JP4833786B2 - 予混合圧縮自着火エンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

予混合圧縮自着火エンジンの制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、空気と燃料を混合してなる混合気を気筒に供給し、その混合気を気筒にて圧縮し、高温高圧化して自着火させる予混合圧縮自着火エンジンの制御装置及び制御方法に関する。
従来より、コージェネレーション設備等への使用が期待される予混合圧縮自着火(以下「HCCI」と言う)エンジンの運転方法に関する技術が、例えば、下記の特許文献1に提案されている。この特許文献1には、エンジンに供給される空気を昇圧させるために、エンジンに過給機が搭載されている。HCCIエンジンでは、吸気温がより高く、吸気圧がより高いほうが、混合気を自着火させることができる範囲が広くなる。このため、エンジン負荷が高くなるHCCI定格運転では、過給機を使用することで、エンジンに供給される空気が高温高圧となり、安定したHCCI定格運転を達成することができる。
特開2000−220484号公報
ところが、過給機を搭載したエンジンでは、アイドル運転等の低負荷運転時のような吸気条件下、すなわち空気が低温低圧となる条件下では、混合気を自着火させることができず、HCCI定格運転を行うことができない。そこで、特許文献1に記載の技術では、低負荷運転時には、火花点火により混合気を着火させている。また、冷間始動時にも、火花点火を併用する必要がある。ところが、HCCIエンジンの圧縮比は比較的高いことから、火花点火で混合気を着火させようとしても、混合気が早めに自着火してノッキングが発生する懸念があり、安定的な運転が阻害されるおそれがあった。これを回避するために、特許文献1に記載の技術では、過給気を冷却する機構(インタークーラー)や過給気を降圧させる機構(給排気管のバイパス)を設けなければならず、ノッキング回避のための構成機器が増え、構成が複雑化することとなった。また、火花点火による運転からHCCIによる運転への運転切替についても、ノッキングを回避しながらスムーズに行う必要があるが、特許文献1には、そのような運転切替について有効な技術が開示されていない。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、過給機を搭載したHCCIエンジンにおいて、過給機に付随した構成を複雑にすることなく、低負荷運転時には火花点火により安定的な運転を確保すると共に、中高負荷運転時にはHCCIにより安定的な運転を確保し、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、スムーズな運転切替を可能とした予混合圧縮自着火エンジンの制御装置及び制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御装置において、エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、燃料の量を調整するための燃料調整手段と、混合気を火花点火させる点火手段と、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、検出される運転状態に基づき点火手段を制御することにより火花点火の時期を制御すると共に、検出される運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整する火花点火運転制御手段と、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、検出される運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整する予混合圧縮自着火運転制御手段と、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、検出される運転状態の変化に応じて燃料の量を変化させるために燃料調整手段を制御する運転切替制御手段とを備え、運転切替制御手段は、エンジン負荷が所定値より高いときに燃料調整手段を制御することにより燃料の量を所定値だけ一旦微増させ、それをトリガとしてエンジンの出力が若干増加し、エンジンの排気ガス温度が増大して過給機の出力が増加し、吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後はエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに燃料の量を減少させ、更にエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに火花点火運転を終了させ、エンジン負荷が所定値となるように燃料の量を調整することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転制御手段が、エンジンの運転状態に基づき点火手段を制御することにより火花点火の時期を制御すると共に、エンジンの運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整することにより、火花点火運転が行われる。従って、圧縮比が高く設定されたエンジンであっても、混合気は早めに自着火することなく火花点火により適正に着火する。一方、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転制御手段が、エンジンの運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整することにより、混合気が適正に自着火して予混合圧縮自着火運転が行われる。加えて、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、運転切替制御手段が、エンジンの運転状態の変化に応じて燃料の量を変化させるために燃料調整手段を制御する。従って、運転切替に際して混合気が早めに自着火することがない。また、燃料の量を一旦微増させることをトリガとして火花点火から自着火への切替が開始し、その後に燃料の量が減少するのに伴い自着火への切替が完了する。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御装置において、エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、燃料の量を調整するための燃料調整手段と、混合気を火花点火させる点火手段と、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、検出される運転状態に基づき点火手段を制御することにより火花点火の時期を制御すると共に、検出される運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整する火花点火運転制御手段と、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、検出される運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整する予混合圧縮自着火運転制御手段と、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、検出される運転状態の変化に応じて火花点火の時期と燃料の量を変化させるために点火手段と燃料調整手段を制御する運転切替制御手段とを備え、運転切替制御手段は、エンジン負荷が所定値より高いときに点火手段を制御することにより火花点火の時期を一旦進角させ、それをトリガとしてエンジンの出力が若干増加し、エンジンの排気ガス温度が増大して過給機の出力が増加し、吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後はエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに燃料の量を減少させ、更にエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに火花点火運転を終了させ、エンジン負荷が所定値となるように燃料の量を調整することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転制御手段が、エンジンの運転状態に基づき点火手段を制御することにより火花点火の時期を制御すると共に、エンジンの運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整することにより、火花点火運転が行われる。従って、圧縮比が高く設定されたエンジンであっても、混合気は早めに自着火することなく火花点火により適正に着火する。一方、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転制御手段が、エンジンの運転状態に基づき燃料調整手段を制御することにより燃料の量を調整することにより、混合気が適正に自着火して予混合圧縮自着火運転が行われる。加えて、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、運転切替制御手段が、エンジンの運転状態の変化に応じて火花点火の時期と燃料の量を変化させるために点火手段と燃料調整手段を制御する。従って、運転切替に際して混合気が早めに自着火することがない。また、火花点火の時期の一旦進角させることをトリガとして火花点火から自着火への切替が開始し、その後は燃料の量を減少させることことに伴い自着火への切替が完了する。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御方法において、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、エンジンの運転状態に基づき火花点火の時期を制御すると共に前記燃料の量を調整し、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整し、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、エンジン負荷が所定値より高いときに燃料の量を一旦微増させ、それをトリガとしてエンジンの出力が若干増加し、エンジンの排気ガス温度が増大して過給機の出力が増加し、吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後はエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに燃料の量を減少させ、更にエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに火花点火運転を終了させ、エンジン負荷が所定値となるように燃料の量を調整することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、エンジンが低負荷状態のとき、エンジンの運転状態に基づき火花点火の時期を制御すると共に、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整することにより、火花点火運転が行われる。従って、圧縮比が高く設定されたエンジンであっても、混合気は早めに自着火することなく火花点火により適正に着火する。一方、エンジンが中高負荷状態のとき、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整することにより、混合気が適正に自着火して予混合圧縮自着火運転が行われる。加えて、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、エンジンの負荷変化に応じて燃料の量を変化させる。従って、運転切替に際して混合気が早めに自着火することがない。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御方法において、エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、エンジンの運転状態に基づき混合気の火花点火の時期を制御すると共に燃料の量を調整し、エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整し、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、エンジン負荷が所定値より高いときに火花点火の時期を一旦進角させ、それをトリガとしてエンジンの出力が若干増加し、エンジンの排気ガス温度が増大して過給機の出力が増加し、吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後はエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに燃料の量を減少させ、更にエンジン負荷が上昇して所定値より高いときに火花点火運転を終了させ、エンジン負荷が所定値となるように燃料の量を調整することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、エンジンが低負荷状態のとき、エンジンの運転状態に基づき火花点火の時期を制御すると共に、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整することにより、火花点火運転が行われる。従って、圧縮比が高く設定されたエンジンであっても、混合気は早めに自着火することなく火花点火により適正に着火する。一方、エンジンが中高負荷状態のとき、エンジンの運転状態に基づき燃料の量を調整することにより、混合気が適正に自着火して予混合圧縮自着火運転が行われる。加えて、火花点火運転から予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、エンジンの負荷変化に応じて火花点火の時期と燃料の量を変化させる。従って、運転切替に際して混合気が早めに自着火することがない。
請求項1乃至4に記載の発明によれば、過給機を搭載したHCCIエンジンにおいて、過給機に付随した構成を複雑にすることなく、低負荷運転時には火花点火により安定的な運転を確保することができ、中高負荷運転時にはHCCIにより安定的な運転を確保することができ、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、スムーズな運転切替を行うことができる。
[第1実施形態]
以下、この発明の予混合圧縮自着火エンジンの制御装置及び制御方法を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。以下において、「予混合圧縮自着火」を「HCCI」と称する。
図1に、この実施形態におけるHCCIエンジンの制御装置を概略構成図により示す。エンジン1は、4つの気筒2A,2B,2C,2Dを有するレシプロ方式の4サイクル直列4気筒エンジンであり、各気筒2A〜2Dの吸気ポート3aには、吸気マニホールド4が接続される。吸気マニホールド4には、吸気パイプ5が接続される。これら吸気マニホールド4及び吸気パイプ5により、各気筒2A〜2Dに空気を供給する吸気通路が構成される。各気筒2A〜2Dの排気ポート3bには、排気マニホールド6が接続される。排気マニホールド6には、排気パイプ7が接続される。これら排気マニホールド6及び排気パイプ7により、各気筒2A〜2Dから排ガスを排出する排気通路が構成される。
周知のようにレシプロ方式のエンジン1は、各気筒2A〜2Dに設けられたピストン8の往復運動をクランクシャフト9の回転運動に変換して動力を得るものである。各気筒2A〜2Dの吸気ポート3aには、同ポート3aを開閉するためにクランクシャフト9及びカムシャフト(図示略)の回転に連動して開閉駆動される吸気弁(図示略)が設けられる。同じく、各気筒2A〜2Dの排気ポート3bには、同ポート3bを開閉するためにクランクシャフト9及びカムシャフトの回転に連動して開閉駆動される排気弁(図示略)が設けられる。各気筒2A〜2Dの吸気弁及び排気弁は、クラックシャフト9の回転角度(クランク角度)及びカムシャフトの回転角度(カム角度)の変化に対応した所定のタイミングで開閉駆動するようになっている。
吸気パイプ5と排気パイプ7との間には、ターボチャージャ10が設けられる。周知のようにターボチャージャ10は、同一軸上に一体回転可能に設けられたタービン10aとコンプレッサ10bを備える。タービン10aが排気パイプ7を流れる排ガスのエネルギー受けて回転することにより、コンプレッサ10bが一体回転して吸気パイプ5を流れる空気を昇圧させる。このターボチャージャ10は、各気筒2A〜2Dに供給される空気を昇圧させるための本発明の過給機に相当する。
吸気パイプ5には、コンプレッサ10bより上流にミキサ11が設けられ、ミキサ11の上流には、スロットルバルブ12が設けられる。ミキサ11には、燃料パイプ13を通じて天然ガスが燃料として供給される。燃料パイプ13には、天然ガスの流量を調整するための燃料弁14が設けられる。燃料弁14は、アクチュエータ(図示略)によりその開度が調整されるようになっている。ミキサ11及び燃料弁14は、各気筒2A〜2Dに供給される燃料量を調整するための本発明の燃料調整手段に相当する。スロットルバルブ12は、アクチュエータ(図示略)によりその開度が調整されるようになっている。
各気筒2A〜2Dには、点火プラグ15がそれぞれ設けられる。各点火プラグ15は、各気筒2A〜2Dに供給される混合気を火花点火方式により点火させるものである。各点火プラグ15は、点火装置16に接続され、点火装置16から出力される高電圧に基づき動作するようになっている。点火装置16は、各点火プラグ15を所要のタイミング(点火時期)で動作させるために制御されるようになっている。各点火プラグ15及び点火装置16は、各気筒2A〜2Dにて混合気を火花点火させる本発明の点火手段に相当する。
この実施形態で、エンジン1の行程容量は「3.3リットル」であり、圧縮比は比較的高い「21」であり、ターボチャージャ10による過給機圧力比は「2.1」であり、過給機効率は「65%」となっている。
この実施形態で、吸気マニホールド4の入口には、吸気圧Pinを検出するための吸気圧センサ31が設けられる。エンジン1には、クランク角度を検出するためのクランク角度センサ32が設けられる。また、エンジン1には、カム角度を検出するためのカム角度センサ33が設けられる。これらセンサ31〜33は、本発明の運転状態検出手段に相当する。
この実施形態では、エンジン1の運転を制御するために電子制御装置(ECU)30が設けられる。ECU30には、スロットルバルブ12、燃料弁14及び点火装置16がそれぞれ接続される。また、ECU30には、吸気圧センサ31、クランク角度センサ32及びカム角度センサ33がそれぞれ接続される。ECU30には、エンジン1の運転を制御するための制御プログラムが予め格納される。ECU30は、この制御プログラムに基づきスロットルバルブ12、燃料弁14及び点火装置16を制御するようになっている。ECU30は、本発明の火花点火運転制御手段、予混合圧縮自着火運転制御手段及び運転切替制御手段に相当する。
ここで、エンジン1を制御するための運転状態の指標となるのは、エンジン回転数Neとエンジン負荷であり、ECU30は、エンジン回転数Neとしてクランク角度センサ32により検出されるクランク角度を使用し、エンジン負荷として、吸気圧センサ31により検出される吸気圧Pinを使用する。また、ECU30は、エンジン回転数Neとエンジン負荷を制御するための物理量を決定する。この実施形態で、ECU30は、スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)、燃料弁14の開度(燃料弁開度)、各気筒2A〜2Dの点火時期(各気筒点火時期)を決定する。ECU30は、エンジン1のアイドル運転、火花点火−HCCI運転切替及びHCCI定格運転に係る物理量(スロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期)を制御するためのロジックを、制御プログラムとして予め記憶している。
ここで、ECU30が実行するエンジン制御の内容を、図2に示すフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートは、エンジン始動後における制御内容を示す。
処理がステップ100へ移行すると、ECU30は、アイドル運転の処理を実行する。すなわち、ECU30は、エンジン回転数Ne、各気筒2A〜2Dにおけるピストン8の位置(各気筒ピストン位置)及びエンジン負荷に係る情報として、吸気圧センサ31(エンジン負荷を検出するために使用される。)、クランク角度センサ32(エンジン回転数Ne、各気筒ピストン位置及びエンジン負荷を検出するために使用される。)及びカム角度センサ33(各気筒ピストン位置を検出するために使用される。)からの信号を読み込む。そして、ECU30は、これらの信号からエンジン回転数Neとエンジン負荷を算出し、その算出結果からスロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期に係る制御量を算出する。ここで、ECU30は、図3〜5に示すスロットル開度のマップ、燃料弁開度のマップ、並びに、点火時期のマップを参照することにより、各種制御量を算出する。各種マップによれば、スロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期は、それぞれエンジン回転数Neとエンジン負荷(吸気圧Pin)をパラメータとして決定される。ECU30は、吸気圧センサ31とクランク角度センサ32からの信号に基づき、各種マップを参照することにより、スロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期に係る制御量を補間計算する。そして、ECU30は、求められた各種制御量に基づきスロットルバルブ12、燃料弁14及び点火装置16を制御することにより、スロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期をそれぞれ制御する。これにより、エンジン1の各気筒2A〜2Dに供給される混合気を火花点火方式により点火させて着火燃焼させ、アイドル運転を制御する。このような一連の処理を、ECU30は、周期的に繰り返す。これらの処理を、ECU30は、予め記憶された制御プログラムに基づき実行する。
次に、ECU30、ステップ200〜240で、火花点火方式からHCCIへ切り替えるための火花点火−HCCI運転切替の制御を実行する。
すなわち、ステップ200で、ECU30は、運転の切替開始判定を行う。そのために、ECU30は、吸気圧センサ31により検出される吸気圧Pinが所定の圧力P1(例えば、「1.76bar」)より高いか否かを判断する。この判断結果が否定の場合、運転の切替を開始することなく、ECU30は処理をステップ100へ戻す。一方、上記判断結果が肯定の場合、運転の切替を開始するために、ECU30は、処理をステップ210へ移行する。
ステップ210で、ECU30は、燃料流量を一旦微増させる。例えば、アイドル運転に比べ燃料流量を「102%」に一旦微増させるために、ECU30は、燃料弁14を制御する。この間、ECU30は、アイドル運転と同様にスロットル開度及び各気筒点火時期も制御する。
その後、ステップ220で、ECU30は、燃料減量判定を行う。そのために、ECU30は、吸気圧センサ31により検出される吸気圧Pinが所定の圧力P2(例えば、「1.9bar」)より高いか否かを判断する。この判断結果が否定の場合、燃料を減量させることなく、ECU30は処理をステップ210へ戻す。一方、上記判断結果が肯定の場合、燃料を減量させるために、ECU30は、処理をステップ230へ移行する。
ステップ230で、ECU30は、燃料流量を減少させる。例えば、吸気圧Pinの変化分に比例した流量だけ燃料流量を減少させるために、ECU30は、燃料弁14を制御する。この間、ECU30は、アイドル運転と同様にスロットル開度及び各気筒点火時期も制御する。
その後、ステップ240で、ECU30は、運転の切替終了判定を行う。そのために、ECU30は、吸気圧センサ31により検出される吸気圧Pinが所定の圧力P3(例えば、「2.3bar」)より高いか否かを判断する。この判断結果が否定の場合、運転の切替が終了しないものとして、ECU30は処理をステップ230へ戻す。一方、上記判断結果が肯定の場合、運転の切替が終了したものとして、ECU30は、処理をステップ300へ移行する。
この実施形態では、火花点火−HCCI運転切替において、吸気圧Pinが、例えば、「1.76bar」となるときに燃料流量を、例えば、「2%」だけ一旦微増させるようになっている。このとき、エンジン出力(トルク)が若干増加し、排ガス温度も高くなるので、ターボチャージャ10の出力も増加し、吸気圧Pin、吸気温がそれぞれ上昇し始める。このように燃料流量を一旦微増させることをトリガとして、運転切替を開始する。そして、例えば、「7degATDC」になるように、各気筒点火時期を制御する。その後、吸気圧Pinが、例えば、「1.9bar」を超えると、燃料流量を減少させる。HCCIの運転条件は、燃料希薄な条件となるため、空気過剰率は火花点火方式に比べて大きいものとなる。その後、吸気圧Pinが、例えば、「2.1bar」を超えると、火花点火を終了する。そして、吸気圧Pinが、例えば、「2.3bar」になるように、燃料流量を調整して、HCCI定格運転に切り替える。
上記のようにして火花点火−HCCI運転切替を行い、ステップ300で、ECU30は、HCCI定格運転を実行する。すなわち、ECU30は、エンジン回転数Ne、各気筒ピストン位置及びエンジン負荷に係る情報として、吸気圧センサ31、クランク角度センサ32及びカム角度センサ33からの信号を読み込む。そして、ECU30は、これらの信号からエンジン回転数Neとエンジン負荷を算出し、その算出結果からスロットル開度及び燃料弁開度に係る各種制御量を算出する。ここで、ECU30は、図3,4に示すスロットル開度のマップ及び燃料弁開度のマップを参照することにより、燃料流量の制御と吸気量の制御を実行する。ECU30は、吸気圧センサ31とクランク角度センサ32からの信号に基づき、上記マップを参照することにより、スロットル開度及び燃料弁開度に係る制御量を補間計算する。そして、求められた制御量に基づきスロットルバルブ12及び燃料弁14を制御することにより、スロットル開度及び燃料弁開度をそれぞれ調整する。これにより、エンジン1の各気筒2A〜2Dに供給される混合気をHCCIにより着火させて燃焼させ、HCCI定格運転を制御する。このような一連の処理を、ECU30は周期的に繰り返す。
この実施形態では、エンジン1の運転条件として、エンジン回転数Neが「1800rpm」と一定になるように設定され、エンジン負荷が「0〜25.4kW」(トルクでは「0〜135Nm」)となるように設定される。
つまり、この実施形態では、各気筒2A〜2Dに空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、各気筒2A〜2Dに供給される空気をターボチャージャ10により昇圧させるHCCIエンジンの制御方法において、エンジン1が低負荷状態となるときは、火花点火運転を行うために、エンジン1の運転状態に基づき火花点火の時期を制御すると共に各気筒2A〜2Dへの燃料流量を調整し、エンジン1が中高負荷状態となるときは、HCCI運転を行うために、エンジン1の運転状態に基づき各気筒2A〜2Dへの燃料流量を調整し、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、エンジン1の負荷変化に応じて各気筒2A〜2Dへの燃料流量を変化させることを特徴とするHCCIエンジン1の制御方法を実行している。
以上説明したこの実施形態のエンジンの制御装置によれば、エンジン1が低負荷状態となるとき、すなわちアイドル運転のときは、ECU30が、吸気圧Pin及びエンジン回転数Neに基づき点火プラグ15及び点火装置16を制御することにより、火花点火方式による点火時期を制御すると共に、同じく吸気圧Pin及びエンジン回転数Neに基づき燃料弁14を制御することにより、燃料流量が調整されて火花点火運転が行われる。従って、圧縮比が高く設定されたエンジン1であっても、混合気は早めに自着火することなく火花点火により適正に着火することとなる。一方、エンジン1が中高負荷状態となるときは、ECU30が、吸気圧Pin及びエンジン回転数Neに基づき燃料弁14を制御することにより、燃料流量が調整され、各気筒2A〜2Dにて混合気が適正に自着火してHCCI運転が行われる。加えて、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、ECU30が、吸気圧Pinの変化、すなわちエンジン負荷の変化に応じて燃料流量を変化させるために燃料弁14を制御する。従って、運転切替に際して混合気が早めに自着火することがない。
上記のようにこの実施形態では、エンジン1にターボチャージャ10を搭載しているにもかかわらず、アイドル運転のようにエンジン1が低負荷状態となる吸気条件では、火花点火により混合気を着火させることから、混合気が自着火可能な温度や圧力に達していなくても、安定的なアイドル運転を達成することができる。また、エンジン1が中高負荷状態となるときは、火花点火運転に代わってHCCI定格運転を実行すると共に、ターボチャージャ10を有効に機能させて空気を昇圧させることができる。このため、各気筒2A〜2Dにて混合気が高温高圧となり、圧縮により混合気が自着火できる範囲が広くなり、安定的なHCCI運転を達成することができる。
更に、この実施形態では、火花点火運転からHCCI定格運転への運転切替を、エンジン1の運転状態の変化に応じて、燃料弁14を制御することにより、燃料流量を変化させることにより行っている。詳細には、燃料弁14を制御することにより、各気筒2A〜2Dに対する燃料流量を一旦微増させ、それをトリガとしてHCCI定格運転への運転切替を開始し、その後は燃料流量を減少させるようにしている。このため、圧縮比が比較的高いエンジン1であるにもかかわらず、混合気を安定的に燃焼させることができ、ノッキングの発生を抑えることができる。このため、ノッキングを回避するために、ターボチャージャ10に付随して、インタークーラーや給排気管のバイパスを設ける必要がなく、ノッキング回避のための構成を簡略化することができる。更に、ノッキングを回避するために、あえて点火時期を制御する必要がないので、制御プログラムが複雑化することがない。このように、この実施形態では、ターボチャージャ10を搭載したHCCIエンジン1において、ターボチャージャ10に付随した構成を複雑なものにすることなく、低負荷運転時には火花点火により安定的な運転を確保することができ、中高負荷運転時にはHCCIにより安定的な運転を確保することができ、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、ノッキングのないスムーズな運転切替を行うことができる。
図6に、火花点火運転からHCCI運転への切替に係り、各種パラメータの挙動をタイムチャートにより示す。図6において、「Tin」は吸気温を意味し、「mf」は燃料流量を意味する。時刻t1にて、燃料流量mfを一旦微増させることをトリガーとして、火花点火運転からHCCI運転への切替が開始され、時刻t2にて、その切替が終了する。そして、時刻t2以降は、HCCI運転が行われる。このタイムチャートから分かるように、運転切替が開始すると、吸気温Tin、エンジン1のトルク、吸気圧Pinがそれぞれ上昇する。また、運転切替が終了すると、吸気温Tin、トルク及び吸気圧Pinともそれぞれ高い状態で変動することになる。
[第2実施形態]
次に、この発明のHCCIエンジンの制御装置及び制御方法を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図7に、この実施形態におけるHCCIエンジンの制御装置を概略構成図により示す。この第2実施形態では、各気筒2A〜2Dを個別に制御する点で第1実施形態と構成が異なる。具体的には、各気筒2A〜2Dの吸気ポート3aに対応して、吸気マニホールド4の各分岐管には、各気筒2A〜2Dに個別に燃料を噴射供給するために、インジェクタ17がそれぞれ設けられる。各インジェクタ17には、燃料パイプ13から燃料が供給されるようになっている。各インジェクタ17は、噴射装置18を介してECU30に接続される。また、各気筒2A〜2Dには、筒内圧Psiを個別に検出するための筒内圧センサ34がそれぞれ設けられる。各筒内圧センサ34は、それぞれECU30に接続される。
この実施形態で、エンジン1の運転状態として、吸気圧Pin、クランク角度及びカム角度の他に、各筒内圧センサ34で検出される筒内圧Psiが加わる。また、制御される物理量として、スロットル開度、燃料弁開度及び各気筒点火時期の他に、各気筒2A〜2Dに対する燃料の噴射時期及び噴射時間が加われる。また、制御プログラムの制御ロジックも、ECU30は、クランク角度ごとに筒内圧Psiからクランク角度ごとの燃料消費量や熱発生率を計算し、その指標に基づき各種機器を制御するようになっている。例えば、熱発生率が最大となるクランク時期を指標として、低負荷状態であるアイドル運転時(火花点火運転時)には、熱発生率最大時期を「15degATDC」となるように各種機器を制御し、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時及びHCCI運転時には、熱発生率最大時期を「7degATDC」となるように各種機器を制御するようになっている。
この実施形態で、ECU30は、各制御周期毎に図2にフローチャートで示す処理を実行する。また、エンジン1の運転状態が変化するときには、図8に示すフローチャートの処理を実行するようになっている。
すなわち、図8のステップ400で、ECU30は、各気筒2A〜2Dの筒内圧Psiを各筒内圧センサ34から読み込むと共に、クランク角度をクランク角度センサ32から読み込む。
次に、ステップ410で、ECU30は、読み込まれた筒内圧Psi及びクランク角度から、クランク角度ごとの熱発生率を計算し、各気筒2A〜2Dの熱発生率最大時期θimaxを算出する。
次に、ステップ420で、ECU30は、算出された熱発生率最大時期θimaxが所定値αであるか否かを判断する。ここで、所定値αは、低負荷状態であるアイドル運転時(火花点火運転時)には「15degATDC」となり、それ以外の運転時には「7degATDC」となる。この判断結果が肯定である場合、ECU30は、処理をステップ400に戻す。判断結果が否定である場合、ECU30は、処理をステップ430へ移行する。
ステップ430で、ECU30は、各気筒2A〜2Dに対する燃料流量を調整する。すなわち、ECU30は、各インジェクタ17による燃料の噴射時期及び噴射時間を個別に制御することにより、気筒2A〜2Dに対する燃料流量を調整する。
従って、この実施形態では、火花点火運転とHCCI運転との間で運転状態が変化するときに、図8のフローチャートに示すように、各気筒2A〜2Dに対する燃料流量が個別に制御されることから、第1実施形態のように各気筒2A〜2Dに対する燃料流量を燃料弁14のみにより総合的に制御した場合に比べ、混合気の着火をより精密に制御することができ、ノッキングの発生をより精度良く防止することができる。この結果、火花点火運転からHCCI運転への運転切替をよりスムーズに行うことができる。
[第3実施形態]
次に、この発明のHCCIエンジンの制御装置及び制御方法を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、図9に示すフローチャートの点で、第1及び第2の実施形態における図2のフローチャートと処理内容が異なる。すなわち、第1及び第2の実施形態では、火花点火運転からHCCI運転への運転切替のときに、燃料弁14を制御することで各気筒2A〜2Dに対する燃料流量を調整したが、この実施形態では、同じく運転切替のときに、点火プラグ15を制御することで各気筒2A〜2Dにおける点火時期を制御するようになっている。図9に、図2のフローチャートに準ずるフローチャートを示す。このフローチャートでは、ステップ215の点で、図2のフローチャートのステップ210と処理内容が異なる。
すなわち、図9のフローチャートにおいて、ステップ200における切替開始判定の判断結果が肯定となる場合、ステップ215で、ECU30は、点火時期を一旦進角させる。例えば、アイドル運転に比べ点火時期を「4degBTDC」だけ一旦進角させるために、ECU30は、点火装置16を介して各点火プラグ15を制御する。この間、ECU30は、アイドル運転と同様にスロットル開度及び燃料弁開度も制御する。
つまり、ECU30は、点火装置16を介して各点火プラグ15を制御することにより火花点火の時期(点火時期)を一旦進角させ、それをトリガとして火花点火運転からHCCI運転への運転切替を開始し、その後は燃料の量を減少させることにより、HCCI運転への切替を終了するようにしている。
その後、図2のフローチャートと同様に、ECU30は、ステップ220〜300の処理を実行する。
つまり、この実施形態では、各気筒2A〜2Dに空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、各気筒2A〜2Dに供給される空気をターボチャージャ10により昇圧させるHCCIエンジンの制御方法において、エンジン1が低負荷状態となるときは、火花点火運転を行うために、エンジン1の運転状態に基づき火花点火の時期を制御すると共に各気筒2A〜2Dへの燃料流量を調整し、エンジン1が中高負荷状態となるときには、HCCI運転を行うために、エンジン1の運転状態に基づき各気筒2A〜2Dへの燃料流量を調整し、火花点火運転からHCCI運転への運転切替時には、エンジン1の負荷変化に応じて各気筒2A〜2Dにおける火花点火の時期(点火時期)と各気筒2A〜2Dへの燃料流量を変化させることを特徴とするHCCIエンジンの制御方法を実現している。
従って、この実施形態でも、運転切替時の制御対象は異なるものの、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
尚、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
HCCIエンジンの制御装置を示す概略構成図。 エンジン制御内容を示すフローチャート。 スロットル開度のマップを示す表。 燃料弁開度のマップを示す表。 点火時期のマップを示す表。 各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 HCCIエンジンの制御装置を示す概略構成図。 エンジン制御内容を示すフローチャート。 エンジン制御内容を示すフローチャート。
1 エンジン
2A〜2D 気筒
10 ターボチャージャ(過給機)
11 ミキサ(燃料調整手段)
14 燃料弁(燃料調整手段)
15 点火プラグ(点火手段)
16 点火装置(点火手段)
17 インジェクタ(燃料調整手段)
30 ECU(火花点火運転制御手段、予混合圧縮自着火制御手段、運転切替制御手段)31 吸気圧センサ(運転状態検出手段)
32 クランク角度センサ(運転状態検出手段)
33 カム角度センサ(運転状態検出手段)
34 筒内圧センサ(運転状態検出手段)

Claims (4)

  1. 天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、前記気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御装置において、
    前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、
    前記燃料の量を調整するための燃料調整手段と、
    前記混合気を火花点火させる点火手段と、
    前記エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、前記検出される運転状態に基づき前記点火手段を制御することにより前記火花点火の時期を制御すると共に、前記検出される運転状態に基づき前記燃料調整手段を制御することにより前記燃料の量を調整する火花点火運転制御手段と、
    前記エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、前記検出される運転状態に基づき前記燃料調整手段を制御することにより前記燃料の量を調整する予混合圧縮自着火運転制御手段と、
    前記火花点火運転から前記予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、前記検出される運転状態の変化に応じて前記燃料の量を変化させるために前記燃料調整手段を制御する運転切替制御手段と
    を備え、前記運転切替制御手段は、前記エンジン負荷が所定値より高いときに前記燃料調整手段を制御することにより前記燃料の量を所定値だけ一旦微増させ、それをトリガとして前記エンジンの出力が若干増加し、前記エンジンの排気ガス温度が増大して前記過給機の出力が増加し、前記吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後は前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記燃料の量を減少させ、更に前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記火花点火運転を終了させ、前記エンジン負荷が所定値となるように前記燃料の量を調整することを特徴とする予混合圧縮自着火エンジンの制御装置。
  2. 天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、前記気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御装置において、
    前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、
    前記燃料の量を調整するための燃料調整手段と、
    前記混合気を火花点火させる点火手段と、
    前記エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、前記検出される運転状態に基づき前記点火手段を制御することにより前記火花点火の時期を制御すると共に、前記検出される運転状態に基づき前記燃料調整手段を制御することにより前記燃料の量を調整する火花点火運転制御手段と、
    前記エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、前記検出される運転状態に基づき前記燃料調整手段を制御することにより前記燃料の量を調整する予混合圧縮自着火運転制御手段と、
    前記火花点火運転から前記予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、前記検出される運転状態の変化に応じて前記火花点火の時期と前記燃料の量を変化させるために前記点火手段と前記燃料調整手段を制御する運転切替制御手段と
    を備え、前記運転切替制御手段は、前記エンジン負荷が所定値より高いときに前記点火手段を制御することにより前記火花点火の時期を一旦進角させ、それをトリガとして前記エンジンの出力が若干増加し、前記エンジンの排気ガス温度が増大して前記過給機の出力が増加し、前記吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後は前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記燃料の量を減少させ、更に前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記火花点火運転を終了させ、前記エンジン負荷が所定値となるように前記燃料の量を調整することを特徴とする予混合圧縮自着火エンジンの制御装置。
  3. 天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、前記気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御方法において、
    前記エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、前記エンジンの運転状態に基づき前記火花点火の時期を制御すると共に前記燃料の量を調整し、
    前記エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、前記エンジンの運転状態に基づき前記燃料の量を調整し、
    前記火花点火運転から前記予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、前記エンジン負荷が所定値より高いときに前記燃料の量を一旦微増させ、それをトリガとして前記エンジンの出力が若干増加し、前記エンジンの排気ガス温度が増大して前記過給機の出力が増加し、前記吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後は前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記燃料の量を減少させ、更に前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記火花点火運転を終了させ、前記エンジン負荷が所定値となるように前記燃料の量を調整することを特徴とする予混合圧縮自着火エンジンの制御方法。
  4. 天然ガスを燃料としたコージェネレーション用のエンジンに係り、気筒に空気と燃料からなる混合気を供給し、その混合気を圧縮により自着火させると共に、前記気筒に供給される空気を過給機により昇圧させる予混合圧縮自着火エンジンの制御方法において、
    前記エンジンが低負荷状態のとき、火花点火運転を行うために、前記エンジンの運転状態に基づき前記混合気の火花点火の時期を制御すると共に前記燃料の量を調整し、
    前記エンジンが中高負荷状態のとき、予混合圧縮自着火運転を行うために、前記エンジンの運転状態に基づき前記燃料の量を調整し、
    前記火花点火運転から前記予混合圧縮自着火運転への運転切替時には、前記エンジン負荷が所定値より高いときに前記火花点火の時期を一旦進角させ、それをトリガとして前記エンジンの出力が若干増加し、前記エンジンの排気ガス温度が増大して前記過給機の出力が増加し、前記吸気圧及び吸気温がそれぞれ上昇し始めることで運転切替を開始し、その後は前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記燃料の量を減少させ、更に前記エンジン負荷が上昇して所定値より高いときに前記火花点火運転を終了させ、前記エンジン負荷が所定値となるように前記燃料の量を調整することを特徴とする予混合圧縮自着火エンジンの制御方法。
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