JP4885835B2 - Δς変調装置、δς変調の停止方法、プログラム、および、記録媒体 - Google Patents

Δς変調装置、δς変調の停止方法、プログラム、および、記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ΔΣ変調を停止するときに発生するポップ音を低減する技術に関する。
オーディオ機器においては、消音時に発生する「ポツッ」または「ボツッ」という異常音が、機器の評価を左右する問題となり得る。このような異常音は、「ポップ音」あるいは「ポップノイズ」などと呼ばれ、その発生要因としては、音声信号の伝送が遮断されることに伴って回路各部で生じる過渡現象などが挙げられる。
近年普及が著しいΔΣ変調型デジタルアンプも、ΔΣ変調信号の伝送を遮断するなどしてΔΣ変調を停止する際にポップ音を発生させることがある。以下、ΔΣ変調型デジタルアンプが発生させるポップ音について、増幅回路として片ブリッジ型のスイッチング回路と両ブリッジ型のスイッチング回路とを用いた場合のそれぞれに関して、簡単に説明する。
図20は、増幅回路として片ブリッジ型のスイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプの典型的な構成を示したブロック図である。図20に示したΔΣ変調型デジタルアンプ10は、増幅回路12の他に、ΔΣ変調回路11と、LPF(ローパスフィルタ)13と、コンデンサ14とを備えている。
ΔΣ変調回路11は、アナログ信号である入力信号#1をΔΣ変調することによって、増幅回路12を駆動するためのスイッチング信号#2として、ΔΣ変調信号を生成する。スイッチング信号#2は、「0」または「1」の値をとる2値のデジタル信号であり、パルス密度によって入力信号#1のレベルを表すPDM信号(パルス密度変調信号)である。より具体的には、スイッチング信号#2のパルス密度Dと基準パルス密度Dとの差D−Dが、入力信号#1のレベルに比例する。片ブリッジ型の場合、一般的に、基準パルス密度Dは0.5(値「1」をとる頻度と、値「0」をとる頻度とが一致)が用いられている。
増幅回路12は、直列に接続された2つのスイッチング素子12aおよび12bにより構成された片ブリッジ型のスイッチング回路であり、スイッチング素子12aにはスイッチング信号#2が、また、スイッチング素子12bにはスイッチング信号#2を反転した反転スイッチング信号2bが入力されるよう構成されている。
スイッチング信号#2が値「1」をとるとき、スイッチング素子12aは導通状態に制御され、スイッチング素子12bは遮断状態に制御される。これにより、増幅回路12の出力電位Vpは、電源電圧Vcに一致する。一方、スイッチング信号#2が値「0」をとるとき、スイッチング素子12aは遮断状態に制御され、スイッチング素子12bは導通状態に制御される。これにより、増幅回路12の出力電位Vpは、グランド電位に一致する。
LPF13は、このようにして増幅されたスイッチング信号#3を平滑化することよって、基準パルス密度Dに対応する直流成分Vと、入力信号#1を略忠実に増幅した交流成分とを含む出力信号#4を得る。ここで、基準パルス密度Dに対応する直流成分Vとは、基準パルス密度Dをもつスイッチング信号#3を平滑化して得られる直流電圧である。この出力信号#4に含まれる直流成分Vをコンデンサ14によって除去することによって、入力信号#1を略忠実に増幅したアナログ信号が得られる。
ところで、増幅回路12を備えたΔΣ変調型デジタルアンプ10においては、入力信号#1のレベルが0になった後も、基準パルス密度Dを有するスイッチング信号#2が増幅回路12に供給され続けている。このため、入力信号#1のレベルが0になった後も、出力信号#4には、基準パルス密度Dに対応する直流成分Vが含まれており(図21上段参照)、コンデンサ14には、この直流成分Vに比例する電荷が蓄えられている。
それ故、スイッチング信号#2の伝送を遮断すると、LPF13の出力電位VpLPFが急激にグランド電位に低下するとともに、コンデンサ14に蓄えられている電荷に比例した逆電圧が負荷50にかかる(図21下段参照)。この逆電圧によって、大きなポップ音が発生する。
なお、増幅回路に片ブリッジ型スイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプが発生させるポップ音を低減するための技術としては、例えば、特許文献1のものが知られている。
特許文献1には、入力信号をΔΣ変調することにより得られたPDM信号と、遷移信号をΔΣ変調することにより得られたPDM信号とを、消音時に切り替えて出力する技術が開示されている。遷移信号としては、レベルが滑らかに低下するアナログ信号が用いられる。これにより、出力されるPDM信号のパルス密度が滑らかに低下し、また、その直流成分もグランド電位に向かって滑らかに低下するので、消音時に発生するポップ音が低減される。
図22は、増幅回路として両ブリッジ型のスイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプの典型的な構成を示したブロック図である。図22に示したΔΣ変調型デジタルアンプ20は、増幅回路22の他に、ΔΣ変調回路21と、LPF23とを備えている。
ΔΣ変調回路21は、アナログ音声信号である入力信号#1をΔΣ変調することによって、増幅回路12を駆動するための正のスイッチング信号#2a、および、負のスイッチング信号#2bとして、ΔΣ変調信号を生成する。正負のスイッチング信号#2aおよび#2bは、それぞれ「0」または「1」の値をとるデジタル信号であり、そのパルス密度差によって入力信号#1のレベルを表すPDM信号である。もう少し具体的に言うと、正のスイッチング信号#2aのパルス密度から負のスイッチング信号#2bのパルス密度を引いたパルス密度差が、入力信号#1のレベルに比例する。
増幅回路22は、正のスイッチング信号#2aにより駆動される片ブリッジ型スイッチング回路22aと、負のスイッチング信号#2bにより駆動される片ブリッジ型スイッチング回路22bとを備えた両ブリッジ型のスイッチング回路である。これら2つの片ブリッジ型スイッチング回路間に接続された負荷(LPF23および負荷50)には、片ブリッジ型スイッチング回路22aの出力電位Vと、片ブリッジ型スイッチング回路22bの出力電位Vとの差V−Vが印加される。
正のスイッチング信号#2aが値「1」を、負のスイッチング信号#2bが値「0」をとるとき、負荷に印加される電圧V−Vは電源電圧Vに一致する。また、正負のスイッチング信号#2aおよび#2の両方が値「0」を取るとき、負荷に印加される電圧V−Vは0Vとなる。また、正負のスイッチング信号#2aおよび#2bが、正のスイッチング信号#2aが値「0」を、負のスイッチング信号#2bが値「1」をとるとき、負荷に印加される電圧V−Vは−Vに一致する。
LPF23は、このようにして増幅されたスイッチング信号#3aおよび#3bを平滑化することよって、出力信号#4aおよび#4bを得る。この出力信号#4aと出力信号#4bとの差として、入力信号#1を略忠実に増幅したアナログ信号が得られる。
このようなΔΣ変調型デジタルアンプ20においては、LPF23の出力電位VpLPFとVnLPFとの電位差V=VpLPF−VnLPFが負荷に印加されるので、出力信号#4aと出力信号#4bとに同一の直流成分が含まれていても、それらは互いに相殺されて、負荷に対して実効的な作用を及ぼさない(図23参照)。このため、スイッチング信号#2aおよび#2bの伝送を遮断しても、増幅回路として片ブリッジ型スイッチング回路を用いた場合のように、大きなポップ音を発生することはない。
増幅回路に両ブリッジ型スイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプとしては、例えば、特許文献2のものが知られている。特許文献2には、両ブリッジ型スイッチング回路を構成するスイッチング素子を適宜制御することによって、出力消音を簡単な構成で良好に行う技術が記載されている。
特開2006−109275(2006年4月20日公開) 特開2004−135061(2004年4月30日公開)
しかしながら、上記従来のΔΣ変調型デジタルアンプにおいては、ΔΣ変調信号(スイッチング信号)の伝送を遮断するなどしてΔΣ変調を停止した際、ΔΣ変調の量子化誤差に起因するポップ音を発生するというという問題があった。この問題について、もう少し詳しく説明すれば、以下のとおりである。
増幅回路に両ブリッジ型スイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプの場合、ΔΣ変調により生成される正負のスイッチング信号(ΔΣ変調信号)は、パルス密度差が入力信号のレベルに比例するPDM信号である。したがって、入力信号のレベルが0であれば、理想的には、正負のスイッチング信号のパルス密度差は0になる。しかしながら、ΔΣ変調には、必ず量子化誤差が伴うので、入力信号のレベルが0であっても、実際には、正負のスイッチング信号のパルス密度差が0にはならない。このため、入力信号のレベルが0になった後も、量子化誤差によるパルス密度差に相当する電圧が負荷に印加され続ける。したがって、スイッチング信号の伝送を遮断すると、負荷に印加される電圧の不連続な変化が生じ、ポップ音を発生することになる。
また、ΔΣ変調の量子化誤差に起因するポップ音の問題は、増幅回路に片ブッリッジ型スイッチング回路を用いたΔΣ変調型デジタルアンプにも存在する。例えば、特許文献1に記載の技術のように、遷移信号をΔΣ変調して得られたPDM信号を消音時に用いても、やはり、このPDM信号を最終的に停止するときにポップ音を発生してしまう。これは、遷移信号のレベルをどれだけ小さくしても、量子化誤差として生じるスイッチングパルスの発生を完全に止めることはできず、したがって、負荷に印加される直流電圧を完全に0Vとすることができないためである。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、増幅回路におけるスイッチング回数を徒に増加させることなく、ポップ音を抑制することができるΔΣ変調装置を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るΔΣ変調装置は、ΔΣ変調信号を構成する各パルスのパルス幅を、下限パルス幅を下回らないように拡幅するパルス幅調整手段であって、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記下限パルス幅を逐次低下させるパルス幅調整手段を備えている、ことを特徴としている。
上記構成によれば、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記下限パルス幅が逐次低下するのに伴って、ΔΣ変調における量子化誤差も逐次低下する。このため、量子化誤差が低下した状態でΔΣ変調を停止させることができ、ΔΣ変調を停止する際に発生する量子化誤差に伴うポップ音を抑制するという効果を奏する。
なお、量子化誤差に起因するポップ音の低減は、ΔΣ変調回路のクロック周波数を上げて量子化誤差を小さくすることによっても達成し得る。しかしながら、単純にΔΣ変調回路のクロック周波数を上げると、増幅回路における単位時間あたりのスイッチング回数が増え、増幅回路における発熱、および、不要輻射の発生という別の問題を招来する。
一方、上記構成において、上記ΔΣ変調装置により得られるΔΣ変調信号は、各パルスのパルス幅が下限パルス幅を下回らないように拡幅されたものである。したがって、この下限パルス幅を適宜設定しておくことにより、下限パルス幅の低下を開始するまでの間、ΔΣ変調信号により駆動される増幅回路(スイッチング回路)において生じ得る、発熱、および、不要輻射を軽減することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るΔΣ変調装置は、ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を逐次低下させるパルス幅調整手段を備えている、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、ΔΣ変調を停止するまでの間、各単位パルスのパルス幅が逐次低下するのに伴って、ΔΣ変調における量子化誤差も逐次低下する。このため、量子化誤差が低下した状態でΔΣ変調を停止させることができ、ΔΣ変調を停止する際に発生する量子化誤差に伴うポップ音を抑制するという効果を奏する。
本発明に係るΔΣ変調装置は、上記ΔΣ変調信号と入力信号との差分値を積分して積分値を得る積分手段と、上記積分値を閾値と比較して比較結果に対応する上記ΔΣ変調信号を生成する比較手段と、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記閾値の大きさを逐次低下させる閾値制御手段と、をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記積分値と比較するための閾値(すなわち、量子化の閾値)の大きさがΔΣ変調を停止する前に逐次低下するので、ΔΣ変調を停止する際の量子化誤差をより一層低減することができる。したがって、ΔΣ変調を停止する際に発生する量子化誤差に伴うポップ音をより一層抑制することができる。
本発明に係るΔΣ変調装置は、ΔΣ変調を停止する前に、上記ΔΣ変調信号のパルス密度を測定する測定手段と、測定された上記パルス密度に一致する初期パルス密度を有し、かつ、パルス密度が逐次低下するデジタル信号を生成する生成手段と、出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える切替手段と、を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、下限パルス幅、または、単位パルス幅を、上記パルス幅調整手段により調整可能な最小パルス幅に低下させた後、上記ΔΣ変調信号の代わりに上記デジタル信号を出力することができる。上記デジタル信号は、逐次低下するパルス密度を有するので、その直流成分も逐次低下する。したがって、上記デジタル信号の直流成分が十分低下した後でΔΣ変調を停止したり、増幅を停止したりすることによって、発生するポップ音をより一層抑制することができる。
また、上記デジタル信号の初期パルス密度は、ΔΣ変調を停止する前の上記ΔΣ変調信号のパルス密度に一致する。したがって、この切り替えに際し、ポップ音は発生しないか、発生したとしてもごく小さいものにすることができる。
本発明に係るΔΣ変調装置において、上記切替手段は、上記ΔΣ変調信号と入力信号の差分値を積分して得られる1次積分値が0を含む所定の範囲内にあるとき、出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える、ことが好ましい。
上記の構成によれば、出力する信号の切り替えは、上記差分値が直接入力される第1積分器の出力値の大きさが所定の閾値以下になったとき、すなわち、ΔΣ変調において発生している量子化誤差が十分小さいときに行われる。したがって、この切り替えに際して発生し得る小さなポップ音を確実に抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るΔΣ変調の停止方法は、ΔΣ変調信号を構成する各パルスのパルス幅を、下限パルス幅を下回らないように拡幅するパルス幅調整手段を備えたΔΣ変調装置におけるΔΣ変調の停止方法であって、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記下限パルス幅を逐次低下させるパルス幅調工程を含んでいる、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記のΔΣ変調装置と同様に、量子化誤差が十分低下した後でΔΣ変調を停止することによって、発生するポップ音を十分抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るΔΣ変調の停止方法は、ΔΣ変調装置におけるΔΣ変調の停止方法であって、ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を逐次低下させるパルス幅調整工程を含んでいる、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記のΔΣ変調装置と同様に、量子化誤差が十分低下した後でΔΣ変調を停止することによって、発生するポップ音を十分抑制することができる。
なお、上記ΔΣ変調装置は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)として実現されていてもよい。この場合、デジタルシグナルプロセッサを上記各手段として機能させることにより、そのデジタルシグナルプロセッサをΔΣ変調装置として動作させるプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
本発明に係るΔΣ変調装置は、ΔΣ変調を停止する前に上記下限パルス幅を逐次低下させる下限パルス幅制御手段を備えている。また、本発明に係るΔΣ変調の停止方法は、ΔΣ変調を停止する前に下限パルス幅を逐次低下させる下限パルス幅制工程を含んでいる。
したがって、増幅回路におけるスイッチング回数を徒に増加させることがなく、しかも、量子化誤差が十分低下した後でΔΣ変調を停止したり、増幅を停止したりすることによって発生するポップ音を十分に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るΔΣ変調回路について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
なお、本実施形態に係るΔΣ変調回路は、増幅機能を有するデジタルアンプとして構成されているので、このΔΣ変調回路のことを、以下では「ΔΣ変調型デジタルアンプ」と呼称する。なお、このようなΔΣ変調回路は、しばしば1ビットアンプと呼ばれることもある。
(ΔΣ変調型デジタルアンプの構成)
まず、本実施形態に係るΔΣ変調型デジタルアンプ100の構成について、図1に基づいて説明する。
図1は、ΔΣ変調型デジタルアンプ100の構成を示すブロック図である。ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、概略的に言えば、入力信号#1をΔΣ変調し、得られたΔΣ変調信号を増幅することによって、スピーカなどの負荷を差動駆動するデジタルアンプである。入力信号#1は、アナログ信号であってもよいし、PCM(Pulse Code Modulation)信号などのデジタル信号であってもよい。
ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、図1に示したように、積分回路110、量子化回路120、パルス幅調整回路130、セレクタ140、遅延回路150、増幅回路160、LPF(ローパスフィルタ)170、消音制御回路200、パルス密度測定回路300、および、遷移パルス生成回路400を備えている。
積分回路110には、入力信号#10の値から遅延スイッチング信号#60の値を減算した差分値が入力される。積分回路110は、この差分値からなる差分値信号#20を積分する。積分信号#30、すなわち、積分器110より動作クロック毎に出力される積分値は、量子化器120に供給される。
量子化回路120は、積分信号#30の値を閾値Thと比較することによって、増幅回路160を駆動するための正負のスイッチング信号#41および#42を生成する。正負のスイッチング信号#41および#42は、増幅回路160のスイッチング素子を制御するためのデジタル信号であり、正のスイッチング信号#41のパルス密度(スイッチング信号#41の値が「1」になる、単位時間あたりの回数)と負のスイッチング信号#42のパルス密度との差が、入力信号#10の値に略比例するパルス密度変調信号である。
より具体的には、正のスイッチング信号#41は、積分信号#30の値が閾値Th>0より大きいとき論理値「1」を、そうでないとき論理値「0」をとるデジタル信号であり、負のスイッチング信号#42は、積分信号#30の値が負の閾値−Thより小さいとき「1」を、そうでないとき論理値「0」を取るデジタル信号である。量子化回路120は、後述するように、閾値Thを変更可能に構成されており、この閾値Thは、消音制御回路200によって決定される。
量子化回路120は、積分器110により動作クロック毎に出力される積分値を量子化するものであり、動作クロック毎に「1」または「0」の何れか一方の値を出力する。すなわち、量子化回路120により生成されるスイッチング信号#41および#42は、動作クロックに相当するパルス幅をもつ単位パルスにより構成される。量子化回路120が2回連続して「1」を出力すれば、2動作クロック幅のスイッチングパルス(2つの単位パルスからなるパルス)が得られ、量子化回路130が3回連続して「1」を出力すれば、3動作クロック幅のスイッチングパルス(3つの単位パルスからなるパルス)が得られることになる。
なお、増幅回路160を駆動するためのスイッチング信号としては、2値のデジタル信号、3値のデジタル信号、あるいは、それらの組み合わせなど、上記のものに限らず、増幅回路160の構成に応じた各種デジタル信号を利用し得る。例えば、増幅回路160が片ブリッジ型増幅回路である場合には、積分信号#30の値が閾値Th>0より大きいとき値「1」を、そうでないとき値「0」を取るスイッチング信号を用いてもよい。
パルス幅調整回路130は、正負それぞれのスイッチング信号#41および#42を構成するスイッチングパルスのパルス幅が下限パルス幅Wを下回らないよう、正負それぞれのスイッチングパルスのパルス幅を拡幅する。言い換えれば、スイッチング信号#41の値が連続して「1」となる時間が下限値Wを下回らないように、スイッチング信号#41の値を補正する(負のスイッチングパルス#42についても同様)。パルス幅調整回路130は、後述するように、下限パルス幅Wを変更可能に構成されており、この下限パルス幅Wは、消音制御回路200によって決定される。
パルス幅調整回路130にて得られた正負のスイッチング信号#51および#52は、セレクタ140を介して、増幅回路160と遅延回路150とに供給される。遅延回路150は、正のスイッチング信号#51と負のスイッチング信号#52との差分値を、N動作クロック遅延する。正のスイッチング信号#51と負のスイッチング信号#52との差分値を遅延して得られた遅延スイッチング信号#60は、上述した積分回路110に帰還される。
増幅回路160は、正のスイッチング信号#51により駆動される片ブリッジ型増幅回路と、負のスイッチング信号52により駆動される片ブリッジ型増幅回路とからなる、両ブリッジ型増幅回路である。両ブリッジ型増幅回路の構成については、図22を参照されたい。
正のスイッチング信号#51により増幅回路160を駆動して得られる出力信号#71は、LPF170によって平滑化され、平滑化された出力信号#81が負荷のプラス側端子に入力される。一方、負のスイッチング信号#52により増幅回路160を駆動して得られる出力信号#72は、LPF170によって平滑化され、平滑化された出力信号#82が負荷のマイナス端子に入力される。
以上のように、ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、増幅回路160を駆動するスイッチングパルスのパルス幅を拡幅するパルス幅調整回路130を備えているので、例えば、パルス幅調整回路130の下限パルス幅を動作クロックの数倍に設定することにより、増幅回路のスイッチング頻度を数分の1に低下させることができる。これにより、増幅回路160における発熱や不要輻射を抑えることができる。
しかしながら、スイッチングパルスのパルス幅の下限が制限されたことによって、ΔΣ変調における量子化誤差は増大する。このため、ΔΣ変調を停止する際に発生する量子化誤差に伴うポップ音も大きくなる。
そこで、ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、ΔΣ変調を停止する際に発生する量子化誤差に伴うポップ音を低減するための構成として、消音制御回路200、パルス密度測定回路300、および、遷移パルス生成回路400を備えている。
消音制御回路200は、ΔΣ変調を停止する前に、パルス幅調整回路130に下限パルス幅指示信号を供給し、下限パルス幅Wを逐次低下させる。これにより、ΔΣ変調における量子化誤差を低下させることができるので、ΔΣ変調を停止したときに発生するポップ音を小さくすることができる。
消音制御回路200は、ΔΣ変調を停止する前に、量子化回路120に閾値指示信号を供給し、閾値Thを逐次低下させる。これにより、ΔΣ変調における量子化誤差をさらに低下させることができるので、ΔΣ変調を停止したときに発生するポップ音がさらに小さくすることができる。
さらに、スイッチングパルスの下限パルス幅Wを1動作クロック相当まで低下させた後、パルス密度測定回路300は、スイッチング信号#51のパルス密度を測定する。遷移パルス生成回路400は、パルス密度測定回路300により測定されたパルス密度を読み出し、読み出したスイッチング信号#51のパルス密度を初期パルス密度とする遷移信号#91および#92を生成する。
遷移パルス生成回路400は、遷移信号#91および#92を構成する遷移パルスとして、1動作クロック相当のパルス幅を有する単位パルスを、そのパルス密度が逐次低下するようにタイミングを見計らって生成するように構成されている。これにより、スイッチングパルスのパルス幅を低下させることによって、負荷に対する印加電圧の直流成分を小さくしたのち、さらに、遷移パルスのパルス密度を低下させることによって、この直流成分を更に小さくすることができる。これにより、遷移パルスの生成を停止した際に発生し得るポップ音を十分小さくすることができる。
(ΔΣ変調型デジタルアンプの消音動作)
次に、消音制御回路200の制御により実行される消音動作について、図2および図3を参照してより詳細に説明する。
図2は、ΔΣ変調型デジタルアンプ100の消音動作を例示するタイミングチャートである。
消音制御回路200は、消音指令が与えられた時点、すなわち、消音指令信号の値が「0」から「1」に立ち上がった時点からの経過時間Tをカウントする。消音制御回路200の制御により実行される消音動作の各工程は、以下に説明するように、経過時間Tが予め設定された時間T1、T2、T3、およびT4に達したことを契機として実行される。
経過時間がT1に達すると、消音制御回路200は、標準閾値Thより小さい閾値を示す閾値指示信号を、量子化回路120に供給する。量子化回路120は、この閾値指示信号の値に基づいて、閾値を標準閾値Thの3/4に低下させる。また同時に、消音制御回路200は、標準下限パルス幅より小さいパルス幅を示す下限パルス幅指示信号を、パルス幅調整回路130に供給する。パルス幅調整回路130は、この下限パルス幅指示信号に基づいて、元々4動作クロック相当であった下限パルス幅を3動作クロック相当に低下させる。
経過時間がT2に達すると、消音制御回路200は、さらに小さい閾値を示す閾値指示信号を、量子化回路120に供給する。量子化回路120は、この閾値指示信号の値に基づいて、閾値を標準閾値Thの2/4に低下させる。また同時に、消音制御回路200は、さらに小さい下限パルス幅を示す下限パルス幅指示信号を、パルス幅調整回路130に供給する。パルス幅調整回路130は、この下限パルス幅指示信号に基づいて、下限パルス幅を2動作クロック相当に低下させる。
経過時間がT3に達すると、消音制御回路200は、さらに小さい閾値を示す閾値指示信号を、量子化回路120に供給する。量子化回路120は、この閾値指示信号の値に基づいて、閾値を標準値Thの1/4に低下させる。また同時に、消音制御回路200は、さらに小さい下限パルス幅を示すパルス幅制御信号を、パルス幅調整回路130に供給する。パルス幅調整回路130は、この下限パルス幅指示信号に基づいて、下限パルス幅を1動作クロック相当に低下させる。
また、消音制御回路200は、経過時間がT3に達した時点で、パルス密度測定回路300に供給するパルス密度測定指令信号の値を「0」から「1」に立ち上げる。パルス密度測定回路300は、パルス密度測定指令信号の値が「1」に立ち上がった時点で、スイッチング信号#51を構成するパルス数(スイッチング信号#51の値が「1」になる回数)のカウントを開始する。
経過時間がT4に達すると、消音制御回路200は、パルス密度測定回路300に供給するパルス密度測定指令信号の値を「1」から「0」に立ち下げる。パルス密度測定回路300は、パルス密度測定指令信号の値が「0」に立ち下がった時点で、パルス数のカウントを停止する。パルス密度測定回路300によりカウントされたパルス数は、時間Tc=T4−T3(定数)あたりのパルス数すなわち、Tcを単位時間とする平均パルス密度である。
また、消音制御回路200は、経過時間がT4に達した時点で、遷移パルス生成回路400に供給する遷移パルス生成指令信号の値を「0」から「1」に立ち上げる。遷移パルス生成回路400は、遷移パルス生成指令信号の値が「1」に立ち上がった時点で、パルス密度測定回路300により測定された平均パルス密度を初期パルス密度とする遷移信号#91および#92の生成を開始する。
また、消音制御回路200は、経過時間がT4に達した時点で、セレクタ140に供給する出力パルス切替指令信号の値を「1」から「2」に変化させる。出力パルス切替指令信号の値が「2」になると、セレクタ140は、増幅回路160に供給する信号を、スイッチング信号#51から遷移信号#90に切り替える。
その後、消音制御回路200は、遷移信号#91および#92のパルス密度が所定の値Dth以下になった時点で、出力パルス切替指令信号の値を「2」から「0」に変化させる。出力パルス切替指令信号の値が「0」に変化すると、セレクタ140は、増幅回路160に供給する信号を、値が恒等的に0であるダミー信号に切り替える。これにより、増幅回路160にはパルスが一切入力されない状態となる。
図3は、図2に示した消音動作の結果として得られる信号波形を例示する図である。同図において、パルスとして表現されている信号は、増幅回路160に入力される信号、すなわち、経過時間T4以前はスイッチング信号#51(実線)および#52(点線)、経過時間T4以後は遷移信号#91(実線)および#92(点線)を示す。また、曲線として表現されている信号は、平滑化された出力信号#81を示す。
図14は、消音指令により直ちに変調動作を停止した場合に得られる信号波形と、消音指令の後、図2に示した消音動作を実行した場合に得られる信号波形とを対比したシミュレーション結果を示す。
図14から、本発明の消音動作により、(1)実際に量子化誤差が段階的に低下すること、また、(2)増幅回路160に供給する信号を切り替えるときに僅かにポップ音が発生しているものの、遷移信号のパルス密度を十分に低下させてからパルスを止めれば、ポップ音なしに完全な消音が行えることが見て取れる。
(各回路の構成例)
次に、本実施形態に係るΔΣ変調型デジタルアンプ100に含まれる、消音制御回路200、パルス密度測定回路300、遷移パルス生成回路400、量子化回路120、パルス幅調整回路130の具体的な構成例について、図4から図9に基づいて説明する。
なお、以下に示す構成は、あくまで例示であり、ΔΣ変調型デジタルアンプ100の各部は、同様の機能を有する他の構成に適宜変更であることは言うまでもない。
<消音制御回路>
図4は、消音制御回路200の一構成例を示す回路図である。図4に示した消音制御回路200は、メインカウンタ210と、コンパレータ220と、閾値設定部230と、下限パルス幅設定部240と、出力パルス切替部250とを備えている。
メインカウンタ210は、消音指令信号の値が「1」に立ち上がってからの経過時間T(動作クロック単位)を算出するための手段であり、例えば、図4に示したように、セレクタ211〜212と、加算器213と、DFF(D−フリップフロップ)214とにより構成することができる。
メインカウンタ210において、算出すべき経過時間TはDFF214に保持される。消音指令信号の値が「1」に立ち上がった後、DFF214の値は、コンパレータ216の出力値が「1」に立ち上がるまでの間、動作クロック毎に1ずつカウントアップされる。そして、消音指令信号の値が「0」に立ち下がると、DFF214の値は、初期値0にリセットされる。
コンパレータ群220は、消音指令が与えられてからの経過時間Tを示す各種信号を生成するための手段であり、例えば、図4に示したように、メインカウンタ210にて算出された経過時間を予め設定された閾値と比較するコンパレータ221〜226により構成することができる。
コンパレータ221は、0≦T<T1のとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。コンパレータ222は、T1≦T<T2のとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。コンパレータ223は、T2≦T<T3のとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。コンパレータ224は、T3≦T<T4のとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。コンパレータ225は、T3≦Tのとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。コンパレータ226は、T4≦Tのとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。
コンパレータ群220の出力のうち、コンパレータ224の出力は、パルス密度測定指令信号としてパルス密度測定回路300に供給される。また、コンパレータ226の出力は、遷移パルス生成指令信号として遷移パルス生成回路400に供給されるとともに、上述したメインカウンタ210のセレクタ212に供給される。
閾値設定部230は、時間経過Tに応じて値が段階的に低下する閾値指示信号を、量子化器120に供給するための手段であり、例えば、図4に示したように、セレクタ231と、乗算器232〜235とにより構成することができる。
セレクタ231は、(1)コンパレータ221の出力値が「1」であるとき(すなわち、0≦T<T1のとき)、標準閾値Thを出力し、(2)コンパレータ222の出力値が「1」であるとき(すなわち、T1≦T<T2のとき)、乗算器232によって算出された閾値(3/4)×Thを出力し、(3)コンパレータ223の出力値が「1」であるとき(すなわち、T2≦T<T3のとき)、乗算器233によって算出された閾値(2/4)×Thを出力し、(4)コンパレータ225の出力値が「1」であるとき(すなわち、T3≦Tのとき)、乗算器234によって算出された閾値(1/4)×Thを出力する。また、セレクタ231は、これらのコンパレータの出力値が全て「0」であるとき、標準閾値Thを出力する。
下限パルス幅設定部240は、時間経過Tに応じて値が段階的に低下する下限パルス幅指示信号を、パルス幅制御器160に供給するための手段であり、例えば、図Z1に示したように、セレクタ241により構成することができる。
セレクタ241は、(1)コンパレータ221の出力値が「1」であるとき(すなわち、0≦T<T1のとき)、「4」を出力し、(2)コンパレータ222の出力値が「1」であるとき(すなわち、T1≦T<T2のとき)、「3」を出力し、(3)コンパレータ223の出力値が「1」であるとき(すなわち、T2≦T<T3のとき)、「2」を出力し、(4)コンパレータ225の出力値が「1」であるとき(すなわち、T3≦Tのとき)、「1」を出力する。また、セレクタ241は、これらのコンパレータの出力値が全て「0」であるとき、「4」を出力する。
出力パルス切替部250は、セレクタ140に対して出力パルス指示信号を出力するための手段であり、例えば、図4に示したように、セレクタ251と、コンパレータ252とにより構成することができる。
コンパレータ252は、遷移パルス生成回路400より遷移信号#91および#92のパルス密度を読み出し、読み出したパルス密度を予め設定された閾値Dthと比較する。そして、D≦Dthのときには「1」を、そうでないときには「0」を、セレクタ251に対して出力する。
セレクタ251は、(1)コンパレータ226の出力値が「0」(すなわち、T4<T)、かつ、コンパレータ252の出力値が「0」(すなわち、Dth<D)であるとき「1」を、(2)コンパレータ226の出力値が「1」(すなわち、T≦T4)、かつ、コンパレータ252の出力値が「0」(すなわち、Dth<D)であるとき「2」を、(3)コンパレータ226の出力値が「1」(すなわち、T≦T4)、かつ、コンパレータ252の出力値が「1」(D<Dth)であるとき値「0」を、セレクタ140に対して出力する。
<パルス密度測定回路>
図5は、パルス密度測定回路300の一構成例を示す回路図である。図5に示したパルス密度測定回路300は、パルス密度測定用カウンタ310と、パルス密度測定値保部320とを備えている。
パルス密度測定用カウンタ310は、パルス密度測定指令信号の値が「1」である間のスイッチングパルス数を算出するための手段であり、例えば、図5に示したように、セレクタ311〜312と、加算器313と、DFF314とにより構成することができる。
パルス密度測定用カウンタ310において、算出すべきスイッチングパルス数はDFF314に保持される。パルス密度測定指令信号の値が「1」に立ち上がった後、DFF314の値は、スイッチング信号#51の値が「1」になる度に1ずつカウントアップされる。そして、パルス密度測定指令信号の値が「0」に立ち下がると、DFF314の値は初期値0にリセットされる。
パルス密度保持部320は、パルス密度測定指令信号の値が「1」から「0」に立ち下がった時点で、パルス密度測定用カウンタ310の値を読み込んで、読み込んだ値を保持するための手段であり、例えば、図5に示したように、DFF321〜322と、セレクタ323とにより構成することができる。
ここで、DFF322に読み込まれるパルス密度測定用カウンタ310の値は、上述したとおり、時間Tc=T4−T3(定数)あたりのパルス数すなわち、Tcを単位時間とする平均パルス密度である。例えば、Tc=1024クロックの間にスイッチング信号#51が102回値「1」をとれば、1024クロックあたりの平均パルス密度として102がDFF322に格納される。もちろん、例えば、1クロックあたり平均パルス密度を102/1024≒0.1をDFF322に保持するように、パルス密度保持部320の構成を変更してもよい。
<遷移パルス生成回路>
図6は、遷移パルス生成回路400の一構成例を示す回路図である。図6に示した遷移パルス生成回路400は、パルス密度制御用カウンタ410と、パルス生成器420とを備えている。
パルス密度制御用カウンタ410は、生成すべき遷移パルスのパルス密度を算出するための手段であり、例えば、図6に示したように、セレクタ411〜412と、加算器413と、DFF414と、立上エッジ検出器415により構成することができる。
遷移パルス密度カウンタ410において、算出すべきパルス密度はDFF414に保持される。DFF414の値は、遷移パルス生成指令信号の値が「0」から「1」に立ち上がったときに、パルス密度測定回路300にて算出されたスイッチングパルス密度にセットされ、以後、パルス生成器420の出力値が「1」になる度に1ずつカウントダウンされる。
遷移パルス密度カウンタ410の値は、図2に示したように、その傾きを次第に小さくしながら徐々に減少する。ここで、傾きが次第に小さくなるのは、遷移パルス密度カウンタ410の値が減少することにより、パルス生成器420の出力値が「1」になる頻度が低下し、したがって、遷移パルス密度カウンタ410の値がカウントダウンされる頻度が低下していくためである。
パルス生成器420は、パルス密度制御カウンタ410の値に比例する頻度で遷移パルスを生成するための手段であり、例えば、図6に示したように、加算器421と、マスク422と、DFF423とにより構成することができる。
パルス生成器420は、パルス密度制御カウンタ410の値を積分し、得られた積分値の最上位ビットが1になると、遷移パルスを出力するとともに積分値の最上位ビットを0にマスクする。この積分値は、図7に示したように、パルス密度制御カウンタ410の値に比例した傾きで増加するので、パルス密度制御カウンタ410の値に比例する頻度で遷移パルスが生成されることになる。
スイッチング信号#51に代えて増幅回路140に供給される遷移信号#91は、以上のようにして生成された遷移パルスによって構成され、また、スイッチング信号#52に代えて増幅回路140に供給される遷移信号#92は、以上のようにして生成された遷移パルスを遅延することによって構成される。
<パルス幅調整回路>
図8は、パルス幅調整回路130の一構成例を示す回路図である。パルス幅調整回路130は、スイッチング信号#41を構成するスイッチングパルスのパルス幅(およびパルス間隔)が下限パルス幅Wを下回らないよう、すなわち、スイッチング信号#41の値が連続して「1」となる回数(および連続して「0」となる回数)が下限値Wを下回らないよう、スイッチング信号#41の値を補正するための手段であり、例えば、セレクタ131〜132と、DFF133〜135と、比較器136〜138とにより構成することができる。スイッチング信号#42についても、同様に構成されたパルス幅調整回路によって、各スイッチングパルスのパルス幅が拡幅される。
DFF133には、1クロック前の出力値が保持され、DFF134には、2クロック前の出力値が保持され、DFF135には、3クロック前の出力値が保持されている。
ここで、例えば、セレクタ132に下限パルス幅指示信号として値「4」が与えられた場合、現在の出力値、および、DFF133〜135に格納された1〜3クロック前の出力値が全て同一であるか否かが比較器138により判定される。比較器138により4クロック分の出力値が全て同一ではないと判定されると、DFF133に格納されている1クロック前の出力値が出力される。すなわち、同一の値を連続して4回出力するまで、前クロックの出力値が反復して出力される。これにより、スイッチング信号#41を構成するスイッチングパルスのパルス幅およびパルス間隔は、必ず4以上になる。下限パルス幅指示信号として「1」「2」「3」が与えられた場合についても同様である。
<量子化回路>
図9は、量子化回路120の一構成例を示す回路図である。量子化回路120は、積分信号#30の値を閾値Thと比較することによって、増幅回路160を駆動するための正負のスイッチング信号#41および#42を生成するための手段であり、例えば、コンパレータ121〜122と、乗算器123により構成することができる。
コンパレータ121は、積分信号#30の値を、消音制御回路200より供給される閾値指示信号の値と比較し、積分信号#30の値の方が大きければ「1」を、そうでなければ「0」を出力する。乗算器123は、消音制御回路200より供給される閾値指示信号の値に−1を乗算し、符号が反転された閾値を得る。すなわち、閾値指示信号の値がTh>0であれば−Thを、閾値指示信号の値が(3/4)×Thであれば(−3/4)×Thを得る。コンパレータ122は、積分信号#30の値を、この符号が反転された閾値と比較し、積分信号#30の値の方が小さければ「1」を、そうでなければ「0」を出力する。
(変形例1)
以上に説明したΔΣ変調型デジタルアンプ100は、ΔΣ変調を停止したり増幅を停止したときに発生するポップ音を有効に低減するものであるが、増幅回路160に供給する信号をスイッチング信号#51および#52から遷移信号#91および#92に切り替えるタイミング(図2で経過時間がT4に達した時点)で、僅かながらポップ音が確認される場合がある。そこで、以下では、この増幅回路160に供給する信号を切り替えるタイミングで発生するポップ音を、更に軽減するようにしたΔΣ変調型デジタルアンプ100の一変形例について説明する。
先に説明したように、ΔΣ変調型デジタルアンプ100において発生するポップ音は、ΔΣ変調の量子化誤差に起因するものである。したがって、ΔΣ変調の量子化誤差が小さくなるタイミングを見計らって増幅回路160に供給する信号を切り替えるようにすれば、この切り替えに伴って発生するポップ音を低減することができる。
本変形例においては、この量子化誤差が小さくなるタイミングを、積分回路110の出力値に基づいて検出し、検出したタイミングで増幅回路160に供給する信号を切り替えることにより、この切り替えに発生に伴って発生するポップ音を低減する。
図10は、本変形例に係るΔΣ変調型デジタルアンプ100´の構成を示すブロック図である。
ΔΣ変調型デジタルアンプ100´は、先に説明したΔΣ変調型デジタルアンプ100と同様、積分回路110、量子化回路120、パルス幅調整回路130、セレクタ140、遅延回路150、増幅回路160、LPF170、消音制御回路200、パルス密度測定回路300、および、遷移パルス生成回路400を備えている。これらは、図1に示したものと同様の構成であるので、対応するブロックに同一の参照符号を付すことにより、各ブロックについての説明を省略する。
図10に示したΔΣ変調型デジタルアンプ100´が、図1に示したΔΣ変調型デジタルアンプ100と異なる点は、消音制御回路200が、積分回路110の第1積分器出力#100を読み出し、第1積分器出力#100の値が0を含む所定の範囲に収まった時点で、セレクタ140を切り替えるように構成されている点である。
図11は、積分回路110の構成例を示すブロック図である。図11に示した積分回路110は、5つの積分器111〜115を含む5次の積分回路であり、差分信号#20が最初に入力される積分器111が第1積分器である。上述した第1積分器出力#100は、この第1積分器111の出力値からなる信号である。第1積分器出力#100の値は、ΔΣ変調における量子化誤差そのものを積分した積分値であり、ΔΣ変調における量子化誤差の大きさを評価する指標として最適である。
図12は、第1積分器出力#100の挙動を例示したグラフである。消音制御回路200は、図12に示したような閾値±Wthを設定し、第1積分器出力#20の値が±Wthの範囲内に入った時点を示す出力パルス切替許可信号を生成する手段を備えている。
図13は、本変形例に係る消音動作の流れを示したタイミングチャートである。図13に示したように、本変形例における消音制御回路200は、この出力パルス切替許可信号の値が「1」になったタイミングで、遷移パルス生成指令信号の値を「0」から「1」に立ち上げ、また、同タイミングで、出力パルス切替指令信号の値を「1」から「2」に変化させる。これにより、量子化誤差が一定値以下であるときに、増幅回路160に供給する信号をスイッチング信号#51および#52から遷移信号#91および#92に切り替えることができる。
図15は、図2とタイミングチャートに基づく消音動作を実行したときに得られる信号波形(上)と、図13のタイミングチャートに基づく消音動作を実行したときに得られる信号波形(下)とを対比したシミュレーション結果を示す。
図15から、増幅回路160に供給する信号の切り替えを、第1積分器出力#100の大きさが所定の閾値以下になった時点で行うことにより、この切り替えによって生じるポップ音を抑制できることが見て取れる。
(変形例2)
以上では、ΔΣ変調型デジタルアンプ100が単一の動作クロックに基づいて動作することを前提とし、図16上段に示したように、下限パルス幅を4動作クロック幅から1動作クロック幅まで逐次低下させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ΔΣ変調型デジタルアンプを複数の動作クロックに基づいて動作させ、図16に下段に示したように、単位パルス幅を1動作クロック以下に逐次低下させるように変形しても、同様の効果を得ることができる。
図17は、本変形例に係るΔΣ変調型デジタルアンプ100”のそのような変形例を示すブロック図である。
ΔΣ変調型デジタルアンプ100”は、積分回路110、量子化回路120、パルス幅調整回路130”、セレクタ140、遅延回路150”、増幅回路160、LPF170、消音制御回路200、パルス密度測定回路300、および、遷移パルス生成回路400を備えている。ΔΣ変調型デジタルアンプ100”の上記各部は、同一の参照符号を付して図1に示したものと基本的に同様である。ただし、パルス幅調整回路130”は、ΔΣ変調を停止するまでの間、スイッチング信号#41および#42を構成する単位パルスのパルス幅を逐次低下させるように構成されている。
図17に示したΔΣ変調型デジタルアンプ100”は、積分回路110と量子化回路120とからなる第1の系がfs[Hz]で動作し、パルス幅調整回路130”とセレクタ140と遅延回路150”と消音制御回路200とパルス密度測定回路300とからなる第2の系がfs×N[Hz](Nは2以上の整数)で動作する点において、図1に示したΔΣ変調型デジタルアンプ100と相違する。このように、第2の系を第1の系より高速に動作させることによって、第1の系において生成される単位パルスのパルス幅を、1/fs[sec]より小さくすることが可能になる。
図18は、パルス幅調整回路130”の構成例を示すブロック図である。図17に示したように、パルス幅調整回路130”は、例えば、DFF131”と、差分検出回路132”と、カウンタ133”と、比較器134”と、セレクタ135”とにより構成することができる。なお、ここでは、説明の便宜上、第2の系が第1の系の4倍の速さで動作するものと仮定している。つまり、パルス幅調整回路130”からは、スイッチング信号#41は4動作クロック(1動作クロック=1/(4×fs)[sec])ごとに値が変化するように見える。
パルス幅制御回路130”において、差分検出回路132”は、入力されたスイッチング信号#41の値と、1動作クロック前のスイッチング信号#41の値を比較し、値が異なるとき「1」を、そうでないとき「0」を出力する。カウンタ135”は、「1」「2」「3」「4」「1」「2」…というように、動作クロックを巡回的にカウントするカウンタである。カウンタ135は、差分検出回路132”の出力が「1」になったとき、カウントを「1」にリセットするように構成されており、スイッチング信号#41の値が変化した時点からの経過時間(動作クロック単位)を出力する。
比較器134”は、消音制御回路300から供給される下限パル幅指示信号の値Aと、カウンタ135の出力Bとを比較し、カウンタ135の出力Bが下限パルス幅指示信号の値A以下である間「1」を出力する。例えば、下限パルス幅指示信号の値が「3」のとき、比較器134”からは、「1110」という系列が出力される。一般に、下限パルス幅指示信号の値がMのとき、比較器134”からは、4クロック中、最初のMクロックが「1」となる系列が出力される。
セレクタ135”は、比較器134”の出力が「1」のとき、スイッチング信号#41の値を出力し、比較器134”の出力が「0」のとき、「0」を出力する。例えば、下限パルス幅指示信号の値が「3」のとき、比較器134”からは、「xxx0」(xは、そのクロックにおけるスイッチング信号#41の値)という系列が出力される。一般に、下限パルス幅指示信号の値がMのとき、4クロック中、最初のMクロックについて、そのクロックにおけるスイッチング信号#41の値がそのまま出力され、後は「0」が出力される。
このような構成により、量子化器120から出力されるスイッチングパルスの単位パルス幅を、4動作クロック(第1の系の1動作クロックに相当)から1動作クロック(第1の系の1/4動作クロックに相当)まで逐次低下させることが可能になる。
ところで、図17に示したΔΣ変調型デジタルアンプ100”において、積分回路110は、1/fs[sec]毎に値を取り込むため、1/(4×fs)[sec]毎に値が変化するセレクタ140の出力をそのまま帰還することができない。そこで、遅延器150”を、図19に示したように、直列に接続された4つのDフリップフロップと、各Dフリップフロップの出力を加算する加算器と、加算の出力に係数1/4を乗ずる乗算器とにより構成する。
遅延器150”は、4/(4×fs)[sec]幅の単位パルスがセレクタ140より入力されたとき、値「1」を積分回路110に帰還し、3/(4×fs)[sec]幅に減幅された単位パルスがセレクタ140より入力されたとき、値「3/4」を積分回路110に帰還し、2/(4×fs)[sec]幅の単位パルスがセレクタ140より入力されたとき、値「2/4」を積分回路110に帰還し、1/(4×fs)[sec]幅の単位パルスがセレクタ140より入力されたとき、値「1/4」を積分回路110に帰還する。これにより、動作クロックの異なる第1の系と第2の系とが接続される。
(付記事項1)
ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、上述したように、ハードウェアロジックにより構成してもよいが、デジタルシグナルプロセッサにより実現することもできる。すなわち、ΔΣ変調型デジタルアンプ100は、高速積和演算器やALU(arithmetic logical unit)等の演算装置と、ΔΣ変調型デジタルアンプ100に含まれる各ブロック(回路)として機能させる制御プログラムを担持したプログラムメモリ等の記憶装置とを備えたデジタルシグナルプロセッサとして構成することができる。ΔΣ変調型デジタルアンプ100´についても同様である。
そして、本発明の目的は、上記制御プログラムがデジタルシグナルプロセッサのプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を汎用的なデジタルシグナルプロセッサに供給し、そのデジタルシグナルプロセッサが上記プログラムコードを実行することによっても、あるいは、上記プログラムコードを記録した記録媒体をΔΣ変調型デジタルアンプ100に供給し、ΔΣ変調型デジタルアンプ100が備えている汎用的なデジタルシグナルプロセッサが上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、デジタルシグナルプロセッサ(あるいは、デジタルシグナルプロセッサを備えたΔΣ変調型デジタルアンプ100)を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して、そのデジタルシグナルプロセッサに供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態によっても実現され得る。
(付記事項2)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、本発明は、「複数の積分器で構成される積分器群、量子化器、パルス幅制御器で構成されるΔΣ変調装置において、消音指令を受けて消音のためのパルスパターンを制御するための消音制御器と、パルス周期測定回路と、周期遅延パルス発生回路で構成される誤差制御補助回路を付加した消音時のPOP音を防止する機能を有するΔΣ変調装置であって、片ブリッジのオフセット電圧が徐々に減衰されていくことを特徴とするΔΣ変調装置」と表現してもよい。
なお、本明細書においては、ΔΣ変調型デジタルアンプとして実現されたΔΣ変調装置について説明したが、本発明のΔΣ変調装置は、これに限らず、例えば、増幅機能を持たないAD/DA変換デバイスとして実現されていてもよい。
本発明は、ΔΣ変調信号を生成するΔΣ変調装置一般に適用することができ、とりわけ、ΔΣ変調型デジタルアンプなどに好適に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、ΔΣ変調型デジタルアンプの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ΔΣ変調型デジタルアンプの消音動作を例示するタイミングチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、図2に示した消音動作の結果として得られる信号の波形を例示する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、消音制御回路の一構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、パルス密度測定回路の一構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、遷移パルス生成回路の一構成例を示す回路図である 本発明の実施形態を示すものであり、パルス生成器における遷移パルスの発生方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態を示すものであり、パルス幅調整回路の一構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、量子化回路の一構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ΔΣ変調型デジタルアンプの変形例を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、積分回路1の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、第1積分器出力の挙動を例示した図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ΔΣ変調型デジタルアンプの消音動作の変形例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、消音指令により直ちに変調動作を停止した場合に得られる信号波形と、消音指令の後、図2に示した消音動作を実行した場合に得られる信号波形とを対比したシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、図2とタイミングチャートに基づく消音動作を実行したときに得られる信号波形(上)と、図13のタイミングチャートに基づく消音動作を実行したときに得られる信号波形(下)とを対比したシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、下限パルス幅を低下させることと、単位パルスのパルス幅を低下させることとの関係を説明する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ΔΣ変調型デジタルアンプの変形例を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、図17に示したΔΣ変調型デジタルアンプが備えている、パルス幅調整回路の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、図17に示したΔΣ変調型デジタルアンプが備えている、遅延回路の構成例を示すブロック図である。 従来技術を示すものであり、増幅回路として、片ブリッジ型のスイッチング回路を備えたΔΣ変調型デジタルアンプの概略構成を示したブロック図である。 図20に示したΔΣ変調型デジタルアンプにおいて、増幅回路の出力電圧、LPFの出力電圧、および、負荷に印加される電圧の時間変化を示すグラフである。 従来技術を示すものであり、増幅回路として、両ブリッジ型のスイッチング回路を備えたΔΣ変調型デジタルアンプの概略構成を示したブロック図である。 図22に示したΔΣ変調型デジタルアンプにおいて、増幅回路の出力電圧、LPFの出力電圧、および、負荷に印加される電圧の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
100、100´、100” ΔΣ変調型デジタルアンプ(ΔΣ変調装置)
110 積分回路(積分手段)
120 量子化回路(比較手段)
130 パルス幅調整回路(パルス幅調整手段)
140 セレクタ(切替手段)
150 遅延回路
160 ローパスフィルタ
200 消音制御回路(下限パルス幅制御手段、閾値制御手段)
300 パルス密度測定回路(測定手段)
400 遷移パルス生成回路(生成手段)

Claims (11)

  1. ΔΣ変調信号と入力信号との差分値を積分して積分値を得る積分手段と、
    上記積分値を閾値と比較して比較結果に対応する上記ΔΣ変調信号を生成する比較手段と、
    上記ΔΣ変調信号を構成する各パルスのパルス幅を、下限パルス幅を下回らないように拡幅するパルス幅調整手段であって、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記下限パルス幅を逐次低下させるパルス幅調整手段とを備えており、
    上記下限パルス幅は、上記積分手段及び上記比較手段の動作クロックの周期よりも長い
    ことを特徴とするΔΣ変調装置。
  2. ΔΣ変調を停止するまでの間、上記閾値の大きさを逐次低下させる閾値制御手段をさらに備えている、
    ことを特徴とする請求項記載のΔΣ変調装置。
  3. ΔΣ変調を停止する前に、上記ΔΣ変調信号のパルス密度を測定する測定手段と、
    測定された上記パルス密度に一致する初期パルス密度を有し、かつ、パルス密度が逐次低下するデジタル信号を生成する生成手段と、
    出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える切替手段と、を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のΔΣ変調装置。
  4. 上記切替手段は、上記ΔΣ変調信号と入力信号の差分値を積分して得られる1次積分値が0を含む所定の範囲内にあるとき、出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える、
    ことを特徴とする請求項に記載のΔΣ変調装置。
  5. ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を遂次低下させるパルス幅調整手段を備えているΔΣ変調装置であって、
    上記ΔΣ変調信号と入力信号との差分値を積分して積分値を得る積分手段と、
    上記積分値を閾値と比較して比較結果に対応する上記ΔΣ変調信号を生成する比較手段と、
    ΔΣ変調を停止するまでの間、上記閾値の大きさを逐次低下させる閾値制御手段と、をさらに備えている、
    ことを特徴とするΔΣ変調装置。
  6. ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を遂次低下させるパルス幅調整手段を備えているΔΣ変調装置であって、
    ΔΣ変調を停止する前に、上記ΔΣ変調信号のパルス密度を測定する測定手段と、
    測定された上記パルス密度に一致する初期パルス密度を有し、かつ、パルス密度が逐次低下するデジタル信号を生成する生成手段と、
    出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える切替手段と、を更に備え、
    上記切替手段は、上記ΔΣ変調信号と入力信号の差分値を積分して得られる1次積分値が0を含む所定の範囲内にあるとき、出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える、
    ことを特徴とするΔΣ変調装置。
  7. ΔΣ変調装置におけるΔΣ変調の停止方法であって、
    積分手段を用いて、ΔΣ変調信号と入力信号との差分値を積分して積分値を得る積分工程と、
    比較手段を用いて、上記積分値を閾値と比較して比較結果に対応する上記ΔΣ変調信号を生成する比較工程と、
    上記ΔΣ変調信号を構成する各パルスのパルス幅を、下限パルス幅を下回らないように拡幅するパルス幅調整工程であって、ΔΣ変調を停止するまでの間、上記下限パルス幅が逐次低下するパルス幅調整工程とを含んでおり、
    上記下限パルス幅は、上記積分手段及び上記比較手段の動作クロックの周期よりも長い
    ことを特徴とするΔΣ変調の停止方法。
  8. ΔΣ変調装置におけるΔΣ変調の停止方法であって、
    ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を逐次低下させるパルス幅調整工程を含んでおり、
    上記ΔΣ変調信号と入力信号との差分値を積分して積分値を得る積分工程と、
    上記積分値を閾値と比較して比較結果に対応する上記ΔΣ変調信号を生成する比較工程と、
    ΔΣ変調を停止するまでの間、上記閾値の大きさを逐次低下させる閾値制御工程と、
    を更に含んでいる、
    ことを特徴とするΔΣ変調の停止方法。
  9. ΔΣ変調装置におけるΔΣ変調の停止方法であって、
    ΔΣ変調を停止するまでの間、ΔΣ変調信号を構成する単位パルスのパルス幅を逐次低下させるパルス幅調整工程を含んでおり、
    ΔΣ変調を停止する前に、上記ΔΣ変調信号のパルス密度を測定する測定工程と、
    測定された上記パルス密度に一致する初期パルス密度を有し、かつ、パルス密度が逐次低下するデジタル信号を生成する生成工程と、
    出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える切替工程と、を更に含み、
    上記切替工程では、上記ΔΣ変調信号と入力信号の差分値を積分して得られる1次積分値が0を含む所定の範囲内にあるとき、出力する信号を上記ΔΣ変調信号から上記デジタル信号に切り替える
    ことを特徴とするΔΣ変調の停止方法。
  10. デジタルシグナルプロセッサを請求項1からまでの何れか1項に記載のΔΣ変調装置として動作させるためのプログラムであって、
    上記デジタルシグナルプロセッサを、上記ΔΣ変調装置が備えている各手段として機能させるプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録している、デジタルシグナルプロセッサ読み取り可能な記録媒体。
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