JP4838503B2 - カラーリライタブル表示装置 - Google Patents

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本発明は、エレクトロクロミック材料として、フタル酸エステル誘導体等の芳香族ジカルボン酸エステル誘導体、又はジアセチルベンゼン誘導体等の芳香族ジアシル誘導体を用いたカラーリライタブル表示装置に関する。
近年、液晶や有機ELとは異なる視認性に優れた表示装置を開発しようと、種々の研究が盛んに行われている。その中には、エレクトロクロミック材料を使用したものがある。
エレクトロクロミック材料とは、電圧を印加すると可逆的に酸化または還元反応が起こり、可逆的に着色または消色する材料のことである。例えばAdvanced Materials、Vol.13、p.783(2001年)には、無機系及びポリマーを含む有機系のエレクトロクロミック材料の例が記載されている(非特許文献1参照)。
さらに、特開昭62−71934号公報にはエレクトロクロミック材料としてフタル酸エステル誘導体を使用した表示素子が記載されている(特許文献1参照)。さらにまた、特表2001−510590号公報にはナノ多孔質構造を有する半導体金属酸化物たとえば二酸化チタンフィルムとエレクトロクロミック材料を組み合わせた例、電子ドナーとしてフェロセンを用いた例が記載されている(特許文献2参照)。
他方、リライタブル表示装置でカラー表示することへの要求は高まる一方であり、エレクトロクロミック材料を用いたリライタブル表示装置でもカラー表示可能なことが望まれている。カラー表示の手段としては、既にCRTや液晶ディスプレイで培われた技術を利用した、カラーフィルターによるものが一般的である。
Advanced Materials、Vol.13、p.783(2001年) 特開昭62−71934号公報 特表2001−510590号公報
エレクトロクロミック材料を用いた反射型ディスプレイの場合、カラーフィルターによる方法では、十分満足できるカラー表示を実現できていない。一方、フタル酸エステル誘導体はカラー表示を発現するのに好適な材料であるが、実用レベルで繰り返し着色させることが困難であった。
従って、本発明は、カラー表示において、繰り返し特性に優れ、かつ消費電力の低いカラーリライタブル表示装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、エレクトロクロミック材料としてフタル酸エステル誘導体等の芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又はジアセチルベンゼン誘導体等の芳香族ジアシル誘導体等のカルボニル基を有する化合物を用い、電子ドナーとしてメタロセン誘導体を用いると、カラー表示において、着色の繰り返し応答性に優れ、実用レベルにあることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、エレクトロクロミック材料として芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体を使用し、電子ドナーとしてメタロセン誘導体を使用してなることを特徴とするカラーリライタブル表示装置に関する。
また本発明は、エレクトロクロミック材料が、一般式(I)乃至(III)のいずれかで表される前記カラーリライタブル表示装置に関する。
(式中、X乃至Xは水素原子又は一価の基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R及びRは一価の有機基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(式中、X11乃至X14は水素原子又は一価の基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R11及びR12は一価の有機基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(式中、X21乃至X28は水素原子又は一価の基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R21及びR22は一価の有機基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
また本発明は、エレクトロクロミック材料及び/又は電子ドナーがナノ多孔質構造を有する半導体金属酸化物フィルムに吸着している前記カラーリライタブル表示装置に関する。
本発明は、エレクトロクロミック材料として芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体を使用し、電子ドナーとしてメタロセン誘導体を使用するものであり、これにより、繰り返し特性に優れ、かつ印加電圧の低いフタル酸エステル誘導体を用いたカラーリライタブル表示装置が得られる。
また、本発明により得られるカラーリライタブル表示装置は、消費電力が低いため省エネルギー性に優れ、紙に代わるリライタブルペーパーとして好適である。
本発明のカラーリライタブル表示装置は、エレクトロクロミック材料として芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体を使用し、電子ドナーとしてメタロセン誘導体を使用してなる。
本発明で使用されるエレクトロクロミック材料は、芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体であって、1つの芳香環を有し、2つのカルボニル基が1つの芳香環に結合する構造をもつ化合物、又は共役する2以上の芳香環を有し、2つのカルボニル基が別々の芳香環に結合する構造をもつ化合物である。
芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体が一つの芳香環を有する場合、芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸エステル誘導体が共役する2つ以上の芳香環を有する場合、共役する2以上の芳香環としては、ビフェニル環、ターフェニル環等が挙げられる。
これらの中で好ましい芳香族ジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体としては、下記一般式(I)乃至(III)で表されるものである。
上記X乃至X、X11乃至X14、及びX21乃至X28はそれぞれ水素原子又は一価の基を表す。一価の基としては、F、Cl、Br、I、NO、NHあるいはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基が好ましいものとして挙げられる。Xを変化させることにより、上記一般式(I)乃至(III)で表される化合物の吸収波長を変化させることが可能である。本発明における一価の基としては、ニトロ基、アミノ基等が好ましい。
また、R、R、R11、R12、R21、及びR22はそれぞれ一価の有機基を表す。一価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基や、ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。
本発明の上記一般式(I)で表されるテレフタル酸エステル誘導体の一般的な製造法は、テレフタル酸から製造された酸クロライドと各種アルコールを反応させて合成する方法である。また、本発明の上記一般式(II)で表される1,4−ジアセチルベンゼン誘導体の一般的な製造法は、アルキルアセトフェノンを過マンガン酸カリウムで酸化させる方法である。さらに、本発明の上記一般式(III)で表される4,4’−ビフェニルジカルボン酸エステル誘導体の一般的な製造法は、ビフェニルジカルボン酸から製造された酸クロライドと各種アルコールを反応させて合成する方法である。
本発明において使用されるメタロセン誘導体は、後述する溶媒に溶解するものであれば特に限定されることはない。本発明においては、メタロセン誘導体としてフェロセン誘導体を用いることが好ましい。フェロセン誘導体の例としては、フェロセン、メチルフェロセン、ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、プロピルフェロセン、n−ブチルフェロセン、t−ブチルフェロセン、1,1−ジカルボキシフェロセン等が挙げられる。メタロセン誘導体は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
本発明において、エレクトロクロミック材料であるジカルボン酸エステル誘導体又は芳香族ジアシル誘導体、及び電子ドナーであるメタロセン誘導体を、カラーリライタブル表示装置において用いる場合の一般的な方法について以下に説明する。
まず、エレクトロクロミック材料を溶媒中にて溶解し、エレクトロクロミック材料が溶解した溶液を得る。エレクトロクロミック材料は、単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。エレクトロクロミック材料の濃度としては、一般に0.001〜1Mであり、0.005〜0.5Mであることが好ましく、0.01〜0.2Mであることがより好ましい。
用いる溶媒としては、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
次に上記溶液に電解質を溶解させる。電解質としては、過塩素酸リチウム、テトラブチルアンモニウム過塩素酸、ヘキサフルオロホスフェート、テトラアルキルアンモニウム、ジアルキル−1,3−イミダゾリウム等を用いることができる。
さらに、上記溶液に電子ドナーを溶解させる。電子ドナーの濃度としては、一般に0.001〜1Mであり、0.005〜0.5Mであることが好ましく、0.01〜0.2Mであることがより好ましい。
エレクトロクロミックセルは、透明導電性電極、例えばITO電極ともう一つの別の電極とを対向させ、任意の厚みのスペーサーを介して張り合わせることにより作成できる。もう一つの別の電極はITO電極であってもよいし、ITO電極以外の電極であってもよい。ITO以外の電極としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属電極の他、PEDOTのような導電性高分子をフィルム化して形成したような電極であってもよい。
なお、電極を設ける基板には、ガラス、プラスチック等を用いることができる。
上記のように作成したセルに、エレクトロクロミック材料、電子ドナー、及び電解質が溶解した溶液(電解液)を注入し、最後にその注入口を封止する。その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製する。
また、エレクトロクロミック材料及び/又は電子ドナーがナノ多孔質構造を有する半導体金属酸化物フィルムに吸着しているようなカラーリライタブル表示装置を作成することもでき、その場合は以下のように行う。
まず、FTOあるいはITOガラス電極上にナノ多孔質構造を有する半導体金属酸化物フィルムを形成させる。用いる半導体金属酸化物は特に限定されるものではないが、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、モリブテン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、銀、亜鉛、ストロンチウム、鉄(Fe2+又はFe3+)、ニッケルの酸化物、又はそれらのペロブスカイトでよい。TiO、WO、MoO、ZnO、及びSnOは特に好ましい。
半導体金属酸化物を形成する方法は特に限定されないが、本発明においては半導体金属酸化物ペーストを、例えばFTOあるいはITOガラス電極上に塗布し、焼結する方法が挙げられる。半導体金属酸化物ペーストとしてはコロイド状粒子を10〜20重量%含むペーストが好ましく用いられ、コロイド状アナターゼ型酸化チタン粒子を10〜20重量%含むペーストがより好ましく用いられる。ペーストに含まれる酸化チタン粒子の平均粒子径(一次粒径)は、好ましくは約9〜13nmであり、酸化チタン粒子の平均粒子径が約9nmであるペーストを用いた場合には透明のフィルムを形成することが可能であり、また酸化チタン粒子の平均粒子径が約13nmであるペーストを用いた場合には白色不透明のフィルムを形成することが可能である。
市販品として、例えば、昭和電工(株)製のSP−100、ソラロニクス社製のTi−Nanoxide D、Ti−Nanoxide D/SP、Ti−Nanoxide T、Ti−Nanoxide T/SP、Ti−Nanoxide HT、Ti−Nanoxide HT/SP等を挙げることができる。塗布した半導体金属酸化物ペーストを焼結する温度は、通常、400〜500℃であることが好ましく、400〜480℃であることがより好ましく、420〜480℃であることが特に好ましい。
また、半導体金属酸化物ペーストとして、低温で焼結することができるペーストを使用することも可能であり、市販品として、例えば、昭和電工(株)製のSP−200、ソラロニクス社製のTi−Nanoxide D−L、Ti−Nanoxide T−L、Ti−Nanoxide HT−L等を挙げることができる。このような半導体金属酸化物ペーストを焼結する温度は、80〜150℃であることが好ましく、100〜150℃であることがより好ましく、100〜120℃であることが特に好ましい。
塗布する方法も特に限定されず、スピンコート法、スキージ法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いることができる。
焼結温度が前記範囲より高い場合には、基板が変形する傾向があり、前記範囲より低い場合には、ペーストに含まれている溶媒がフィルム中に残存する傾向がある。
また、焼結時間は5〜120分であることが好ましく、10〜90分であることがより好ましく、15〜60分であることが特に好ましい。焼結時間が前記範囲より短い場合にはペーストに含まれていた溶媒がフィルム中に残るため膜がうまく形成されない傾向があり、前記範囲より長いと基板が変形する傾向がある。
半導体酸化物フィルムを設けるために用いられる基板としては、一般的にガラスが用いられるが、上述の低温焼結が可能なペーストを用いる場合には、プラスチックを用いることも可能である。
このようにして得られた半導体金属酸化物フィルムの厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜8μmであることがより好ましく、1〜6μmであることが特に好ましい。0.1μm未満であると着色濃度が低くなる傾向があり、10μmを超えると応答速度が遅くなる傾向がある。
ナノ多孔質構造を有する半導体金属酸化物フィルムがついた電極を上記に示したエレクトロクロミック材料及び/又は電子ドナーを含む溶液に暗状態で16時間以上浸漬させることにより、エレクトロクロミック材料及び/又は電子ドナーの半導体金属酸化物への吸着を行う。その後、電極を取り出し、エタノール等の溶液で洗浄する。十分に乾燥させた後、これを使用する。この際、エレクトロクロミック材料の濃度及び電子ドナーの濃度は、それぞれ0.001〜10mMであることが好ましく、0.01〜10mMであることがより好ましく、0.1〜10mMであることが特に好ましい。濃度が0.001mM未満であると吸着が不十分となる傾向がある。
次に上記の半導体酸化物フィルムを形成した電極ともう一つの別の電極とを対向させ、任意の厚みのスペーサーを介して張り合わせることにより、エレクトロクロミックセルを作成する。もう一つの別の電極はITO電極であってもよいし、ITO電極以外の電極であってもよい。ITO以外の電極としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属電極の他、PEDOTのような導電性高分子をフィルム化して形成したような電極であってもよい。
任意の電解液を後からセルに注入し、最後にその注入口を封止する。電解液の溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、ジメチル−テトラヒドロピリミジノン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ポリエチレンオキシド及びそれらの混合物等を用いることができる。
電解液の電解質としては、過塩素酸リチウム、テトラブチルアンモニウム過塩素酸、ヘキサフルオロホスフェート、テトラアルキルアンモニウム、ジアルキル−1,3−イミダゾリウム等を用いることができる。
上述の半導体金属酸化物フィルムに、エレクトロクロミック材料又は電子ドナーのいずれか一方のみを吸着させた場合、残りのエレクトロクロミック材料又は電子ドナーは、電解液に溶解させてセルに注入するものとする。この場合、エレクトロクロミック材料の濃度及び電子ドナーの濃度としては、それぞれ一般に0.001〜1Mであり、0.005〜0.5Mであることが好ましく、0.01〜0.2Mであることがより好ましい。
エレクトロクロミック材料は、電圧を印加することにより酸化還元反応が生じて、光の吸収エネルギー状態が変化し、結果として色、光学的反射率が変化する。
次に、本発明のカラーリライタブル表示装置を実施例を用いて説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
(実施例1)
ジメチルテレフタル酸エステルを0.05Mとなるように、さらにテトラブチルアンモニウム過塩素酸を0.05Mとなるように、さらにまたフェロセンが0.05MとなるようにN−メチルピロリドンに溶解した。一方、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cmのITO電極2枚を、スペーサーとして熱溶着フィルムを介して約60μmの間隔で向かい合わせて貼り合わせ、セルを作成した。上記で作成した溶液を充填口から注入して、エポキシ接着剤により充填口を封止することにより表示部(表示部面積4cm)を作製した。その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
(実施例2)
ビフェニルジカルボン酸ジエチルエステルを0.05Mとなるように、さらにテトラブチルアンモニウム過塩素酸を0.05Mとなるように、さらにまたフェロセンが0.05MとなるようにN−メチルピロリドンに溶解した。一方、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cmのITO電極2枚を、スペーサーとして熱溶着フィルムを介して約60μmの間隔で向かい合わせて貼り合わせ、セルを作成した。上記で作成した溶液を充填口から注入して、エポキシ接着剤により充填口を封止することにより表示部(表示部面積4cm)を作製した。その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
(実施例3)
1,1−ジカルボキシフェロセンを0.001Mとなるようにエタノールに溶解した。一方、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cmのITO電極上に昭和電工(株)製の二酸化チタンペーストSP−200を用いて、ナノ多孔質構造を有する二酸化チタンフィルムを形成した。塗布はスピンコートにより行い、100℃で20分間乾燥してフィルム化した。形成された二酸化チタンフィルムの厚さは約4μmであった。このように作成した二酸化チタンフィルム付きITO電極を上記のエタノール溶液に16時間、室温にて浸漬させた。浸漬を終えた電極はエタノールで洗浄し、乾燥させて使用した。この電極と、さらに別の面積抵抗が約10Ω/cmのITO電極を、スペーサーとして両面粘着フィルムを介して約70μmの間隔で向かい合わせて貼り合わせ、セルを作成した。電解液を充填口から注入して、エポキシ接着剤により充填口を封止することにより表示部(表示部面積4cm)を作製した。この電解液の組成として、エレクトロクロミック材料としてジメチルテレフタル酸エステルを使用し、溶媒はN−メチルピロリドンを使用し、電解質はテトラブチルアンモニウム過塩素酸を使用した。その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
(比較例1)
ジメチルテレフタル酸エステルを0.05Mとなるように、さらにテトラブチルアンモニウム過塩素酸を0.1MとなるようにN−メチルピロリドンに溶解した。一方、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cmのITO電極2枚を、スペーサーとして熱溶着フィルムを介して約60μmの間隔で向かい合わせて貼り合わせ、セルを作成した。上記で作成した溶液を充填口から注入して、エポキシ接着剤により充填口を封止することにより表示部(表示部面積4cm)を作製した。その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
以上の手順で作製されたカラーリライタブル表示装置の電極間に電圧を印加して発色させた。
実施例1の場合、電極と電極の間に2.4Vの電圧を印加したところ、始めにほぼ透明であった表示部が赤色に変化した。電圧の印加を止めて0Vとすると、徐々に元の透明な状態に戻った。1万回以上繰り返しても、その特性に変化はなかった。
実施例2の場合、電極と電極の間に2.4Vの電圧を印加したところ、始めにほぼ透明であった表示部が黄色に変化した。電圧の印加を止めて0Vとすると、徐々に元の透明な状態に戻った。1万回以上繰り返しても、その特性に変化はなかった。
実施例3の場合、二酸化チタンが付いた電極をアノードとして電極と電極の間に2.4Vの電圧を印加したところ、表示部に変化はなかった。電極と電極の間に3.6Vの電圧を印加したところ、始めにほぼ透明であった表示部が赤色に変化した。電圧の印加を止めて0Vとすると、徐々に元の透明な状態に戻った。1万回以上繰り返しても、その特性に変化はなかった。
比較例1の場合、電極と電極の間に2.4Vの電圧を印加したところ、表示部に変化はなかった。電極と電極の間に3.6Vの電圧を印加したところ、始めにほぼ透明であった表示部が赤色に変化した。電圧の印加を止めて0Vとすると、徐々に元の透明に近い状態に戻った。しかしながら、100回ほど繰り返すと着色及び消色の特性に劣化が起こり、使用することができなくなってしまった。
本発明のカラーリライタブル表示装置は、繰り返し特性に優れ、消費電力が低いため省エネルギー性に優れるため、紙に代わるリライタブルペーパーとして好適である。
本発明の一実施態様であるカラーリライタブル表示装置の表示部の断面図である。 本発明の一実施態様であるカラーリライタブル表示装置の表示部の断面図である。
符号の説明
1:電極(含基板)
2:電解液
3:電極(含基板)
11:電極(含基板)
12:半導体金属酸化物フィルム
13:電解液
14:電極(含基板)

Claims (1)

  1. 下記一般式で表されるエレクトロクロミック材料を使用し、電子ドナーとしてメタロセン誘導体を使用してなり、
    前記エレクトロクロミック材料の濃度及び前記電子ドナーの濃度は、それぞれ0.01〜10mMであり、
    前記エレクトロクロミック材料又は前記電子ドナーは、ナノ多孔質構造を有する厚さ0.1〜10μmの半導体金属酸化物フィルムに吸着していることを特徴とするカラーリライタブル表示装置。
    (式中、X21乃至X28は水素原子又は一価の基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R21及びR22は一価の有機基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
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