JP4833816B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、打球時の振動吸収性を高め、優れた打球感を発揮しうるゴルフクラブヘッドに関する。
近年、良好な打球感を得るために、例えば図8に示されるように、凹部aが設けられたヘッド本体bと、前記凹部aに圧縮状態で収容された振動吸収体cと、前記凹部aを閉じる蓋部材dとを有するゴルフクラブヘッドが提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2005−245519号公報
上記ゴルフクラブヘッドにあっては、蓋部材dが振動吸収体cと接触しかつこれを圧縮するようにヘッド本体bに固着されている。このため、蓋部材cは、常時、ヘッド本体10から外れる向きの力を振動吸収体cから受ける。また、蓋部材dをヘッド本体に固着する際にも、該蓋部材dは、圧縮された振動吸収体cからの反力を受ける。このため、接着中において、蓋部材dの位置ずれや接合不良などが生じるおそれがある。このような接合不良は、蓋部材dとヘッド本体bとの接着強度の低下をもたらし、例えばゴルフボール打撃時の衝撃力により、蓋部材dがヘッド本体bから外れるおそれがある。また、接着中、蓋部材dが移動しないように、保持用の治具等を別途必要とする場合もあり、生産コストの上昇や作業工程の複雑化を招くおそれがある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、蓋部材を、振動吸収体と接触させることなくヘッド本体に固着することを基本として、蓋部材の接合不良を防止しつつ打球時の衝撃吸収性を高め得るゴルフクラブヘッドを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、内部に中空部が設けられたゴルフクラブヘッドであって、前記中空部側に凹む凹部を有するヘッド本体と、前記凹部に収容されかつ前記ヘッド本体の振動を吸収しうる弾性材料からなる振動吸収体と、前記ヘッド本体に接着剤で固着されかつ該ヘッド本体のみと接触して前記凹部を閉じる蓋部材とを含むとともに、前記振動吸収体は、前記凹部に圧縮状態で収容されかつ接着剤を介して固着され、前記蓋部材は、前記振動吸収体と接触することなく固着されていることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記凹部及び前記振動吸収体は、円柱状をなす請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記振動吸収体の少なくとも一部は、凹部への挿入方向と直角方向で圧縮されている請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記振動吸収体の重心が、前記凹部を除くヘッド本体の内面が形成する基準内面よりも中空部側に設けられる請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記蓋部材と接触する前記ヘッド本体の接合面には、接着剤を溜める少なくとも1本の小溝が設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項6記載の発明は、前記凹部は、振動吸収体が収容される第1の部分と、この第1の部分のヘッド外面側に設けられかつ前記蓋部材が固着される前記第1の部分よりも内径が大きい第2の部分とを含む段付穴からなるとともに、前記第2の部分は、前記蓋部材の外側面を、凹部を除いたヘッド本体の外面が形成する基準外面よりも内側に位置させる請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。また、請求項7記載の発明は、前記凹部は底部を有し、かつ、前記振動吸収体が収容される略円柱状の空間を区画する最も底部側の第1の部分を具え、この第1の部分には、その軸方向に前記底部まで軸方向にのびる突起及び/又は軸方向にのびる振動吸収体圧入時の空気排気用の細溝の1ないし複数本が設けられる請求項1乃至6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
本発明のゴルフクラブヘッドは、中空部側に凹む凹部が設けられたヘッド本体と、凹部に収容されかつヘッド本体の振動を吸収しうる振動吸収体と、前記ヘッド本体に固着されて前記凹部を閉じる蓋部材とを含む。従って、ボール打撃時のヘッド本体の振動は、その凹部に収容された振動吸収体によって吸収されるので、良好な打球感が得られる。また、蓋部材は、凹部を閉じることにより、振動吸収体が外部から視認されるのを防止し、例えばクラブヘッドの美感を高めるのに役立つ。さらに、蓋部材は、振動吸収体と接触することなくヘッド本体に固着されているため、振動吸収体から力を受けない。従って、ヘッド本体と蓋部材との接合強度が向上する他、蓋部材とヘッド本体との位置ずれや接合不良等を防止でき、両部材が確実に固着される。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は基準状態にある本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」又は「クラブヘッド」ということがある。)1の斜視図、図2はその平面図、図3は図2のA−A断面図をそれぞれ示す。なおヘッドの1の基準状態とは、規定のライ角及びロフト角
(リアルロフト角)でクラブヘッド1を水平面HPに接地させた状態とする。
本実施形態のクラブヘッド1は、ボールを打球する面であるフェース2を有するフェース部3と、前記フェース2の上縁2aに連なりかつヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間をフェース2のトウ側縁2cからバックフェースBFを通ってフェース2のヒール側縁2dに至るサイド部6と、前記フェース部3、クラウン部4及びサイド部6のヒール側の交わり部近傍に設けられかつクラブシャフト(図示せず)が差し込まれるシャフト差込孔7aを有するホーゼル部7とを有する。
本実施形態において、クラブヘッド1は、内部に中空部iを有したドライバー(#1)又はフェアウェイウッドといったウッド型として形成される。しかしながら、クラブヘッド1として、内部に中空部iを有するものであれば、ウッド型(フェアウェイウッドを含む)、ユーティリティ型及びアイアン型のいずれでも良いのは言うまでもない。なお、クラブヘッド1のヘッド体積も特に限定されないが、概ね100〜470cm3 程度が好適である。
図2及び図3に示されるように、クラブヘッド1は、中空部i側に凹む凹部9が設けられた殻状のヘッド本体10と、前記凹部9に収容されかつヘッド本体10の振動を吸収しうる弾性材料からなる振動吸収体11と、ヘッド本体10に固着されかつ該ヘッド本体10のみと接触して前記凹部9を閉じる蓋部材12とを含んで構成されるとともに、該蓋部材12が振動吸収体11と接触することなく固着されていることを特徴としている。

本実施形態において、前記ヘッド本体10は、前記フェース部3、前記クラウン部4、前記サイド部6及び前記ホーゼル部7を構成するとともに、凹部9が設けられたソール部5の主要部を構成している。
ソール部5は、ボール打撃時に大きく振動する他、スイング時に地面と接触した際に大きな反力を受けて振動しやすい。従って、このようなソール部5に凹部9を設けかつそこに振動吸収体11を配置することにより、効果的にヘッド本体10の振動が吸収される。また、本実施形態の凹部9は、フェース部3からバックフェースBF側に離間した位置で中空部i内に突出するので、打球時のフェース部3の撓みを阻害しない。従って、クラブヘッド1の反発性及びインパクトの瞬間に発生する甲高くかつフィーリングの良い打球音の悪化を防止できる。
また、ソール部5に凹部9を設けた場合、振動吸収体11や蓋部材12もソール部5に配されることになる。これは、ソール部5の重量を増加させ、ヘッド重心を低く位置させるのに役立つ点でも好ましい。ただし、本発明において、凹部9の位置はソール部5に限定されるものではなく、例えばクラウン部4やサイド部6でも良い。また、アイアン型やユーティリティ型の場合には、背面部分に設けられても良いのは言うまでもない。
本実施形態において、ヘッド本体10は金属材料から形成される。該金属材料としては、例えばチタン、チタン合金、ステンレス、マレージング鋼、マグネシウム合金又はアルミニウム合金などが好ましい。また、ヘッド本体10は、鍛造、鋳造又はプレス成形などによって準備された2以上の部材を一体に接合することにより形成される。なお、本実施形態において、ヘッド本体10は、フェース部に開口部を有しかつ前記凹部9を有する鋳造品からなる基部10aと、フェースプレート10bとを溶接することにより形成される。そして、前記凹部9は、基部10aの鋳造と同時に形成される。
図4に拡大して示されるように、本実施形態の凹部9は、ソール部5に対してほぼ垂直方向の深さを有する円柱状かつ有底の凹みとして形成される。つまり、本実施形態において、凹部9は、中空部iとは直接連通していない。ただし、通気口(図示省略)などを設けて、凹部9と中空部iとを連通させても良い。
また、凹部9は、振動吸収体11が収容される略円柱状の空間を区画する最も底部側の第1の部分9aと、この第1の部分9aのヘッド外面側に連設されかつ蓋部材12が固着される略円柱状の空間を区画する第2の部分9bと、この第2の部分9bのヘッド外面側に連設された小深さの第3の部分9cとを含んで構成される。そして、第2の部分9bの内径d2は、第1の部分の内径d1よりも大きく形成され、また第3の部分9cの内径d3は、第2の部分9bの内径d2よりも大きく形成される。これにより、本実施形態の凹部9は、中空部i側からヘッド外面側に向かって内径がd1、d2及びd3と段階的に大きくなるいわゆる段付穴として形成されている。
前記振動吸収材11は、ヘッド本体10の振動を吸収しうる弾性材料、即ちヘッド本体10から伝えられた振動を自らの内部摩擦で熱に変換することにより吸収しうる弾性材料であれば特に限定はされない。好ましくは、加硫ゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ソフトセグメントとハードセグメントとからなる熱可塑性エラストマー又はこれらの混合物等が望ましい。とりわけ、2種以上のポリマーを混合又は化学結合させることにより得られたポリマーアロイが好適である。
前記ポリマーアロイは、一方のポリマーが他方のポリマー中に適当に分散して、巨視的には均一相を呈している多成分系高分子である。微視的には均一な場合もあるが、一方のポリマー相が他方のポリマー相に分散して不均一な構造を形成する場合もある。このような状態になった高分子多成分系は成分ポリマーの単なる平均的性質に加えて、新たな物性が生じるので樹脂やゴム等の改質に広く利用されている。このようなポリマーアロイとしては、例えば三菱化学(株)から商品名「ラバロン」(例えば、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」、「ラバロンSR04」等)で市販されているスチレン系熱可塑性エラストマーが好適である。
また振動吸収体11の硬度は、特に限定されないが、大きすぎると、十分な振動吸収能力を発揮できない傾向があり、逆に小さすぎても耐久性が悪化する傾向がある。このような観点より前記振動吸収体11の硬度(JIS−K6253のデュロメータA硬さ)は、好ましくは40゜以上、より好ましくは50゜以上が望ましく、上限については95゜以下、より好ましくは90゜以下、さらに好ましくは80゜以下が望ましい。
振動吸収体11の形状等は特に限定されないが、好ましくは、凹部9(具体的には第1の部分9a)の横断面形状に基づいて適宜設定される。図5に示されるように、本実施形態の振動吸収体11は、凹部9の第1の部分9aの横断面に合わせて円柱状で形成されており、ヘッド外面側から凹部9の第1の部分9aに押し込まれかつ圧入される。即ち、本実施形態の振動吸収体11は、その軸方向の全長さに亘って、凹部9への挿入方向(凹部の深さ方向)と直角方向(即ち、振動吸収体11がなす円柱の半径方向)で圧縮される。
このような圧縮状態で振動吸収体11を凹部9に収容することにより、振動吸収体11と凹部9(ヘッド本体10)とが良好に密着し、ヘッド本体10の振動が効率良く振動吸収体11によって吸収される。また、第1の部分9と振動吸収体11との摩擦力により、第1の部分9aに対する振動吸収体11の軸方向の位置が安定し、打撃を繰り返しても振動吸収体11の軸方向の位置ずれや外れ等が効果的に防止される。従って、振動吸収体11を蓋部材12で押さえる必要はない。また、振動吸収体11と凹部9との位置ズレをより確実に防止するために、両者の間に接着剤を介在させる。
振動吸収体11の凹部9に収容される前の自由状態での横断面積Sbと、凹部9に収容された後の横断面積Saとの比(Sa/Sb)は0.99以下、より好ましくは0.95以下が望ましい。前記比(Sa/Sb)が0.99よりも大きくなると、凹部9と振動吸収体11との密着性が低下し、ひいてはヘッド本体10から振動吸収体11への振動伝達性が低下して振動吸収性能が悪化するおそれがあるほか、凹部9の内部で振動吸収体11の位置が安定しないおそれがある。逆に、前記比(Sa/Sb)が小さくなりすぎると、振動吸収体11を凹部9へ圧入する作業が困難になる他、振動吸収体11の過度の圧縮により、振動吸収体11の振動吸収能力が低下するおそれがある。このような観点より、前記比(Sa/Sb)は、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.90以上が望ましい。なお、振動吸収体11の軸方向の一部においてこのような比(Sa/Sb)が満たされていれば良いが、好ましくは振動吸収体11の軸方向の全位置に亘ってこのような規定が満たされることが望ましい。
また、振動吸収体11の凹部9に収容された後の横断面積Saは、好ましくは15mm2以上、より好ましくは25mm2以上が望ましい。前記横断面積Saが小さすぎると、振動吸収効果の低下や凹部9への装着性の悪化を招くおそれがある。他方、振動吸収体11の前記横断面積Saが大きすぎても、ヘッド重量の増加やヘッド重心位置の大きな移動を招くおそれがあり好ましくない。このような観点より、前記横断面積Saは、好ましくは800mm2以下、より好ましくは500mm2以下が望ましい。
なお、振動吸収体11の横断面積は、図5に示されるように、凹部9への挿入方向と直角な切断面での面積である。
同様に、振動吸収体11と凹部9との軸方向の接触長さLaが小さすぎると、振動吸収効果の低下を招くおそれがある。他方、前記接触長さLaが大きすぎても、ヘッド重量の増加やヘッド重心を高い位置に移動させてしまうおそれがあり好ましくない。このような観点より、振動吸収体11と凹部9との軸方向の接触長さLaは、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上が望ましく、また好ましくは150mm以下、より好ましくは100mm以下が望ましい。なお、図4から明らかなように、第1の部分9aは、振動吸収体11よりも大きい軸方向の長さを有する一方、振動吸収体11は、第2の部分9bの底部9bbに接触するように圧入される。これは、振動吸収体11とヘッド本体10との接触面積を増大させるので、より一層振動吸収効果を高めるのに役立つ。
中空部iと連通していない有底の凹部9に振動吸収体11を圧入する場合、振動吸収体11によって凹部内の空気が圧縮され、その装着作業性を阻害する場合がある。このような場合、例えば図6(a)、(b)に示される第1の部分9aの横断面のように、底部9bbまで軸方向にのびる突起j1及び/又は軸方向にのびる細溝j2の1ないし複数本が設けられても良い。このような突起j1又は細溝j2は、振動吸収体11の凹部9への圧入時に、振動吸収体と第1の部分9aとで挟まれる空気を効率良く外部へと排出させ、ひいては振動吸収体11の装着作業性を向上できる。また、突起j1又は細溝j2に面する振動吸収体11の外表面が局部的に変形し凹部9への摩擦力を高めることもできる。
前記蓋部材12は、図7に示されるように、第2の部分9bに合わせて略円盤状で形成されており、中空部i側を向く内側面12iと、ヘッド外面を向く外側面12oと、これらの間を継いで環状にのびる側面12pとを有する。この実施形態において、蓋部材12の外径dcは、第2の凹部9bの内径d2よりもわずかに小さく形成される。また、蓋部材12の厚さtも、第2の部分9bの深さと実質的に同一かこれよりも僅かに小さく形成される。なお、意匠性を高めるために、蓋部材12の外側面12oには、商標やメーカ名、さらにはデザイン模様など(図示省略)が表示される場合がある。
蓋部材12の材料などは特に限定されないが、クラブヘッド1の外面に現れるので、金属材料、とりわけ比重の小さいアルミニウム合金やマグネシウム合金などが好適である。ただし、ヘッド本体10と同一の材料を用いることでもできる。
該蓋部材12は、図4に示したように、振動吸収体11とは接触することなく凹部9の第2の部分9bに固着される。これにより、振動吸収体11と蓋部材12との間には隙間14が形成される。このような蓋部材12は、圧縮された振動吸収体11から該蓋部材12をヘッド本体10から外そうとする向きの力を全く受けない。従って、第2の部分9bとの接合強度が向上する。また、予め振動吸収体11を凹部9の第1の部分9aの底部まで圧入した後、蓋部材12を第2の部分9bに接着剤を介して装着することにより、接着中においても振動吸収体11から力を受けることがない。従って、接合中(養生中)における蓋部材12の凹部9に対する位置が安定するため、蓋部材12を精度良く接合でき、より一層高い接合強度を発揮できる。
上述の効果をより確実に発揮させるために、振動吸収体11と蓋部材12との間の前記隙間14の厚さUは、好ましくは0.10mm以上、より好ましくは0.50mm以上が望ましい。他方、前記隙間14の厚さUが大きすぎると、凹部9の深さが大きくなり、ヘッド重量の増加やヘッド重心の設計自由度の低下を招くおそれがある。このような観点より、隙間14の厚さUは好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下が望ましい。
また、凹部9の第2の部分9bは、蓋部材12の内側面12iの周縁部と接触する受け面17と、蓋部材12の側面12pと接触する内周面18とを含む。そして、本実施形態では、受け面17及び内周面18に、接着剤を溜めることができる少なくとも1本の小溝20が設けられている。該小溝20は、本実施形態では矩形の溝断面を有して環状に連続して形成されている。
接合不良を防止するためには、第2の部分9bと蓋部材12との間に満遍なく接着剤を介在させる必要がある。しかしながら、塗布された接着剤が多すぎると、蓋部材12を第2の部分9bに装着したときに、余剰の接着剤がヘッド外面にはみ出して外観不良を招くとともに、その手直し工程に時間を要する場合がある。他方、接着剤の使用量が十分でないと、接合不良が発生する。このため、従来では、接着剤の使用量の厳密な管理が必要であった。
本実施形態のクラブヘッド1では、前述の蓋部材12と接触する第2の部分9bに小溝20が設けられることにより、余剰な接着剤が該小溝20内に流れ込むことによりヘッド外面へのはみ出しが効果的に防止される。従って、接合不良を確実に防止するために接着剤を多めに塗布してもヘッドの外観不良が生じ難い。つまり、接着剤の使用量の管理を容易化でき、ひいては生産性が向上する。なお、小溝20の溝断面形状などは図示の例以外にも種々の形状を採用することができるし、小溝20はネジ溝のように螺旋状に形成されても良い。
また、図4に示されるように、前記振動吸収体11の重心11Gは、凹部9を除いたヘッド本体10の内面が形成する基準内面10Vよりも中空部i側に設けられるとともに、前記重心11Gと基準内面10Vとの距離(最短距離)Dを好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上とするのが望ましい。このように、ヘッド本体10の基準内面10Vのよりも中空部i側に振動吸収体11の重心11Gを配置すれば、ヘッド本体10の振動吸収効果がより一層向上する。他方、前記距離Dが大きすぎると、ヘッド重心が高くなりやすいなど、クラブヘッド全体の重量設計自由度が低下するおそれがある。このような観点より、前記距離Dは、好ましくは8mm以下、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは4mm以下が望ましい。なお、前記基準内面は、凹部9の周囲のヘッド本体の内面を滑らかに延長して得られる仮想の面とする。
また、本実施形態において、凹部9の第2の部分9bは、蓋部材12の外面を、凹部9を除いたヘッド本体10の外面が形成する基準外面10Yよりも内側に位置させる。これにより、スイング時、蓋部材12と地面との接触機会が低減し、ひいては蓋部材12の外れ等が効果的に防止される。なお、蓋部材12の外側面12oは、ヘッド本体10の基準外面10Yよりも中空部i側に、好ましくは0.50mm以上、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上の距離Pで凹ませるのが望ましい。他方、前記距離Pが大きすぎると、ヘッド重心が高くなりやすいなど、クラブヘッドの重心設計の自由度が低下するおそれがある。このような観点より、前記距離Pは、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下、さらに好ましくは3.0mm以下が望ましい。なお、前記基準外面10Yは、ヘッド本体10の外面と滑らかに連なって凹部9の第3の部分9cの開口縁を閉じる仮想の面とする。
なお、凹部9の第3の部分9cは、図4に示されるように、前記ヘッド本体10の凹部以外の外面に向かって拡径するテーパ部を有するのが望ましい。このようなテーパ部は、蓋部材12を第2の部分9bにガイドしうる結果、装着作業が容易化される。また、スイング時、第3の凹部9cが地面と接触した場合でも、ひっかかりが緩和され、スイングを妨げることもない。
表1に基づき、ロフト角16.5゜、クラブ全長42.5インチ、バランスD0のフェアウェイウッド型のゴルフクラブが試作された。共通仕様等は次の通りである。
<ヘッド本体>
フェース部に開口部が設けられたステンレス鋼(米国カーペンター社製のCUSTOM450、組成Cr:14.00〜16.00wt%、Ni:5.00〜7.00wt%、Mn:2.00wt%、Cu:1.25〜1.75wt%、Mo:0.50〜1.00wt%、Si:1.00wt%、C:0.05wt%、P:0.03wt%、S:0.03wt%)の鋳造品からなる基部に、プレス成形されたチタン合金(JFEスチール社製の「SP700」、組成Al:4.36wt%、V:2.93wt%、Mo:2.03wt%、Fe:1.93、O:0.12wt%、C:0.02wt%、N:0.01wt%、H:0.002wt%、残部Ti)からなるフェースプレートを溶接することにより形成された。
<振動吸収体>
振動吸収体として、シリコンゴム(GE東芝シリコーン(株)社製「TSE221−5U」、JIS−A硬度50゜が用いられた。振動吸収体は第1の部分に圧入されるとともに接着剤が併用された。接着剤には、エポキシ系接着剤(住友スリーエム社製の「DP420」)が用いられた。
<蓋部材>
蓋部材として、アルミニウム合金が用いられ、接着剤を用いて第2の部分に固着された。接着剤には、エポキシ系接着剤(住友スリーエム社製の「DP420」)が用いられた。
次に、各テストクラブをスイングロボットに装着し、ヘッドスピードが50m/sとなるように調節してゴルフボールを繰り返し打撃させ、蓋部材の外れが生じた打撃数を調べる耐久性テストが行われた。なお、テストは、5000発を最大打撃数とし、100発毎に蓋部材の外れの有無が肉眼により調べられた。テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004833816
テストの結果、振動吸収体と蓋部材との間に隙間の無かった比較例1では、3300発打撃時点で蓋部材が外れていた。これに対して、振動吸収体と蓋部材との間に隙間が設けられた実施例1ないし3のヘッドは、いずれも蓋部材の外れが生じておらず、高い耐久性を有することが確認できた。
次に、耐久性テストの後、蓋部材の外れが無かった実施例1〜3について、打球感がテストされた。打球感は、ハンディキャップ10〜20の10名のアベレージゴルファが、天然芝上に置かれたゴルフボールを各テストクラブで5球ずつ打撃し、打球時に手に伝わる衝撃力を各ゴルファのフィーリングにより評価することにより行われた。評価は、実施例2のフィーリングを基準とし、それとの比較で「良い」、「同じ」又は「悪い」の3段階で行われた。結果は、評価人数を示す。
テストの結果を表2に示す。
Figure 0004833816
テストの結果、全てのゴルファが、実施例1及び2のゴルフクラブの打球感には差がなかったが、振動吸収体の軸方向の接触長さLaが小さい実施例3については、相対的なものとして、やや打球感が悪化する結果となった。
本発明の一実施形態を示す基準状態のウッド型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。 その平面図である。 図2のA−A断面図である。 図3の要部拡大図である。 振動吸収体の斜視図である。 (a)、(b)は振動吸収体が装着される第1の部分の横断面図である。 蓋部材の斜視図である。 従来のゴルフクラブヘッドの断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
9 凹部
9a 第1の部分
9b 第2の部分
9c 第3の部分
10 ヘッド本体
11 振動吸収体
12 蓋部材

Claims (7)

  1. 内部に中空部が設けられたゴルフクラブヘッドであって、
    前記中空部側に凹む凹部を有するヘッド本体と、前記凹部に収容されかつ前記ヘッド本体の振動を吸収しうる弾性材料からなる振動吸収体と、前記ヘッド本体に接着剤で固着されかつ該ヘッド本体のみと接触して前記凹部を閉じる蓋部材とを含むとともに、
    前記振動吸収体は、前記凹部に圧縮状態で収容されかつ接着剤を介して固着され、
    前記蓋部材は、前記振動吸収体と接触することなく固着されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記凹部及び前記振動吸収体は、円柱状をなす請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記振動吸収体の少なくとも一部は、凹部への挿入方向と直角方向で圧縮されている請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記振動吸収体の重心が、前記凹部を除くヘッド本体の内面が形成する基準内面よりも中空部側に設けられる請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記蓋部材と接触する前記ヘッド本体の接合面には、接着剤を溜める少なくとも1本の小溝が設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記凹部は、振動吸収体が収容される第1の部分と、この第1の部分のヘッド外面側に設けられかつ前記蓋部材が固着される前記第1の部分よりも内径が大きい第2の部分とを含む段付穴からなるとともに、
    前記第2の部分は、前記蓋部材の外側面を、凹部を除いたヘッド本体の外面が形成する基準外面よりも内側に位置させる請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記凹部は底部を有し、かつ、前記振動吸収体が収容される略円柱状の空間を区画する最も底部側の第1の部分を具え、
    この第1の部分には、その軸方向に前記底部まで軸方向にのびる突起及び/又は軸方向にのびる振動吸収体圧入時の空気排気用の細溝の1ないし複数本が設けられる請求項1乃至6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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