JP4838675B2 - 電着塗料切替方法 - Google Patents

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Description

本発明は、早急な塗料切り替えが可能となる電着塗料切替方法に関する。
電着塗料は、塗装作業性が優れ防錆性が良好なことから、自動車ボディや部品などの金属製品の下塗り塗料として広く使用されているものの、電着塗料の循環や攪拌にかかるエネルギー代や設備、冷却装置にかかるエネルギー代、設備の設置や維持などには莫大なコストがかかる。このため、塗装設備の省エネルギー化を目的として、例えば塗料攪拌のために4基あるポンプをうち2基を止めたり、塗料の循環ポンプを短時間(1〜10分間)停止することを行ってきた。
しかし、電着塗料の顔料沈降を防止するために、休日や夜間に完全には塗料の攪拌や循環を停止することができず、電着塗料の循環や攪拌を行なっている。
そこで電着塗料の攪拌や循環を長時間停止でき、次にライン稼動前に、電着塗料を10分間以上、好ましくは30分間〜12時間の攪拌や循環することにより、停止以前と同様の仕上り性や防食性に優れる電着塗料(以下、「再分散性に優れる塗料」と称することがある)や塗装方法が求められていた。
従来、塗装設備の省エネルギー化や省設備化にも対応できる電着塗料として、カチオン電着塗料中の固形分濃度が5〜12重量%で、かつ電着塗料中に含まれる顔料成分が3〜10重量%、さらに比重が3以上の顔料の割合が3重量%以下としたカチオン電着塗料を用いた電着塗装方法が開示されている(特許文献1)。しかし、通常稼動している電着塗料浴に、上記特性の電着塗料を切り込んでいくと、塗料の完全置き換えにほぼ10ヶ月間(例えば、0.3ターンオーバー(注1)/月と仮定すると)かかってしまう、そこで従来は早急なライン対応には、塗料を廃棄して新建浴を行う必要があり、省資源や省工程の面から問題であった。
(注1)ターンオーバー:電着浴に、電着塗料を切り込んでいく場合において、電着浴総量と同量の電着塗料を切り込んだ時点を1ターンオーバーといい、塗料置換率は約63質量%である。電着浴総量の2倍の電着塗料を切り込んだ時点を2ターンオーバーといい、塗料置換率は約87質量%である。電着浴総量の3倍の電着塗料を切り込んだ時点を3ターンオーバーといい、3ターンオーバーでの塗料置換率は約98質量%である。
そこで、早急な塗料切り替えが可能となる電着塗料切替方法によって、仕上り性や防食性に優れた塗装物品を迅速に得ることが求められていた。
特開2004−231989号公報
解決しようとする課題は、早急な塗料切り替えが可能な電着塗料切替方法によって、仕上り性や防食性に優れた塗装物品を迅速に提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、下記工程(1)〜工程(4)からなる、電着塗料切替方法によって達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
「下記工程(1)〜工程(4)、
工程(1):電着塗料槽(X)の電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の固形分合計に対して電着塗料中に含まれる顔料成分が10質量%を越える電着塗料(A)を、電着塗料槽(X)から塗料置換槽(Y)に移送する工程、
工程(2):塗料置換槽(Y)において、電着塗料(A)を無攪拌で静置して顔料分を沈降させて、電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の固形分を基準にして顔料成分が10質量%以下の上澄み電着塗料(B)を得る工程、
工程(3):上記工程で得た上澄み電着塗料(B)を、塗料置換槽(Y)から電着塗料槽(X)に戻す工程、
工程(4):上澄み電着塗料(B)に、顔料分散ペースト(F1)/樹脂エマルション(F2)=1/0〜1/8(質量固形分比率)にて混合した電着塗料を加えて、樹脂成分と顔料成分の合計固形分に対して、顔料成分0.1〜10質量%の電着塗料(C)を作成する工程、」、による電着塗料切替方法。」に関する。
即ち、本発明は、早急な塗料切り替えが可能となる電着塗料切替方法に関する。
本発明の電着塗料切替方法によって、早急な塗料切り替えが可能となった。電着塗料の切替えに伴い、従来から問題であった電着塗料の切り込みに長期間を要することや、新規な電着塗料の建浴に際し、電着塗料の廃棄という省資源化の問題点を解消できる。
また、本発明は、ホワイト系電着塗料から黒系電着塗料への切り替えも問題なく迅速に実行できる。
本発明によって、仕上り性や防食性に優れる塗装物品を迅速に提供することができる。
本発明の電着塗料切替方法塗料について、詳細に説明する。本発明は、下記工程(1)〜工程(4)からなる。以下、工程順に説明する。
[電着塗料切替方法]
工程(1):
本発明の工程(1)は、電着塗料槽(X)の電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分(注2)の固形分合計に対して電着塗料中に含まれる顔料成分が10質量%を越える電着塗料(A)を、電着塗料槽(X)から塗料置換槽(Y)に移送する工程である。
なお、図1は、電着塗装ラインのモデル図を示す。通常の電着塗装に使用する電着塗料槽(X)(図1の1)から、置換塗料槽(Y)(図1の2)に移送する。
(注2)顔料成分:顔料成分は、下記の式(1)のように表される。
顔料成分(%)=[顔料成分の質量(a)/カチオン電着塗料の固形分(b)]×100・・・式(1)
(式中、顔料成分の質量(a)は、顔料分散ペーストを800〜1000℃にて加熱して残存した重量を示し、カチオン電着塗料の固形分(b)は、カチオン電着塗料を2g採取して、105℃で3時間加熱したときの残量の質量を示す)。
電着塗料(A)は、カチオン電着塗料、アニオン電着塗料であってもかまわないが、通常、自動車ボディ、自動車部品、2輪用部品に用いられているカチオン電着塗料を例に挙げて説明する。
上記カチオン電着塗料は、例えば樹脂成分として含有する基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤とを十分に混合した後、通常水性媒体中において、水溶性有機カルボン酸で中和して該エポキシ樹脂を水溶化ないし水分散化することにより調製したエマルションに、着色顔料や体質顔料及び防錆顔料等の顔料成分と顔料分散剤、界面活性剤、並びに中和剤を加え、ボールミル等によって分散してなる顔料分散ペーストを配合し、脱イオン水等で希釈して製造できる。
基体樹脂は、一般的にアミン付加エポキシ樹脂やアミン付加アクリル樹脂が挙げられるが、防食性の観点からアミン付加エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
アミン付加エポキシ樹脂の出発材料として用いられるエポキシ樹脂として、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えばエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来のものと同様のものが使用でき、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式
Figure 0004838675
ここでn=1〜12で示されるものが好適である。
エポキシ樹脂は、一般に180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、一般に少なくとも200、特に400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
エポキシ樹脂に付加するアミン化合物としては、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有し、該エポキシ樹脂をカチオン化できるものであれば種類を問わないが、特に1級アミノ基を導入できるものを使用することが好ましい。
上記の1級アミノ基を導入できるアミン化合物としては、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのケチミン化物が挙げられる。
上記1級アミンと併用できるアミン化合物としては、従来からエポキシ樹脂のカチオン化に用いられるものが使用できるが、特に2級アミンが好ましい。例としてジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。
なお基体樹脂は、防錆鋼板の電着塗装適性や仕上り性を目的として、変性剤を含有することができる。基体樹脂における変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができ、エポキシ樹脂の固形分重量を基準にして5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲内が適当である。
一方、硬化剤は、環状構造ポリイソシアネートとしては芳香環、脂環式イソシアネートいずれのものでも使用できるが、1分子中に平均1.5個以上、特に2〜3個の環構造を有するものが好ましい。
そのようなポリイソシアネート種としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4'及び/又は4,4'−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDI、水添MDI、これらとポリオールとの付加物、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートやフェニレンジイソシアネートとポリオールとの付加物、イソホロンジイソシアネートやビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンとポリオールとの付加物、テトラメチレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアヌレート化合物が挙げられる。特に好ましいポリイソシアネート化合物の例としては、クルードMDIや水添MDIが挙げられる。
上記環状構造ポリイソシアネートのブロック剤としては、低分子量で解離性の高いものが好ましく、特に好ましいものとしてジフェニルメタンジイソシアネートの場合は1,2級水酸基含有アルコール化合物のプロピレングリコール、また水添ジフェニルメタンジイソシアネートの場合はオキシム化合物のメチルエチルケトキシムが挙げられる。
ブロック剤種としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール等の1、2級または1、3級水酸基含有アルコール化合物を挙げることができる。
この中でもブロック剤としては、低分子量で解離性の高いものが好ましく、特に好ましいものとしてジフェニルメタンジイソシアネートの場合は1、2級水酸基含有アルコール化合物のプロピレングリコール、また水添ジフェニルメタンジイソシアネートの場合はオキシム化合物のメチルエチルケトキシムが挙げられる。
なおカチオン電着塗料における基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤との配合割合は、これら樹脂固形分100質量部を基準にして、基体樹脂は一般に55〜90質量%、好ましくは65〜80質量%、そしてブロックポリイソシアネート硬化剤は一般に10〜45質量%、好ましくは20〜35質量%の範囲内とすることができる。
一方、本発明の顔料分散ペーストは、基本的に顔料分散用樹脂と顔料成分からなり、適宜に、硬化触媒、電着塗料中に樹脂成分としてセルロース複合体等を含有することができる。
顔料分散用樹脂としては、電着塗料の調製に通常用いられるものが使用可能であり、例えば、3級アミン型などのアミノ基含有エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型アクリル樹脂などが挙げられる。
顔料としては、電着塗料に通常用いられるものが同様に使用可能であり、例えば、着色顔料としては、カーボンブラック、ペリレンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、オーカ等が挙げられる。部品用などの塗色が黒である場合には、カーボンブラック、ペリレンブラックなどが好ましい。
体質顔料としては、例えば、クレー、マイカ、タルク、バリタ、シリカなどが挙げられ、防錆顔料としては、例えば、リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムなどが挙げられる。その他、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、ハイドロタルサイト、亜鉛化合物などを用いることもできる。
適宜配合される硬化触媒は、塗膜の架橋反応を促進するために有効なものであり、例えば、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジベンゾエートなどが挙げられる。
また、適宜配合されるセルロース複合体は、微細セルロースと水溶性ガム類及び/又は親水性物質とからなる複合体であって、微細セルロースと水溶性ガム類と親水性物質からなる複合体;微細セルロースと水溶性ガム類からなる複合体;及び微細セルロースと親水性物質からなる複合体を包含し、例えば、セルロースを磨砕することにより得られる微細セルロースに、水溶性ガム類及び/又は親水性物質を加えて分散させ均質なスラリーとなし、次いでこれを乾燥することによって製造することができる。
微細セルロースは、例えば、木材パルプ、精製リンター等のセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解等により解重合処理して、平均重合度が30〜375のセルロースとなし、次いで磨砕、例えば機械的なシェアをかけ湿式磨砕することにより得ることができる。
湿式磨砕は、媒体ミル類、例えば、湿式振動ミル、湿式遊星振動ミル、湿式ボールミル、湿式ロールミル、湿式ボールミル、湿式ビーズミル、湿式ペイントシェーカー等の他、高圧ホモジナイザー等の機械を用いて行うことができる。高圧ホモジナイザーとしては、約500Kg/cm以上の高圧で、スラリーを微細オリフィスに導き高流速で対面衝突させるタイプのものが効果的である。
これらのミルにおける最適磨砕濃度は、機種により異なるが、一般には、媒体ミルで5〜15%、高圧ホモジナイザーで5〜20%の範囲内の固形分濃度が適している。セルロースの磨砕を効率よく行うためには媒体ミルが適している。
上記の磨砕によって、平均粒子径が10μm以下、好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5μm以下の微細セルロースを得ることができる。なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計LA−920(堀場製作所社製)を用いて測定したときの値である。
得られる微細セルロースは水溶性ガム類及び/又は親水性物質と混合し複合体とする。これにより、乾燥時に微細化したセルロース粒子同士が再凝集するのを防ぐことができる。
水溶性ガム類としては、水膨潤性が高く、セルロースとの水中における相溶性が良好な水溶性のガム類が好ましく、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、クインスシードガム、カラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、ガッティーガム、アラビノガラクタン、寒天、カラギーナン、アルギン酸及びその塩、ファーセレラン、ペクチン、マルメロ、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、繊維素グリコール酸ナトリウム等のセルロース誘導体等を用いることができる。このうち、繊維素グリコール酸ナトリウムは、膨潤性と親水性を兼ね備えているため、親水性物質と併用することなくガム単独での使用も可能である。
一方、親水性物質としては、例えば、水、澱粉加水分解物、デキストリン類、ブドウ糖、果糖、キシロース、庶糖、乳糖、麦芽糖、異性化糖、カップリングシュガー、パラチノース、ネオシュガー、マンニトール、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラクツロース、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等の単糖類、オリゴ糖類を含む水溶性糖類、キシリトール、マルチトール、マンニット、ソルビット等の糖アルコール類、ソルボース等が挙げられる。親水性物質は、セルロースの水中への分散を促進し、水溶性ガム類と組み合わせることにより分散容易性又は分散安定性に顕著な効果を奏する。
セルロース複合体における微細セルロースの割合は、セルロース複合体の固形分を基準にして、一般に0.1〜99重量%、好ましくは1〜95重量%、さらに好ましくは10〜85重量%の範囲内にあることが、塗料安定性の面から好適である。また、水溶性ガム類と親水性物質とを併用する場合の両者の比率は、水溶性ガム類/親水性物質の重量比で通常95/5〜5/95、好ましくは80/20〜20/80の範囲内とすることができる。
セルロース複合体は、微細化セルロースを水溶性ガム類及び/又は親水性物質と混合し分散した後、乾燥することにより製造することができるが、その際、特に、水溶性ガム類は十分に溶解し均一混合することが重要である。溶解複合化を促進するために、加熱処理を行ってもよい。
上記のようにして得られるセルロース複合体の市販品としては、アビセルRC−N81、アビセルRC−N30、アビセルRC−591、アビセルCL−611、セオラスクリームFP−03(以上、旭化成ケミカルズ(株)製、商品名)などが挙げられる。
セルロース複合体は、水中に沈降することなく安定に分散する性能を有しており、電着塗料にセルロース複合体を含有した場合、塗料の攪拌や循環を休日や夜間に長時間停止して再び稼動した時において、電着塗料の再分散性や塗膜の仕上り性に優れた塗料が得られる。
電着塗料(A)へのセルロース複合体の導入は、通常の電着塗料への顔料の配合と同様にして行なうことができ、例えば、顔料分散用樹脂と顔料、そして場合によりこれらに硬化触媒、中和剤、界面活性剤、水などを配合し、さらにセルロース複合体を加え、顔料分散して顔料分散ペーストを調製することによってできる。顔料分散は、例えば、ボールミル、ペブルミル、サンドミル、シェイカー等の分散機を用いて行うことができる。
顔料分散ペースト中にセルロース複合体を配合する場合、その配合量は、電着塗料の樹脂成分の固形分合計100質量部に対して、0.05〜25質量部、好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.2〜5質量部の範囲内とすることができる。
上記の顔料分散ペーストを、基体樹脂及び硬化剤などを分散したエマルションと混合して、必要に応じて、有機溶剤、界面活性剤、表面調整剤、はじき防止剤などの添加物を配合し、脱イオン水などで希釈し、pHを5.0〜7.0の範囲内に調整し、電着塗料(A)浴を得る。
工程(2):
工程(2)は、塗料置換槽(Y)において、電着塗料(A)を無攪拌で静置して顔料分を沈降させて、電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の合計固形分量を基準にして顔料成分が10質量%以下の上澄み電着塗料(B)を得る工程である。
電着塗料(A)を塗料置換槽(Y)に無攪拌で静置する期間としては、12時間〜10日間、好ましくは1〜7日間、さらに好ましくは2〜5日程度が、ライン停止による生産性低下と仕上り性の面からよい。
置換塗料槽(Y)に静置すると顔料分が沈降し、上澄みとして残る電着塗料(B)は、電着塗料の固形分に対して、顔料成分を10質量%以下、好ましくは8質量%、さらに好ましくは6質量%とすることができる。
また、電着塗料(A)の質量合計に対して1〜30質量%のUF濾液を除去し、次いで塗料置換槽(Y)で電着塗料(A)を無攪拌で静置して顔料分を沈降させて、電着塗料(A)の固形分合計を基準にして顔料成分が10質量%以下の上澄み電着塗料(B)を得る工程とすることもできる。電着塗料(A)のUF濾液を除去することによって、中和剤や低分子量樹脂が除去されて顔料が沈降し易くなる。
除去するUF濾液量目安としては、電着塗料(A)の質量合計に対して、1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%がよい。なお回収槽(図1参照)の回収液を廃棄することによって、容易に濾液廃棄を行うことができる。MEQ(酸濃度)(注3)が15〜23、好ましくは17〜21であることが、塗料が沈降し易く、かつ電着塗料槽(X)へ戻した上澄み電着塗料(B)による仕上り性の面からもよい。
(注3)MEQ(酸濃度):MEQとは、mg equivalentの略であり、塗料固形分100g当たりの中和剤(酸)のmg当量である。電着塗料を約2g精秤し、約50mlの溶剤(THF)に溶解した後、1/10NのNaOH溶液を用いて電位差滴定を行うことによって、電着塗料組成物中の含有酸量を定量する。なおMEQは、下記式(2)に従って求める。
MEQ=[(滴定ml数×NaOHの規定数)/採取した電着塗料の固形分(g)]×100・・・式(2)。
工程(3):
置換塗料槽(Y)に上澄みとして残る上澄み電着塗料(B)を、置換塗料槽(Y)から電着塗料槽(X)に戻す工程である。上澄み電着塗料(B)は、塗料中の顔料成分を10質量%以下、好ましくは8質量%、さらに好ましくは6質量%とした塗料である。
工程(4):
工程(3)によって得られた上澄み電着塗料(B)に、顔料分散ペースト(F1)/エマルション(F2)=1/0〜1/8(質量固形分比率)にて混合した電着塗料を加えて調整し、電着塗料の樹脂成分と顔料成分の質量固形分合計に対して、顔料成分0.1〜10質量%未満とした電着塗料(C)を得ることができる。
なお、上記に用いる顔料分散ペースト(F1)やエマルション(F2)は、前記工程(1)に挙げた顔料分散樹脂、顔料、硬化触媒及びセルロース複合体、並びに基体樹脂、硬化剤等を目的に応じて用いて調製することができる。
こうすることにより、休日や夜間に塗料の攪拌や循環を停止して静止したとしても、次にライン稼動前に、電着塗料を10分間以上、好ましくは30分間〜12時間攪拌や循環すれば、ブツやハジキなどの塗膜欠陥を生じることがなく仕上り性に優れる塗装物品を得ることができる。
上記電着塗料(C)を用いた電着塗装は、通常、浴温15〜35℃に調整し、印可電圧100〜400Vの条件で行なうことができる。 電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般には、硬化塗膜に基いて10〜40μmの範囲内が好ましい。
また、塗膜の焼付け硬化温度は、一般に100〜200℃の範囲内で5〜90分間が適している。 本発明の塗料切替方法によって得られた電着塗料(C)は、塗装ラインにおいて塗料の攪拌や循環を休日や夜間に長時間停止して、再び稼動した時において、電着塗料の再分散性や安定性に優れる為、省エネルギーでのライン稼動が可能となる。
電着塗料(C)を電着塗装して得られた塗装物品は、防食性、防錆用鋼板に対する電着塗装適性、基材との密着性に優れた硬化塗膜を形成するものであり、例えば、自動車車体、自動車部品、工業用、建設・建築分野などにおける下塗り塗料として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
製造例1 基体樹脂No.1の製造
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器を備えた反応容器にエピコート828EL(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂、エポキシ当量約190)を380部、ビスフェノールAを137部仕込み、100℃に加熱保持しながら、N−ベンジルジメチルアミン0.26部を添加し、120℃まで加熱昇温し、約2時間反応させた。その後、メチルイソブチルケトン120部を配合し、80℃まで冷却し、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルジケチミン(メチルイソブチルケトンの75%溶液)14部とN−エチルモノエタノールアミン57部を配合し、100℃まで加熱昇温して約5時間反応させ、ついでプロピレングリコールモノメチルエーテル41部を加え、樹脂固形分80%の基体樹脂No.1を得た。
製造例2 基体樹脂No.2の製造
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン240部、フェノール55部、98%工業用硫酸101部及びメタキシレン212部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ(25℃)のフェノール変性のキシレンホルムアルデヒド樹脂240部を得た。
別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂 、エポキシ当量190、分子量350)1000部、ビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、フェノール変性のキシレンホルムアルデヒド樹脂を300部、ジエタノールアミンを140部及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65部を加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを420部加え、樹脂固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.2を得た。
製造例3 ブロックポリイソシアネート硬化剤の製造例
反応容器中にコスモネートM−200(三井化学社製、商品名、クルードMDI) 270部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。その中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分90%のブロックポリイソシアネート硬化剤を得た。
製造例4 エマルションNo.1の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1を87.5部(固形分70部)、製造例3で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤を33.3部(固形分30部)、10%酢酸15部を配合し均一に撹拌した後、脱イオン水 158.2部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマルションNo.1を得た。
製造例5 エマルションNo.2の製造
製造例2で得た基体樹脂No.2を87.5部(固形分70部)、製造例3で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤を33.3部(固形分30部)、10%酢酸15部を配合し均一に撹拌した後、脱イオン水 158.2部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマルションNo.2を得た。
製造例6 顔料分散ペーストNo.1の製造
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム塩型分散用樹脂 5.8部(固形分3.5部)、精製クレー 7部、カーボンブラック3部、ジオクチル錫オキサイド1部、水酸化ビスマス 1部、脱イオン水16.1部を加え、ボールミルにて20時間分散した後に取出し、固形分55%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
製造例7 顔料分散ペーストNo.2の製造
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム塩型分散用樹脂 5.8部(固形分3.5部)、精製クレー 7部、カーボンブラック3部、ジオクチル錫オキサイド1部、水酸化ビスマス 1部、アビセルRC−N30(注4)1部、脱イオン水11.2部を加え、ボールミルにて20時間分散した後に取出し、固形分55%の顔料分散ペーストNo.2を得た。
(注4)アビセルRC−N30:旭化成ケミカルズ(株)製、商品名、セルロース複合体(結晶セルロース、キサンタンガム、デキストリン)
Figure 0004838675
製造例8 電着塗料Aの製造例
エマルションNo.1を7200部(固形分2448部)に、顔料分散ペーストをNo.1を1002部(固形分551.1部)、10%酢酸34.3部、脱イオン水21764部を加え、均一に混合して電着塗料Aを得た。
なお電着塗料Aは、固形分15%、MEQ(注3)は25、顔料成分は12.3質量%であった。
実施例1
以下の工程1〜4によって、電着塗料No.1Cを得た。
工程1:製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分15%、顔料成分12.3%、MEQ(注3)は25)浴とする塗装ラインにおいて、電着塗料Aを有する電着塗料槽から塗料置換槽へ移送した。
工程2:電着塗料Aを無攪拌にて、3日間静置した。
工程3:工程2における上澄み電着塗料No.1Bを塗料置換槽から電着塗料槽へ戻して、電着塗料No.1Bを得た。電着塗料No.1Bは、固形分14.0質量%、顔料成分7.1質量%、MEQ=24、浴量で28,000kgであった。
工程4:次いで、28,000kgの電着塗料No.1Bに、エマルションNo.1/顔料分散ペーストNo.1=1153部/342部の混合電着塗料を加えて、電着塗料No.1C(30,000kg)浴とした。電着塗料No.1Cは、固形分15.0%、顔料成分9.1%であった。
実施例2
以下の工程1〜4によって、電着塗料No.2Cを得た。
工程1:製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分15%、顔料成分12.3%)浴とする塗装ライン(0.3ターンオーバー/月)において、電着塗料Aを有する電着塗料槽から塗料置換槽へ移送した。同時に電着塗料AからUF濾液を2,000kg廃棄した。
工程2:電着塗料Aを無攪拌にて3日間静置した。
工程3:工程2における上澄み電着塗料Aを塗料置換槽から電着塗料槽へ戻して、電着塗料No.2Bを得た。電着塗料No.2Bは、固形分13.8質量%、顔料成分5.5質量%、浴量27,000kg、MEQ=21であった。
工程4:次いで、27,000kgの電着塗料No.2Bに、エマルションNo.1/顔料分散ペーストNo.1=1279部/616部の混合電着塗料を加えて、電着塗料No.1C(30,000kg)浴とした。電着塗料No.1Cは、固形分15.0%、顔料成分9.8%の電着塗料No.2Cを得た。
実施例3
以下の工程1〜4によって、電着塗料No.3Cを得た。
工程1:製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分15%、顔料成分12.3%)浴とする塗装ライン(0.3ターンオーバー/月)において、電着塗料Aを有する電着塗料槽から塗料置換槽へ移送した。同時に電着塗料AからUF濾液を2,000kg廃棄した。
工程2:電着塗料Aを無攪拌にて5日間静置した。
工程3:工程2における電着塗料Aの上澄み塗料を塗料置換槽から電着塗料槽へ戻して、電着塗料No.3Bを得た。電着塗料No.3Bは、固形分13.5質量%、顔料成分6.0質量%、浴量27,000kg、MEQ=21であった。
工程4:次いで、電着塗料No.3Bに、エマルションNo.2/顔料分散ペーストNo.1=1785部/451部の混合電着塗料を加えて、電着塗料No.1C(30,000kg)浴とした。電着塗料No.3Cは、固形分15.0%、顔料成分7.9%の電着塗料No.3Cを得た。
実施例4
以下の工程1〜4によって、電着塗料No.4Cを得た。
工程1:製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分10%、顔料成分12.3%)浴とする塗装ライン(0.3ターンオーバー/月)において、電着塗料Aを有する電着塗料槽から塗料置換槽へ移送した。同時に電着塗料AからUF濾液を2,000kg廃棄した。
工程2:電着塗料Aを無攪拌にて5日間静置した。
工程3:工程2における電着塗料Aの上澄み塗料を塗料置換槽から電着塗料槽へ戻して、電着塗料No.4Bを得た。電着塗料No.4Bは、固形分7.0質量%、顔料成分5.8質量%、浴量27,000kg、MEQ=21であった。
工程4:次いで、27,000kgの電着塗料No.4Bに、エマルションNo.2/顔料分散ペーストNo.2=1088部/832部の混合電着塗料を加えて、電着塗料No.4C(30,000kg)浴とした。電着塗料No.4Cは、固形分15.0%、顔料成分9.6%の電着塗料No.4Cを得た。
実施例5
以下の工程1〜5によって、電着塗料No.5Cを得た。
工程1:製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分15%、顔料成分12.3%)浴とする塗装ライン(0.3ターンオーバー/月)において、電着塗料Aを有する電着塗料槽から塗料置換槽へ移送した。同時に電着塗料AからUF濾液を1,000kg廃棄した。
工程2:電着塗料Aを無攪拌にて3日間静置した。
工程3:工程2における電着塗料Aの上澄み塗料を塗料置換槽から電着塗料槽へ戻して、電着塗料No.5Bを得た。電着塗料No.5Bは、固形分13.7質量%、顔料成分5.7質量%、浴量29,000kg、MEQ=21であった。
工程4:次いで、27,000kgの電着塗料No.5Bに、顔料分散ペーストNo.2を676部加えて、電着塗料No.5C(30,000kg)浴とした。電着塗料No.5Cは、固形分14.5%、顔料成分9.0%の電着塗料No.5Cを得た。
上記、実施例1〜5の内容を表2に示す。
Figure 0004838675
比較例1
製造例8で得た電着塗料A(30,000kg、固形分10%、顔料成分12.3%、MEQ(注3)は25)浴とする塗装ライン(ターンオーバー(注1参照)=0.3/月)において、エマルションNo.2を7600kg及び850kgの顔料分散ペーストNo.2を塗料補給タンク(図1の3)から10ヶ月間に亘って投入し、固形分15%、顔料成分9.8%の電着塗料No.6Cを得た。
試験板の作成
実施例1〜5及び比較例1で得た電着塗料No.1C〜No.6Cを3Lの電着槽に入れ、パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの冷延ダル鋼板を浸漬し、それをカソードとして電着塗装にて膜厚20μmの電着塗膜を形成し、水洗後、170℃で20分間の焼付け乾燥を行って試験板を得た。塗料試験及び試験板の性能試験結果を下記の表3に示す。
Figure 0004838675
(注5)再分散性:
各電着塗料3L抜き取ってから24時間静止した後、1時間攪拌し、400メッシュ濾過網にて全量濾過して残渣量(mg/L)を測定した。
◎は、残渣量が5mg/L未満
○は、残渣量が5mg/L以上で、かつ10mg/L未満
△は、残渣量が10mg/L以上で、かつ15mg/L未満
×は、残渣量が15mg/L以上。
(注6)L字仕上り性:各電着塗料を、被塗物としてL字に折り曲げた試験板を用いて3分間の電着塗装を行い、水平面(L面)の評価を行った。
◎:L字面に、ブツ、ハジキ及び光沢低下のいずれも認められない
○:L字面に、光沢低下が僅かにみられる
△:L字面に、ブツ、ハジキの少なくともいずれかがみられる
×:L字面に、ブツ、ハジキ及び光沢低下の少なくともいずれかが著しくみられる。
(注7)防食性:
各試験板の電着塗膜に、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
○は、錆、フクレの最大幅がカット部より3mm未満(片側)、
△は、錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上、4mm未満(片側)、
×は、錆、フクレの最大幅がカット部より4mm以上(片側)。
(注8)耐衝撃性:デュポン式衝撃試験機を用いて、撃心の直径1/2インチ、落錘高さ50cm、測定雰囲気20℃の条件で試験を行ない、衝撃を受けた凸凹部を目視で評価した。
○:異常なし
△:細かな亀裂が少しみられる
×:大きなワレがみられる
電着塗装ラインのモデル図である。
符号の説明
1.電着塗料槽(X)を示す。
2.塗料置換槽(Y)を示す。
3.塗料補給タンクを示す。
本発明の電着塗料切替方法によって、意匠性の異なる塗装物品や「再分散性に優れる塗料」を迅速に提供できる。

Claims (5)

  1. 下記工程(1)〜工程(4)、
    「工程(1):電着塗料槽(X)の電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の固形分合計に対して電着塗料中に含まれる顔料成分が10質量%を越える電着塗料(A)を、電着塗料槽(X)から塗料置換槽(Y)に移送する工程、
    工程(2):塗料置換槽(Y)において、電着塗料(A)を無攪拌で静置して顔料分を沈降させて、電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の固形分を基準にして顔料成分が10質量%以下の上澄み電着塗料(B)を得る工程、
    工程(3):上記工程で得た上澄み電着塗料(B)を、塗料置換槽(Y)から電着塗料槽(X)に戻す工程、
    工程(4):上澄み電着塗料(B)に、顔料分散ペースト(F1)/樹脂エマルション(F2)=1/0〜1/8(質量固形分比率)にて混合した電着塗料を加えて、樹脂成分と顔料成分の合計固形分に対して、顔料成分0.1〜10質量%の電着塗料(C)を作成する工程、」、による電着塗料切替方法。
  2. 下記工程(1)〜工程(4)、
    「工程(1):電着塗料槽(X)の電着塗料(A)における樹脂成分と顔料成分の固形分合計に対して電着塗料中に含まれる顔料成分が10質量%を越える電着塗料(A)を、電着塗料槽(X)から塗料置換槽(Y)に移送する工程、
    工程(2):電着塗料(A)の質量に対して1〜30質量%のUF濾液を除去し、次いで塗料置換槽(Y)で電着塗料(A)を無攪拌で静置して顔料分を沈降させて、電着塗料(A)の樹脂成分と顔料成分の合計固形分を基準にして顔料成分が10質量%以下の上澄み電着塗料(B)を得る工程、
    工程(3):上記工程で得た上澄み電着塗料(B)を、塗料置換槽(Y)から電着塗料槽(X)に戻す工程、
    工程(4):上澄み電着塗料(B)に、顔料分散ペースト(F1)/樹脂エマルション(F2)=1/0〜1/8(質量固形分比率)にて混合した電着塗料を加えて、樹脂成分と顔料成分の合計固形分に対して、顔料成分0.1〜10質量%の電着塗料(C)を作成する工程、」、による電着塗料切替方法。
  3. 工程(2)において電着塗料(A)を無攪拌で静置する期間が、12時間〜10日間である請求項1又は2に記載の電着塗料切替方法。
  4. 電着塗料(A)における樹脂成分の固形分合計100質量部に対して、セルロース複合体を0.05〜25質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電着塗料切替方法。
  5. 電着塗料(C)における樹脂成分の固形分合計100質量部に対して、セルロース複合体を0.05〜25質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電着塗料切替方法。
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