JP4837651B2 - 酸化ニッケルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化ニッケルを製造する方法に関するものであり、製造される酸化ニッケルは、ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有しており、且つ、リチウム以外のアルカリ金属を、ニッケル及び含有している上記第1周期遷移金属に対して、100ppm以下の割合で、含有している。そのような酸化ニッケルは、リチウムイオン電池や固体酸化物型燃料電池の電極材料として有益に用いることができる。
従来から、酸化ニッケルは、各種のエネルギーデバイスの電極材料として用いられており、そのデバイスに応じた粉体物性が求められている。
例えば、酸化ニッケルは、リチウムイオン電池の電極材料として用いられる場合には、リチウムイオンの吸着性及び脱離性の観点から、リチウム以外のアルカリ金属である不純物を極力含有しないことが、一般的に要望されており、また、結晶構造を安定化させ、且つ、安全性を向上させるために、コバルト(Co)、マンガン(Mn)に代表される第1周期遷移金属を少なくとも1種類以上含有することも、一般的に要望されている。これらの要望事項は、安全性の他に、出力特性、容量特性、サイクル特性などの要素に、大きな影響を与えるので、電極材料にとって非常に重要な事項である。
また、酸化ニッケルは、固体酸化物型燃料電池の燃料電極の水素改質触媒用ニッケル材料としても、用いられている。そして、特許文献1には、酸化ニッケルにCoを添加してなる燃料電極が開示されており、その燃料電極は、炭化水素系燃料を使用した場合において、出力向上の役割を果たしている。また、酸化ニッケルにMnを添加してなる燃料電極も知られており、その燃料電池においては、Mnを添加したことによってニッケル(Ni)の酸素被毒性が改善されている。
このように、酸化ニッケルにCo、Mnを1種類以上添加してなる材料は、機能性電極を得るという観点から、有益性が高い。
しかしながら、固体酸化物型燃料電池の電極材料に、不純物として、ナトリウム(Na)に代表されるアルカリ金属が含まれている場合には、該不純物が、作動中に気化して、セルとセルとを結合するインターコネクタ部を被毒し、その腐食が促進されてしまう。更に、不純物が焼結性に悪影響を及ぼしたり、不純物が粉体中に含まれるシリコン(Si)と固相反応し、それによって、不活性な珪酸ナトリウムが粉体表面に生成したりする、という問題も、知られている。そのため、材料の機能性保持の観点ひいては装置全体の耐久性の観点から、材料中にアルカリ金属が存在することは、好ましくない。
このように、電極材料としての酸化ニッケルは、電極の機能性を向上する観点から、Co、Mnを1種類以上含むことが好ましいが、アルカリ金属を含むことは総じて好ましくない。
一方、現在、酸化ニッケルの製造方法には、乾式法及び湿式法の両方が適用されている。しかし、両方法には、それぞれ課題が存在している。
乾式法では、例えば特許文献2、3に示されているように、硝酸ニッケル及び硫酸ニッケルを、キルンのような転動炉を用いて加熱処理することによって、酸化ニッケルを得ている。
乾式法で得られる酸化ニッケルにおいては、不純物であるアルカリ金属の含有量が、遷移金属の含有量に対して、100ppm以下に容易に抑制されている。したがって、この点に関しては、乾式法は優位である。
しかしながら、乾式法においては、加熱処理時に、NOxガスやSOxガスという有毒ガスが多量に発生する。そして、環境保護の観点から、それらの有毒ガスを回収する必要があり、そのための設備が大掛かりになるという問題がある。また、それらの有毒ガスは、腐食性が高いので、設備の耐久性を低下させるという問題もある。
また、乾式法において、Niに、例えばCoやMnを添加する場合には、それらを固相で混合した後に焼成している。しかしながら、その場合の固相反応は、それらの材料の熱分解温度の相違やそれらの材料の混合状態に、依存する。したがって、固相反応では、分相が生じやすかった。そのため、CoやMnなどの異種遷移金属を固相で混合する場合には、通常、異種遷移金属添加による機能性の向上を十分に実現できない。このことは、リチウムイオン電池及び固体酸化物型燃料電池の、電極材料に関しても同様であり、これらの電極材料においても、異種遷移金属添加による効果を十分に得ることができないという問題があった。
湿式法では、例えば特許文献4、5に示されているように、各種のニッケル塩溶液を、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いて中和処理して、前駆体を生成し、その前駆体を加熱処理することによって、酸化ニッケルを得ている。
そして、湿式法では、加熱処理の際に発生するガスが主に水蒸気であるので、ガスの回収を必要としない。また、湿式法は、反応条件を制御することによってCoやMnなどの異種遷移金属を固溶できるので、優位である。
しかしながら、湿式法では、上記前駆体を生成する段階において、アルカリ溶液に含まれるアルカリ金属が不純物として混入し、加熱処理後に得られる酸化ニッケルに、不純物がそのまま残存してしまうという問題があった。この不純物であるアルカリ金属は、前駆体を生成する際に十分な水洗処理を施すことによって、遷移金属の含有量に対して150〜300ppm程度まで低減できる。しかし、それでは、不十分であった。
また、前駆体を生成する際に、アルカリ金属を含まないアルカリ、例えばアンモニアのような、工業的に一般的なアミン類を用いることも、考えられる。しかしながら、Co、Ni、銅(Cu)などの、遷移金属イオンは、N原子と配位結合した際の錯体安定度定数が比較的高いため、平衡定数に従ってアルカリから電離生成するOH基濃度では、反応溶液中に30〜80%程度の遷移金属イオンが残存してしまう。そこで、その問題に鑑みて、特許文献6には、高温・高圧下の水熱合成法の利用が開示されている。しかしながら、特許文献6の装置では、耐高温・高圧が求められるために装置が大がかりになるので、量産性に問題があった。
特開平11−140513号公報 特開平7−10544号公報 特開2004−189531号公報 特開平6−37308号公報 特開平11−79752号公報 特開2005−194156号公報
以上のように、従来の方法では、表1に示すような一長一短があった。そこで、それらの問題を解決する方法が求められていた。
Figure 0004837651
本発明者らは、上述した問題の解決手段について鋭意検討した結果、前駆体の生成段階において除去が困難であったアルカリ金属が、前駆体を熱分解して平均細孔径、気孔容積、及び結晶系を適度に制御した後に水洗処理することによって、除去可能となることを、見出し、本発明を成した。
すなわち、本発明は、ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有しており、且つ、リチウム以外のアルカリ金属をニッケル及び含有している上記第1周期遷移金属に対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、製造する方法であって、ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有したニッケル塩溶液に、アルカリ金属の水酸化物を加えて、中和処理を行って、水酸化ニッケル及びその含水物からなる前駆体を得る、前駆体製造工程と、上記前駆体を、300〜1000℃で加熱処理することによって、BJH法で求められた、粒子の平均細孔径が25Å以上であり且つ粒子中の気孔容積が0.001〜0.20cm/gであり、また、結晶系がFm3m主体である、酸化ニッケルを、生成する、加熱工程と、加熱工程で得られた酸化ニッケルを、水洗処理する、水洗工程と、を有しており、上記前駆体において、水酸化ニッケルには上記第1周期遷移金属が固溶されており、水酸化ニッケルの結晶構造内には上記アルカリ金属が含まれている、ことを特徴としている。
本発明によって得られる酸化ニッケルの示性式は、Ni(1−x)である。Mは、ニッケル以外の第1周期遷移金属であり、代表例としては、Co、Mnが挙げられる。Mは2種以上でもよい。xは、MがCoの場合には、0.0001〜0.50、好ましくは0.0001〜0.33であり、MがMnの場合には、0.0001〜0.10、好ましくは0.0001〜0.05である。リチウム以外のアルカリ金属の代表例は、Naである。
上記前駆体は、一般に、次のようにして製造される。すなわち、ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有したニッケル塩溶液に、アルカリ金属の水酸化物を加えて、中和処理を行う。ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケルなどを使用できる。また、アルカリ金属の水酸化物の代表例は、水酸化ナトリウムである。得られる前駆体は、水酸化ニッケル及びその含水物である。水酸化ニッケルには、ニッケル以外の第1周期遷移金属が固溶されている。水酸化ニッケルは、空間群P−3m1を有している。
加熱工程において、平均細孔径、気孔容積、及び結晶系は、加熱温度によって制御される。
水洗工程の水洗処理としては、デカンテーション水洗処理や、ボールミルなどのメディアミルを用いた湿式水洗処理を、使用できる。
本発明者らは、本発明の製造方法の作用機序を次のように考えている。
すなわち、ニッケル化合物は、一般的に、結晶構造内でNiが欠損した構造を取りやすい。そのため、水酸化物や炭酸塩などのニッケル化合物を湿式法で合成する際には、化合物の構造内のニッケルサイトが欠損し、電荷補償の観点から、他のカチオン種が構造内に容易に取り込まれる、といった現象が生じやすい。例えば、ニッケル塩の酸性溶液に、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属含有のアルカリを反応させた場合には、上記現象に従って生成する化合物に、Naが容易に残存する。このNaは、結晶構造内の結晶水によって水和され且つ電荷分散されることによって、構造内で安定して存在している、と考えられる。それ故、単純な水洗処理を繰り返しても、Naを除去することは非常に困難である。
ところで、上記前駆体は、水酸化ニッケルを含んでおり、その水酸化ニッケルには、第1周期遷移金属が固溶されている。そして、水酸化ニッケルの結晶構造内には、不純物であるアルカリ金属が含まれている。
そして、本発明の加熱工程では、上記前駆体を、300〜1000℃で加熱処理するので、次のような現象が生じる。すなわち、
(1)前駆体が加熱されることにより、前駆体に含有されている結晶水が脱離する。結晶水が脱離すると、結晶構造内におけるアルカリ金属イオンの水和が緩和され、結晶構造内でアルカリ金属イオンが不安定になる。したがって、アルカリ金属は、水洗処理によって除去されやすくなる。
(2)加熱による熱分解によって、前駆体の結晶構造の平均細孔径及び気孔容積が変化する。粒子表面の細孔はNa流路の出口となるため、平均細孔径は、大きいほど好ましい。しかしながら、熱分解が進むにつれて、粒子の平均細孔径は、増加する傾向にあるが、粒子内部のNa流路となる粒子の気孔容積は、焼結によって、減少する傾向にある。その際、加熱温度が300〜1000℃であれば、BJH法によって求められた、平均細孔径は25Å以上となり且つ気孔容積は0.001〜0.20cm/gとなる。平均細孔径及び気孔容積がこれらの範囲に制御されると、アルカリ金属が水洗処理によって除去される際の流路が、確保される。したがって、アルカリ金属は、水洗処理によって除去されやすくなる。
(3)Naに代表されるアルカリ金属は、中温域での加熱によって、粒界移動が生じる。そのため、前駆体の加熱処理の際に、結晶構造内でアルカリ金属が粒界移動する。したがって、アルカリ金属は、水洗処理によって除去されやすくなる。
(4)前駆体が加熱されることにより、結晶水が十分に除去され、得られた酸化ニッケルの結晶系はFm3m主体である。したがって、アルカリ金属は、水洗処理によって除去されやすくなる。
このように、加熱工程で得られた酸化ニッケルにおいては、含有されているアルカリ金属が水洗処理によって除去されやすくなっている。したがって、本発明の水洗工程の水洗処理を行うと、酸化ニッケル中のアルカリ金属が多量に除去され、結果として、ニッケル及び含有している第1周期遷移金属に対する、アルカリ金属の含有量が、100ppm以下となる。
そして、本発明の製造方法に基づく作業中には、NOxガスやSOxガスは、1000ppm程度のごく少量しか、発生しない。
以上のように、本発明によれば、不純物であるアルカリ金属を水洗処理によって十分に除去でき、したがって、アルカリ金属含有量が極めて低い酸化ニッケルを、有毒ガスを多量に発生させることなく、得ることができる。
以下、本発明の製造方法を実施例に基づいて詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(1)Coを含有した硫酸ニッケル水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和処理を行った。これにより、前駆体である水酸化ニッケルを得た。得られた水酸化ニッケルでは、Niに対して10mol%のCoが固溶されており、また、250ppmのNaが残存していた。
(2)上記(1)で得られた水酸化ニッケルを、電気炉内で、大気中、300℃で6時間、加熱処理した。これにより、黒色を呈する酸化ニッケルを得た。また、得られた酸化ニッケルについて、株式会社島津製作所製の「ASAP−2020」を用いてBJH法により測定したところ、平均細孔径は31Åであり且つ気孔容積0.135cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの、粉末X線回折によって得られた結晶系は、Fm3mであった。
(3)上記(2)で得られた酸化ニッケルを、イオン交換水を用いてスラリー化し、そのスラリーを30分間攪拌処理した。その後、スラリーを、デカンテーション水洗処理及び吸引濾過脱水処理した後に、乾燥した。これにより、最終生成物である酸化ニッケルを得た。得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、75ppmであった。
したがって、実施例1では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
加熱処理温度を500℃とし、その他は実施例1と同様に処理した。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は168Åであり且つ気孔容積は0.119cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、52ppmであった。
したがって、実施例2では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
加熱処理温度を1000℃とし、その他は実施例1と同様に処理した。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、緑色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は563Åであり且つ気孔容積は0.00121cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、68ppmであった。
したがって、実施例3では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例1と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCo及び5mol%のMnが固溶されており、また、230ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は44Åであり且つ気孔容積は0.146cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni、Co、及びMnに対して、69ppmであった。
したがって、実施例4では、Co及びMnを含有しており、且つ、NaをNi、Co、及びMnに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例2と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCo及び5mol%のMnが固溶されており、また、230ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は177Åであり且つ気孔容積は0.118cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni、Co、及びMnに対して、59ppmであった。
したがって、実施例5では、Co及びMnを含有しており、且つ、NaをNi、Co、及びMnに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例3と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCo及び5mol%のMnが固溶されており、また、230ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、緑色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は633Åであり且つ気孔容積は0.00132cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni、Co、及びMnに対して、65ppmであった。
したがって、実施例6では、Co及びMnを含有しており、且つ、NaをNi、Co、及びMnに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例1と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCoが固溶されており、また、250ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は39Åであり且つ気孔容積は0.146cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、69ppmであった。
したがって、実施例7では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例2と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCoが固溶されており、また、250ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は156Åであり且つ気孔容積は0.123cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、49ppmであった。
したがって、実施例8では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
前駆体である水酸化ニッケルとして、次のものを用い、その他は実施例3と同様に処理した。
すなわち、前駆体である水酸化ニッケルでは、Niに対して0.05mol%のCoが固溶されており、また、250ppmのNaが残存していた。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、黒色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は612Åであり且つ気孔容積は0.00139cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、76ppmであった。
したがって、実施例9では、Coを含有しており、且つ、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。
比較例1
加熱処理を行わず、その他は実施例1と同様に処理した。
得られた水酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は36Åであり且つ気孔容積0.0167cm/gであった。また、得られた水酸化ニッケルの結晶系は、P−3m1であった。また、得られた水酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、220ppmであった。
したがって、比較例1では、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることはできなかった。
比較例2
加熱処理温度を250℃とし、その他は実施例1と同様に処理した。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、灰色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は33Åであり且つ気孔容積0.0942cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mにP−3m1が混在したものであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、132ppmであった。
したがって、比較例2では、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることはできなかった。
比較例3
加熱処理温度を1200℃とし、その他は実施例1と同様に処理した。
加熱処理して得られた酸化ニッケルは、緑色を呈していた。また、得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は116Åであり且つ気孔容積0.000243cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。
水洗処理して得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、156ppmであった。
したがって、比較例3では、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることはできなかった。
比較例4
水洗処理を行わず、その他は実施例1と同様に処理した。
得られた酸化ニッケルについて、実施例1と同様にBJH法により測定したところ、平均細孔径は32Åであり且つ気孔容積0.137cm/gであった。また、得られた酸化ニッケルの結晶系は、Fm3mであった。また、得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Ni及びCoに対して、380ppmであった。
したがって、比較例4では、NaをNi及びCoに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることはできなかった。
比較例5
Naを11ppm含有する硫酸ニッケルの結晶を電気炉にて焼成して、酸化ニッケルを得た。
得られた酸化ニッケルのNa含有量は、Niに対して、37ppmであった。
したがって、比較例5では、NaをNiに対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、得ることができた。しかしながら、焼成の際には、SOxガスが多量に発生した。
本発明の製造方法によれば、アルカリ金属の含有量が極めて低い酸化ニッケルを、有毒ガスを発生させることなく、得ることができるので、産業上の利用価値が大である。

Claims (1)

  1. ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有しており、且つ、リチウム以外のアルカリ金属をニッケル及び含有している上記第1周期遷移金属に対して100ppm以下の割合で含有している、酸化ニッケルを、製造する方法であって、
    ニッケル以外の第1周期遷移金属を1種類以上含有したニッケル塩溶液に、アルカリ金属の水酸化物を加えて、中和処理を行って、水酸化ニッケル及びその含水物からなる前駆体を得る、前駆体製造工程と、
    上記前駆体を、300〜1000℃で加熱処理することによって、BJH法で求められた、粒子の平均細孔径が25Å以上であり且つ粒子中の気孔容積が0.001〜0.20cm/gであり、また、結晶系がFm3m主体である、酸化ニッケルを、生成する、加熱工程と、
    加熱工程で得られた酸化ニッケルを、水洗処理する、水洗工程と、を有しており、
    上記前駆体において、水酸化ニッケルには上記第1周期遷移金属が固溶されており、水酸化ニッケルの結晶構造内には上記アルカリ金属が含まれている、
    ことを特徴とする酸化ニッケルの製造方法。
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