JP4839886B2 - ヒートポンプを備えた浴室システム - Google Patents

ヒートポンプを備えた浴室システム Download PDF

Info

Publication number
JP4839886B2
JP4839886B2 JP2006049526A JP2006049526A JP4839886B2 JP 4839886 B2 JP4839886 B2 JP 4839886B2 JP 2006049526 A JP2006049526 A JP 2006049526A JP 2006049526 A JP2006049526 A JP 2006049526A JP 4839886 B2 JP4839886 B2 JP 4839886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat pump
heat
hot water
pipe
bath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006049526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007225242A (ja
Inventor
剛英 長谷川
浩作 城出
博文 田中
敏克 柳生
義雄 時岡
貴信 金城
知明 西川
達朗 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritz Corp
Original Assignee
Noritz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritz Corp filed Critical Noritz Corp
Priority to JP2006049526A priority Critical patent/JP4839886B2/ja
Publication of JP2007225242A publication Critical patent/JP2007225242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4839886B2 publication Critical patent/JP4839886B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、内部に浴室を形成しているユニットバスと湯水を加熱可能なヒートポンプとを組み合わせて構成されたヒートポンプを備えた浴室システムに関する。
従来、浴室システムの一例としては、特許文献1に記載されたものがある。同文献1に記載された浴室システムは、ヒートポンプの一部の構成機器である圧縮機と、浴槽内の湯水を加熱するための熱交換器とが屋内に配されている。その一方、前記ヒートポンプの他の構成機器である蒸発器、ファン、および減圧弁などは、1つの外装ケース内に収容されて屋外に設置される外部ユニットとして構成されている。この浴室システムのヒートポンプにおいては、ファンによって吸入された屋外の空気から熱を吸収し、この熱を利用して浴槽内の湯水が加熱される。前記ヒートポンプの圧縮機や湯水加熱用の熱交換器などの一部の構成機器は屋内に設けられているために、その分だけ外部ユニットのサイズを小さくすることが可能である。
しかしながら、前記従来の浴室システムにおいては、ヒートポンプが屋外の空気から熱回収を行なうように構成されている。このため、冬季などの外気温が低い時期には、ヒートポンプの効率が低下する。また、前記蒸発器などを備えた外部ユニットは、吸気口および排気口が外装ケースの同一面に設けられており、しかもそれらは互いに接近している。このため、ヒートポンプにより熱回収を終えて前記排気口から吐出された低温の空気が、前記吸気口に再び吸い込まれるというショートサイクルの現象を生じ、ヒートポンプの効率がより低下する虞れがある。さらに、ヒートポンプの一部の構成機器については屋内に配置されているものの、ヒートポンプの蒸発器などを有するユニットは、屋外に配置されるものであるために、住宅事情によっては、前記ユニットの設置スペースを確保することに苦慮する場合もある。
なお、従来における浴室システムの他の例としては、特許文献2に記載されたものもあり、同文献2には、浴槽の湯水を加熱するためのヒートポンプの全体を屋内に配置することが記載されている。このような構成によれば、外気よりも温度が高い屋内空気から熱回収がなされることとなり、ヒートポンプの効率を高めることが可能である。しかしながら、同文献2においては、ヒートポンプによって熱回収を終えた低温の空気が屋内に排出される。したがって、たとえば冬季においては、そのようなことを防止する必要があるが、そのためにはヒートポンプから排出される低温の空気を屋外に導くための大掛かりな排気用ダクトを室内に設置してヒートポンプに接続するといったことが要請される。これでは、システム全体が大掛かりとなってそのコストが高く、しかも見栄えも悪いものとなる。また、同文献2においては、ヒートポンプ全体を屋内に配置させてはいるものの、屋内にそのような設置スペースを確保することが困難な場合もある。
従来においては、ヒートポンプの効率を高めるための手段として、特許文献3に記載されたものがある。同文献3に記載された手段においては、浴槽の湯水が供給される熱交換機をヒートポンプに組み込み、このヒートポンプの冷媒を前記熱交換器によって加熱している。ところが、同文献3に記載された手段においては、前記熱交換器と浴槽とは、専用の配管を用いて接続されており、浴槽の湯水の追焚配管経路や落とし込み配管経路はなんら利用されていない。したがって、浴槽に接続される各種の配管の全体構造が複雑化する不具合がある。また、浴槽の湯水をヒートポンプに送るための専用の液送ポンプも必要となり、全体の高コスト化を招く。
実開昭62−17754号公報 特開昭59−12250号公報 特開2003−35454号公報
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、全体構造の大型化や複雑化を適切に抑制し得るとともに、ヒートポンプの効率を合理的に高めることが可能なヒートポンプを備えた浴室システムを提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるヒートポンプを備えた浴室システムは、浴槽が設けられた浴室を内部に形成しているユニットバスと、吸気口および排気口が設けられている外装ケースを有し、かつ前記吸気口から吸入された空気の熱を吸収することによって湯水を加熱可能なヒートポンプと、を具備している、ヒートポンプを備えた浴室システムであって、前記ユニットバスの外側面部には、少なくとも前面部分と下面部分とが開口している凹部が形成されており、前記ヒートポンプは、前記凹部内に配されているとともに、前記吸気口が前記凹部の奥部側または前記ユニットバスの床下側を向いていることにより、前記ユニットバスの床下部分の屋内空気を吸入し、かつ前記排気口が前記凹部の前面側を向いていることにより、熱吸収を終えた空気が屋外に排出されるように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、次に述べるような効果が得られる。
第1に、ヒートポンプは、ユニットバスに形成された凹部に収容されているために、ユニットバスの外部にヒートポンプが配置される場合と比較して、システム全体の小型化が図られ、体裁も良好となる。また、ヒートポンプが屋内に漠然と配置されていた特許文献2に記載の手段と比較しても、ヒートポンプの設置スペースの確保に苦慮するような不具合はなく、やはりその体裁を良くすることができる。
第2に、ヒートポンプは、外気よりも暖かいユニットバス床下部分の屋内空気を吸入して熱吸収を行なうために、その効率が高められる。加えて、熱吸収を終えた空気は、屋外に向けて的確に排出される。したがって、熱吸収後の空気が再吸気されるショートサイクルの現象も適切に防止され、ヒートポンプの効率をさらに高めることができる。
第3に、ユニットバスの床下部分の屋内空気をヒートポンプに吸入させるための手段、および熱吸収後の空気をヒートポンプから屋外に排出させるための手段としては、構造が複雑で大掛かりなダクト類を何ら用いる必要がない。すなわち、本発明においては、前面部分および下面部分が開口した凹部をユニットバスの外側面部に形成し、かつこの凹部内にヒートポンプを配置させた構成によって、ユニットバスの床下部分の空気がヒートポンプを経て屋外に排出される空気流通経路を一連に形成しているために、たとえば熱回収後の空気を屋内から屋外に導くための大掛かりな排気ダクトを用いる必要はないのである。したがって、その構成は簡易かつ合理的であり、システム全体のコストを低減するのに好適である。
第4に、ヒートポンプは家屋の床下空気を屋外に排出させる機能を有することとなる。したがって、このヒートポンプを床下換気扇として役立たせて、家屋の床下などに多くの湿気などが溜まらないようにする効果も得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ヒートポンプの外装ケースの外部または内部に設けられて、前記浴槽から湯水が供給され、かつこの湯水の熱を利用して前記ヒートポンプの吸入空気、または前記ヒートポンプの冷媒を加熱可能とされた加熱用熱交換器を備えている。
このような構成によれば、浴槽内の残湯水の熱を有効に利用してヒートポンプの効率を高めることが可能である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記加熱用熱交換器は、前記浴槽から供給される湯水が流通する水管およびこの水管に設けられた複数のフィンを有しており、かつ前記ヒートポンプとともに前記ユニットバスの凹部内に収容されて前記吸気口の手前に配置されている。
このような構成によれば、前記加熱用熱交換器を通過して加熱された空気がヒートポンプの吸気口に適切に吸入される。前記加熱用熱交換器は、ヒートポンプとは別体に形成されており、ヒートポンプの内部には、前記加熱用熱交換器に相当する熱交換器を組み込む必要はない。したがって、ヒートポンプとしては、従来既存のものをそのまま用いることができる利点がある。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ユニットバスの外部に配される風呂追焚用熱源部、およびこの風呂追焚用熱源部と前記浴槽とを接続する往き管ならびに戻り管を有する風呂追焚循環回路を備えており、前記戻り管には、前記浴槽内からこの戻り管に流出してきた湯水を前記加熱用熱交換器に供給させてからこの戻り管に戻すための迂回配管、および前記戻り管から前記迂回配管への湯水の送り込みとその停止とを切り換えるための方向切換弁が設けられている。
このような構成によれば、方向切換弁の切り換え動作により、前記加熱用熱交換器に対して浴槽内の湯水を供給させる状態と、前記加熱用熱交換器に対する湯水の供給が停止されて浴槽内の湯水を風呂追焚循環回路と浴槽との間で循環させて追焚を行なわせる状態とを適切に選択することができる。前記加熱用熱交換器に湯水を供給するための配管経路は、風呂追焚循環回路を利用して合理的に構成されており、浴槽に接続される複数の配管の全体構造が複雑化することを抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記戻り管のうち、この戻り管と前記迂回配管との連結部分よりも前記風呂追焚用熱源部寄りの箇所には、液送ポンプが設けられており、前記浴槽内の湯水が前記迂回配管を通過して前記風呂追焚循環回路を循環する動作、および前記迂回配管を通過することなく前記風呂追焚循環回路を循環する動作は、ともに前記液送ポンプの運転により行なうことが可能な構成とされている。
このような構成によれば、1つの液送ポンプによって、風呂追焚時の湯水循環動作と、迂回配管を介して加熱用熱交換器に湯水を供給する動作とが可能となり、液送ポンプの数を少なくすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記戻り管、前記往き管、および前記迂回配管のそれぞれの一部分は、前記ユニットバスの内部に組み込まれており、かつそれらの一端は、前記戻り管、前記往き管、および前記迂回配管のそれぞれの他の部分を接続するための管体接続口として形成されている。
このような構成によれば、ユニットバスの内部に組み込まれている各種の配管が外気に晒されないようにし、それらの内部を流通する湯水の放熱による温度低下を抑制することができる。また、前記各種の配管がユニットバスの内部に組み込まれていれば、ユニットバスを設置する際の現場での配管施工はいわゆる外工事のみとなり、その作業が容易化される。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明が適用されたヒートポンプを備えた浴室システムおよびその構成部品の一実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態の浴室システムAは、ユニットバス1、ヒートポンプ2、加熱用熱交換器3、および貯湯タンクユニット4を具備している。
ユニットバス1は、浴槽11を備えた浴室10を内部に形成している略ボックス状であり、浴室10を形成する樹脂製パネル部として、床部12、天井部13、および複数の側壁部14を備えている。このユニットバス1の四隅部分のうち、一つの隅部の外側面部の下部には、切欠き状の凹部15が形成されている。この凹部15は、ヒートポンプ2を収容させるためのものであり、互いに交差して繋がった2つの起立壁部14a,14b、およびこれらに繋がった水平壁部14cによって規定されており、これらの壁部14a〜14cにそれぞれ対向する前面部分15a、一側面部分15b、および下面部分15cは開口している。図2に示すように、ユニットバス1は、外壁部50を有する家屋5内に設置されている。
ヒートポンプ2は、外装ケース20内に、蒸発器、圧縮機、凝縮器としての熱交換器、熱膨張弁(いずれも図示略)、およびファン21が収容されたものであり、このヒートポンプ2自体の構成としては、従来既知のものと同様にすることが可能である。冷媒は、たとえばCO2 である。このヒートポンプ2は、外装ケース20の一側面に設けられた吸気口22aから吸入した空気の熱を吸収し、かつ貯湯タンクユニット4から凝縮器としての熱交換器に向けて供給されてくる湯水を加熱可能である。熱吸収を終えた空気は、排気口22bから排出されるが、この排気口22bは、外装ケース20のうち、吸気口22aが設けられている側面とは反対の側面に設けられている。
図2に示すように、ヒートポンプ2は、ユニットバス1の床下に設けられた基礎51上に載設され、ユニットバス1の凹部15内に配置されている。基礎51は、ユニットバス1を支持する基礎(図示略)とは独立して設けられている。また、ヒートポンプ2は、ユニットバス1に直接接触しないように設置されている。このことにより、ヒートポンプ2の駆動時の振動がユニットバス1に伝達し難くなっている。基礎51は、適当な載置台を用いて構成することができる。ヒートポンプ2は、吸気口22aがユニットバス1の起立壁部14aに対して適当な隙間を介して対面するとともに、排気口22bが凹部15の前方(図2の左側方向)を向く姿勢に設定されている。このことにより、このヒートポンプ2は、ユニットバス1の床下部分59から屋内空気を吸入してから屋外に排気するようになっている。家屋5の外壁部50には、排気用の開口部55が設けられており、この開口部55は、外壁パネル52によって覆われている。この外壁パネル52には、短寸の筒状の排気ガイド52aが設けられている。この排気ガイド52aは、ヒートポンプ2の排気口22bから排出される空気を屋外に導き、その空気がユニットバス1の床下部分59に戻されることを徹底して防止するのに役立つ。
加熱用熱交換器3は、ヒートポンプ2に吸入される空気を加熱するためのものである。この加熱用熱交換器3は、たとえばヒートポンプ2の外装ケース20に適当なブラケットを用いて支持され、このヒートポンプ2の吸気口22aの手前に位置するようにして、ヒートポンプ2とユニットバス1の起立壁部14aとの間に設けられている。もちろん、本実施形態とは異なり、加熱用熱交換器3を外装ケース20内に組み込んだ構成とすることもできる。この加熱用熱交換器3は、たとえば図4に示すように、複数枚のフィン30を備えた水管31を有しており、この水管31内には浴槽11の湯水が供給可能な構成とされている。ただし、この点の詳細な構成については後述する。
図3によく表われているように、貯湯タンクユニット4は、外装ケース40内に、貯湯タンク41、風呂追焚加熱用の熱交換器42、および液送ポンプP1,P2が収容された構成を有している。貯湯タンク41は、ヒートポンプ2によって加熱された湯水を内部に貯留しておくためのものであり、その下部および上部に接続された配管60,61は、ヒートポンプ2の既述した熱交換器(凝縮器)に接続されている。貯湯タンク41内の下部から配管60を介してヒートポンプ2の前記熱交換器に送られて加熱された湯水は、配管61を介してこの貯湯タンク41内の上部に戻されて貯留されるようになっている。
浴槽11には、湯水の吐出口および流入口(図示略)を有する湯水循環用のアダプタ70が設けられており、このアダプタ70と風呂追焚加熱用の熱交換器42とは、往き管71および戻り管72を介して互いに接続されている。液送ポンプP1は、戻り管72に設けられている。このことにより、風呂追焚循環回路7が構成されており、液送ポンプP1が運転されると、浴槽11内の湯水は戻り管72を介して熱交換器42に送られて加熱されてから往き管71を経由して浴槽11内に戻される。熱交換器42は、本発明でいう風呂追焚用熱源部の一例に相当するものであり、この熱交換器42には、液送ポンプP2の運転により貯湯タンク41内の湯水が加熱用の媒体として供給される。
戻り管72には、迂回配管73および方向切換弁74が設けられている。迂回配管73は、浴槽11内の湯水を加熱用熱交換器3に供給させるためのものであり、戻り管72の浴槽11に近い部分と加熱用熱交換器3とを連結している。方向切換弁74は、戻り管72から迂回配管73への湯水の送り込みとその停止とを切り換えるためのものであり、図3の矢印N1に示す湯水流れ方向の場合、浴槽11内の湯水は加熱用熱交換器3を経由しないルートで風呂追焚循環回路7を循環する。これに対し、矢印N2に示す湯水流れ方向の場合、浴槽11内の湯水は、迂回配管73および加熱用熱交換器3を経由するルートで風呂追焚循環回路7を循環する。
往き管71、戻り管72、および迂回配管73のそれぞれの浴槽11に接近している一部分71a〜73aは、浴槽11と側壁部14との隙間などのユニットバス1内に設けられている適当な空間スペースに組み込まれている。方向切換弁74も同様である。また、前記した一部分71a〜73aのそれぞれの一端は、ユニットバス1の外面部に露出した管体接続口71'〜73'として形成されており、この管体接続口71'〜73'に往き管71、戻り管72、および迂回配管73の他の部分を構成する管体が接続されている。本実施形態においては、ヒートポンプ2と貯湯タンク41とを接続する配管60,61の一部分60a,61aについても、ユニットバス1内に組み込まれており、それらの両端はユニットバス1の外面部に露出した管体接続部(符号省略)とされている。家屋5の外壁部50には、管体挿通用の開口部52が設けられており、屋内から屋外への各管体の引き出しはこの開口部52を利用して行なわれている。なお、図面においては省略しているが、貯湯タンクユニット4内には、貯湯タンク41内に貯留されている湯水を適当な温度に調整してから往き管71に供給することによって、浴槽11に湯水の落とし込みを行なうための配管部も設けられている。
次に、前記した浴室システムAの作用について説明する。
ヒートポンプ2は、たとえばタイマー設定によって深夜の電気料金割引時間帯に運転され、貯湯タンク41に焚き上げられた湯水を貯留させる処理を実行する。このヒートポンプ2の運転に際しては、ユニットバス1の床下部分59の屋内空気がヒートポンプ2に吸入されるが、この屋内空気は外気よりも温度が高い場合が多い。したがって、その吸気熱は多くなり、ヒートポンプ2の効率は良好となる。浴室10内が暖かい場合には、その床下部分59の空気も暖かいために、前記効率はより良好となる。
ヒートポンプ2の排気口22bは、家屋5の外壁部50の開口部55に直接対向しており、ヒートポンプ2によって熱吸収を終えた空気は、その開口部55から屋外へスムーズに排出される。したがって、熱吸収を終えた空気が、ヒートポンプ2の吸気口22aに再吸入されるショートサイクル現象は適切に防止される。このことによっても、ヒートポンプ2の効率は良好となる。
このように、この浴室システムAにおいては、ユニットバス1の床下などの屋内空気の吸入動作、および屋外への排気動作が適切に行なわれるが、このような動作は、ユニットバス1の凹部15の前面部分15aおよび下面部分15cが開口して、この凹部15が屋外と床下部分59との双方に連通していること、およびこの凹部15に対してヒートポンプ2の吸気口22aおよび排気口22bが所定の向きとなるように設けられていることによって実現されている。このため、この浴室システムAにおいては、前記した吸排気動作を実現するための手段として、大掛かりなダクト類を屋内などに別途設ける必要はない。外壁パネル52には、排気ガイド52aが設けられているものの、これはヒートポンプ2から屋外への排気の確実性をより高めるための補助手段であり、このような排気ガイド52が設けられていなくても屋外への適正な排気が可能である。このようなことから、この浴室システムAの構成を簡素とし、その製造コストを廉価にすることが可能となる。さらに、ヒートポンプ2がユニットバス1の凹部15内に収容されているために、その分だけ全体の大型化が抑制され、かつ外観体裁も良好となる。ヒートポンプ2の設置スペースを屋外に確保する必要は無くなる。また、ヒートポンプ2が家屋内において大きく嵩張って邪魔になるといった不具合も生じないようにすることができる。
この浴室システムAにおいては、ヒートポンプ2が屋内空気を床下から屋外に排気する床下換気扇として機能することとなり、床下などに湿気が溜まることが好適に防止される効果も得られる。この効果は、ヒートポンプ2が湯水を焚き上げるために運転されている期間中に付随して得られるが、それ以外の期間であっても、ヒートポンプ2のファン21のみを駆動させることによって得ることができる。したがって、いわゆる24時間駆動の床下換気扇として利用することも可能である。
浴槽11内に暖かな湯水が存在する場合、この湯水は液送ポンプP1が運転されることにより、迂回配管73を介して加熱用熱交換器3に供給される。この状態においては、ユニットバス1の床下に存在する空気は加熱用熱交換器3によって加熱されてからヒートポンプ2に吸入される。このことにより、ヒートポンプ2の吸入空気の熱量がさらに多くなり、浴槽11内の残り湯を有効に利用してヒートポンプ2の効率を高めることができる。浴槽11内の湯水温度が低い場合には、そのような効果は期待できないために、たとえば次のような制御が行なわれる。すなわち、加熱用熱交換器3に供給される湯水の温度T1、およびその加熱用熱交換器3を通過した後の湯水の温度T2のそれぞれを温度センサを用いて検出し、温度T1に比較して温度T2が一定温度以上低下していれば,前記湯水の熱が加熱用熱交換器3において有効に利用されているとして、この加熱用熱交換器3への湯水の供給が継続実行される。温度T1,T2が前記した関係に無い場合には、加熱用熱交換器3への湯水の供給を停止し、液送ポンプP1の無駄な運転を防止する。なお、このような無駄を省く制御は、前記した温度T1と、床下部分59の温度(加熱用熱交換器3によって加熱される前の空気の温度)とを比較して行なうことも可能である。
加熱用熱交換器3に浴槽11内の湯水を供給する配管システムは、戻り管72に方向切換弁74を介して迂回配管73を連結することにより構成されており、風呂追焚循環回路7を利用した合理的な構成となっている。また、液送ポンプP1は、通常の風呂追焚を行なう場合の循環ポンプとして利用される他、加熱用熱交換器3に湯水を供給するためのポンプとしても利用されており、液送ポンプの少数化も図られている。したがって、この浴室システムAの配管部の全体構造が煩雑化することが適切に回避され、製造コストの低減化が可能である。さらに、既述したように、この浴室システムAを構成する配管の一部分71a〜73a,60a,61a、および方向切換弁74は、ユニットバス1内に組み込まれているために、これらの内部を湯水が通過する際の放熱が抑制される効果も期待できる。浴室システムAを設置する場合には、前記した配管の一部分71a〜73a,60a,61aのそれぞれの管体接続口71'〜73'などに他の管体を外付け接続することによって、貯湯タンクユニット4やヒートポンプ2を適切に配管接続することも可能であり、設置作業の容易化ならびに迅速化も好適に実現される。
図5および図6は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一符号を付している。
図5に示す実施形態においては、往き管71、戻り管72、および迂回配管73のそれぞれの一部分がユニットバス1内に組み込まれているものの、それらの端部の管体接続口71'〜73'は、いずれもユニットバス1の起立壁部14bの外面部に露出するように設けられている。貯湯タンクユニット4は、家屋5の外壁部50の開口部55を塞がないようにしてその近傍に設置されており、この貯湯タンクユニット4とヒートポンプ2とを接続する配管60,61に加えて、往き管71および戻り管72などは、いずれも開口部55に通されている。本実施形態によれば、前記した複数の配管を1箇所に集約することが可能となり、配管作業がより容易化される。また、家屋5の外壁部50に、配管施工用の開口部を開口部55とは別個に設ける必要も無くなる。
図6に示す実施形態においては、ユニットバス1の凹部15が、ユニットバス1の四隅部分の一角を切り欠いた形状とはされておらず、その左右両側には起立壁部14b,14dが設けられている。ただし、凹部15の手前前面部分および下面部は開口している。本発明においては、凹部15を本実施形態のような形状に形成することが可能であり、さらにはこれ以外の形状に形成することもできる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係るヒートポンプを備えた浴室システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
上述の実施形態における加熱用熱交換器3は、浴槽11の湯水を利用してヒートポンプ2に吸入される空気を加熱しているが、加熱対象はこれに限らない。たとえば、ヒートポンプ2の外装ケース20内に湯水が流通する熱交換器を組み込み、この熱交換器によってヒートポンプ2の冷媒をたとえば圧縮工程の前段において直接加熱させるようにしてもよく、この場合においても浴槽湯水の熱の有効利用が図られる。
ヒートポンプ2の吸気口22aにユニットバス1の床下部分59の空気を吸入させるための手段としては、たとえば吸気口22aが床下部分59に直接対向するように、下向きとされていてもかまわない。また、本発明においては、ヒートポンプ2の排気口22bが、ユニットバス1に形成された凹部15の前面側を向いていることを要件としているが、その向きが多少斜めにずれている場合であっても、本発明の技術的範囲に包摂される。全体の小型化および見栄えの最適化を図る上では、ヒートポンプ2の全体がユニットバス1の凹部15内に配されていることが好ましいものの、本発明はやはりこれに限定されず、たとえばヒートポンプ2の外装ケース20の一部分が凹部15からはみ出していてもかまわない。
ユニットバスは、浴槽が設けられた浴室を内部に形成し、かつその外側面部にヒートポンプを収容するための所定の凹部が形成された構成を有していればよく、それ以外のたとえば内装仕様などの具体的な構成は限定されない。ヒートポンプとしては、既述したとおり、従来既存のものを用いることが可能であるが、その機能としては、要は、吸入空気の熱を吸収して湯水を加熱可能な機能を備えていればよく、ヒートポンプを構成する各種の機器の具体的な構造などは限定されない。本発明に係る浴室システムは、たとえばマンションなどの集合住宅にも適用することができる。
本発明が適用された浴室システムの一実施形態を示す概略分解斜視図である。 図1に示す実施形態の浴室システムの要部側面断面図である。 図1に示す実施形態の浴室システムを模式的に示す平面断面図である。 図1に示す浴室システムにおいて用いられている加熱用熱交換器の概略斜視図である。 本発明が適用された浴室システムの他の実施形態を示す要部概略平面断面図である。 本発明が適用された浴室システムのユニットバスの他の例を示す概略斜視図である。
符号の説明
A 浴室システム
P1 液送ポンプ
1 ユニットバス
2 ヒートポンプ
3 加熱用熱交換器
7 風呂追焚循環回路
10 浴室
11 浴槽
15 凹部
15a 前面部分(凹部の)
15c 下面部分(凹部の)
20 外装ケース(ヒートポンプの)
22a 吸気口(ヒートポンプの)
22b 排気口(ヒートポンプの)
42 熱交換器(風呂追焚用熱源部)
59 床下部分
71 往き管
72 戻り管
73 迂回配管
74 方向切換弁

Claims (6)

  1. 浴槽が設けられた浴室を内部に形成しているユニットバスと、
    吸気口および排気口が設けられている外装ケースを有し、かつ前記吸気口から吸入された空気の熱を吸収することによって湯水を加熱可能なヒートポンプと、
    を具備している、ヒートポンプを備えた浴室システムであって、
    前記ユニットバスの外側面部には、少なくとも前面部分と下面部分とが開口している凹部が形成されており、
    前記ヒートポンプは、前記凹部内に配されているとともに、前記吸気口が前記凹部の奥部側または前記ユニットバスの床下側を向いていることにより、前記ユニットバスの床下部分の屋内空気を吸入し、かつ前記排気口が前記凹部の前面側を向いていることにより、熱吸収を終えた空気が屋外に排出されるように構成されていることを特徴とする、ヒートポンプを備えた浴室システム。
  2. 前記ヒートポンプの外装ケースの外部または内部に設けられて、前記浴槽から湯水が供給され、かつこの湯水の熱を利用して前記ヒートポンプの吸入空気、または前記ヒートポンプの冷媒を加熱可能とされた加熱用熱交換器を備えている、請求項1に記載のヒートポンプを備えた浴室システム。
  3. 前記加熱用熱交換器は、前記浴槽から供給される湯水が流通する水管およびこの水管に設けられた複数のフィンを有しており、かつ前記ヒートポンプとともに前記ユニットバスの凹部内に収容されて前記吸気口の手前に配置されている、請求項2に記載のヒートポンプを備えた浴室システム。
  4. 前記ユニットバスの外部に配される風呂追焚用熱源部、およびこの風呂追焚用熱源部と前記浴槽とを接続する往き管ならびに戻り管を有する風呂追焚循環回路を備えており、
    前記戻り管には、前記浴槽内からこの戻り管に流出してきた湯水を前記加熱用熱交換器に供給させてからこの戻り管に戻すための迂回配管、および前記戻り管から前記迂回配管への湯水の送り込みとその停止とを切り換えるための方向切換弁が設けられている、請求項2または3に記載のヒートポンプを備えた浴室システム。
  5. 前記戻り管のうち、この戻り管と前記迂回配管との連結部分よりも前記風呂追焚用熱源部寄りの箇所には、液送ポンプが設けられており、
    前記浴槽内の湯水が前記迂回配管を通過して前記風呂追焚循環回路を循環する動作、および前記迂回配管を通過することなく前記風呂追焚循環回路を循環する動作は、ともに前記液送ポンプの運転により行なうことが可能な構成とされている、請求項4に記載のヒートポンプを備えた浴室システム。
  6. 前記戻り管、前記往き管、および前記迂回配管のそれぞれの一部分は、前記ユニットバスの内部に組み込まれており、かつそれらの一端は、前記戻り管、前記往き管、および前記迂回配管のそれぞれの他の部分を接続するための管体接続口として形成されている、請求項4または5に記載のヒートポンプを備えた浴室システム。
JP2006049526A 2006-02-27 2006-02-27 ヒートポンプを備えた浴室システム Expired - Fee Related JP4839886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006049526A JP4839886B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 ヒートポンプを備えた浴室システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006049526A JP4839886B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 ヒートポンプを備えた浴室システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007225242A JP2007225242A (ja) 2007-09-06
JP4839886B2 true JP4839886B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=38547219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006049526A Expired - Fee Related JP4839886B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 ヒートポンプを備えた浴室システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4839886B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5862470A (ja) * 1981-10-08 1983-04-13 日立化成工業株式会社 ヒ−トポンプ装置
JPS5868299A (ja) * 1981-10-16 1983-04-23 Toshiba Corp アドレス異常検出回路
JPS5912250A (ja) * 1982-07-14 1984-01-21 Misawa Homes Co Ltd 熱利用装置
JPS5912929A (ja) * 1982-07-14 1984-01-23 Unitika Ltd 耐熱性及びゴムとの接着性の優れたポリエステルの製造法
JPS61124838A (ja) * 1984-11-22 1986-06-12 Toshiba Corp 宇宙構造物振動試験用被試験体支持装置
JPS6217754A (ja) * 1985-07-16 1987-01-26 Fuji Photo Film Co Ltd 電子写真用トナー
JP2542368B2 (ja) * 1986-03-20 1996-10-09 株式会社竹中工務店 浴槽ユニットおよび浴室ユニット付きヒ−トポンプシステム
JP3663828B2 (ja) * 1997-05-21 2005-06-22 松下電器産業株式会社 ヒートポンプ式風呂給湯システム
JP3855695B2 (ja) * 2001-07-23 2006-12-13 松下電器産業株式会社 ヒートポンプ給湯機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007225242A (ja) 2007-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110259573A1 (en) Cooling system
JP2006234378A (ja) 夜冷熱獲得装置を有する熱回収システム
CN211290648U (zh) 泵送相变制冷系统
JP5845442B2 (ja) ヒートポンプ温水暖房装置
JP2011086095A (ja) 冷却システム及び冷却制御装置
JP2007271212A (ja) ヒートポンプ給湯機の室外ユニット
JP4839886B2 (ja) ヒートポンプを備えた浴室システム
JP2007205677A (ja) 室外機の補助冷却装置
JP4665932B2 (ja) 空気調和機の室内機
KR100846000B1 (ko) 모듈화된 일체형 냉난방시스템
JP4413838B2 (ja) 給湯システム
JP5845441B2 (ja) ヒートポンプ温水暖房装置
JP2008232482A (ja) 換気空調装置
JP2013092330A (ja) 空気熱交換システム及び使用する空気熱交換器
JP2012117755A (ja) 空気調和機
JP5786135B2 (ja) ヒートポンプ温水暖房装置
JP3945301B2 (ja) 空気調和システム
JP3197279U (ja) 冷却装置および冷却システム
JP7227516B2 (ja) 換気装置
CN211290647U (zh) 制冷剂增压系统
JP2003074909A (ja) エアコンの室外機
JP5947186B2 (ja) 暖房システムおよび暖房方法
JP5330759B2 (ja) 蒸発式空調装置
JP3853928B2 (ja) セントラル換気暖房装置
JP2004125357A (ja) 水冷式熱交換器と空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4839886

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees