JP4831557B2 - フッ素電解装置 - Google Patents

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本発明は、フッ化水素含有溶融塩を電気分解し、フッ素を発生させるフッ素電解装置に関する。
フッ素ガスは、フッ化水素含有溶融塩、即ち、フッ化カリウムとフッ化水素等の混合溶融塩を電解液として電気分解する、フッ素電解装置を使用して製造されている。
このフッ素ガスの製造は、通常、大型のフッ素電解装置を使用して製造されている。製造されたフッ素ガスは、例えば、ボンベ等に充填されて、半導体の製造工場に運搬されて、半導体の製造工程において、半導体のエッチングに使用されるために、半導体の製造設備の付近に供給されている。
しかしながら、フッ素ガスは、反応性が高く、ボンベ出口の部分の腐食等のため、貯蔵中にフッ素ガスが漏洩する恐れもあった。このため、ボンベ中に高圧で、毒性のあるフッ素ガスを貯蔵することが困難であり、ボンベ1本あたりの貯蔵量を多くすることができなかった。一方、半導体の製造工程において、フッ素ガスの欠乏から製造が停止することを防止するため、多量のフッ素ガスボンベを保管しておく場合があった。
また、フッ素ガスは高価なため、多量のフッ素ガスを貯蔵しておくこともコストアップの要因となり、好ましくなかった。
これを解決するため、半導体の製造工程において、製造に必要な量だけ、フッ素ガスを適時供給することが望まれていた。これに応じて、それぞれの半導体の製造工程に近接してフッ素電解装置を設置するには、コンパクトな、保守の容易な装置が必要であった。
また、フッ素ガスの製造として、フッ化カリウムとフッ化水素の混合溶融塩を電解するためには、陽極として炭素が使用され、陰極や電解槽には金属が使用されている。
大型のフッ素電解装置においては、電極も大型となり、電極を保持する部材や、陽極の炭素板は、電解中に破損や破壊しないように強度が大きいものが必要とされ、また、いわゆる陽極効果の発生を防止する必要もあった。
この炭素電極に電流を供給し、炭素電極を保持するために、金属製の炭素電極の保持部材を使用している。しかし、電解層の溶融塩の上部の気相部分は、反応性の激しいフッ素ガスに晒されるため、この気相部分に存在する炭素電極の保持部分は、炭素電極に電解電流を流すときに、炭素電極と、その保持部分の金属が接触していたが、腐食性の強いフッ化水素等がその接触部分に侵入し、保持部分の金属を腐食させていた。この腐食により炭素電極とその保持部分の強度も低下していた。
この金属が腐食による接触抵抗の増加のため、通電中に接触部分が発熱して、炭素電極が破損する場合もあった。このため、炭素電極の保持部分にフッ素ガスの腐食に強い耐蝕性の金属膜を形成することも試みられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、金属膜と炭素電極との間にフッ素ガスやフッ化水素ガスが侵入したりして、その耐蝕性は必ずしも充分でなく、耐蝕性の充分な長期間安定的に作動する炭素電極が望まれていた。
特開2000−313981号公報
そこで、フッ素ガスを使用する場所の付近で、必要なときに所望の量だけフッ素を発生させるコンパクトな、保守作業の容易なフッ素電解装置が必要とされていた。
そして、陽極を実質的に炭素のみで形成することにより本発明をなすことができた。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、フッ化水素含有溶融塩を電気分解しフッ素を発生させるフッ素電解装置において、
フッ素電解装置は、フッ化水素含有溶融塩を収納し電気分解する電解槽と、電解電極としての陽極と陰極を有し、
陽極は、陽極上部と陽極下部が炭素ブロックから形成されており、接合面がなく一体的に炭素から形成され、陽極上部は、その上端が電解槽の上部外壁からシール材を介して外部に突出して装着され、陽極下部は、断面略逆U字形に形成され、断面略逆U字形の内部に凹部を有し、上記陽極上部の上端に電線が接続され、
陰極は、陽極の断面略逆U字形の凹部に装着され、陰極と断面略逆U字形の凹部の間には、陰極を覆う断面略逆U字形の隔膜を装着したフッ素電解装置である。
請求項1の本発明では、フッ素電解装置は、フッ化水素含有溶融塩を収納し電気分解する電解槽と、電解電極としての陽極と陰極を有し、陽極は、陽極上部と陽極下部が炭素ブロックから形成されており、接合面がなく一体的に炭素から形成されている。このため、陽極は炭素のみで形成され、陽極において接合部分がないため、強度も強く、電解槽内に陽極とその保持部材との接触部分がなく、電気的接触抵抗が生ずることがない。
陽極上部は、その上端が電解槽の上部外壁からシール材を介して外部に突出して装着されるため、機密性を向上させ、電解槽の上部外壁から外部に突出した部分で電解電流を受電することができる。したがって、炭素電極の受電部分が電解槽内になく、フッ化水素等にさらされることなく、接触抵抗が増加することはない。
陽極下部は、断面略逆U字形に形成され、断面略逆U字形の内部に凹部を有し、陽極上部の上端に電線が接続され、陰極は、断面略逆U字形の凹部に装着されている。このため、陰極と対向する陽極下部の表面積が大きくなり、電気分解によるフッ素ガスの発生を多くすることができる。また、陰極を陽極の断面略逆U字形の凹部に挿入して装着することができるため、両極の距離を短くすることができ、電解効率を上げることができる。また、炭素電極の受電部分がフッ化水素等にさらされることなく、接触抵抗が増加することはない。
さらに、陰極と断面略逆U字形の凹部の間には、陰極を覆う断面略逆U字形の隔膜を装着した。このため、陰極を陽極に接近させて装着しても、陽極で発生したフッ素ガスを、陰極で発生した水素ガス等から確実に分離することができる。
請求項2の本発明は、陽極下部の上端と陽極上部の下端を含む陽極の炭素板に白金コーティングが施されたフッ素電解装置である。
請求項2の本発明では、陽極下部の上端と陽極上部の下端を含む陽極の炭素板に白金コーティングが施されたため、腐食しない白金の膜で、陽極下部の上端と陽極上部の炭素板を覆うことができ、腐食性の強いフッ化水素が侵入することを防止することができる。このため、陽極下部の上端と陽極上部の下端の接触抵抗が増大することを防止でき、陽極の寿命を延ばすことができる。
請求項3の本発明は、陽極下部は、複数の断面略逆U字形に形成され、その複数の断面略逆U字形の内部にそれぞれ凹部を有し、凹部にそれぞれ陰極が装着されたフッ素電解装置である。
請求項3の本発明では、陽極下部は、複数の断面略逆U字形に形成され、その複数の断面略逆U字形の内部にそれぞれ凹部を有し、凹部にそれぞれ陰極が装着されたため、そのそれぞれ凹部に陰極を装着して電解をすることができる。このため、陰極を複数設けることができ、その陰極に対向する陽極をそれぞれ設けることができるため、陽極の表面積を大きくすることができ、フッ素の発生量を多くすることができる。したがって、コンパクトなフッ素電解装置で、多量のフッ素を発生させることができる。
請求項4の本発明は、隔膜は、陰極と陽極の間に装着された断面略逆U字形の内側隔膜と、陽極の外周に装着された外側隔膜から形成されたフッ素電解装置である。
請求項4の本発明では、隔膜は、陰極と陽極の間に装着された断面略逆U字形の内側隔膜と、陽極の外周に装着された外側隔膜から形成されたため、陰極から発生する水素ガス等と陽極から派生するフッ素ガスを分離して捕集することができるばかりでなく、電解層の外壁を陰極とした場合も、電解層の外壁から発生する水素ガス等と陽極から派生するフッ素ガスを分離して捕集することができる。
本発明は、陽極の下方部分を断面略逆U字形又は複数枚の板状にしたため、陽極下部の表面積が大きくなり、電気分解によるフッ素ガスの発生を多くすることができる。さらに、陰極を陽極の間に挿入して装着することができるため、両極の距離を短くすることができ、電解効率を上げることができる。
陽極を実質的に炭素のみで形成し接合部分が無くするか、あるいは、接合部等を白金で固着したため、腐食性の強いフッ化水素に対しても耐食性が高く、強度も強く、電気的接触抵抗が増加することがない。
本発明の実施の形態を、図1〜図9に基づき説明する。
まず、図1〜図4により第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態であるフッ素電解装置の模式図である。図2は、図1の中央部分での断面図である。
フッ素電解装置は電解槽10と、電解槽10の中に装着される電解電極である陽極20、陰極30等から形成される。
電解槽10は、断面が略四角形に形成され、内部にはフッ化水素含有溶融塩、即ち、フッ化カリウムとフッ化水素の混合溶融塩を電解液として貯留している。電解槽10の外壁11は、内部が中空状に形成され、この中空状の内部に温水が循環している。
循環する温水は、送水口43から温度調整器40の水槽に送られ、温度調整器40により所定の一定温度に保たれる。即ち、温度調整器40の水槽にはヒーター41が挿入され、水温を温度計42で測定し、その水温に応じてヒーター41により加熱され、温水は一定温度に保たれる。その温水は、ポンプ45により送水管46を通り、電解槽10の外壁11に送られる。この温水により外壁11を介して、フッ化カリウムとフッ化水素の混合溶融塩は、温められて恒温に保たれる。
電解槽10の上面には、上部外壁11aが蓋として設けられている。この上部外壁11aから電解槽10の内部に向かって、陽極20と陰極30及び隔壁12が垂下して装着されている。陽極20と陰極30及び隔壁12の構造は後述する。
さらに、上部外壁11aの隔壁12に囲まれた陽極20の付近に陽極ガス出口13が設けられている。この陽極ガス出口13から電解により陽極から発生したフッ素ガスが取り出される。
上部外壁11aの隔壁12に囲まれた部分の外側の外壁11の側部付近に陰極ガス出口14が設けられ、電解により陰極から発生した水素ガスが取り出される。
また、上部外壁11aには、フッ化水素投入口16が設けられ、電解により減少したフッ化水素を電解槽10に補充する。
さらに、上部外壁11aにサンプリング取出し部17が設けられ、電解槽10内の状態を監視することができる。また、上部外壁11aに温度計18とレベルゲージ19も装着され、電解槽10の内部のフッ化水素含有溶融塩の温度と量を監視することができる。
次に、陽極20と陰極30及び隔壁12の構造と取付け状態を説明する。
陽極20は、第1の実施の形態では、図3と図4に示す形状を有している。図3は、陽極20の正面図であり、図4は、陽極20の側面図である。陽極20は、陽極上部21と陽極下部22から構成され、炭素のみにより一体的に形成される。陽極20の大きさは、例えば、縦が30〜40cm、横が20〜30cm、幅が10〜20cm程度にすることができる。陽極20は、この程度の大きさのため、炭素のみで形成されても強度的には充分である。陽極20は、陽極上部21と陽極下部22が一体的に炭素のみから形成されているため、陽極20において接合部分がなく、強度も強く、陽極20相互の接触部分がなく電気的接触抵抗が生ずることがない。陽極上部21と、後述する陽極下部22は、一体に形成されて、1個の炭素のブロックから削りだすことにより形成することができる。
陽極上部21は、板状に形成され、その上端は上部外壁11aから外部に向けて突出している。陽極上部21は、1本又は図3に示すように複数本とすることができる。陽極上部21は、上部外壁11aと絶縁シール材15を介して絶縁され、固定されている。この陽極上部21は、外周にアクリル等の高分子製のパイプ50を被せ、パイプ50と陽極上部21との隙間にエポキシ樹脂等を充填して絶縁性を高め、円柱状にすることにより絶縁シール材15との間の機密性向上させている。陽極上部21の上端には電線が接続される突起が設けられ、直流電源(図示せず)から電解電流を受電する。
電解槽10の内部で炭素電極を保持する場合と比べて、炭素電極と金属の接触部分が電解槽10の内部に存在しなく、炭素電極とその保持部分が腐食性の強いフッ化水素等にさらされることなく、接触抵抗が増加することはない。
陽極下部22は、図4に示すように断面が略逆U字形をなし、陽極下部上辺22a、陽極下部右辺22b、陽極下部左辺22cから形成されている。陽極下部22の断面略逆U字形の内部は、陽極下部凹部23となり、後述する陰極30が挿入される。
陽極下部22は、電解槽10のフッ素含有溶融塩中に挿入され、陰極30との間で電解が行なわれる。このとき、陽極下部22は、陽極下部凹部23の上部に若干空間ができる程度にフッ素含有溶融塩中に挿入されることが、電解により発生したガスを収集する上で好ましい。
陰極30は、板状に形成され、上述のように陽極下部凹部23内部に挿入される。陰極30は、電解槽外壁11が金属製であるため、電解槽外壁11と接続され、電解槽外壁11は、直流電源(図示せず)と接続されている。このため、電解槽外壁11も陰極の作用をすることができる。陰極30は、ニッケル等の耐蝕性の金属を使用することができる。
陽極下部22は、断面略逆U字形に形成され、内部に陽極下部凹部23を有し、陰極30は、断面略逆U字形の凹部23に装着されている。このため、陰極30に対面する陽極下部22の表面は2面となり、電気分解によるフッ素ガスの発生を多くすることができる。さらに、陰極30を陽極20の断面略逆U字形の陽極下部凹部23に挿入して装着し、後述する内側隔膜12aで発生ガスを分離することができるため、両極の距離を短くすることができ、電解液の抵抗を減少させ、電解効率を上げることができる。
陽極20と陰極30からそれぞれ発生する電解ガスが混合しないように隔膜12が装着される。隔膜12は、図2に示すように、陰極30の周囲に装着される内側隔膜12aと陽極20の周囲に装着される外側隔膜12bから形成される。
隔膜は12、モネルで形成されたため、腐食に強く、フッ化水素浴中でも長時間使用することができ、引張強さも強く陽極20の形状に応じた加工ができ、フッ素電解装置をコンパクトに形成することができる。
内側隔膜12aは、陰極30の周囲に、断面略U字形に形成される。内側隔膜12aは、多数の孔が設けられ、フッ素含有溶融塩が移動可能であるとともに、電解電流が陽極20と陰極30の間を流れることができる。内側隔膜12aの断面略U字形の上部は孔が設けられていない。このため陰極30で発生した水素等の分解ガスは、内側隔膜12aの断面略U字形の上部に溜まり、その上部を左右の端部に向けて移動する。
内側隔膜12aの上部は、図3に示すように、断面を陽極下部凹部23に合わせてコーナーが角ばった形状とすることが好ましい。
外側隔膜12bは、陽極20の外周に、陽極20の全周にわたり取り巻くように装着される。外側隔膜12bは、フッ素含有溶融塩中に挿入される下方の部分は、陰極30の周囲に装着される内側隔膜12aと同様に多数の孔が設けられ、フッ素含有溶融塩の上に装着される上方部分は、孔が設けられていない。陽極20は、内側隔膜12aと外側隔膜12bによって周囲を囲まれている。外側隔膜12bの上端は、上部外壁11aに陽極上部21を取り囲んで取付けられ、外側隔膜12bと上部外壁11aとフッ素含有溶融塩の表面とで閉鎖された空間を形成する。このため、陽極20から電解により発生したフッ素ガスは、陽極上部21を取り囲んで取付けられた外側隔膜12bにより仕切られた空間に捕集されて、陽極ガス出口13から取り出される。
内側隔膜12aと外側隔膜12bは、図1における左右の端でそれぞれ一体的に連結されている。したがって、内側隔膜12aの断面略U字形の上部の孔の設けられていない部分は、外側隔膜12bの上部の孔の設けられていない部分と連続している。
このため、内側隔膜12aの断面略U字形の上部に溜まり、その上部を左右の端部に向けて移動した陰極30の発生ガスは、外側隔膜12b、電解槽外壁11、上部外壁11aとフッ素含有溶融塩の表面とで形成された空間に流出し、電解槽外壁11から発生したガスとともに捕集され、陰極ガス出口14から取り出される。
このようにして、陽極20と陰極30から発生したガスは、混合することなく分離して、取り出すことができる。
次に、図5に基づき、第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、陽極20の形状が異なり、他の部分は第1の実施の形態と同様であり、異なる分部を中心に説明し、同じ部分は説明を省略する。
図5は、陽極20の正面図である。陽極20は、陽極上部21と陽極下部22から構成され、炭素により一体的に形成される。陽極20の大きさは、第1の実施の形態と同様で幅が若干大きく、例えば、縦が30〜40cm、横が20〜30cm、幅が20〜30cm程度にすることができる。陽極20は、陽極上部21と陽極下部22が一体的に炭素のみから形成されているため、陽極20において接合部分がなく、強度も強く、陽極20相互の接触部分がなく陽極上部と陽極下部の間で電気的接触抵抗が生ずることがない。
陽極上部21は、板状に形成され、その上端は上部外壁11aから外部に向けて突出している。陽極上部21と、後述する陽極下部22は、一体に形成されて、1個の炭素のブロックから削りだすことにより形成することができる。
陽極下部22は、図5に示すように断面が略逆U字形が2個並んで形成され、陽極下部上辺22a、陽極下部右辺22b、陽極下部左辺22c、および陽極下部右辺22bと陽極下部左辺22cの間に設けられた陽極下部中辺22dから形成されている。陽極下部22の2つの断面略逆U字形の内部は、それぞれ陽極下部凹部23となり、それぞれ陰極30が挿入される。陽極下部22は、電解槽10のフッ素含有溶融塩中に挿入され、陰極30との間で電解が行なわれる。
第2の実施の形態では、陽極下部22は、2個の断面略逆U字形に形成され、その2個の断面略逆U字形の内部に、それぞれ陽極下部凹部23を有する。そして、そのそれぞれの陽極下部凹部23に陰極30を装着して電解をすることができる。このため、陰極30に対面する陽極20の表面積を2倍にするとともに、2個の断面略逆U字形の部分をコンパクトにすることができ、フッ素の発生量の多い、コンパクトなフッ素電解装置を得ることができる。
次に、図6に基づき、第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、陽極20の形状が異なり、他の部分は第1の実施の形態と同様であり、異なる分部を中心に説明し、同じ部分は説明を省略する。
図6は、陽極20の側面図である。陽極20は、2枚の陽極板24、24から構成される。陽極板24は、それぞれ板状の炭素により一体的に形成される。陽極板24の大きさは、例えば、縦が30〜40cm、横が20〜30cm、厚さ幅が1〜3cm程度にすることができる。
この2枚の陽極板24は、ボルト29aとナット29bからなる固定具29により間隔をあけて平行に固定されている。固定具29は、陽極板24の上端と中央付近に取付けられる。固定具29は、白金メッキされた金属、ニッケルまたはステンレス製の耐蝕性の金属で形成される。
陽極板24は、炭素のみからなる1枚の炭素板から形成されているため、陽極20内において陽極20相互の接合部分がなく、強度も強く、接触部分がなく電気的接触抵抗が生ずることがない。
陽極版24の上端部は、板状に形成され、その上端は上部外壁11aから外部に向けて突出している。陽極板24は、上部外壁11aと絶縁シール材15を介して絶縁され、固定されている。陽極板24の上端には電線が接続され、直流電源(図示せず)から電解電流を受電する。
電解槽10の内部で炭素電極を金属製の保持部材で保持する場合と比べて、炭素電極と金属の接触部分が電解槽10の内部に存在しなく、炭素電極とその保持部分が腐食性の強いフッ化水素等にさらされることなく、接触抵抗が増加することはない。
間隔をあけて平行に固定された陽極板24の下部の間に、陰極30が挿入される。内側隔膜12aは、陰極30の周囲に、断面略U字形に形成される。陽極板24の下方は、電解槽10のフッ素含有溶融塩中に挿入され、陰極30との間で電解が行なわれる。内側隔膜12aは、多数の孔が設けられ、フッ素含有溶融塩が移動可能であるとともに、電解電流が陽極20と陰極30の間を流れることができる。内側隔膜12aの断面略U字形の上部は孔が設けられていない。このため陰極30で発生した水素等の分解ガスは、内側隔膜12aの断面略U字形の上部に溜まり、その上部を左右の端部に向けて移動する。
第3の実施の形態の陽極20は、複数の炭素板が間隔を置いて平行に固定されて形成されている。このため、炭素板を平行に固着すればよく、陽極の製造が容易である。陽極板24の上端が電解槽の上部外壁から外部に突出して装着されているため、請求項1の発明と同様に電解槽の上部外壁から外部に突出した部分で電解電流を受電することができる。
本発明の電解槽10における電気分解は、陽極20と陰極30の間に、5〜15Vの電圧で、陽極20の表面積あたり1〜10A/dmの電流を流して行うことができる。これによって、フッ素ガスを10〜1000cm/分程度発生させることができる。したがって、例えば半導体の製造工程で、個々の工程ごとにフッ素電解装置を設置して、製造工程に合わせてフッ素ガスを発生させることができ、製造工程において多量のボンベを保管する必要がない。
本発明の第1の実施の形態であるフッ素電解装置の模式図である。 本発明の第1の実施の形態である図1の中央部分での断面図である。 本発明の第1の実施の形態である陽極の正面図である。 本発明の第1の実施の形態である陽極の側面図である。 本発明の第2の実施の形態である陽極の側面図である。 本発明の第3の実施の形態である陽極の側面図である。
符号の説明
10 電解槽
11 電解槽外壁
12 隔膜
20 陽極
21 陽極上部
22 陽極下部
23 陽極下部凹部
29 固定具
30 陰極

Claims (4)

  1. フッ化水素含有溶融塩を電気分解しフッ素を発生させるフッ素電解装置において、
    上記フッ素電解装置は、フッ化水素含有溶融塩を収納し電気分解する電解槽と、電解電極としての陽極と陰極を有し、
    該陽極は、陽極上部と陽極下部が炭素ブロックから形成されており、接合面がなく一体的に炭素から形成され、上記陽極上部は、その上端が上記電解槽の上部外壁からシール材を介して外部に突出して装着され、上記陽極下部は、断面略逆U字形に形成され、該断面略逆U字形の内部に凹部を有し、上記陽極上部の上端に電線が接続され、
    上記陰極は、上記陽極の断面略逆U字形の上記凹部に装着され、上記陰極と断面略逆U字形の上記凹部の間には、上記陰極を覆う断面略逆U字形の隔膜を装着したフッ素電解装置。
  2. 上記陽極下部の上端と上記陽極上部の下端を含む上記陽極の炭素板に白金コーティングが施された請求項1に記載のフッ素電解装置。
  3. 上記陽極下部は、複数の断面略逆U字形に形成され、その複数の断面略逆U字形の内部にそれぞれ凹部を有し、該凹部にそれぞれ陰極が装着された請求項1又は請求項2に記載のフッ素電解装置。
  4. 上記隔膜は、上記陰極と陽極の間に装着された断面略逆U字形の内側隔膜と、上記陽極の外周に装着された外側隔膜から形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフッ素電解装置。
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