以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
(ΔΣ変調回路100の基本構成)
まず、本実施形態に係るΔΣ変調回路100(ΔΣ変調装置)の基本構成について、図1を参照して以下に説明する。図1は、ΔΣ変調回路100の構成を示すブロック図である。ΔΣ変調回路100は、概略的に言えば、アナログ信号またはデジタル信号である入力信号#10をΔΣ変調し、得られた3値のΔΣ変調信号を増幅することによって、スピーカ等の負荷を差動駆動するデジタルアンプである。
図1に示すように、ΔΣ変調回路100は、積分器群110(積分手段)、量子化器120(量子化手段)、スイッチング回路130、LPF140、遅延器150、加算器160(加算手段)、および音質改善補助回路200を備えている。さらに、この音質改善補助回路200は、入力振幅検出器210(振幅検出手段)、励起信号発生制御器220、励起信号振幅制御器230、励起信号発生器240(生成手段)、および閾値制御器250(量子化閾値制御手段、量子化閾値変動手段)を備えている。
(ΔΣ変調回路100の基本動作)
積分器群110は、入力信号#10と遅延されたΔΣ変調信号#16との差分値からなる差分信号#11を積分する。積分器群110は、差分信号#11の値を動作クロック毎に積分した積分値を、積分信号#12として加算器160に出力する。
加算器160は、励起信号発生器240からの励起信号#24と積分信号#12とを加算し、積分信号#13として量子化器120に出力する。なお、励起信号発生器240を備える音質改善補助回路200の詳細な説明は後述とする。
量子化器120は、積分信号#13を、2つの量子化閾値AおよびB(量子化閾値A>量子化閾値B)によって量子化し、言い換えれば、積分信号#13を量子化閾値AおよびBと比較することによって、3値のΔΣ変調信号#14を生成し、スイッチング回路130に出力する。なお、このΔΣ変調信号#14は、2つのデジタル信号#14aおよび#14bによって構成されており、デジタル信号#14aの値からデジタル信号#14bの値を差分した差分値によって表現される。
より具体的には、積分信号#13の値が量子化閾値A以上とき、デジタル信号#14aの値が「+1」に、デジタル信号#14bの値が「0」となり、結果、ΔΣ変調#14の値は「+1」となる。また、積分信号#13の値が量子化閾値A未満かつ量子化閾値B以上のとき、デジタル信号#14aおよび#14bの値がともに「0」となり、結果、ΔΣ変調#14の値は「0」となる。さらに、積分信号#13の値が量子化閾値B未満とき、デジタル信号#14aの値が「0」に、デジタル信号#14bの値が「+1」となり、結果、ΔΣ変調#14の値は「−1」となる。この2つのデジタル信号#14aおよび#14bが、スイッチング回路130内のスイッチのON・OFFを切り替えることにより、スイッチング回路130が、ΔΣ変調信号#14を増幅することになる。
なお、量子化器が備える量子化閾値AおよびBの絶対値は、音質改善補助回路200が備える閾値制御器250より出力される閾値信号#25の値であり、この閾値信号#25の値は閾値制御器250によって制御される。なお、量子化器120の内部構成についての説明は後述とする。
スイッチング回路130は、ΔΣ変調信号#14(デジタル信号#14aおよび#14b)を増幅するHブリッジ型増幅回路である。Hブリッジ型増幅回路の構成は、従来例として図16に説明したものと同様であるため、ここではその説明を省略する。なお、スイッチング回路130によって増幅された、ΔΣ変調信号#15を構成するデジタル信号#15aおよび#15bのパルスパターンは、デジタル信号#14aおよび#14bのパルスパターンと同一であり、デジタル信号#15aおよび#15bより構成されるΔΣ変調信号#15のパルス密度は、入力信号#10のレベルに略比例する。
遅延器150は、増幅されたデジタル信号#15aおよび#15bの差分値を、Nクロック(Nは1以上の整数)遅延して積分器群110に帰還する。なお、ここでは、増幅されたデジタル信号#15aおよび#15bの差分値を遅延して積分回路110に帰還する構成としたが、量子化器120より出力されるデジタル信号#14aおよび#14bの差分値を遅延して積分回路110に帰還する構成を採用してもよい。
次に、LPF140は、増幅されたデジタル信号#15aおよび#15bをそれぞれ平滑化することによって、スピーカ等の負荷を差動駆動するための出力信号#17を得る。なお、出力信号#17は差動信号であり、デジタル信号#15aおよび#15bをそれぞれ平滑化した、2つのアナログ信号#17aおよび#17bによって構成される。また、ΔΣ変調信号#15のパルス密度は、入力信号#10のレベルに略比例するため、デジタル信号#15aおよび#15bをそれぞれ平滑化して生成された出力信号#17は、入力信号#10を略忠実に増幅したアナログ信号となる。
(音質改善補助回路200の基本動作)
本実施形態に係るΔΣ変調回路100は、特定の音声を入力信号#10として入力した場合に発生するジュル音を抑圧するための、音質改善補助回路200を備えている。このジュル音の発生は、図18に示したとおり、ΔΣ変調信号#15にパルスが出力されない間欠期間が周期的に発生することに起因する。このΔΣ変調信号#15のパルスパターンは、ΔΣ変調信号#14のパルスパターンと同一であるため、ΔΣ変調信号#14における間欠期間の発生を低減することにより、ジュル音を抑圧できる。
そこで、ΔΣ変調回路100は、音質改善補助回路200を用いて、三角波または正弦波等の、周期的な信号である励起信号#24を生成し、この励起信号#24を積分信号#12に加算することにより、ΔΣ変調信号#14の間欠期間の発生を低減する、言い換えれば、ΔΣ変調信号#14のパルスパターンが略均等となるようにする。
ここで、音質改善補助回路200の基本動作について図2(a)〜(d)を参照して説明する。図2(a)〜(d)は、音質改善補助回路200の励起信号生成動作を例示するタイミングチャート図である。
まず、入力振幅検出器210は、図2(a)に示すように、入力信号#10より入力振幅値を検出し、検出した入力振幅値を、入力振幅値信号#20として励起信号発生制御器220に出力する。
励起信号発生制御器220は、所定の2つの閾値TaおよびTbを有しており、入力された入力振幅値信号#20の値と、この閾値TaおよびTbとを比較し、比較結果に応じた発生許可信号#21を、励起信号振幅制御器230および閾値制御器250に出力する。具体的には、図2(b)に示すように、励起信号発生制御器220は、入力振幅値が閾値Tbを下回った場合に、論理値「1」の発生許可信号#21を出力し、入力振幅値が閾値Taを上回った場合に、論理値「0」の発生許可信号#21を出力する。
励起信号振幅制御器230は、図2(d)に示すように、入力された発生許可信号#21の論理値が「0」であった場合、値が「0」となる振幅制御信号#23を、励起信号発生器240に出力する。一方、入力された発生許可信号#21の論理値が「1」である場合、励起信号振幅制御器230は、励起信号の振幅を増加させる信号を、言い換えれば、0より大きい値となる振幅制御信号#23を励起信号発生器240に出力する。さらに、発生許可信号#21の論理値が「1」となる期間において、励起信号振幅制御器230は、発生許可信号#21の論理値が「0」から「1」に切り替わる時点で、振幅制御信号#23の値を「0」とし、所定値になるまで、振幅制御信号#23の値を逐次増加させる。
励起信号発生器240は、励起信号を生成し、生成した励起信号と入力した振幅制御信号#23とを乗算し、乗算した励起信号#24を、加算器160に出力する。このように、生成した励起信号と振幅制御信号#23とを乗算することにより、励起信号#24は、図2(d)に示すような信号となる。具体的には、入力信号#10が大信号のとき、生成された励起信号#24の振幅は0となり、結果、励起信号#24が加算器160に出力されないことと同様の状態となる。なお、励起信号#24の振幅を制御する利点についての説明は後述とする。
閾値制御器250は、図2(c)に示すように、入力した発生許可信号#21の論理値が「0」であった場合、所定値Vdの閾値信号#25を量子化器120に出力する。一方、入力した発生許可信号#21の論理値が「1」であった場合、閾値制御器250は、所定値Vdより大きい値となる閾値信号#25を、量子化器120に出力する。さらに、発生許可信号#21の論理値が「1」となる期間において、閾値制御器250は、発生許可信号#21の論理値が「0」から「1」に切り替わる時点で、閾値信号#25の値を所定値Vdとし、閾値信号#25の値が所定値Vcに達するまで、閾値信号#25の値を逐次増加させる。
なお、図2(c)および(d)に示すように、振幅制御信号#23の値が逐次増加する遷移期間と、閾値信号#25の電圧値が逐次増加する遷移期間とは同一の期間である。
(間欠期間の抑圧)
以上のように、加算器160が、励起信号#24を加算した積分信号#13を、量子化器120に出力することにより、図18に示したような、特定の音声を入力信号#30とした場合に、ΔΣ変調信号#34に発生する、周期的な間欠期間37の発生頻度を低下できる。
これは、周期的な信号である励起信号#24を積分信号#12に加算したことにより、量子化器120が出力するΔΣ変調信号#14は、周期的なパルスとなる、言い換えれば、均等なパルスとなる。これにより、ΔΣ変調信号#14に、パルスが出力されない間欠期間が発生することを低減することになる。また、ΔΣ変調信号#15とΔΣ変調信号#14とのパルスパターンは同一のため、ΔΣ変調信号#15においても、間欠期間の発生が低減することになり、結果、LPF140の出力電圧VpLPFおよびVnLPFの値が大きく跳ね上がる突出電位が、出力信号#35に出現することが低減される。
以下に、従来例においてジュル音が発生した特定の音声を、入力信号#10とした場合の、ΔΣ変調回路100における、ΔΣ変調信号#15および出力信号#17について、図3を参照して説明する。図3は、従来例に用いた特定の音声においてジュル音が発生する特定の音声を、入力信号#10とした場合における、スイッチング回路130およびLPF140からの出力電圧を示す説明図である。
図3に示すように、スイッチング回路130における、PsideおよびNsideの片ブリッジ型増幅回路の出力電位VpおよびVnの時間的変位であるΔΣ変調信号#15においては、均等なパルスとなっており、出力電圧VpLPFおよびVnLPFの突出電位も出現していない。これにより、スピーカより出力されるジュル音は低減されることになる。
ここで、図17に示す、従来例のジュル音が発生している場合の出力信号#35のスペクトル分布と比較するために、従来例と同じ1kHz、−42dBfsの正弦波を、入力信号#10として入力された場合の、出力信号#17のスペクトル分布を、図4に示す。図4は、1kHz、−42dBfsの正弦波を入力された場合の、出力信号#35のスペクトル分布を示す説明図である。
ここで、従来のΔΣ変調方式を用いたオーディオアンプ300において、入力信号#30が1kHz、−42dBfsの正弦波の場合の、出力信号#35のスペクトル分布(図17参照)と、ΔΣ変調回路100において、従来と同じ正弦波(1kHz、−42dBfs)を入力信号#10とした場合の、出力信号#17のスペクトル分布(図4参照)とを比較すると、ΔΣ変調回路100は、10kHz〜20kHzの周波数帯域において発生していたノイズを、抑圧していることが分かる。さらに、従来例である、ディザ手段が生成したランダム信号を、量子化器の入力信号に加算した場合における、出力信号#35のスペクトル分布(図19参照)と比較しても、10kHz〜20kzの周波数帯域におけるノイズを、ΔΣ変調回路100はより抑圧していることが分かる。
さらに、従来例である図17および図19に示す、出力信号#35のスペクトル分布におけるノイズフロアと、図4に示す、出力信号#17のスペクトル分布におけるノイズフロアとを比較しても、ΔΣ変調回路100は、ノイズフロアのレベルを最も低く抑えていることが分かる。
ここで、図4に示した出力信号#17のスペクトル分布となる場合の、ΔΣ変調回路100の励起信号発生器240が生成する励起信号#24は、周波数がΔΣ変調回路110の動作クロックの1/32,振幅が量子化閾値AおよびBの絶対値に対して、1.27倍の三角波である。
なお、上記の励起信号#24の周波数(ΔΣ変調回路110の動作クロックの1/32)および振幅(量子化閾値AおよびBの絶対値に対して、1.27倍)は一例であり、励起信号#24の周波数は、ΔΣ変調回路110の動作クロックの1/64〜1/16の範囲にあればよく、振幅は、量子化器120の量子化閾値AおよびBの絶対値に対して、1.1倍〜8.0倍の範囲にあればよい。
ここで、励起信号#24の周波数および振幅を、上記の範囲内において変化させた場合の、出力信号#17のスペクトル分布を、図20および図21に示す。図20および図21は、周波数1000Hz,振幅−42dBfsの入力信号#10を入力した場合における、励起信号#24を積分信号#12に加算したときと、励起信号#24を加算しないときとの、出力信号#17のスペクトル分布を示す説明図である。
図20においては、励起信号#24を積分信号#12に加算した場合のスペクトル分布を太線で示し、励起信号#24を積分信号#12に加算しなかった場合のスペクトル分布を点線で示している。なお、ここでの励起信号#24の周波数は、ΔΣ変調回路110の動作クロックの1/16であり、振幅は、量子化閾値AおよびBの絶対値に対して、2.0倍の値である。
図20に示すように、励起信号#24を積分信号#12に加算することにより、励起信号#24を加算しなかった場合に発生していた、2kHz〜20kHzの周波数帯域におけるノイズが、低減されていることが分かる。さらに、さらに、ノイズフロアレベルについても、励起信号#24を加算することにより、低くなっていることが分かる。
次に、図21においては、周波数が、ΔΣ変調回路110の動作クロックの1/64であり、振幅が、量子化閾値AおよびBの絶対値に対して、1.1倍の値である励起信号#24を、積分信号#12に加算したときの、出力信号#17のスペクトル分布を太線で示し、励起信号#24を積分信号#12に加算しなかったときの、出力信号#17のスペクトル分布を点線で示している。
図21に示すように、励起信号#24を積分信号#12に加算することにより、励起信号#24を加算しなかった場合に発生していた、2kHz〜20kHzの周波数帯域におけるノイズが、低減されていることが分かる。さらに、さらに、ノイズフロアレベルについても、励起信号#24を加算することにより、低くなっていることが分かる。
(励起信号#24の振幅制御の利点)
以上に説明したように、本発明に係るΔΣ変調回路100は、積分器群110より出力される積分信号#12に、励起信号#24を加算することにより、出力信号#17のノイズフロアを高くすることなく、量子化器120より出力されるΔΣ変調信号#14に、間欠期間が発生することを防止し、スピーカよりジュル音が出力されることを防ぐものである。
ここで、ΔΣ変調回路100が備える、音質改善補助回路200は、入力信号#10の振幅を検出し、検出した当該振幅に応じて、励起信号#24の振幅を制御している。この励起信号#24の振幅を制御する利点は、入力信号#10が小信号のときにジュル音が発生する、または、ジュル音が知覚されるレベルにあることと、入力信号#10が大信号の場合に励起信号#24を加算すると、積分器群における積分動作が不安定になり得ることとに起因する。
ここで、入力信号#10の振幅と、励起信号の加算の有無との関係を、図5を参照して、以下に説明する。図5は、入力信号#10の振幅と、励起信号の加算の有無との関係を示す説明図である。
図5に示すように、入力信号#10が小振幅、かつ、励起信号#24を積分信号#12に加算しない場合、積分器群110における積分動作は安定するものの、すでに述べたように、ジュル音等の雑音がスピーカの出力に発生する。また、入力信号#10が小振幅、かつ、励起信号#24を積分信号#12に加算した場合、積分器群110における積分動作は安定しつつ、ジュル音等の雑音がスピーカの出力に発生することを防止できる。一方、入力信号#10が大振幅、かつ、励起信号#24を積分信号#12に加算した場合、積分器群110における積分動作が不安定になり得ることがあり、正しい変調動作が行われないことがあり得る。また、入力信号#10が大振幅、かつ、励起信号#24を積分信号#12に加算しない場合、積分器群110における積分動作は安定しつつ、さらに、スピーカからの出力音声は、ジュル音等の雑音が発生しない、または、雑音が知覚できないレベルにあるものとなる。
上記のように、入力信号#10が大振幅の場合に、励起信号#24を積分信号#12に加算すると、積分動作が不安定になり得ることがあるため、ΔΣ変調回路100は、入力信号#10が大信号か小信号かを検出し、この検出結果に応じて、励起信号#24を加算するか否かを制御することが好ましい。
そこで、図1の音声改善補助回路200の基本動作の説明において述べたとおり、音声改善補助回路200は、入力信号#10の振幅を検出し、検出した振幅値を所定の励起信号発生制御器220が備える2つの閾値TaおよびTbによって比較し、この比較結果を示す発生許可信号#21に基づき、励起信号振幅制御器が、励起信号#24の振幅を制御する。これにより、入力信号#10が大振幅の場合、励起信号#24の振幅は0となり、つまり、励起信号#24を積分信号#12に加算しないことになり、積分器群110の積分動作が不安定になることを防ぐ。さらに、入力信号#10が小振幅の場合、励起信号#24は所定の振幅値に増加し、ジュル音の発生を抑えることが可能となる。
次に、音質改善補助回路200が備える各ブロックの詳細な構成について、以下に説明する。
(入力振幅検出器210)
まず、図6を参照して、入力振幅検出器210の構成について、以下に説明する。図6は、入力振幅検出器210の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、入力振幅検出器210は、絶対値変換回路211、最大値出力回路212、遅延器213、および減算器214を備えている。
まず、入力信号#10を入力した絶対値変換回路は、入力信号#10の負の値を正の値に変換し、全てが正の値からなる入力信号を、最大値出力回路212に、絶対値信号#211として出力する。最大値出力回路212は、入力された絶対値信号#211の値と、減算器214より出力された減算信号#214とを比較し、大きい方の値を、最大値信号#212として遅延器213に出力する。遅延器213は、入力された最大値信号#212を、自身の1動作クロック分遅延し、入力振幅値信号#20として、励起信号発生制御器220および減算器214に出力する。減算器214は、入力された入力振幅値信号#20の値より、定数αを減算した値を、減算信号#214として最大値出力回路212に出力する。
以上のように、入力振幅検出器210は、上記の構成を備えたことにより、入力信号#10の振幅のピーク値を平滑化した値を検出し出力できるとともに、入力信号#10が大振幅になったときに、直ちにその振幅値を検出し、入力振幅値信号#20として出力できる。
なお、入力振幅値信号#20の値から定数αを減算する構成として減算器214を用いたが、減算器214の代わりに、低域通過フィルタなどの、入力振幅値信号#20を平滑化できる回路を用いてもよい。さらに、上記に説明した入力振幅検出器210の構成は一例であり、入力信号#10の振幅を、上記のような特性にて検出可能な構成であれば、上記以外の構成に限定されるものではない。また、絶対値変換回路211、最大値出力回路212、遅延器213、および減算器214は、一般的な論理回路によって構成することができる。
(励起信号発生制御器220)
次に、図7を参照して、励起信号発生制御器220の構成について、以下に説明する。図7は、励起信号発生制御器220の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、励起信号発生制御器220は、比較器221、比較器222、信号選択部223、および遅延器224を備えている。
入力振幅検出器からの入力振幅値信号#20は、比較器221および比較器222に入力される。比較器221は、入力された入力振幅値信号#20の値を閾値Taと比較し、入力振幅値信号#20の値の方が大きいとき論理値「0」を、入力振幅値信号#20の値の方が小さいとき論理値「1」を、比較結果信号#221として、信号選択部223に出力する。一方、比較器223は、入力された入力振幅値信号#20の値を閾値Tbと比較し、入力振幅値信号#20の値の方が大きいとき論理値「0」を、入力振幅値信号#20の値の方が小さいとき論理値「1」を、比較結果信号#222として、信号選択部223に出力する。なお、閾値Taおよび閾値Tbの大きさの関係は、Ta≧Tbとする。
信号選択部223は、後述する遅延器224からの遅延信号#224の論理値が「1」の場合、入力された比較結果信号#221を選択し、発生許可信号#21として出力する。一方、遅延信号#24の論理値が「0」の場合、信号選択部223は、入力された比較結果信号#222を選択し、発生許可信号#21として出力する。
遅延器224は、信号選択部223より出力された発生許可信号#21を受け取り、自身の1動作クロック分遅延し、遅延信号#224として、信号選択部223に出力する。
励起信号発生制御器220は、上記の構成を備えたことにより、入力信号#10の振幅が小振幅か大振幅かの判定を2つの閾値TaおよびTbによって行う。具体的には、励起信号発生制御器220は、入力信号#10の振幅が大振幅から小振幅に切り替わったと判定するときは閾値Tbを用いて判定し、入力信号#10の振幅が小振幅から大振幅に切り替わったと判定するときは閾値Tbを用いて判定する。また、閾値Ta>閾値Tbとすることにより、入力信号#10の振幅が大振幅か小振幅かの判定に、ヒステリシスを設けることになる。これにより、励起信号発生制御器220は、入力信号#20の振幅値の細かな変動によって、発生許可信号#20の論理値の切り替わり回数が、余剰に多くなることを防止できる。
また、励起信号発生制御器220を、図8に示すような励起信号発生制御器220´に置き換えてもよい。図8は、励起信号発生制御器220´の構成を示すブロック図である。
励起信号発生制御器220´は、励起信号発生制御器220の変形例であり、ここでは、励起信号発生制御部220と異なるブロックの説明を行い、同じブロックについては、同じ部材番号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、励起信号発生制御器220´は、比較器225、閾値選択部226、および遅延器224を備えている。
まず、比較器225は、入力された入力振幅値信号#20の値と、閾値選択部21より出力された閾値信号#226の値とを比較し、入力振幅値信号#20の値の方が大きいとき論理値「0」を、入力振幅値信号#20の値の方が小さいとき論理値「1」を、発生許可信号#21として出力する。
閾値選択部226には、遅延器224からの遅延信号#224が入力される。遅延器の動作については、励起信号発生制御器220と同じであるため、ここではその説明を省略する。閾値選択部226は、遅延信号#224の論理値が「1」である場合、閾値Tbを閾値信号#226として、比較器225に出力する。一方、遅延信号#334の論理値が「0」である場合、閾値選択部226は、閾値Taを閾値信号#226として、比較器225に出力する。
励起信号発生制御器220´の作用効果は、励起信号発生制御器220と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、上記励起信号発生制御器220および220´は、閾値TaおよびTbが、互いに異なる値となっていることにより、入力信号#10の振幅が大振幅か小振幅かの判定に、ヒステリシスを設けることとなるが、この閾値TaおよびTbを同じ値とし、このヒステリシス特定を設けない構成としてもよい。
さらに、上記に説明した励起信号発生制御器220および220´の構成は一例であり、入力信号#10の振幅に基づいて、発生許可信号#21の論理値を「0」および「1」に切替えることが可能な構成であれば、上記の構成に限定されるものではない。また、比較器221、比較器222、信号選択部223、遅延器224、比較器225、および閾値選択部226は、一般的な論理回路によって構成できる。
(励起信号振幅制御器230)
次に、図9を参照して、励起信号振幅制御器230の構成を以下に説明する。図9は、励起信号振幅制御器230の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、励起信号振幅制御器230は、信号選択部231、最小値出力回路232、最大値出力回路233、遅延器234、および加算器235を備えている。
信号選択部231は、入力された発生許可信号#21の論理値に基づいて、加算器235からの加算信号#235の値および所定値Vbのいずれか一方を選択し、選択信号#231として、最小値出力回路232に出力するものである。具体的には、信号選択部231は、発生許可信号#21の論理値が「0」である場合、所定値Vbを最小値出力回路232に出力し、一方、発生許可信号#21の論理値が「1」である場合、加算信号#235値を最小値出力回路232に出力する。
最小値出力回路232は、入力された選択信号#231の値と、所定値Vaとを比較し、小さい方の値を、比較結果信号#232として最大値出力回路233に出力する。最大値出力回路233は、比較結果信号#232の値と、所定値Vbとを比較し、大きい方の値を、比較結果信号#233として遅延器234に出力する。遅延器234は、入力された比較結果信号#233を、自身の1動作クロック分遅延し、振幅制御信号#23として、励起信号発生器240および加算器235に出力する。加算器235は、入力された振幅制御信号#23の値に対して、定数βを加算し、加算した値を、加算信号#235として、信号選択部231に出力する。なお、所定値VaとVbとの関係は、Va>Vbであり、かつ、Vbの値は「0」である。さらに、所定値Va>定数β>0である。
励起信号振幅制御器230は、以上のような構成を備えることにより、入力された発生許可信号#21の論理値が「0」のとき、振幅制御信号#23の値は「0」となる。これは、比較結果信号#233=max(Vb,min(Va,Vb)=max(Vb,Vb)=Vbとなるためである。
一方、発生許可信号#21の論理値が「0」から「1」に切り替わると、振幅制御信号#23の値は、0から所定値Vaに緩やかに遷移する。これは、発生許可信号#21の論理値が「0」から「1」に切り替わった時点において、振幅制御信号#23=0であり、この振幅制御信号#23の値は、所定値Vaに達するまで、遅延器234の1動作クロック毎に、定数βずつ上昇する。これは、比較結果信号#233=max(Vb,min(Va,振幅制御信号#23+β))=max(Vb,振幅制御信号#23+β)=振幅制御信号#23+βとなるためである。
さらに、発生許可信号#21の論理値が「1」のときであり、かつ、振幅制御信号#23の値がVaに達した後は、振幅制御信号#23の値はVaのままとなる。これは、比較結果信号#233=max(Vb,min(Va,振幅制御信号#23+β))=max(Vb,Va)=Vaとなるためである。
なお、振幅制御信号#23の値が、0からVaに遷移する遷移期間は、所定値Vaおよび定数βの値を変更することより調整可能である。さらに、上記に説明した励起信号振幅制御器230の構成は一例であり、発生許可信号#21の論理値に基づいて、上記のような振幅制御信号#23を出力できる構成であれば、上記の構成に限定されるものではない。また、信号選択部231、最小値出力回路232、最大値出力回路233、遅延器234、および加算器235は、一般的な論理回路によって構成可能である。
(閾値制御器250)
次に、図10を参照して、閾値制御器250の構成を以下に説明する。図10は、閾値制御器250の構成を示すブロック図である。
なお、閾値制御器250の回路構成は、励起信号振幅制御器230の回路構成と同じであり、各内部ブロックに入力されるパラメータが異なるものである。具体的には、励起信号振幅制御器230における、所定値Va、所定値Vb、および定数βが、閾値制御器250において、所定値Vc、所定値Vd、および定数γに置き換わったものである。
したがって、ここでは、閾値制御器250の構成を簡単に説明し、その詳細な処理動作の説明は省略する。
図10に示すように、閾値制御器250は、信号選択部251、最小値出力回路252、最大値出力回路253、遅延器254、および加算器255を備えている。
信号選択部251は、入力された発生許可信号#21の論理値に基づいて、加算器255からの加算信号#255の値および所定値Vdのいずれか一方を選択し、選択信号#251として、最小値出力回路252に出力するものである。具体的には、信号選択部251は、発生許可信号#21の論理値が「0」である場合、所定値Vdを最小値出力回路252に出力し、一方、発生許可信号#21の論理値が「1」である場合、加算信号#255の値を最小値出力回路252に出力する。
最小値出力回路252は、入力された選択信号#251の値と、所定値Vcとを比較し、小さい方の値を、比較結果信号#252として最大値出力回路253に出力する。最大値出力回路253は、比較結果信号#252の値と、所定値Vdとを比較し、大きい方の値を、比較結果信号#253として遅延器254に出力する。遅延器254は、入力された比較結果信号#253を、自身の1動作クロック分遅延し、閾値信号#25として、励量子化器120および加算器255に出力する。加算器255は、入力された閾値信号#25の値に対して、定数γを加算し、加算した値を、加算信号#255として、信号選択部251に出力する。なお、所定値VcとVdとの関係は、Vc>Vd>0である。さらに、所定値Vc>定数γ>0である。
閾値制御器250は、以上のような構成を備えることにより、入力された発生許可信号#21の論理値が「0」のとき、値がVdの閾値信号#25を出力する。一方、発生許可信号#21の論理値が「0」から「1」に切り替わると、閾値制御器250は、閾値信号#25の値がVcに達するまで、該信号の値を、VdからVcに緩やかに増加させる。また、閾値制御器250は、発生許可信号#21の論理値が「1」から「0」に切り替わると、閾値信号#25の値を、即座にVcに降下させる。
なお、上記に説明した閾値制御器250の構成は一例であり、発生許可信号#21の論理値に基づいて、上記のような閾値信号#25を出力できる構成であれば、上記の構成に限定されるものではない。また、閾値制御器250は、信号選択部251、最小値出力回路252、最大値出力回路253、遅延器254、および加算器255は、一般的な論理回路によって構成可能である。
また、上記の所定値Vcと、励起信号振幅制御器230が備える所定値Vaとは、互いに対応しており、具体的には、ΔΣ変調信号#14に発生する間欠期間の発生頻度を低減するためには、所定値Vaの値は、所定値Vcの値に対して、約1.1倍〜8倍であることが好ましい。
(励起信号発生器240)
次に、図11を参照して、励起信号発生器240の構成を以下に説明する。図11は、励起信号発赤器240の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、励起信号発生器240は、周期的波形発生器241および乗算器242を備えている。
まず、周期的波形発生器214は、三角波または正弦波などの周期的な波形の信号(基礎信号)#241を生成し、生成した基礎信号#24を、乗算器242に出力する。乗算器242には、振幅制御信号#23が入力される。ここで、乗算器242は、入力した基礎信号#241と、振幅制御信号#23とを乗算し、乗算した信号を、励起信号#24として加算器160に出力する。
なお、上記に説明した励起信号発生器240の構成は一例であり、振幅制御信号#23に応じた振幅となる励起信号#24を生成できる構成であれば、上記の構成に限定されるものではない。
(量子化器120)
次に、図12を参照して、量子化器120の構成を以下に説明する。図12は量子化器120の構成を示すブロック図である。
図12に示す量子化器120は、積分信号#13の値を、閾値制御器250より入力された閾値信号#25の値と比較することによって、スイッチング回路130を駆動するためのΔΣ変調信号#14を生成するものであり、例えば、コンパレータ121、122および乗算器123により構成することができる。
コンパレータ121は、積分信号#13の値を、閾値信号#25の値と比較し、積分信号#13の値の方が大きければ「1」を、そうでなければ「0」を、デジタル信号#14aとして出力する。乗算器123は、閾値信号#25の値に対して「−1」を乗算し、正負の符号が反転された閾値を、コンパレータ122に出力する。コンパレータ122は、積分信号#13の値を、この符号が反転された閾値と比較し、積分信号#13の値の方が小さければ「1」を、そうでなければ「0」を、デジタル信号#14bとして出力する。
(積分器群110)
図13は、積分器群110の構成例を示すブロック図である。図13に示した積分器群110は、5つの積分器111〜115を含む5次の積分回路である。さらに、積分器群110は、加算器116を備えており、この加算器116は、積分器111〜115より、それぞれ出力される積分値を加算し、加算した値を、積分信号#12として出力する。
以上のように、本実施形態に係るΔΣ変調回路100は、周期的な信号である励起信号を、積分器群110からの積分信号に加算することにより、量子化器120より出力されるΔΣ変調信号のパルスパターンが、均等になるようにする。これは、励起信号を加算したことにより、量子化器120より出力されるΔΣ変調信号に、この励起信号の周期に応じたパルスが加わることになり、結果、特定の音声を入力信号とした場合に、ΔΣ変調信号のパルスパターンが一定期間出力されない間欠期間の発生を抑えることができる。結果、周期的な間欠期間に起因して発生するジュル音を低減することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について以下に説明する。第2の実施形態に示すΔΣ変調回路100´の構成は、第1の実施形態に示したΔΣ変調回路100の変形例である。具体的には、第2の実施形態においては、積分信号#12に励起信号#24を加算する代わりに、量子化器120内の2つのコンパレータ121および122が入力する、閾値信号#25および閾値信号#25の符号が反転した信号のそれぞれに、励起信号#24を加算するものである。なお、以下の第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる箇所について説明し、重複する箇所については、同じ部材番号を付して、その説明を省略する。
(ΔΣ変調回路100´の構成)
まず、ΔΣ変調回路100´の基本構成について、図22を参照して以下に説明する。図22は、ΔΣ変調回路100´の構成を示すブロック図である。
図22に示すように、ΔΣ変調回路100´とΔΣ変調回路100との違いは、ΔΣ変調回路100´は、ΔΣ変調回路100が備えている加算器160の代わりとなる2つの加算器124および125(後述の図23を参照)を、量子化器120´の内部に備え、さらに、励起信号発生器240が励起信号#24を量子化器120´に入力し、積分手段110は積分信号#12を量子化器120´に入力している点である。
(量子化器120´の構成および動作)
次に、量子化器120´の構成について、図23を参照して以下に説明する。図23は、量子化器120´の構成を示すブロック図である。
図23に示すように、量子化器120´は、コンパレータ121および122と、乗算器123と、加算器124および125とを備えている。
加算器124は、閾値信号#25の値に励起信号#24の値を加算し、加算した値を量子化閾値Aとしてコンパレータ121に入力する。加算器125は、乗算器123によって、閾値信号#25の値の符号が反転された値に、閾値信号#24の値を加算し、加算した値を量子化閾値Bとしてコンパレータ122に入力する。
コンパレータ121は、積分信号#12の値を、入力された量子化閾値Aと比較し、積分信号#12の値の方が大きければ「1」を、そうでなければ「0」を、デジタル信号#14aとして出力する。一方、コンパレータ122は、積分信号#12の値を、入力された量子化閾値Bと比較し、積分信号#12の値の方が小さければ「1」を、そうでなければ「0」を、デジタル信号#14bとして出力する。
ここで、第1の実施形態における、積分信号#13、量子化閾値A、および量子化閾値Bの時間的変化と、第2の実施形態における、積分信号#12、量子化閾値A、および量子化閾値Bの時間的変化を、模式的に示すと、図24(a)および(b)のようになる。
図24(a)は、第1の実施形態における、積分信号#13、量子化閾値A、および量子化閾値Bの時間的変化を示す模式図であり、図24(b)は、第2の実施形態における、積分信号#12、量子化閾値A、および量子化閾値Bの時間的変化を示す模式図である。
図24(a)に示すように、第1の実施形態の量子化器120は、積分信号#12に励起信号#24が加算された積分信号#13と、周期的に変動していない量子化閾値AおよびBとを比較する。一方、図24(b)に示すように、第2の実施形態の量子化器120´は、積分信号#12と、励起信号#24が加算された、周期的に変動する量子化閾値AおよびBとを比較する。
ここで、量子化器120および120´が共に備えるコンパレータ121および122は、積分信号#12、#13と、量子化閾値AおよびBとを比較して、この比較結果に応じたデジタル信号14aおよび14bを出力するものであるため、各コンパレータ121および122が比較の対象とする、積分信号#12と、量子化器閾値AおよびBのどちらに、励起信号#24を加算したとしても、同じ作用効果を奏することになる。
以上のように、第2の実施形態に係るΔΣ変調回路100´は、周期的な信号である励起信号#24を、コンパレータ121に入力される閾値信号#25と、コンパレータ122に入力される閾値信号#25の符号は反転した信号とに加算する。これにより、量子化器120´より出力されるΔΣ変調信号のパルスパターンが、均等になる。これによる作用は、第1の実施形態において述べたとおりであり、結果、ΔΣ変調回路100´は、第1の実施形態のΔΣ変調回路100と同じ効果を奏する。
(付記事項1)
ΔΣ変調回路100および100´は、上述したように、ハードウェアロジックにより構成してもよいが、デジタルシグナルプロセッサにより実現することもできる。すなわち、ΔΣ変調回路100および100´は、高速積和演算器やALU(arithmetic logical unit)等の演算装置と、ΔΣ変調回路100に含まれる各ブロック(回路)として機能させる制御プログラムを担持したプログラムメモリ等の記憶装置とを備えたデジタルシグナルプロセッサとして構成することができる。
そして、本発明の目的は、上記制御プログラムがデジタルシグナルプロセッサのプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を汎用的なデジタルシグナルプロセッサに供給し、そのデジタルシグナルプロセッサが上記プログラムコードを実行することによっても、あるいは、上記プログラムコードを記録した記録媒体をΔΣ変調回路100および100´に供給し、ΔΣ変調回路100および100´が備えている汎用的なデジタルシグナルプロセッサが上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、デジタルシグナルプロセッサ(あるいは、デジタルシグナルプロセッサを備えたΔΣ変調回路100および100´)を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して、そのデジタルシグナルプロセッサに供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態によっても実現され得る。
(付記事項2)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。