JP4834971B2 - 含フッ素エラストマー重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素エラストマー重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素エラストマー重合体の製造方法に関する。
含フッ素エラストマーを得るための水性媒体中における重合において、従来、フッ素含有界面活性剤が乳化剤としてしばしば用いられているが、この重合から得られる含フッ素エラストマーは、通常、フッ素含有界面活性剤が残存するものであった。フッ素含有界面活性剤が含フッ素エラストマーに残存することは、成形の一過程である加硫工程に対する阻害要因になる問題がある。
含フッ素エラストマーを製造する方法として、CF=CFO−(CF−COOT(式中、sは1〜7の整数、Tはアルカリ金属等)の存在下にpH5〜10の水性媒体中でフルオロモノマーを重合させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、しかしながら、ゴムの成形加工性に影響を与える含フッ素エラストマーの分子量を調節する目的で通常使用されるような連鎖移動剤を使用できるという記載はない。
含フッ素エラストマーを製造する方法として、CF=CF−(CF−Y(式中、tは1〜10の整数、Yはカルボキシル基)の存在下にフッ化ビニリデン[VDF]系共重合体の水性分散液を得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、しかしながら、連鎖移動剤の存在下においても安定に重合が行える示唆もない。更に、このVDF系共重合体の水性分散液の存在下にフッ素非含有単量体をシード重合する記載はあるが、フッ素含有単量体をシード重合する記載はない。
含フッ素エラストマーを製造する方法として、水性媒体において、乳化剤を水性媒体の0.5重量%以上の量で存在させて一段階目の重合を行い、得られたシード粒子からなる乳濁液を希釈した後、単量体を添加して多段階重合を行う方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この方法によれば、多段階重合を行うことによって、使用する乳化剤の量を減少しつつ、生産効率を上げられるが、一定量の乳化剤が残存する。更に、特許文献3には、この多段階重合を含フッ素ビニル基含有乳化剤の存在下で行うことについて示唆はない。
特公昭61−33848号公報 特開平8−67795号公報 国際公開00/001741号パンフレット
本発明の目的は、上記現状に鑑み、生産性及び架橋性に優れた含フッ素エラストマー重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明は、含フッ素ビニル基含有乳化剤と連鎖移動剤との存在下に水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなる含フッ素エラストマー重合体の製造方法であって、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物からなるものであることを特徴とする含フッ素エラストマー重合体の製造方法である。
本発明は、含フッ素ビニル基含有乳化剤と連鎖移動剤との存在下に水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなる含フッ素エラストマー重合体の製造方法であって、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、下記一般式(I)
CF=CF−(CF−Y (I)
[式中、aは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(I)、下記一般式(II)
CF=CF−(CFC(CF)F)−Y (II)
[式中、bは、1〜5の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(II)、下記一般式(III)
CF=CFO−(CF−Y (III)
[式中、cは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(III)、下記一般式(IV)
CF=CF(CF−O−(CFCFXO)−(CF−Y (IV)
[式中、Xは、F又は−CFを表し、dは、0〜2の整数を表し、eは、1〜10の整数を表し、fは、1〜3の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(IV)、下記一般式(V)
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)−CF(CF)Y (V)
[式中、gは、0〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(V)、下記一般式(VI)
CF=CF(CFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (VI)
[式中、hは、1〜6の整数を表し、iは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VI)、下記一般式(VII)
CH=CH(CFp1−Y (VII)
[式中、p1は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VII)、及び/又は、下記一般式(VIII)
CF=CFO−(CH−(CFp2−Y (VIII)
[式中、qは、1〜4の整数を表し、p2は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)からなるものであることを特徴とする含フッ素エラストマー重合体の製造方法である。
本発明は、含フッ素エラストマー重合体からなる粒子が水性媒体中に分散している含フッ素エラストマー重合体水性分散液であって、上記含フッ素エラストマー重合体は、上記含フッ素エラストマー重合体の製造方法により製造された含フッ素エラストマー重合体であり、上記含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、含フッ素ビニル基含有乳化剤を含有するか又は含有しないものであり、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、上記含フッ素エラストマー重合体水性分散液の1000ppm未満であることを特徴とする含フッ素エラストマー重合体水性分散液である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法において、「含フッ素エラストマー重合体」とは、ゴム弾性を有する非晶質の含フッ素重合体を意味する。上記含フッ素重合体は、少なくとも58質量%、好ましくは64質量%のフッ素原子を有する重合体であり、部分的フッ化重合体であってもよいし、パーフルオロ重合体であってもよい。
上記含フッ素エラストマー重合体は、30〜80質量%の第1単量体の共重合単位を有するものである。
本明細書において、上記「第1単量体」とは、含フッ素エラストマー重合体の分子構造において、全共重合単位のうち最多質量を占める共重合単位を構成することとなったビニリデンフルオライド[VDF]又はテトラフルオロエチレン[TFE]を意味する。
上記含フッ素エラストマー重合体のうち、上記第1単量体がVDFである共重合体を以下、「VDF系共重合体」ということがあり、上記第1単量体がTFEである重合体を以下、「TFE系共重合体」ということがある。
本明細書において、上記共重合単位は、含フッ素エラストマー重合体の分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、VDF単位は、VDF系共重合体の分子構造上の一部分であって、VDFに由来する部分であり、−(CH−CF)−で表される。上記「全共重合単位」は、含フッ素エラストマー重合体の分子構造上、単量体に由来する部分の全てである。
上記単量体単位の含有量は、F19−NMRを測定して得られる。
上記含フッ素エラストマー重合体は、上記第1単量体以外の単量体に由来する共重合単位が、上記第1単量体と共重合可能な単量体の何れか1種のみに由来するものであってもよいし、第1単量体と共重合可能な単量体の2種以上に由来するものであってもよい。
上記第1単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、フッ素含有オレフィン、フッ素含有ビニルエーテル及び炭化水素オレフィンが挙げられる。
上記フッ素含有オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、テトラフルオロエチレン[TFE]、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン[1−HPFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニル[VF]等が挙げられる。
上記フッ素含有ビニルエーテルとしては、特に限定されないが、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が挙げられる。
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)[PAVE]としては、式CF=CFO(RfO)(RfO)Rf[式中、Rf及びRfは、異なって、直鎖又は分岐鎖である炭素数2〜6のパーフルオロアルキレン基であり、m及びnは、独立して0〜10の整数であり、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。]で表される化合物が好ましい。
上記PAVEは、式CF=CFO(CFCFXO)Rf[Xは、−F又は−CFであり、rは、0〜5の整数であり、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。]で表される化合物であることがより好ましい。
上記PAVEは、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[PMVE]、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[PEVE]、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]であることが好ましい。
上記PAVEは、式CF=CFO[(CFCFCFZO]Rf[式中、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、uは0又は1の整数であり、vは、0〜5の整数であり、Zは、−F又は−CFである。]で表される化合物であることが好ましい。
上記Rfは、Cであることが好ましく、上記uは、0の整数であり、上記vは、1の整数であることが好ましい。
上記PAVEは、式CF=CFO[(CFCF(CF)O)(CFCFCFO)(CF]C2z+1[式中、m及びnは、独立して0〜10の整数であり、yは、0〜3の整数であり、zは、炭素数1〜5の整数である。]で表される化合物であることが好ましい。
上記m及びnは、独立して0又は1の整数であることが好ましく、zは、1の整数であることが好ましい。
上記PAVEは、式CF=CFOCFCF(CF)O(CFO)2x+1[式中、wは、1〜5の整数であり、xは、1〜3の整数である。]で表される化合物であることが好ましい。
上記xは、1の整数であることが好ましい。
上記含フッ素エラストマー重合体は、PAVE単位を有する場合、PAVE単位が20〜70質量%であることが好ましい。
上記含フッ素エラストマー重合体は、PMVE単位を有する場合、PMVE単位が30〜55質量%であることが好ましい。
上記炭化水素オレフィンとしては、特に限定されないが、例えばエチレン、プロペン等が挙げられるが、プロペンが好ましい。
上記含フッ素エラストマー重合体は、炭化水素オレフィン単位を有する場合、炭化水素オレフィン単位が4〜20質量%であることが好ましい。
上記含フッ素エラストマー重合体としては、フッ素原子を少なくとも58質量%以上有するものであれば特に限定されないが、TFE/パーフルオロビニルエーテル系共重合体、VdF/HFP系共重合体、VdF/CTFE系共重合体、VdF/HFP/TFE系共重合体、VdF/CTFE/TFE系共重合体、TFE/プロピレン系共重合体、TFE/プロピレン/VdF系共重合体、エチレン/HFP系共重合体等の含フッ素共重合体等、乳化重合で製造することができる含フッ素ポリマー等が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー重合体としては、VDF系共重合体、又は、TFE系共重合体であることが好ましい。上記TFE系共重合体としては、TFE/プロピレン系共重合体、又は、TFE/パーフルオロ(ビニルエーテル)系共重合体が好ましい。
上記VDF系共重合体としては、例えば、VDF/HFP共重合体、VDF/HFP/TFE共重合体、VDF/HFP/TFE/4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、VDF/HFP/TFE/4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、VDF/PMVE/TFE/4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、VDF/PMVE/TFE/4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、VDF/PMVE/TFE/1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン共重合体等が挙げられる。
上記TFE/プロピレン系共重合体としては、TFE/プロピレン共重合体等が挙げられる。
上記TFE/パーフルオロビニルエーテル系共重合体としては、TFE/PMVE/エチレン共重合体、TFE/PMVE/エチレン/4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、TFE/PMVE/エチレン/4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、TFE/PMVE共重合体、TFE/PMVE/パーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)共重合体、TFE/PMVE/4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1共重合体、TFE/PMVE/パーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテル共重合体等が挙げられる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、含フッ素ビニル基含有乳化剤と連鎖移動剤との存在下に水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなるものである。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物からなるものである。
上記「分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物」は、下記一般式(1)
CR=CR(CR−(O)−R−Y (1)
[式中、R、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、Hで置換されていてもよいパーフルオロアルキル基、H、F、Cl、Br又はIを表し、Rは、主鎖に酸素原子[−O−]を有していてもよくHの全部若しくは一部がFで置換された直鎖又は分岐のフルオロアルキレン基を表し、jは、0〜6の整数を表し、kは、0又は1の整数を表し、Yは、親水基を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(1)であることが好ましい。
上記一般式(1)において、上記R、R、R、R及びRとしては、同一若しくは異なって、H又はFが好ましい。
上記一般式(1)において、上記Rとしては、主鎖に酸素原子[−O−]を有していてもよく直鎖又は分岐の主鎖炭素数1〜23のパーフルオロアルキレン基が好ましく、主鎖に酸素原子[−O−]を有している場合、該酸素原子としては、1〜10個のオキシアルキレン単位(好ましくは炭素数2〜3)から構成されるポリオキシアルキレン基を構成する酸素原子であることが好ましく、分岐の場合、側鎖としては、−CFが好ましい。
上記一般式(1)において、上記jとしては、0〜2の整数が好ましい。
上記一般式(1)において、上記Yで表される親水基としては、−SOM又は−COOM(Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。)が好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、含フッ素ビニル基含有化合物(I)、含フッ素ビニル基含有化合物(II)、含フッ素ビニル基含有化合物(III)、含フッ素ビニル基含有化合物(IV)、含フッ素ビニル基含有化合物(V)、含フッ素ビニル基含有化合物(VI)、含フッ素ビニル基含有化合物(VII)、及び/又は、含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)からなるものであることがより好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤において、上記含フッ素ビニル基含有化合物(I)〜(VIII)は、1種、又は、互いに異なる2種以上存在するものであってもよい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(I)は、下記一般式(I)
CF=CF−(CF−Y (I)
[式中、aは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す]で表されるものである。
上記一般式(I)において、上記aは、5以下の整数であることが好ましく、2以下の整数であることがより好ましい。上記Yは、適度な水溶性及び界面活性を得られるという点で、−COOMであることが好ましく、Mは、不純物として残留しにくく、得られる成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(I)としては、例えば、
CF=CF−CF−COOH、CF=CF−CF−COONH
CF=CF−CFCF−COOH、CF=CF−CF−COONH
CF=CF−CF−SOH、CF=CF−CF−SONa、
CF=CF−CFCF−SOH、CF=CF−CFCF−SONa
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、CF=CFCF−COONHが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(II)は、下記一般式(II):
CF=CF−(CFC(CF)F)−Y (II)
[式中、bは、1〜5の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す]で表されるものである。
上記一般式(II)において、bは、乳化能の点で、3以下の整数であることが好ましく、Yは、適度な水溶性及び界面活性が得られる点で、−COOMであることが好ましく、Mは、不純物として残留しにくく、得られる成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(II)としては、例えば、
Figure 0004834971
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、
Figure 0004834971
が好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(III)は、下記一般式(III):
CF=CFO−(CF−Y (III)
[式中、cは1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す]で表されるものである。
上記一般式(III)において、上記cは、水溶性の点で5以下の整数であることが好ましく、上記Yは、適度な水溶性及び界面活性が得られる点で、−COOMであることが好ましく、上記Mは、分散安定性がよくなる点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(III)としては、例えば、
CF=CF−OCF−COOH
CF=CF−OCF−COONH
CF=CF−OCFCF−COOH、
CF=CF−OCFCF−COONH
CF=CF−OCFCFCF−COOH、
CF=CF−OCFCFCF−COONH
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、CF=CF−OCFCFCF−COONHが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(IV)は、下記一般式(IV):
CF=CF(CF−O−(CFCFXO)−(CF−Y (IV)
[式中、Xは、−F又は−CFを表し、dは、0〜2の整数を表し、eは1〜10の整数を表し、fは1〜3の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す]で表されるものである。
上記一般式(IV)において、上記Xは、界面活性能の点で、−CFであることが好ましく、上記dは、共重合性の点で0の整数であることが好ましく、上記eは、水溶性の点で5以下の整数であることが好ましく、上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記fは、2以下であることが好ましく、上記Mは、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(IV)としては、例えば
Figure 0004834971
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、
Figure 0004834971
が好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(V)は、下記一般式(V):
CH=CFCFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (V)
[式中、gは、0又は1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す]で表されるものである。
上記一般式(V)において、上記gは乳化能の点で0又は1〜5の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましく、上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(V)としては、例えば、
Figure 0004834971
等が挙げられるが、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、
CH=CFCFOCF(CF)−COOH、
CH=CFCFOCF(CF)−COONH
CH=CFCFOCF(CF)−CFOCF(CF)−COOH、又は、
CH=CFCFOCF(CF)−CFOCF(CF)−COONHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VI)は、下記一般式(VI):
CF=CF(CFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (VI)
[式中、hは、1〜6の整数を表し、iは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、MはH、NH又はアルカリ金属を表す]で表される。
上記一般式(VI)において、hは、共重合性の点で、好ましくは2以下の整数、より好ましくは1以下の整数であり、上記iは、乳化能の点で3以下の整数であることが好ましく、上記Yは、適度な水溶性及び界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VI)としては、例えば、
Figure 0004834971
等が挙げられ、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、
Figure 0004834971
であることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VII)は、下記一般式(VII):
CH=CH(CFp1−Y (VII)
[式中、p1は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表されるものである。
上記一般式(VII)において、上記p1は乳化能の点で5以下の整数であることが好ましく、2以下の整数であることがより好ましい。上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VII)としては、例えば、
CH=CH−CFCF−COOH、
CH=CH−CFCF−COONH
CH=CH−CFCF−SOH、
CH=CH−CFCF−SONa、
CH=CH−CFCFCF−COOH、
CH=CH−CFCFCF−COONH
CH=CH−CFCFCF−SOH、
CH=CH−CFCFCF−SONa
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、CH=CH−CFCF−COONHが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)は、下記一般式(VIII):
CF=CFO−(CH−(CFp2−Y (VIII)
[式中、qは、1〜4の整数を表し、p2は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表されるものである。
上記一般式(VIII)において、上記qは2以下の整数であることがより好ましく、1であることがより好ましい。上記p2は乳化能の点で5以下の整数であることが好ましく、2以下の整数であることがより好ましい。上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)としては、例えば、
CF=CFO−CHCFCF−COOH、
CF=CFO−CHCFCF−COONH
CF=CFO−CHCFCF−SOH、
CF=CFO−CHCFCF−SONa
等が挙げられるが、分散安定性がよくなる点で、CF=CFO−CHCFCF−COONHが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤としては、共重合性がよい点で、上記含フッ素ビニル基含有化合物(I)、上記含フッ素ビニル基含有化合物(III)、上記含フッ素ビニル基含有化合物(IV)、上記含フッ素ビニル基含有化合物(V)、上記含フッ素ビニル基含有化合物(VI)、上記含フッ素ビニル基含有化合物(VII)、及び/又は、上記含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)からなるものであることが好ましく、上記含フッ素ビニル基含有化合物(V)及び/又は上記含フッ素ビニル基含有化合物(VI)からなるものであることがより好ましく、上記含フッ素ビニル基含有化合物(V)からなるものであることが更に好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤としては、分散安定性がよくなる点で、下記一般式(i)
CH=CFCFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (i)
(式中、kは0〜3の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。)
で表される含フッ素ビニル基含有化合物(i)からなるものが特に好ましい。
上記一般式(i)において、kは、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1の整数であることが好ましく、Yは、−COOH又は−COONHであることが好ましい。
上記各種含フッ素ビニル基含有乳化剤は、上述の一般式(I)〜(VIII)及び(i)におけるオキシアルキレン基の付加数が異なる化合物の混合物であってもよい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤を構成する上記含フッ素ビニル基含有化合物(I)〜(VIII)及び上記含フッ素ビニル基含有化合物(i)、及び、含フッ素ビニル基含有化合物(1)等の「分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物」は、公知の方法を用いて調製することができる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法において、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、上記水性媒体の1ppm〜10質量%の量を添加することが好ましい。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤の添加量は、水性媒体の1ppm未満である場合、得られる含フッ素エラストマー重合体の反応槽内部への付着量が増加して生産性が低下する傾向にあり、水性媒体の10質量%を超える場合、得られる含フッ素エラストマー重合体の熱安定性が低下することがある。
上記含フッ素ビニル基含有乳化剤の添加量は、より好ましい下限が、水性媒体の10ppmであり、更に好ましい下限が水性媒体の50ppmであり、より好ましい上限が水性媒体の5質量%であり、更に好ましい上限が水性媒体の2質量%であり、特に好ましい上限が水性媒体の1質量%である。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤の存在下にフッ素含有単量体を重合することよりなるものであるので、従来用いられてきた含フッ素界面活性剤、その他の乳化剤を添加しなくても乳化重合が可能で、得られる含フッ素エラストマー重合体は、水性媒体中での分散安定性に優れ、架橋速度が大きい傾向にある。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、また、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤に加え、連鎖移動剤の存在下にフッ素含有単量体を重合することよりなるものである。
上記連鎖移動剤は、1種のみ使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記連鎖移動剤としては、含フッ素エラストマー重合体の製造に使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、炭素数1〜12のアルコール、炭素数1〜12のエステル、炭素数1〜12のアルカン、炭素数1〜12のケトン又は炭素数1〜12のメルカプタン等が挙げられる。上記各化合物は、部分的にフッ素及び/又は塩素で置換されているものであってもよい。
本明細書において、上記連鎖移動剤は、フッ素原子1〜2個が臭素原子及び/又はヨウ素原子に置換されてなるパーフルオロカーボン等の臭素原子及び/又はヨウ素原子を有する飽和脂肪族化合物を含まない。
上記炭素数1〜12のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
上記炭素数1〜12のエステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル等が挙げられる。
上記炭素数1〜12のアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等が挙げられる。
上記炭素数1〜12のケトンとしては、例えば、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記炭素数1〜12のメルカプタンとしては、例えば、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
上記部分的にフッ素及び/又は塩素で置換されている化合物としては、例えば、塩化炭素、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。
上記連鎖移動剤は、炭素数1〜6の飽和炭化水素又は炭素数1〜4のアルコール、炭素数4〜8のカルボン酸エステル化合物、炭素数1〜2の塩素置換炭化水素、炭素数3〜5のケトン、及び/又は、炭素数10〜12のメルカプタンであることが好ましい。
上記連鎖移動剤は、中でも、重合媒体中への分散性、連鎖移動性、目的の製品からの除去性の点で、イソペンタン、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、及び/又は、ドデシルメルカプタンであることがより好ましく、連鎖移動性が適度であり、重合速度の低下が少ない点で、イソペンタン、マロン酸ジエチル、酢酸エチル等であることが更に好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法において、上記連鎖移動剤は、第1単量体及び第1単量体以外の単量体との合計添加量100質量部に対し0.0001〜5質量部を添加することが好ましい。上記連鎖移動剤は、含フッ素エラストマー重合体の分子量及び分子量分布を調節する点で、上記合計添加量100質量部に対し、より好ましくは0.0005質量部以上、更に好ましくは0.001質量%以上添加し、また、上記合計添加量100質量部に対し、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下添加すればよい。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上記連鎖移動剤の存在下においてフッ素含有単量体を重合することからなるものであるので、通常添加する重合開始剤に起因する含フッ素エラストマー重合体の高分子量化を抑制し、分子量を適度なものにすることができ、更に、得られる含フッ素エラストマー重合体の分子量分布を広くすることができる。ゆえに、本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法から得られる含フッ素エラストマー重合体は、分子量と分子量分布のバランスがよく、成形加工時の加硫速度が高く、圧縮永久歪みが低い成形体を得ることができる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなるものである。
本明細書において、上記フッ素含有単量体とは、上述した第1単量体、及び、所望により添加するフッ素原子を少なくとも1つ有する共重合性の化合物を意味する。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上記フッ素含有単量体に加え、所望によりフッ素非含有単量体を添加して重合するものであってもよい。
上記フッ素含有単量体及び上記フッ素非含有単量体としては、例えば、上記含フッ素エラストマー重合体について上述したものと同じものが挙げられる。
上記フッ素含有単量体及びフッ素非含有単量体の合計供給量は、得られる含フッ素エラストマー重合体の分散安定性の点で、好ましい下限が、上記水性媒体100質量部に対し10質量部、より好ましい下限が20質量部であり、含フッ素エラストマーの収率の点で、好ましい上限が上記水性媒体100質量部に対し100質量部、より好ましい上限が80質量部である。
上記フッ素含有単量体及びフッ素非含有単量体の合計供給量は、重合反応開始時における初期仕込量と、重合反応中に添加する連続仕込量との合計量である。
このうち、上記フッ素非含有単量体の供給量は、所望の含フッ素エラストマー重合体の組成に応じて適宜設定することができる。
上記重合は、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤、上記連鎖移動剤、上記フッ素含有単量体、及び、所望により添加するフッ素非含有単量体に加え、所望によりラジカル重合開始剤を水性媒体に添加して行ってもよい。
上記ラジカル重合開始剤としては、水溶性無機化合物又は水溶性有機化合物のパーオキシド、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩やビスコハク酸パーオキシド、ビスグルタル酸パーオキシドが一般的であり、これらは単独又は二種以上を組合わせて用いることができる。低温域の重合ではレドックス系の開始剤を用いることが好ましい。更に、ラテックスの安定性を損なわない範囲で、水不溶性の有機過酸化物やアゾ化合物の何れか又は両方を、単独又は水溶性無機化合物又は水溶性有機化合物のパーオキシドとともに使用することもできる。
上記ラジカル重合開始剤の添加量は、製造する含フッ素エラストマー重合体の組成及び収量、上記フッ素含有単量体、並びに、上記フッ素非含有単量体等の使用量に応じて、適宜設定することができる。上記ラジカル重合開始剤は、得られる含フッ素エラストマー重合体100重量部に対し0.01〜0.4質量部の量で添加することが好ましく、0.05〜0.3質量部の量で添加することがより好ましい。
上記重合は、更に、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤以外の含フッ素界面活性剤、ラジカル捕捉剤等の添加剤等を添加して行うものであってもよい。
上記含フッ素界面活性剤としては、例えば、
−(CFaa−COOH
[式中、Zは、F又はHを表し、aaは、3〜20の整数を表す。]で表されるフルオロカルボン酸、並びに、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び第四級アンモニウム塩;
−(CHCFbb−COOH
[式中、Zは、F又はClを表し、bbは、3〜13の整数を表す。]で表されるフルオロカルボン酸、並びに、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び第四級アンモニウム塩;
RfO−(CF(CF)CFO)cc−CF(CF)−Z
[式中、Rfは、炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基を表し、ccは、0〜10の整数を表し、Zは、−COOM又は−SOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される酸性化合物等からなるものが挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤は、上記重合の際、1種又は2種以上添加してもよい。
上記含フッ素界面活性剤の添加量は、製造する含フッ素エラストマー重合体の組成及び収量等に応じて、適宜設定することができる。しかしながら、成形加工時の加硫速度が高く、圧縮永久歪みが低い成形体に加工することができる含フッ素エラストマー重合体が得られる点で、上記重合は、含フッ素界面活性剤の不存在下に行うことが好ましい。
本明細書において、上記含フッ素界面活性剤は、上述の含フッ素ビニル基含有乳化剤を含まない。
上記重合は、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤及び上記連鎖移動剤の存在下に水性媒体中において行うものであれば、公知の重合方法により行ってもよい。
上記重合は、回分操作、半回分操作及び連続操作の何れの操作にて行うものであってもよいが、半回分操作にて行うことが好ましい。
上記重合において、上記フッ素含有単量体、上記フッ素非含有単量体、上記連鎖移動剤、重合開始剤、上記フッ素ビニル基含有乳化剤、上記含フッ素界面活性剤、及び/又は、ラジカル捕捉剤等の添加剤は、重合反応の間、所望の含フッ素エラストマー重合体の組成や収量に応じ、適宜追加することができる。
上記重合は、更に、国際公開00/001741号パンフレットに記載の多段階重合工程にて行うことにより、得られる含フッ素エラストマー重合体を所望の単量体組成にすることができる。
上記重合は、通常、10〜120℃の範囲の温度に維持して行う。上記温度が10℃未満である場合、工業スケールにおいて有効な大きさの反応速度にすることができず、120℃を超える場合、重合反応を維持する為に必要な反応圧力が高くなり、反応を維持することができなくなる。
上記重合は、通常、0.5〜10MPaの範囲の圧力に維持して行う。上記範囲の好ましい下限は1.0MPaであり、上記範囲の好ましい上限は6.2MPaである。
上記重合を半回分操作で行う場合、所望の重合圧力は、初期供給時の単量体ガスの量を調整することにより重合初期に達成することができ、反応開始後は、単量体ガスの追加供給量を調整することにより圧力を調整する。
上記重合を連続操作で行う場合、所望の重合圧力は、得られる含フッ素エラストマー重合体分散液の流出管の背圧を調整することにより圧力を調整する。
上記圧力が0.5MPa未満である場合、重合反応系における単量体濃度が低くなり過ぎて、満足する反応速度にすることができず、得られる含フッ素エラストマー重合体分子の分子量が充分大きくならないことがある。上記圧力が10MPaを超える場合、圧力を維持する装置にコストがかかる。
上記重合は、通常、0.5〜100時間行う。
上記重合から得られる含フッ素エラストマー重合体は、上述した第1単量体の共重合単位等の共重合単位に加え、上述した含フッ素ビニル基含有乳化剤に由来する乳化剤単位からなるものである。
本明細書において、「乳化剤単位」は、含フッ素エラストマー重合体の分子構造上の一部分であって、対応する含フッ素ビニル基含有乳化剤に由来する部分を意味する。
上記乳化剤単位は、上記重合時に含フッ素ビニル基含有乳化剤を反応系に存在させた結果、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤を構成する化合物がポリマー鎖に付加し、上記含フッ素エラストマー重合体のポリマー鎖の一部分となったものである。
上記乳化剤単位は、含フッ素エラストマー重合体の10ppm以上、10質量%以下であることが好ましい。10ppm未満であると、従来の非共重合性乳化剤を用いない場合における水性媒体中での分散安定性に劣ることがあり、10質量%を超えると、耐熱性等の物性が悪化することがある。
上記乳化剤単位のより好ましい下限は、含フッ素エラストマー重合体の25ppmであり、更に好ましい下限は50ppmである。上記乳化剤単位のより好ましい上限は、5質量%であり、更に好ましい上限は2.5質量%である。
上記含フッ素エラストマー重合体は、100℃におけるムーニー粘度が、通常10〜100であるものである。上記ムーニー粘度について、好ましい下限は、得られる成形体の加硫性等の点で、30であり、好ましい上限は、成形加工性の点で、80である。
本明細書において、上記ムーニー粘度[ML(1+10)]は、ASTM D−1646に従い測定して得られる値である。
上記重合を行うことにより得られる含フッ素エラストマー重合体は、追加添加量にほぼ等しい量で得られ、通常、水性媒体100質量部に対し10〜30質量部、好ましくは20〜25質量部の量で得られる。上記含フッ素エラストマー重合体の量は、水性媒体100質量部に対し10質量部未満である場合、生産性が低く望ましくなく、水性媒体100質量部に対し30質量部を超える場合、上記含フッ素エラストマー重合体が分散しにくくなることがある。
上記重合を行うことにより得られる重合上がりの含フッ素エラストマー重合体粒子は、通常、平均粒子径が10〜500nmであり、分散安定性に優れている。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法から得られる含フッ素エラストマー重合体は、上記重合から得られるものであれば何れの形態にあってもよく、重合上がりの水性乳濁液を構成するものであってもよいし、後述する含フッ素エラストマー重合体水性分散液を構成するものであってもよいし、上記含フッ素エラストマー重合体水性乳濁液から凝析、乾燥等することにより得られるガム(gum)又はクラム(crumb)を構成するものであってもよい。
上記ガム(gum)は、含フッ素エラストマー重合体からなる粒状の小さな塊であり、上記クラム(crumb)とは、含フッ素エラストマー重合体が、室温でガムとして小粒状の形を保つことができず互いに融着した結果、不定形な塊状の形態となったものである。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤と上記連鎖移動剤との存在下に行うものであるので、得られる含フッ素エラストマー重合体の分子量及び分子量分布を適宜調整することができる。従来の含フッ素エラストマー重合体の製造方法では、(1)連鎖移動剤としてハロゲン含有化合物を使用して重合反応を行う場合、得られる含フッ素エラストマー重合体の分散安定性が低下する、(2)含フッ素界面活性剤の添加量が少ない場合、得られる含フッ素エラストマー重合体が反応槽内部に付着して収率が低下するという問題があった。一方、本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法では、従来の非共重合性乳化剤を用いず上記連鎖移動剤を用いて重合反応を行っても、更に、分散安定性が良く、成形加工し易い含フッ素エラストマー重合体を収率よく得ることができる。
含フッ素エラストマー重合体からなる粒子が水性媒体中に分散している含フッ素エラストマー重合体水性分散液であって、上記含フッ素エラストマー重合体は、上述の本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法から得られたものである含フッ素エラストマー重合体水性分散液もまた、本発明の一つである。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、含フッ素ビニル基含有乳化剤を含有するか又は含有しないものである。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、含フッ素エラストマー重合体が上述の乳化剤単位を有するものであるので、水性媒体中に含フッ素ビニル基含有乳化剤を含有しないものにすることができる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、例えば、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤を1000ppm未満にすることができる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、成形加工時の架橋性が良い点で、上記含フッ素ビニル基含有乳化剤が100ppm未満であることが好ましく、10ppm未満であることがより好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液において、上述の含フッ素エラストマー重合体は、濃縮等の操作によって、水性媒体100質量部に対し10〜70質量部にすることができる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、例えば、上述した含フッ素エラストマー重合体の重合反応直後に得られる重合上がりの水性乳濁液を公知の方法で凝集したあと、精製を行うことにより調製することができる。
上記精製の方法としては、特に限定されず、例えば、抽出、イオン交換樹脂処理、限外濾過膜処理等の方法が挙げられる。
本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、含フッ素ビニル基含有乳化剤濃度が上記範囲内にあるので、含フッ素ビニル基含有乳化剤を実質的に含有しない凝集体、組成物、成形体等に加工することができる。
上記含フッ素エラストマー重合体からなる含フッ素エラストマー重合体ゴム又はクラムは、含フッ素界面活性剤を実質的に含まないものにすることができる。
上記含フッ素エラストマー重合体ゴム又はクラムは、本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液を凝析、乾燥することにより得ることができる。
上記凝析に用いることができる凝析剤としては、硫酸アルミニウム、ミョウバン等のアルミニウム塩、硫酸カルシウム等のカルシウム塩、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の一価カチオン塩等の凝集助剤が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー重合体は、硬化剤、充填剤等を加え、含フッ素エラストマー重合体組成物に加工することができる。
上記硬化剤としては、ポリオール、ポリアミン、有機過酸化物、有機スズ、ビス(アミノフェノール)テトラアミン、又は、ビス(チオアミノフェノール)等が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー重合体組成物は、上述の含フッ素エラストマー重合体からなるものであるので、含フッ素ビニル基含有乳化剤を実質的に含有せず、成形加工時に架橋し易い点で優れている。
上記含フッ素エラストマー重合体、本発明の含フッ素エラストマー重合体水性分散液、又は、上記含フッ素エラストマー重合体ゴム又はクラムを用いて成形加工することにより含フッ素エラストマー重合体成形体を得ることができる。上記成形加工する方法としては、特に限定されず、上述の硬化剤を用いて行う方法が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー重合体成形体は、上述の含フッ素エラストマー重合体からなるものであるので、圧縮永久歪みが低く、機械的強度に優れており、シール、電線被覆、チューブ、積層体等として好適であり、特に半導体製造装置用部品、自動車部品等に好適である。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、簡易であり、また、得られる含フッ素エラストマー重合体は、成形加工時において加硫速度が早く、また架橋密度が高いことに加え、更に、得られる含フッ素エラストマー重合体成形体は圧縮永久歪みが小さいという優れた特性を示す。
本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例及び比較例により限定されるものではない。
各実施例、比較例で行った測定は、以下の方法により行った。
(1)固形分濃度:得られた水性分散液を150℃で1時間乾燥した時の質量減少より求めた。
(注:以下、(2)、(3)、(4)、(6)は、凝析、洗浄、乾燥工程を経て得られた凝析洗浄乾燥物について測定を行ったものである。)
(2)ムーニー粘度[ML(1+10)]:ASTM D−1646に従い測定した。
(3)含フッ素エラストマー重合体の組成:F19−NMR測定から得られた値から算出した。
(4)含フッ素ビニル基含有乳化剤濃度:上記水性乳濁液の凝析洗浄乾燥物1gを10gのアセトンに溶解し、このポリマー溶液を30gのイオン交換水に分散し、固形物を除去したアセトン水溶液中の未反応の反応性乳化剤を、液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析(LC/MS/MS)を行うことにより定量した(検出限界1ppb)。
上記LC/MS/MSにおいて、Waters 2695 Separation module, Micromass Quattro micro TM API, Waters 2996 Photodiode Array detector(いずれもWaters社製)を使用した。上記液体クロマトグラフでは、Waters atlantis dC−18(30mm×2.1mm i.d.)カラム、0.01M酢酸アンモニウム:アセトニトリル(55:45 v:v)により、流速0.15ml/分で溶出を行った。上記タンデム型質量分析では、ネガティブ・エレクトロスプレー型(ESP)のイオン化を行った。
(5)平均粒子径:動的光散乱方法を行うことにより求めた。
(6)ヨウ素原子含有量:元素分析を行い測定した。
実施例1
攪拌機を備えた内容積2Lのステンレス製耐圧容器に、1000mlの脱イオン水、並びに、含フッ素ビニル基含有乳化剤としてパーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ)−8−ノネン酸のアンモニウム塩[RS−1]2.0g、及び、連鎖移動剤としてマロン酸ジエチル5gを仕込み、窒素加圧、減圧脱気を繰り返した後、−700mHgの減圧下に、HFP430gを導入し、引き続きVDF/HFP=95.5/4.5モル%のフッ素含有単量体の混合物(以下、フッ素含有単量体の混合物を「混合モノマー」という)を導入して槽温80℃で6MPaまで昇圧した。2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液13gを圧入したところ圧力の低下が見られるので、槽内圧力を6MPaに保つように、VDF/HFP=95.5/4.5モル%の混合モノマーを連続的に供給した。3時間反応を継続し、1400gの水性乳濁液を得た。
得られた水性乳濁液は、固形分濃度が28.8質量%、平均粒子径が148nm、未反応のRS−1は検出されなかった(検出限界1ppm)。
得られた水性乳濁液に塩酸を加え、凝析、洗浄、120℃で12時間乾燥して目的とする含フッ素エラストマー重合体を回収した。
得られた含フッ素エラストマー重合体は、組成がVDF/HFP/RS−1=77.3/22.6/0.1モル%(59.2/40.4/0.4質量%)であり、100℃におけるムーニー粘度が52.5であった。
実施例2
実施例1において、含フッ素ビニル基含有乳化剤をパーフルオロ(6,6−ジハイドロ−2−トリフルオロメチル−3−オキサ)−5−ヘキセン酸のアンモニウム塩[RS−2]0.07gに変更した以外は、実施例1と同様にして、3時間重合を行い、1370gの水性乳濁液を得た。
この水性乳濁液の固形分濃度は、28.6%、平均粒子径は、130nmであった。
実施例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を経て得られた水性乳濁液の凝析洗浄乾燥物は、組成がVDF/HFP=78.4/21.6モル%(60.8/39.2質量%)であり、100℃におけるムーニー粘度が63.1であった。
実施例3
実施例1において、含フッ素ビニル基含有乳化剤をパーフルオロ(5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサ)−8−ノネン酸のアンモニウム塩[RS−3]0.10gに変更した以外は、実施例1と同様にして、3.5時間重合を行い、1384gの水性乳濁液を得た。この水性乳濁液の固形分濃度は、27.8%、平均粒子径は、237nmであった。
実施例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を経て得られた凝析洗浄乾燥物(含フッ素エラストマー重合体)は、組成がVDF/HFP=77.6/22.4モル%(59.6/40.4質量%)であり、100℃におけるムーニー粘度が62.6であった。
比較例1
実施例1において、RS−1の代わりにパーフルオロオクタン酸のアンモニウム塩[APFO]を使用した以外は、実施例1と同様にして、2.8時間反応を行い1245gの水性乳濁液を得た。
得られた水性乳濁液は、固形分濃度が27.7質量%、平均粒子径が234nmであった。
実施例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を経て得られた凝析洗浄乾燥物は、組成がVDF/HFP=77.9/22.1モル%であり、100℃におけるムーニー粘度が46であった。
試験例1
実施例1から得られた含フッ素エラストマー共重合体及び比較例1から得られた含フッ素共重合体に、表1に示す成分を配合し、定法によりゴムロールで均一に配合し加硫組成物を調製し、キュラストメーターにて、加硫性を評価した。また表1に示す条件で組成物を加硫し、成形体の物性を測定した。
試験条件は、引張強さ、伸び、引張応力、圧縮永久歪みはJIS K−6301に準拠、ショアー硬度はASTM D−2240に準拠した。また加硫性は、キュラストメーター(JSRII型)を用いて170℃で加硫性を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004834971
表1中、T10は誘導時間、T90は適正加硫時間、μは、加硫度を表す。
実施例1から得られた含フッ素エラストマー共重合体は、比較例1から得られた含フッ素共重合体より加硫速度(T10、T90)が高く、更に、得られた加硫成形体は圧縮永久歪みが小さいという優れた特性を示した。
本発明の含フッ素エラストマー重合体の製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、簡易であり、また、得られる含フッ素エラストマー重合体は、成形加工時において加硫速度が早く、また架橋密度が高いことに加え、更に、得られる含フッ素エラストマー重合体成形体は圧縮永久歪みが小さいという優れた特性を示す。

Claims (12)

  1. 含フッ素ビニル基含有乳化剤と連鎖移動剤との存在下に水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなる含フッ素エラストマー重合体の製造方法であって、
    前記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物からなるものであり、
    前記親水基は、−SO M又は−COOM(Mは、H、NH 又はアルカリ金属を表す。)である
    ことを特徴とする含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  2. 分子中にラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する化合物は、下記一般式(1)
    CR=CR(CR−(O)−R−Y (1)
    [式中、R、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、Hで置換されていてもよいパーフルオロアルキル基、H、F、Cl、Br又はIを表し、Rは、主鎖に酸素原子を有していてもよくHの全部若しくは一部がFで置換された直鎖又は分岐のフルオロアルキレン基を表し、jは、0〜6の整数を表し、kは、0又は1の整数を表し、Yは、−SO M又は−COOM(Mは、H、NH 又はアルカリ金属を表す。)を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(1)である請求項1記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  3. 含フッ素ビニル基含有乳化剤と連鎖移動剤との存在下に水性媒体中においてフッ素含有単量体を重合することよりなる含フッ素エラストマー重合体の製造方法であって、
    前記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、下記一般式(I)
    CF=CF−(CF−Y (I)
    [式中、aは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(I)、下記一般式(II)
    CF=CF−(CFC(CF)F)−Y (II)
    [式中、bは、1〜5の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(II)、下記一般式(III)
    CF=CFO−(CF−Y (III)
    [式中、cは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(III)、下記一般式(IV)
    CF=CF(CF−O−(CFCFXO)−(CF−Y (IV)
    [式中、Xは、F又は−CFを表し、dは、0〜2の整数を表し、eは、1〜10の整数を表し、fは、1〜3の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(IV)、下記一般式(V)
    CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)Y (V)
    [式中、gは、0〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(V)、下記一般式(VI)
    CF=CF(CFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (VI)
    [式中、hは、1〜6の整数を表し、iは、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VI)、下記一般式(VII)
    CH=CH(CFp1−Y (VII)
    [式中、p1は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VII)、及び/又は、下記一般式(VIII)
    CF=CFO−(CH−(CFp2−Y (VIII)
    [式中、qは、1〜4の整数を表し、p2は、1〜10の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)からなるものである
    ことを特徴とする含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  4. 含フッ素エラストマー重合体は、フッ化ビニリデン系共重合体である請求項1、2又は3記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  5. 含フッ素エラストマー重合体は、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体である請求項1、2又は3記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  6. 含フッ素エラストマー重合体は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロビニルエーテル系共重合体である請求項1、2又は3記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  7. 含フッ素ビニル基含有乳化剤は、含フッ素ビニル基含有化合物(I)、含フッ素ビニル基含有化合物(III)、含フッ素ビニル基含有化合物(IV)、含フッ素ビニル基含有化合物(V)、含フッ素ビニル基含有化合物(VI)、含フッ素ビニル基含有化合物(VII)、及び/又は、含フッ素ビニル基含有化合物(VIII)からなるものである請求項3、4、5又は6記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  8. 含フッ素ビニル基含有乳化剤は、下記一般式(i)
    CH=CFCFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (i)
    [式中、kは、0〜3の整数を表し、Yは、−SOM又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。]で表される含フッ素ビニル基含有化合物(i)からなるものである請求項7記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  9. 含フッ素ビニル基含有乳化剤は、水性媒体の1ppm以上、10質量%以下の量で添加する請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  10. 連鎖移動剤は、炭素数1〜6の飽和炭化水素又は炭素数1〜4のアルコール、炭素数4〜8のカルボン酸エステル化合物、炭素数1〜2の塩素置換炭化水素、炭素数3〜5のケトン、炭素数10〜12のメルカプタンである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  11. フッ素含有単量体の重合は、含フッ素界面活性剤の不存在下に行う請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法。
  12. 含フッ素エラストマー重合体からなる粒子が水性媒体中に分散している含フッ素エラストマー重合体水性分散液であって、
    前記含フッ素エラストマー重合体は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の含フッ素エラストマー重合体の製造方法により製造された含フッ素エラストマー重合体であり、
    前記含フッ素エラストマー重合体水性分散液は、含フッ素ビニル基含有乳化剤を含有するか又は含有しないものであり、
    前記含フッ素ビニル基含有乳化剤は、前記含フッ素エラストマー重合体水性分散液の1000ppm未満である
    ことを特徴とする含フッ素エラストマー重合体水性分散液。
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