JP4838948B2 - ポリエチレン系多層熱収縮性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン系樹脂からなる多層構成の熱収縮性フィルムに関するものである。具体的には、両表面層と芯層を構成する直鎖状ポリエチレン系樹脂の組成を特定した、延伸加工性が良好で、しかも、耐熱性と低収縮応力性に優れたポリエチレン系多層熱収縮性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂を延伸加工してなる多層熱収縮性フィルムは、熱収縮包装用として広く一般に使用されている。そして、該フィルムは、ポリプロピレン系樹脂等を延伸加工して得られた熱収縮性フィルムと比較し、熱収縮応力が弱いことが知られている。
尚、熱収縮応力の弱い熱収縮性フィルムは、熱収縮包装する際、被包装物に強い外力を加えないので、熱収縮包装時に湾曲や変形を生じ易い商品、例えば、ノートやカード等の熱収縮包装に好適に使用されている。
【0003】
又、ポリエチレン系熱収縮性フィルムは、耐熱性に劣るので、表面層に融点の高いポリエチレン系樹脂を、芯層に融点の低いポリエチレン系樹脂を用いた多層構成のポリエチレン系熱収縮性フィルムが知られている。
尚、耐熱性に優れたポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、熱収縮トンネル内等で熱収縮させる際に溶融したり白化したりし難いので、十分な熱収縮を施すことができ、良好な熱収縮包装体を得ることができる。
【0004】
しかし、ポリエチレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂と比較して延伸加工適性に劣るので、熱収縮性フィルムを得ることが困難であった。具体的には、延伸適性温度範囲が狭く、長時間安定して延伸加工を施すことが困難であった。上記した表面層に融点の高いポリエチレン系樹脂を、芯層に融点の低いポリエチレン系樹脂を用いた多層構成の熱収縮性フィルムにおいても、延伸加工性は良好なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱収縮性を付与させるための延伸加工性が良好で、しかも、耐熱性と低収縮応力性に優れたポリエチレン系多層熱収縮性フィルムを提供しようとするものである。更に具体的には、延伸適性温度範囲を広くして長時間安定した延伸加工ができ、又、熱収縮トンネル内等の熱風に曝しても溶融したり白化したりし難く、しかも、熱収縮包装時に被包装物に外力が加わらない、耐熱性と低収縮応力性を有するポリエチレン系多層熱収縮性フィルムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を講じた。即ち、表面層(F1,F2)が、密度(DA)0.910乃至0.930g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、密度(DC)0.925乃至0.945g/cm3の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)からなり、芯層(M1)が密度(DA)0.910乃至0.930g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と密度(DB)0.88乃至0.915g/cm3の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)からなり、しかも、下記条件を満足させる。
(a)DAM1−DBM1≧0.010、しかも、DCF1−DAF1≧0.010、しかも、DCF2−DAF2≧0.010、しかも、(b)0.01≦{(DCF1−DAF1)×LF1×WCF1}+{(DCF2−DAF2)×LF2×WCF2}≦0.20、しかも0.40<(DAM1−DBM1)×LM1×WBM1≦1.6、さらに(c)D AM1 =D AF1 =D AF2
但し、
DA:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DB:直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(g/cm3)
DC:直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
DAM1:M1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DBM1:M1層の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(g/cm3)
DAF1:F1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DAF2:F2層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DCF1:F1層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
DCF2:F2層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
LM1:M1層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
LF1:F1層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
LF2:F2層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
WBM1:M1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)との合計重量に対する直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合(wt%)
WCF1:F1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)との合計重量に対する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(wt%)
WCF2:F2層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)との合計重量に対する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(wt%)
【0007】
【発明の実施態様】
まず、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムに用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、αオレフィンが炭素数4乃至8のエチレン−αオレフィン共重合体である。そして、該樹脂(A)の密度(DA)は、0.910乃至0.930g/cm3の範囲内であることが必要である。
そして、該直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)のメルトインデックスとては、熱収縮性を付与させるための延伸加工性の面から0.5乃至5.0g/10minの範囲内のものが好ましい。
尚、該直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)には、従来のチグラーナッタ触媒を用いて重合された樹脂は勿論、シングルサイト系触媒を用いて重合された樹脂も含まれる。
【0008】
次に、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムに用いられる直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)は、上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と混合させる樹脂であり、αオレフィンが炭素数4乃至8のエチレン−αオレフィン共重合体である。そして、該樹脂(B)の密度(DB)は、0.880乃至0.915g/cm3の範囲内であることが必要である。
そして、該直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)のメルトインデックスは、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)との相溶性や熱収縮性を付与させるための延伸加工性等を考慮して、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)のメルトインデックス値と近似し、0.5乃至5.0g/10minの範囲内のものが好ましい。
尚、該直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)には、従来のチグラーナッタ触媒を用いて重合された樹脂は勿論、シングルサイト系触媒を用いて重合された樹脂も含まれる。
【0009】
そして、該直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(DB)は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DA)よりも、0.010以上小さくする必要がある。
即ち.芯層(M1)の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(DBM1)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DAM1)は、次式を満足させることが必要である。
DAM1−DBM1≧0.010
芯層(M1)の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(DBM1)を、芯層(M1)の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DAM1)よりも0.010以上小さくさせないと、延伸加工性を改良させることができない。
【0010】
更に、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムに用いられる直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)は、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と混合させる樹脂であり、αオレフィンが炭素数4乃至8のエチレン−αオレフィン共重合体である。そして、該樹脂(C)の密度(DC)は、0.925乃至0.945g/cm3の範囲内であることが必要である。
そして、該直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)のメルトインデックスは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)との相溶性や延伸加工性等を考慮して、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)のメルトインデックス値と近似し、0.5乃至5.0g/10minの範囲内のものが好ましい。
尚、該直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)には、従来のチグラーナッタ触媒を用いて重合された樹脂は勿論、シングルサイト系触媒を用いて重合された樹脂も含まれる。
【0011】
そして、該直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(DC)は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DA)よりも、0.010以上大きくする必要がある。
即ち、表面層(F1,F2)の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(DCF1,DCF2)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DAF1,DAF2)は、次式を満足させることが必要である。
F1層において、DCF1−DAF1≧0.010
F2層において、DCF2−DAF2≧0.010
各表面層(F1、F2)の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(DCF1、DCF2)を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(DAF1、DAF2)よりも0.010以上大きくさせないと、延伸加工性を改良させることができないばかりか、耐熱性を改良させることができない。
【0012】
更に、各表面層の樹脂組成、及び、厚み構成は、各表面層(F1,F2)の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度差(DCF1−DAF1、DCF2−DAF2)にそれぞれ各表面層(F1、F2)の厚み割合(LF1,LF2)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(WCF1,WCF2)を掛けた値の和が0.01以上で、しかも、0.20以下になるようにする必要がある。好ましくは、0.01以上で、しかも、0.10以下になるようにする。
即ち、次式を満足させることが必要である。
0.01≦{(DCF1−DAF1)×LF1×WCF1}+{(DCF2−DAF2)×LF2×WCF2}≦0.20
尚、各表面層(F1、F2)での直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(WCF1、WCF2)は、各表面層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)との合計重量に対する重量割合(wt%)を示す。
【0013】
各表面層の樹脂組成、及び、厚み構成において、各表面層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度差に、それぞれ各表面層の厚み割合と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合を掛けた値の和が0.01未満であると、耐熱性に優れたポリエチレン系多層熱収縮性フィルムが得られない。又、高温側の延伸適性温度範囲が広くならず、安定して延伸加工することができない。
【0014】
又、各表面層の樹脂組成、及び、厚み構成において、各表面層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度差に、それぞれ各表面層の厚み割合と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合を掛けた値の和が0.20を越えると、収縮応力が強くなり、収縮応力の弱いポリエチレン系多層熱収縮性フィルムが得られない。又、延伸加工時に延伸斑が生じ易くなる。
【0015】
しかも、芯層の樹脂組成、及び、厚み構成は、芯層(M1)の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度差(DAM1−DBM1)に芯層(M1)の厚み割合(LM1)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合(WBM1)を掛けた値が、0.4を越え、しかも、1.6以下になるようにする必要がある。
即ち次式を満足させることが必要である。
0.40<(DAM1−DBM1)×LM1×WBM1≦1.6
尚、芯層(M1)での直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合(WBM1)は、芯層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)との合計量に対する割合を示す。
【0016】
芯層の樹脂組成、及び、厚み構成において、芯層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度差に、芯層の厚み割合と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合を掛けた値が0.4以下であると、収縮応力が強くなり、収縮応力の弱いポリエチレン系多層熱収縮性フィルムが得られない。
【0017】
又、芯層の樹脂組成、及び、厚み構成において、芯層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度差に、芯層の厚み割合と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合を掛けた値が1.6を越えると、ポリエチレン系多層熱収縮性フィルムの耐熱性が劣ってしまう。
【0018】
本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、各層に使用される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の種類が同一である。又、両表面層に用いられる直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)も、同一であっても、相違していてもかまわない。更に、各表面層、及び、芯層に用いる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、本発明の主旨に基づいて、例えば、各密度と混合割合を考慮して、2種以上使用することも可能である。
【0019】
又、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、用途によって酸化防止剤、静電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色剤、充填剤等を適宜添加することは可能である。又、延伸加工前、或は、延伸加工後に架橋反応を起こさせるために、架橋剤や架橋助剤等を加えることも可能である。更に、本発明の主旨を逸脱させない範囲で、他の樹脂を混合させることも可能である。例えば、高圧法低密度ポリエチレン樹脂を20重量%以下混合させることも可能である。
【0020】
更に、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、両表面層と芯層とからなる3層構成に関するものであるが、本発明の主旨を逸脱させない範囲で、他の層を設けることもできる。例えば、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムを製膜する際に生じる不適格品等の再生原料からなる中間層を設けることも可能である。
【0021】
本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムの製膜方法としては、特に限定されるものではないが、押出成形されたシートを、テンター方式やインフレーション方式による二軸延伸加工が好ましい。特に、インフレーション方式によって二軸延伸加工されるのが好ましい。
尚、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、二軸延伸加工された二軸収縮フィルムばかりでなく、一軸延伸加工された一軸収縮フィルムをも意味する。
【0022】
本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムの用途としては、熱収縮包装時の収縮応力により湾曲したり変形したする商品、例えば、ノートやカード等の熱収縮包装に好適である。
【0023】
【作用】
表面層の直鎖状低密度樹脂(A)に特定の密度を有する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)を特定量混合させて高温での延伸加工性を向上させると共に、芯層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)に特定の密度を有する直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)を特定量混合させて低温での延伸加工性を向上させ、延伸加工適性温度範囲を広くしている。
そして、表面層に特定の密度を有する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)が特定量混合されているので耐熱性が向上し、熱収縮包装時の熱収縮トンネル内でフィルムを溶融させたり白化させたりすることなく、十分熱収縮させることができ、緊縛性に優れた熱収縮包装体を得ることができる。
又、芯層に特定の密度を有する直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)が特定量混合されているので熱収縮応力が弱くなり、熱収縮包装時に収縮応力が加わらず、被包装体が変形しない熱収縮包装体を得ることができる。
【0024】
以下、実施例、及び、比較例を示し、本発明の内容をより具体的に説明する。
尚、評価方法については、次のような方法によって行った。
(延伸加工性)
チューブ状の多層未延伸原反をインフレーション方式により二軸延伸させる際、延伸温度を変化させて延伸加工を試みた。
そして、延伸温度を変化されても延伸加工が可能で、しかも、広い温度範囲において長時間安定して延伸加工が行えるものを(A)、延伸温度を変化させても延伸加工は可能であるが、狭い最適温度範囲でないと長時間安定して延伸加工が行えないものを(B)、狭い最適温度範囲でも長時間安定して延伸加工が行えないものを(C)と評価した。
【0025】
(耐熱性)
熱収縮トンネル内で熱収縮させる際、良好なる熱収縮包装体が得られる条件(温度と時間)で、包装体に溶融白化を生じさせないものを(A)、包装体は溶融白化するが、穴は開かないものを(B)、包装体に溶融白化が生じ、しかも、穴があくものを(C)と評価した。
(低収縮応力性)
ノート3冊を熱収縮包装させた際、湾曲を生じさせることなく、しかも、皺の無い包装体が得られるものを(A)、包装体に皺を生じさせないように熱収縮させると、若干湾曲を生じるものを(B)、包装体に皺を生じさせないように熱収縮させると、大きく湾曲してしまうものを(C)と評価した。
【0026】
〔実施例1乃至4、及び、比較例1乃至4〕
表面層に密度が0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と密度が0.930g/cm3、又は、0.935g/cm3の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)を混合させた各種樹脂組成物を、芯層に密度が0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と密度が0.890g/cm3、又は、0.900g/cm3直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)を混合させた各種樹脂組成物を用い、厚み構成が10/80/10、又は20/60/20の各種チューブ状多層未延伸原反を共押出した。
表1に、各層の樹脂組成と厚み構成を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
共押出された各種チューブ状多層未延伸原反を急冷した後、インフレーション方式により縦方向、横方向共に5.0倍の二軸延伸加工を行った。その際の、延伸加工性を表2に示す。
又、得られたポリエチレン系多層熱収縮性フィルムの耐熱性と低収縮応力性を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
表2より明らかな如く、本発明の条件を備えた実施例1乃至4のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、延伸加工性が良好であることは勿論、耐熱性と低収縮応力性に優れており、ノートの熱収縮包装に適していた。
これに対し、本発明の条件を備えていない比較例1乃至4のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、延伸加工、耐熱性、そして、低収縮応力性を同時に備えていなかった。
【0031】
【効果】
本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、延伸加工性が良好で、長時間安定して連続運転することができるので生産性に優れ、不適格品の発生が少なく経済的である。しかも、延伸適性温度範囲が広いので延伸条件の設定が容易で、熟練した作業者でなくても容易に延伸加工することができる。
又、本発明のポリエチレン系多層熱収縮性フィルムは、耐熱性と低収縮応力性に優れているので、熱収縮包装時に商品を変形さることなく、しかも、未収縮部を残すことなく緊迫性に優れた熱収縮包装体を得ることができる。特に、ノートやカード等の熱収縮包装に使用した際に、本発明の優れた効果を発揮し、良好な熱収縮包装体を得ることができる。
Claims (1)
- 表面層(F1,F2)が、密度(DA)0.910乃至0.930g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と、密度(DC)0.925乃至0.945g/cm3の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)からなり、芯層(M1)が密度(DA)0.910乃至0.930g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と密度(DB)0.88乃至0.915g/cm3の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)からなり、しかも、下記条件を満足することを特徴とするポリエチレン系多層熱収縮性フィルム。
(a)DAM1−DBM1≧0.010、しかも、DCF1−DAF1≧0.010、しかも、DCF2−DAF2≧0.010、しかも、(b)0.01≦{(DCF1−DAF1)×LF1×WCF1}+{(DCF2−DAF2)×LF2×WCF2}≦0.20、しかも0.40<(DAM1−DBM1)×LM1×WBM1≦1.6、さらに(c)D AM1 =D AF1 =D AF2
但し、
DA:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DB:直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(g/cm3)
DC:直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
DAM1:M1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DBM1:M1層の直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(g/cm3)
DAF1:F1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DAF2:F2層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(g/cm3)
DCF1:F1層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
DCF2:F2層の直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の密度(g/cm3)
LM1:M1層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
LF1:F1層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
LF2:F2層の全層厚みに対する厚み割合(全層厚み「1」に対する割合)
WBM1:M1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)との合計重量に対する直鎖状極低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量割合(wt%)
WCF1:F1層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)との合計重量に対する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(wt%)
WCF2:F2層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)と直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)との合計重量に対する直鎖状高密度ポリエチレン樹脂(C)の重量割合(wt%)
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