JP4829427B2 - 紙葉類搬送装置及び紙葉類搬送システム - Google Patents

紙葉類搬送装置及び紙葉類搬送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重なった紙葉類を分離して搬送する紙葉類搬送装置及び紙葉類搬送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
重なった紙葉類を分離する機構を持つ従来の紙葉類搬送装置は、一般に、上下ベルトの速度差を利用し、上下ベルトそれぞれと紙葉類間の摩擦抵抗によって、各紙葉類を分離するようにしている。
【0003】
図1は、従来の紙葉類搬送装置の概念図を示している。上ベルト1と下ベルト2とは、それぞれの速度が異なっており、上ベルト1の速度は下ベルト2の速度よりも速く設定されている。この上下ベルト間に、紙葉類3a〜3cの3枚重なった紙葉類が投入されると、同図に示すように各紙葉類が分離されていく。すなわち、1番上の紙葉類3aは、上ベルト1との摩擦が中央の紙葉類3bとの摩擦よりも大きく設定されることによって、紙葉類3aが紙葉類3bから分離されて前方に進み、また、この紙葉類3aが完全に分離された状態で、中央の紙葉類3bが、上ベルト1との摩擦により前方に搬送されていく。このようにして分離した各紙葉類については、搬送方向下流側に設けられている読出装置において、例えば各紙葉類に磁気記憶されているデータが読みだされ、さらに、必要に応じて各紙葉類が再び重ね合わされて排出口に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来の紙葉類搬送装置では、上下ベルトを共に駆動するために、重なった紙葉類を分離するための搬送路長を長く設定する必要があるという欠点があった。
【0005】
本発明の目的は、紙葉類の重なりが何枚であっても、安定的に且つ短い搬送路長で各紙葉類を分離して搬送することのできる紙葉類搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のように構成したものである。
【0007】
(1)テーブルと、
前記テーブル面に対向配置した紙葉類搬送手段と、
前記テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って配置した空気吸込み口と、
前記空気吸込み口の前記紙葉類搬送方向に沿った空気吸込み長さを制御することで、紙葉類の停止と搬送を制御する制御部と、を備え
前記制御部は、複数枚重なった紙葉類が紙葉類投入口にあるときに、紙葉類投入口から一定の長さの空気吸込み範囲で空気の吸込みをして一番下の紙葉類をテーブル面に吸着させ、その上に重ねられている紙葉類が前記紙葉類搬送手段により搬送されることで紙葉類の重なりの一部または全部を解消することを特徴とする。
【0008】
本発明の特徴的な構成は、テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って空気吸込み口を配置し、この空気吸込み長さを制御することによって紙葉類の停止と搬送を制御するようにした点である。空気吸込み口は、たとえば、紙葉類搬送方向に向けて分布的に配置した複数の空気吸込み用の吸着ホールで構成することができ、また、紙葉類搬送方向に向けて設けた1本〜複数本の空気吸込み用のスリットで構成することができる。制御部は、前者の吸着ホールの場合には空気吸込み状態にする吸着ホールを選択し、後者の場合は、スリット下において板状部材を紙葉類搬送方向に駆動することで、空気吸込み長さを制御する。
【0009】
紙葉類は、空気吸込み位置にあるとテーブル面に吸着されることによって停止し、その位置での空気吸込みが解除されると、紙葉類搬送手段によって下流側に搬送される。したがって、複数枚の紙葉類が投入された時には、重なった紙葉類が空気吸込み位置に到達した時に1番下の紙葉類が停止し、1番上の紙葉類は紙葉類搬送手段によって紙葉類搬送方向下流側に搬送される。このようにして、各紙葉類が分離されて搬送される。
【0011】
また、紙葉類投入口から一定の長さの空気吸込み範囲で空気の吸込みをした状態で紙葉類投入口に複数枚重なった紙葉類が投入される。すると、一番下の紙葉類がテーブル面に吸着され、その上に重ねられている紙葉類が紙葉類搬送手段により搬送される。この時、1番下の紙葉類の上に2枚の紙葉類が重ねられている時には、その2枚の紙葉類が搬送されるが、2枚目の紙葉類がテーブル面に吸着されることによって、1番上の紙葉類が2枚目の紙葉類と分離されて搬送される。重ねられた紙葉類がこれ以上の枚数であっても、同様にして、各紙葉類が分離される。このようにして、1番下の紙葉類から順にテーブル面に吸着していくことにより、紙葉類が何枚重なっていても、全ての紙葉類の分離を行うことができる。
【0012】
なお、本発明の一定の長さの空気吸込み範囲とは、重なった紙葉類が全てテーブル面に吸着するのに必要な長さを超える長さである。例えば、この長さを空気吸込み口のあるテーブル全長にすることが可能である。また、以上の分離動作においては、各紙葉類が先後端部を重なった状態で分離されることがありうるが、先後端部が重なった状態で分離されようが、完全に重ならない状態で分離されようが、空気吸込み長さを制御することによって、各紙葉類を1枚ずつ完全に分離して搬送することが可能になる。すなわち、全ての紙葉類がテーブル面に吸着した状態で、先頭の紙葉類に対する吸着のみを解除すれは、先頭の紙葉類だけが搬送される。以下同様な制御によって、各紙葉類が完全に分離されて搬送される。
【0013】
(2)前記紙葉類投入口から紙葉類を助走させる助走路を設け、
前記制御部は、前記助走路で助走された複数枚重なった紙葉類に対して、一定の長さの空気吸込み範囲で空気の吸込みをして一番下の紙葉類をテーブル面に吸着させ、その上に重ねられている紙葉類が前記紙葉類搬送手段により搬送されることで紙葉類の重なりの一部または全部を解消することを特徴とする。
【0014】
本発明では、紙葉類投入口に投入された紙葉類を助走させ、ある程度の搬送スピードになった段階で紙葉類の分離を行う。重なった紙葉類を助走させてから分離を行うことにより、重なった紙葉類に慣性が作用するから、上記の分離が行いやすくなる。
【0015】
(3)前記助走路に空気吸込み口を設け、前記制御部は、前記助走路の空気吸込み口の空気吸込みをしない状態で、複数枚重なった紙葉類を助走させ、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後、前記助走路の空気吸込み口の空気吸込みを行うとともに、前記一定の長さの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明では、助走路に空気吸込み口を設けている。助走の時には、この空気吸込み口での空気吸込みを行わず、テーブル面を助走できるようにして、紙葉類の分離を終えた後に、この空気吸込み口を、空気吸込み状態にする。その後、全体の空気吸込み長さは搬送方向下流側から短くなるように制御する。これにより、分離された紙葉類は、先頭に位置する紙ものから順に搬送され、最後の紙葉類も確実に重ならないように搬送されていく。
【0017】
(4)制御部は、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後、前記一定の長さの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明は助走路を設けていないが、助走路がなくても紙葉類を分離した後、空気吸込み長さを搬送方向下流から短くなるように制御することで、先頭に位置する紙葉類から順に搬送していくことができる。
【0019】
(5)前記紙葉類投入口に紙葉類の投入を検出する紙葉類投入検出センサを設け、
前記制御部は、前記センサで紙葉類投入の検出を行うまでは、前記空気吸込み口の全範囲で空気の吸込みを行わず、前記センサで紙葉類投入の検出後に、前記空気吸込み口の空気の吸込みを行うことを特徴とする。
【0020】
紙葉類投入口に設けられている紙葉類投入検出センサを設けることによって、不要な空気吸込みを行わないようにすることができる。すなわち、このセンサによって紙葉類投入が検出されるまでは空気吸込み口の全範囲において空気吸込みを行わない。これによって、空気吸込みのための無駄なエネルギー消費を防止できる。
【0021】
(6)前記紙葉類搬送手段の上方に、前記テーブル上の紙葉類を検出する紙葉類検出手段を設け、
前記制御部は、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後に、紙葉類繰り出し口から前記紙葉類検出手段で検出した紙葉類の先端位置付近までの範囲の空気吸込み口を一度に空気の吸い込まない状態(吸着オフ状態)に制御し、その後、紙葉類の先端位置から紙葉類投入口までの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする。
【0022】
本発明の紙葉類検出手段は、テーブル上にある紙葉類の先端位置を検出する。そこで、紙葉類を分離した後、その先端位置までの範囲の空気吸込み口を一度に空気の吸い込まない状態に制御し、その後、紙葉類先端位置から空気吸込み範囲をその吸込み長さが短くなるように制御する。これによって、短時間に効率的に紙葉類を搬送することができる。
【0023】
(7)前記紙葉類搬送手段は前記空気吸込み口に対向しないように配置されたことを特徴とする。
【0024】
紙葉類搬送手段は、たとえばベルトで構成されるが、この紙葉類搬送手段が空気吸込み口に対向していると、ベルト等の紙葉類搬送手段が空気吸込み口に吸着してしまう可能性がある。そこで、この紙葉類搬送手段を空気吸込み口に対向しないように配置することによって、このような不都合をなくすことができる。
【0025】
(8)前記空気吸込み口は、前記テーブルに紙葉類搬送方向に沿って配置した複数の空気吸込み用の吸着ホールで構成し、前記制御部は、前記空気吸込み長さを、どの吸着ホールを空気吸込み状態にするかで制御することを特徴とする。
【0026】
空気吸込み口は、どのような形状のものでもよいが、テーブル面に紙葉類搬送方向に向けて分布的に配置した複数の空気吸込み用の吸着ホールで構成することにより、各吸着ホールを個別に制御できるようになり、空気吸込み長さの制御が容易になる。
【0027】
(9)前記テーブル面は、前記搬送方向下流側が搬送方向上流側より下側になるように配置した。
【0028】
テーブル面を、搬送方向下流側が搬送方向上流側より下側になるように配置することにより、たとえば紙葉類投入口に紙葉類に加えてコイン状のものが投入された時、紙葉類が分離搬送されているのと並行してコイン状のものが下方に落下する。これにより、整理券、紙幣、硬貨等がまとまって投入される装置に適用することによって、それらを容易に分離して搬送することができる。
【0029】
(10)テーブルと、
前記テーブル面に対向配置した紙葉類搬送手段と、
前記テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って配置した空気吸込み口と、
前記空気吸込み口の前記紙葉類搬送方向に沿った空気吸込み長さを制御することで、紙葉類の停止と搬送を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、搬送されてきた第1の紙葉類が所定の位置に到達したとき該所定の位置にある空気吸込み口で空気の吸込みをして該第1の紙葉類をテーブル面に吸着させ、続いて搬送されてくる第2の紙葉類が前記所定の位置にある第1の紙葉類の上を通過したときに前記空気吸込み口の空気の吸込みを停止することを特徴とする。
【0030】
本発明では、紙葉類投入口に、重なった紙葉類が投入されるのではなく、紙葉類が1枚ずつ投入される時に、その搬送順を逆転させることを可能にする。すなわち、第1の紙葉類をテーブル面に吸着させた状態で第2の紙葉類を搬送すれば、その第2の紙葉類は第1の紙葉類の上方を通過して搬送される。このようにして、第1の紙葉類と第2の紙葉類の搬送順を逆転させた後、第1の紙葉類に対する空気吸込み口の空気吸込みの停止することで、両方の紙葉類を搬送をさせることができる。
【0033】
(11)前記空気吸込み口を、該空気吸込み口による紙葉類当たりの吸着力が紙葉類投入口側から紙葉類繰り出し側にかけて小さくなるように配置したことを特徴とする。
【0034】
本発明では、 使用類投入口側に近いほど紙葉類当たりの吸着力が大きくなるため、重なった紙葉類が投入されたときに、一番下の紙葉類をテーブル面に確実に停止させることが出来、慣性による無駄な移動をなくすことが出来る。これにより、テーブルの長さを短く出来る。
【0035】
(12)上述のいずれかの紙葉類搬送装置と、前記空気吸込みを行うためのコンプレッサを含む空気吸込み手段と、前記紙葉類搬送装置の搬送方向下流側に配置した紙葉類搬送部と、該紙葉類搬送部に設けられ前記空気吸込み手段に連結された空気流通孔と、を備え、前記紙葉類搬送装置における空気吸込みを前記空気流通孔においても行うことで該搬送装置にある埃、塵を除去することを特徴とする。
【0036】
本発明では、上記紙葉類搬送装置が組み込まれた改札機等の装置において、コンプレッサによる空気吸込みを利用して該装置内の埃、塵を除去することが出来る。
【0037】
【発明の実施の形態】
図2(A)、(B)は、本発明の実施形態である紙葉類搬送装置の正面図、側面構成図を示している。紙葉類としては、例えば、紙幣、乗車券、定期券、プリペイドカードなどがある。また、紙葉類の材質も、紙、PET 、塩化ビニル樹脂などがある。本実施形態の紙葉類搬送装置は、これらの紙葉類が複数枚重ねられた状態でも、それらを個別に分離して搬送することができる
この紙葉類搬送装置は、長方形のテーブル5と、このテーブル5に対向配置されている搬送ベルト6と、紙葉類繰り出し口Bに設けられている送りベルト7と、紙葉類投入口Aに設けられている紙葉類投入検出センサ8と、テーブルの上方に設けられている紙葉類検出カメラ9とを備えている。
【0038】
前記テーブル5には、紙葉類搬送方向(図面左方向)に複数の空気吸込み用の吸着ホール10が設けられている。各吸着ホール10には、それぞれ真空発生器11が連結され、さらに各真空発生器11には、それぞれ電磁弁12を介して一つのコンプレッサ13が連結されている。電磁弁12は、その弁を開け(オン)閉め(オフ)することによって、吸着ホール10における空気の吸い込みを発生させたり、空気の吸い込みを停止させたりする。また、図示を省略しているが、図2において、紙葉類投入検出センサ8と送りベルト7との間において、テーブル5の面に紙葉類搬送方向に均等に吸着ホール10が複数設けられている。また、紙葉類搬送方向に対して垂直方向にも均等に吸着ホール10が複数設けられている。テーブル5の面に対して吸着ホール10を均等に設ける理由は、テーブル5の上を通過する紙葉類を均一に吸着させるためである。
【0039】
紙葉類検出カメラ9は、少なくとも吸着ホール10が設けられている領域を撮像する。これにより、吸着ホール10上の紙葉類の有無を検出することができる。
【0040】
送りベルト7へは、分離された紙葉類のみが搬送されるため、送りベルト7は、搬送ベルト6に比べて高速の搬送速度に設定されている。これにより、この送りベルト7で分離された紙葉類を高速に搬送させることができる。
【0041】
前記紙葉類投入検出センサ8と紙葉類検出カメラ9の検出データは制御部14に入力し、制御部14からは各電磁弁12のオン/オフ信号と各ベルト駆動用のモータ制御信号とが出力される。
【0042】
前記吸着ホール10は、図2(A)に示すように、紙葉類搬送方向に垂直な方向に4個となるように配置されており、搬送ベルト6は、テーブル5のほぼ中央で且つ各吸着ホール10に対向しない位置に配置されている。搬送ベルト6が各吸着ホール10に対向していないため、該ベルト6が吸着ホール10に吸着されることがない。
【0043】
以下、上記紙葉類搬送装置の動作を図3を参照して説明する。
【0044】
図3は、紙葉類投入口Aに複数枚重なった紙葉類が投入された以降の紙葉類搬送装置の動作を示す動作シーケンス図である。
【0045】
(A)テーブル5に面した搬送ベルト6は紙葉類搬送方向(左方向)に移動している。紙葉類投入口に3枚の紙葉類3a、3b、3cが重なった状態で投入されると、搬送ベルト6と一番上の紙葉類3aとの摩擦および紙葉類3a、3b、3c間の摩擦により、3枚の紙葉類が紙葉類搬送方向(左方向)に搬送開始される。この時、全ての吸着ホール10に対応する各電磁弁12がオンに制御され、これにより、全ての吸着ホール10には吸着力Pが発生している。なお、本実施形態では、全ての吸着ホール10を吸着オン状態としているが、一定の長さの空気吸込み範囲を吸着オン状態にすればよい。ここでいう一定の長さとは、予め想定した最大枚数の重なり紙葉類が分離されたときにすべての紙葉類が吸着されるに必要な長さである。
【0046】
(B)搬送ベルト6と一番上の紙葉類3aとの摩擦により紙葉類3aは紙葉類繰り出し口へと搬送される。一方で、一番下の紙葉類3cは、吸着ホール10上まで搬送されると、吸着ホール10の吸着力Pによってテーブルに吸着され、吸着による摩擦力のため、搬送されなくなる。また、真ん中の紙葉類3bは、上側の紙葉類3aと下側の紙葉類3cとの間で滑りを生じながら上側の紙葉類3aとの間の摩擦力によって紙葉類繰り出し口へと搬送され、さらに搬送ベルト6に接触することによってその搬送が促進される。一番上の紙葉類3aと真中の紙葉類3bとはこのようにして搬送される結果、真中の紙葉類3bが搬送され、その底面の一部または全部がテーブル5の面に設けられた吸着ホール10に対向すると、吸着ホール10の吸着力Pによりテーブル5に吸着され、吸着による摩擦力のため、搬送されなくなる。そして、一番上の紙葉類3aも、搬送ベルト6による摩擦力のため、さらに、搬送され、その底面の一部または全部がテーブル5の面に設けられた吸着ホール10に対向すると、吸着ホール10の吸着力Pによりテーブル5に吸着され、吸着による摩擦力のため、搬送されなくなる。こうして、3つの紙葉類3a、3b、3cが分離されてテーブル5に吸着された状態となる。なお、この状態では、図示するように、各紙葉類3a、3b、3cの先後端部の一部が重なった状態となるが、各紙葉類の表面状態によってはそれらの重なりがない状態で完全分離されることもありうる。
【0047】
(C)紙葉類検出カメラ9が、先頭に位置している紙葉類3aの先端位置を検出し、紙葉類繰り出し口から、該検出した紙葉類先端位置までの範囲の吸着ホール10を一度に吸着オフ状態(空気の吸い込まない状態)に設定する。
【0048】
(D)紙葉類3aの先端位置から紙葉類投入位置までの吸着範囲をその吸着長さが搬送方向下流側から短くなるように制御する。すなわち、吸着ホール10を左側から右方向に1つずつ吸着オフ状態となるように制御する。
【0049】
(E)先頭の紙葉類3aに対向する全ての吸着ホール10が吸着オフ状態になっている。
【0050】
(F)先頭の紙葉類3aは、テーブル5への吸着力が解消されたため、搬送ベルト6によって搬送され、紙葉類繰り出し口に繰り出される。
【0051】
(G)吸着ホール10の右方向への吸着オフ状態を更に進める。
【0052】
(H)2番目の紙葉類3bに対向する全ての吸着ホール10が吸着オフ状態となっている。
【0053】
(I)2番目の紙葉類3bはテーブル5への吸着力が全てなくなるから搬送ベルト6によって搬送され紙葉類繰り出し口へと繰り出される。
【0054】
(J)吸着ホール10の右方向への吸着オフ状態を更に進める。
【0055】
(K)紙葉類3cに対向する全ての吸着ホール10が吸着オフ状態となっている。
【0056】
(L)紙葉類3cのテーブル5aへの吸着力がなくなるため、紙葉類3cは搬送ベルト6により搬送され、紙葉類繰り出し口へと繰り出される。
【0057】
図4は、紙葉類検出カメラ9の検出信号に基づく制御内容を示す図である。
同図(A)は、紙葉類検出カメラ9で図3(B)の状態を撮像した画像を示している。なお、同図では吸着ホール10の表示を略している。制御部14は、図4(A)に示す画像データを受けると、紙葉類3aの先端位置を画像解析によって検出する。同図(B)はこの時の各吸着ホール10の吸着オン/オフ状態を示し、この段階では、全ての吸着ホール10が吸着オン状態となっている。
【0058】
制御部14は、紙葉類3aの先端位置を検出すると、その先端位置より1つだけ紙葉類投入口よりの吸着ホールから紙葉類繰り出し口までの吸着ホールを、まとめて一度にオフする。図4(C)がこの時の状態である。以下、図3(D)〜(L)のシーケンスによって、吸着ホール10を1つずつオフ状態にしていって各紙葉類の繰り出しを行う。
【0059】
これにより、重ねて投入された3枚の紙葉類3a、3b、3cが分離して搬送された。
【0060】
図3(C)において、紙葉類検出カメラ9が先頭に位置している紙葉類3aの先端位置を検出することにより、紙葉類3aに対向している吸着ホール10のうち最も左側の吸着ホール10も吸着をオフする。これにより紙葉類3aの先頭位置を検出することによって、その紙葉類を吸着している吸着ホール10の吸着を解除し始めることができる。
【0061】
このように、紙葉類検出カメラ9を設けて、先頭にある紙葉類3aの先端位置を検出することにより、紙葉類を吸着していない紙葉類繰り出し口から紙葉類3aの先端までの吸着ホール10の吸着を一度にオフ状態にすることができるため、紙葉類投入口の紙葉類投入から先端の紙葉類3aの吸着をオフ状態にし始めるまでの時間を短くすることができる。
【0062】
図5は、上記の動作を行うための制御部14の制御手順を示すフローチャートである。
【0063】
最初に、ステップST1において全吸着ホール10を吸着オフ状態に設定する。続いて、紙葉類投入検出センサ8において、紙葉類投入口Aに紙葉類が投入されたかどうかを検出し(ST2)、紙葉類投入を検出すると、全吸着ホール10を吸着オン状態に設定する(ST3)。以上の処理で、紙葉類が投入されるまでの間は、全吸着ホールは吸着オフとなっており、この期間において無駄な電力消費がない。
【0064】
紙葉類投入を検出した後、所定の時間T1経過するのを待ち(ST4)、紙葉類検出カメラ9で検出した画像データから、紙葉類の先頭位置を検出する(ST5)。紙葉類の先頭が検出出来ないときは終了する。なお、時間T1は、図3において、重ねられた紙葉類が(B)の状態になるまでの予め推定した時間である。この時間は、最長でも数秒程度である。
【0065】
ST5において、紙葉類の先頭位置を検出すると、その先頭位置が以前の先頭位置と異なるかどうかの判断を行う(ST6)。その先頭位置が以前の先頭位置と異なると、ST7において、吸着がオン状態にある最も先頭のホールから、紙葉類の先頭位置から1つ投入口よりの吸着ホールまでを、まとめて一度に吸着オフにする。図4(B)と(C)はこの時の様子を示している。ST6において、検出した紙葉類の先頭位置が以前の先頭位置と異なるかどうかを検出するのに代えて、先頭の紙葉類が繰り出された(図3(F)参照)かどうかを検出して、繰り出されたことを検出したときにST7へ進み、そうでないときにST9へ煤ねようにしても良い。
【0066】
ST8において、全ての吸着ホールが吸着オフ状態でなければ、再びST5以下の動作を繰り返す。また、ST6において、検出した先頭位置が以前の先頭位置と異なっていない場合には、吸着オンである最も先頭の吸着ホールを吸着オフ状態にする(ST9)。図3(C)において、ST9の処理が行われると図3(D)の状態となる。
【0067】
以上の動作により、図3に示す動作シーケンスが実現される。
【0068】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0069】
図6は、本発明の他の実施形態の動作シーケンス図である。
【0070】
この装置は、紙葉類投入口に助走路Lを設け、投入された紙葉類を助走路Lで助走させてから分離を行う。助走路Lには吸着ホール10が設けられ、助走時にはこの吸着ホール10は吸着オフ状態とする(A)。また、助走後に分離した状態では助走路Lに対応する吸着ホールを全て吸着オンとする(B)。以下、図3と同様なシーケンスで制御する。本実施形態では、助走路Lを設けることにより紙葉類に勢いがつくため、重なった紙葉類がばらけやすくなり、分離がより確実となる。なお、図6(B)で助走路Lの吸着ホールをオン状態とするのは、一番下の紙葉類3cへの吸着力を大きくするためである。この理由は、もし、助走路Lの吸着ホールをオンしていないと、一番下の紙葉類3cがテーブル5と助走路Lの間で吸着ホール10の吸着力Pのみによって吸着され、そのとき紙葉類3cの搬送が停止していると、紙葉類3cとテーブル5との間の摩擦力が小さいため、同図(H)から(I)にかけて、紙葉類3bの搬送時に、紙葉類3bと紙葉類3cとの摩擦力によって、紙葉類3cが一緒に搬送されてしまうからである。
【0071】
図7は、本発明のさらに他の実施形態の構成図である。また、図8は、この紙葉類搬送装置の動作シーケンス図である。また、図9は、制御部14の制御手順を示すフローチャートである。
【0072】
この紙葉類搬送装置が、図2に示す紙葉類搬送装置と構成において相違する点は、紙葉類検出カメラ9を備えていない点である。
【0073】
図8を参照して動作シーケンスを説明すると、紙葉類投入口に紙葉類3a、3b、3cが重ねられて投入されると、これを紙葉類投入検出センサ8が検出して、全吸着ホールを吸着オン状態とし(A)、各紙葉類が(B)のように分離される。続いて、紙葉類繰り出し口B側の吸着ホール10から、一定時間T2ごとに吸着オフ状態に設定されていく。したがって、(J)の状態では、紙葉類3aに対向している全ての吸着ホール10が吸着オフとなっているから、この紙葉類3aは搬送ベルト6によって搬送され繰り出し口に繰り出される。同様に、(M)の状態では、2番目の紙葉類3bに対向する吸着ホール10が吸着オフとなるから、この紙葉類3bが搬送ベルト6によって搬送され繰り出し口に繰り出される。同じようにして、1番下の紙葉類3cが繰り出されたのが(Q)の状態である。
【0074】
すなわち、制御部14は、図9に示すように、全吸着ホール10を吸着オフとし(ST20)、その状態で紙葉類投入検出センサ8が紙葉類投入口Aに紙葉類が投入されたことを検出すると(ST21)、全吸着ホール10を吸着オン状態にし(ST22)、一定時間T1が経過するのを待つ(ST23)。この時間T1は、図5に示す時間T1と同じであって、重ね合わされた紙葉類が分離されるまでに必要な時間を上回る時間である。
【0075】
以下、ST24〜ST26において、一定時間T2経過ごとに先頭の吸着ホールから1つずつ吸着オフ状態にしていく。これにより、紙葉類は1枚ずつ紙葉類繰り出し口に繰り出されていく。
【0076】
以上説明したように、本発明の実施形態の紙葉類搬送装置では、重ねて投入された紙葉類に対し、複数の吸着ホールを適切に吸着オン/オフ制御することによって、重ね合わされた各紙葉類を確実に分離・搬送することができる。
【0077】
そして、テーブルは移動しないため、従来の方法に比較して、分離に必要な搬送路長を短く出来る。
【0078】
本発明は、また、搬送されている紙葉類の搬送順を入れ換えることも可能にする。
【0079】
図10は、搬送順序の入替えを行う時の制御手順と制御内容を示している。
【0080】
ST30において、全吸着ホール10を吸着オフとし、1枚目の紙葉類3cの搬送を開始する(ST31)。この1枚目の紙葉類3cが予め決められている吸着区間内に入ると(ST32)、その区間内の対応吸着ホールを吸着オン状態にする(ST33)。1枚目の紙葉類3cが吸着区間内に入ったかどうかは、図2に示す紙葉類検出カメラ9からの画像データに基づいて検出する。ST34で、1枚目の紙葉類3cがテーブル面に吸着されて停止すると(ST34)、その位置を紙葉類検出カメラ9からの画像データに基づいて判定し、その位置に対応する吸着ホールを吸着オンにする(ST35)。続いて、2枚目の紙葉類3bの搬送を開始する(ST36)。この2枚目の紙葉類3bが1枚目の紙葉類3cを通過することを、紙葉類検出カメラ9の画像データに基づいて判定すると(ST37)、1枚目の紙葉類3cに対応している吸着ホールを吸着オフにする(ST38)。これにより、2枚目の紙葉類3bが1枚目の紙葉類3cに先行して搬送されるようになる。
【0081】
本実施形態のように、カードの搬送順を入れ換えられるようにすると、紙葉類の上下の重なりを逆にして排出することができるようになる。たとえば、形状の小さな乗車券の上に定期券カードが重ねて投入された時、順序を入れ換えないで分離・搬送すると定期券カードが先に搬送されて処理されることになるが、本実施形態の紙葉類搬送装置では、紙葉類排出部において紙葉類を再び重ね合わせて排出する前に、定期券と乗車券の搬送順を逆にすることにより、排出部においては、定期券の上に乗車券が重ね合わされた取り易い状態で排出される。
【0082】
以上の実施形態では、空気吸込み口として吸着ホール10を用いたが、本発明においては、テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って空気吸込み口を配置し、そして、この空気吸込み口の紙葉類搬送方向に沿った空気吸込み長さを制御できる構造であれば、空気吸込み口の形状はどのようなものであってもよい。
【0083】
図11は、空気吸込み口の例を示している。同図(A)〜(D)に示すように、空気吸込み口は、丸穴であったり、上記実施形態で示したような多列の丸穴であったり、角穴、スリットであってもよい。また、図11(E)に示すように、紙葉類搬送方向に沿って1本のスリット20を設け、この下方においてプレート21を左右方向に移動制御するようにしてもよい。紙葉類搬送方向に沿って配置されているスリット20には、1つの真空装置が連結されており、プレート21を移動制御することによって、このプレート21で覆われていないスリット部分を空気吸込み口とすることができる。スリット20は、図に示すように1本でもよいし、それ以上であっても構わない。
また、本発明の紙葉類搬送手段は、上記実施形態で示したような搬送ベルトで構成してもよいし、ローラで構成してもよい。図12(A)は、上記実施形態で示したように単一の搬送ベルトで構成したものを示し、同図(B)は複数(2つ)の搬送ベルトで構成したものを示している。また同図(C)は多列(2列)の搬送ベルトで構成したものを示し、同図(D)はローラで構成したものを示している。
【0084】
なお、搬送ベルト6やローラ6′とテーブル5との間には、複数枚の紙葉類が投入されることになるが、投入される紙葉類の厚みは一定でない。そこで、搬送ベルト6またはローラ6′は、スプリング等を使用することによって、これらをテーブル面5に押圧する構造にすることが好ましい。また、搬送ベルト6やローラ6′とテーブル5とは、上下の配置を逆にしても良い。
【0085】
図13は、上記紙葉類搬送装置の応用例を示している。図13に示す装置は、改札機であり、改札機筐体30内には、上述の実施形態で示した紙葉類搬送装置の分離繰り出し部からなる紙葉類分離繰り出し装置31と、この後方に連結される改札機搬送部32と、電磁弁部33と、その制御装置34と、コンプレッサ35とを備えている。改札機搬送部32の適当な位置に空気流通孔36を複数個設け、各空気流通孔36を電磁弁部33に連結することによって、各空気流通孔36から空気の吸い込みをできるようにしている。これにより、改札機搬送部32にある、埃や塵等を除去することができ、また、空気の流通によって可動部の冷却を行うことが可能である。また、改札機搬送部32には、紙葉類の通過を検出する複数のセンサ37が設けられているため、この空気流通孔36を通過センサ37の近辺に配置することにより、センサ面の埃を除去することも可能である。さらに、改札機搬送部32に、空気流出孔38を設け、コンプレッサ35から掃きだされる空気をこの空気流出孔38から搬送部に掃きだすようにすることによって、上記の埃、塵除去と可動部の冷却効果を更にさらに高めることができる。
【0086】
図14は、上記紙葉類搬送装置を複数の改札機に組み込む時の構造例を示している。
【0087】
図に示すように、各改札機筐体30内には、個別に紙葉類分離繰り出し装置31、電磁弁部33、制御装置34を組み込み、1つのコンプレッサ35と各制御装置34とを連結する。コンプレッサ35を改札機筐体30とは別の場所に配置することによって、コンプレッサ35が発する騒音を改札機30の周辺に及ばないようにすることができる。
【0088】
図15は、上記紙葉類搬送装置をバスの運賃箱に応用した場合の概略構造図である。バスの運賃箱では、紙幣の他、整理券や硬貨等が一緒に投入される。そこで、図14に示す運賃箱では、紙葉類搬送装置40を、そのテーブル面の搬送方向下流側が下側になるように配置し、硬貨42はこのテーブル面を転がって下側に落下し、紙幣40と整理券41とがテーブル面で分離されて搬送されるようにしている。このような構成にすることで、紙幣40、整理券41が重ねて投入され、且つ硬貨42も混ざって投入されても、それらを容易に分離して処理することができる。
【0089】
図16、図17は、本発明のさらに他の実施形態の動作説明図である。
【0090】
すなわち、各吸着ホール10の吸着力Pの大きさを調整することにより、重なった紙葉類の重なり度合いを変更することができる。吸着ホール10が空気を吸込んでいるときに、重なった3枚の紙葉類を投入した場合、搬送ベルトの6の搬送力と、吸着ホール10による吸着力とにより、紙葉類は、図16のように重なりの全部または一部が解消される。図16は、テーブル5を横から見た図である。搬送ベルト6の図示が省略されている。吸着力Pが大きいときには、図16(A)、吸着力Pが中くらいのときには、図16(B)、吸着力Pが小さいときには、図16(C)のように紙葉類の重なりの全部または一部が解消される。図16において、吸着力Pの大小は、矢印の長短で示されている。吸着力Pの大きさが大きい場合(図16(A))、紙葉類の重なり具合は、大きく、重なった紙葉類の全長は短くLaとなっている。吸着力Pの大きさが中くらいの場合(図16(B))、紙葉類の重なり具合は、中くらいで、重なった紙葉類の全長は中くらいのLbとなっている。吸着力Pの大きさが小さい場合(図16(C))、紙葉類の重なりは解消され、重なった紙葉類の全長は長くLbとなっている。
【0091】
吸着力Pの大きさを変更することで、重なった紙葉類の重なりの全部または一部を解消するために必要なテーブルの長さを決定することができる。
【0092】
一方で、吸着力Pが大きい場合は、図16(A)に示されているように、一番下の紙葉類3cはテーブル5上をほとんど搬送されていない。そして、吸着力Pが小さい場合には、図16(C)に示されているように、一番下の紙葉類3cは、吸着力Pが大きい場合に比べて、距離Dcだけ左側に搬送されている。真ん中の紙葉類3bは、吸着力Pが大きい場合に比べて、距離Dcより小さい距離Dbだけ左側に搬送されている。
【0093】
このことから、テーブル5全体にわたって吸着力Pが小さい場合には、一番下の紙葉類3cの移動距離Dcは、紙葉類の重なりの解消に寄与していない。そこで、紙葉類投入口側の吸着力を大きく、紙葉類繰り出し口側の吸着力を小さくすることで、重なった紙葉類を投入した場合、一番下の紙葉類3cの移動距離を小さくすることができる。
【0094】
このときの、重なった3枚の紙葉類が投入された直後における紙葉類の状態を図17(A)に示す。紙葉類を吸着する吸着力は、紙葉類投入口側で大きく、紙葉類繰り出し口側に向かって順次小さくなるように設定されている。これにより、一番下の紙葉類3cが大きな吸着力のために、即座に、搬送が停止される。小さな吸着力が働く、紙葉類3a、3bは、吸着力がそれぞれ小さい分だけ長い距離だけ搬送される。これにより、一番下の紙葉類3cの移動距離が少なくなり、テーブルの長さを短くすることができる。なお、ここでの吸着力は、紙葉類1枚当りの吸着力を意味している。
【0095】
テーブル5の吸着力を変化させるには、複数の吸着ホール10をテーブル5に均等に配置し、各吸着ホール10の吸着圧力を紙葉類投入口側が大きく、紙葉類繰り出し口側が小さくなるようにすればよい。
【0096】
テーブル5の吸着力を変化させる他の方法にとして、図17(B)に示すように、各吸着ホールに対する吸着力を変えずに、吸着面積を変えることで、吸着圧力を変化させて、紙葉類投入口側の紙葉類面積当たりの吸着力を大きく、紙葉類繰り出し口側の吸着力を小さくする方法がある。同図では、Qで示す部分が吸着部であり、この部分に吸着ホールが設置される。Qで示される吸着部は、1紙葉類当たりの吸着面積が紙葉類搬送方向に対して少しずつ小さくするようにされる。なお、一様に設置されている吸着ホールにおいてQで示す領域の吸着ホールを吸着オン状態に制御することでも吸着面積を図のように変えることが可能である。
【0097】
また、図17(C)に示すように、各吸着ホールに対する吸着力を変えずに、吸着ホール群の紙葉類搬送方向に対する設置密度を少しずつ変えることにより、紙葉類投入口側の紙葉類面積当たりの吸着力を大きく、紙葉類繰り出し口側の紙葉類面積当たりの吸着力を小さくする方法がある。図17(C)では、紙葉類投入口側の吸着ホール10の紙葉類搬送方向に対する設置密度が高く、紙葉類繰り出し口側の吸着ホール10の紙葉類搬送方向に対する設置密度が小さくなっている。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明によれば、重ねて投入された紙葉類を分離して、搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の上下ベルト駆動方式による紙葉類搬送装置の動作概念図
【図2】本発明の実施形態である紙葉類搬送装置の構成図
【図3】上記紙葉類搬送装置の動作シーケンス図
【図4】紙葉類の先端位置を検出して吸着ホールを制御する時の動作についての概略を説明する図
【図5】制御部の制御手順を示すフローチャート
【図6】本発明の他の実施形態の紙葉類搬送装置における動作シーケンス図
【図7】本発明のさらに他の実施形態の紙葉類搬送装置の構成図
【図8】同紙葉類搬送装置の動作シーケンス図
【図9】同紙葉類搬送装置の制御部の制御手順を示すフローチャート
【図10】本発明のさらに他の実施形態の紙葉類搬送装置における制御手順と制御内容を示す図
【図11】空気吸込み口の例を示す図
【図12】紙葉類搬送手段の例を示す図
【図13】上記紙葉類搬送装置を改札機に適用した時の応用例を示す図
【図14】上記紙葉類搬送装置の改札機に使用した時の他の応用例を示す図
【図15】上記紙葉類搬送装置をバスの運賃箱に適用した時の概略構成図
【図16】本発明のさらに他の実施形態の動作説明図
【図17】本発明のさらに他の実施形態の動作説明図

Claims (12)

  1. テーブルと、
    前記テーブル面に対向配置した紙葉類搬送手段と、
    前記テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って配置した空気吸込み口と、
    前記空気吸込み口の前記紙葉類搬送方向に沿った空気吸込み長さを制御することで、紙葉類の停止と搬送を制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、複数枚重なった紙葉類が紙葉類投入口にあるときに、紙葉類投入口から一定の長さの空気吸込み範囲で空気の吸込みをして一番下の紙葉類をテーブル面に吸着させ、その上に重ねられている紙葉類が前記紙葉類搬送手段により搬送されることで紙葉類の重なりの一部または全部を解消することを特徴とする、紙葉類搬送装置。
  2. 前記紙葉類投入口から紙葉類を助走させる助走路を設け、
    前記制御部は、前記助走路で助走された複数枚重なった紙葉類に対して、一定の長さの空気吸込み範囲で空気の吸込みをして一番下の紙葉類をテーブル面に吸着させ、その上に重ねられている紙葉類が前記紙葉類搬送手段により搬送されることで紙葉類の重なりの一部または全部を解消することを特徴とする、請求項1記載の紙葉類搬送装置。
  3. 前記助走路に空気吸込み口を設け、前記制御部は、前記助走路の空気吸込み口の空気吸込みをしない状態で、複数枚重なった紙葉類を助走させ、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後、前記助走路の空気吸込み口の空気吸込みを行うとともに、前記一定の長さの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする、請求項記載の紙葉類搬送装置。
  4. 前記制御部は、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後、前記一定の長さの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  5. 前記紙葉類投入口に紙葉類の投入を検出する紙葉類投入検出センサを設け、
    前記制御部は、前記センサで紙葉類投入の検出を行うまでは、前記空気吸込み口の全範囲で空気の吸込みを行わず、前記センサで紙葉類投入の検出後に、前記空気吸込み口の空気の吸込みを行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  6. 前記紙葉類搬送手段の上方に、前記テーブル上の紙葉類を検出する紙葉類検出手段を設け、
    前記制御部は、前記紙葉類の重なりの一部または全部を解消した後に、紙葉類繰り出し口から前記紙葉類検出手段で検出した紙葉類の先端位置付近までの範囲の空気吸込み口を一度に空気の吸い込まない状態(吸着オフ状態)に制御し、その後、紙葉類の先端位置から紙葉類投入口までの空気吸込み範囲をその吸込み長さが搬送方向下流側から短くなるように制御して、先頭に位置する紙葉類から順に前記紙葉類搬送手段により搬送されるようにしたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  7. 前記紙葉類搬送手段は前記空気吸込み口に対向しないように配置されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  8. 前記空気吸込み口は、前記テーブルに紙葉類搬送方向に沿って配置した複数の空気吸込み用の吸着ホールで構成し、前記制御部は、前記空気吸込み長さを、どの吸着ホールを空気吸込み状態にするかで制御することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  9. 前記テーブル面は、前記搬送方向下流側が搬送方向上流側より下側になるように配置した、請求項1〜のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  10. テーブルと、
    前記テーブル面に対向配置した紙葉類搬送手段と、
    前記テーブル面に紙葉類搬送方向に沿って配置した空気吸込み口と、
    前記空気吸込み口の前記紙葉類搬送方向に沿った空気吸込み長さを制御することで、紙葉類の停止と搬送を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、搬送されてきた第1の紙葉類が所定の位置に到達したとき該所定の位置にある空気吸込み口で空気の吸込みをして該第1の紙葉類をテーブル面に吸着させ、続いて搬送されてくる第2の紙葉類が前記所定の位置にある第1の紙葉類の上を通過したときに前記空気吸込み口の空気の吸込みを停止することを特徴とする、紙葉類搬送装置。
  11. 前記空気吸込み口を、該空気吸込み口による紙葉類当たりの吸着力が紙葉類投入口側から紙葉類繰り出し側にかけて小さくなるように配置したことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の紙葉類搬送装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかの紙葉類搬送装置と、前記空気吸込みを行うためのコンプレッサを含む空気吸込み手段と、前記紙葉類搬送装置の搬送方向下流側に配置した紙葉類搬送部と、該紙葉類搬送部に設けられ前記空気吸込み手段に連結された空気流通孔と、を備え、前記紙葉類搬送装置における空気吸込みを前記空気流通孔においても行うことで該搬送装置にある埃、塵を除去することを特徴とする紙葉類搬送システム。
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