JP4831980B2 - セルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置、およびセルロースエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置、およびセルロースエステルフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
セルロースエステルフィルムは、透明で、優れた物理的、機械的性質を有し、かつ温度・湿度変化に対する寸法変化が少なく、従来から写真フィルム用ベース、製図トレーシングフィルム、電気絶縁材料などの広い分野で使用され、最近では液晶ディスプレイ(LCD)で用いられる偏光板、有機ELディスプレイで用いられる円偏光板の保護フィルム或いは光学補償フィルム支持体、位相差フィルムとして使用されている。一方、近年、LCDが、薄型で、軽量、また消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されている。そのため、これらの位相差膜や偏光板はLCDの普及に伴い需要が急増している。その使用分野も従来の電卓や時計などの小型品から、自動車用計器、PCのモニター、テレビといった大型品へ拡大されつつある。
LCD等の表示装置は、常時長時間に亘って使用状態にあることが多いので、位相差フィルムや偏光板は、物理的な損傷を受け易く、また損傷を受けると表示画像品質を損なうので、機械強度の強化が望まれている。更に温湿度変化を有する環境下での長期使用でもLCDの画像品質が劣化しないような長期の耐久性が要求されるようになってきた。
偏光板は一般に偏光能を有する偏光子の両面あるいは片面に、接着剤層を介して保護層が貼り合わせられている。偏光子の素材としてはポリビニルアルコール(以下、PVA)が主に用いられており、PVAフィルムを一軸延伸してから、ヨウ素あるいは二色性染料で染色するかあるいは染色してから延伸し、さらにホウ素化合物で架橋することにより偏光子が形成される。保護層としては、光学的に透明で複屈折性が小さいこと、表面が平滑であること等が必要なことから、主にセルロースエステル、特にセルローストリアセテート(TAC)が用いられており、その他の光学フィルム用としてもセルロースアセテートが用いられている。
しかしながら、例えば、セルローストリアセテートを保護層として用いた場合、長期の高温・高湿環境下において、この保護層を通して侵入した水分が偏光子を構成するヨード等の成分に影響し、偏光子の偏光性能が低下する問題や高温、高湿にて変形する等の問題があった。このために、セルローストリアセテートやその他のセルロースエステルフィルムの透湿度を下げる技術や力学的に強くする技術が求められていた。
この問題に対し、架橋剤を入れることで、セルロースエステルフィルムの残存水酸基を利用し、3次元架橋セルロースにすることで上記の問題が改良される旨の記載が特許文献1にある。しかし、セルロースエステルフィルムは資源の有効利用やコストを低減するという観点から、通常は、再利用のために、使用済みのフィルムや製造工程にて規格外となったフィルムを良溶媒に再溶解し、再生して用いることが行われているが、このようにセルロースを3次元架橋してしまうと、セルロースが溶解しなくなるため再利用できないという問題があった。従って、再利用可能で、かつ有効な方法が求められていた。なお特許文献1には、本発明に使用される高分子化促進剤については記載がない。また、ノルボルネン系樹脂からなるシートが偏光子の保護フィルム(保護層)として有用であることが報告されている(特許文献2)。しかしながらノルボルネン系樹脂からなるシートは、透湿性は十分小さいが、偏光子との接着性が不十分であり保護層として未だ満足できるものではない。
また、特許文献3には、セルロースエステルと架橋ポリマーとのセミIPN(半相互貫
入型網目構造)型ポリマーアロイを有してなる透明フィルムが開示されている。しかしながら、特許文献3に開示された技術は、架橋ポリマーとして、重合性不飽和二重結合を有する低分子化合物を、光重合させることによって得られるものであるが、当該低分子化合物は毒性および揮散性が大きく、製造工程で汚染が発生することが懸念される。また、前記光重合は大掛かりな製造装置が必要であり、現状の製造設備を大きく変更しなければならない場合もある。さらに光重合は、厚い乾燥膜に光を照射するため、酸素を絶つ等の設備を設置したとしても重合は極めて難しく、残モノマー等の問題が十分予測できる。なお特許文献3には、本発明に使用される高分子化促進剤については記載がない。
特開2004−109307号公報 特開平10−101907号公報 特開2004−285159号公報
本発明の目的は、(1平面性が悪化しにくく、(2)吸湿しにくく、(3)透湿性も低く、保存性に優れ、(4)3次元架橋セルロースエステルの生成等を最小に抑えることができるために再利用が可能であり、しかも(5)生産性に優れるセルロースエステルフィルムを提供することである。
本発明の別の目的は、該セルロースエステルフィルムを用いて構成される偏光板および液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
(1)セルロースエステル、少なくとも1種のエポキシ化合物および少なくとも1種の高分子化促進剤を含有する溶液を流延後、70℃以上にて加熱処理して得られたセルロースエステルフィルムであって、該セルロースエステルが実質的に3次元架橋されておらず、
該エポキシ化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするセルロースエステルフィルム
Figure 0004831980
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基またはハロゲン原子を表し、L1、L2は2価の脂肪族の有機基を表す。また、Mは酸素または窒素原子、Aはm価の連結基を表す。a,b,cは0〜4の整数、x,yは0〜20の実数、lは1または2、mは2〜4の整数を表す。)
(2)該高分子化促進剤が、アミン誘導体、酸無水物及びイミダゾール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前記(1)に記載のセルロースエステルフィルム。
(3)セルロースエステルのアシル置換度が2.9以上3.0以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のセルロースエステルフィルム。
(4)該セルロースエステルが、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、またはセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムを偏光子の保護層として用いたことを特徴とする偏光板。
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム、または前記(5)の偏光板のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
(7)セルロースエステル、少なくとも1種のエポキシ化合物および少なくとも1種の高分子化促進剤を含有する溶液を支持体上に流延しドープ膜を得る工程、及び該ドープ膜を70℃以上にて加熱処理する工程を含むセルロースエステルフィルムの製造方法であって、
該セルロースエステルが実質的に3次元架橋されておらず、
該エポキシ化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される化合物から選ばれた少なくとも1種である、セルロースエステルフィルムの製造方法。
Figure 0004831980

(式中、R 、R 、R は、それぞれ独立して、アルキル基またはハロゲン原子を表し、L 、L は2価の脂肪族の有機基を表す。また、Mは酸素または窒素原子、Aはm価の連結基を表す。a,b,cは0〜4の整数、x,yは0〜20の実数、lは1または2、mは2〜4の整数を表す。)
本発明によれば、(1)平面性が悪化しにくく、(2)吸湿しにくく、(3)透湿性も低く、保存性に優れ、(4)3次元架橋セルロースエステルの生成等を最小に抑えることができるために再利用が可能なセルロースエステルフィルムが提供される。また、本発明のセルロースエステルフィルムは、各種成分を含む溶液を流延し加熱することにより製造できるので、光重合の際に必要な大掛かりな装置を使用する必要がなく、(5)生産性に優れる。とくにエポキシ化合物として上記のオリゴマーを使用した場合には、毒性および揮散性が問題とならないので、製造工程での汚染の発生が抑制される。
また本発明によれば、該セルロースエステルフィルムを用いて構成される偏光板および液晶表示装置が提供される。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
まず、上記一般式(I)、(II)、(III)または(IV)で示されるエポキシ化合物についてより詳しく説明する。
一般式(I)、(II)、(IV)において、L1、L2としては例えば、
Figure 0004831980
などが挙げられ、一般式(III)においてAとしては、
Figure 0004831980
などが挙げられる。
1、R2、R3のアルキル基としては、炭素数1〜3が好ましく、ハロゲン原子してはBr、Cl、Fなどが挙げられる。
以下、一般式(I)、(II)、(III)または(IV)で示されるエポキシ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004831980
Figure 0004831980
Figure 0004831980
Figure 0004831980
なお、構造式中にある変数x、yは実数であり、各々0〜20の範囲であれば何でもよい。x、yが必ずしも整数とならないのは、数種類の整数値を有するエポキシ化合物がある比率で混合された状態であり、その平均値を示しているからである。これらのエポキシ化合物は単独で用いても、2種類以上組み合わせても良い。
一般式(I)〜(IV)で示される構造以外のエポキシ化合物の具体例としては下記化合物が挙げられる。
Figure 0004831980
次に本発明に使用される高分子化促進剤について説明する。
高分子化促進剤は、エポキシ化合物の高分子化(または、架橋)反応を促進させ、かつ、セルロースエステルを実質的に3次元架橋させない化合物である。高分子化促進剤は、それ自身がエポキシ化合物と縮合反応等を起こしたり、触媒として働き、エポキシ化合物同士の反応を促進することで、セルロースエステル中に、網目構造を形成させる。高分子化促進剤としては、置換もしくは無置換のアミン類、イミダゾール類、メルカプタン類、酸無水物類、ポリアミド樹脂、有機酸ヒドラジド等が挙げられるが、中でも、アミン誘導体、酸無水物及びイミダゾール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
好ましい具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0004831980
Figure 0004831980
H−15 無水トリメリット酸
H−16 無水マレイン酸
H−17 無水フタル酸
H−18 無水メチルナジック酸
H−19 無水コハク酸
Figure 0004831980
Figure 0004831980
その他、ポリスルフィド樹脂(スリーボンド社製Three Bond 2104)、 エチレングリコールビストリメート、グリセロールトリストメリテート等があるがこれらに限定されるわけではない。また、これらをお互いに併用して用いることも好ましい。
本発明においては、二官能のアミン誘導体がセルロースエステルを架橋せずに網目構造を作るという点で最も好ましい。
なお、セルロースエステルにおける3次元架橋の有無は、非架橋のセルロースエステルを溶解する溶媒、例えば、塩化メチレンに浸漬し、セルロースエステルが溶解するかどうかで判定することができる。また本発明でいう「セルロースエステルが、実質的に3次元架橋されていない」とは、セルロースエステル中に存在する水酸基(置換度3.0の場合は、未反応の水酸基は存在しない)の架橋されている割合が5%以下を言う。好ましくは、3%以下、最も好ましくは1%以下である。セルロースエステル中に存在する水酸基の架橋されている割合は、NMRにてOH基を検出する方法により算出することができる。
本発明において、エポキシ化合物の使用量は、セルロースエステルの質量に対して、1%〜30%であることが好ましい。より好ましくは2%〜20%であり、さらに好ましくは、3%〜15%である。
また、高分子化促進剤の使用量は、使用するエポキシ化合物の質量に対し、好ましくは1%〜100%、より好ましくは5%〜50%、さらに好ましくは10%〜40%である。
次に、本発明に使用するセルロースエステルについて説明する。
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、またはセルロースアセテートブチレートが好ましい。
上記セルロースエステルであれば本発明のセルロースエステルフィルムに好ましく用いられるが、より好ましくは、セルロースエステルの置換度を、アシル基による置換度をXとして表した場合に、Xは、2.5以上で3.0以下が好ましく、より好ましくは、2.7以上で3.0以下、最も好ましいのは、2.9以上で3.0以下である。これは、置換度が高いと、セルロースが架橋される懸念がなく、高濃度のドープ(溶媒にセルロースエステル、エポキシ化合物、高分子化促進剤等を溶かした溶液を以後ドープと呼ぶ)を作製でき、製膜、乾燥時にも有利であり、本発明の目的の達成に好ましい。
セルロースを形成するグルコースユニットは、結合できる3つの水酸基を有しており、例えば、セルローストリアセテートにおいて、グルコースユニットの3個の水酸基全てがアセチル基に結合している場合には、アセチル基による置換度は3.0である。
これらアシル置換度の測定方法は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独であるいは任意の割合で混合使用することが出来るが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
セルロースエステルの分子量が大きいと弾性率が大きくなるが、分子量を挙げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70,000〜200,000のものが好ましく、100,000〜200,000のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルはMw/Mn比が3.0未満であるが、好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サ
ンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムは、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子(マット剤)、レターデーション調整剤等を含有するのが好ましい。
可塑剤としては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリット酸エステル系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシルが含まれる。
ポリエステル系可塑剤として、脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合体を用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して用いても良い。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。又、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert
−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチル−フェノール《チヌビン(TINUVIN)171》、2−オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物《チヌビン(TINUVIN)109》、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール《チヌビン(TINUVIN)326》等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。また、上記のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン326等チヌビンは何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の市販品で、好ましく使用出来る。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。
トリアジン系化合物の具体例として、以下の化合物が好ましい。
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本発明のセルロースエステルフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次平均粒子径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下がさらに好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次平均粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R81
2、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、セルロースエステルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースエステルフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースエステル溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なドープ液中でのマット剤の添加量は1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムには、レターデーション調整剤を含有させることができる。本発明のセルロースエステルフィルムはレターデーションを上昇させる化合物(レターデーション上昇剤)を添加し延伸することで好ましいレターデーションを発現させることが可能になり、位相差フィルムとして使用できる。レターデーション上昇剤としては棒状の構造や平面性の構造を有する化合物が好ましく用いられる。また、フィルム中のセルロースエステルが面内および膜厚方向に配向するのを抑制する化合物(レターデーション低減剤)を含有させることで光学異方性の小さいセルロースエステルフィルムを得ることができ、偏光板保護膜や光学補償フィルムの支持体として好ましく使用できる。このためには光学異方性を低下させる化合物はセルロースエステルに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たないことが有利である。具体的には芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造が有利である。
本発明では、溶液流延法によりセルロースエステルフィルムを製造することが好ましく、ドープ液を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
本発明のドープ液に使用される溶媒は、塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としても良いし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としても良く、特に限定されるものではない。
その他、本発明のセルロースエステルフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876、特開平12−95877、特開平10−324774、特開平8−152514、特開平10−330538、特開平9−95538、特開平9−95557、特開平10−235664、特開平12−63534、特開平11−21379、特開平10−182853、特開平10−278056、特開平10−279702、特開平10−323853、特開平10−237186、特開平11−60807、特開平11−152342、特開平11−292988、特開平11−60752、特開平11−60752号の各公報などに記載されている。これらの特許によるとドープ液に好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
本発明において、ドープ液の調製は、特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるドープ液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
次に、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースエステルフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ液を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープ液をドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープ液を加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明のセルロースエステルフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。また、セルロースエステルフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜95μmがさらに好ましい。
本発明においては、上記の乾燥工程において加熱することにより、乾燥と同時にエポキシ化合物を高分子化(または架橋)させる。加熱温度と加熱時間は、用いるエポキシ化合物、あるいは高分子化促進剤により異なるが、一般に好ましくは70℃以上、例えば70℃以上170℃以下、より好ましくは80°以上160℃以下、最も好ましいのは、90℃以上150℃以下である。乾燥(加熱)時間は、好ましくは20分〜240分、最も好ましくは30分〜180分である。
本発明のセルロースエステルフィルムの透湿度は、JIS規格JISZ0208をもとに、温度60℃、湿度95%RHの条件において測定し、膜厚80μmに換算して200〜1800g/m2・24hであることがのぞましい。300〜1500g/m2・24h
であることがより好ましく、400〜1200g/m2・24hであることが特に好ましい。1800g/m2・24hを越えると、フィルムの正面レターデーションRe値、膜厚方向のレターデーションRth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超える傾向が強くなってしまう。また、本発明のセルロースエステルフィルムに光学異方性層を積層して光学補償フィルムとした場合も、Re値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超える傾向が強くなってしまい好ましくない。このセルロースエステルフィルムや光学補償フィルムが液晶表示装置に組み込まれた場合、色味の変化や視野角の低下を引き起こす。また、セルロースエステルフィルムの透湿度が200g/m2・24h未満では、偏光子の両面などに貼り付けて偏光板を作製する場合に、セルロースエステルフィルムにより粘着剤の乾燥が妨げられ、接着不良を生じる。
本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚が厚ければ透湿度は小さくなり、膜厚が薄ければ透湿度は大きくなる。そこでどのような膜厚のサンプルでも基準を80μmに設け換算する必要がある。膜厚の換算は、(80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚μm/80μm)として求めた。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明のセルロースエステルフィルム試料70mmφを25℃、90%RH及び60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、透湿試験装置(KK−709007、東洋精機(株))にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で求めた。
本発明のセルロースエステルフィルムの弾性率は、200〜500kgf/mm2(1.96〜4.9GPa)であることが好ましい、より好ましくは240〜470kgf/mm2(2.35〜4.61GPa)であり、さらに好ましくは270〜440kgf/mm2(2.65〜4.31GPa)である。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン製万能引っ張り試験機STM T50BPを用い、23℃・70%雰囲気中、引っ張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
<セルロースエステルフィルムの用途>
〔光学補償フィルム〕
本発明のセルロースエステルフィルムは、様々な用途で用いることができ、特に液晶表示装置の光学補償フィルムに用いると効果がある。なお、光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
本発明のセルロースエステルフィルムにおいては、レターデーションを発現させた場合にはフィルム自体を光学補償フィルムとして好ましく用いることができる。また、それ以外の場合には光学異方性層の支持体として好ましく用いることができる。併用する光学異方性層のRe及びRthは、Re630=0〜200nmで且つ|Rth630|=0〜400nmであることが好ましく、この範囲であればどのような光学異方性層でもよい。
本発明のセルロースエステルフィルムが使用される、液晶表示装置の液晶セルの光学性能や駆動方式は特に制限されず、光学補償フィルムとして要求される、どのような光学異方性層も併用することができる。併用される光学異方性層としては、液晶性化合物を含有する組成物から形成してもよいし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成してもよい。
[液晶性化合物を含有してなる光学異方性層]
光学異方性層として液晶性化合物を含有してなる光学異方性層を用いる場合、液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物又は棒状液晶性化合物が好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献[C.Destradeらの"Mol.Crysr.Liq.Cryst.",71巻,p.111(1981年);日本化学会編「季刊化学総説」第22号「液晶の化学」第5章、第10章第2節(1994年);B.Kohneらの"Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.",p.1794(1985年);J.Zhangらの"J.Am.Chem.Soc.",116巻,p.2655(1994年)]に記載の化合物が含まれる。
光学異方性層において、ディスコティック液晶性化合物の分子は、配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。重合性基を有するディスコティック液晶性化合物について、特開2001−4387号公報に開示されている。
(棒状液晶性化合物)
本発明において、使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
光学異方性層において、棒状液晶性化合物の分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。本発明に使用可能な重合性棒状液晶性化合物の例には、"Makromol.Chem.",190巻、2255頁(1989年)、"Advanced Materials",5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同第5622648号明細書、同第5770107号明細書、国際公開第95/22586号パンフレット、同第95/24455号パンフレット、同第97/00600号パンフレット、同第98/23580号パンフレット、同第98/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。
[ポリマーフィルムからなる光学異方性層]
本発明における光学異方性層は、ポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフィルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなど)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル及びセルロースエステル(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートなど)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体又はポリマー混合物を用いてもよい。
ポリマーフィルムの光学異方性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸又は二軸延伸であることが好ましい。具体的には、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、又はポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸、これらを組み合わせての二軸延伸が好ましい。なお、2枚以上のポリマーフィルムを用いて
、2枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜100μmであることが最も好ましい。
また、光学異方性層を形成するポリマーフィルムとして、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、及びポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマー材料を用い、これを溶媒に溶解した溶液を基材に塗布し、溶媒を乾燥させてフィルム化する方法も好ましく用いることができる。この際、これらのポリマーフィルムと基材とを延伸して光学異方性を発現させて光学異方性層として用いる手法も好ましく用いることができ、本発明のセルロースエステルフィルムは、この場合の基材として好ましく用いることができる。また、これらポリマーフィルムを別の基材の上で作製しておき、ポリマーフィルムを基材から剥離させたのちに本発明のセルロースエステルフィルムと貼合して、あわせて光学異方性層として用いることも好ましい。この手法ではポリマーフィルムの厚さを薄くすることができ、50μm以下であることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
〔偏光板〕
次ぎに、本発明のセルロースエステルフィルムの偏光板への用途について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムは、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースエステルフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に、完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液などを用いて貼り合わせる方法がある。またアルカリ処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報などに記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は、偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは、偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶セルへ貼合する面の反対面側に用いられる。またセパレートフィルムは、液晶セルへ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には、通常、2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明のセルロースエステルフィルムを適用した偏光板保護フィルムは、どの部位に配置してもよい。液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには、透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が一般的に設けられるが、その場合においても該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることができる。
上記のようにして得た偏光板としては、その2枚を互いの吸収軸が直交するように、液晶セルなどに用いられるガラス基板の両面に貼り付けた場合において、法線方向から入射する光の透過率(正面透過率)と、吸収軸に対し45°の方向に50°の傾斜角度で入射する光の透過率(50°傾斜方向透過率)との差が1.0以下であることが好ましい。この透過率の差が1.0以下であると、偏光板の性能が良好で、視野角特性が良好な液晶表
示装置を提供できるからである。
ここで、このような透過率の差は、ガラス基板の両面に、2枚の偏光板を互いの吸収軸が直交するよう貼り付けた後、その吸収軸を方位角の0°としその45°の方向に基板法線を極角0°とした際の、極角50°の傾斜角度で入射する光と、法線方向から入射する光について、透過率測定装置"MCPD3000"{大塚電子(株)製}等の公知の測定装置を用いることで求めることができる。なお、吸収軸に対し45°の方向としたのは、吸収軸と同一の方向に傾斜角度50°で光を入射させた場合における透過率の差に比べ、吸収軸に対し45°の方向に傾斜角度50°で光を入射させた場合における透過率の差が大きいためである。そして、後者の場合における透過率の差が1.0以下であると、上述したとおり、良好な偏光性能が得られる。
〔液晶表示装置〕
[一般的な液晶表示装置の構成]
次ぎに、本発明のセルロースエステルフィルムを部材として用いた液晶表示装置について説明する。
前述のとおり、本発明のセルロースエステルフィルムは偏光板保護フィルムとして好適に用いられる。このようにして得られた偏光板を液晶表示装置に用いる場合、液晶表示装置は、2枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、及びその両側に配置された2枚の偏光板を配置し、好適には該液晶セルと該偏光板との間に少なくとも1枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
また、本発明のセルロースエステルフィルムを光学補償フィルムに用いる場合は、上記の液晶表示装置の構成において、液晶セルと偏光板との間に配置した少なくとも1枚の光学補償フィルムとしてそのまま用いても良いし、光学異方性層として液晶層やポリマー層を設けていない側を偏光膜と直接貼りあわせて、光学補償フィルムかつ偏光板保護フィルムとする、一体型として用いても良い。この際、偏光膜の透過軸と、光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。
液晶セルの液晶層は、通常は、2枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層又は(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
[液晶表示装置の種類]
本発明のセルロースエステルフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような、様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースエステルフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとして用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文("Jpn.J.Appl.Phys.",36巻(1997年)p.143及びp.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとして用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性化合物の分子が90〜360゜の範囲にねじられており、棒状液晶性化合物の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δn・d)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとして好ましく用いることができる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムのレターデーション値Reを0〜150nmとし、レターデーション値Rthを70〜400nmとすることが好ましい。レターデーション値Reは、20〜70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に2枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Reは70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのレターデーション値Rthは150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、IPSモード及びECBモードの液晶セルを有する、IPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体、又は偏光板の保護フィルムとしても好ましく用いられる。これらのモードは、黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で、液晶分子を基板面に対して平行配向させて黒表示する。好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置及びHAN型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置又はHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとしても好ましく用いられる。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムには、レターデーションの絶対値が最小となるような方向が、光学補償フィルムの正面方向にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質及び光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置又はHAN型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文{"Jpn.J.Appl.Phys.",38巻(199
9年)p.2837}に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償フィルム又は偏光板の保護フィルムにも好ましく用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償フィルムについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロースエステルフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有する、ASM型液晶表示装置の光学補償フィルムの支持体又は偏光板の保護フィルムとしても好ましく用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)らの論文{Kume et al.,"SID 98 Digest 1089",(1998年)}に記載がある。
〔ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム〕
本発明のセルロースエステルフィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースエステルフィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れか又はそれらの全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースエステルフィルムを好ましく用いることができる。また前記した偏光板の表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくともいずれかを付与してこれらの機能性偏光板とすることもでき、該機能性偏光板は液晶表示装置に好適に用いることが出来る。
(写真フィルム支持体)
さらに本発明のセルロースエステルフィルムは、ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としても適用でき、該特許に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。それらの技術については、特開2000−105445にカラーネガティブに関する記載が詳細に挙げられており、本発明のセルロースエステルフィルムが好ましく用いられる。またカラー反転ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としての適用も好ましく、特開平11−282119に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。
(透明基板)
本発明のセルロースエステルフィルムは液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることができる。
液晶を封入する透明基板はガスバリア性に優れる必要があることから、必要に応じて本発明のセルロースエステルフィルムの表面にガスバリアー層を設けてもよい。ガスバリアー層の形態や材質は特に限定されないが、本発明のセルロースエステルフィルムの少なくとも片面にSiO2等を蒸着したり、あるいは塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーなど相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設ける方法が考
えられ、これらを適宜使用できる。
また液晶を封入する透明基板として用いるには、電圧印加によって液晶を駆動するための透明電極を設けてもよい。透明電極としては特に限定されないが、本発明のセルロースエステルフィルムの少なくとも片面に、金属膜、金属酸化物膜などを積層することによって透明電極を設けることができる。中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましく、なかでも酸化スズを主として酸化亜鉛を2〜15%含む酸化インジウムの薄膜が好ましく使用できる。これら技術の詳細は例えば、特開2001−125079や特開2000−227603号の各公報などに公開されている。
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[実施例1]
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
<セルロースアセテート溶液A組成>
アセチル置換度2.92のセルロースアセテート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート 8.0質量部
ビフェニルホスフェート 4.0質量部
チヌビン109 0.5質量部
チヌビン171 0.5質量部
UVT−5 0.5質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 400.0質量部
エタノール(第2溶媒) 60.0質量部
(マット剤溶液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
<マット剤溶液組成>
平均粒径16nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 72.4質量部
エタノール(第2溶媒) 10.8質量部
セルロースアセテート溶液A 10.3質量部
(エポキシ化合物溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、エポキシ化合物溶液を調製した。
<エポキシ化合物溶液組成>
エポキシ化合物I−3 20質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 68質量部
エタノール(第2溶媒) 12質量部
(高分子化促進剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、高分子化促進剤溶液を調製した。
<高分子化促進剤溶液組成>
高分子化促進剤H−4 20質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 68質量部
エタノール(第2溶媒) 12質量部
(セルロースエステルフィルム 試料A−1の作製)
上記セルロースアセテート溶液Aを94.6質量部、マット剤溶液を1.3質量部、エポキシ化合物溶液4.2質量部、高分子化促進剤溶液2.1質量部を、それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤含量35%でフィルムをバンドから剥離し、130℃の条件でフィルムをテンターを用いて25%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま140℃で30秒間保持した。その後、クリップを外して140℃で40分間乾燥させ(乾燥1)、セルロースエステルフィルム試料A−1を製造した。出来あがったセルロースエステルフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は92μmであった。
エポキシ化合物及び高分子化促進剤の種類、添加量を表1の内容に変更した以外は同様の方法、即ち、エポキシ溶液および高分子化促進剤溶液の種類と濃度を変え、セルロースエステルフィルムの試料A−2〜17を作製した。
更に、セルロースアセテートの代わりに、一部がセルロースプロピオネートとなったポリマーCAP(アセチル基の置換度1.9、プロピオニル基の置換度0.8)を用いた以外は試料A−2及びA−11に対応する試料B−2及びB−11を作製した。
同様にセルロースアセテートの代わりに、一部がセルロースブチレートとなったポリマーCAB(アセチル基置換度1.1、ブチリル置換度1.6)を用いた以外は試料A−2及びA−11と同じ試料C−2及びC−11を作製した。
次に、上記のセルロースアセテート溶液A組成中のトリフェニルホスフェートの代わりにレターデーション低減剤Xに置き換えた以外はA−2及びA−11と同じ試料D−2及びD−11を作製した。
また、同様に、上記のセルロースアセテート溶液A組成中のトリフェニルホスフェートの代わりにレターデーション上昇剤Yに置き換えた以外は試料A−2及びA−11と同じ試料E−2及びE−11を作製した。
Figure 0004831980
Figure 0004831980
Figure 0004831980
各サンプルの透湿度を測定した。透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明のセルロースエステルフィルム試料70mmφを25℃、90%RH及び60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、透湿試験装置(KK−709007、東洋精機(株))にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、透湿度=調湿後質量−調湿前質量で求めた。結果を表2に示す。
また、各サンプルの弾性率を測定した。
具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン製万能引っ張り試験機STM T50BPを用い、23℃・70%雰囲気中、引っ張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0004831980
表2の結果より、本発明に従えば、透湿度が下がり、弾性率が上昇し、力学的にもより強靭になることが分かる。
[実施例2]
実施例1で得た本発明の試料A−1を、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃にて0.1Nの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗層中で洗浄し、さらに100℃で乾燥した。
このようにして、試料A−1の表面をケン化した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、アルカリけん化処理した試料A−1を2枚用意して偏光子を間にして貼り合わせ、両面が試料A−1によって保護された偏光板P1を得た。
同様にして、試料A−2〜A−17、B−2、B−11、C−2、C−11、D−2、D−11、E−2、E−11を用い、偏光版P2〜P25を作製した。
偏光板P1〜P25を65℃、95%RHの高温高湿条件化で、14日間放置し、その前後の偏光度の変化量を求めた。
ここで、測定検体である二枚の偏光板を、それぞれの偏光子の配向方向が同一になるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tpとし、二枚の偏光板を、それぞれの偏光子の配向が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tcとし、下記式により偏光度Pを算出した。
Figure 0004831980
表3に耐久性の評価の指標を、表4に耐久試験の結果を示す。
Figure 0004831980
Figure 0004831980
本発明のセルロースエステルフィルムである試料A−1〜A−10、B−2、C−2、D−2、E−2を偏光板の保護フィルムとして用いた偏光板P−1〜P−10、P−18、P−20、P−22、P−24は、高温高湿の存在下で保存されても偏光度の変動は著しく低く、耐久性に優れることが確認された。それに対し、エポキシ化合物及び高分子化促進剤の少なくとも一方を含有しないセルロースエステルフィルムは偏光度の変化が大きく、耐久性が悪いことが確認された。

Claims (8)

  1. セルロースエステル、少なくとも1種のエポキシ化合物および少なくとも1種の高分子化促進剤を含有する溶液を流延後、70℃以上にて加熱処理して得られたセルロースエステルフィルムであって、該セルロースエステルが実質的に3次元架橋されておらず、
    該エポキシ化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
    Figure 0004831980
    (式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、アルキル基またはハロゲン原子を表し、L、Lは2価の脂肪族の有機基を表す。また、Mは酸素または窒素原子、Aはm価の連結基を表す。a,b,cは0〜4の整数、x,yは0〜20の実数、lは1または2、mは2〜4の整数を表す。)
  2. 該高分子化促進剤が、アミン誘導体、酸無水物及びイミダゾール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルム。
  3. セルロースエステルのアシル置換度が2.9以上3.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースエステルフィルム。
  4. 該セルロースエステルが、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、またはセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムを偏光子の保護層として用いたことを特徴とする偏光板。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  7. 請求項5に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  8. セルロースエステル、少なくとも1種のエポキシ化合物および少なくとも1種の高分子化促進剤を含有する溶液を支持体上に流延しドープ膜を得る工程、及び該ドープ膜を70℃以上にて加熱処理する工程を含むセルロースエステルフィルムの製造方法であって、
    該セルロースエステルが実質的に3次元架橋されておらず、
    該エポキシ化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される化合物から選ばれた少なくとも1種である、セルロースエステルフィルムの製造方法。
    Figure 0004831980

    (式中、R 、R 、R は、それぞれ独立して、アルキル基またはハロゲン原子を表し、L 、L は2価の脂肪族の有機基を表す。また、Mは酸素または窒素原子、Aはm価の連結基を表す。a,b,cは0〜4の整数、x,yは0〜20の実数、lは1または2、mは2〜4の整数を表す。)
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