニット7A〜7Hのモード切換手段が電源マネージメントユニット8により制御されるように構成されている点とで異なっている。
電源マネージメントユニット8は、図7に示すように、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、実施形態1で述べた電源端子部20,21と同様の電源端子部(図示せず)を備えている。
また、電源マネージメントユニット8は、図8に示すように、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5A及び電力変換ユニット4A並びに直流系機器ユニット7A〜7Hと通信を行う制御部80と、直流給電路3から供給される直流電源を元に制御部80用の動作電源(直流電源)を生成するDC/DCコンバータ81と、電源マネージメントユニット8による各直流系機器ユニット7A〜7Hの制御内容(制御プログラム)が記憶されるメモリ部82と、直流給電路3から通信用の交流信号を取り出すためのフィルタ部83とを備えている。
制御部80は、例えばCPU等からなり、メモリ部82に予め記憶された制御プログラムにしたがって直流系機器ユニット7A〜7Hの動作を制御するように構成されている。
メモリ部82には、上述したように制御部80で用いる直流系機器ユニット7A〜7Hの制御プログラムが記憶されており、例えば、本実施形態では、制御部45Aの停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、電池状態情報に関連して各直流系機器ユニット7A〜7Hに対応して設定された優先順位とに基づいて各直流系機器ユニット7A〜7Hの動作を制御するように制御部80を動作させる制御プログラムが記憶されている。
さらに詳しく説明すると、この制御プログラムでは、電池状態情報である二次電池モジュール50の残量を元に電池レベルを判定するようになっており、例えば、残量が0〜40%以下のときは電池レベルが1、40%超〜50%以下のときは電池レベルが2、50%超〜60%以下のときは電池レベルが3、60%超〜70%以下のときは電池レベルが4、70%超〜80%以下のときは電池レベルが5、80%超〜100%のときは電池レベルが6であると判定するようにしている。
また、上記制御プログラムでは、優先順位は、停電時に必要な直流系機器ユニットの順番(すなわち重要度)に基づいて各直流系機器ユニット7A〜7Hに対応して設定されるようになっており、例えば、明かり、防災、通信、防犯、利便性(その他)の順に優先順位が低くなるようになっている。
具体的には、照明ユニットである直流系機器ユニット7Hに対応する優先順位が1に設定され、次いで防災ユニットである直流系機器ユニット7Eに対応する優先順位が2、通信ユニットである直流系機器ユニット7A〜7C,7Gに対応する優先順位が3、防犯ユニットである直流系機器ユニット7Dに対応する優先順位が4、端子台である直流系機器ユニット7Fに対応する優先順位が5に設定されている。
そして、上記の制御プログラムでは、優先順位の値(1〜5)が、電池レベルの値(1〜6)値以上か否かによって、制御部80による直流系機器ユニットの動作モードが決定されるようになっている。すなわち、優先順位の値が電池レベルの値以上の直流系機器ユニットは、消費電力を低減した低消費モードとなるように制御され、優先順位の値が電池レベルの値未満の直流系機器ユニットは、通常モードとなるように制御されるように設定されている。また、上記の制御プログラムでは、制御部45Aから停電復旧信号を受信した際に、各直流系機器ユニット7A〜7Hの動作モードを通常モードに切り換えるように設定されている。
以上により本実施形態の配電システムは構成されており、次にその動作について説明する。尚、初期状態では、バッテリユニット5Aの二次電池モジュール50が充電されておらず、主幹路10cから電力変換ユニット4Aに商用交流電源が供給されている(すなわち停電状態ではない)とする。また尚、スイッチ回路51Aはオフであるとする。さらに、各直流系機器ユニット7A〜7Hは動作モードが通常モードであるとする。
上記初期状態では、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45Aでは、停電等が発生していないと判断される。このとき、制御部45AによってDC/DCコンバータ41が制御されて、DC/DCコンバータ41で直流電源の生成が行われ、DC/DCコンバータ41で生成された直流電源が直流給電路3に供給される。
そして、直流給電路3に供給された直流電源は、各直流系機器ユニット7A〜7H及び電源マネージメントユニット8に供給されて各直流系機器ユニット7A〜7H及び電源マネージメントユニット8が動作し、これにより端末器T1〜T3や、防犯センサS1,S2、照明器具F1〜F3、電源マネージメントユニット8等の動作が開始される。
また、AC/DCコンバータ40から電源路42に直流電源が供給されている場合、電源路42の電圧側線路42aから逆流防止用のダイオードDを介して二次電池モジュール50に直流電源が供給されて、二次電池モジュール50が充電される。
ここで、二次電池モジュール50が充電途中である場合には、電源マネージメントユニット8に、例えば残量が10%以下である等の電池状態情報が伝送されることになるが、制御部80は、停電検出信号を受信したときにのみ直流系機器ユニット7A〜7Hの制御を行うため、二次電池モジュール50の充電時には、直流系機器ユニット7A〜7Hが制御部80により制御されてしまうことがない。
ところで、停電が発生したり、過電流によって主幹ブレーカ10bがトリップ動作したりして、主幹路10cから電力変換ユニット4Aへの商用交流電源の供給が停止された際には、電圧検出回路44の検出電圧が所定の電圧値未満になるとともに、電流検出回路43により電流が検出されなくなる。これにより、制御部45Aは、停電等が発生した非常時であると判断して、電源路42に停電検出信号を出力する。
これに並行して、制御部45Aは、バッテリユニット5Aにスイッチ回路51Aをオンさせる制御信号を出力し、これにより二次電池モジュール50が電源路42に接続されて(充放電路の電圧極用の導電バーが電源路42の電圧側線路42aに接続されて)、二次電池モジュール50から電源路42に直流電源の供給が行われる。そして、DC/DCコンバータ41では、電源路42に供給されたバッテリユニット5Aの直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源の生成が行われ、これによりDC/DCコンバータ41から直流給電路3には、直流電源の供給が継続して行われることになる。
したがって、商用交流電源の供給が得られなくなった場合でも、直流給電路3に直流電源を供給することができ、これにより直流系機器ユニット7A〜7H及び電源マネージメントユニット8への電力供給も継続して行われる。このとき、電源マネージメントユニット8では、制御部80により電池レベルが判定されるが、残量が80%以上であれば、電池レベルが6であると判定されて、優先順位の値が5以下である直流系機器ユニット7A〜7Hの動作制御は行われない。
このような非常状態が継続されれば、バッテリユニット5Aの二次電池モジュール50の残量は減り続けていく。そして、二次電池モジュール50の残量が80%以下となった際には、制御部80によって電池レベルが5であると判定されて、優先順位が5である直流系機器ユニット2Fが通常モードから低消費モードに切り換えられ、これによりバッテリユニット5Aの放電消費電力量の低減が図られる。この状態が継続され、二次電池モジュール50の残量が70%以下となった際には、制御部80によって電池レベルが4であると判定されて、優先順位が4である直流系機器ユニット2Dが通常モードから低消費モードに切り換えられ、これによりバッテリユニット5Aの放電消費電力量のさらなる低減が図られる。
この後に二次電池モジュール50の残量が60%以下となった際には、制御部80によって電池レベルが3であると判定されて、優先順位が3である各直流系機器ユニット2A〜2C,2Gが通常モードから低消費モードに切り換えられる。さらに二次電池モジュール50の残量が50%以下となった際には、制御部80によって電池レベルが2であると判定されて、優先順位が2である直流系機器ユニット2Eが通常モードから低消費モードに切り換えられる。最後に二次電池モジュール50の残量が40%以下となった際には、制御部80によって電池レベルが1であると判定されて、優先順位が1である直流系機器ユニット2Hが通常モードから低消費モードに切り換えられることになる。
このように、本実施形態の配電システムでは、二次電池モジュール50の残量の減少に伴って、直流系機器ユニット2F、直流系機器ユニット2D、直流系機器ユニット2A〜2C,2G、直流系機器ユニット2E、直流系機器ユニット2Hの順、すなわちメモリ部82に記憶されている制御プログラムの優先順位順に、直流系機器ユニットにおける消費電力量を低減する動作制御が行われ、これにより段階的に二次電池モジュール50の放電消費電力量の低減が図られるようになっている。
つまり、本実施形態の配電システムでは、重要度が低い直流系機器ユニットから順に直流系機器ユニットにおける消費電力量を低減させることで、二次電池モジュール50を長持ちさせるようにしている。
ところで、停電等が復旧して電力変換ユニット4Aに商用交流電源が供給された際には、AC/DCコンバータ40から電源路42に、直流電源が供給され、DC/DCコンバータ41では、AC/DCコンバータ40からの直流電源を元にして、直流給電路3に供給する直流電源が生成される。また、AC/DCコンバータ40から電源路42に供給される直流電源によって、バッテリユニット5Aが充電される。
このように商用交流電源の供給が再開された際には、電圧検出回路44の検出電圧が、所定の電圧値以上であり、且つ電流検出回路43により電流が検出されるため、制御部45Aは、停電等が発生していない常時であると判断して停電復旧信号を出力し、これにより直流系機器ユニット7A〜7Hの動作モードが通常モードに切り換えられ、初期状態に復帰することになる。また、制御部45Aは、スイッチ回路51Aをオフさせるための制御信号をバッテリユニット5Aに出力し、これによりバッテリユニット5Aから電源路42への直流電源の供給が停止される。
以上述べた本実施形態の配電システムによれば、商用交流電源が供給される常時には、電力変換ユニット4Aが直流給電路3に供給する直流電源によって直流系機器ユニット7A〜7Hを動作させることができる一方、商用交流電源の供給が停止される停電時等の非常時には、バッテリユニット5Aからの電力供給により直流系機器ユニット7A〜7Hを動作させることができるという効果を奏する。また、バッテリユニット5Aと、電力変換ユニット4Aと、直流系機器ユニット6A〜6Hとの通信を、直流電源の供給路である電源路42及び直流給電路3を用いて行うことができるから、上記実施形態1とは異なり専用の通信線N等を用いる必要がなくなって、省配線化を図ることができ、これにより施工作業が容易になるという効果を奏する。
その上、複数の直流系機器ユニット7A〜7Hとそれぞれ通信するとともに、電池状態情報に基づいて複数の直流系機器ユニット7A〜7Hの動作をそれぞれ制御するように構成された電源マネージメントユニット8によって、バッテリユニット5Aの二次電池モジュール50の電池状態に応じて直流系機器ユニット7A〜7Hの動作制御を行うことができるという効果を奏する。
特に、各直流系機器ユニット7A〜7Hの動作制御が一の電源マネージメントユニット8によって行われるから、上記実施形態1,2のように直流系機器ユニット毎に直流系機器ユニットの動作制御を行う制御手段を設ける場合に比べて、直流系機器ユニット7A〜7Hの制御内容の変更等が行い易くなるという効果を奏する。
また、電源マネージメントユニット8では、電池状態情報と、電池状態情報に関連して各直流系機器ユニット7A〜7Hに対応して設定された優先順位とに基づいて各直流系機器ユニット7A〜7Hの動作を制御するようにしているから、各直流系機器ユニット7A〜7Hに電池状態に適した動作を行わせることができ、上述したように二次電池モジュール50の残量が少ないときには、必要な直流系機器ユニットのみを残して残りの直流系機器ユニットの動作を停止させる等、バッテリユニット5Aによる動作時間を長くするような動作制御が可能となるという効果を奏する。
ところで、本実施形態の配電システムでは、電源マネージメントユニット8は、直流電源を受電可能に直流給電路3に接続された状態で電源盤1の盤体内に収納されており、これにより電源マネージメントユニット8を、電源マネージメントユニット8により制御される直流系機器ユニット7A〜7Hに近接して配置することができ、また、直流給電路3から電源マネージメントユニット8に電力を供給できるから、省配線化を図ることができるという効果を奏する。特に、直流給電路3を伝送路として各直流系機器ユニット7A〜7Hと通信させるようにしているから、さらなる省配線化を図ることができるという効果を奏する。
尚、本実施形態の電源マネージメントユニット8を、上記実施形態1の配電システムに設けるようにしてもよい。この場合、直流系機器ユニット2A〜2Hには、制御部24A〜24Hを設ける代わりに、通信線Nを伝送路として通信を行える通信部(図示せず)を設けるようにするとともに、電源マネージメントユニット8と直流系機器ユニット2A〜2Hとが、専用の通信線Nを用いて通信するように構成すればよい。
ところで、メモリ部82に記憶されている上記の制御プログラムは、制御部45Aの停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、電池状態情報に関連して各直流系機器ユニット7A〜7Hに対応して設定された優先順位とに基づいて各直流系機器ユニットの動作を制御するように制御部80を動作させるものであるが、メモリ部82に記憶させる制御プログラムは、上記のものに限られるものではない。
例えば、メモリ部82に記憶させる制御プログラムとしては、制御部45Aの停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、各直流系機器ユニット7A〜7Hの消費電力量とに基づいて直流系機器ユニット7A〜7Hの動作を制御するように制御部80を動作させるものであってもよい。さらに詳しく説明すると、バッテリユニット5Aの残量が多いときは、全ての直流系機器ユニット7A〜7Hを通常モードとし、残量が少なくなるにつれて、通常モードと低消費モードとの間の消費電力量の差が大きい直流系機器ユニットから動作モードを低消費モードに切り換えるように構成されている。
このようにすれば、消費電力量が多い直流系機器ユニットから、順次、低消費モードに切り換えられるので、バッテリユニット5による動作時間を効率良く長くすることが可能となる。
また、メモリ部82に記憶される制御プログラムとしては、上記の優先順位と、消費電力量とを組み合わせたものとしてもよく、このようにすれば、優先順位を第1の基準として直流系機器ユニットの動作制御を行えるとともに、同じ優先順位を持つ直流系機器ユニット同士では、低消費モードに切り換えることで消費電力量をより低減できる直流系機器ユニットから低消費モードに切り換えるといった動作制御が可能となり、これにより、必要な直流系機器ユニットの動作時間を長くできるとともに、バッテリユニット5の電力を効率良く使用できるという効果を奏する。
尚、メモリ部82に記憶される制御プログラムは、直流給電路3を介して通信可能な機器によって書き換えることができるようにしてもよいし、直流給電路3を介して接続したインターネット上よりダウンロードできるようにしてもよい。
一方、電源マネージメントユニット8のメモリ部82は、交換可能な構成としてもよい。すなわち、メモリ部82としてSDカード等の携帯可能なメモリを用い、電源マネージメントユニット8にメモリ部82用のスロットを設けるようにしてもよく、このようにすれば、メモリ部82を、異なる制御プログラムが記憶されたメモリ部に交換することによって、電源マネージメントユニット8の制御プログラムの内容を非常に容易に変更することができるようになる。
(実施形態4)
本実施形態の配電システムは、図9及び図10に示すように、複数(本実施形態では8つ)の直流系機器ユニット9A〜9Hと、複数の直流系機器ユニット9A〜9Hに電力を供給する直流給電路3と、電力変換ユニット4Aとを盤体内に収納してなる電源盤1と、直流系機器ユニット9A〜9Hに電力供給を行うバッテリユニット5Aと、複数の直流系機器ユニット9A〜9Hとそれぞれ通信するとともに、電力線通信手段52aが送信する電池状態情報に基づいて複数の直流系機器ユニット9A〜9Hの動作をそれぞれ制御するように構成された電源マネージメントユニット8Aとを備えている。尚、以下の説明において、実施形態1又は2又は3と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
直流系機器ユニット9A〜9Hは、それぞれ上記実施形態3の直流系機器ユニット7A〜7Hと同様の構成を有するものである(すなわち、直流系機器ユニット9A〜9C,9Gは直流系機器ユニット7A〜7C,7Gと同様の通信ユニットであり、直流系機器ユニット9Dは直流系機器ユニット7Dと同様の防犯ユニットであり、直流系機器ユニット9Eは直流系機器ユニット7Eと同様の防災ユニットであり、直流系機器ユニット9Fは直流系機器ユニット7Fと同様の端子台であり、直流系機器ユニット9Hは直流系機器ユニット7Hと同様の照明ユニットである)が、図9に示すように、通信部70A〜70Hを備える代わりに通信部90A〜90Hを備えている点で異なっている。
各通信部90A〜90Hは、いずれも直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路として電力変換ユニット4A及び他の直流系機器ユニットと通信を行うように構成されるとともに、それぞれ対応する直流系機器ユニット9A〜9Hにおける消費電力量(直流系機器ユニットと、該直流系機器ユニットに接続されて直流系機器ユニットからの電力供給により動作される端末器との総消費電力量)を検出し、検出した消費電力量のデータを電源マネージメントユニット8Aに出力するように構成されている。尚、消費電力量を検出する方法としては、従来周知のものを採用することができるから、説明を省略する。
電源マネージメントユニット8Aは、図10に示すように、直流給電路3に接続されて直流給電路3から直流電源を供給されるものであって、実施形態1で述べた電源端子部20,21と同様の電源端子部(図示せず)を備えている。
また、電源マネージメントユニット8Aは、図11に示すように、直流給電路3等の直流電源の供給路を伝送路としてバッテリユニット5A及び電力変換ユニット4A並びに直流系機器ユニット9A〜9Hと通信を行う制御部80Aと、直流給電路3から供給される直流電源を元に制御部80A用の動作電源(直流電源)を生成するDC/DCコンバータ81と、電源マネージメントユニット8Aによる各直流系機器ユニット9A〜9Hの制御内容(制御プログラム)が記憶されるメモリ部82と、直流給電路3から交流信号を取り出すためのフィルタ部83と、各直流系機器ユニット9A〜9Hの消費電力量のデータ等の動作状態情報が格納される履歴記憶部84とを備えている。
制御部80Aは、例えばCPU等からなり、メモリ部82に予め記憶された制御プログラムにしたがって直流系機器ユニット9A〜9Hの動作を制御するように構成されている。また、制御部80Aは、各直流系機器ユニット9A〜9Hが出力する消費電力量のデータを、そのデータを受け取った時の時間帯及び電池状態情報とともに、履歴記憶部85に記憶させるように構成されている。尚、履歴記憶部85としては、RAMやHDD等が用いられる。
メモリ部82には、上述したように制御部80Aで用いる直流系機器ユニット9A〜9Hの制御プログラムが記憶されており、例えば、本実施形態では、制御部45Aの停電検出信号を受信した際に、電池状態情報と、各直流系機器ユニットの動作状態情報の履歴とに基づいて各直流系機器ユニットの動作を制御するように制御部80Aを動作させる制御プログラムが記憶されている。
さらに詳しく説明すると、この制御プログラムでは、履歴記憶部85に記憶されている過去の直流系機器ユニット9A〜9Hの消費電力量、及び時間帯、並びに電池状態情報を参照して、各直流系機器ユニット9A〜9Hの動作制御が行う、すなわち各直流系機器ユニット9A〜9Hの過去の動作状態情報の履歴から直流系機器ユニット9A〜9Hの動作を学習し、学習結果に基づいて直流系機器ユニット9A〜9Hの動作を制御するように構成されている。
このような動作状態情報の履歴からは、各直流系機器ユニット9A〜9Hの消費電力量や、各直流系機器ユニット9A〜9Hの時間帯別の使用情報、各直流系機器ユニット9A〜9Hの時間帯毎の消費電力量等を得ることができ、制御プログラムによれば、これらの情報に基づいて、各直流系機器ユニット9A〜9Hの動作制御が行われるようになっている。例えば、停電検出信号を受信した際に、履歴記憶部84に記憶されている動作状態情報から、停電が発生している時間帯における直流系機器ユニット9A〜9Hの消費電力量を取り出し、この消費電力量が所定値以下の直流系機器ユニットの動作モードを通常モードから低消費モードに切り換えるような制御プログラムを用いることができる。
以上述べた本実施形態の配電システムによれば、商用交流電源が供給される常時には、電力変換ユニット4Aが直流給電路3に供給する直流電源によって直流系機器ユニット9A〜9Hを動作させることができる一方、商用交流電源の供給が停止される停電時等の非常時には、バッテリユニット5Aからの電力供給により直流系機器ユニット9A〜9Hを動作させることができるという効果を奏する。
また、バッテリユニット5Aと、電力変換ユニット4Aと、直流系機器ユニット9A〜9Hと、電源マネージメントユニット8Aとの通信を、直流電源の供給路である電源路42及び直流給電路3を用いて行うことができるから、上記実施形態1とは異なり専用の通信線N等を用いる必要がなくなって、省配線化を図ることができ、これにより施工作業が容易になるという効果を奏する。
その上、複数の直流系機器ユニット9A〜9Hとそれぞれ通信するとともに、電池状態情報に基づいて複数の直流系機器ユニット9A〜9Hの動作をそれぞれ制御するように構成された電源マネージメントユニット8Aによって、バッテリユニット5Aの二次電池モジュール50の電池状態に応じて直流系機器ユニット9A〜9Hの動作制御を行うことができるという効果を奏する。
特に、各直流系機器ユニット9A〜9Hの動作制御が一の電源マネージメントユニット8Aによって行われるから、上記実施形態1,2のように直流系機器ユニット毎に直流系機器ユニットの動作制御を行う制御手段を設ける場合に比べて、直流系機器ユニット9A〜9Hの制御内容の変更等が行い易くなるという効果を奏する。
また、電源マネージメントユニット8Aでは、各直流系機器ユニット9A〜9Hの動作状態情報の履歴、例えば、前記履歴より得た各直流系機器ユニットの消費電力量や、各直流系機器ユニットの時間帯別の使用情報、各直流系機器ユニットの時間帯毎の消費電力量等と、電池状態情報とに基づいて各直流系機器ユニットの動作を制御するから、ユーザの嗜好に合わせるようにしてバッテリユニットによる動作時間を長くするような動作制御が可能になるという効果を奏する。
(実施形態5)
ところで、上記実施形態1の配電システムでは、住宅用分電盤を利用することで、図2に示すように、交流供給ブロック10と、直流供給ブロック11とを一の盤体内に収納するようにしているが、本実施形態の配電システムでは、交流供給ブロック10と直流供給ブロック11とを別々の盤体内に設けるようにしている。尚、上記実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、本実施形態の配電システムは、電源盤1の代わりに、図12に示すように、リミッタ10aと、主幹ブレーカ10bと、主幹路10cと、分岐路10dと、分岐ブレーカ10eとが盤体(図示せず)内に収納されてなる住宅用分電盤12の分岐ブレーカ10eに接続される電力変換ユニット4と、直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3とを盤体(図示せず)内に収納してなる電源盤13を用いている。
このようにすれば、住宅に既設の住宅用分電盤12を用いて、配電システムを後付けで設置することが可能となるという効果が得られる。
また、本実施形態の配電システムは、図13に示すように、住宅用分電盤12の分岐ブレーカ10eに接続される電力変換ユニット4と、直流系機器ユニット2A〜2Hと、直流給電路3と、バッテリユニット5とを盤体(図示せず)内に収納してなる電源盤14を用いたものであってもよい。
つまり、バッテリユニット5を電源盤14の盤体内に収納するようにしてもよく、このようにすれば、住宅に既設の住宅用分電盤12を用いて、配電システムを後付けで設置することが可能となるという効果が得られるだけでなく、バッテリユニット5と電源盤14との間の配線の引き回し等が不要になり、取り付け作業が簡単になるという効果が得られる。
尚、本実施形態の構成は、上記実施形態2〜4の配電システムにも応用することができることは勿論である。