JP4834817B2 - 原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子間力顕微鏡(AFM=Atomic Force Microscopy)、特に周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡(FM−AFM=Frequency Modulation-AFM)と、原子力顕微鏡を用いて探針が試料表面の近傍にある場合に両者の間に作用する短距離相互作用力を測定するための相互作用力測定方法に関する。
原子間力顕微鏡(AFM)は、先鋭な探針と試料表面との間に作用する力をカンチレバーの変位から測定し、探針を試料表面に沿って一次元的又は二次元的に走査することで試料表面の形状等の情報を取得する装置である。このAFMの1つとして周波数変調検出方式のFM−AFMが知られている。FM−AFMでは、試料表面に原子レベルの距離まで近づけた探針を保持するカンチレバーをその機械的共振周波数で以て振動させ、探針と試料表面との間に働く相互作用力によって生じる共振周波数の変化(周波数シフトΔf)を検出する。この周波数シフトΔfは探針と試料表面との距離Zに依存するため、周波数シフトΔfを一定に維持しながら、試料表面を試料上の法線方向に直交する面内で二次元走査(例えばラスタースキャン)することにより、試料表面の凹凸観察像(Δf一定像)を得ることができる。
後述するように探針と試料表面との間の相互作用力から様々な情報を得ることが可能であるものの、FM−AFMでは相互作用力を直接的に実験により求めることはできない。そこで、上述のように周波数シフトΔfと探針−試料表面間距離Zとの関係(以下「Δfカーブ」という)を測定し、例えば非特許文献1乃至3などに記載されている理論に基づく変換計算を行うことで、相互作用力Fと探針-試料表面間距離Zとの関係(以下「Fカーブ」という)を求めるようにする。また相互作用力Fはポテンシャルの勾配であるという関係を利用して、Fカーブから探針-試料表面間のポテンシャルエネルギーカーブを推定することもできる。
探針と試料表面との間の相互作用力には、大別して、主として距離Zが数nmから数十nmである範囲で働く遠距離相互作用力(FLR=Long-Range Force)と、距離Zが1nm以下のごく近傍で働く短距離相互作用力(FSR=Short-Range Force)とがあり、この両者の和が全相互作用力(Ftotal=Total Force)として働く。遠距離相互作用力FLRとしては、探針と試料表面との間のファン・デル・ワールス力Fvdwや、探針と試料表面との間の接触電位差に起因する静電気力Feleなどが挙げられる。一方、短距離相互作用力FSRとしては、例えば半導体原子間に働く共有結合力などが挙げられる。短距離相互作用力FSRは、試料表面の原子分解能での凹凸観察に寄与するだけでなく、探針先端の原子レベルの構造を反映することが知られており(非特許文献4参照)、また原子種の短距離相互作用力FSRの相違から原子種の同定に利用できることも報告されている(非特許文献5参照)。
こうしたことから、原子レベルでの試料に関する様々な情報を得るために、短距離相互作用力FSRを高い精度で測定できる技術が近年、求められている。原子間力顕微鏡を利用して、試料表面に存在する目的原子上で作用する短距離相互作用力FSRを測定するための従来の一般的な手順(非特許文献6参照)を概略的に説明する。図14はこの手順を示すフローチャート、図15はΔfカーブ及びFカーブの一例を示すグラフである。
まず、探針と試料表面との間の接触電位差を計測し、この接触電位差を補償するようなバイアス電圧を探針と試料表面との間に印加することで静電気力Feleが無視できる状態とする(ステップS11)。遠距離相互作用力FLRはファン・デル・ワールス力Fvdwと静電気力Feleとが支配的であるため、静電気力Feleがないものとみなせる状態では、遠距離相互作用力FLRはファン・デル・ワールス力Fvdwが主であるとすることができる。
次に、原子間力顕微鏡を用い、遠距離相互作用力FLRのみが探針−試料表面間に働く原子欠陥(Defect)上でΔfカーブを取得する。Δfカーブは図15(a)に示すように、横軸に探針-試料表面間距離Zをとり、縦軸に周波数シフトΔfをとった図である。探針と試料表面との間に働く相互作用力が引力である場合には、周波数シフトΔfは負の値となり、距離Zを大きくしてゆくに従い0に漸近する。原子欠陥上でのΔfカーブをΔfDefectカーブとする(ステップS12)。原子欠陥の位置は試料表面のFM−AFM凹凸観察像から視覚的に認識することができる。ここで、例えば非特許文献2に記載の、ΔfカーブからFカーブへの変換理論を適用するためには、周波数シフトΔfがほぼ0となるような十分に遠い距離までの範囲のΔfカーブを測定する必要がある。この距離は一般的に数十nm程度である。
上記公知の変換理論に基づいて周波数シフトΔfから相互作用力Fへの変換演算を行い、ΔfDefectカーブから原子欠陥上での相互作用力と探針−試料表面間の距離Zとの関係を示すFDefectカーブを得る(ステップS13)。Fカーブは図15(b)に示すように、横軸に探針-試料表面間距離Zをとり、縦軸に相互作用力Fをとった図である。
試料表面を平面、探針の先端を球であると仮定したファン・デル・ワールス力モデル等を用い、FDefectカーブに対しフィッティングを行い、仮定したモデルの妥当性を確認する。これにより、遠距離相互作用力FLRのフィッティングカーブが決定される(ステップS14)。但し、実際には、短距離相互作用力FSRのみを求めるのが目的である場合には、遠距離相互作用力FLRのフィッティングカーブを求める必要はなくFDefectカーブをそのまま用いてもよい。
続いて、原子間力顕微鏡を用いて、目的とする原子上でΔfカーブを取得する。このΔfカーブは短距離相互作用力FSRと遠距離相互作用力FLRとの両方を反映したものである。このΔfカーブをΔfAtomカーブとする(ステップS15)。目的原子の位置も試料表面のFM−AFM凹凸観察像から決めることができる。このΔfAtomカーブも上記ΔfDefectカーブと同様に数十nm程度までの範囲での測定を必要とする。
ステップS13と同様に上記変換理論に基づいて周波数シフトΔfから相互作用力Fへの変換を行い、ΔfAtomカーブから、目的原子上での相互作用力と探針-試料表面間の距離Zとの関係を示すFAtomカーブを得る(ステップS16)。
Atomカーブは遠距離相互作用力と短距離相互作用力との和を反映したものであるので、FAtomカーブからステップS14で求めた遠距離相互作用力FLRのフィッティングカーブ(又はFDefectカーブ)を差し引くことでFSRカーブを算出し、このFSRカーブから目的原子上での短距離相互作用力FSRを求める(ステップS17)。
しかしながら、上述した従来の短距離相互作用力FSRの算出方法には次のような幾つかの問題点がある。
(1)例えば半導体表面とシリコン製の探針との間の接触電位差は通常±1V程度であり、上記ステップS11では、これに相当するような適当なバイアス電圧を探針−試料表面間に印加することにより静電気力Feleを実験的に最小にするようにしている。しかしながら、このようにバイアス電圧を印加しても静電気力Feleが完全にゼロになるとは限らないため、その影響が無視できず精度を低下させる可能性がある。また、イオン結晶のような絶縁性試料の場合には探針先端と試料表面との間にバイアス電圧を印加することが困難であるために、接触電位差の補償が実質的に不可能である。
(2)多くのFM−AFMでは、探針−試料表面間の微小な距離の制御を行うために圧電素子(ピエゾ素子)が使用されている。その場合、長い距離範囲のΔfカーブを取得するためには圧電素子への印加電圧を大きく変化させる必要があるが、そうすると圧電素子のクリープ(印加電圧を一定に維持しても緩やかな変位が生じる現象)が問題となり易く、位置制御の精度の低下が懸念される。また、長い距離範囲のΔfカーブを取得するには測定に時間が掛かり、熱による探針や試料の膨張に伴う探針−試料表面間距離のドリフトの影響が顕著になる。こうしたことから、Δfカーブを測定すべき距離範囲はできるだけ狭いことが望ましい。
(3)非特許文献2に記載の手法を用いたΔfカーブからFカーブへの変換を行う際には、コンピュータの演算速度にも依るが数分から数十分の演算時間を要する。例えば米国インテル社製のXeon 3GHzデュアルプロセッサを搭載したワークステーションを用いた場合、1024ポイントのΔfカーブからFカーブへの変換を行うのに5分以上の時間が掛かる。上記の従来方法では、こうした時間の掛かる計算をステップS13及びS16の2回行う必要があり、これが解析時間を一層長くすることになる。特に、或る1点だけの短距離相互作用力を求める場合であればよいが、複数点の短距離相互作用力を求めたいような場合には非常に時間が掛かり実用性に乏しい。
デュリング(U. Durig)、「エクストラクティング・インタラクション・フォーシズ・アンド・コンプリメンタリー・オブザーバブルズ・イン・ダイナミック・プローブ・マイクロスコピー(Extracting interaction forces and complementary observables in dynamic probe microscopy)」、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters) vol. 76(2000), pp. 1203 ギエシブル(F. J. Giessibl)、「ア・ダイレクト・メソッド・トゥー・カルキュレイト・ティップ-サンプル・フォーシズ・フロム・フリクエンシー・シフツ・イン・フリクエンシー-モデュレーション・アトミック・フォース・マイクロスコピー(A direct method to calculate tip-sample forces from frequency shifts in frequency-modulation atomic force microscopy)」、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters) vol. 78(2001), pp. 123 サダール(John E. Sader)ほか1名、「アキュレイト・フォーミュラーズ・フォー・インタラクション・フォース・アンド・エナジー・イン・フリクエンシー・モデュレーション・フォース・スペクトロスコピー(Accurate formulas for interaction force and energy in frequency modulation force spectroscopy)」、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters) vol. 84(2004), pp. 1801 大藪(Noriaki Oyabu)ほか7名、「シングル・アトミック・コンタクト・アドヒージョン・アンド・ディシペイション・イン・ダイナミック・フォース・マイクロスコピー(Single Atomic Contact Adhesion and Dissipation in Dynamic Force Microscopy)」、フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters) vol. 96(2006), pp. 16101 杉本(Yoshiaki Sugimoto)ほか6名、「リアル・トポグラフィー,アトミック・リラクゼイション, アンド・ショート-レンジ・ケミカル・インタラクションズ・イン・アトミック・フォース・マイクロスコピー:ザ・ケース・オブ・ジ・α-Sn/Si(111)-(√3×√3)R30°・サーフェス(Real topography, atomic relaxations, and short-range chemical interactions in atomic force microscopy: The case of the α-Sn/Si(111)-(√3×√3)R30° surface)」、フィジカル・レビューB(Physical Review B) vol. 73(2006), pp. 205329 ランツ(M. A. Lantz)ほか7名、「クォンティテイティブ・メジャーメント・オブ・ショート-レンジ・ケミカル・ボンディング・フォーシズ(Quantitative Measurement of Short-Range Chemical Bonding Forces)」、サイエンス(Science) vol. 291(2001), pp. 2580
本発明は上記のような様々な課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、Δfカーブを測定する距離範囲を狭くするとともにその測定に要する時間を短縮化して圧電素子のクリープや熱の影響を軽減することができる原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、高性能のコンピュータを利用しても時間を要していた演算時間を短縮化することによりスループットを向上させ、特に試料表面上の多数点の短距離相互作用力を容易に得ることを可能とした原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法を提供することにある。
本願発明者は、過去の研究に基づく技術的な検討と考察の結果、周波数シフトΔfが、遠距離相互作用力FLRに由来する周波数シフトΔfLRと短距離相互作用力FSRに由来する周波数シフトΔfSRとの単純な線形結合で表すことができるとの新たな知見を得た。この知見によれば、或る原子上の短距離相互作用力を求める作業は、従来行われているように、目的原子上と原子欠陥上とで得られた2つのΔfカーブをそれぞれ独立に変換して2つのFカーブを求め、この2つのFカーブの差を計算するという手順を踏まず、2つのΔfカーブの段階で差を計算し、その結果得られた1つの差のΔfカーブを変換して1つのFカーブを求める、という手順で済ますことができる。
即ち、本発明に係る原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法は、試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡を用いて、試料表面の原子と探針先端との間に働く短距離相互作用力を測定する測定方法であって、
a)試料表面の目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量(周波数シフト)Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定ステップと、
b)試料表面の原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定ステップと、
c)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算ステップと、
d)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算ステップと、
を有することを特徴としている。
目的原子上で得られるΔfカーブは、遠距離相互作用力に由来する周波数シフトΔfLRと短距離相互作用力に由来する周波数シフトΔfSRとの和を反映したものであり、一方、原子欠陥上では短距離相互作用力は働かないため遠距離相互作用力に由来する周波数シフトΔfLRのみを反映したものであると考えることができる。したがって、両Δfカーブの差をとった差分Δfカーブは短距離相互作用力に由来する周波数シフトΔfSRのみを反映したものである。この差分ΔfカーブをFカーブに変換する際に既に遠距離相互作用力の影響はないものとみなせるので、変換理論を適用するために、短距離相互作用力が働く距離範囲で差分Δfカーブが得られていれば十分である。
こうしたことから、上記原子上測定ステップ及び上記欠陥上測定ステップでは、最大で1nm以下の距離Zの範囲のΔfカーブを求めるようにすればよい。実際には、1nmまで必要とされることは少なく、0.5nm以下の距離Zの範囲のΔfカーブであれば十分であることが多い。したがって、Δfカーブを測定すべき距離範囲は従来方法に比べてかなり狭くて済む。
上記目的原子や原子欠陥はFM−AFMで得られる凹凸観察像で視覚的に確認することができる。そこで、上記のような方法で短距離相互作用力を求めるための目的原子の位置や原子欠陥の位置については、ユーザーが凹凸観察像を見ながら手動で指定する方法と、例えば画像認識などを利用して凹凸観察像から自動的に抽出する方法とが考えられる。
即ち、上記発明に係る相互作用力測定方法を実施する、本発明に係る原子間力顕微鏡の第1の態様は、試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成して表示する凹凸観察像取得手段と、
b)前記凹凸観察像取得手段により表示された凹凸観察像上で少なくとも1つの目的原子及び1つの原子欠陥をユーザーが指定するための指定手段と、
c)試料表面にあって前記指定手段により指定された目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量(周波数シフト)Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
d)試料表面にあって前記指定手段により指定された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
を備えることを特徴としている。
この第1の態様の原子間力顕微鏡によれば、試料表面上における任意の位置にある目的原子についての短距離相互作用力を求めることができる。また、原子欠陥上では遠距離相互作用力のみが働くが、一般に遠距離相互作用力は数十〜数百nm(或いはそれ以上)の距離で影響を受けるため、Δfカーブを測定する目的原子と原子欠陥の位置が互いに離れていると、試料表面の凹凸又は形状などの影響で、働く遠距離相互作用力に違いが生じることがあり得る。これに対し、上記態様の原子間力顕微鏡によれば、ユーザーが自らの判断で目的原子に最も又は相対的に近接した原子欠陥を選択して測定に供することができる。したがって、高い精度で以て短距離相互作用力を算出することができる。
また上記発明に係る相互作用力測定方法を実施する、本発明に係る原子間力顕微鏡の第2の態様は、試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成する凹凸観察像取得手段と、
b)前記凹凸観察像を画像解析することで少なくとも1つの目的原子及び1つの原子欠陥を抽出する抽出手段と、
c)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量(周波数シフト)Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
d)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
を備えることを特徴としている。
この第2の態様の原子間力顕微鏡では、所定範囲内に含まれる全て又は一部の原子について順次、前記短距離相互作用力を求めることで該所定範囲内の前記短距離相互作用力の分布を示す情報を作成する分布情報作成手段を備える構成としてもよい。
この第2の態様の原子間力顕微鏡によれば、個々の原子の1個ずつについて自動的に短距離相互作用力を求めることができるので、例えば原子直上での力の相違を調べたり、或る範囲内に含まれる全ての原子直上の力のマッピング図を作成したりすることが容易に行える。
なお、上述したように原子上のΔfカーブ測定の位置と原子欠陥上のΔfカーブ測定の位置とは近いほうが望ましいから、上記抽出手段は、任意の目的原子に対し最も近接する原子欠陥を選択する等、目的原子と原子欠陥との抽出に際し条件を課すようにするとよい。
さらにまた上記発明に係る相互作用力測定方法を実施する、本発明に係る原子間力顕微鏡の第3の態様は、試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成する凹凸観察像取得手段と、
b)試料表面にあって決められた位置での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量(周波数シフト)Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
c)前記凹凸観察像を画像解析することで前記原子上測定実行手段により測定が行われる又は測定が行われた位置に近接する原子欠陥を抽出する抽出手段と、
d)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより前記位置における短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
を備えることを特徴としている。
この第3の態様の原子間力顕微鏡では、原子の直上における短距離相互作用力を求めるのではなく、試料表面上で予め決められた位置(例えば試料上の法線に直交する面内で2軸方向のそれぞれに所定間隔毎に設定された位置など)における短距離相互作用力を求める。したがって、厳密には原子上でのΔfカーブを測定しているとは限らず、原子欠陥上である可能性もあるし、原子の上ではあっても直上ではない可能性も高い(但し、ここでは原子欠陥上である確率は低いので、便宜上、「原子上Δfカーブ」を測定しているということとする)。
この第3の態様の原子間力顕微鏡の場合、所定範囲内に複数設定された各位置について順次、前記短距離相互作用力を求めることで該所定範囲内の前記短距離相互作用力の分布を示す情報を作成する分布情報作成手段を備える構成とするのが好ましい。
第3の態様の原子間力顕微鏡では、例えば試料表面上に仮想的に描いた格子の交点の位置の短距離相互作用力のマッピング図を作成することが容易に行える。これにより、試料の表面構造をより詳しく調査することができる。
本発明に係る原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法によれば、遠距離相互作用力の一要素である静電気力の影響は計算の過程で消失するので、静電気力の影響を無視するための、つまりは探針−試料表面間の接触電位差を補償するためのバイアス電圧を印加する必要がない。したがって、例えば絶縁性の試料のようにバイアス電圧を印加することが困難であるような試料でも、静電気力の影響を受けずに短距離相互作用力を求めることができる。
また、従来、目的原子上及び原子欠陥上でそれぞれ、数nmから数十nmの距離範囲でのΔfカーブを求める必要があったが、本発明によれば、0.5nmからたかだか1nm程度の距離範囲でのΔfカーブを測定すればよくなる。この結果、探針を振動させるための圧電素子に印加する電圧の変化量が小さくて済み、圧電素子のクリープを減らして距離制御の精度を高めることができる。それに伴い、探針が試料表面に接触して探針が破損するような事故も抑止できる。また、Δfカーブの測定の所要時間も短縮できるので、測定中の探針−試料表面間の距離の熱ドリフトの影響も抑えることができる。
さらにまた、従来、ΔfカーブからFカーブへの変換の演算処理が2回必要であったが、本発明によればこの演算処理が1回で済む。この演算処理に要する時間は比較的長いため、演算処理回数が半分で済むことで結果を得るまでの時間を短縮することができる。この時間短縮効果と上記のようにΔfカーブの測定自体の所要時間の短縮効果とを合わせて、スループットの改善を図ることができる。
また、測定のスループットの向上や解析が容易になることから、試料表面上の短距離相互作用力の二次元的なマッピング測定や、短距離相互作用力から求まるポテンシャルの二次元的なマッピング測定も行い易くなる。
本発明の一実施形態である原子間力顕微鏡を用いた短距離相互作用力測定方法の手順を示すフローチャート。 図1に示した測定方法を説明するための概念図。 試料表面の原子上及び原子欠陥上でのΔfカーブの測定結果の一例を示す図。 Si(111)7×7再構成表面の超高真空中におけるFM−AFM凹凸観察画像。 図4の試料のアドアム上のΔfカーブ、コーナホール上のΔfカーブ及び両者の差によるカーブを示す図。 本発明の測定方法により求めた短距離相互作用力と従来方法で求めた短距離相互作用力との比較のための図。 静電気力の有無による短距離相互作用力の算出結果の相違を説明するためΔfカーブを示す図。 静電気力の有無による短距離相互作用力の算出結果の相違を説明するためFカーブを示す図。 本発明の一実施例である原子間力顕微鏡の概略構成図。 図9に示した原子間力顕微鏡を利用した短距離相互作用力測定動作を説明するための図。 本発明の他の実施例である原子間力顕微鏡の概略構成図。 図11に示した原子間力顕微鏡を利用した短距離相互作用力測定動作を説明するための図。 さらに他の実施例による原子間力顕微鏡を利用した短距離相互作用力測定動作を説明するための図。 原子間力顕微鏡を用いた従来の短距離相互作用力測定方法の手順を示すフローチャート。 原子間力顕微鏡を用いた従来の短距離相互作用力測定方法を説明するためのΔfカーブ及びFカーブを示す図。
符号の説明
1…カンチレバー
2…探針
3…圧電素子
4…加振制御部
5…試料支持台
6…垂直位置走査部
7…水平位置走査部
8…変位検出部
9…FM復調部
10…垂直位置制御部
11…水平位置制御部
12…主制御部
13…操作部
14…表示部
15…画像処理部
16…相互作用力算出処理部
17…原子/欠陥識別処理部
まず、本発明に係る短距離相互作用力の測定方法の原理を説明する。前述のように、原子間力顕微鏡において探針先端と試料表面との間に働く総合的な相互作用力Ftotalは短距離相互作用力FSRと遠距離相互作用力FLRとの和で表せることが知られている。また、遠距離相互作用力FLRは通常、ファン・デル・ワールス力Fvdwと静電気力Feleとが支配的あり、これら2つの力の和で表すことができる。したがって、次の(1)式が成り立つ。
一方、周波数シフトΔfと相互作用力Fとの関係は、非特許文献3によると次の(2)式で表される。
ここで、aは探針を保持するとともに振動させるカンチレバーの振動振幅、kはカンチレバーのばね定数、f0は共振周波数である。いま、この(2)式のFに(1)式のFtotalを代入すると、次の(3)式となる。
この(3) 式で、次の(4)、(5)式のようにおけば、
(3)式は次の(6)式に書き換えることができる。
(6)式は、周波数シフトΔfが、遠距離相互作用力FLRに由来する周波数シフトΔfLRと短距離相互作用力FSRに由来する周波数シフトΔfSRとの線形結合で表されることを意味している。
一方、周波数シフトΔfから相互作用力Fへの変換式は、上記非特許文献2において次の(7)式で示されている。
但し、ここで、Ω(z)=Δf(z)/f0
この(7)式に次の(8)式を代入すれば、(9)式が得られる。
(4)式、(5)式の関係から、(9)式において右辺第1項が短距離相互作用力FSR、右辺第2項が遠距離相互作用力FLRに対応することが分かる。
以上のことから、短距離相互作用力FSRは、ΩSR(z)=ΔfSR/f0から求められることが分かる。
具体的に、本発明の一実施形態による測定方法では、図1に示すフローチャートに従った手順で短距離相互作用力FSRを求める。図2はこの測定方法を説明するための、探針を保持するカンチレバー及び試料表面付近の模式図である。
まず、FM−AFMにより、図2(a)に示すように短距離相互作用力FSRが働かない原子欠陥上でのΔfカーブ(ΔfDefectカーブ)を取得する(ステップS1)。具体的には、探針2の先端と試料Sの表面との間の距離Zを殆ど0に近い状態(例えば0.1nm程度)から1nm程度までの範囲で少しずつ変化させたときの共振周波数fの変化量、つまり周波数シフトΔfを測定する。その結果、例えば図3中に実線で示すようなΔfDefectカーブが得られる。
次に、同じFM−AFMにより、図2(b)に示すように、遠距離相互作用力FLRと短距離相互作用力FSRとの両方が働く目的原子上でのΔfカーブ(ΔfAtomカーブ)を取得する(ステップS2)。その手法は測定位置が異なるほかは、ΔfDefectカーブの取得時と同じである。その結果、例えば図3中に一点鎖線で示すようなΔfAtomカーブが得られる。
ΔfDefectカーブは遠距離相互作用力FLRに由来する周波数シフトΔfLRであり、ΔfAtomカーブは遠距離相互作用力FLRに由来する周波数シフトΔfLRと短距離相互作用力FSRに由来する周波数シフトΔfSRとの和ΔfLRΔf SR である。したがって、ΔfDefectカーブとΔfAtomカーブとの差は短距離相互作用力FSRに由来する周波数シフトΔfSRとなる筈である。そこで、ΔfAtomカーブからΔfDefectカーブを差し引いて差分カーブを求める(ステップS3)。この差分カーブは短距離相互作用力FSRのみに由来するものであるとみなせるからΔfSRカーブであり、これから上述の例えば非特許文献2に基づく理論に従った変換演算を実行して、相互作用力Fカーブを得る。そして、このFカーブから目的原子上の短距離相互作用力FSRを求める(ステップS4)。例えば、後述のようにFカーブには明確な最小値が存在するから、その最小値を短距離相互作用力FSRとすることができる。
上記手順に従った測定方法による具体的な測定結果の一例を、従来の測定方法と比較して説明する。
測定対象である試料表面としてSi(111)7X7再構成表面を用いた。図4は超高真空中における上記試料表面のFM−AFM凹凸観察像である。走査範囲は8nm×8nmである。試料表面(1層目)には12個のSiアドアトム原子(吸着した原子)から成る菱形のユニットセルが存在し、そのユニットセルの四隅にはコーナーホールと呼ばれる原子欠陥が見られる。
この試料表面について、探針−試料表面間の接触電位差を測定したところ、22.5mVと非常に小さかった。そこで探針−試料表面間に印加するバイアス電圧は0とした(なお、本発明による測定方法ではバイアス電圧の印加は不要であるが、従来方法での測定も同時に行うためにバイアス電圧を考慮した)。その条件の下で、短距離相互作用力FSR及び遠距離相互作用力FLRに由来するΔfカーブとして図4中のアドアトム原子上でのΔfAtomカーブを取得するとともに、遠距離相互作用力FLRのみに由来するΔfカーブとして図4中のコーナーホール上でのΔfDefectカーブを取得した。こうして得た2つのΔfカーブ(ΔfAtomカーブ及びΔf Defect カーブ)と両者の差のカーブを図5に示す。上述のようにこの差分カーブはΔfSRカーブであるから、これに上記の変換処理を施してFSRカーブを算出した。
一方、従来方法では図14のフローチャートに示したように、ΔfDefectカーブとΔfAtomカーブとをそれぞれ変換処理してFDefectカーブとFAtomカーブを求め、FDefectカーブについてフィッティングを行ってFLRフィッティングカーブを求めた。図6に本発明により求めたFSRカーブと従来方法により求めたFSRカーブとを示す。このとき、それぞれの短距離相互作用力FSRの最小値は本発明で−2.31nN、従来方法で−2.45nNと求まり、両者の差は6%に過ぎない。この結果から、本発明によれば従来方法で得られる結果とほぼ同じ結果を得られることが分かる。
上記測定例は、探針−試料表面間の接触電位差が非常に小さいことから静電気力Feleが無視できる状態であると考えられる。そこで静電気力Feleが無視できない状態である場合を想定するために、探針−試料表面間に擬似的に静電気力を加えるべく試料にバイアス電圧を印加した状態での測定を行った。
図7には、バイアス電圧が0Vである場合とバイアス電圧を−500mVとした場合でのそれぞれの差分Δfカーブを示す。差分Δfカーブはよい一致をしていることが分かる。また、図8はその2つの差分Δfカーブをそれぞれ相互作用力に変換して求めたFSRカーブである。バイアス電圧が0Vであるときの短距離相互作用力FSRの最小値は−2.31nN、バイアス電圧が−500mVであるときの短距離相互作用力FSRの最小値は−2.41nNであってその差は4%にすぎず、よく一致していることが分かる。即ち、探針−試料表面間に無視できない程度の静電気力が存在する場合であっても、その静電気力を補償するようなバイアス電圧印加を行うことなく高い精度で短距離相互作用力FSRを求めることができる。また、図7及び図8から、差分Δfカーブ及びFSRカーブはいずれも距離Zが1nm以上ではほぼ0であることから、本発明の測定方法では、1nm程度以下の距離範囲でΔfカーブの測定を行えば十分であることが分かる。
次に本発明に係る短距離相互作用力測定方法を利用したFM−AFMの一実施例を図9、図10により説明する。図9は本実施例によるFM−AFMの概略ブロック構成図、図10は測定動作を説明するための図である。
図9において、その長さが例えば100〜200μmの微小な板ばねのようなカンチレバー1の一端には探針2が設けられ、カンチレバー1の他端には加振部としての圧電素子3が取り付けられている。圧電素子3は加振制御部4から印加される電圧により微小変位し、これによりカンチレバー1をその共振周波数で以て振動させる。カンチレバー1の固有の共振周波数frは、カンチレバー1のばね定数がk、探針の質量がmであるときに、おおよそfr=1/2π×√(k/m)である。
測定対象である試料Sは試料支持台5上に配置され、試料支持台5は垂直位置走査部6により垂直方向(Z軸方向)に移動自在であり、また水平位置走査部7により水平面内の2次元方向(X軸方向及びY軸方向)に移動自在である。共振周波数fr及び所定の振幅で探針2を振動させつつ試料Sの表面に近づけると、探針2と試料S表面との間に力学的な相互作用が働く。この相互作用力によってカンチレバー1の共振周波数frは変化する。この変化量、つまり周波数シフトΔfは探針2と試料S表面との間に引力が作用した場合には負の値となり、斥力が作用した場合には正の値となる。
変位検出部8は探針2の機械的な変位を検出するものであり、例えば光源と2分割(又は4分割)の光検出器と該光検出器の複数の検出信号を演算処理する演算回路とから成る。変位検出部8による変位検出信号はFM(周波数変調)復調部9に入力され、FM復調部9は変位検出信号に対しFM復調を行って共振周波数の変化量、つまり周波数シフトΔfを検出する。FM復調部9は、例えば位相同期ループ(PLL)、インダクタ及びキャパシタを用いた共振回路、各種フィルタなどにより構成することができる。
加振制御部4はカンチレバー1が上記のような共振周波数で振動するように圧電素子3に電圧を印加する。この状態で垂直位置走査部6により試料Sをz方向に移動させることで探針2の先端に試料Sを近づけると、前述のように探針2と試料Sとの間に働く力学的な相互作用によりカンチレバー1の実効的なばね定数が変化し共振周波数が変化する。この変化は探針2(カンチレバー1の一端)の変位量に現れるから、FM復調部9は変位検出部8による変位検出信号に基づいて共振周波数の変化量(周波数シフトΔf)を検出し、この検出信号を垂直位置制御部10、主制御部12及び相互作用力算出処理部16に与える。
垂直位置制御部10は垂直位置走査部6を制御することにより、z軸方向の探針2と試料Sとの間の距離Zを変化させるものである。一方、水平位置制御部11は水平位置走査部7を制御することにより、x軸及びy軸の2軸方向に試料Sを移動させることで、試料S上で探針2による測定位置を走査するものである。垂直位置制御部10及び水平位置制御部11はいずれも主制御部12により統括的に制御される。
例えば試料S上の所定の二次元領域の凹凸観察像を得る場合、垂直位置制御部10はFM復調部9から与えられる周波数シフトΔfが一定となるように垂直位置走査部6を駆動して試料支持台5をz軸方向に変位させる。同時に水平位置制御部11は、探針2による測定位置が上記所定の二次元領域内で移動するように水平位置走査部7を走査する。このときz軸方向の変位量Δzは試料Sの表面の凹凸や形状に応じた値となるから、画像処理部15は水平位置制御部11により設定される試料S上のx軸及びy軸方向の位置を示すアドレスと変位量Δzとから、凹凸観察像を作成する。これにより、例えば図10に示すような凹凸観察像を作成することができる。
相互作用力算出処理部16は、FM復調部9から与えられる周波数シフトΔf、垂直位置制御部10で設定される探針−試料表面間距離Z、及び水平位置制御部11により設定される試料S上のx軸及びy軸方向の位置を示すアドレスを受けて、上述したような所定の演算処理を行って短距離相互作用力を算出するものである。また主制御部12には、ユーザーが操作する操作部13と、二次元画像を表示可能な表示部14とが接続されている。
なお、主制御部12、画像処理部15、相互作用力算出処理部16などの機能の一部又は全ては、パーソナルコンピュータにインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより実現することができる。
この実施例によるFM−AFMにより短距離相互作用力を測定する場合には次のようにする。まず、ユーザーは操作部13により試料S上の所望の領域の凹凸観察像を取得するように指示を与える。これに応じて主制御部12は上述したように各部を制御することで、図10に示すような凹凸観察像を取得し、これを表示部14の画面上に表示させる。ユーザーはこの凹凸観察像を確認して、短距離相互作用力を調べたい目的原子の位置を例えば画面上に重畳表示された矢印P1で指示することで指定する。また、原子欠陥の位置も例えば画面上に重畳表示された矢印P2で指示することで指定する。一般的には、このとき目的原子にできるだけ近い位置にある原子欠陥を指定することが望ましい。もちろん、目的原子と原子欠陥の位置の指定は例えばx軸−y軸上のアドレス等で直接指定してもよい。
主制御部12は上記指定を受けて、まず指定された原子欠陥が探針2先端の直下に来るように水平位置制御部11を制御し、これにより水平位置走査部7が駆動されて試料Sがx−y面内で移動する。その後に、主制御部12は垂直位置制御部10により垂直位置走査部6を駆動し、探針2の先端と試料Sとの間の距離Zが例えば0.1nm程度にごく近接するように試料Sをz軸方向に移動させる。そして、その状態から距離Zを少しずつ大きくしながら(例えば1nmまで)周波数シフトΔfを検出し、距離Zと周波数シフトΔfとを相互作用力算出処理部16に読み込ませる。これにより、原子欠陥上のΔfカーブが求まる。
次に、主制御部12は指定された目的原子が探針2先端の直下に来るように水平位置制御部11を制御し、これにより水平位置走査部7が駆動されて試料Sがx−y面内で移動する。そして、上記と同様にして距離Zを例えば0.1〜1nmの範囲で少しずつ変化させながら周波数シフトΔfを検出し、距離Zと周波数シフトΔfとを相互作用力算出処理部16に読み込ませる。これにより、目的原子上のΔfカーブが求まる。
相互作用力算出処理部16は2つのΔfカーブから差分Δfカーブを計算し、この差分Δfカーブに対し変換処理を施すことでFカーブを算出し、このFカーブから短距離相互作用力を求めて表示部14に表示する。これにより、ユーザーが指定した目的原子の直上の短距離相互作用力が求まり、必要に応じて、任意の位置の原子の上の短距離相互作用力を求めることができる。
上記実施例のFM−AFMではユーザーが目視で凹凸観察像を見て目的原子や原子欠陥の位置を指定する必要があるが、それぞれの画像上の形態や色の特徴を捉えて自動的に測定位置を決める構成とすることもできる。図11はこうした他の実施例によるFM−AFMの概略ブロック構成図であり、図9と同一又は相当する構成要素には同一の符号を付してある。上記実施例と相違する主な点は、画像処理部15で形成される凹凸観察像に対し画像認識処理を実行して原子の位置と原子欠陥の位置とを自動的に識別する原子/欠陥識別処理部17を備えることである。
原子/欠陥識別処理部17は、例えば図12(a)に示すような凹凸観察像に対する処理を実行して図12(b)に示すように原子位置(原子の中心位置)及び欠陥位置を特定し、それぞれの位置のx軸−y軸のアドレスを求める。そして、主制御部12は原子/欠陥識別処理部17により指示された原子位置及び欠陥位置を用いて上述したような短距離相互作用力を算出するための測定及び演算を実行するように各部を制御する。例えば図12(b)に示した各原子位置とそれに最も近接する欠陥位置とを一組として短距離相互作用力を求める。図12(b)に示したような領域内で位置が特定された全ての原子の直上の短距離相互作用力が得られるので、これに基づいて原子直上の短距離相互作用力の分布画像(例えば等高線画像など)を作成することができる。
また、上記実施例では原子直上の短距離相互作用力を求めて例えばその分布画像の作成が可能であるが、試料上の例えば所定の二次元的な領域内で予め決められた位置の短距離相互作用力を求めてその分布画像の作成を行う構成とすることもできる。一例として図13に示すように、x軸方向にdx間隔、y軸方向にdy間隔の格子の交点を測定位置に定め、この測定位置を原子位置とみなし、その原子位置と該原子位置に最も近い欠陥位置とを一組として短距離相互作用力を求めることで、上記測定位置毎の短距離相互作用力を求めることができる。これによれば、原子直上ではなく、その直上から外れた位置(原子上部側の傾斜面上)の短距離相互作用力の分布画像を作成することができる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。

Claims (7)

  1. 試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
    a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成して表示する凹凸観察像取得手段と、
    b)前記凹凸観察像取得手段により表示された凹凸観察像上で少なくとも1つの目的原子及び1つの原子欠陥をユーザーが指定するための指定手段と、
    c)試料表面にあって前記指定手段により指定された目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
    d)試料表面にあって前記指定手段により指定された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
    e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
    f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
    を備えることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  2. 試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
    a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成する凹凸観察像取得手段と、
    b)前記凹凸観察像を画像解析することで少なくとも1つの目的原子及び1つの原子欠陥を抽出する抽出手段と、
    c)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
    d)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
    e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
    f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
    を備えることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  3. 請求項2に記載の原子間力顕微鏡であって、所定範囲内に含まれる全て又は一部の原子について順次、前記短距離相互作用力を求めることで該所定範囲内の前記短距離相互作用力の分布を示す情報を作成する分布情報作成手段をさらに備えることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  4. 試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡において、
    a)試料表面の所定領域を一次元的又は二次元的に走査しながら試料表面の凹凸観察像を形成する凹凸観察像取得手段と、
    b)試料表面にあって決められた位置での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定実行手段と、
    c)前記凹凸観察像を画像解析することで前記原子上測定実行手段により測定が行われる又は測定が行われた位置に近接する原子欠陥を抽出する抽出手段と、
    d)試料表面にあって前記抽出手段により抽出された原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定実行手段と、
    e)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算手段と、
    f)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより前記位置における短距離相互作用力を求める変換演算手段と、
    を備えることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の原子間力顕微鏡であって、所定範囲内に複数設定された各位置について順次、前記短距離相互作用力を求めることで該所定範囲内の前記短距離相互作用力の分布を示す情報を作成する分布情報作成手段をさらに備えることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  6. 試料表面に近づけた探針を保持するカンチレバーを共振周波数で振動させたときに、試料表面の原子と探針先端との間に働く相互作用によって変化する前記探針を保持するカンチレバーの振動周波数を検出する周波数変調検出方式の原子間力顕微鏡を用いて、試料表面の原子と探針先端との間に働く短距離相互作用力を測定する測定方法であって、
    a)試料表面の目的原子上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す原子上Δfカーブを測定する原子上測定ステップと、
    b)試料表面の原子欠陥上での、探針先端と試料表面との間の距離Zと前記振動周波数の共振周波数からの変化量Δfとの関係を示す欠陥上Δfカーブを測定する欠陥上測定ステップと、
    c)前記原子上Δfカーブと前記欠陥上Δfカーブとの差である差分Δfカーブを計算する差演算ステップと、
    d)前記差分Δfカーブにおける周波数変化量を相互作用力に変換する演算を行うことにより短距離相互作用力を求める変換演算ステップと、
    を有することを特徴とする、原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法。
  7. 請求項6に記載の、原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法であって、前記原子上測定ステップ及び前記欠陥上測定ステップでは、最大で1nm以下の距離Zの範囲のΔfカーブを求めることを特徴とする、原子間力顕微鏡を用いた相互作用力測定方法。
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