JP4832362B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ操作部材と、マスタシリンダと、負圧源と、車輪ブレーキと、前記負圧源に接続される負圧室ならびに前記ブレーキ操作部材の操作量に応じて前記負圧室または大気に選択的に接続される変圧室を有するとともに前記負圧室および前記変圧室間の差圧によってブレーキ操作力を助勢するようにして前記ブレーキ操作部材および前記マスタシリンダ間に介設される負圧ブースタと、前記マスタシリンダの出力液圧よりも増圧された液圧を前記車輪ブレーキに作用せしめることを可能として前記マスタシリンダおよび前記車輪ブレーキ間に介設される液圧制御ユニットと、該液圧制御ユニットの作動を制御するコントローラとを備える車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
負圧ブースタの倍力限界点を検出し、倍力限界点以降に負圧ブースタによる助勢力では不足する分を液圧制御ユニットで増圧するようにした車両用ブレーキ液圧制御装置が、特許文献1および特許文献2等で既に知られている。
特開2001−171511号公報 特開2006−192945号公報
ところで、負圧源の負圧が設定負圧Pbo(マイナスの値)であるときの負圧ブースタの静特性は、図9の破線で示され、負圧源の負圧が設定負圧Pboよりも低下した負圧Pba(絶対値がPboよりも小さなマイナスの値)であるときの負圧ブースタの静特性は図9の実線で示されるものであり、負圧源の負圧が設定負圧Pboであるときのの倍力限界点Kp以降では、負圧ブースタによる助勢力に設定値よりもΔGの不足分が生じることになる。一方、負圧ブースタの動特性は図10で示され、負圧源の負圧が設定負圧Pboであるときには二点鎖線で示す静特性に対してブースタ出力が破線で示すように変化し、また負圧源の負圧が負圧Pbaであるときには実線で示すように変化する。
したがって上記特許文献1および特許文献2で開示されるように、倍力限界点Kp以降に負圧ブースタによる助勢力の不足分を液圧制御ユニットで増圧するようにしたものでは、図10の斜線を施した部分のみが液圧制御ユニットによる増圧で補償されることになり、倍力限界点Kpに達するまでのブレーキ操作力が小さい領域では負圧ブースタによる助勢力で不足する分が補償されないことになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、負圧ブースタによる助勢力の不足分をブレーキ操作入力の小さな領域から液圧制御ユニットの増圧で充分に補償し得るようにした車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ブレーキ操作部材と、マスタシリンダと、負圧源と、車輪ブレーキと、前記負圧源に接続される負圧室ならびに前記ブレーキ操作部材の操作量に応じて前記負圧室または大気に選択的に接続される変圧室を有するとともに前記負圧室および前記変圧室間の差圧によってブレーキ操作力を助勢するようにして前記ブレーキ操作部材および前記マスタシリンダ間に介設される負圧ブースタと、前記マスタシリンダの出力液圧よりも増圧された液圧を前記車輪ブレーキに作用せしめることを可能として前記マスタシリンダおよび前記車輪ブレーキ間に介設される液圧制御ユニットと、該液圧制御ユニットの作動を制御するコントローラとを備える車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記負圧源の負圧を検出する負圧検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段とを含み、前記コントローラは、前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作入力から決まる前記変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、予め設定された負圧、ならびに予め設定された大気圧に基づいて前記負圧ブースタの出力を演算する第1の演算部と、前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作入力から決まる前記変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、前記負圧検出手段で検出された負圧、ならびに前記大気圧検出手段で検出された大気圧に基づいて前記負圧ブースタの出力を演算する第2の演算部と、第1および第2の演算部の演算結果の差に基づいて助勢力を求める液圧助勢力演算部とを備え、該液圧助勢力演算部で求められた助勢力を前記液圧制御ユニットが発揮するように該液圧制御ユニットの作動を制御することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記マスタシリンダの出力液圧を検出するマスタシリンダ出力圧検出手段を含み、前記コントローラが、前記マスタシリンダ出力圧検出手段で検出されたマスタシリンダの出力液圧に基づいて負圧ブースタの出力を推定する出力推定手段と、該出力推定手段で推定されたブースタ出力推定値ならびに前記負圧ブースタの助勢特性に基づいて仮ブレーキ操作入力を求める仮入力演算手段と、該仮入力演算手段で求められた仮ブレーキ操作入力から決まる前記変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、前記負圧検出手段で検出された負圧、ならびに前記大気圧検出手段で検出された大気圧に基づいて前記負圧ブースタの助勢力を演算するブースタ助勢力演算手段と、前記出力推定手段で推定されたブースタ出力推定値および前記ブースタ助勢力演算手段の演算結果に基づいて前記ブレーキ操作部材へのブレーキ操作入力を求める入力演算手段とを備えることを特徴とする。
なお実施例のブレーキペダル1が本発明のブレーキ操作部材に対応し、実施例の加え合わせ点43が本発明の入力演算手段に対応し、実施例のディスクブレーキBA,BBが本発明の車輪ブレーキに対応し、実施例のエンジンEが本発明の負圧源に対応する。
請求項1記載の発明によれば、第1の演算部では、ブレーキ操作入力から決まる変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、予め設定された負圧、ならびに予め設定された大気圧に基づいて負圧ブースタの動特性モデルによる理想的な出力を演算し、第2の演算部では、ブレーキ操作入力から決まる変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、負圧検出手段で検出された負圧、ならびに大気圧検出手段で検出された大気圧に基づいて動特性モデルによる負圧ブースタの運転状況に応じた出力を演算し、第1および第2の演算部の演算結果の差に基づいて液圧助勢力演算部で助勢力を求め、その助勢力を発揮するように液圧制御ユニットが制御されるので、負圧源の負圧低下による負圧ブースタによる助勢力の不足分をブレーキ操作入力の小さな領域から液圧制御ユニットの増圧で充分に補償するようにして液圧制御ユニットによる助勢力を適切に制御することが可能となる。
また請求項2記載の発明によれば、マスタシリンダに出力液圧に基づいて出力推定手段でブースタ出力推定値が推定され、そのブースタ出力推定値ならびに負圧ブースタの助勢特性に基づいて仮入力演算手段で仮ブレーキ操作入力が求められ、仮ブレーキ操作入力から決まる前記変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室の圧力、負圧検出手段で検出された負圧、ならびに大気圧検出手段で検出された大気圧に基づいて動特性モデルによる負圧ブースタの助勢力がブースタ助勢力演算手段で演算され、出力推定手段で推定されたブースタ出力推定値およびブースタ助勢力演算手段の演算結果に基づいてブレーキ操作部材へのブレーキ操作入力を入力演算手段で求めるようにしているので、ブレーキ操作入力を検出する踏力センサ等の特別な入力センサが不要であり、精度のよいブレーキ操作入力を演算することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車輪用ブレーキ液圧制御装置の構成を示す液圧系統図、図2は負圧ブースタの簡易モデルを示す図、図3はコントローラの一部構成を示すブロック図、図4は増圧側へのブレーキ操作時の状態を示すものであって(a)は負圧ブースタの簡易モデルでの変圧室の連通状態を示し、(b)は変圧室の圧力の経時変化を示す図、図5は減圧側へのブレーキ操作時の状態を示すものであって(a)は負圧ブースタの簡易モデルでの変圧室の連通状態を示し、(b)は変圧室の圧力の経時変化を示す図、図6は入力推定部の構成を示すブロック図、図7は変圧室の圧力がブースタ出力推定値から求めた状態ならびに入力真値から求めた状態で変化しないことを説明するための図、図8は負圧ブースタによる助勢力不足分を液圧の増圧で補償する状態を示す動特性図である。
先ず図1において、ブレーキ操作に応じた液圧を出力するマスタシリンダMには、乗員のブレーキ操作によるブレーキ操作力がブレーキ操作部材であるブレーキペダル1から負圧ブースタ2を介して入力される。該マスタシリンダMはタンデム型に構成されるものであり、車輪ブレーキである左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBに対応した第1出力ポート3と、車輪ブレーキである右前輪用ディスクブレーキ(図示せず)および左後輪用ディスクブレーキ(図示せず)に対応した第2出力ポート4とを備え、第1および第2出力ポート3,4は、液圧制御ユニット5を介して前記各ディスクブレーキBA,BB…に接続される。
前記液圧制御ユニット5の第1出力ポート3側の部分と、第2出力ポート4側の部分とは同一の構成を有するものであり、以下、液圧制御ユニット5の第1出力ポート3側の部分だけについて説明し、液圧制御ユニット5のうち第2出力ポート4側の部分についての説明は省略する。
前記液圧制御ユニット5は、左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBに共通な液圧路6と、該液圧路6および第1出力ポート3間に介設されるレギュレータ弁7と、前記液圧路6側へのブレーキ液の流通を許容してレギュレータ弁7に並列接続される一方向弁8と、前記液圧路6および左前輪用ディスクブレーキBA間に介設される入口弁9と、前記液圧路6および右後輪用ディスクブレーキBB間に介設される入口弁10と、前記液圧路6側へのブレーキ液の流通を許容して前記入口弁9,10にそれぞれ並列接続される一方向弁11,12と、左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBに共通な単一のリザーバ13と、左前輪用ディスクブレーキBAおよび前記リザーバ13間に介設される出口弁14と、右後輪用ディスクブレーキBBおよび前記リザーバ13間に介設される出口弁15と、吸入側が前記リザーバ13に一方向弁16を介して接続される第2の液圧供給源としてのポンプ18と、該ポンプ18の吐出側に接続されるダンパ19と、該ダンパ19および前記液圧路6間に設けられるオリフィス20と、前記ポンプ18の吸入側および一方向弁16間と第1出力ポート3間に設けられるサクション弁21とを備える。前記ポンプ18は、電動モータ17で駆動されるものであり、この電動モータ17は、液圧制御ユニット5の第1出力ポート3側の部分と、第2出力ポート4側の部分とに共通である。
前記レギュレータ弁7および入口弁9,10は、常開型のリニアソレノイド弁であり、前記出口弁14,15は常閉型のリニアソレノイド弁であり、前記サクション弁21は常閉型ソレノイド弁である。また第1出力ポート3およびレギュレータ弁7間には、マスタシリンダMの出力液圧を検出するマスタシリンダ出力液圧検出手段22が接続され、前記入口弁9,10と、左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBとの間には、左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBに作用するブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧検出手段23,24がそれぞれ接続される。
而して入口弁9および出口弁14は、入口弁9を開弁するとともに出口弁14を閉弁することで前記液圧路6および左前輪用ディスクブレーキBA間を接続するとともに前記左前輪用ディスクブレーキBAおよび前記リザーバ13間を遮断する増圧モード、入口弁9を閉弁するとともに出口弁14を開弁することで前記液圧路6および左前輪用ディスクブレーキBA間を遮断するとともに左前輪用ディスクブレーキBAおよび前記リザーバ13間を接続する減圧モード、ならびに入口弁9および出口弁14をともに閉弁することで前記液圧路6および前記リザーバ13を左前輪用ディスクブレーキBAから遮断する保持モードを切換え可能である。
また入口弁10および出口弁15は、入口弁10を開弁するとともに出口弁15を閉弁することで前記液圧路6および右後輪用ディスクブレーキBB間を接続するとともに前記右後輪用ディスクブレーキBBおよび前記リザーバ13間を遮断してする増圧モード、入口弁10を閉弁するとともに出口弁15を開弁することで前記液圧路6および右後輪用ディスクブレーキBB間を遮断するとともに右後輪用ディスクブレーキBBおよび前記リザーバ13間を接続する減圧モード、ならびに入口弁10および出口弁15をともに閉弁することで前記液圧路6および前記リザーバ13を右後輪用ディスクブレーキBBから遮断する保持モードを切換え可能である。
このような液圧制御ユニット5では、サクション弁21を励磁、開弁した状態で電動モータ17を作動せしめることにより、ポンプ18が、マスタシリンダM側から吸入して加圧したブレーキ液を前記レギュレータ弁7および入口弁9,10間の液圧路6に吐出することになる。この際、レギュレータ弁7の作動を制御することにより、液圧路6の液圧を調圧することができる。
すなわちポンプ18およびレギュレータ弁7は、非ブレーキ操作時に液圧路6に調圧された液圧を作用せしめるものであり、その液圧を切換弁手段25,26の入口弁9,10および出口弁14,15で制御することにより、左前輪用ディスクブレーキBAおよび右後輪用ディスクブレーキBBに相互に異なるブレーキ液圧を作用せしめることができ、それにより車両走行時の挙動安定制御やトラクション制御等のブレーキ制御を実行することができる。
またサービスブレーキ時には、電動モータ17の作動が停止され、レギュレータ弁7が開弁されるとともにサクション弁21が閉弁されており、入口弁9,10および出口弁14,15のうちサービスブレーキ時にロック状態に陥る可能性が生じた車輪に対応する入口弁および出口弁の開閉を制御するアンチロックブレーキ制御を実行することにより、車輪をロックさせることなく、効率良く制動することができる。
前記液圧制御ユニット5のレギュレータ弁7、入口弁9,10、出口弁14,15、電動モータ17およびサクション弁21はコントローラCで制御されるものであり、このコントローラCには、マスタシリンダ出力液圧検出手段22およびブレーキ液圧検出手段23,24の検出値がそれぞれ入力される。
ところで負圧ブースタ2は、負圧源たとえばエンジンEで生じる負圧によってブレーキペダル1によるブレーキ操作力を倍力してマスタシリンダMに入力するように構成された従来周知のものであり、その簡易モデルは、図2で示すように表すことができる。すなわちブースタシェル25内に、該ブースタシェル25内を変圧室26および負圧室27に区画するブースタピストン28が収容され、該ブースタピストン28に、前記ブレーキピストン1に連なる入力ロッド29ならびに前記マスタシリンダMに負圧ブースタ2で倍力された操作力を入力するための出力ロッド30が同軸に連なる。また前記変圧室26および大気間には、変圧室26への大気圧Paの導入、遮断を切換える第1開閉弁31が介設され、変圧室26および負圧室27間には、変圧室26の負圧室27への連通、遮断を切換える第2開閉弁32が介設され、前記負圧室27には負圧源であるエンジンEの吸気路からの負圧Pbが導入されている。
而して負圧ブースタ2は、前記負圧室27および前記変圧室26間の差圧によってブレーキ操作力を助勢するものであり、ブレーキペダル1から入力ロッド29に伝達される入力をf、出力ロッド30からマスタシリンダMに伝達される出力をF、負圧ブースタ2が発揮する助勢力をGとしたときに、(F=f+G)である。
再び図1において、液圧制御ユニット5を制御するコントローラCには、前記マスタシリンダ出力液圧検出手段22およびブレーキ液圧検出手段23,24の検出値に加えて、エンジンEの吸気路で生じる負圧を検出する負圧検出手段33の検出値と、大気圧を検出する大気圧検出手段34の検出値とが入力される。
コントローラCのうち、負圧ブースタ2による助勢力の不足分を液圧制御ユニット5の増圧によって補償すべく該液圧制御ユニット5を制御する部分は、図3で示すように、前記マスタシリンダ出力液圧検出手段22で検出されるマスタシリンダ出力圧Pm、前記負圧検出手段33で検出される負圧Pbならびに前記大気圧検出手段34で検出される大気圧Paに基づいてブレーキペダル1のブレーキ操作力すなわち負圧ブースタ2の入力f1を推定する入力推定部35と、該入力推定部35で得た入力f1、予め設定された負圧Pboならびに予め設定された大気圧Paoに基づいて負圧ブースタ2の出力を演算する第1の演算部36と、前記入力推定部35で得た入力f1、負圧検出手段33で検出された負圧Pbならびに大気圧検出手段34で検出された大気圧Paに基づいて負圧ブースタ2の出力を演算する第2の演算部37と、第1および第2の演算部36,37の演算結果の差ΔGを求める加え合わせ点38と、該加え合わせ点38で得た値ΔGに基づいて液圧制御ユニット5による助勢力を求める液圧助勢力演算部39とを備え、該液圧助勢力演算部39で求められた助勢力を液圧制御ユニット5が発揮するように該液圧制御ユニット5の作動がコントローラCで制御される。
ところで負圧ブースタ2の簡易モデルにおいて、第1開閉弁31は、ブレーキペダル1のブレーキ操作入力すなわち入力fから決まる変圧室26の定常圧力Pctよりも変圧室26の圧力Pcが低い(Pc<Pct)ときに開弁するものであり、ブレーキダル1を増圧側にブレーキ操作したときには、図4(a)で示すように、第1開閉弁31は開弁し、第2開閉弁32は閉弁状態にあり、変圧室26は負圧室27とは遮断された状態で大気に連通されている。また第2開閉弁32は、前記定常圧力Pctよりも変圧室26の圧力が高い(Pc>Pc)ときに開弁するものであり、ブレーキダル1を減圧側に操作したときには、図5(a)で示すように、変圧室26は大気とは遮断された状態で負圧室27に連通されている。
而してブレーキダル1の増圧側への操作時すなわち図4(a)で示した状態で、変圧室26の圧力Pcを、時定数をTaとして一次遅れで表現すると、 dPc/dt=(Pa−Pc)/Ta・・・(1) であり、ラプラス演算子sを用いて第(1)式をラプラス変換すると、 Pc=Pa/(Ta・s+1)・・・(2) であり、図4(b)で示すように、定常圧力Pct0から定常圧力Pct1に定常圧力Pctが変化するときには、変圧室26の圧力Pcが定常圧力Pctに一次遅れで追随することになる。
またブレーキダル1の減圧側への操作時すなわち図5(a)で示した状態では、時定数をTbとすると、 −dPc/dt=(Pc−Pb)/Tb・・・(3) であり、第(3)式をラプラス変換すると、 Pc=Pb/(Tb・s+1)・・・(4) であり、図5(b)で示すように、定常圧力Pct0から定常圧力Pct1に定常圧力Pctが変化するときには、変圧室26の圧力Pcが定常圧力Pctに一次遅れで追随することになる。
すなわち変圧室26の圧力の一次遅れの目標値は、入力には無関係であり、ブレーキダル1の増圧側への操作時には大気圧Paが目標値であり、ブレーキダル1の減圧側への操作時には負圧Pbが目標値となる。
而して第1の演算部36では、入力推定部35で得た入力f1で求まる変圧室26の定常圧力Pctに一次遅れで追従する変圧室26の圧力Pcと、予め設定された理想的な負圧Pboと、予め設定された理想的な大気圧Paoとに基づく負圧ブースタ2の動特性モデルによって負圧ブースタ2の理想的な出力を演算することなる。また第2の演算部37では、入力推定部35で得た入力f1で求まる変圧室26の定常圧力Pctに一次遅れで追従する変圧室26の圧力Pcと、負圧検出手段33で検出された負圧Pbと、大気圧検出手段34で検出された大気圧Paとに基づいて負圧ブースタ2の動特性モデルによって負圧ブースタ2の運転状況に応じた出力を演算することになる。
また加え合わせ点38では、第1の演算部36の演算結果から第2の演算部37の演算結果が減算され、それによって得られた助勢力の不足分ΔGに基づいて、液圧助勢力演算部39は液圧制御ユニット5による増圧分ΔPを求めることになる。
図6において、前記入力推定部35は、マスタシリンダ出力圧検出手段22で検出されたマスタシリンダMの出力液圧Pmに基づいて負圧ブースタ2の出力を推定する出力推定手段40と、該出力推定手段40で推定されたブースタ出力推定値ならびに負圧ブースタ2の助勢特性に基づいて仮ブレーキ操作入力ftを求める仮入力演算手段41と、該仮入力演算手段41で求められた仮ブレーキ操作入力ftから決まる変圧室26の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室26の圧力Pc、負圧検出手段33で検出された負圧Pb、ならびに大気圧検出手段34で検出された大気圧Paに基づいて負圧ブースタ2の助勢力をを演算するブースタ助勢力演算手段42と、出力推定手段41で推定されたブースタ出力推定値および前記ブースタ助勢力演算手段42の演算結果に基づいてブレーキ操作部材1へのブレーキ操作入力を求める入力演算手段としての加え合わせ点43とを備える。
ブースタ助勢力演算手段42は、第1および第2の演算部36,37と同様にして負圧ブースタ2の動特性モデルに従って助勢力Gを求めるものである。この際、仮入力演算手段41で得られた仮入力ftに応じた変圧室26の定常圧力Pctが図7(a)のPctaで示すものであるときに、変圧室26の圧力Pcaは定常圧力Pctに一次遅れで追従するのであるが、この変圧室26の圧力Pcaの変化は、図7(b)で示すように、負圧ブースタ2の動特性モデルに真の入力fを適用したときの定常圧力Pctbに一次遅れで追従する圧力Pcbの変化と同じである。これは上述の図4および図5で述べたように、変圧室26の圧力の一次遅れの目標値が、入力には無関係であり、ブレーキダル1の増圧側への操作時には大気圧Paが目標値であり、ブレーキダル1の減圧側への操作時には負圧Pbが目標値となるからである。
而してブースタ助勢力演算手段42で得られた助勢力Gを、加え合わせ点43において、出力推定手段40で得た出力から減算することによって、入力f1が加え合わせ点43すなわつ入力推定部35で得られることになる。
次にこの実施例の作用について説明すると、液圧制御ユニット5を制御するコントローラCの第1の演算部36では、ブレーキ操作入力から決まる変圧室26の定常圧力Pctに一次遅れで追従する変圧室26の圧力Pc、予め設定された負圧Pbo、ならびに予め設定された大気圧Paoに基づいて負圧ブースタ2の動特性モデルによる理想的な出力を演算し、第2の演算部37では、ブレーキ操作入力から決まる変圧室26の定常圧力Pctに一次遅れで追従する変圧室26の圧力Pc、負圧検出手段33で検出された負圧Pb、ならびに大気圧検出手段34で検出された大気圧Paに基づいて動特性モデルによる負圧ブースタ2の運転状況に応じた出力を演算し、第1および第2の演算部36,37の演算結果の差に基づいて液圧助勢力演算部39で助勢力を求め、その助勢力を発揮するように液圧制御ユニット35が制御される。
したがってエンジンEの吸気負圧圧低下による負圧ブースタ2による助勢力の不足分を、図8の斜線部で示すように、ブレーキ操作入力の小さな領域から液圧制御ユニット5の増圧で充分に補償するようにして液圧制御ユニット5による助勢力を適切に制御することが可能となる。
しかもコントローラCは、マスタシリンダ出力圧検出手段22で検出されたマスタシリンダMの出力液圧に基づいて負圧ブースタ2の出力を推定する出力推定手段40と、該出力推定手段40で推定されたブースタ出力推定値ならびに前記負圧ブースタ2の助勢特性に基づいて仮ブレーキ操作入力を求める仮入力演算手段41と、該仮入力演算手段41で求められた仮ブレーキ操作入力から決まる前記変圧室26の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室26の圧力、負圧検出手段33で検出された負圧Pb、ならびに大気圧検出手段34で検出された大気圧に基づいて負圧ブースタ2の助勢力を演算するブースタ助勢力演算手段42と、出力推定手段40で推定されたブースタ出力推定値およびブースタ助勢力演算手段42の演算結果に基づいてブレーキ操作入力を求める加え合わせ点43とを備えており、加え合わせ点43の出力を第1および第2の演算部36,37の演算に用いられるブレーキ操作入力とするので、ブレーキ操作入力を検出する踏力センサ等の特別な入力センサが不要であり、精度のよいブレーキ操作入力を演算することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
車輪用ブレーキ液圧制御装置の構成を示す液圧系統図である。 負圧ブースタの簡易モデルを示す図である。 コントローラの一部構成を示すブロック図である。 増圧側へのブレーキ操作時の状態を示すものであって(a)は負圧ブースタの簡易モデルでの変圧室の連通状態を示し、(b)は変圧室の圧力の経時変化を示す図である。 減圧側へのブレーキ操作時の状態を示すものであって(a)は負圧ブースタの簡易モデルでの変圧室の連通状態を示し、(b)は変圧室の圧力の経時変化を示す図である。 入力推定部の構成を示すブロック図である。 変圧室の圧力がブースタ出力推定値から求めた状態ならびに入力真値から求めた状態で変化しないことを説明するための図である。 負圧ブースタによる助勢力不足分を液圧の増圧で補償する状態を示す動特性図である。 負圧ブースタによる助勢力不足分を液圧の増圧で補償する状態を示す静特性図である。 負圧ブースタによる助勢力不足分を液圧の増圧で充分に補償し得ない状態を示す動特性図である。
符号の説明
1・・・ブレーキ操作部材であるブレーキペダル
2・・・負圧ブースタ
5・・・液圧制御ユニット
22・・・マスタシリンダ出力圧検出手段
26・・・変圧室
27・・・負圧室
33・・・負圧検出手段
34・・・大気圧検出手段
36・・・第1の演算部
37・・・第2の演算部
39・・・液圧助勢力演算部
40・・・出力推定手段
41・・・仮入力演算手段
42・・・ブースタ助勢力演算手段
43・・・入力演算手段である加え合わせ点
BA,BB・・・車輪ブレーキであるディスクブレーキ
C・・・コントローラ
E・・・負圧源であるエンジン
M・・・マスタシリンダ

Claims (2)

  1. ブレーキ操作部材(1)と、マスタシリンダ(M)と、負圧源(E)と、車輪ブレーキ(BA,BB)と、前記負圧源(E)に接続される負圧室(27)ならびに前記ブレーキ操作部材(1)の操作量に応じて前記負圧室(27)または大気に選択的に接続される変圧室(26)を有するとともに前記負圧室(27)および前記変圧室(26)間の差圧によってブレーキ操作力を助勢するようにして前記ブレーキ操作部材(1)および前記マスタシリンダ(M)間に介設される負圧ブースタ(2)と、前記マスタシリンダ(M)の出力液圧よりも増圧された液圧を前記車輪ブレーキ(BA,BB)に作用せしめることを可能として前記マスタシリンダ(M)および前記車輪ブレーキ(BA,BB)間に介設される液圧制御ユニット(5)と、該液圧制御ユニット(5)の作動を制御するコントローラ(C)とを備える車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記負圧源(E)の負圧を検出する負圧検出手段(33)と、大気圧を検出する大気圧検出手段(34)とを含み、前記コントローラ(C)は、前記ブレーキ操作部材(1)のブレーキ操作入力から決まる前記変圧室(26)の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室(26)の圧力、予め設定された負圧、ならびに予め設定された大気圧に基づいて前記負圧ブースタ(2)の助勢力を演算する第1の演算部(36)と、前記ブレーキ操作部材(1)のブレーキ操作入力から決まる前記変圧室(26)の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室(26)の圧力、前記負圧検出手段(33)で検出された負圧、ならびに前記大気圧検出手段(34)で検出された大気圧に基づいて前記負圧ブースタ(2)の出力を演算する第2の演算部(37)と、第1および第2の演算部(36,37)の演算結果の差に基づいて出力の差を求める液圧助勢力演算部(39)とを備え、該液圧助勢力演算部(39)で求められた助勢力を前記液圧制御ユニット(5)が発揮するように該液圧制御ユニット(5)の作動を制御することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記マスタシリンダ(M)の出力液圧を検出するマスタシリンダ出力圧検出手段(22)を含み、前記コントローラ(C)が、前記マスタシリンダ出力圧検出手段(22)で検出されたマスタシリンダ(M)の出力液圧に基づいて負圧ブースタ(2)の出力を推定する出力推定手段(40)と、該出力推定手段(40)で推定されたブースタ出力推定値ならびに前記負圧ブースタ(2)の助勢特性に基づいて仮ブレーキ操作入力を求める仮入力演算手段(41)と、該仮入力演算手段(41)で求められた仮ブレーキ操作入力から決まる前記変圧室(26)の定常圧力に一次遅れで追従する変圧室(26)の圧力、前記負圧検出手段(33)で検出された負圧、ならびに前記大気圧検出手段(34)で検出された大気圧に基づいて前記負圧ブースタ(2)の助勢力を演算するブースタ助勢力演算手段(42)と、前記出力推定手段(41)で推定されたブースタ出力推定値および前記ブースタ助勢力演算手段(42)の演算結果に基づいて前記ブレーキ操作部材(1)へのブレーキ操作入力を求める入力演算手段(43)とを備えることを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ液圧制御手段。
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