JP4839894B2 - 磁気メモリの読み出し回路 - Google Patents

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Description

本発明は磁気メモリの読み出し回路に関する。
MRAM(Magnetic Random Access Memory)は、格子状に配線されたビット線とワード線の交点にTMR(Tunnel Magnetoresistance)素子を配置した構造を有する。通常のTMR素子は、2つの強磁性層間に非磁性層を有する強磁性層/非磁性絶縁層/強磁性層の三層構造からなる。強磁性層は、通常は厚さ10nm以下の遷移金属磁性元素(Fe、Co、Ni)又は遷移金属磁性元素の合金(CoFe、CoFeNi、NiFe等)からなり、非磁性絶縁層は、AlやMgO等からなる。
TMR素子を構成する一方の強磁性層(固定層)は、磁化の向きを固定しており、他方の強磁性層(感磁層又は自由層)は磁化の向きが外部磁界に応じて回転する。なお、固定層の構造としては、反強磁性層(FeMn、IrMn、PtMn、NiMn等)を一方の強磁性層に付与した交換結合型が良く用いられる。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子を構成する2つの強磁性体の磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか、反平行であるかに依存して規定される。これら2つの強磁性体の磁化の向きが反平行の時、磁化の向きが平行の時に比べて、厚み方向の電気抵抗の値が大きい。
したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子の厚み方向に電流を流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子の電圧値を測定することで行う。
「1」、「0」の情報の書き込みは、TMR素子近傍に配置した配線に電流を流すことで形成される磁界の作用によって、TMR素子の感磁層の磁化の向きを回転させることで行うことが、従来、提案されているが、近年、スピン注入による書き込み方法も知られるようになった。
下記特許文献1の磁気メモリの読み出し回路では、ビット線とワード線の交差点上に配置された複数の磁気メモリ・セルを有しており、目標セルの磁気抵抗と参照セルの磁気抵抗とを比較して、結果を出力することが可能となる旨が記載されている。
下記特許文献2の磁気メモリの読み出し回路は、1スイッチ(トランジスタやダイオード)と2つのトンネル接合を利用して差動方式を実現することができ、優れたS/N比を実現することができると記載されている。
下記特許文献3の磁気メモリの読み出し回路では、ワード線に与えられる電位を等電位に保持することで、意図しない経路からの電流の流入を防ぐことができると記載されている。
上述の従来技術においては、磁気抵抗効果素子からの検出値と基準値との大小を比較することによって、情報読み出し時の「0」,「1」を決定している。
特表2002−533863号公報 特開2001−266567号公報 特開2001−325791号公報
しかしながら、磁気抵抗効果素子の特性は、素子毎に若干異なるため、正確な読み出しができない場合がある。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、情報の正確な読み出しが可能な磁気メモリの読み出し回路を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る磁気メモリの読み出し回路は、スピン注入磁化反転が可能な感磁層を有する磁気抵抗効果素子を複数配列してなる磁気メモリの読み出し回路において、磁気抵抗効果素子に第1データを書き込むデータ書き込み手段と、データ書き込み手段による第1データの書き込み時における磁気抵抗効果素子の出力波形が、磁気抵抗効果素子に第1データが既に書き込まれていた場合に出力される第1波形であるか、磁気抵抗効果素子に第1データと異なる第2データが既に書き込まれていた場合に出力される第2波形であるかどうかを判定する判定手段とを備え、データ書き込み手段は、判定手段が、第2波形であると判定した場合には、感磁層においてスピン注入磁化反転を生じさせることで、第2データを磁気抵抗効果素子に書き込むことを特徴とする。
磁気抵抗効果素子の感磁層は、既に書き込まれている磁化の向きを反転させるためのスピンが注入された場合、これを反転させないためのスピンを注入した場合と比較して、大きな電圧変化を両端に生じる。すなわち、スピン注入磁化反転時には、磁化反転のために大きなエネルギーを消費する。
磁気抵抗効果素子の感磁層に予め記憶された値が、書き込みデータ(第1データ=例えば「0」)であった場合には、第1データ書き込み時の出力変化は小さく、第1波形が出力される。第1波形であるという論理を「0」とする。磁気抵抗効果素子の感磁層に予め記憶された値が、書き込みデータと異なる第2データ(例えば「1」)であった場合には、第1データ書き込み時の出力変化は大きく、第2波形が出力される。第2波形であるという論理を「1」とする。
詳説すれば、データ書き込み手段によって、第1データ「0」を書き込んだ場合、感磁層の磁化の向きに応じて、磁気抵抗効果素子からの出力波形が異なる。書き込み時の磁気抵抗効果素子の出力波形が、磁気抵抗効果素子に第1データ「0」が既に書き込まれていた場合には、第1波形が出力されるが、磁気抵抗効果素子に第2データ「1」が既に書き込まれていた場合には、第2波形が出力される。判定手段は、入力された波形が、第1波形(=0)であるか、第2波形(=1)であるかを判定する。書き込み時に磁化反転を伴う場合、大きな電圧変化を有する第2波形(=1)が出力されるので、判定手段は、閾値判定などを用いて、出力波形が第2波形である旨を判定する。
読み出されたデータが第1データ「0」である場合には、感磁層の磁化の向きは書き込み前後で変化しないため、格段の処理を必要としないが、読み出されたデータが第2データ「1」である場合には、感磁層の磁化の向きは書き込み前後において、「1」から「0」に変化しているため、読み出し当初の第2データ(=1)に書き直す。すなわち、記憶されたデータが「1」であるにも拘わらず、データ書き込み手段が「0」を書き込んでしまったので、データ書き込み手段は、感磁層内のデータを元のデータ「1」を書き込み直す。
上述の読み出し回路によれば、磁気抵抗効果素子の特性が素子毎に若干異ったとしても、自己の記憶データの書き換え時の出力波形を基準として判定を行っているので、素子毎のデータ読み出しが正確となる。また、記憶されたデータを書き込みによって破壊しながら読み出すので、この読み出し時の書き込み電流(読み出し電流)を大きくして磁化反転が生じても、読み出されるデータの判定には影響が与ないため、この読み出し電流を大きさの制限を解除することができる。
また、判定手段は、磁気抵抗効果素子及び基準電位に2つの入力端子がそれぞれ接続された比較器を備えていることを特徴とする。すなわち、磁気抵抗効果素子からの出力が基準電位以下の場合には、比較器の出力はLレベルとなり、例えば「0」が出力され、第1波形が出力されたことが判定できる。磁気抵抗効果素子からの出力が基準電位を超えた場合には、比較器の出力はHレベルとなり、例えば「1」が出力され、第2波形が出力されたことが判定できる。
また、データ書き込み手段は、第1データを書き込む場合には、磁気抵抗効果素子に第1の方向に流れる書き込み電流を流し、第2データを書き込む場合には、第1の方向とは逆方向に流れる書き込み電流を流すことを特徴とする。
スピン注入磁化反転を利用したデータの書き込みにおいては、電流を流す向きを異ならせることにより、記憶されるデータの状態を変えることができる。例えば、第1の方向に書き込み電流を流せば、「0」が書き込まれ、逆方向に書き込み電流を流せば「1」が書き込まれる。
また、本発明に係る磁気メモリの読み出し回路は、判定手段の判定結果を、読み出し情報として論理レベルで外部に出力する入出力手段を更に備えることを特徴とする。
すなわち、判定手段の判定結果は、磁気抵抗効果素子に記憶されたデータに対応する。予め「0」が記憶されている場合には、判定結果を第1波形として、第1波形に対応する論理レベルを「L」(=0)とすれば、「0」が読み出されたことになる。予め「1」が記憶されている場合には、判定結果を第2波形として、第2波形に対応する論理レベルを「H」(=1)とすれば、「1」が読み出されたことになる。この論理レベルは、入出力手段によって外部に出力される。
本発明の磁気メモリの読み出し回路によれば、情報の正確な読み出しできる。
以下、実施の形態に係る磁気メモリの読み出し回路について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、読み出し回路を有する磁気メモリのブロック図である。磁気メモリの記憶部は、X列Y行の複数の記憶領域P(X,Y)を配列してなり、各記憶領域P(X,Y)は磁気抵抗効果素子MRを備えている。
1つの磁気抵抗効果素子MRは、スピン注入磁化反転が可能な感磁層を有し、注入された電流の向きと大きさに応じて磁化反転が行われ、抵抗値が変化するものである。
Xデコーダ3からY軸に沿って延びるビット線のそれぞれは、磁気抵抗効果素子MRの一端に接続され、磁気抵抗効果素子MRの他端は、スイッチ用のトランジスタQを介して基準ラインBL’に接続されている。それぞれのトランジスタQのゲートは、Yデコーダ4からX軸に沿って延びるワード線WLに接続されている。
書き込み制御回路(データ書き込み手段)1に、記憶領域P(X,Y)のアドレスと書き込みデータを示す書き込み情報が入力されると、書き込み制御回路1はタイミング制御回路2を駆動し、記憶領域P(X,Y)にデータが書き込まれるよう、以下のようにXデコーダ3及びYデコーダ4を制御する。
ビット線BLの電位を基準ラインBL’の電位よりも高く(=V’とする)した状態で、ワード線WLの電位を特定のレベルとしてスイッチ用のトランジスタQをONさせると、ビット線BLから磁気抵抗効果素子MRに書き込み電流Iが流れ、特定の極性のスピンが感磁層内に注入され、例えば、「0」が書き込まれる。ビット線BLの電位を基準電位よりも低く(=V’とする)した状態で、ワード線WLの電位を特定のレベルとしてスイッチ用のトランジスタQをONさせると、基準ラインBL’から磁気抵抗効果素子MRに書き込み電流Iが流れ、上記とは逆極性のスピンが感磁層内に注入され、例えば「1」が書き込まれる。書き込み時には、基準ラインBL’の電位を例えば任意の一定値Vに設定しておく。
このように、書き込み回路1は、第1データ(=0)を書き込む場合には、磁気抵抗効果素子MRに第1の方向に流れる書き込み電流Iを流し、第2データ(=1)を書き込む場合には、第1の方向とは逆方向に流れる書き込み電流Iを流している。スピン注入磁化反転を利用したデータの書き込みにおいては、電流を流す向きを異ならせることにより、記憶されるデータの状態を変えることができる。本例では、第1の方向に書き込み電流Iを流して「0」を書き込み、逆方向に書き込み電流Iを流して「1」を書き込んでいる。
読み出し制御回路6に、記憶領域P(X,Y)のアドレスを示す読み出し指令が入力されると、読み出し制御回路6はタイミング制御回路2を駆動し、記憶領域P(X,Y)のデータが読み出されるよう、以下のようにXデコーダ3及びYデコーダ4を制御する。
まず、スイッチQ1を接続した状態で、ビット線BLに接続されるデコーダ3の内部抵抗の電位を基準ラインBL’の電位よりも高く(=V’とする)し、ワード線WLの電位を特定のレベルとしてスイッチ用のトランジスタQをONさせると、デコーダ3の内部抵抗を介してビット線BLから磁気抵抗効果素子MRに書き込み電流(=読み出し電流)Iが流れ、特定の極性のスピンが感磁層内に注入され、例えば、「0」が書き込まれる。なお、注入電子は電流と逆方向に流れる。書き込み制御回路1は、磁気抵抗効果素子MRに第1データ(=0)を書き込む。このときのビット線BLの電位V2が、判定回路5に入力され、電位V2が基準電位以下であるか(=L)、基準電位を超えているかどうか(=H)の閾値判定が行われる。
詳説すれば、判定回路5は、閾値判定により、書き込み制御回路1による第1データ(=0)の書き込み時の磁気抵抗効果素子MRの出力波形が、磁気抵抗効果素子MRに第1データ(=0)が既に書き込まれていた場合に出力される第1波形(L=0)であるか、磁気抵抗効果素子MRに第1データ(=0)と異なる第2データ(=1)が既に書き込まれていた場合に出力される第2波形(H=1)であるかどうかを判定する。
磁気抵抗効果素子MRの感磁層は、既に書き込まれている磁化の向きを反転させるためのスピンが注入された場合、これを反転させないためのスピンを注入した場合と比較して、大きな電圧変化を両端に生じる。すなわち、スピン注入磁化反転時には、磁化反転のために大きなエネルギーを消費する。
磁気抵抗効果素子MRの感磁層に予め記憶された値が、書き込みデータ(第1データ=例えば「0」)であった場合には、第1データ書き込み時の出力変化は小さく、第1波形が出力される。第1波形であるという論理をL=「0」とする。磁気抵抗効果素子MRの感磁層に予め記憶された値が、書き込みデータと異なる第2データ(例えば「1」)であった場合には、第1データ書き込み時の出力変化は大きく、第2波形が出力される。第2波形であるという論理をH=「1」とする。
書き込み制御回路1によって、第1データ「0」を書き込んだ場合、感磁層の磁化の向きに応じて、磁気抵抗効果素子MRからの出力波形が異なる。書き込み時の磁気抵抗効果素子MRの出力波形が、磁気抵抗効果素子MRに第1データ「0」が既に書き込まれていた場合には、第1波形が出力されるが、磁気抵抗効果素子に第2データ「1」が既に書き込まれていた場合には、第2波形が出力される。
判定回路5は、入力された波形が、第1波形(=0)であるか、第2波形(=1)であるかを判定している。書き込み時に磁化反転を伴う場合、大きな電圧変化を有する第2波形(=1)が出力されるので、判定回路5は、閾値判定などを用いて、出力波形が第2波形である旨を判定する。
読み出されたデータが第1データ「0」である場合には、感磁層の磁化の向きは書き込み前後で変化しないため、格段の処理を必要としないが、読み出されたデータが第2データ「1」である場合には、感磁層の磁化の向きは書き込み前後において、「1」から「0」に変化しているため、読み出し当初の第2データ(=1)に書き直す。すなわち、記憶されたデータが「1」であるにも拘わらず、データ書き込み手段が「0」を書き込んでしまったので、データ書き込み手段は、感磁層内のデータを元のデータ「1」を書き込み直す。書き込み制御回路1は、判定回路5が、第2波形であると判定した場合には、感磁層においてスピン注入磁化反転を生じさせることで、第2データ「1」を磁気抵抗効果素子MRに書き込む。
この読み出し回路は、判定回路5の判定結果を、読み出し情報として論理レベルで外部に出力する入出力回路(入出力手段)7を備えている。判定回路5の判定結果は、磁気抵抗効果素子MRに記憶されたデータに対応する。予め「0」が記憶されている場合には、判定結果を第1波形として、第1波形に対応する論理レベルを「L」(=0)としているので、「0」が読み出される。予め「1」が記憶されている場合には、判定結果を第2波形として、第2波形に対応する論理レベルを「H」(=1)としているので、「1」が読み出される。
図2は、上述の読み出し回路の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、書き込み制御回路1によって、意図的に磁気抵抗効果素子MRに第1データ(=0)を書き込んで(S1)、この書き込み時の電圧V2を判定回路5で測定する(S2)。次に、電圧V2が、波形が通常波形から変形したかどうか、換言すれば、基準電位Vthよりも大きいかどうかを判定し(S3)、判定結果が「No」である場合、すなわち、予め記憶された値が、書き込みデータ(第1データ=「0」)と一致しており、第1波形を示す場合には、判定回路5の判定結果は第1データ「0」となる。すなわち、記憶されていたデータは「0」であったことになる(S4)。
一方、電圧V2が、波形が通常波形から変形したかどうか、換言すれば、基準電位Vthよりも大きいかどうかを判定し(S3)、判定結果が「Yes」である場合、すなわち、予め記憶された値が、書き込みデータ(第1データ=「0」)と異なっており、第2波形を示す場合には、判定回路5の判定結果は第2データ「1」となる。すなわち、記憶されていたデータは「1」であったことになる(S5)。ここでは、書き込み制御回路1が「0」を書き込んでしまったので、書き込み制御回路1は、元のデータ「1」を、データ読み出し元の磁気抵抗効果素子MR書き込む(S6)。
上述の手法によれば、磁気抵抗効果素子MRの特性が素子毎に若干異ったとしても、自己の記憶データの書き換え時の出力波形を基準として判定を行っているので、素子毎のデータ読み出しが正確となる。また、記憶されたデータを書き込みによって破壊しながら読み出すので、この読み出し時の書き込み電流(読み出し電流)を大きくして磁化反転が生じても、読み出されるデータの判定には影響が与ない。従来、読み出し用電流は書込み時の1/10以下であることが必要と考えられていたが、上述の構成により、読み出し電流を大きさの制限を解除することができる。
このようなデータの書き込みは、スピン注入磁化反転によって行うことができる。
図3は、磁気抵抗効果素子MRを含む記憶素子の縦断面図である。
個々の記憶領域P(X,Y)は、書き込み電流I(=読み出し電流I)の供給用の第1配線W1(ビット線BL)と、共通配線WC(基準ラインBL’)と、磁気抵抗効果素子MRと、磁気抵抗効果素子MRに設けられたスピンフィルタSFとを備えている。
磁気抵抗効果素子MRは、感磁層Fと固定層FXとの間に絶縁層Tを備えたTMR素子である。TMR素子は、記憶された感磁層Fの磁化の向きと固定層FX(PN)の磁化の向きとの相違に応じて、情報の読み出し時に絶縁層Tをトンネルバリア層として通過する電子割合が異なる現象を利用した素子であり、高感度の記憶情報検出を行うことができる。固定層FX(PN)の磁化の向きは、これに交換結合した反強磁性層EXによって固定されている。
スピンフィルタSFは、磁気抵抗効果素子MR上に設けられた非磁性導電層Nと、非磁性導電層Nに接触した強磁性体からなる第1固定層PN1とを有しており、特定の極性のスピンの電子を透過又は反射して、磁気抵抗効果素子MRの感磁層F内にこの極性のスピンの電子を蓄積させる機能を有する。スピンの蓄積量が感磁層Fの磁化反転閾値を超えると、磁化反転が生じる。スピンフィルタSFと第1配線W1との間には第1電極層E1が介在しており、反強磁性層EXと共通配線WCとの間には共通電極層ECが介在している。
第1配線W1は、ビット線BLに接続されており、共通配線WCは、スイッチ用のトランジスタQを介して基準電位に接続されている。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子を構成する強磁性層(固定層)PNと感磁層Fの磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか、反平行であるかに依存して規定される。強磁性層PNと感磁層Fの磁化の向きが反平行の時、磁化の向きが平行の時に比べて、厚み方向の電気抵抗Rの値が大きい。換言すれば、平行時の抵抗Rは閾値R以下であり、反平行時の抵抗Rは閾値Rよりも大きくなる。したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子の厚み方向に読み出し電流を流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子の抵抗値又は電流値を測定することで行う。例えば、低抵抗の平行状態を「0」、高抵抗の反平行状態を「1」とする。なお、上述の例では、抵抗値を電圧によって間接的に測定した。
なお、データ書き込み手段は、第1データを書き込む場合には、磁気抵抗効果素子MRに第1の方向に流れる書き込み電流を流し、第2データを書き込む場合には、第1の方向とは逆方向に流れる書き込み電流を流す。スピン注入磁化反転を利用したデータの書き込みにおいては、電流を流す向きを異ならせることにより、記憶されるデータの状態を変えることができる。例えば、第1の方向に書き込み電流を流せば、「0」が書き込まれ、逆方向に書き込み電流を流せば「1」が書き込まれる。
上述の要素の構成材料は以下の通りである。
感磁層Fの材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPt、CoFeBなどの強磁性材料を用いることができる。感磁層Fは第1配線W1を流れる電流及びその電流周りの磁界にアシストされて、磁化方向を変化させることができ、感磁層Fの面積が小さいほど磁化反転のために必要な電流(電流の閾値)を小さくすることができる。感磁層Fの磁化の向きは例えばY軸方向に平行である。
非磁性絶縁層Tの材料としては、Al、Zn、Mgといった金属の酸化物または窒化物、例えばAlやMgOが好適である。固定層FXの構造としては、反強磁性層を強磁性層に付与した交換結合型を用いることができ、強磁性層PNの磁化の向きは+Y方向に固定されている。強磁性層PNの材料としては上述のものを用いることができる。また、反強磁性層EXの材料としては、IrMn、PtMn、FeMn、NiMn、PtPdMn、RuMn、NiO、またはこれらのうち任意の組み合わせの材料を用いることができる。非磁性導電層Nや電極層E1,ECの材料としては、CuやRuを用いることができる。各種配線材料としては、Cu、AuCu、W、Al等を用いることができる。固定層PN1の材料としては上述の強磁性材料を用いることができ、磁化の向きは−Y方向に固定されている。
図4(a)は、判定回路5の一例を示す回路図、図4(b)は、時間tに対する電圧V2のグラフである。
判定回路5は、磁気抵抗効果素子MR及び基準電位Vthに2つの入力端子がそれぞれ接続された比較器13を備えている。磁気抵抗効果素子MRからの出力V2が基準電位Vth以下の場合には、比較器13の出力はLレベルとなり、例えば「0」が出力され、第1波形(波形A)が出力されたことが判定できる(図4(b)参照)。磁気抵抗効果素子MRからの出力V2が基準電位Vthを超えた場合には、比較器の出力はHレベルとなり、例えば「1」が出力され、第2波形(波形B)が出力されたことが判定できる(図4(b)参照)。
読み出し回路の詳細例について説明する。
図5は、読み出し回路を有する磁気メモリのブロック図である。
1つのビット線BL毎に制御回路8がそれぞれ接続されており、複数の制御回路8から主要回路部が構成されている。制御回路8は、読み出し制御回路6及び書き込み制御回路1を含んでいる。制御ブロック9はレジスタやグルーロジック等を含み、入出力回路7を介して入力された情報に基づいて、アドレス(X,Y)の記憶領域P(X,Y)のデータを読み出す指令や書き込み情報を作成する。
読み出し制御回路6は、上述の判定回路5を有している。書き込み制御回路1は、「0」と「1」の書き込み指令を、アドレス指定に同期し、且つ、判定回路5の出力に応じて出力する切替制御部14と、各ビット線BLに書き込み電流を供給する書き込み電流制御部15とを備えている。書き込み制御回路1に入力される書き込み情報や各種設定情報はレジスタ16に記憶することができる。
図6は、比較器13の出力が入力される切替制御部14と書き込み電流制御部15の回路図である。
書き込み電流制御部15は、抵抗R1,R2,R11,R12,R3及びオペアンプD1,D2を図示の如く接続してなる。また抵抗R11は任意の一定値Vに接続される。通常の書き込み制御においては、「0」、「1」の書き込み指令を受けた場合、アドレス指定に同期して、切替制御部14は、スイッチSWを切り替えて、ビット線BLを流れる書き込み電流Iの方向を制御する。スイッチSWは、一定電位V,Vを有する2端子(S0、S1)に接続されており、これらの端子の電位V,Vは、V>V>Vの関係を満たしている。すなわち、端子S0は高電位V、端子S1は低電位Vを有する。スイッチSWを端子S0に接続した場合、抵抗R1が高電位Vに接続され、抵抗R11が中電位Vに接続され、第1の方向に電流が流れて、磁気抵抗効果素子MRに「0」が書き込まれる。スイッチSWを端子S1に接続した場合、抵抗R11が中電位Vに接続され、抵抗R1が低電位Vに接続され、第1の方向とは逆方向に電流が流れて、磁気抵抗効果素子MRに「1」が書き込まれる。
判定回路5(比較器13)の出力が切替制御部14に入力された場合、判定結果が第2波形を示す場合、すなわち、「H」(=1)の場合には、スイッチSWを端子S1に接続し、第1の方向とは逆方向に電流を流して、該当するアドレスの磁気抵抗効果素子MRに「1」を書き込む。判定結果が第1波形を示す場合、すなわち、「L」(=0)の場合には、スイッチSWを開放状態にして何もしないか、或いは、端子S0に接続して第1の方向に電流が流し、磁気抵抗効果素子MRに「0」を書き込む。なお、この回路は、読み出し時の電流供給回路にも用いることができる。
以上のように、本発明の磁気メモリでは、書き込みと同時に素子の状態を識別する方式であり、別途読出し電流を必要とせず、また、自分自身の出力V2が判定されるため、素子間バラツキが低減される。また、既知データの書き込みと同時に読み込み動作を行っているので、読込みと同時に書込み・リセット等が可能となる。このように、本発明に係る磁気メモリの読み出し回路によれば、磁気抵抗効果素子MRの特性が素子毎に若干異ったとしても、自己の記憶データを基準として判定を行っているので、素子毎のデータ読み出しが正確となる。また、参照セルを必要としないので、回路レイアウトの簡略化が図れ、集積度が向上させることができる。
本発明は磁気メモリの読み出し回路に利用できる。
読み出し回路を有する磁気メモリのブロック図である。 上述の読み出し回路の動作を説明するためのフローチャートである。 磁気抵抗効果素子MRを含む記憶素子の縦断面図である。 判定回路5の一例を示す回路図(a)、時間tに対する電圧V2のグラフ(b)である。 読み出し回路を有する磁気メモリのブロック図である。 比較器13の出力が入力される切替制御部14と書き込み電流制御部15の回路図である。
符号の説明
1・・・書き込み制御回路、2・・・タイミング制御回路、3・・・デコーダ、4・・・デコーダ、5・・・判定回路、6・・・読み出し制御回路、7・・・入出力回路、8・・・制御回路、9・・・制御ブロック、13・・・比較器、14・・・切替制御部、15・・・電流制御部、16・・・レジスタ、BL・・・ビット線、BL・・・基準ライン、E1,EC・・・電極層、EX・・・反強磁性層、F・・・感磁層、FX・・・固定層、MR・・・磁気抵抗効果素子、N・・・非磁性導電層、P・・・記憶領域、PN・・・強磁性層、PN1・・・固定層、Q・・・トランジスタ、Q1・・・スイッチ、R1,R2,R11,R12,R3・・・抵抗、SF・・・スピンフィルタ、SW・・・スイッチ、T・・・絶縁層。

Claims (4)

  1. スピン注入磁化反転が可能な感磁層を有する磁気抵抗効果素子を複数配列してなる磁気メモリの読み出し回路において、
    前記磁気抵抗効果素子に第1データを書き込むデータ書き込み手段と、
    前記データ書き込み手段による第1データの書き込み時における前記磁気抵抗効果素子の出力波形が、前記磁気抵抗効果素子に第1データが既に書き込まれていた場合に出力される第1波形であるか、前記磁気抵抗効果素子に第1データと異なる第2データが既に書き込まれていた場合に出力される第2波形であるかどうかを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記データ書き込み手段は、前記判定手段が、前記第2波形であると判定した場合には、前記感磁層においてスピン注入磁化反転を生じさせることで、第2データを前記磁気抵抗効果素子に書き込むことを特徴とする磁気メモリの読み出し回路。
  2. 前記判定手段は、前記磁気抵抗効果素子及び基準電位に2つの入力端子がそれぞれ接続された比較器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリの読み出し回路。
  3. 前記データ書き込み手段は、
    第1データを書き込む場合には、前記磁気抵抗効果素子に第1の方向に流れる書き込み電流を流し、第2データを書き込む場合には、第1の方向とは逆方向に流れる書き込み電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリの読み出し回路。
  4. 前記判定手段の判定結果を、読み出し情報として論理レベルで外部に出力する入出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリの読み出し回路。

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