JP4833577B2 - 内面溝付管の製造装置及び製造方法 - Google Patents

内面溝付管の製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4833577B2
JP4833577B2 JP2005108657A JP2005108657A JP4833577B2 JP 4833577 B2 JP4833577 B2 JP 4833577B2 JP 2005108657 A JP2005108657 A JP 2005108657A JP 2005108657 A JP2005108657 A JP 2005108657A JP 4833577 B2 JP4833577 B2 JP 4833577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
load
die
grooved
floating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005108657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006281311A (ja
Inventor
弘太郎 釣
利明 橋爪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2005108657A priority Critical patent/JP4833577B2/ja
Publication of JP2006281311A publication Critical patent/JP2006281311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4833577B2 publication Critical patent/JP4833577B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Extraction Processes (AREA)

Description

本発明は、冷凍機や空調機等の熱交換器用の伝熱管に使用される内面溝付管の製造方法とその製造装置に関するものである。
従来、内面に螺旋状の多数の溝を有する継ぎ目のない小径な内面溝付管を加工するには、例えば転造加工が採用されている。すなわち、金属製の素管内に、フローティングプラグと当該フローティングプラグへロッドを介して回転自在に連結された溝付プラグとを挿入し、前記素管を、前記フローティングプラグよりも前記溝付プラグが下流に位置する状態で管軸方向に沿って連続的に引抜き、前記フローティングプラグとフローティングダイスとにより前記素管を縮径しながら、前記溝付プラグの位置で、前記素管の周囲を高速で公転しつつ遊転して当該素管を前記溝付プラグへ押圧する複数の加工ボールにより、前記素管の内周面に管軸に対して所定のねじれ角を有する多数の溝を平行に加工するものである。
近年、熱交換器の小型化、高効率化の要求に対応するため、内面溝付管の肉厚を薄くし、あるいは内面溝を深くし、溝のねじれ角を大きくして性能を向上させている。しかし前記の製造方法では、管の引き抜き時において塑性変形抵抗および摩擦抵抗により管が破断することがあった。
管の引き抜き時において、補助引き抜き装置を配置することで塑性変形抵抗および摩擦抵抗を低減した例がある(例えば、特許文献1)。
特開平11−711号公報
しかし、金属管の引抜き時にベルトの移動により、接触部のうち金属管と接触する数が周期的に変化するため、補助引抜き装置が発生する引抜力は周期的に変化する。前記引抜力が周期的に変化し、その変化量が大きくなると、内面溝付管の内面フィン寸法が長手方向でばらついてしまい、拡管時にアルミフィンとの密着不足が発生し熱交換性能が低下してしまう。
また前記特許文献1の発明の変形例において、補助引抜き装置の入り側に金属管表面の油膜を除去する洗浄装置が設けられている。前記洗浄装置には洗浄液が入っており、この洗浄液により金属管表面に付着している、引抜きダイスで使用する潤滑油を除去している。これにより、ベルトと金属管の摩擦力が大きくなり、金属管の引抜き力を低減することができる、とある。しかし、金属管が表面に付着した洗浄液が乾燥する前に補助引抜き装置と接触すると、前記洗浄液によりベルトと金属管の摩擦力が低下して滑りが生じてしまい、補助引抜き装置の役割を果たさない(滑りが発生したところでは引抜き力変化し、内面溝付管の内面フィン寸法が変化する)という問題が発生する。また、金属管の表面に付着した異物は洗浄液では除去できないため、補助引抜き及び次工程の溝付加工において金属管表面に傷が付いてしまう。これはアルミ放熱フィンを固定する際の拡管工程において割れの原因になる。
また、補助引抜き装置により金属管に圧力が負荷され、断面が扁平形状になるので、次工程の溝付加工において、溝付が不均一になるという問題が生じる。
本発明は前記問題を解決することを目的とするものであり、金属管表面の潤滑油と異物の除去を容易にし、かつ、金属管断面の扁平化を防止することができる内面溝付管の製造装置及びその製造方法を提供するものである。
本発明の課題は以下の手段により実現される。
[1]素管1aの引抜き方向に沿って、内部にフローティングプラグ4と当該フローティングプラグ4へ回転自在に連結された溝付プラグ5とを挿入した素管1aを、前記フローティングダイス2と前記加工ヘッド3の内部に順に通して、巻取り駆動装置を用いずに前記素管1aを移動させて、前記フローティングダイス2とフローティングプラグ4とにより縮径し、前記溝付プラグ5の位置で前記加工ヘッド3の内部で中間成形ダイス通過後の管1dの外周に接触するように配置され、当該加工ヘッド3の回転に伴い自転及び公転する複数のボール6により中間成形ダイス通過後の管1dを溝付プラグ5に押圧して当該管1dの内面に多数の微細な内面溝10を形成する装置であって、フローティングプラグ4と溝付プラグ5の間に、前記フローティングプラグ4の先に素管1aの引抜き方向に沿ってワイパー9、引抜き装置8、中間整形ダイス11を設けたことを特徴とする内面溝付管の製造装置。
[2][1]記載の装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、素管1aの引抜き時におけるフローティングダイス2に負荷される荷重Fの最大値と最小値の差が500N以下であることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
[3][1]または[2]記載の装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、フローティングダイス2に取り付けられたロードセル21により、フローティングダイス2に負荷される荷重Fを検出し、素管1aを引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置8に信号を送信し、前記引抜き装置8の前記制御部が前記信号により回転トルクを制御しつつ前記引抜き装置8のプーリ81に動力を伝達することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
[4][1]または[2]装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、フローティングダイス2に取り付けられたロードセル21により、フローティングダイス2に負荷される荷重Fを検出し、素管1aを引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置8に信号を送信し、前記引抜き装置8の前記制御部が前記信号により前記引抜き装置8のプーリ81、82に押し付け力を伝達することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
[5]前記引抜き装置8のパッド83のパッド溝84の曲率半径Rと、フローティングダイス通過後の管1bの外径Dbとの比K1が0.5〜0.5025であり、締め付け比K2が0.98〜1.0であることを特徴とする、[]乃至[4]のいずれか項に記載の内面溝付管の製造方法。
[6]前記中間整形ダイス11の外径縮径率K3が0.001〜0.1であることを特徴とする[]乃至[5]のいずれか項に記載の内面溝付管の製造方法。
本発明は、引抜き装置と金属管の接触部の形状を特定すること及び引抜き装置における引抜力の変化量を少なくすることで、巻き取り装置を用いなくとも、内面溝付管の内面フィン寸法のばらつきを抑制し、引抜き装置と金属管の接触部における滑りおよび金属管断面形状の扁平化を抑制できる。またワイピング装置を設置することで、引抜き装置と金属管の接触部における滑りおよび異物傷を防止できる。さらに、引抜き装置の後に中間整形ダイスを設置することで、金属管断面形状を、真円に近い状態に回復させることができる。よって産業上顕著な効果を奏する。
図1、図2を参照しながら、本発明に係る内面溝付管の製造装置の好ましい実施形態を説明する。図1は本発明に係る内面溝付管1の製造装置の一実施形態を示す断面図、図2は図1で使用されているパッド83の一実施形態を示す断面図である。
素管1aの引抜き方向に沿って、フローティングダイス2と当該フローティングダイス2に対して独立した加工ヘッド3とが、図示されていないそれぞれ別の駆動手段により回転されるように順に設置されている。加工ヘッド3内には、前記内周面へ転接し内部を通過する中間成形ダイス通過後の管1dの周りへ等間隔に配置された複数のボール6が配列されている。これらのボール6は、その下流側でベアリング32を介して他の部材に取り付けられたフランジ状のストッパ31により引抜き方向上流側へ向けて押圧される。加工ヘッド3よりもさらに引抜き方向下流側には、整形ダイス7が設置されている。
素管1aには銅,その合金,アルミニウム又はその合金等の熱伝導性のよい金属管が使用され、素管1a内にはフローティングプラグ4と当該フローティングプラグ4へプラグロッド51を介して回転自在に連結された溝付プラグ5を挿入する。前記素管1aを、前記フローティングダイス2と加工ヘッド3に通して引抜きながら、加工ヘッド3を回転させる。素管1aは、引抜きに伴って前記フローティングダイス2とフローティングプラグ4とにより縮径される。次いで、溝付プラグ5の位置で前記加工ヘッド3の回転に伴って中間成形ダイス通過後の管1dの周りを公転しつつ自転する複数のボール6により、中間成形ダイス通過後の管1dの外周面を溝付プラグ5の表面へ押圧し、当該管1dの内面に溝付プラグ5の周面の内面溝50を転写することにより、内面に多数の微細な溝10を形成する。その後下流側の整形ダイス7により整形されるとともに縮径され、内面溝付管1を製造する。
この実施形態の製造装置において、溝付プラグ5の周面には微細な多数の溝50が平行に形成されているので、前記のように製造される内面溝付管1の内面には内面溝10が形成される。
本発明の製造装置では、フローティングダイス2の後の溝付加工部前部に引抜き力と引抜き速度を調整できる引抜き装置8を設けて溝付加工部前部の引抜き装置8通過後の管1cにかかる負荷を調整できるようにし、引抜き装置8の前部にはワイパー9を、後部には中間整形ダイス11を設けている。
引抜き装置8は一対のベルト80によりフローティングダイス通過後の管1bを引き抜く。前記ベルト80は上下、あるいは左右に配置される。ベルト80はプーリ81,82により支持され、フローティングダイス通過後の管1bと接触しプーリ81,82の回転により移動されるようになっている。前記ベルト80はループ状に形成されている。
ベルト80の外周面にはパッド83が取り付けられており、引抜き装置8はパッド83をフローティングダイス通過後の管1bを両側から押し付けて挟み付け、ベルト80を回転させることにより、引抜き装置8通過後の管1cを引抜いてる。
フローティングダイス2にはロードセル21が取り付けられており、フローティングダイス2に負荷される荷重Fを検出することができる。素管1aの引抜き時には前記荷重Fは周期的に変化する。これはベルト80の移動により、フローティングダイス通過後の管1bと接触するパッド83の数が周期的に変化することに起因する。フローティングダイス通過後の管1bと接触するパッド83が多いときは前記荷重Fが大きくなり、逆にフローティングダイス通過後の管1bと接触するパッド83が少ないときは前記荷重Fが小さくなる。
前記荷重Fの周期的変化の変化量が大きくなると、内面溝付管1の内面フィン寸法が長手方向でばらつくので、拡管時にアルミフィンとの密着不良が発生してしまう。前記荷重Fの変化量は500N以下であれば、内面フィン寸法のばらつきを抑えることができ、拡管時における割れ及びアルミフィンとの密着不足を防止できる。なお、前記荷重Fの変化量は少なければ少ないほど良い。
前記荷重Fの周期的変化を防止する方法としては、パッド83の形状を限定する方法と、引抜き装置9でのプーリ81の回転トルクあるいはパッド83の押し付け力を制御する方法がある。
プーリ81の回転トルク制御は以下のように行う。すなわち図1において、フローティングダイス2に取り付けられたロードセル21により、フローティングダイス2に負荷される荷重Fを検出し、素管1aを引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して図示しない制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置8に信号を送信し、前記引抜き装置8に信号を送信する前記制御部より送信された前記信号により回転トルクを制御しつつ前記引抜き装置8のプーリ81に動力を伝達する。
パッド83の押し付け力制御は以下のように行う。すなわち図1において、フローティングダイス2に取り付けられたロードセル21により、フローティングダイス2に負荷される荷重Fを検出し、素管1aを引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して図示しない制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置8に信号を送信し、前記引抜き装置8に信号を送信する前記制御部が前記信号により前記引抜き装置8のプーリ81、82に押し付け力を伝達する。
なお、前記引抜き装置8でのプーリ81の回転トルクあるいはパッド83の押し付け力を制御することは、それぞれ単独で行っても良いし、両方を同時に行っても良い。
前記パッド83は、フローティングダイス2による縮径加工後のフローティングダイス通過後の管1bの外径に合わせて、フローティングダイス通過後の管1bと接触させる円弧状のパッド溝84を有する。前記パッド溝84は曲率半径Rの曲面を有する。
前記フローティングダイス通過後の管1bの外径Dbに対し、前記曲率半径Rの比K1=R/DbをK1=0.5〜0.5025とする。これはパッド部での滑りの発生を防止し前記荷重Fを安定させることで内面溝付管1の内面フィン寸法の変化を抑制することと、フローティングダイス通過後の管1bの変形防止のためである。0.5未満であると、フローティングダイス通過後の管1bがパッド溝84に入り込まないか、仮に強く押し込んでパッド溝84に入ったとしてもフローティングダイス通過後の管1bの表面に傷が発生し、次いで引抜き装置8通過後の管1cをパッドから引き離すのに負荷がかかるため、荷重Fが安定せず、内面溝付管1の内面フィン寸法の変化が増大するという問題が発生する。フローティングダイス通過後の管1bの外径Dbとの比K1が0.5025を超えるとパッド部での扁平が大きくなるという問題が生じる。好ましくは0.5005〜0.5015である。
前記パッド83によりフローティングダイス通過後の管1bを締め付ける際の締め付け比K2をK2={2πR−4(R−H)}÷(πDb)とする。すなわち、締め付け比K2はフローティングダイス通過後の管1bの外周と、パッド83の円弧部の2倍の長さとの比である。ここでHはパッド深さである。前記締め付け比K2は0.98〜1.0とする。締め付け比K2を小さくするほど大きな引抜き力を得られるが、0.98未満であると引抜き装置8通過後の管1cの変形は大きくなり(パッドで挟み付けた箇所には凹みが残り)、溝付プラグ5によって均一に溝付けができないという問題が生じる。
1.0を超えると必要な引抜き力が得られない。また締め付け比K2を1.0に設定したパッドを使用すると工具の加工公差によって安定して引抜けないことがある。好ましくは0.990〜0.999である。
前記パッド83は金属、樹脂等金属素管1aより硬質なものからなる。好ましくは工具鋼製である。
ワイパー9は、フローティングダイス通過後の管1bの外表面に付着した油膜や異物も除去するという効果を有する。ワイパー9が無い場合、油膜や異物により、引抜き装置8で滑りが生じてしまい、引抜き装置8通過後の管1cの引抜きが安定せず、また断面形状が安定しないため、溝50の寸法がばらつくという問題が生じてしまう。前記ワイパー9は、フローティングダイス通過後の管1bの外径Dbよりも小さい径の穴が配置され、前記穴にフローティングダイス通過後の管1bを通過させる。前記ワイパー9は油膜および異物の除去効果の点からゴムからなることが好ましい。
中間整形ダイス11は引抜き装置8で扁平した引抜装置8通過後の管1cの断面形状を真円に近い形状に戻す効果を有する。前記引抜装置8通過後の管1cの形状に応じて、前記中間整形ダイス11の径はフローティングダイス2の径と同じか小さくする。中間整形ダイス11における外径縮径率K3はK3=(Db−Dd)/Dbとする。前記外径縮径率K3は0.001〜0.1が好ましい。0.001未満であると、前記引抜装置8通過後の管1cの扁平が大きいと形状が回復せずに扁平状のままとなり、溝50の寸法が安定しない(円周上での内面フィン寸法もばらつき、拡管後も扁平状のままでアルミフィンとの密着が不足する)という問題が生じる。逆に0.1を超えると、中間整形ダイス11による加工負荷が大きくなり、巻取り装置前で加工された内面溝付管1が破断する可能性が生じる。また、中間成形ダイス通過後の管1dの内表面は微細な凹凸ができて荒れた状態になり、そのまま溝付加工を行うと加工された内面溝付管の内表面には微細なヒゲ状の割れとして多数残ってしまい、その部分の入り込んだ内面加工油の除去は難しいので管内残油量の多い内面溝付管となってしまう。管内残油量が多くなるとロウ付け不良を起したり、エアコンの作動油(コンプレッサー油)と反応して性能を低下させる恐れがあるため管内残油量は少ないほど良く、上限が決められている。中間整形ダイス11における外径縮径率K3は好ましくは0.001〜0.05である。前記中間整形ダイス11は金属、セラミック等の金属素管1aの材質より硬質なものからなる。好ましくは超硬合金製である。
本発明の内面溝付管は、巻取り装置を用いずに、前記引抜き装置8の駆動力によって素管1aを移動させて加工できる。
本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に於いて、さまざまな態様で実施できる。
以下に本発明の実施例とその効果を詳細に説明する。
(実施例1)
表1に本発明製造装置で加工した内面溝付管1の実験結果を示した。実験は、内面溝付管1を3000m加工し、さらに拡管によりアルミフィンに密着させた。実験に使用した溝付プラグ5は外径10.0mm、溝数50、溝深さ0.25mm、溝頂角15度、ねじれ角50度である。素管1aの外径は14.0mmで肉厚は0.40mm、フローティングダイス2の外径は10.9mmとした。引抜き装置8の負荷調整はパッド83の押し付け力を設定して調整した。
なお、従来例1は、フローティングダイス2と溝加工部である加工ヘッド3の間には、引抜き装置8を配置せず、整形ダイス7の後に配置される内面溝付管の巻取り駆動装置(図示せず)で引抜加工をした場合を示す。また、従来例2〜4は、整形ダイス7の後に配置される内面溝付管の巻取り駆動装置により引抜ながら、フローティングダイス2と溝加工部である加工ヘッド3の間に本発明で使用する引抜き装置8によって引抜を補助してやる場合であり、内面溝付管1の巻取り駆動装置(図示せず)の負荷を軽減させる場合は引抜き装置8の引抜き速度を内面溝付管1の巻取り駆動装置(図示せず)の引抜き速度より早めで同調させ、逆に内面溝付管1の巻取り駆動装置(図示せず)の負荷を増加させる場合は引抜き装置8の引抜き速度を内面溝付管1の巻取り駆動装置(図示せず)の引抜き速度よりも遅く設定して同調させることにより行った。前記巻取り駆動装置は整形ダイス7の後に配置される。
次いで拡管によりアルミフィン(放熱フィン)に密着させた。それらの加工実験における内面溝付管1の総肉厚(管の外側から内面フィンの頂点までの高さ)のばらつきと加工実験の状況を評価した。なお、加工速度比は(引抜き装置8の引抜速度)/(巻取り装置の引抜速度)×100の値を用いた。結果を表1に示す。
Figure 0004833577
表1から明らかように、本発明例は良好な内面溝付管が得られた。これに対し、従来例1は引抜き装置が無いため、管が破断してしまった。従来例2はワイピング装置と中間整形ダイスがないので荷重Fの変化と引抜き装置8通過後の管1cの扁平が大きくなってしまい、総肉厚のばらつきが大きくなった。比較例1はワイピング装置が無いため、荷重Fの変化が大きくなってしまい、総肉厚が長手方向でばらついた。比較例2は中間整形ダイスが無いため引抜き装置8通過後の管1cは扁平状のままで総肉厚が円周状でばらついた。比較例3は荷重制御により荷重Fを意図的に大きく変化させたものであるが長手方向で総肉厚のばらつき大きくなった。従来例4比較例1から比較例4ではいずれもアルミフィンとの密着不良が発生した。
(実施例2)
パッド83の形状に関して引抜き時の滑り出し荷重Fb及び溝付け加工性の実験を行った。実験は図3のように表2のパット溝84を有するパッド83を2枚一組でフローティングダイス通過後の管1bを1000N〜10000Nの挟み込み荷重Faで挟み付けた後、フローティングダイス通過後の管1bをチャック96で固定し矢印Fbの方向に引抜き、フローティングダイス通過後の管1bが滑り出す時の滑り出し荷重Fbを測定した。本発明例1の滑り出し荷重Fbを100として比較表記した。ここで滑り出し荷重Fbとは使用するパッドの限界引抜き力であり、この数値が高いほど滑りが発生せずに安定して引き抜けることになる。溝付け加工性の評価は図1の引抜き装置8に取り付けるパッド83を順次取り替えて行い、内面フィン寸法の確認を行った。問題無いものは○で示した。表2に実験結果を示す。
Figure 0004833577
表2から明らかように、締め付け比が小さくなるほど滑り出し荷重比が大きくなり、本発明例は滑り出し荷重比が高くかつ溝付け加工性が良好であった。これに対し、比較例1は締め付け比が大きいため、滑り荷重が低く溝付け加工時には引抜き装置で僅かな引抜き力しか得られないため管が破断してしまった。比較例2は締め付け比K2が小さいため、フローティングダイス通過後の管1bの外面にパッドで挟んだ際の凹み跡が大きく残り中間整形ダイスでも修正はできず円周上で内面フィンの寸法がばらついてしまった。比較例3はK1が小さいためパッドから管を引き離すのに負荷がかかり、荷重が安定せず内面フィン寸法が長手方向でばらついてしまった。比較例5,6はK1が大きいため締め付け比K2を小さくするにはパッドの深さHを浅くしなければならずその場合フローティングダイス通過後の管1bの扁平はたいへん大きくなる。
扁平が大きい管では中間整形ダイス部で管が座屈してしまい溝付け加工ができなかった。
(実施例3)
中間整形ダイス11の外径縮径率K3を変化させて、溝付加工性と管内の残油量の確認を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。溝付加工性は良好を◎、問題無い場合を○、不良(管破断)を×と示した。管内残油量は良好を◎、不良を×と示した。表3に結果を示す。
Figure 0004833577
表3から明らかなように、本発明例は優れた溝付加工性を有し、また管内残油量も少なかった。これに対し、比較例1、2は中間整形ダイス11での外径縮径率K3が大きいため、管内残油量が多くなってしまった。比較例3は中間整形ダイス11での外径縮径率K3が大きいため、溝付加工性に劣り、管内残油量が多くなってしまった。
本発明に係る内面溝付管1の製造装置の一実施形態を示す断面図である。 図1で使用されているパッド83の一実施形態を示す断面図である。 本発明の実施例に係る荷重の測定方法の概略図である。
符号の説明
1 内面溝付管
1a 素管
1b フローティングダイス通過後の
1c 引抜き装置8通過後の
1d 中間成形ダイス通過後の
10 内面
2 フローティングダイス
21 ロードセル
3 加工ヘッド
31 ストッパ
32 ベアリング
4 フローティングプラグ
5 溝付プラグ
50 溝
51 プラグロッド
6 ボール
7 整形ダイス
8 引抜き装置
80 ベルト
81 プーリ
82 プーリ
83 パッド
84 パッド溝
9 ワイパー
95 ロードセル
96 チャック
11 中間整形ダイス
L1 引抜き方向
L2 回転方向
R 曲率半径
H パッド深さ
Db フローティングダイス通過後の管1bの外径
Dd 中間整形ダイス11の外径
Fa 挟み込み荷重
Fb 滑り出し荷重

Claims (6)

  1. 素管(1a)の引抜き方向に沿って、内部にフローティングプラグ(4)と当該フローティングプラグ(4)へ回転自在に連結された溝付プラグ(5)とを挿入した素管(1a)を、前記フローティングダイス(2)と前記加工ヘッド(3)の内部に順に通して、巻取り駆動装置を用いずに前記素管(1a)を移動させて、前記フローティングダイス(2)とフローティングプラグ(4)とにより縮径し、前記溝付プラグ(5)の位置で前記加工ヘッド(3)の内部で中間成形ダイス通過後の管(1d)の外周に接触するように配置され、当該加工ヘッド(3)の回転に伴い自転及び公転する複数のボール(6)により中間成形ダイス通過後の管(1d)を溝付プラグ(5)に押圧して当該管(1d)の内面に多数の微細な内面溝(10)を形成する装置であって、フローティングプラグ(4)と溝付プラグ(5)の間に、前記フローティングプラグ(4)の先に素管(1a)の引抜き方向に沿ってワイパー(9)、引抜き装置(8)、中間整形ダイス(11)を設けたことを特徴とする内面溝付管の製造装置。
  2. 請求項1記載の装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、素管(1a)の引抜き時におけるフローティングダイス(2)に負荷される荷重Fの最大値と最小値の差が500N以下であることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、フローティングダイス2に取り付けられたロードセル(21)により、フローティングダイス(2)に負荷される荷重Fを検出し、素管(1a)を引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置(8)に信号を送信し、前記引抜き装置(8)の前記制御部が前記信号により回転トルクを制御しつつ前記引抜き装置(8)のプーリ(81)に動力を伝達することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の装置を用いた内面溝付管の製造方法であって、フローティングダイス(2)に取り付けられたロードセル(21)により、フローティングダイス(2)に負荷される荷重Fを検出し、素管(1a)を引き抜きながら前記荷重Fの経時的変化を電気信号に変換して制御部へ入力し、前記制御部は前記荷重Fの経時的変化を抑制するように引抜き装置(8)に信号を送信し、前記引抜き装置(8)の前記制御部が前記信号により前記引抜き装置(8)のプーリ(81)、(82)に押し付け力を伝達することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  5. 前記引抜き装置(8)のパッド(83)のパッド溝(84)の曲率半径Rと、フローティングダイス通過後の管(1b)の外径(Db)との比K1が0.5〜0.5025であり、締め付け比K2が0.98〜1.0であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の内面溝付管の製造方法。
  6. 前記中間整形ダイス(11)の外径縮径率K3が0.001〜0.1であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の内面溝付管の製造方法。
JP2005108657A 2005-04-05 2005-04-05 内面溝付管の製造装置及び製造方法 Expired - Fee Related JP4833577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005108657A JP4833577B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 内面溝付管の製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005108657A JP4833577B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 内面溝付管の製造装置及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006281311A JP2006281311A (ja) 2006-10-19
JP4833577B2 true JP4833577B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=37403746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005108657A Expired - Fee Related JP4833577B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 内面溝付管の製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4833577B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10144626B2 (en) 2008-09-12 2018-12-04 Crown Equipment Corporation Fork carriage apparatus for a materials handling vehicle

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4795322B2 (ja) * 2007-10-09 2011-10-19 古河電気工業株式会社 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP2012076126A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 内面溝付管の製造装置及び製造方法
KR101930699B1 (ko) * 2017-02-09 2019-03-11 부곡스텐레스(주) 금속소재 성형장치

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6015015A (ja) * 1983-07-05 1985-01-25 Hitachi Cable Ltd 内面溝付金属管の加工装置
JP2858446B2 (ja) * 1991-02-18 1999-02-17 日立電線株式会社 内面溝付金属管の製造装置
JP3438533B2 (ja) * 1997-06-10 2003-08-18 日立電線株式会社 内面溝付管の製造方法
JP2950289B2 (ja) * 1997-06-27 1999-09-20 日立電線株式会社 内面溝付金属管の製造方法および装置
JPH11319934A (ja) * 1998-05-20 1999-11-24 Furukawa Electric Co Ltd:The 内面溝付管の製造方法及びその装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10144626B2 (en) 2008-09-12 2018-12-04 Crown Equipment Corporation Fork carriage apparatus for a materials handling vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006281311A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4948073B2 (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP4833577B2 (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP5064749B2 (ja) 内面溝付管の製造方法,製造装置及び内面溝付管
WO2016010113A1 (ja) 内面螺旋溝付管の製造方法および製造装置
JP2009202185A (ja) 可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法
WO2012096295A1 (ja) 内面溝付管及びその製造方法並びにその製造装置
JP4460064B2 (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP2005207670A (ja) 内面溝付管、内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法
JP3345225B2 (ja) 異形管の製造方法
JP2005103603A (ja) 内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法
JP4517604B2 (ja) 外面螺旋フィン付きステンレス管の製造方法および外面螺旋フィン付きステンレス管
JP6316698B2 (ja) 内面螺旋溝付管およびその製造方法と熱交換器
JP3908974B2 (ja) 内面溝付管及びその製造方法
JP5227771B2 (ja) 内面溝付管及びその製造方法
JP5128515B2 (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP2009090315A (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP3747302B2 (ja) 内面溝付管の加工方法
JP2004322141A (ja) ヘアピン曲げ銅管および銅管のヘアピン曲げ加工方法
JP2010247181A (ja) 内面溝付管の製造方法
JP2005046906A (ja) 内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法
JPH0952127A (ja) 内面溝付伝熱管の製造方法及びその装置
JPH11319934A (ja) 内面溝付管の製造方法及びその装置
JP2012076126A (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP2004298899A (ja) 内面溝付管の製造装置及び製造方法
JP6316697B2 (ja) 内面螺旋溝付管およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110922

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4833577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees