JP4829330B2 - ワークハンドリング装置 - Google Patents
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Description
この装置においては、ワークを搬送する搬送機構を検査ソケットの両側に設け、一方の搬送機構と検査ソケットとの間を一方のハンドラが移動してワークを搬送し、他方の搬送機構と検査ソケットとの間を他方のハンドラが移動してワークを搬送する構成であるが故に、各機構の集約化が困難であり、この装置を半導体製造ライン等に設置するには比較的広いスペースが必要であった。
この装置においては、ワークは、トレイ載置部(未検品収納トレイ)→ローダロボット→搬入機構→検査ソケット→搬出機構→アンローダロボット→トレイ載置部(良品収納トレイ又は不良品収納トレイ)という一連の搬送経路によりリレー搬送されて検査処理が行われるため、搬送経路上の何処か一部で故障が生じて搬送できなくなると、全体の流れが停止して検査処理が完全に行えなくなり、生産性の低下を招くことになる。
また、このようなリレー搬送による検査処理の方法では、ローダロボット,搬入機構,搬出機構,及びアンローダロボット等のそれぞれにおいてワークを保持する共通の保持部が必要である。したがって、ワークの種類又は検査ソケットの種類が変更されると、この変更されたワークに対応した保持部を、ローダロボット,搬入機構,搬出機構,及びアンローダロボット等のそれぞれにおいて組み替える必要があり、ワークあるいは検査ソケットの種類に応じて部品点数が増加し、又、組み替え作業等の段取りに手間を要する。
この装置においては、種類の異なるワーク及び検査ソケットのサイズに応じて、適宜ソケット押えの間隔を調整することで、吸着ヘッドを交換することなく異なるワークに対して検査処理を行うことができるが、検査ソケットの配列が異なるもの(例えば、検査ソケットが1つだけのもの、検査ソケットが2つ配列されたもの、検査ソケットが3つ以上配列されたもの等)に対しては対応することができず、それぞれ専用の吸着ヘッドに交換する必要がある。
この構成によれば、吸着ヘッドが上側ヘッドと下側ヘッドにより形成され、下側ヘッドが上側ヘッドに対して揺動自在に支持され、可動パイプがホルダの空洞部に対して揺動自在に支持されているため、吸着パッドが傾斜することにより可動パイプが傾斜させられ、可動パイプが傾斜することにより下側ヘッドが上側ヘッドに対して傾斜させられる。したがって、ハンドラがトレイ担持部に担持されたトレイと処理部との間を往復動してワークを搬送する際に、吸着ヘッドの昇降方向に対してワークあるいは処理部(例えば、検査部のソケット)が傾斜している(垂直以外の角度をなす)場合、下側ヘッド及び可動パイプが、ワークあるいは処理部の傾斜に倣うように傾斜して、吸着パッドがワークあるいは処理部に垂直な方向から当接することができ、ワークを確実に吸着あるいは処理部にセットすることができる。
この構成によれば、アーム水平駆動機構により関節型アームを水平移動させて吸着ヘッドを所望の位置に位置決めでき、又、アーム鉛直駆動機構により関節型アームを昇降駆動して吸着ヘッドを所望の高さ位置に位置決めでき、さらに、ホルダ鉛直駆動機構によりホルダの高さ位置を変えて、下側ヘッドに対する可動パイプ(吸着パッド)の出没量を適宜調整できる。したがって、ワークを仮に吸着する際にはワークの一部(例えばリード)が下側ヘッドに接触しないようにしてワークを吸着でき、位置決めして再度吸着する際には下側ヘッドの一部(例えば、リード押え)にリードが押されるようにしてワークを吸着することができる。また、アーム鉛直駆動機構とホルダ鉛直駆動機構とを備えることで、ワークの吸着動作と処理部へのワークの固定動作とを、別々の駆動機構を用いて、それぞれの動作に最適な駆動力(押圧力)にて駆動することができる。
この構成によれば、可動パイプは、その上端に設けられた着脱パッド及び規制枠が空洞部内に収容された状態で、貫通孔を通して上下方向に往復動自在であり、ワークを吸引する際には、着脱パッドが空洞部の上面に密着して負圧通路との気密性が十分に確保される。また、空洞部内において仮に塵等が発生しても、空洞部は負圧通路に連通しているため、着脱パッドが上面から離れた際に負圧通路を通して吸引され、作業環境を清浄に維持することができる。
この構成によれば、可動パイプが空洞部の貫通孔と所定の隙間をおいて挿入されて空洞部(ホルダ)に対して揺動自在に支持されている、すなわち、可動パイプがホルダに対して揺動することで、吸着ヘッドの昇降方向に対してワークあるいは処理部(例えば、検査部のソケット)が傾斜している場合、下側ヘッド及び可動パイプが、ワークあるいは処理部の傾斜に倣うように傾斜して、吸着パッドがワークあるいは処理部に垂直な方向から当接することができ、ワークを確実に吸着あるいは処理部にセットすることができる。
尚、この実施形態においては、ワークとして両側に突出するリードを有する半導体チップが採用され、処理部として半導体チップの電気的特性を検査処理するソケットをもつ検査部が採用されている。
トレイストック部11は、積み重ねられた複数のトレイTを載置して鉛直方向(Z方向)に昇降する昇降テーブル、昇降テーブルを昇降駆動する駆動機構、積層された最下部のトレイTをトレイ供給部12に向けて押し出すプッシュロッド及びその駆動機構等を備えている。
トレイ供給部12、トレイ停留部13、及びトレイ排出部14,15は、それぞれトレイTを載置した状態で鉛直方向(Z方向)に昇降し得る昇降テーブル、昇降テーブルを昇降駆動する駆動機構等を備えている。
可動テーブル21は、図1及び図2に示すように、矩形形状の輪郭をなすように形成され、トレイ収納部10から供給されX方向に隣接して配列された3つのトレイTを担持し、又、Y方向に隣接して配置された1つのトレイTを担持するようになっている。
そして、ハンドラ40,40´がトレイTから未検査のワークWを受け取る際に又トレイTに検査済のワークWを受け渡す際に、可動テーブル21は、その対象となるトレイTを一対のハンドラ40,40´(二つのガイド401)の略中間にある直線L(図2参照)の近傍に位置付けるように駆動される。
すなわち、一対のハンドラ40,40´は、それぞれ、Y方向に伸長するガイド401、ガイド401の内部空間においてY方向に伸長して配置されたリードスクリュー402、リードスクリュー402に螺合されてY方向に移動自在な水平可動部403、水平可動部403に保持されZ方向に移動自在な鉛直可動部404、鉛直可動部404に連結されて水平面(XY平面)内で揺動自在な関節型アーム410、関節型アーム410の先端に設けられた複数(ここでは、4つ)の吸着ヘッド420等を備えている。
したがって、モータ405が回転することで、リードスクリュー402を介して水平可動部材403、すなわち、関節型アーム410及び複数の吸着ヘッド420が水平方向(Y方向)の所望の位置に移動させられる。
アーム鉛直駆動機構406は、図2に示すように、モータ406a、モータ406aにより回転駆動されると共に鉛直可動部材404に螺合するリードスクリュー(不図示)等により形成されている。したがって、モータ406aが回転することで、リードスクリューを介して鉛直可動部材404、すなわち、関節型アーム410及び複数の吸着ヘッド420が鉛直方向(Z方向)の所望の高さ位置に移動させられる。
減速機構407cは、プーリ407dが直結された楕円状カム、楕円状カムの外周に配列された複数のボールベアリング、ボールベアリングの外側に外嵌され外周面に複数の歯を有すると共に関節型アーム410,410´に直結された弾性変形可能な筒状スプライン、内周面において筒状スプラインの歯が噛合する歯を有すると共に鉛直可動部材404に固定された剛体スプライン等を含み、モータ407aの回転を減速させて関節型アーム410に伝達するものである。
したがって、モータ407aが回転することで、減速機構407c等を介して、関節型アーム410及び複数の吸着ヘッド420が水平方向(XY平面上)の所望の位置に移動させられる。
したがって、モータ408aが回転することで、ベルト408d等を介して、複数の吸着ヘッド420が関節型アーム410に対して水平面内の所望の角度位置に回転して位置決めされる。
また、下側ヘッド422は、図7ないし図9に示すように、上側ヘッド421に対して、水平面(XY平面)内に軸線をもつ枢軸429aによりR1回りに所定の角度範囲(例えば、±1度〜±1.5度)内で揺動自在に、かつ、枢軸429aに垂直で水平面(XY平面)内に軸線をもつ枢軸429bによりR2回りに所定の角度範囲(例えば、±1度〜±1.5度)内で揺動自在に、連結されている。
尚、下側ヘッド422は、外部から力が作用しない状態では、バネ429cにより均等に付勢されて、上側ヘッド421と同一方向に(上側ヘッド421に対して傾斜しないように)方向付けられている。
そして、可動パイプ427は、着脱パッド427b及び規制枠427cが空洞部425に収容されて、図10(a)に示すように、規制枠427cの下面が空洞部425の底面425bに着座した状態から、図10(c)に示すように、着脱パッド427bが空洞部425の上面425bに密着した状態に至るまでの範囲を上下方向に往復動自在に支持されている。
また、可動パイプ427は、下側ヘッド422の挿通孔422aに摺動自在に通されて、リード押え422cの内側においてリード押え422cから出没自在となっていると共に、空洞部425に対して所定の角度範囲で揺動自在となるように、貫通孔425aに対して所定の隙間をもって挿入(連結)されている。
そして、ステップモータ426aが回転することで、ホルダ424は上側ヘッド421に対して鉛直方向(Z方向)に移動し、下側ヘッド422(リード押え422c)からの可動パイプ427(吸着パッド427a)の突出量が調整されるようになっている。尚、仮にステップモータ426a等が故障しても、ホルダ424はバネ429cにより上向きに付勢されているため、ホルダ424の自重による落下を防止できる。
先ず、可動テーブル21が駆動されて、未検査のワークWを載せたトレイTが略中央(直線Lの近傍)に位置付けられる。そして、一方のハンドラ40が、そのトレイTから未検査のワークWを吸着して取り出し、Y方向の左奥にある位置決め部50まで搬送し(図11中の経路A)、そこで一旦ワークWを離して位置決めした後、ワークWを再び吸着して、図12に示すように、検査部30(ソケット31)まで搬入する(図11中の経路B)。そして、検査部30による検査が行われる。
そして、検査が終了すると、一方のハンドラ40は検査済のワークWをY方向の前方中央まで搬送(搬出)して、可動テーブル21上のトレイTに受け渡す(図11中の経路D)。このとき、可動テーブル21は、検査済みのワークWを収納するトレイTを略中央に位置付けるように駆動される。
そして再び、可動テーブル21が駆動されて未検査のワークWを載せたトレイTが略中央(直線Lの近傍)に位置付けられ、一方のハンドラ40が、そのトレイTから未検査のワークWを吸着して取り出し、Y方向の左奥にある位置決め部50まで搬送し(図11中の経路A)、そこで一旦ワークWを離して位置決めした後ワークWを再び吸着して、他方のハンドラ40´に保持されたワークWの検査が終了するまで、その位置又は検査部30の近傍の位置で待機する。
そして、他方のハンドラ40´に保持されたワークWの検査が終了すると、他方のハンドラ40´は検査済のワークWをY方向の前方中央まで搬送(搬出)して、可動テーブル21上のトレイTに受け渡す(図11中の経路F)。このとき、可動テーブル21は、前述同様に、検査済みのワークWを収納するトレイTを略中央に位置付けるように駆動される。
先ず、図16(a)に示すように、吸着ヘッド420(可動パイプ427の吸着パッド427a)が、未検査のワークWを載せたトレイTの上方に位置付けられる。このとき、可動パイプ427は空洞部425の下端に位置している。
そして、図16(b)に示すように、ホルダ鉛直駆動機構426の駆動により、ホルダ424が下降すると同時に、可動パイプ427の下端に設けられた吸着パッド427aがワークWを目指して下降し始め、図16(c)に示すように、吸着パッド427aがワークWの上面に接触する。ここでは、吸着パッド427aの中心とワークWの中心とが偏倚した状態となっている。
そして、図16(e)に示すように、ホルダ鉛直駆動機構426の駆動によりホルダ424が上昇し、可動パイプ427及び吸着パッド427aは、ワークWのリードW1がリード押え422cに接触しない位置まで上昇した位置で、ワークWを保持する。
続いて、図17(a)に示すように、アーム鉛直駆動機構406の駆動により、関節型アーム410及び吸着ヘッド420が、位置決め部50,50´上の所定の高さ位置まで下降する。
そして、吸着ヘッド420による吸引動作が解除されて、図17(b)に示すように、可動パイプ427が下降して空洞部425の底面に保持されると共に、ワークWが吸着パッド427aから離脱して位置決め部50,50´に落ち込み、位置決めされる。
そして、図17(d)に示すように、ホルダ鉛直駆動機構426の駆動により、ホルダ424と一体となって可動パイプ427及び吸着パッド427aが上昇し、ワークWが下側ヘッド422の凹部422bに入り込んで、リードW1がリード押え422cに接触する。
その後、アーム鉛直駆動機構406の駆動により、関節型アーム410及び吸着ヘッド420が下降して、図17(f)に示すように、ワークWを検査部30(ソケット31)にセットすると同時に所定の圧力で押し付けて保持する。この状態で検査が行われる。
検査が終了すると、アーム鉛直駆動機構406の駆動により、関節型アーム410及び吸着ヘッド420は上昇して所定の高さ位置に保持され、図18(a)に示すように、ワークWを、検査部30(ソケット31)から搬出して可動テーブル21に担持されたトレイTの上方まで移動させる。
そして、図18(d)に示すように、アーム鉛直駆動機構406の駆動により、関節型アーム410及び吸着ヘッド420は上昇し始めると共に、可動パイプ427は空洞部425の下端にて保持される。
その後、図18(e)に示すように、関節型アーム410及び吸着ヘッド420が所定の高さ位置まで上昇した時点で、一連の搬送及び処理動作が終了する。
この装置においては、上記のような一連の動作が、ハンドラ40,40´において交互に連続的に行われる。
上記実施形態においては、ワークWとして半導体チップを示したが、これに限定されるものではなく、その他の電子部品あるいは機械部品等をハンドリングの対象としてもよく、又、ワークWに施す処理及び処理部として、電気的特性の検査及び検査部30を示したが、これに限定されるものではなく、ワークに対して切削、塗装等の加工、あるいは、部品の組付け等の如く、その他の処理を施す処理部に対して、本発明の装置を適用してもよい。
上記実施形態においては、複数の吸着ヘッドとして、全て同一のものを採用したが、異なる種類のものを採用して、ワーク及び処理部(検査部)の種類に応じた吸着ヘッドを適宜選択して使用することもできる。
上記実施形態においては、装置に対して処理部(検査部30)を含める構成を示したが、処理部(検査部30)そのものは本発明の構成要素ではなく、本発明の装置が所定の処理部に対して適用されるようになっていればよい。
W ワーク
10 トレイ収容部
20 トレイ担持部
21 可動テーブル
30 検査部(処理部)
31 ソケット
40,40´ ハンドラ
50,50´ 位置決め部
60 上板
70 制御ユニット(制御手段)
401 ガイド
402 リードスクリュー
403 水平駆動部
404 鉛直駆動部
405 モータ
406 アーム鉛直駆動機構
407 アーム水平駆動機構
408 ヘッド駆動機構
410,410´ 関節型アーム
420 吸着ヘッド
421 上側ヘッド
422 下側ヘッド
422a 挿通孔
422c リード押え
423 吸引管
424 ホルダ
424a 負圧通路
425 空洞部
425a 貫通孔
425b 底面
425c 上面
426 ホルダ
427 可動パイプ
427a 吸着パッド
427b 着脱パッド
427c 規制枠
429a,429b 枢軸
429c バネ
430 ピッチチェンジャ
440 連結部
Claims (4)
- ワークを載せるトレイを担持するトレイ担持部と、
ワークに対して所定の処理を施す処理部と前記トレイとの間で往復動自在に配置され,かつ,ワークを搬送するべく水平方向及び鉛直方向に駆動される関節型アーム及びその先端に設けられた吸着ヘッドを有するハンドラと、
前記ハンドラを駆動制御する制御手段と、を備え、
前記吸着ヘッドは、負圧を導く負圧通路及び前記負圧通路の下方に連通すると共に底面に貫通孔を有する空洞部を画定するホルダと、前記ホルダを支持する上側ヘッドと、前記上側ヘッドに対して水平面内の所定軸回りに揺動自在に連結された下側ヘッドと、前記下側ヘッドを前記上側ヘッドと同一の方向に方向付ける付勢力を及ぼすバネと、前記下側ヘッドの挿通孔に摺動自在に通され,その上端に着脱パッドを有すると共に前記ホルダに対して所定の角度範囲で揺動自在となるようにその上端が前記空洞部に収容され,その下端に吸着パッドをもつ可動パイプと、を含む、
ことを特徴とするワークハンドリング装置。 - 前記ハンドラは、前記関節型アームを水平面内で揺動自在に駆動するアーム水平駆動機構と、前記関節型アームを鉛直方向に往復駆動するアーム鉛直駆動機構と、を含み、
前記ホルダは、前記上側ヘッドに鉛直方向に往復動自在に支持され、
前記ホルダを鉛直方向に往復駆動するホルダ鉛直駆動機構をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のワークハンドリング装置。 - 前記可動パイプは、その上端に前記空洞部の上面に着脱し得る前記着脱パッド及び前記着脱パッドの変形量を規制する規制枠を有し,前記規制枠の下面が前記空洞部の底面に着座した状態から前記着脱パッドが前記空洞部の上面に密着した状態に至るまでの範囲を上下方向に往復動自在に前記貫通孔を通して前記ホルダに支持されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のワークハンドリング装置。 - 前記貫通孔は、前記可動パイプが前記空洞部に対して所定の角度範囲で揺動自在となるべく,前記可動パイプに対して所定の隙間を設けるように形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のワークハンドリング装置。
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