JP4833261B2 - 自動車用制御盤装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前提部分に記載した特徴を有する自動車用制御盤装置に関する。

量産車構造から、制御盤の背後に膝受け止め具を配置することが知られている。この膝受け止め具は変形手段を備え、従ってエネルギー吸収のために適している。

例えば特許文献１は、クロスビームと４個の膝受け止め具を備えた自動車用制御盤装置を開示している。この膝受け止め具は固定区間によってクロスビームに固定され、前方に位置する変形区間を備えている。この変形区間は、支持壁と共に適切なエネルギー吸収のために適していて、所定の衝突時に乗員の膝を十分に保護することができるように形成されている。

例えばシートベルトを装着していない乗員がぶつかる場合のような異なる負荷に備えて、膝エアバッグシステムの動作不良を防止するために制御盤が強く撓曲しないようにする必要がある。
独国特許第１０１ ４６ ４９５ Ｂ４号明細書

本発明の課題は、自動車用制御盤装置において、冒頭に述べた制御盤の有利な作用を維持しつつ、シートベルトを装着していない乗員の負荷の場合に、制御盤の侵入を小さくすることである。

この課題は本発明に従い、請求項１の特徴によって解決される。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項の特徴から明らかである。

制御盤装置は、車両縦方向に対して横方向に延在し、かつ固定された側方の車体構造体に保持されたクロスビームを備えている。制御盤装置は、車内の側が制御盤によって覆われ、制御盤の背後に１個または複数の膝受け止め具が設けられている。各膝受け止め具は固定区間によってクロスビームに固定され、かつほぼ乗員の膝の方へ延在している力吸収区間を有する。本発明に従い、膝受け止め具はほぼその軸線に沿ってのみ負荷をかけられる棒状の支持部材である。この簡単な構造部材によって、実質的に横方向の力が伝達されず、最初から力吸収または力のさらなる案内が行われる。膝受け止め具の剛性の高い形成により、膝エアバッグシステムが動作不良になるほど、乗員の膝が制御盤下側部分に侵入することが防止される。

制御盤装置の最初は軟らかい状態に備えて、膝受け止め具は制御盤に付設された支持壁から離れたところで終わっている。

膝受け止め具の固定区間が管状に形成され、固定区間の内面がクロスビームの接続部材に対応して形成されていると、組み立てが容易になる。その際、装備バリエーションまたは車両市場に応じて、膝受け止め具を装着するかまたは装着しないと有利である。

接続部材に対する膝受け止め具のスナップ止めは、係止突起によって簡単に実現可能である。この係止突起は固定区間に設けられ、接続部材の空隙部に係合する。

組み立ての際に、膝受け止め具が正しい位置を占めるようにするために、案内溝を内面に設けることができる。

膝受け止め具のきわめて剛性の高い形成は、二重Ｔ形材に一致する横断面によって達成可能である。

本発明の有利な実施形態では、力吸収区間が支持区間側で円形の端壁で終わっている。

接続する支持区間は交叉するリブによって形成可能である。

ゴム要素が支持区間に嵌め込まれ、このゴム要素が支持壁と支持区間との間に架橋すると、制御盤の弾性的な支持が達成可能である。

次に、図に基づいて本発明の他の有利な実施形態を詳しく説明する。

図１と図４には、自動車の制御盤１が示してある。この制御盤１は車内２において、固定された側方の車体構造体３、４、例えばＡピラーの間で、車両縦方向Ａ−Ａに対して横方向に延在している。制御盤１は車内２寄りの側６にクッション７を有するＬ字形フレーム５を備えている。Ｌ字形フレーム５は横断面で見て、下側脚部１０と上側脚部１１を有し、この下側脚部は水平８に対して角度αをなして走行方向Ｂとは反対向きに上り勾配となっており、支持壁９として形成されている。上側脚部は走行方向Ｂに上方に向いている。脚部１０と１１は互いに角度βをなしている。制御盤１またはその支持壁９は、ほぼＣのところで、すなわち脚部１０と脚部１１との間の接続部分で、自動車の前部座席に着座している乗員の膝の方に向いている。

走行方向Ｂに見て制御盤１の前方に、膝サポート１２が配置されている。この膝サポートの位置は図４に略示してある。膝サポート１２は側方の車体構造体３、４に保持されたクロスビーム１３に固定されている。クロスビーム１３は膝サポート１２のほかに、他の膝受け止め具１５、１６、１７を保持している。これらの膝受け止め具は事故の際に乗員の膝を支える。実施形態では、運転席側と助手席側にそれぞれ２個の膝受け止め具１２、１５または１６、１７が配置され、しかも車両横方向Ｄ−Ｄに見てそれぞれ運転手と助手席側乗員の膝の構造的に定められた位置の外側において側方に配置されている。しかし、膝受け止め具をほかの方法で配置してもよい。

図３に膝受け止め具１２が詳しく示してある。膝受け止め具１２は合成樹脂製の部品であり、３つの部分範囲、すなわち固定区間２０と力吸収区間２１と支持区間２２とからなっている。固定区間２０は管状に形成され、接続部材２３（図１参照）に嵌め込まれている。組み立てミスを防止するために、内面２４に案内溝２５が形成されている。この案内溝は接続部材２３に設けた図示していない対応する相手方部材と協働する。合成樹脂製膝受け止め具１２をその組込み位置で接続部材２３に係止するために、固定区間２０の両側で係止突起２６が切欠き２７において挿入されている。

固定区間２０に接続している力吸収区間２１は、二重Ｔ形材状の横断面を有し、それによってその軸線に沿って少しだけ変形可能である。固定区間２０の縦軸線は力吸収区間２１の縦軸線Ｌと一致している。

膝受け止め具１２は制御盤１の方向においてその支持区間２２で終わっている。支持区間２２と力吸収区間２１との間には、円形の端壁１４が配置されている。支持区間２２は２個のリブ２９、３０を備えている。このリブは互いに交叉し、制御盤から前方に離れたところで終わっている。この支持区間２２には、図示していないゴム要素を装着することができる。

図２に示した膝受け止め具１６は、力吸収区間２１の縦軸線Ｌ１が管状の固定区間２０の縦軸線Ｌ２に一致していない点が、図３の膝受け止め具１２と異なっている。これは、膝受け止め具を、運転手または助手席側乗員の膝の構造的に定められた位置に直接向けるためである。

車両の衝突時には、乗員、すなわち膝Ｋが前方へ移動することになる。膝は先ず最初に、車内２寄りの側６、すなわちクッション７に接触する。膝受け止め具１２、１５、１６、１７の先端と支持壁９との間に設けられた間隔は、衝突の早期段階で制御盤１の撓曲した状態を可能にする。膝受け止め具１２、１５、１６、１７と制御盤１が接触したときに初めて、膝受け止め具１２、１５、１６、１７の支持機能が発揮される。

制御盤を省略した制御盤装置の斜視図である。 図１の膝受け止め具の詳細図である。 図１の膝受け止め具の他の実施形態を示す図である。 図１のＩＶ−ＩＶ線に沿った本発明に係る制御盤装置の横断面図である。

１ 制御盤
２ 車内
３、４ 車体構造体
５ Ｌ字形フレーム
６ 側
７ クッション
８ 水平
９ 支持壁
１０、１１ 脚部
１２、１５、１６、１７ 膝受け止め具
１３ クロスビーム
１４ 端壁
２０ 固定区間
２１ 力吸収区間
２２ 支持区間
２３ 接続部材
２４ 内面
２５ 案内溝
２６ 係止突起
２７ 切欠き
２９、３０ リブ
Ｌ、Ｌ１ 軸線

Claims (8)

1. 車両縦方向に対して横方向に延在し、かつ固定された側方の車体構造体（３、４）に保持されたクロスビーム（１３）と、車内の側を被覆するための制御盤（１）と、固定区間（２０）と力吸収区間（２１）を有する膝受け止め具（１２）とを具備し、この膝受け止め具（１２）が固定区間によってクロスビーム（１３）に固定され、力吸収区間が乗員の膝の方へ延在している、自動車用制御盤装置において、
   膝受け止め具（１２）の力吸収区間（２１）が、その軸線（Ｌ、Ｌ１）に沿って負荷をかけられる棒状の支持部材であること、
   固定区間（２０）が管状に形成され、その内面（２４）がクロスビーム（１３）の接続部材（２３）に対応して形成されていることを特徴とする制御盤装置。
2. 膝受け止め具（１２）が支持壁（９）から離れたところで終わっていることを特徴とする請求項１に記載の制御盤装置。
3. 固定区間（２０）が切欠き（２７）を有し、この固定区間のこれら切欠き（２７）内に係止突起（２６）が備えられていることを特徴とする請求項１に記載の制御盤装置。
4. 固定区間（２０）の内面（２４）に案内溝（２５）が穿設されていることを特徴とする請求項１または３に記載の制御盤装置。
5. 力吸収区間（２１）の横断面がＨ字形材状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の制御盤装置。
6. 力吸収区間（２１）が支持区間（２２）側で円形の端壁（１４）で終わっていることを特徴とする請求項５に記載の制御盤装置。
7. 支持区間（２２）が交叉するリブ（２９、３０）によって形成されていることを特徴とする請求項６に記載の制御盤装置。
8. 支持壁（９）と支持区間（２２）との間に架橋するゴム要素が支持区間に嵌め込み可能であることを特徴とする請求項６または７に記載の制御盤装置。

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