JP4834797B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの動力を伝達する動力伝達装置に関し、特に、モータの動力を効率良く伝達できると共に小型化を図ることができる動力伝達装置に関するものである。
従来、モータの動力を伝達する動力伝達装置として、例えば、非特許文献1には、ハイブリッド車両の駆動システムにおいて、モータからの入力回転を減速歯車により減速するリヤユニットが開示されている。
また、非特許文献2には、2つの多板クラッチを断続させることで、モータからの入力回転を遊星歯車装置により2段に変速するトランスミッションが開示されている。この非特許文献2に開示されるトランスミッションによれば、入力回転を2段に変速できるので、低速から高速までの幅広い車速範囲においてモータを効率の良い回転域で使用することが可能となり、モータの動力を効率良く伝達することができる。
K.Kondo,他2名,「ハイブリッド車用電気式4WDシステムの開発」,SAE Paper,2002年3月,No.2002−01−1043 M.Ito,他5名,「高級AWD車用ハイブリッドトランスミッションの開発」,SAE Paper,2007年10月,No.2007−01−4122
しかしながら、非特許文献1に開示されるリヤユニットでは、単に入力回転を減速するのみで変速できないので、低速から高速までの幅広い車速範囲においてモータを制御する場合には、モータを効率の良い回転域で使用することが困難となり、モータの動力を効率良く伝達することができないという問題点があった。また、入力回転を変速できないので、幅広い車速範囲においてモータを効率の良い回転域で使用するためには、高出力のモータが必要となり、その分、モータの高出力化に伴う装置の大型化を招くという問題点があった。
一方、非特許文献2に開示されるトランスミッションでは、上述した問題点は解決できるものの、多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成なので、多板クラッチを断続させるための油圧システムが必要となり、構造が複雑化すると共に装置の大型化を招くという問題点があった。また、2つの多板クラッチを断続させるタイミングが難しく、2つの多板クラッチが共に切断されると、動力の伝達が遮断され、モータの回転上昇や変速時のショックを招くと共に、2つの多板クラッチが同時に接続されると、遊星歯車装置が二重噛み合いを起こし、トランスミッションが破損する等の恐れがあった。更に、多板クラッチの接続時に熱エネルギーが放出される分、エネルギー損失が生じていた。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、モータの動力を効率良く伝達できると共に小型化を図ることができる動力伝達装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために、請求項1記載の動力伝達装置によれば、モータが正回転する場合に動力を入力軸から第1減速歯車に伝達する一方、第1減速歯車から入力軸への動力の伝達を遮断すると共に、入力軸から第1減速歯車への動力の伝達を遮断可能に構成される第1クラッチを備え、第1クラッチは、内輪および外輪にそれぞれ接する係合面を有するスプラグと、そのスプラグに付勢力を付与して内輪および外輪に係合面が接するようにスプラグを円周方向のセルフロック方向へ傾動させる付勢部材と、その付勢部材の付勢力に抗してスプラグに荷重を付与してセルフロック方向とは逆方向であって円周方向の反セルフロック方向へスプラグを傾動させる荷重付与装置とを備えている。これにより、モータが正回転している状態において第1クラッチの荷重付与装置を作動させた場合には、付勢部材の付勢力に抗してスプラグが反セルフロック方向へ傾動し、内輪および外輪へのスプラグの係合が解除されることで、入力軸から第1減速歯車への動力の伝達が遮断される。一方で、この場合には、モータの動力が入力軸から第2減速歯車に伝達されることで、第2クラッチにより第2減速歯車から伝達軸に動力が伝達され、伝達軸から出力軸に動力が伝達される。また、この場合には、出力軸に伝達された回転が第1減速歯車に伝達されるが、第2減速歯車の減速比が第1減速歯車の減速比よりも大きい構成にあっても、第1クラッチにより第1減速歯車から入力軸への動力の伝達が遮断される。
よって、第1クラッチの荷重付与装置を作動させた場合には、モータからの入力回転を第2減速歯車により減速して、第1減速歯車よりも大きい減速比で減速することができる。
これに対し、第1クラッチの荷重付与装置を非作動とした場合には、付勢部材の付勢力によりスプラグがセルフロック方向へ傾動し、内輪および外輪にスプラグが係合することで、入力軸から第1減速歯車に動力が伝達され、第1減速歯車から出力軸に動力が伝達される。また、この場合には、出力軸に伝達された回転が伝達軸に伝達されるが、第2減速歯車の減速比が第1減速歯車の減速比よりも大きく設定されているので、第2クラッチでは、スプラグが反セルフロック方向へ傾動するように内輪および外輪が回転して、伝達軸から第2減速歯車への動力の伝達が遮断される。
よって、第1クラッチの荷重付与装置を非作動とした場合には、モータからの入力回転を第1減速歯車により減速して、第2減速歯車よりも小さい減速比で減速することができる。
このように、本発明における動力伝達装置によれば、モータからの入力回転を第1減速歯車および第2減速歯車により2段に変速できるので、低速から高速までの幅広い車速範囲においてモータを効率の良い回転域で使用することが可能となり、モータの動力を効率良く伝達することができるという効果がある。
また、幅広い車速範囲においてモータを効率の良い回転域で使用することが可能となれば、高出力のモータを必要とせず、その分、モータの高出力化に伴う装置の大型化を回避して、小型化を図ることができるという効果がある。
また、従来のように多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成と比較して、多板クラッチを断続させるための油圧システムを必要とせず、構造を簡素化すると共に小型化を図ることができるという効果がある。更に、多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成の場合には、多板クラッチの接続時に熱エネルギーが放出され、エネルギー損失が生じるところ、多板クラッチを不要として、エネルギー損失を防止することができるという効果がある。
また、第1クラッチは、スプラグの傾動により動力の伝達および遮断の切り替えを行うので、スプラグの移動により切り替えを行う構成と比較して、スプラグの動作量を小さくできる分、切り替えに要する時間を短縮でき、切り替えを素早く行うことができるという効果がある。更に、切り替えを素早く行うことができれば、動力の伝達が遮断された状態から伝達されるまでの間に内輪と外輪とが空転することもなく、動力伝達時のショックを防止することができるという効果がある。
また、第2クラッチは、モータが正回転する場合に、伝達軸から第2減速歯車への動力の伝達を遮断するように構成されているので、モータが正回転している状態において、第1クラッチの荷重付与装置が作動不能になったとしても、入力軸から第1減速歯車への動力の伝達と伝達軸から第2減速歯車への動力の伝達とが同時に行われて、第1減速歯車と第2減速歯車とが二重噛み合いを起こすのを防止することができるという効果がある。
請求項2記載の動力伝達装置によれば、第1クラッチの荷重付与装置を作動させて、動力を第2減速歯車から伝達軸を介して出力軸に伝達する一方、第1クラッチの荷重付与装置を非作動として、動力を第1減速歯車から出力軸に伝達する。これにより、請求項1の効果に加え、第1クラッチの荷重付与装置の作動および非作動を切り替えることで、複雑な制御を必要とせずに入力回転を変速できるという効果がある。よって、従来のように2つの多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成と比較して、動力の伝達に途切れのないスムーズな変速を実現できると共に、第1減速歯車および第2減速歯車の二重噛み合いも防止することができる。
請求項3記載の動力伝達装置によれば、出力軸が正回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、逆動力を第1減速歯車から入力軸に伝達する第3クラッチを備えているので、請求項1又は2の効果に加え、第1クラッチの荷重付与装置の作動および非作動を切り替えなくとも、モータの動力を出力軸に伝達する動力伝達状態と、出力軸に入力される逆動力をモータに伝達する動力伝達状態とを切り替えることができるという効果がある。よって、第1クラッチの荷重付与装置を切り替える制御を不要にできると共に、動力伝達状態切り替え時のショックを防止することができる。
請求項4記載の動力伝達装置によれば、モータが逆回転している状態では、第3クラッチにより入力軸から第1減速歯車に動力が伝達され、第1減速歯車から出力軸に動力が伝達される。また、この場合には、出力軸に伝達された回転が伝達軸に伝達されるが、第2クラッチにより伝達軸から第2減速歯車への動力の伝達が遮断される。よって、請求項3の効果に加え、モータが逆回転している状態においても、動力を伝達することができるという効果がある。
また、第3クラッチは、入力軸から第1減速歯車までの動力の伝達経路上に配設されているので、モータが正回転している状態において、第1クラッチ及び第2クラッチの荷重付与装置が作動不能になったとしても、入力軸から第1減速歯車への動力の伝達と伝達軸から第2減速歯車への動力の伝達とが同時に行われることなく、第1減速歯車と第2減速歯車との二重噛み合いを防止することができるという効果がある。
請求項5記載の動力伝達装置によれば、出力軸が逆回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、第2クラッチの荷重付与装置を非作動とすることで、第3クラッチにより逆動力が第1減速歯車から入力軸に伝達されると同時に第2クラッチにより逆動力が伝達軸から第2減速歯車に伝達される。これにより、請求項4の効果に加え、出力軸が逆回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車と第2減速歯車とを二重噛み合いさせることができるという効果がある。よって、例えば、車両が登坂停止している場合に、サイドブレーキを作動させたり必要な駆動力が得られるようにモータを制御しなくとも、車両の後退を防止することができる。また、車両が登坂停止した状態から前進する場合には、モータを駆動するのみで発進することができる。
請求項6記載の動力伝達装置によれば、モータが逆回転する場合に、動力を第2減速歯車から伝達軸に伝達すると共に、出力軸が正回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、逆動力を伝達軸から第2減速歯車に伝達する第4クラッチを備えているので、請求項1の効果に加え、モータが逆回転する場合および出力軸が正回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車よりも減速比の大きい第2減速歯車により動力および逆動力を伝達することができるという効果がある。
即ち、本発明における動力伝達装置によれば、モータが逆回転する場合には、入力軸から第2減速歯車に伝達された動力が第4クラッチにより第2減速歯車から伝達軸に伝達され、伝達軸から出力軸に動力が伝達される。また、この場合には、出力軸に伝達された回転が第1減速歯車に伝達されるが、第1クラッチの荷重付与装置を作動させることで、第1減速歯車から入力軸への動力の伝達が遮断される。
また、出力軸が正回転するように出力軸に逆動力が入力される場合には、逆動力が出力軸から伝達軸に伝達されると共に、伝達軸に伝達された逆動力が第4クラッチにより伝達軸から第2減速歯車に伝達され、第2減速歯車から入力軸に逆動力が伝達される。また、この場合には、出力軸に入力された回転が第1減速歯車に伝達されるが、第1クラッチにより第1減速歯車から入力軸への動力の伝達が遮断される。
このように、本発明における動力伝達装置によれば、モータが逆回転する場合および出力軸が正回転するように出力軸に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車よりも減速比の大きい第2減速歯車により動力および逆動力を伝達することができるので、より大きい駆動力を得ることができる。また、モータを発電機としてエネルギー回生する場合には、効率良くエネルギーを回生することができる。
本発明の第1実施の形態における動力伝達装置が搭載される車両を模式的に示した模式図である。 動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第1クラッチの断面図である。 図3のIV−IV線における第1クラッチの断面図である。 図4のVで示す部分を拡大して示した第1クラッチの部分拡大断面図である。 動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第2実施の形態における動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第2実施の形態における動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第2実施の形態における動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第2実施の形態における動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。 第2実施の形態における動力伝達装置の内部構造を模式的に示した模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における動力伝達装置1が搭載される車両100を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印F−B,L−Rは、車両100の前後方向、左右方向をそれぞれ示している。
まず、車両100の概略構成について説明する。車両100は、図1に示すように、前輪101(左の前輪101FL及び右の前輪101FR)を駆動するフロントユニット110と、後輪102(左の後輪102BL及び右の後輪102BR)を駆動するリヤユニット120とを備え、前輪101及び後輪102をそれぞれ独立して駆動可能に構成されている。
フロントユニット110は、動力源としてのエンジン111及びモータ112と、それらエンジン111及びモータ112の動力を前輪101に伝達する動力伝達装置113とを主に備え、エンジン111及びモータ112の2つの動力を使い分けて前輪101を駆動可能に構成されている。
リヤユニット120は、動力源としてのモータ121と、そのモータ121の動力を後輪102に伝達する動力伝達装置1とを主に備え、前輪101の駆動トルクに応じてモータ121が制御されることで、前輪101及び後輪102の駆動トルクが車両100の走行状態に応じた適切なトルク配分となるように後輪102を駆動可能に構成されている。
また、このリヤユニット120は、モータ121が発電機としての機能を兼ね備えており、モータ121により発電した電力を回生可能に構成されている。
なお、車両100は、フロントユニット110を省略して、リヤユニット120のみで構成しても良く、その場合には、リヤユニット120により前輪101を駆動するように構成しても良い。
次いで、図2を参照して、動力伝達装置1の詳細構成について説明する。図2は、動力伝達装置1の内部構造を模式的に示した模式図である。なお、図2では、理解を容易とするために、動力を伝達する機能を担う構成のみを図示している。
動力伝達装置1は、図2に示すように、モータ121の動力が入力される入力軸2と、その入力軸2から動力が伝達される第1減速歯車3と、その第1減速歯車3から動力が伝達される出力軸4と、入力軸2から第1減速歯車3までの動力の伝達経路上に配設される第1クラッチ10と、入力軸2から動力が伝達される第2減速歯車5と、その第2減速歯車5から動力が伝達される伝達軸6と、第2減速歯車5から伝達軸6までの動力の伝達経路上に配設される第2クラッチ20と、入力軸2から第1減速歯車3までの動力の伝達経路上に配設される第3クラッチ30とを主に備えて構成されている。
但し、本実施の形態では、図2に示すように、第1減速歯車3に伝達された動力がデファレンシャル装置7を介して出力軸4に伝達されると共に、出力軸4に伝達された動力が動力伝達装置1の外部に出力され後輪102に伝達されるように構成されている。
なお、デファレンシャル装置7は、左右の後輪102BL,102BRの回転差を吸収するための装置であり、その構成は周知(例えば、特許4024897号公報など)であるため、詳細な説明を省略する。
第1減速歯車3は、モータ121からの入力回転を減速する歯車対であり、図2に示すように、入力軸2から伝達された動力により駆動される駆動歯車3aと、その駆動歯車3aにより従動駆動される被動歯車3bとにより構成され、その減速比はDhに設定されている。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、被動歯車3bとデファレンシャル装置7との間に減速歯車が構成されており、被動歯車3bからデファレンシャル装置7に動力が伝達される際にも、モータ121からの入力回転が所定の減速比で減速されるように構成されている。
第1クラッチ10は、入力軸2と第1減速歯車3との間の動力の伝達および遮断を行うためのものであり、モータ121が正回転する場合に、入力軸2から第1減速歯車3に動力を伝達する一方、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達を遮断すると共に、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達を遮断可能に構成されている。
ここで、図3及び図4を参照して、第1クラッチ10の詳細構成について説明する。図3は、第1クラッチ10の断面図であり、図4は、図3のIV−IV線における第1クラッチ10の断面図である。
第1クラッチ10は、図3及び図4に示すように、内輪11と、その内輪11の外周を囲む外輪12と、それら内輪11と外輪12との間に配設される複数のスプラグ13と、それらスプラグ13を保持する保持器14と、荷重付与装置15とを主に備えて構成されている。
内輪11は、動力を伝達する機能を担う部材であり、図3及び図4に示すように、断面円形状の外周面11aを備え、軸心O回りに回転可能に構成されている。また、この内輪11は、入力軸2(図2参照)と一体に形成されている。
外輪12は、内輪11と共に動力を伝達する機能を担う部材であり、図3及び図4に示すように、内輪11の外周面11aに対向する断面円形状の内周面12aを備え、内輪11と同様に軸心O回りに回転可能に構成されている。また、この外輪12は、第1減速歯車3の駆動歯車3a(図2参照)と一体に形成されている。
スプラグ13は、内輪11と外輪12とを係合する機能を担う部材であり、外周面11a及び内周面12aにそれぞれ接する係合面13a,13b(図5参照)を備え、図4に示すように、外周面11a及び内周面12aの対向間において円周方向に等間隔で複数配設されている。
また、このスプラグ13は、リボンスプリング16(図5参照)により内周面11a及び外周面12aの円周方向に付勢されている。ここで、図5を参照して、リボンスプリング16について説明する。図5は、図4のVで示す部分を拡大して示した第1クラッチ10の部分拡大断面図である。
リボンスプリング16は、スプラグ13に付勢力を付与して外周面11a及び内周面12aに係合面13a,13bが接するようにスプラグ13に図5の矢印S方向(以下「セルフロック方向」と称す)の回転モーメントを発生させる部材であり、図5に示すように、金属材料に波状の曲げ加工を施して形成され、その弾性を利用してスプラグ13に付勢力を付与可能に構成されている。但し、このリボンスプリング16は、コイルばねにより構成しても良い。
このリボンスプリング16によりスプラグ13に付勢力が付与されることで、外周面11a及び内周面12aに係合面13a,13bが接するようにスプラグ13がセルフロック方向へ傾動する。
その結果、図5に示すように、内周面12aと係合面13bとの接点A及び外周面11aと係合面13aとの接点Bに摩擦力が発生すると共に外周面11a及び内周面12aの円周方向における各接点A,Bの位置ずれにより、内輪11及び外輪12が所定の方向へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合する。
これにより、モータ121が正回転する場合には、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の矢印Ri方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転することで、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、入力軸2から第1減速歯車3に動力が伝達される。一方、モータ121が逆回転する場合には、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の反矢印Ri方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転することで、接点Bに作用する摩擦力によりスプラグ13がリボンスプリング16の付勢力に抗して反セルフロック方向へ傾動し、その結果、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達が遮断される。
また、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の矢印Ro方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、第1減速歯車3から入力軸2に動力が伝達される。一方、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の反矢印Ro方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、接点Aに作用する摩擦力によりスプラグ13がリボンスプリング16の付勢力に抗して反セルフロック方向へ傾動し、その結果、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達が遮断される。
図3及び図4に戻って説明する。保持器14は、スプラグ13を外周面11a及び内周面12aの円周方向へ傾動可能に保持する部材であり、図3及び図4に示すように、保持部14aと、荷重伝達部14bとを備えて構成されている。保持部14aは、スプラグ13を保持する部位であり、図3及び図4に示すように、軸心O方向に延設され、スプラグ13の上端側を保持している。
荷重伝達部14bは、荷重付与装置15から荷重が伝達される部位であり、図3に示すように、軸心O方向と交差する方向に延設されている。これにより、荷重伝達部14bを軸心O方向に延設する場合と比較して、保持器14の軸心O方向の寸法を短縮でき、第1クラッチ10の小型化を図ることができる。
また、この荷重伝達部14bは、図4に示すように、歯車状に形成され、後述するピニオン15bとの間に構成される歯車機構を介して荷重付与装置15から荷重が伝達されるように構成されている。これにより、荷重付与装置15から保持器14までの荷重の伝達経路中に生じるエネルギー損失を小さくでき、効率良く保持器14に荷重を伝達することができる。
荷重付与装置15は、リボンスプリング16の付勢力に抗してスプラグ13に荷重を付与してスプラグ13を反セルフロック方向(図5の反矢印S回転方向)へ傾動させるための装置であり、図3及び図4に示すように、アクチュエータ15aと、ピニオン15bとを備えて構成されている。
アクチュエータ15aは、スプラグ13に付与する荷重を生み出す動力源であり、電動機(交流モータ又は直流モータ)により構成され、電源(図示せず)から供給される電力により駆動可能に構成されている。
このように、アクチュエータ15aが電動機により構成されているので、例えば、アクチュエータ15aをシリンダやソレノイド等により構成する場合と比較して、荷重付与装置15の構造を簡素化すると共に小型化を図ることができる。
また、荷重付与装置15の構造が複雑な場合には、荷重付与装置15が大型化し、第1クラッチ10の大型化を招くところ、荷重付与装置15の構造を簡素化すると共に小型化を図ることができれば、第1クラッチ10の小型化を図ることができる。
ピニオン15bは、アクチュエータ15aの動力を保持器14に伝達するための部材であり、図3に示すように、保持器14の荷重伝達部14bと噛み合う歯車状に形成され、荷重伝達部14bとの間に歯車機構を構成している。
このピニオン15bによりアクチュエータ15aの動力が保持器14に伝達されることで、保持器14を介してスプラグ13に荷重が付与される。このように、荷重付与装置15は、保持器14を介してスプラグ13に荷重を付与するので、複数のスプラグ13に一度に荷重を付与することができ、効率良くスプラグ13に荷重を付与することができる。
上述したように構成される荷重付与装置15によれば、リボンスプリング16の付勢力に抗してスプラグ13に荷重を付与することで、スプラグ13を反セルフロック方向へ傾動させて、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することができる。
これにより、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみてロック方向(図5の矢印Ri方向)へ回転する場合、および、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみてロック方向(図5の矢印Ro方向)へ回転する場合でも、荷重付与装置15により内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達および第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達を遮断することができる。
図2に戻って説明する。第2減速歯車5は、モータ121からの入力回転を第1減速歯車3とは異なる減速比で減速する歯車対であり、図2に示すように、入力軸2から伝達された動力により駆動される駆動歯車5aと、その駆動歯車5aにより従動駆動される被動歯車5bとにより構成され、その減速比はDlに設定されている。
ここで、第1減速歯車3の減速比Dhは、第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されており(Dh<Dl)、モータ121からの入力回転を第1減速歯車3により減速する場合には、第2減速歯車5により減速する場合よりも小さい減速比で減速するように構成されている。
伝達軸6は、第2減速歯車5に伝達された動力を出力軸4に伝達するものであり、図2に示すように、第1減速歯車3の被動歯車3bと一体に形成され、被動歯車3bからデファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力を伝達するように構成されている。
第2クラッチ20は、第2減速歯車5と伝達軸6との間の動力の伝達および遮断を行うための装置であり、モータ121が正回転する場合に、動力を第2減速歯車5から伝達軸6に伝達する一方、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断すると共に、モータ121が逆回転する場合に、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断可能に構成されている。なお、この第2クラッチ20は、第1クラッチ10と同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
但し、第1クラッチ10では、内輪11が入力軸2と一体に形成されると共に外輪12が第1減速歯車3の駆動歯車3aと一体に形成されているのに対し、第2クラッチ20では、内輪11が伝達軸6と一体に形成されると共に外輪12が第2減速歯車5の被動歯車5bと一体に形成されている。
これにより、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の矢印Ro方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達される。一方、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の反矢印Ro方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達が遮断される。
また、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の矢印Ri方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、伝達軸6から第2減速歯車5に動力が伝達される。一方、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の反矢印Ri方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達が遮断される。
これに対し、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみてロック方向へ回転する場合、および、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、ロック方向へ回転する場合でも、荷重付与装置15により内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達および伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断することができる。
第3クラッチ30は、入力軸2と第1減速歯車3との間の動力の伝達および遮断を行うためのものであり、出力軸4が正回転するように出力軸4に逆動力が入力される場合に、逆動力を第1減速歯車3から入力軸2に伝達すると共に、モータ121が逆回転する場合に、入力軸2から第1減速歯車3に動力を伝達可能に構成されている。なお、この第3クラッチ30は、荷重付与装置15が省略されている以外は第1クラッチ10と同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
よって、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の矢印Ri方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、入力軸2から第1減速歯車3に動力が伝達される。一方、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の反矢印Ri方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達が遮断される。
また、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の矢印Ro方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、第1減速歯車3から入力軸2に動力が伝達される。一方、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の反矢印Ro方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達が遮断される。
次いで、図6から図9を参照して、上述したように構成される動力伝達装置1の作動状態について説明する。図6から図9は、動力伝達装置1の内部構造を模式的に示した模式図である。なお、図6から図9において、(a)は、内部構造の側面視を模式的に示しており、(b)は、内部構造の正面視を模式的に示している。
ここで、図6から図9では、理解を容易とするために、動力の伝達経路を矢印Pで示している。また、図6(b)、図7(b)、図8(b)及び図9(b)では、第1クラッチ10、第2クラッチ20及び第3クラッチ30の各内輪11及び外輪12の回転方向を矢印R,Fで示しており、矢印Rは回転方向がスプラグ13に対してロック方向であることを、矢印Fは回転方向がスプラグ13に対してフリー方向であることを、それぞれ表すと共に、矢印R,Fの大きさは回転速度の大きさを表している。
まず、図6及び図7を参照して、車両100の前進時における動力伝達装置1の作動状態について説明する。図6に示すように、車両100の前進時には、モータ121が正回転することで、第1クラッチ10の内輪11がロック方向へ回転すると共に第3クラッチ30の内輪11がフリー方向へ回転する。
ここで、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させた場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除されることで、内輪11がロック方向へ回転している状態にあっても、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達が遮断される。
一方で、この場合には、モータ121の動力が入力軸2から第2減速歯車5に伝達されることで、第2クラッチ20の外輪12がロック方向へ回転する。その結果、第2クラッチ20により第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達され、第1減速歯車3の被動歯車3bからデファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力が伝達される。
また、この場合には、被動歯車3bに伝達された回転が駆動歯車3aに伝達されることで、第1クラッチ10の外輪12がフリー方向へ回転する。ここで、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合および解除は、内輪11と外輪12との回転速度差で決定されるため、この場合には、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第1クラッチ10では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がロック方向へ回転している状態と等しくなる。しかしながら、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除した状態にあるので、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達は遮断される。
このように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させた場合には、モータ121からの入力回転を第2減速歯車5により減速して、第1減速歯車3よりも大きい減速比で減速することができる。
これに対し、図7に示すように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合することで、入力軸2から第1減速歯車3に動力が伝達され、デファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力が伝達される。
また、この場合には、第1減速歯車3に伝達された回転が被動歯車3bから伝達軸6に伝達されることで、第2クラッチ20の内輪11がフリー方向へ回転する。しかしながら、その回転方向はフリー方向であるため、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達は遮断される。
一方で、この場合には、モータ121の動力が入力軸2から第2減速歯車5に伝達されることで、第2クラッチ20の外輪12がロック方向へ回転する。しかしながら、第1減速歯車3の減速比Dhは第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されているので(Dh<Dl)、第2クラッチ20の外輪12がロック方向へ回転している状態にあっても、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達は遮断される。
即ち、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第2クラッチ20では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がフリー方向へ回転している状態と等しくなる。よって、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達は遮断される。
このように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合には、モータ121からの入力回転を第1減速歯車3により減速して、第2減速歯車5よりも小さい減速比で減速することができる。
次いで、図8を参照して、車両100のコースト走行時(惰性走行時)における動力伝達装置1の作動状態について説明する。図8に示すように、車両100のコースト走行時には、出力軸4から逆動力が入力されることで、デファレンシャル装置7を介して第1減速歯車3に動力が伝達され、第1クラッチ10の外輪12がフリー方向へ回転すると共に第3クラッチ30の外輪12がロック方向へ回転する。その結果、第3クラッチ30により第1減速歯車3から入力軸2に動力が伝達される。
一方で、この場合には、第1減速歯車3の被動歯車3bから伝達軸6に回転が伝達されることで、第2クラッチ20の内輪11がフリー方向へ回転する。しかしながら、その回転方向はフリー方向であるため、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達が遮断される。
また、この場合には、入力軸2に動力が伝達されることで、第2減速歯車5に回転が伝達され、第2クラッチ20の外輪12がロック方向へ回転する。しかしながら、第1減速歯車3の減速比Dhは第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されているので(Dh<Dl)、第2クラッチ20の外輪12がロック方向へ回転している状態にあっても、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達は遮断される。
即ち、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第2クラッチ20では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がフリー方向へ回転している状態と等しくなる。よって、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達は遮断される。
このように、車両100のコースト走行時には、出力軸4から入力される動力によりモータ121を発電機として機能させて、モータ121により発電した電力を電源に回生することができる。これにより、省エネルギー化を図ることができる。
次いで、図9を参照して、車両100の後進時における動力伝達装置1の作動状態について説明する。図9に示すように、車両100の後進時には、モータ121が逆回転することで、第1クラッチ10の内輪11がフリー方向へ回転すると共に第3クラッチ30の内輪11がロック方向へ回転する。その結果、第3クラッチ30により入力軸2から第1減速歯車3に動力が伝達され、デファレンシャル装置7から出力軸4に動力が伝達される。
一方で、この場合には、モータ121の回転が入力軸2から第2減速歯車5に伝達されることで、第2クラッチ20の外輪12がフリー方向へ回転する。また、この場合には、第1減速歯車3に伝達された回転が被動歯車3bから伝達軸6に伝達されることで、第2クラッチ20の内輪11がロック方向へ回転する。この場合には、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第2クラッチ20では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がロック方向へ回転している状態と等しくなる。よって、第2クラッチ20の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断することができる。
以上説明したように、動力伝達装置1によれば、車両100の前進時においてモータ121からの入力回転を第1減速歯車3及び第2減速歯車5により2段に変速できるので、低速から高速までの幅広い車速範囲においてモータ121を効率の良い回転域で使用することが可能となり、モータ121の動力を効率良く後輪102に伝達することができる。
また、幅広い車速範囲においてモータ121を効率の良い回転域で使用することが可能となれば、高出力のモータを必要とせず、その分、モータの高出力化に伴う装置の大型化を回避して、小型化を図ることができる。
また、従来のように多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成と比較して、多板クラッチを断続させるための油圧システムを必要とせず、構造を簡素化すると共に小型化を図ることができる。更に、多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成の場合には、多板クラッチの接続時に熱エネルギーが放出され、エネルギー損失が生じるところ、多板クラッチを不要として、エネルギー損失を防止することができる。
また、第1クラッチ10、第2クラッチ20及び第3クラッチ30は、スプラグ13の傾動により動力の伝達および遮断の切り替えを行うので、スプラグ13の移動により切り替えを行う構成と比較して、スプラグ13の動作量を小さくできる分、切り替えに要する時間を短縮でき、切り替えを素早く行うことができる。更に、切り替えを素早く行うことができれば、動力の伝達が遮断された状態から伝達されるまでの間に内輪11と外輪12とが空転することもなく、動力伝達時の衝撃を防止することができる。
また、第2クラッチ20は、モータ121が正回転する場合に、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断するように構成されると共に、第3クラッチ30は、入力軸2から第1減速歯車3までの動力の伝達経路上に配設されているので、モータ121が正回転している状態において、荷重付与装置15に電力を供給する電気回路に異常(断線またはショートなど)が生じ、第1クラッチ10及び第2クラッチ20の荷重付与装置15が作動不能になったとしても、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達と伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達とが同時に行われることなく、第1減速歯車3と第2減速歯車5との二重噛み合いを防止することができる。
また、動力伝達装置1によれば、第1クラッチ10の荷重付与装置15の作動および非作動を切り替えることで、複雑な制御を必要とせずに入力回転を変速できる。よって、従来のように2つの多板クラッチを断続させて入力回転を変速する構成と比較して、動力の伝達に途切れのないスムーズな変速を実現できると共に、第1減速歯車3及び第2減速歯車5の二重噛み合いも防止することができる。
また、動力伝達装置1によれば、出力軸4が正回転するように出力軸4に逆動力が入力される場合に、逆動力を第1減速歯車3から入力軸2に伝達する第3クラッチ30を備えているので、第1クラッチ10の荷重付与装置15の作動および非作動を切り替えなくとも、モータ121の動力を出力軸4に伝達する動力伝達状態と、出力軸4に入力される逆動力をモータ121に伝達する動力伝達状態とを切り替えることができる。よって、第1クラッチ10の荷重付与装置15を切り替える制御を不要にできると共に、動力伝達状態切り替え時のショックを防止することができる。
更に、出力軸4が逆回転するように出力軸4に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車3と第2減速歯車5とを二重噛み合いさせることができる。よって、例えば、車両100が登坂停止している場合に、サイドブレーキを作動させたり必要な駆動力が得られるようにモータ121を制御しなくとも、車両100の後退を防止することができる。また、車両100が登坂停止した状態から前進する場合には、モータ121を駆動するのみで発進することができる。
次いで、図10を参照して、第2実施の形態における動力伝達装置201ついて説明する。図10は、第2実施の形態における動力伝達装置201の内部構造を模式的に示した模式図である。なお、図10では、理解を容易とするために、動力を伝達する機能を担う構成のみを図示している。以下、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施の形態における動力伝達装置201は、図10に示すように、入力軸2と、第1減速歯車3と、出力軸4と、第1クラッチ10と、第2減速歯車5と、伝達軸6と、第2減速歯車5から伝達軸6までの動力の伝達経路上に配設される第2クラッチ220及び第4クラッチ240とを主に備えて構成されている。
第2クラッチ220は、第2減速歯車5と伝達軸6との間の動力の伝達および遮断を行うためのものであり、モータ121が正回転する場合に、動力を第2減速歯車5から伝達軸6に伝達する一方、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断可能に構成されている。なお、この第2クラッチ220は、荷重付与装置15が省略されている以外は第1クラッチ10と同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
但し、第1クラッチ10では、内輪11が入力軸2と一体に形成されると共に外輪12が第1減速歯車3の駆動歯車3aと一体に形成されているのに対し、第2クラッチ220では、内輪11が伝達軸6と一体に形成されると共に外輪12が第2減速歯車5の被動歯車5bと一体に形成されている。
これにより、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の矢印Ro方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達される。一方、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の反矢印Ro方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達が遮断される。
また、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の矢印Ri方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、伝達軸6から第2減速歯車5に動力が伝達される。一方、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の反矢印Ri方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達が遮断される。
第4クラッチ240は、第2減速歯車5と伝達軸6との間の動力の伝達および遮断を行うための装置であり、出力軸4が正回転するように出力軸4に逆動力が入力される場合に、逆動力を伝達軸4から第2減速歯車5に伝達すると共に、モータ121が逆回転する場合に、第2減速歯車5から伝達軸6に動力を伝達可能に構成されている。なお、この第4クラッチ240は、第1クラッチ10と同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
但し、第1クラッチ10では、内輪11が入力軸2と一体に形成されると共に外輪12が第1減速歯車3の駆動歯車3aと一体に形成されているのに対し、第4クラッチ240では、内輪11が伝達軸6と一体に形成されると共に外輪12が第2減速歯車5の被動歯車5bと一体に形成されている。
これにより、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の矢印Ro方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達される。一方、外輪12がスプラグ13に対して、内輪11との相対回転で内輪11側からみて、図5の反矢印Ro方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達が遮断される。
また、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の矢印Ri方向(以下「ロック方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合して、伝達軸6から第2減速歯車5に動力が伝達される。一方、内輪11がスプラグ13に対して、外輪12との相対回転で外輪12側からみて、図5の反矢印Ri方向(以下「フリー方向」と称す)へ回転する場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除され、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達が遮断される。
これに対し、外輪12がスプラグ13に対してロック方向へ回転する場合および内輪11がスプラグ13に対してロック方向へ回転する場合でも、荷重付与装置15により内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、第2減速歯車5から伝達軸6への動力の伝達および伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断することができる。
次いで、図11から図14を参照して、上述したように構成される動力伝達装置201の作動状態について説明する。図11から図14は、動力伝達装置201の内部構造を模式的に示した模式図である。なお、図11から図14において、(a)は、内部構造の側面視を模式的に示しており、(b)は、内部構造の正面視を模式的に示している。
ここで、図11から図14では、理解を容易とするために、動力の伝達経路を矢印Pで示している。また、図11(b)、図12(b)、図13(b)及び図14(b)では、第1クラッチ10、第2クラッチ220及び第4クラッチ240の各内輪11及び外輪12の回転方向を矢印R,Fで示しており、矢印Rは回転方向がスプラグ13に対してロック方向であることを、矢印Fは回転方向がスプラグ13に対してフリー方向であることを、それぞれ表すと共に、矢印R,Fの大きさは回転速度の大きさを表している。
まず、図11及び図12を参照して、車両100の前進時における動力伝達装置201の作動状態について説明する。図11に示すように、車両100の前進時には、モータ121が正回転することで、第1クラッチ10の内輪11がロック方向へ回転する。
ここで、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させた場合には、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合が解除されることで、内輪11がロック方向へ回転している状態にあっても、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達は遮断される。
一方で、この場合には、モータ121の動力が入力軸2から第2減速歯車5に伝達されることで、第2クラッチ220の外輪12がロック方向へ回転すると共に第4クラッチ240の外輪12がフリー方向へ回転する。その結果、第2クラッチ220により第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達され、第1減速歯車3の被動歯車3bからデファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力が伝達される。
また、この場合には、被動歯車3bに伝達された回転が駆動歯車3aに伝達されることで、第1クラッチ10の外輪12がフリー方向へ回転する。ここで、内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合および解除は、内輪11と外輪12との回転速度差で決定されるため、この場合には、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第1クラッチ10では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がロック方向へ回転している状態と等しくなる。しかしながら、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除した状態にあるので、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達は遮断される。
このように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させた場合には、モータ121からの入力回転を第2減速歯車5により減速して、第1減速歯車3よりも大きい減速比で減速することができる。
これに対し、図12に示すように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合には、内輪11及び外輪12にスプラグ13が係合することで、入力軸2から第1減速歯車3に動力が伝達され、デファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力が伝達される。
また、この場合には、第1減速歯車3に伝達された回転が被動歯車3bから伝達軸6に伝達されることで、第2クラッチ220の内輪11がフリー方向へ回転すると共に第4クラッチ240の内輪11がロック方向へ回転する。この場合には、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第4クラッチ240では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がロック方向へ回転している状態と等しくなる。よって、第4クラッチ240の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達を遮断することができる。
また、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第2クラッチ220では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、外輪12がロック方向へ回転している状態にあっても、相対的に内輪11がフリー方向へ回転している状態と等しくなる。よって、伝達軸6から第2減速歯車5への動力の伝達は遮断される。
このように、第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合には、モータ121からの入力回転を第1減速歯車3により減速して、第2減速歯車5よりも小さい減速比で減速することができる。
次いで、図13を参照して、車両100のコースト走行時(惰性走行時)における動力伝達装置201の作動状態について説明する。図13に示すように、車両100のコースト走行時には、出力軸4から逆動力が入力されることで、デファレンシャル装置7を介して第1減速歯車3に動力が伝達され、第1クラッチ10の外輪12がフリー方向へ回転する。
一方で、この場合には、第1減速歯車3の被動歯車3bから伝達軸6に動力が伝達されることで、第2クラッチ220の内輪11がフリー方向へ回転すると共に第4クラッチ240の内輪11がロック方向へ回転する。その結果、第4クラッチ240により伝達軸6から第2減速歯車5に動力が伝達され、第2減速歯車5の駆動歯車5bから入力軸2に動力が伝達される。
また、この場合には、入力軸2に回転が伝達されることで、第1クラッチ10の内輪11がロック方向へ回転する。この場合には、第1減速歯車3の減速比Dhが第2減速歯車5の減速比Dlよりも小さく設定されている分、第1クラッチ10では内輪11の回転速度が外輪12の回転速度よりも速くなり、相対的に内輪11がロック方向へ回転している状態と等しくなる。よって、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除することで、入力軸2から第1減速歯車3への動力の伝達を遮断することができる。
このように、車両100のコースト走行時には、出力軸4から入力される動力によりモータ121を発電機として機能させて、モータ121により発電した電力を電源に回生することができる。これにより、省エネルギー化を図ることができる。
次いで、図14を参照して、車両100の後進時における動力伝達装置201の作動状態について説明する。図14に示すように、車両100の後進時には、モータ121が逆回転することで、第1クラッチ10の内輪11がフリー方向へ回転する。
一方で、この場合には、モータ121の動力が入力軸2から第2減速歯車5に伝達されることで、第2クラッチ220の外輪12がフリー方向へ回転すると共に第4クラッチ240の外輪12がロック方向へ回転する。その結果、第4クラッチ240により第2減速歯車5から伝達軸6に動力が伝達され、第1減速歯車3の被動歯車3bからデファレンシャル装置7を介して出力軸4に動力が伝達される。
また、この場合には、被動歯車3bに伝達された回転が駆動歯車3aに伝達されることで、第1クラッチ10の外輪12がフリー方向へ回転する。しかしながら、その回転方向はフリー方向であるため、第1減速歯車3から入力軸2への動力の伝達は遮断される。
以上説明したように、本実施の形態における動力伝達装置201によれば、第1実施の形態における動力伝達装置1と同様に、モータ121の動力を効率良く後輪102に伝達できると共に小型化を図ることができる。
また、動力伝達装置201によれば、モータ121と直列に配置される入力軸2上の構成を少なくすることで、スペース効率の良いレイアウトとして、小型化を図ることができる。
また、動力伝達装置201によれば、モータ121が逆回転する場合および出力軸4が正回転するように出力軸4に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車3よりも減速比の大きい第2減速歯車5により動力および逆動力を伝達することができる。よって、モータ121が逆回転する場合および出力軸4が正回転するように出力軸3に逆動力が入力される場合に、第1減速歯車3よりも減速比の大きい第2減速歯車5により動力および逆動力を伝達することができるので、より大きい駆動力を得ることができる。また、モータ121を発電機としてエネルギー回生する場合には、効率良くエネルギーを回生することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態では、動力伝達装置1が車両100のリヤユニット120に組み込まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、他の車両(機関車、旅客車、貨物車および特殊車など)の走行装置、作業装置および工作機械などの動力伝達装置に組み込むことは当然可能である。
上記実施の形態では、荷重付与装置15(アクチュエータ15a)が電動機(交流電動機または直流電動機)により構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の動力源を採用することは当然可能である。他の動力源としては、例えば、直流電動機、油圧モータ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、交流ソレノイド及び直流ソレノイド等が例示される。
ここで、アクチュエータ15aをソレノイドにより構成する場合には、歯車機構などによりスプラグ13に荷重を付与する場合に限られず、例えば、電磁力を利用してスプラグ13に荷重を付与するように構成しても良い。
上記第1実施の形態では説明を省略したが、車両100の前進時において第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合に、第2クラッチ20の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除しても良い。
同様に、車両100のコースト走行時に、第1クラッチ10及び第2クラッチ20の荷重付与装置15を作動させて各内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除しても良く、また、車両100の後進時に、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除しても良い。
上記第2実施の形態では説明を省略したが、車両100の前進時において第1クラッチ10の荷重付与装置15を非作動とした場合に、第4クラッチ240の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除しても良い。
同様に、車両100のコースト走行時および後進時に、第1クラッチ10の荷重付与装置15を作動させて内輪11及び外輪12へのスプラグ13の係合を強制的に解除しても良い。
1 動力伝達装置
2 入力軸
3 第1減速歯車
4 出力軸
5 第2減速歯車
6 伝達軸
10 第1クラッチ
11 内輪
11a 外周面
12 外輪
12a 内周面
13 スプラグ
13a,13b 係合面
14 保持器
15 荷重付与装置
16 リボンスプリング(付勢部材)
20,220 第2クラッチ
30 第3クラッチ
121 モータ
240 第4クラッチ
A,B 接点
O 軸心

Claims (6)

  1. モータの動力が入力される入力軸と、その入力軸から前記動力が伝達されると共に前記モータからの入力回転を減速する第1減速歯車と、その第1減速歯車から前記動力が伝達される出力軸とを備えた動力伝達装置において、
    前記入力軸から前記第1減速歯車までの前記動力の伝達経路上に配設され、前記モータが正回転する場合に、前記動力を前記入力軸から前記第1減速歯車に伝達する一方、前記第1減速歯車から前記入力軸への前記動力の伝達を遮断すると共に、前記入力軸から前記第1減速歯車への前記動力の伝達を遮断可能に構成される第1クラッチと、
    前記入力軸から前記動力が伝達されると共に前記入力回転を前記第1減速歯車の減速比よりも大きい減速比で減速する第2減速歯車と、
    その第2減速歯車から前記動力が伝達されると共に前記動力を前記出力軸に伝達する伝達軸と、
    前記第2減速歯車から前記伝達軸までの前記動力の伝達経路上に配設され、前記モータが正回転する場合に、前記動力を前記第2減速歯車から前記伝達軸に伝達する一方、前記伝達軸から第2減速歯車への前記動力の伝達を遮断する第2クラッチとを備え、
    前記第1クラッチは、
    断面円形状の外周面を有し軸心回りに回転可能に構成される内輪と、
    その内輪の前記外周面に対向する断面円形状の内周面を有し前記軸心回りに回転可能に構成される外輪と、
    前記外周面および前記内周面にそれぞれ接する係合面を有し前記外周面および前記内周面の対向間において円周方向に複数配設されるスプラグと、
    そのスプラグを前記外周面および前記内周面の円周方向へ傾動可能に保持する保持器と、
    前記スプラグに付勢力を付与して前記外周面および前記内周面に前記係合面が接するように前記スプラグを前記円周方向のセルフロック方向へ傾動させる付勢部材と、
    その付勢部材の付勢力に抗して前記スプラグに荷重を付与して前記セルフロック方向とは逆方向であって前記円周方向の反セルフロック方向へ前記スプラグを傾動させる荷重付与装置とを備えた切替式クラッチとして構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第1クラッチの前記荷重付与装置を作動させて、前記動力を前記第2減速歯車から前記伝達軸を介して前記出力軸に伝達する一方、前記第1クラッチの前記荷重付与装置を非作動として、前記動力を前記第1減速歯車から前記出力軸に伝達することを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記入力軸から前記第1減速歯車までの前記動力の伝達経路上に配設され、前記出力軸が正回転するように前記出力軸に逆動力が入力される場合に、前記逆動力を前記第1減速歯車から前記入力軸に伝達する第3クラッチを備え、
    その第3クラッチは、前記動力を伝達する場合に、前記第1減速歯車から前記入力軸への前記動力の伝達を遮断するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第3クラッチは、前記モータが逆回転する場合に、前記動力を前記入力軸から前記第1減速歯車に伝達するものであり、
    前記第2クラッチは、前記切替式クラッチにより構成され、前記モータが逆回転する場合に、前記伝達軸から前記第2減速歯車への前記動力の伝達を遮断可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
  5. 前記出力軸が逆回転するように前記出力軸に逆動力が入力される場合に、前記第2クラッチの前記荷重付与装置を非作動とすることで、前記第3クラッチにより前記逆動力が前記第1減速歯車から前記入力軸に伝達されると同時に前記第2クラッチにより前記逆動力が前記伝達軸から前記第2減速歯車に伝達されることを特徴とする請求項4記載の動力伝達装置。
  6. 前記第2減速歯車から前記伝達軸までの前記動力の伝達経路上に配設され、前記モータが逆回転する場合に、前記動力を前記第2減速歯車から前記伝達軸に伝達すると共に、前記出力軸が正回転するように前記出力軸に逆動力が入力される場合に、前記逆動力を前記伝達軸から前記第2減速歯車に伝達する第4クラッチを備え、
    前記第1クラッチは、前記出力軸が正回転するように前記出力軸に逆動力が入力される場合に、前記第1減速歯車から前記入力軸への動力の伝達を遮断すると共に、前記モータが逆回転する場合に、前記第1減速歯車から前記入力軸への前記動力の伝達を遮断可能に構成され、
    前記第4クラッチは、前記切替式クラッチにより構成され、前記モータが正回転する場合に、前記伝達軸から前記第2減速歯車への前記動力の伝達を遮断可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
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