JP4830605B2 - 電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法 - Google Patents

電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は,ヨーレートすなわち角速度を検出するヨーレートセンサに関する。さらに詳細には,振動体を電圧信号で振動させつつヨーレートを検出する電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法に関するものである。
従来から,振動する振動体が,ヨーが掛かったときのコリオリ力により変位することを利用した振動型ヨーレートセンサが使用されている。従来の振動型ヨーレートセンサの例として,特許文献1に記載されているものが挙げられる。特許文献1の角速度センサは,電極電圧の静電引力により加振される振動子の,ヨーがかかったときのコリオリ力による変位を,静電容量の変化により検出するものである。これにより,コリオリ力の大きさ,すなわちヨーレートを検出するのである。
そしてこのヨーレートセンサでは,1次振動子と2次振動子とを梁で連結した構造とし,1次振動子を加振することとしている。1次振動子からの振動伝達により2次振動子も振動し,それらの振動方向は同じとなる。そして,2次振動子が振動しているときにコリオリ力の検出を行うのである。これにより,エアダンピングの影響を抑え,大気中でも2次振動体を大振幅で振動させることができるとしている。
特開2000−97708号公報
しかしながら,前記した従来の振動型ヨーレートセンサであって振動子の電位を用いてヨーレートを検出する方式のものには,次のような問題点があった。すなわち,実際に大気中で使用すると,ノイズが大きくて検出精度がよくないのである。その原因は,加振のための駆動電圧の印加により振動体に電荷が発生することにある。この電荷の影響が信号検出に影響してしまうのである。そして大気中での使用の場合には,空気抵抗に打ち勝つためにより大きな静電引力が必要である。このため,駆動により振動体に発生する電荷の量がしばしば,本来検出しようとする静電容量の変化に起因する電荷の量を凌いでしまうのである。このことは,特許文献1の角速度センサのように大気中での振動振幅の改善を図ったものであっても基本的に同じである。
本発明は,前記した従来の振動型ヨーレートセンサが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,振動体における電荷の発生を抑制する駆動を行うことにより,振動体の電荷による検出信号への影響を抑え,大気中で使用する場合でも高精度なヨーレート検出ができる電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の電圧振動型ヨーレートセンサは,振動体と,振動体に対して静電容量をなす第1および第2駆動電極と,振動体の電位信号を出力するチャージアンプと,第1および第2駆動電極に対し逆相の振動電圧を印加する駆動部と,チャージアンプの出力信号の振幅が不足している場合には駆動部が発する振動電圧の振幅を増加させ,チャージアンプの出力信号の振幅が過剰である場合には駆動部が発する振動電圧の振幅を減少させる振幅調整部と,チャージアンプの出力信号に基づいて,駆動部が発する振動電圧の周波数を振動体の共振周波数と一致させるとともに,駆動部が発する振動電圧の位相を振動体の振動に対して90°ずれた位相とするように調整するタイミング決定部と,チャージアンプの出力信号に基づいてヨーレートを検出するヨーレート検出部とを有するものであって,チャージアンプの出力信号から,駆動部が発する振動電圧の印加により振動体に生じる電荷の影響である成分を抽出し,その抽出した成分の振幅に基づいて,振動体の電荷の発生を抑制する補正信号を出力する補正部を有し,駆動部は,第1および第2駆動電極への振動電圧のうち,前記補正信号の符号と一致する方の振幅を,他方の振幅に対して相対的に減少させる補正を行うものである。
また,本発明は,振動体の電信号に基づく,駆動部が発する振動電圧の振幅の調整と,振動体の電信号に基づく,駆動部が発する振動電圧の周波数および位相の決定と,振動体の電信号からの,振動体の電荷に相当する信号の抽出と,その抽出した信号の振幅に基づく,前記振動体の電荷の発生を抑制する補正信号の出力とを行う電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法にも及ぶ。
この電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法では,駆動部による第1および第2駆動電極への振動電圧の印加により,振動体を振動させる。この状態でヨーが掛かると,振動体の電信号にその情報が現われる。これがヨーレート検出部で検出される。振動電圧の振幅や周波数,位相は,振動体の電信号に基づいて,振幅調整部およびタイミング決定部によりコントロールされる。これにより,製造ばらつき等に関わらず最適な駆動ができる。ここにおいて補正部は,振動体の電信号から振動体の電荷に相当する信号を抽出し,その抽出した信号の振幅に基づいて補正信号を出力する。この補正信号により,振動体の電荷の発生が抑制される。これにより,大きな振幅の振動電圧,すなわち大きな駆動力で振動体を駆動しているときでも,振動体の電荷の発生が抑制される。このため,大きな駆動力で振動体を駆動している状態でもヨーレート検出の精度が高い。したがって,大気中でも高精度なヨーレート検出ができる。
ここにおいてさらに,補正部は,チャージアンプの出力信号を,駆動部が発する振動電圧の周波数の2倍の周波数で検波する検波部と,検波部の出力信号の振幅に基づいて補正信号を生成する補正信号生成部とを有している。チャージアンプの出力信号,すなわち振動体の電信号を,駆動部が発する振動電圧の周波数の2倍の周波数で検波することにより,振動体に生じている電荷の情報が得られるからである。これにより,振動体の電荷を抑制する補正信号を生成することができる。
その場合に検波部は,タイミング決定部で決定した周波数の2倍の周波数で検波を行うものであることが望ましい。タイミング決定部で決定した周波数は,振動体の実測信号から求めた周波数である。このため,その2倍の周波数で検波することにより,振動体に生じている電荷の情報を正しく得ることができる。
本発明の電圧振動型ヨーレートセンサにおいて,駆動部は,補正部が出力する補正信号により,第1および第2駆動電極への振動電圧の一方の振幅を補正することが望ましい。これにより,振動電圧により駆動電極に生じる電荷が調整され,振動体の電荷の発生が抑制される。
本発明によれば,振動体における電荷の発生を抑制する駆動を行うことにより,振動体の電荷による検出信号への影響を抑,大気中で使用する場合でも高精度なヨーレート検出ができる電圧振動型ヨーレートセンサおよびその駆動方法が提供されている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態に係る電圧振動型ヨーレートセンサは,図1に示すように構成されている。
すなわち図1の電圧振動型ヨーレートセンサは,半導体部分として,振動体1と,第1駆動電極2と,第2駆動電極3とを有している。振動体1は,半導体基板上に,梁により保持されつつ基板から浮いて形成されたセンサ素子である。振動体1には,第1被駆動電極4と,第2被駆動電極5とが設けられている。第1駆動電極2と第1被駆動電極4とが対向して第1コンデンサ6をなしている。同様に第2駆動電極3と第2被駆動電極5とが対向して第2コンデンサ7をなしている。第1コンデンサ6および第2コンデンサ7を拡大して図2に示す。実際には,各電極は公知の櫛歯形状である。
図1の電圧振動型ヨーレートセンサは,回路部分として,チャージアンプ8と,ヨーレート検出回路9と,駆動部10と,制御部25と,補正部22とを有している。チャージアンプ8は,振動体1の電位を検出し,増幅して出力する回路である。ヨーレート検出回路9は,チャージアンプ8の出力に基づいて,振動体1に掛かっているヨーレートを検出する回路である。その具体的な演算内容には公知のものと特段の違いはない。駆動部10は,チャージアンプ8の出力に基づいて,第1駆動電極2および第2駆動電極3への駆動信号Vd1,Vd2を出力する回路である。駆動信号Vd1,Vd2は振動電圧であり,その周波数fd等は制御部25により後述のように決定される。補正部22は,振動体1における電荷の発生を抑制するために駆動信号Vd2を補正するための回路である。
チャージアンプ8は図3に示すように,コンデンサ23とオペアンプ24とで構成されている。すなわち,オペアンプ24の負入力端子と出力端子との間にコンデンサ23が配置されている。そして,オペアンプ24の負入力端子に振動体1の電位が入力されるようになっている。オペアンプ24の正入力端子は接地されている。そして,オペアンプ24の出力端子の信号が,ヨーレート検出回路9や駆動部10へ出力されるようになっている。
チャージアンプ8の出力波形の例を図4,図5に示す。図4は,第1駆動電極2および第2駆動電極3が小さな振幅の駆動信号Vd1,Vd2,つまり小さい駆動力で駆動されている状況下での波形の例である。図5は,大きな振幅の駆動信号Vd1,Vd2,つまり大きい駆動力で駆動されている状況下での波形の例である。図4,図5はともに,駆動信号Vd1,Vd2の1周期分を示している。これらのグラフの「OUT」のカーブが,チャージアンプ8の出力信号である。信号OUTの波形のうち,「ヨーレート信号」の文字を付した矢印で示す部分の振幅がヨーレート検出回路9で検出される。検出されるヨーレート信号の周波数は,駆動信号Vd1,Vd2の周波数と同じである。
図1に戻って,駆動部10には,+駆動信号生成部16,+レベルシフト部17,+直流バイアス生成部18,−駆動信号生成部19,−レベルシフト部20,そして−直流バイアス生成部21が設けられている。制御部25には,振幅検出部11,ゲインコントロール部12,駆動タイミング生成部13が設けられている。補正部22には,2倍周波数検波部14と補正信号生成部15とが設けられている
振幅検出部11は,チャージアンプ8の出力信号OUT中の振幅Ampを検出するブロックである。振幅Ampは,駆動信号Vd1,Vd2による振動体1の変位を示しており,その周波数は,駆動信号Vd1,Vd2の周波数と同じである。ゲインコントロール部12は,振幅検出部11が検出した振幅Ampに基づいて,第1駆動電極2および第2駆動電極3の駆動の強さを決定するブロックである。ゲインコントロール部12は具体的には,駆動信号Vd1,Vd2の振幅を決定する。この,振幅の決定方法自体は公知である。簡単に言えば,振幅Ampが不足している場合には駆動信号Vd1,Vd2の振幅を増加させ,振幅Ampが過剰である場合には駆動信号Vd1,Vd2の振幅を減少させる。また,駆動信号Vd1の振幅と駆動信号Vd2の振幅は基本的には同一である。
駆動タイミング生成部13は,チャージアンプ8の出力信号OUTに基づいて,第1駆動電極2および第2駆動電極3を駆動するタイミングを決定するブロックである。駆動タイミング生成部13は具体的には,駆動信号Vd1,Vd2の周波数および位相を決定する。駆動信号Vd1,Vd2の周波数は振動体1の共振周波数と一致しているべきである。共振周波数は振動体1の質量や梁の弾力等の要因により物理的に定まるので,原理的には設計情報からの導出が可能である。しかし実際には製造ばらつきや温度等の影響を受ける。このため,実際のチャージアンプ8の出力信号OUTに基づいて周波数を決定する必要があるのである。駆動信号Vd1,Vd2の位相は,振動体1の振動に対し90°ずれていると駆動の効率がよい。このため,実際のチャージアンプ8の出力信号OUTに基づいて,駆動信号Vd1,Vd2の位相を調整するのである。この周波数および位相の決定方法自体は公知である。
+駆動信号生成部16および−駆動信号生成部19は基本的には,ゲインコントロール部12が決定した振幅と,駆動タイミング生成部13が決定した周波数および位相とに基づいて,振動電圧を生成する。両駆動信号生成部16,19が発生する信号は,振幅が同じで位相が180°ずれた振動電圧である。すなわち,互いに反転した信号となっている。
そして,+駆動信号生成部16の生成信号に対し,+レベルシフト部17でレベルシフトが施され,駆動信号Vd1が生成される。その際のシフト量S+は,+直流バイアス生成部18から出力される直流バイアスによる。同様に,−駆動信号生成部19の生成信号に対し,−レベルシフト部20でレベルシフトが施され,駆動信号Vd2が生成される。その際のシフト量S−は,−直流バイアス生成部21から出力される直流バイアスによる。
駆動信号Vd1,Vd2,シフト量S+,S−の関係を図6のグラフに示す。図6は,駆動信号Vd1,Vd2の2周期分を示している。図6に「振幅」の文字を付した矢印で示す駆動信号Vd1,Vd2の振幅は,+駆動信号生成部16および−駆動信号生成部19の生成信号の振幅に等しい。すなわちこれは,ゲインコントロール部12が決定した振幅である。かくして生成された駆動信号Vd1が第1コンデンサ6の第1駆動電極2へ,駆動信号Vd2が第2コンデンサ7の第2駆動電極3へ,それぞれ印加されるようになっている。これにより振動体1が駆動されて振動するのである。なお図6から,駆動信号Vd1,Vd2の波形が対称になっていることがわかる。
2倍周波数検波部14は,チャージアンプ8の出力信号OUTを,駆動信号Vd1,Vd2の周波数の2倍の周波数で検波するブロックである。そして補正信号生成部15は,2倍周波数検波部14の出力信号に基づいて補正信号を生成するブロックである。2倍周波数検波部14および補正信号生成部15,すなわち補正部22が設けられている理由は,振動体1の電荷による影響を補正することである。
このためにまず,振動体1における電荷の発生について説明する。駆動信号Vd1がその平均値より高電位(+)であるときには,第1コンデンサ6の第1駆動電極2に正の電荷が発生する。これにより振動体1の第1被駆動電極4には負の電荷が誘起される。第1被駆動電極4の負電荷の量は,第1駆動電極2の正電荷の量に等しい。ここで,もし駆動信号Vd1のみで振動体1を駆動させているとすれば,第1被駆動電極4に発生した負電荷の分の正電荷が振動体1の本体部分に発生することになる。
しかし実際には,駆動信号Vd1ばかりでなく駆動信号Vd2でも振動体1を駆動させている。そして,駆動信号Vd1がその平均値より高電位(+)であるときには,駆動信号Vd2はその平均値より低電位(−)である。このため第2コンデンサ7の第2駆動電極3には負の電荷が発生する。これにより振動体1の第2被駆動電極5には正の電荷が誘起される。第2被駆動電極5の正電荷の量は,第2駆動電極3の負電荷の量に等しい。これは,振動体1の本体部分に負電荷を発生させるように作用する。このため振動体1の本体部分では,駆動信号Vd1の作用による電荷と駆動信号Vd2の作用による電荷とが打ち消し合うことになる。
ここで,駆動信号Vd1,Vd2の振幅が等しければ,第1駆動電極2の正電荷の量と第2駆動電極3の負電荷の量は等しいはずである。このため,第1被駆動電極4の負電荷の量と第2被駆動電極5の正電荷の量も等しいはずである。したがって,振動体1のうち被駆動電極4,5の部分を除いた本体部分には電荷は発生しないはずである。第1被駆動電極4の電荷の影響と第2被駆動電極5のそれとが互いに相殺し合うからである。図中の各部に付した「+」,「−」の符号は,こうした電荷の発生の状況を示している。
なお,駆動信号Vd1,Vd2の一方だけでも,振動体1を駆動することは可能である。しかしそれでは振動体1の本体部分にまともに電荷が発生してしまう。駆動信号Vd1,Vd2の両方で振動体1を駆動していることにより,振動体1の本体部分での電荷の発生を防止しているのである。
しかしながら,このように電荷が完全に打ち消されるのは,駆動信号Vd1と駆動信号Vd2との対称性や,第1コンデンサ6と第2コンデンサ7との特性の同一性などがともに完全である場合である。実際には,回路の各部の加工状況には製造ばらつきの影響が不可避である。このため,実際に駆動電極2,3に掛かる駆動信号Vd1,Vd2の対称性はさほど高くない場合がある。コンデンサの特性の同一性についても同様である。
このため実際には,被駆動電極4,5の電荷に差が生じてしまうことがある。すると,その差に相当する分の電荷が振動体1の本体部分に発生してしまうのである。むろんその符号は,被駆動電極4,5に発生した電荷のうち小さい方と同じである。つまり,図6のグラフで駆動信号Vd1,Vd2の波形が対称であると述べたが,それにより被駆動電極4,5に生じる電荷は必ずしも完全には対称でないのである。こうして振動体1の本体部分に発生する電荷(以下,「振動体電荷」という。)の量は,駆動信号Vd1,Vd2の振幅が大きいほど大きい。
よってその影響は,駆動信号Vd1,Vd2の振幅が小さい状況(図3の左側)では僅少なものでしかない。しかし駆動信号Vd1,Vd2の振幅が大きい状況(図3の右側)では,振動体電荷の影響を無視できない。特に,この電圧振動型ヨーレートセンサを大気中で使用する場合には,大きな駆動力が必要である。このため,駆動信号Vd1,Vd2の振幅を大きくして使用されることになる。このため振動体電荷の影響は大きな問題である。
図5に示した駆動力が大きい場合の出力信号OUTには,振動体電荷の影響が顕著に現れている。すなわち図5の出力信号OUTの波形には,信号LFが重畳されている。この信号LFが,振動体電荷の影響である。信号LFの周波数は,駆動信号Vd1,Vd2の周波数の2倍である。振動体電荷の変動は,駆動信号Vd1,Vd2の影響の他に,振動体1の変位の影響をも受けるからである。このため図5には,2周期分の信号LFが現れている。
図5の場合では信号LFの振幅が大きい。そのために出力信号OUTが本来の極性から反転しているところも目立つほどである。このため図5のような状況では,ヨーレート検出回路9でのヨーレートの検出の精度はよくない。なお,図4に示した駆動力の小さい状況では,出力信号OUTに重畳されている信号LFの振幅は小さい。図4の状況では,ヨーレート検出回路9でのヨーレートの検出の精度は良好である。
しかしながら前述のように,電圧振動型ヨーレートセンサを大気中で使用する場合には大きな駆動力で使用せざるを得ない。そこで,駆動力が大きい場合でも図4のような出力信号OUTを得たいところである。補正部22は,そのための駆動信号の補正を行うために設けられているのである。
その基本原理は,振動体電荷がなるべく現れないように,駆動信号Vd1,Vd2の少なくとも一方の振幅を調整することである。本形態では駆動信号Vd2を調整することとしている。すなわち,振動体電荷が現れた場合には,第1駆動電極2と第2駆動電極3とのうち,振動体電荷の極性と一致する極性の電荷を有している方の駆動力が過剰なのである。これより,振動体電荷の極性と駆動信号との関係により,駆動信号Vd1,Vd2のどちらが過剰なのかを判断できる。そして,駆動信号Vd2が駆動信号Vd1より過剰であれば,駆動信号Vd2の振幅を減少させればよい。逆に,駆動信号Vd2が駆動信号Vd1に対して不足していれば,駆動信号Vd2の振幅を増加させればよい。こうして,振動体電荷が最も少なくなるように駆動信号Vd2の振幅を決定すればよい。
このため補正部22では,まず2倍周波数検波部14が,チャージアンプ8の出力信号OUTを,駆動信号Vd1,Vd2の周波数の2倍の周波数で検波する。そのために必要な駆動信号Vd1,Vd2の実際の周波数および位相を示すクロック信号CK2fdは,駆動タイミング生成部13から供給される。これにより図7に示す検波信号が得られる。2倍周波数検波部14は,例えば,図8に示すように構成されている。すなわち,出力信号OUTそのままの信号と,出力信号OUTを反転した信号とを,クロック信号CK2fdに応じて交互に出力するようになっている。
図7の信号を補正信号生成部15で平滑化することで,出力信号OUTから信号LFの振幅情報のみが取り出される。この大きさが振動体電荷の大きさを表している。また,その符号が振動体電荷の極性を示している。補正信号としてこの信号を用いればよい。補正信号生成部15は,例えば,図9に示すように構成されている。
補正信号は,−駆動信号生成部19に入力される。そして,ゲインコントロール部12で決定された振幅を補正する。すなわち図7の検波信号が,駆動信号Vd2が駆動信号Vd1より過剰であることを示している場合には,駆動信号Vd2の振幅は減少される。逆に駆動信号Vd2が駆動信号Vd1に対して不足している場合には,駆動信号Vd2の振幅は増加される。
一方,+駆動信号生成部16には補正信号生成部15の補正信号が入力されない。このため,駆動信号Vd1の振幅は,振動体電荷の状況に関わらず,ゲインコントロール部12の決定にそのまま従う。このため,駆動信号Vd1の振幅と駆動信号Vd2の振幅とに,補正の分の差が生じる。これにより,第1駆動電極2と第2駆動電極3との電荷の相殺がより完全になされるのである。
したがって,振動体1を大きい駆動力で駆動している状況でも,図4に示したような良好な信号OUTが得られる。このため本形態の電圧振動型ヨーレートセンサは,大気中で使用する場合でも高い精度でヨーレートを検出することができるのである。
以上詳細に説明したように本実施の形態では,振動体1を振動させるための駆動電極として,第1駆動電極2と第2駆動電極3とを設けている。そして,互いに対称である駆動信号Vd1,Vd2をこれら駆動電極に印加することとしている。ここにおいてさらに,チャージアンプ8の出力信号OUTから振動体電荷の情報を取り出している。これにより,駆動信号Vd1,Vd2の一方の振幅を調整している。こうして,第1駆動電極2と第2駆動電極3における電荷の量をより良好に一致させ,振動体電荷の発生を抑えている。こうすることで,振動体1を大きい駆動力で駆動しても検出信号に振動体電荷の影響が現れないようにしている。かくして,大気中でも高精度なヨーレート検出ができるヨーレートセンサが実現されている。
なお,本形態は例示に過ぎず,本発明を何ら限定するものではない。よって本発明は当然に,その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形,改良が可能である。
例えば,本形態では,補正部22による補正信号が,駆動信号Vd2に対して作用するようになっているが,駆動信号Vd2でなく駆動信号Vd1に対して作用するようにしてもよい。ただしその場合には,検波信号の符号と駆動信号の振幅の増減との関係が,上で説明したものとは逆になる。また,補正信号が駆動信号Vd1,Vd2の両方に対して作用するようにしてもよい。ただしその場合には,振幅の増減が,駆動信号Vd1と駆動信号Vd2とで逆になる。
また,本形態では,第1駆動電極2および第2駆動電極3のためにそれぞれ+駆動信号生成部16および−駆動信号生成部19を設けている。そしてそのうちの−駆動信号生成部19に,補正部22による補正が作用するようにしている。しかしこれに限らず,駆動信号生成部を1個だけとすることもできる。その場合には,その出力を分岐し,一方はそのままの極性で,もう一方は反転させて使用することになる。その場合の補正は,分岐後の一方に対して作用するようにする。その場合の構成例を,図10,図11に示す。あるいは,分岐後の両方に対して逆向きに作用するようにしてもよい。いずれの場合でも,反転,調整,レベルシフトの順序は任意である。
また,本形態では,補正部22による補正が,駆動信号Vd1,Vd2の振幅に対して作用するようになっているが,回路要素に対して補正が作用するようにすることも考えられる。例えば,第1駆動電極2または第2駆動電極3を分割式にする等により,第1コンデンサ6または第2コンデンサ7の容量を調整することが考えられる。
実施の形態に係る電圧振動型角速度センサの構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る電圧振動型角速度センサにおける電極の部分を示す拡大図である。 実施の形態に係る電圧振動型角速度センサにおけるチャージアンプの構成を示す図である。 実施の形態に係る電圧振動型角速度センサにおける,駆動力が小さい状況でのチャージアンプの出力波形の例を示すグラフである。 実施の形態に係る電圧振動型角速度センサにおける,駆動力が大きい状況でのチャージアンプの出力波形の例を示すグラフである。 実施の形態に係る電圧振動型角速度センサにおける,駆動電極に印加される振動電圧の波形を示すグラフである。 チャージアンプの出力波形を駆動信号の2倍の周波数で検波した信号を示すグラフである。 実施の形態における2倍周期検波部の構成を示す図である。 実施の形態における補正信号生成部の構成を示す図である。 変形例に係る電圧振動型角速度センサの構成を示す部分ブロック図である。 変形例に係る電圧振動型角速度センサの構成を示す部分ブロック図である。
符号の説明
1 振動体
2 第1駆動電極
3 第2駆動電極
9 ヨーレート検出回路
10 駆動部
11 振幅検出部
12 ゲインコントロール部
13 駆動タイミング生成部
14 2倍周波数検波部

Claims (6)

  1. 振動体と,前記振動体に対して静電容量をなす第1および第2駆動電極と,前記振動体の電位信号を出力するチャージアンプと,前記第1および第2駆動電極に対し逆相の振動電圧を印加する駆動部と,前記チャージアンプの出力信号の振幅が不足している場合には前記駆動部が発する振動電圧の振幅を増加させ,前記チャージアンプの出力信号の振幅が過剰である場合には前記駆動部が発する振動電圧の振幅を減少させる振幅調整部と,前記チャージアンプの出力信号に基づいて,前記駆動部が発する振動電圧の周波数を前記振動体の共振周波数と一致させるとともに,前記駆動部が発する振動電圧の位相を前記振動体の振動に対して90°ずれた位相とするように調整するタイミング決定部と,前記チャージアンプの出力信号に基づいてヨーレートを検出するヨーレート検出部とを有する電圧振動型ヨーレートセンサにおいて,
    前記チャージアンプの出力信号から,前記駆動部が発する振動電圧の印加により前記振動体に生じる電荷の影響である成分を抽出し,その抽出した成分の振幅に基づいて,前記振動体の電荷の発生を抑制する補正信号を出力する補正部を有し,
    前記補正部は,
    前記チャージアンプの出力信号を,前記駆動部が発する振動電圧の周波数の2倍の周波数で検波することにより,前記電荷の影響である成分の抽出を行う検波部と,
    前記検波部の出力信号の振幅に基づいて前記補正信号を生成する補正信号生成部とを有するものであり,
    前記駆動部は,前記第1および第2駆動電極への振動電圧のうち,前記補正信号の符号と一致する方の振幅を,他方の振幅に対して相対的に減少させる補正を行うことを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサ。
  2. 請求項1に記載の電圧振動型ヨーレートセンサにおいて,前記検波部は,
    前記駆動部が発する振動電圧の周波数として,前記タイミング決定部で決定した周波数を用いるものであることを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサ。
  3. 請求項1または2に記載の電圧振動型ヨーレートセンサにおいて,前記駆動部は,
    前記補正部が出力する補正信号により,前記第1および第2駆動電極への振動電圧の一方の振幅を補正することを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサ。
  4. 振動体と,前記振動体に対して静電容量をなす第1および第2駆動電極と,前記振動体の電位信号を出力するチャージアンプと,前記第1および第2駆動電極に対し逆相の振動電圧を印加する駆動部と,前記チャージアンプの出力信号の振幅が不足している場合には前記駆動部が発する振動電圧の振幅を増加させ,前記チャージアンプの出力信号の振幅が過剰である場合には前記駆動部が発する振動電圧の振幅を減少させる振幅調整部と,前記チャージアンプの出力信号に基づいて,前記駆動部が発する振動電圧の周波数を前記振動体の共振周波数と一致させるとともに,前記駆動部が発する振動電圧の位相を前記振動体の振動に対して90°ずれた位相とするように調整するタイミング決定部と,前記チャージアンプの出力信号に基づいてヨーレートを検出するヨーレート検出部とを有する電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法において,
    前記チャージアンプの出力信号を前記駆動部が発する振動電圧の周波数の2倍の周波数で検波することにより,前記チャージアンプの出力信号から,前記駆動部が発する振動電圧の印加により前記振動体に生じる電荷の影響である成分を抽出し,その抽出した成分の振幅に基づいて,前記振動体の電荷の発生を抑制する補正信号を出力し,
    前記駆動部は,前記第1および第2駆動電極への振動電圧のうち,前記補正信号の符号と一致する方の振幅を,他方の振幅に対して相対的に減少させる補正を行うことを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法。
  5. 請求項に記載の電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法において,
    前記振動体の電荷に相当する信号の抽出のための検波を,前記チャージアンプの出力信号に基づいて前記タイミング決定部で決定した,前記駆動部が発する振動電圧の周波数の2倍の周波数で行うことを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法。
  6. 請求項4または5に記載の電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法において,
    前記補正信号により,前記第1および第2駆動電極への振動電圧の一方の振幅を補正することを特徴とする電圧振動型ヨーレートセンサの駆動方法。
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