JP4828797B2

JP4828797B2 - 患者を快適に保つ器具およびシステム

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Publication number: JP4828797B2
Application number: JP2003583510A
Authority: JP
Inventors: アウグスチン，スコット，ディー．; アンダーソン，トーマス，ピーター; アーノルド，ランダール，チャールス
Original assignee: アリザントヘルスケアインク．
Priority date: 2002-04-10
Filing date: 2003-04-10
Publication date: 2011-11-30
Anticipated expiration: 2023-04-10
Also published as: US7837721B2; US20060052853A1; US20140058485A1; EP2255759A2; US11311411B2; AU2003223554B2; WO2003086500A3; EP1494733A2; JP2005522591A; EP2255759A3; ES2650212T3; WO2003086500A2; MXPA04009700A; US20030195596A1; CA2480830A1; EP2255759B1; US7001416B2; EP1494733B1; EP1494733A4; AU2003223554A1

Description

本発明は、与圧され温度調整された空気の流れを受け入れ、与圧された空気を空気構造物内で配分し、温度調整された空気と身体との間の熱の対流伝達のためにその空気を１つ以上の表面を通じて放出する、人間または動物の身体で受け取ることができる空気対流式装置を含む、患者を快適に保つシステムに関する。特に本発明は、医療用衣服とともに使用できるように空気対流式装置を構成する手段によって、治療環境において人間または動物の身体を暖め、このような衣服の着用者に温度処理を提供する同時に、使用者の動きを可能にし、かつ治療上の利便性を向上させることに関する。

関連出願の相互参照
本出願は、２００２年４月１０日出願の米国仮出願第６０／３７１，３１４号の出願日の利益を享受するものである。

本出願は、本出願と同時に出願されている米国特許出願番号（）の「強制空気加温ユニット（FORCED AIR WARMING UNIT）」および米国特許出願番号（）の「患者を快適に保つ器具およびシステム（PATIENT COMFORT APPARATUS AND SYSTEM）」と題する出願と、米国意匠特許番号（）の「強制空気加温ユニット（FORCED AIR WARMING UNIT）」と題する出願に関連する対象発明技術を含む。

温度調整された空気と身体との間で熱を伝達する空気装置は周知である。例えば、快適性を高め、寒さによる震えを軽減し、低体温症を治療または防止するという目的を達成するために、与圧され暖められた空気の流れを受け入れ、与圧された空気に応じて膨張し、暖められた空気を構造物内で配分し、暖められた空気を身体に放出する、膨張可能な空気装置がある。これらの膨張可能な装置は一般に、「ブランケット」または「カバー」と特記されている。本出願の譲受人であるＡｒｉｚａｎｔＨｅａｌｔｈｃａｒｅＩｎｃ．は、このような装置をＢＡＩＲＨＵＧＧＥＲ（マルアール）というブランドの下で製造販売している。その装置の１つが、Ｍｏｄｅｌ５２２ＵｐｐｅｒＢｏｄｙＢｌａｎｋｅｔである。

膨張可能な空気加温ブランケットまたはカバー装置は特に、仰臥している人が使用するのに適しており、通常はベッド、車輪付き担架、または手術台に寝ている人に直接掛けて、その人の身体の一部分を覆う。これらの装置は仰臥している人を覆い、および掛けるように設計されているため、立っている人、座っている人、もたれかかっている人、または動いている人に対して簡単におよびたやすく利用することはできない。特に膨張可能なブランケットは、患者を暖めることが望ましいような治療環境や、患者が動き回り様々な姿勢をとれることが必要とされるような治療環境には適していない。また、患者を加温することが望ましいような状況には多様な状況があり、それぞれの状況で、膨張可能なブランケットではできないような、患者の身体への独自のアクセスが必要とされる。例えば、初期救急処置ユニット（ＰＡＣＵ）における患者の検査または治療では、患者の胸部へのアクセスや腕への点滴の装着、また、背中および／または横腹に聴診器を当てたり、血圧測定用カフを装着することが必要になることがある。さらに、診療所や病院を患者が自由に移動できることが望ましい場合でも、膨張可能なブランケットを使用していると移動が非常に制限されることがある。例えば、車椅子で患者をＸ線やＭＲＩ検査場所に移送する場合、膨張可能なブランケットによって問題が生じることがある。

患者と看護士の双方がガウンなどの医療用衣服を扱い、患者が医療用衣服を着用しているあらゆる状況において看護士が看護方法を知っているような環境では、定着し、しかも馴染みのある手順を変えないことに利点もある。加温のために膨張可能なブランケットを使用したならば、日常の診療においてこの新しい要素に対処するために、新たな手順が必要になるであろう。

仰臥以外の姿勢に適した膨張可能な空気ブランケットを構成する試みが、ＡｕｇｕｓｔｉｎｅＭｅｄｉｃａｌ，Ｉｎｃ．に譲渡された米国特許第５，６９７，９６３号において実施されており、これを参照により本願明細書に援用したものである。この構成では、先端部ドレープを有する膨張可能な空気ブランケットには先端部ドレープに、椅子に座っている人の頭部を受け入れることができる十分な大きさのアパーチャが設けられている。ただし、この構成は、この装置が人の身体を覆い、人の周囲の暖められた空気と熱を保持するために、装置を使用している人が座った姿勢またはもたれかかった姿勢を維持しなければならないという点で、使用が制限される。このような装置は、人の姿勢の移動または変化に対応したり、患者の身体に容易にアクセスできるようには設計されていない。これらの装置の目的は、患者に熱量を供給することによって、低体温症を治療することである。

仰臥している人が使用するように設計されたその他の膨張可能な空気加温装置は、少なくとも部分的に囲む管状構造物を使用し、人とこの構造物にまたがるシート材料を利用して、人の周囲の暖められた空気と熱を保持する。これらの装置は、仰臥以外の使用に対してブランケット装置よりもはるかに不適である。例えば、参照により本願明細書に援用した米国特許第５，３００，１０１号および第５，６７４，２６９号を参照するとよい。

患者が姿勢を変えしかも治療手段に大幅な影響または変化を与えることなく、ある程度の移動性を受けるような診療の環境において、快適性を高め、寒さによる震えを軽減し、低体温症を治療または予防するという目的を達成する空気対流式装置が必要とされている。例えば、診察のために医師を訪問した患者は診察室に案内され、診察できるように衣服を脱ぎ、薄いガウンを着用して医師を待つように指示されることがある。このような環境では、患者が寒さで震えたり、低体温症につながるような状況に置かれることがある。患者の不安がこのように寒い不快な環境によって高まることがよくある。不安が高まるに伴って、患者は時間の経過が遅く感じられ、不安な気持ちで待つ時間が長くなったように思われることがある。このように寒い不快な環境では、１時間待つことが患者にとって２時間待つように思われる。人は心配があると血管が収縮する傾向があり、血管が収縮すると、末梢の体温の低下と血圧の上昇につながることがあり、点滴を施すことが極めて困難になることがある。また、寒いと感じると苦痛が増すという証拠が存在する。このような環境では、薄いガウンで保温、暖かさ、快適性はほとんどもたらされない。したがって、温度処理された空気を浴びることによって患者が満足し、快適になるだけではなく、治療環境において冷えた患者を暖めることによって、以下の予期せぬ恩恵がもたらされるはずである。１）血圧が下がり、点滴を施しやすくなる。２）痛みが軽減する。３）時間の経過が遅くなるという患者の感覚が正常に戻る。４）不安が軽減され、投薬の必要性が低減する。温度面での患者の快適性が保たれると、これらの目的とその他の目的が実現される。この点に関してＰ．Ｏ．Ｆａｎｇｅｒは、人の「温度面での快適性」を「温度環境に満足していることを表す心の状態」と定義している。Ｆａｎｇｅｒ著『ＴｈｅｒｍａｌＣｏｍｆｏｒｔ：ＡｎａｌｙｓｉｓａｎｄＡｐｐｌｉｃａｔｉｏｎｓｉｎＥｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔａｌＥｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ』ＤａｎｉｓｈＴｅｃｈｎｉｃａｌＰｒｅｓｓ，Ｃｏｐｅｎｈａｇｅｎ，１９７０年。

医師を待つ間や診察または治療を受けている間にも、快適で健康に良い温度を特徴とする、患者を温度面で快適な状態に保つことができる手順、方法、または器具を提供することが好都合であろう。膨張可能なブランケットまたはカバーをこの目的で利用できるが、仰臥、伏臥、または座った姿勢を維持することを患者に要求するために、極めて非実用的である。治療上の利便性と有用性を実現するには、使用者の動きと、治療のために使用者に装着される装置自体の動きを可能にする加温機能を１つ以上の形態で空気対流式装置が果たすような、より柔軟な解決策が必要である。医療用衣服の使用を前提とした現代の治療方式に適応した解決策であれば、好都合であろう。最適な暖房を実現するには、このような形態によって、皮膚温度受容器が密集している、暖められる身体の部分に対流効果を集中させるべきである。この部分には、頭部、首、胸、および腹部が含まれる。

立っていたりおよび／または動いている人に対して温度を調整する空気装置は周知である。米国特許第４，４５７，２９５号に記載されているこのような装置の１つでは、悪い環境で酷使することを想定した衣料品に空気対流式手段が組み込まれている。この装置の目的は、与圧され加熱された空気を、閉じた衣料品の内部全体に通すことで加温と換気を行うことである。与圧され加熱された空気は、オートバイエンジンの排気マニホールドなどのように、特定の悪い環境に適した供給源から弁システムを通じて供給される。衣服を着用者に適合させ、装置が利用される環境から保護するために衣服を閉じた構造にする。このため、その装置にはさらに、衣服内から湿気を排出する手段が必要である。通常は閉じられた構成であり、複雑な空気構造であるため、この装置は治療環境において患者を快適に保つために使用するには不便であり、非実用的である。

米国特許第３，４６８，２９９号に記載されている空気衣服は、人に対する暖房と換気を行うために悪い環境で使用することを想定したフード付きオーバーを含んでいる。この装置も、その構造と動作が原因で、治療環境において患者を快適に保つために使用するには適していない。

本発明は、外来患者に対して現在使用できる衣服が、空気対流式装置と組み合わせた場合に温度面の快適性を提供するのに適しているという重要な認識に基づいている。この点に関して、スカートやキルトなどのように下に開いて着用し、主に使用者の肩および／または首で支えられ、後部または側部で開いている軽量のローブまたはガウンを「医療用衣服」と呼ぶ。これらの医療用衣服を着用した使用者は動くことができる。また、これらの医療用衣服は、臨床医が簡単に移動、調節、取り外し、および元に戻すことができるという点で、診察中の医師にとっても便利である。したがって、本発明は、医療用衣服とともに使用するのに適している空気対流式装置による、寒い感覚に対処する空気対流式温度処理を提供する。また、本発明は、医療用衣服と空気対流式装置の組み合わせと、加温によって患者の快適性を維持するためにこのような組み合わせを採用するシステムと方法も含む。空気対流式装置は、主に使用者の最も温度に敏感な領域に集中または向けられる効果的な対流加温を提供する。また、これらの装置は使用するために、簡単に製造、保管、および利用することができる。最後に、本発明の目的は患者の状態を温度面で快適にすることであって、低体温症治療を提供することではないため、温度が１０５°Ｆ未満の気流が空気対流式装置から１５ＣＦＭ（１分当たりの立方フィート）未満で放出されることが望ましい。

本発明は、与圧され温度調整された空気の流れを受け入れ、与圧された空気を空気構造物内で配分し、温度調整された空気と身体との間の熱の対流伝達のためにその空気を１つ以上の表面を通じて放出する、治療環境において人間または動物の身体で受け取ることができる空気対流式装置として実施される。本発明は、治療環境において温度面で患者を快適に保つために医療用衣服と組み合わせて使用される空気対流式装置としてさらに実施される。本発明の様々で具体的な実施形態を、例を挙げて示し、説明する。この例では、患者の動きを可能にし治療上の利便性を向上するために、身体の中心部に対流加温を集中させることにより、人間の身体が暖められる。ただし、このことは、本発明が冷却に使用できないことを主張しているわけではなく、実際には、冷却にも使用できるのである。

さらに、身体への熱の伝達を示すために「対流」という言葉を使用するのは、主たる方式の熱伝達を指すためであって、対流にまで至らない伝導と放射によっても、本発明による装置と身体との間で同様に熱を伝達できることも理解できる。

空気対流式装置は、治療の待合中または治療中に治療環境において人に一時的に着用させるために一般に使用される医療用衣服とともに使用するのに適している。医療用衣服には、診察用ガウン、ローブ、胸当て、およびこれらに相当するものが含まれる。治療環境は、診療所、歯科医院、獣医診療所、医院、病院、または患者に治療を施す施設または機関であり得る。

空気対流式装置は、人間、動物、患者、臨床医、開業医、立会人などが使用できるように開発することができる。

空気対流式装置は、与圧され温度調整された空気の少なくとも１つの流れを受け入れ、身体の中心部またはその付近に配置される構造物にこの空気の流れを配分するための空気部分を有する。

以下で示し、説明する本発明の実施形態は、膨張可能である。すなわち、これらの実施形態の構造物は使用していない時には弛緩しており、与圧された空気を受け入れた時には張っている。図では、これらの構造物の膨張した状態と膨張していない状態の双方を示しているが、これらの実施形態の膨張は本発明の実施にとっては必須ではないことも理解出来る。実際に、実施形態を検討すれば明らかなように、膨張性自体は本発明の実施にとっては必須ではない。

一部の実施形態では、空気対流式装置とともに使用するように医療用衣服を特別に設計することができる。このように特別に設計された医療用衣服は従来の医療用衣服と同じ機能（すなわち、待合中や治療中に治療環境において一時的に患者に着用させること）を果たすが、空気対流式装置用の取り付けシステムを備えたり、空気対流式装置にアクセスするためのスリットや開口部などを組み込むこともできる。他の実施形態では空気対流式装置は医療用衣服の構成部分である。

実施例１
図1A〜1Cは、本発明による医療用衣服とともに使用するように配置された空気対流式装置の実施形態を示している。空気対流式装置１１０は、診察用ガウン１１２に装着するか、診察用ガウン１１２上で受け止めることができる。装置１１０には、外周１１８でともに連続的に密閉され、外周内の複数の位置１２０で断続的に密閉された、概ね矩形の２つのシート１１４および１１６が含まれる。図示したように、シート１１４および１１６は概ね四角形と同じ形状であり、１つの縁にオプションのＵ字形へこみ１２２がある。シート１１６には少なくとも１つの開口部１２８が設けられ（図では２つの開口部を示している）、吸気口１２７を備える四辺形のホースカード１２６が開口部１２８を覆ってシート１１６に取り付けられ、吸気口１２７は穴１２８に揃えられている。少なくとも１つの開口部１２８は、シート１１４と１１６との間の空間と連絡するように設けられている。

吸気口１２７は空気ホースの先端を受け入れることができる。与圧され温度処理された空気の流れがこの末端から開口部１２８を通って、シート１１４と１１６との間の空間に流れ込む。シート１１４および１１６の少なくとも１つに通気性がある。この例ではシート１１４にのみ通気性があるが、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。シート１１４の通気性を、シートを形成する素材の特性によって確保してもよいが、シート１１４および１１６を接合する処理の間に穴またはアパーチャ１３２をシートに形成することもできる。あるいは、形成素材の特性とアパーチャを形成することの両方によって、シート１１４の通気性を確保することもできる。

このように構成することで、シート１１４と１１６との間に、与圧された空気を受け入れその内部に配分することができる空気構造物が形成される。装置の少なくとも１つの通気性部材（例えばシート１１４）はこの空気構造物と組み合わせて機能することにより、与圧された空気を装置から放出する。この点に関して、空気ホースの一方の末端を吸気口１２７を通して受け入れることができる。与圧され温度調整された空気が空気ホースを通って流れて、シート１１４と１１６との間の空間が充満し、空間全体に配分される。与圧された空気は、空気構造物から通気性シート１１４を通って放出され、放出された空気の動きが、通気性シート１１４に面した空気構造物の付近の身体への熱伝達を維持する。

図１Ｂに示したように、空気対流式装置１１０を診察用ガウン１１２などの医療用衣服に取り付け、医療用衣服で受け止め、医療用衣服で支え、または医療用衣服と組み合わせるように構成されている。この実施形態では、ガウン１１２自体に垂れ蓋１４４の付いた開口部１４２があり、その垂れ蓋を通じて装置１１０の吸気口１２７にアクセスできるようになっている。空気対流式装置１１０をガウン１１２に装着するために、両面接着ストリップ１５０をシート１１６とガウン１１２の内側表面１５２との間に配置することができる。シート１１６を表面１５２と接着することで、装置１１０をガウン１１２に取り付け、ガウンで受け止め、ガウンで支え、またはガウンと組み合わせることが可能になり、ガウン１１２の縁１５４付近のＵ字形へこみ１２２が使用者の首を受け入れ、シート１１６が内側表面１５２に面し、通気性シート１１４がガウン１１２の着用者に面するようになる。本発明の実施では、Ｕ字形へこみ１２２はオプションであり、本発明を実施するために不可欠なものではない。

図１Ａ〜１Ｃの空気対流式装置の変形形態が図１D〜１Eである。この変形形態では、ガウンの内側表面１５２の一部分が装置１１０の構造に組み込まれており、図１Ａ〜１Ｃのシート１１６の役割を果たしている。その他の点では、装置１１０の構造と動作は既述のとおりである。

別の方法として、図１Ｄ〜１Ｅに示した装置を、非通気性シートがガウン１１２の外側にくるように構成することができる。この場合、ガウンの内側表面１５２を含むガウン１１２の部分が通気性シートの役割を果たす。

図１Ａおよび図１Dに示した各実施形態の構成方法を理解するためには、図１Ｃおよび図１Ｅを参照する。シート１１４および１１６はともに、押出し成形された合成素材の層（１１４ａ、１１６ａ）が不織布の層（１１４ｂ、１１６ｂ）に沿っている積層構造を有することができる。積層構造を選択した場合、シート１１４の両方の層１１４ａ、１１４ｂを貫通する穴またはアパーチャ１３２を形成する。図１Ｃでは、シート１１４および１１６が、押出し成形された層（１１４ａ、１１６ａ）が面するような向きになっており、不織布の層の一方まで作用する接着処理、加熱処理、または超音波処理によってシール１１８、１２０が形成される。図１Ｅでは、シート１１４が上述の積層構造であってもよい。ガウン１１２は綿などの織布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド素材（ＳＭＳ）などの不織布であり、内側表面１５２の一部と積層シートの押出し成形された層との間のシールを、接着処理、加熱処理、または超音波処理によって形成することができる。不織布の例としては、ポリエステル、綿、レーヨン、ポリプロピレン、および木材パルプのいずれ１種か、またはそれらの組み合わせが挙げられる。押出し成形された合成素材の例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、およびポリウレタンが挙げられる。図１Ａの装置１１０をガウン１１２に装着するための素材および機構の例としては、両面接着、フックアンドループ、縫い付け、留め金、熱、超音波、リベット、およびこれらに相当する任意のものが挙げられる。

図１Ｆ〜１Ｇは、ガウン１１２の前部を示している。吸気口１２７にはガウン１１２の前部からアクセスできる。開口部１２８を通じてアクセスする吸気口１２７が１つ以上あってもよい。このような場合には、吸気口１２７をプラグ方式にすることが望ましい。空気ホースとともに使用していない吸気口１２７を閉じるために、吸気口プラグ１３１を使用することができる。参照により本願明細書に援用した米国特許第５，９９７，５７２号に記載されている各種プラグを使用して吸気口１２７を閉じることができる。

図１Ｈは、上述の空気対流式装置１１０を含むガウン１１２を着用した患者１０８が立っている状態を示している。患者は、外来施設の診察室またはその他の任意の適切な場所に居てもよい。図ではガウン１１２が接続線付きで示され、ガウンがどのように患者に装着されるかを表している。与圧され、温度処理された空気の流れを吸気口１２７を通して装置１１０に供給するために、空気対流式装置１１０に接続された空気ホース１６０の末端１５８をホースカード１３０で受け入れることができる。図１Ａ〜１Ｃに示した実施形態の場合には、垂れ蓋１４４を持ち上げて、吸気口１２７とホースカード１３０がガウンの開口部１４２を通じて露出する。図１Ｄ〜１Ｅに示した実施形態の場合には、ホースカード１３０へのアクセスはガウン１１２の前部にある（ガウン開口部がない）。空気ホース１６０の他方の末端は与圧され温度制御された空気を装置に送ることができる加温ユニット１６２に接続される。この加温ユニットは、参照により本願明細書に援用した、同時に出願されている同時係属の特許出願「強制空気加温ユニット（FORCED AIR WARMING UNIT）」に記載されているユニットと類似している。空気対流式装置１１０に空気が流れる前のホース末端１５８における温度は周囲温度〜４２℃の範囲である。患者に供給される空気の平均温度は、ガウンの設計に応じてこの範囲を下回ってもよい。空気対流式装置１１０に空気が流れる前のホース末端１５８における気流の許容範囲は５〜１５ＣＦＭである。空気対流式装置１１０内部の圧力の許容範囲は、０．２５〜０．７５インチ水柱である。図示したように、加温ユニット１６２を点滴架台１６４に取り付けることができる。

与圧され温度処理された空気が装置１１０に流れると、装置１１０が張り、空気がシート１１４を通って放出され、人１０８が温度制御された空気に接する。人１０８がガウン１１２を着用している図１Ｈからわかるように、装置１１０は、主に人の首と大腿部との間の領域において通気性シート１１４が人１０８に覆うように配置される。このため、与圧され温度処理された空気が装置１１０に流れると、その空気は装置内で充満し、シート１１４を通って放出され、放出された空気は主にその人の上胸部に集中する。その結果、対流によって、放出され温度処理された空気と人の身体の中心部との間で熱伝達が発生し、人の身体から環境への熱損失が低減される。

上述した実施形態と後述する実施形態における医療用衣服は、標準的なガウン、変更されたガウン、または特定目的のガウンのいずれであってもよい。これらガウンは、背面開口部、前面開口部、またはポンチョ風ガウンの先端開口部などその他の適切な開口部のいずれを有してもよい。図に示した種類のガウンには背面開口部がある。図１Ａ〜１Ｂでは、ガウン１１２に、首部分１５４から裾１５５まで達するスリット１７０がある。ガウン１１２を患者に装着させるために、簡単にガウンを患者に固定するだけではなく、様々な体型の着用者に対応できるようにガウンのサイズを簡単に調整できるように、繋ぎ合せ手段が設けられている。図１Ａは、合わせて留め、更にガウンを患者に装着できるかぎホックボタン１７１ａ、１７１ｂを使って、スリットの向かい合う側１７０ａ、１７０ｂに沿って位置決めするという１つの方法を示している。別の装着方法として、結び合わせることによってガウンを患者に装着できる複数の紐１７２をスリットの向かい合う側１７０ａ、１７０ｂに沿って位置決めすることもできる。また別の装着方法として、かぎホック要素、両側接着、留め金、リベット、およびこれらに相当する任意のものを使用できる。

一部の実施形態では、医療用衣服が、患者の腕を受け入れるようにサイズと位置が決められた袖を含むことができる。適切な袖の例を２つ図示している。図１Ａ〜１Ｂでは、袖部分１７５に、肩または上端１７７の全長にわたるスリット１７６がある。これにより、患者の上半身へのアクセスとスリット１７６の開閉が可能になる。この開閉は、ベルクロボタン（Ｖｅｌｃｒｏｂｕｔｔｏｎ）、留め金、位置変更可能な接着、かぎホック要素、両面接着、フックアンドループ、リベット、およびこれらに相当する任意のものを使用した調整可能な方法で行われる。図１Ａに示した設計によって、一体型でガウン１１２を容易に製造することも可能になる。図３Ａ〜３Ｂに示した別の実施形態では、袖３７４がガウン３１２の主要部分または本体部分に取り付けられ、開くことができないようになっている。

図２Ａ〜２Ｄでは、空気ホース２６０の末端２５８が、環状接合部２１２において空気ホース２６０に取り付けられたノズル２１０の形状になっている。ノズル２１０は、９０°未満の角度で管状後部２１１から管状前部２１４まで回転することができる。図１Ａ〜１Ｆのいずれかの空気対流式装置のホースカードにノズルを解除可能なように連結するための機構をノズル２１０に備えることが望ましい。このような機構の例を、これらの図に示している。向かい合うスロット２２０がノズルの前部２１４に沿って縦方向に切られており、ノズルの末端２１７まで達している。環状フランジ２１６がスロット２２０の全面に位置する前部２１４の周囲に、末端２１７から奥まった位置で形成されている。向かい合うトングを備える可撓性のあるＵ字形ラッチ２２２がノズル２１０の内側に取り付けられている。このラッチは、トングがスロット２２０に受け入れられる末端２１７から、Ｕ字形ラッチ２２２のばね末端を受け入れて、固定するように溝２２３が切られている後部の末端２１３まで達する。トングの外側に指型片２２５が環状フランジ２１６の後方で、スロット２２０に受け入れられる。トングの末端にはくさび形要素２２７が備え付けられており、環状フランジ２１６の前方にくる。図２Ａからわかるように、ラッチ２２２のトングが両方ともノズルの内部に向かって曲げられており、指型片２２５に加えられる圧力に応じてスロット２２０から離れる。図２Ｂによれば、圧力が解放されると、トングが環状フランジ２１６に跳ね返る。図１Ｈ、図２Ａ、および図２Ｂを参照して説明すれば、作動時には、空気ホース２６０の末端にあるノズル２１０が吸気口１２７まで持って行かれ、トングが両方とも図２Ａのように曲げられ、環状フランジ２１６がホースカード１２６に接することができるように十分奥まで前部２１４の末端が吸気口１２７に挿入される。トングに加えられた曲げ圧力が解放され、トングが環状フランジ２１６に跳ね返る。ホースカードはくさび形要素２２７と環状フランジ２１６との間に保持されるため、入力口１２７を備える空気対流式装置への空気ホース２６０との係合または連結が維持される。ラッチ２２２のトングを両方とも強く押して、吸気口１２７からノズルの前部２１４を取り外すことによって、装置へのノズル２１０の係合または連結を解除することができる。

ノズルを簡単に挿入できるように、吸気口の直径がノズルの直径よりも大きいことが望ましい。ラッチが係合されると、ノズルが吸気口の周囲にしっかりと固定され、環状フランジに接するため、嵌め合いが固定されて、吸気口とノズルの接合箇所における空気漏れが低減または解消される。また、様々な環境で装置が受ける多様な動きに対応するために、旋回するようにノズルを構成することもできる。

図３Ａ〜３Ｃは、典型的な空気対流式装置の別の実施形態を示している。ここで、本発明の実施形態による空気対流式装置３１０は、医療用衣服または診察用ガウン３１２に装着することができる。装置３１０には、外周３１８でともに連続的に密閉され、外周内の複数の位置３２０で断続的に密閉された、２つのシート３１４および３１６が含まれる。図示したように、シート３１４および３１６は概ね四辺形の同じ形状であり、一方の縁にオプションのＵ字形へこみ３２２がある。シート３１４および３１６の、向かい側の縁の両隅に突出部３２４および３２６がある。シート３１４および３１６との間の空間と連絡する開口部を少なくとも１つの設けるために、突出部３２４および３２６の末端３２８および３３０におけるシールを破断することができる。この開口部は、空気ホースの末端を受け入れることができる。この端部から、与圧され、温度処理された空気の流れが開口部を通って、シート３１４と３１６との間の空間に流れ込む。シート３１４および３１６の少なくとも１つに通気性がある。この例では、シート３１４にのみ通気性があるが、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。シート３１４の通気性を、シートを形成する素材の特性によって確保してもよいが、シート３１４および３１６を接合する処理において穴またはアパーチャ３３２をシートに形成することもできる。あるいは、形成素材の特性とアパーチャを形成することによって、シート３１４の通気性を確保することもできる。

このように構成することで、シート３１４と３１６との間に、与圧された空気を受け入れ内部に配分することができる空気構造物が形成される。装置の少なくとも１つの通気性部材（例えばシート３１４）はこの空気構造物と組み合わせて機能して、与圧された空気を装置から放出する。この点に関して、空気ホースの一方の末端を末端３２８および３３０のいずれかにおいて開口部を通して受け入れることができる。与圧され温度調整された空気が空気ホースを通って流れ、シート３１４と３１６との間の空間を満たし、空間全体に配分される。与圧された空気は、空気構造物から通気性シート３１４を通って放出され、放出された空気の流れによって、通気性シート３１４に面した空気構造物の付近の身体への熱伝達が維持される。

図３Ｂ、図３Ｈ、および図３Ｊに示したように、空気対流式装置３１０は、診察用ガウン３１２に取り付け、診察用ガウン３１２で受け止め、診察用ガウン３１２で支え、または診察用ガウン３１２と組み合わせるように構成されている。この実施形態では、ガウン３１２自体にスリット３４２および３４４があり、それを通じて装置３１０の末端３２８および３３０が受け入れられる。また、両面接着ストリップ３５０がシート３１６とガウン３１２の内側表面３５２との間に配置される。末端３２４、３２６とスリット３４２、３４４を相互接続しシート３１６と表面３５２を接着することで、装置３１０をガウン３１２に取り付け、ガウン３１２で受け止め、ガウン３１２で支え、またはガウン３１２と組み合わせることが可能になり、ガウン３１２の縁３５４付近のＵ字形へこみ３２２が使用者の首を受け入れ、シート３１６が内側表面３５２に面し、通気性シート３１４がガウン３１２の着用者に面し、末端３２４、３２６がガウン３１２の外側表面まで達するようになる。（Ｕ字形へこみ３２２はオプションであり、本発明を実施するために不可欠なものではないことに注意されたい。）
装置３１０がガウン３１２に取り付けられている図３Ｇ、図３I、および図３Ｋに示したように、シート３１４、３１６の外周間のシールが末端３３０において破断されて、空気ホース３６０の末端３５８を受け入れることができる少なくとも１つの開口部が設けられているため、与圧され温度処理された空気の流れを装置３１０に供給することができる。少なくとも１つの開口部は、末端３２８を通して設けることもできる。図３Ｇおよび図３Ｋからわかるように、末端３５８はガウン３１２の外部で末端３３０と接続される。与圧され温度処理された空気の流れが装置３１０に供給されると、図３Ｉに示したように装置３１０が張り、空気がシート３１４を通って放出される。人がガウンを着用している図３Ｋからわかるように、上述のガウン３１２に取り付けられた装置３１０は、主に人の首と大腿部との間の領域において通気性シート３１４が人の身体を覆うように配置される。このため、与圧され温度処理された空気が装置３１０に供給されると、その空気は装置内で配分され、シート３１４を通って放出され、放出された空気は主に人の身体の中心部に集中する。その結果、放出され温度処理された空気と人の身体との間でその対流によって熱伝達が起きる。

図３Ｄ〜３Ｆは、図３Ａ〜３Ｃに示したものと類似の空気対流式装置を示している。この実施形態では、ガウンの内側表面３５２の一部が装置３１０の構造に組み込まれており、図３Ａ〜３Ｃのシート３１６の役割を果たしている。その他の点では、装置３１０の構造と動作は既述のとおりである。

別の方法として、図３Ｄ〜３Ｆに示した装置を、非通気性シートがガウン312の外側にくるように構成することができる。この場合、ガウンの内側表面３５２を含むガウン３１２の部分が通気性シートの役割を果たす。また、ガウン開口部が前にある場合、これらの図の空気対流式装置をガウンの後ろに取り付けるように構成することができる。

図３Ａおよび図３Ｄに示した各実施形態の構成方法を理解するためには、図3Ｃおよび図３Ｆを参照する。シート３１４および３１６はともに、押出し成形された合成素材の層（３１４ａ、３１６ａ）が不織布の層（３１４ｂ、３１６ｂ）に沿っている同一の積層構造を有することができる。積層構造を選択した場合、シート３１４の両方の層３１４ａ、３１４ｂを貫通する穴またはアパーチャ３３２を形成する。図３Ｃでは、シート３１４および３１６が、押出し成形された層（３１４ａおよび３１６ａ）が面するような向きになっており、不織布の層の一方まで作用する接着処理、加熱処理、または超音波処理によってシール３１８、３２０が形成される。図３Ｆでは、シート３１４は、上述の積層構造であってもよい。ガウン３１２は綿などの織布またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド素材（ＳＭＳ）などの不織布であり、内側表面３５２の一部と積層シートの押出し成形された層との間のシールを、接着処理、加熱処理、または超音波処理によって形成することができる。不織布の材料例としては、ポリエステル、綿、レーヨン、ポリプロピレン、および木材パルプのいずれかが挙げられる。押出し成形された合成素材の例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、およびポリウレタンが挙げられる。図３Ａの装置３１０をガウン３１２に装着するための素材および機構の例としては、両面接着、フックアンドループ、縫い付け、留め金、熱、超音波、リベット、およびこれらに相当する任意のものが挙げられる。

図４Ａ〜４Ｃでは、空気ホース４６０の末端４５８が、環状接合部４１２において空気ホース４６０に取り付けられたノズル４１０の形状になっている。ノズル４１０の形状は円筒形または円錐台形であってもよい。図３Ａ〜３Ｆおよび図６Ａ〜６Ｉのいずれかの空気対流式装置の袖に解除可能なように連結するための機構をノズル４１０に備えることが望ましい。このような機構の例をこれらの図に示している。この例では、ノズル４１０に細長い縦方向の溝４１４が設けられている。ピボットピン４１９の上のノズル４１０にラッチ４１６が取り付けられている。ラッチ４１６は、溝４１４に向かう方向と離れる方向にピン４１９上で旋回することができる。ラッチ４１６は、溝４１４とラッチ係合してラッチを保持するために、溝４１４に嵌め込むことができるバー４１８を有している。ラッチを溝４１４から引き出してバー４１８を溝から外すことができる。バー４１８と溝４１４の嵌め込み係合によって、突出部４２６（または図６Ａ〜６Ｉに示したＹ字形の幹６２０）に形成された袖を、解除可能なように連結された係合においてノズル４１０によって保持、またはノズルに保持することが可能になり、その間に、与圧され温度処理された空気の流れが、袖を要素として含む空気対流式装置に供給される。バー４１８を溝４１４から外せば、袖とノズルを分離することができる。

ノズルを簡単に挿入できるように、袖の直径がノズルの直径よりも大きいことが好都合である。ラッチが係合されると、ラッチによって袖の余分な素材が寄せられて溝に引き入れられるため、嵌め合いが固定されて、袖とノズルの接合箇所における空気漏れが低減または解消される。また、様々な環境で装置が受ける多様な動きに対応するために、旋回するようにノズルを構成することもできる。

図４Ａ〜４Ｃに示した空気ホース末端の各部品を、プラスチックで成型したり接着によって組み立て、従来の手段によって空気ホースの末端に取り付けることができる。

図５Ａ〜５Ｃは、図３Ａ〜３Ｆによる空気対流式装置と空気ホースの末端の典型的な構成を示している。これらの図では、突出部を有するまたは有さない、へこみのない空気対流式装置５１０がガウン５１２に配置されており、通気性シート１４がガウン５１２の内側に面している。空気構造物への開口部５６８がガウン５１２の上縁５５４とシート５１４の上縁５６８との間に設けられている。この開口部５６８は、空気構造物への気流アクセスを提供する。空気ホース５６０は、湾曲部５６０のある屈曲末端５５８を有しており、その末端５６１を開口部５６８に受け入れることができ、湾曲部５６０の内側部分がガウン５１２の上縁５５４で支えられる。作動時には、与圧され温度処理された空気の流れが、ホース５６０を通って、屈曲末端５５８、湾曲部５６０、末端５６１、空気対流式装置５１０へと順に流れ込む。空気ホース末端５５８は、プラスチックで成型することができる。

図６Ａ〜６Ｉは、本発明を具体化する別の典型的な空気対流式装置を示している。図６Ａ、図６Ｂ、および図６Ｄは作成後の装置６８０を示している。図６Ａは装置の立体分解図であり、図６Ｂは装置の組立図である。空気対流式装置６８０は、２つのシート６９０および６９２を接合することで作成することができる。シート６９０および６９２の少なくとも１つに通気性があることが好都合である。この例ではシート６９２に通気性があり、そのことが、シート６９２を貫通するアパーチャ６９３によって表されている。２つのシート６９０および６９２はともに、一方の縁から向かい側の縁に向かって内側に広がる、非膨張領域６１３において各外周６１２で連続的に密閉され、非膨張領域６１３、向かい側の縁、およびシート６９０と６９２の側面によって囲まれた配分領域６１７内の複数の位置６１４で断続的に密閉されている。開口部６１５が、２つのシート６９０および６９２を貫通して、非膨張領域６１３に設けられている。概ねＹ字形の輪郭をした開口部６１９が、両方のシート６９０および６９２を貫通して、領域６１７に設けられている。領域６１７は、連続シール６１８によって開口部６１９から密閉されている。このように構成することで、装置６８０は、非膨張領域６１３、領域６１７、および輪郭が決められた開口部６１９によるＹ字形領域６２１を含む。Ｙ字形領域には、幹６２０と配分領域６１７に連絡するための２つの枝６２０ａおよび６２０ｂへの推移部分がある。

図６Ｃおよび６Ｆは、使用できるように配置された装置６８０を示している。図示したように、ＭａｅＷｅｓｔ救命胴衣のように、開口部６１５が使用者の頭部を受け入れ、装置６８０が使用者の首と肩に配置され、シート６９２が使用者の前方に面し、シート６９０が使用者から離れる側になる。この配置では、非膨張領域６１３が使用者の背中に向かって肩に覆いかぶさり、配分領域６１７とＹ字形領域６２１が使用者の胸の付近に配置され、幹６２０が使用者の腰の方向を指す。図６Ｈは、装置６８０を覆って着用された診察用ガウンを示している。ここでは、配分領域６１７が使用者とガウン６１２との間に配置され、Ｙ字形領域６２１が縁６５４を覆ってガウン６１２の外部に配置されている。

図６Ｃでは、幹６２０の末端６２２が開いている。図６Ｇでは、空気ホース６６０の末端６５８が開いた末端６２２に受け入れられ、与圧され温度調整された空気の流れを供給する。与圧された空気は、幹６２０を通ってＹ字形領域６２１の枝６２０ａおよび６２０ｂに流れ込み、そこから配分領域６１７の空気構造物全体に配分されて空気構造物を膨張させる。空気は配分領域６１７から放出され、通気性シート６９２を通って使用者の身体の中心部に向かう。この図では、装置の、膨張可能な快適なホース接続部分が首の部分に位置するが、腕、背中、肩、または下裾の各部分に位置決めすることも可能であることに注意すべきである。

次に、図６Ｄおよび図６Ｉを参照する。図６Ｈに示したように装置６８０がガウン６１２に対して配置され、図６Ｇに示したように与圧された空気が供給されると、その空気は領域６２１および６１７を通って配分され、通気性シート６９２を通って使用者の身体の中心部に向かって放出される。

シート６９２はシート６１４について上述した構造物を有することができ、シート６９０は、シート６１６について上述した構造物を有することができる。

これまで開示した実施形態の利点の１つは、ロールまたはディスペンサーボックスなどで空気対流式装置を大量に使用者に提供できるということである。例えば、ロールディスペンサーで提供される装置には、各装置を分離する穿孔ラインを付けることができる。例えば患者の更衣室や治療現場で、使用者はその場に適した新しい装置を簡単に選ぶことができる。さらに、図３Ａに示した実施形態では、必要に応じて、患者または医師がロールから空気装置を選んでガウンに挿入することができる。この方法では、ガウンを洗濯し再使用し、各空気装置を使用後に処分することができる。このロールディスペンサーにより、よりコスト効率の高い在庫保管が可能になり、アクセスが容易になる。

図７Ａ〜７Ｆは、図６Ａ〜６Ｃによる空気対流式装置と空気ホースの末端の典型的な構成を示している。図７Ｄに示した空気対流式装置７８０では、幹７２０が短くなっており、シール７１８が、シール７１８の相隔たる２つの末端７１８ａおよび７１８ｂによって輪郭が決められる末端７２２付近の開いた構成で終了している。図７Ｅおよび図７Ｆからわかるように、シート７９０と７９２との間の第三シール７１８ｃが末端７１８ａと７１８ｂとの間に配置され、開口部７１５から末端７２２に向かって延びている。これらのシールによって、幹７２０がＹ字形領域７２１の個々の枝７２０ａおよび７２０ｂに分割される。各枝は、配分領域７１７と連絡している。マニホールドとして形成されたノズル７６５は、末端７２２に受け入れられ、与圧され温度処理された空気の複数の別個の流れを装置７８０に供給するのに適している。ノズル７６５はプレナム７８０を有し、プレナム７８０と連絡する２つのプレナム７８４および７８６をさらに有している。ノズルのマニホールドとしての性質は、ノズルが、与圧され温度処理された空気の流れをプレナム７８０を通じて受け入れ、その流れを、与圧され温度処理された空気の２つの流れに分流することができるという点にある。その結果、空気の各流れが枝７２０ａおよび７２０ｂのそれぞれに流れる。これらの図に示した特定のノズル構成はマニホールドノズルの一実施形態のみを説明するためのものであって、これらの説明を十分に把握している当業者はこれに相当するその他の構成を考案するであろう。

図７Ａ〜７Ｃでは、各プレナムが円筒形部分として示されている。これは望ましい形状であるが、これ以外の形状も使用できる。プレナム７８０の末端の一方には、空気ホースの末端に固定するための接続リング７７０が取り付けられている。キャップ７８１がプレナム７８０の他方の末端を閉じている。プレナム７８４の末端の一方にはキャップ７８３が取り付けられている。他方の末端７８５は開いており、オフセットポイント（ｏｆｆｓｅｔｐｏｉｎｔ）の形状をしている。同様に、プレナム７８６の末端の一方にはキャップ７８５が取り付けられている。他方の末端７８９は開いており、オフセットポイントの形状をしている。キャップ７８３がキャップ７８１と隣接し部分的に重なり合うように、プレナム７８４がキャップ７８１付近でプレナム７８０に取り付け、接合、または一体化して形成されている。同様に、キャップ７８５がキャップ７８１と隣接し部分的に重なり合うように、プレナム７８６がキャップ７８１付近でプレナム７８０に取り付け、接合、または一体化して形成されている。図７Ｃからわかるように、ノズル７６５は接続リング７７０からプレナム７８０を経て、各プレナム７８４、７８６の各末端まで、各末端を経て、各末端から外に開いている。図７Ａおよび図７Ｅで図式的に示したように、この構成によって、流入空気の流れ７９４が２つの流れ７９６および７９８に分流される。

マニホールドノズル７６５は、末端７２２を通って幹７２０に受け入れられ、プレナムの末端７８８および７８９がそれぞれ枝７２０ａおよび７２０ｂ内に位置決めされる。マニホールドノズル７６５は、幹７２０に形成された開口部７９１に係合する柄頭のような形状物７９０によってこの位置に保持される。このように配置されたマニホールドノズル７６５は空気の流れを、与圧された空気の流れを空気ホースから受けるために空気ホースの末端に固定するように接続リング７７０によって構成されているプレナム７８０を経由して空気対流式装置７８０のＹ字形部分７２１に供給する。２つのプレナム７８４および７８６は、Ｙ字形部分７２１の枝７２０ａおよび７２０ｂに対応する相隔たる配列で、プレナム７８０に対して対向して配置されている。この点に関して、図示した相隔たる配列では、２つのプレナム７８４および７８６がプレナム７８０の各側において正反対の位置に平行に配置されている。これは、相隔たる配列がこのような構成だけに限定されるということを意味しているわけではない。実際に、プレナム７８４および７８６は、Ｙ字形領域７２０において枝７２０ａおよび７２０ｂが分岐する角度と同じ角度で分岐するように配置することができる。２つのプレナム７８４および７８６のそれぞれが、プレナム７８０が受け入れる与圧された空気の流れに対応してＹ字形領域の各枝に与圧された空気を放出するための、プレナム７８０と連絡する開口部を備える。

マニホールドノズルは、それぞれがプラスチック成形品である別個の要素を接合して組み立てることができる。また、一体の装置としてノズル全体をプラスチックから成形し、従来の方法で空気ホースの末端に取り付けることもできる。

空気ホースが突出部の末端を通して空気対流式装置に連結される場合、最初の２組の図（３Ａ〜３Ｆおよび６Ａ〜６Ｉ）などのように、突出部は通常、袖の形態をとる。これは、図３Ｇおよび図６Ｄではっきりとわかる。このような場合、空気ホースの末端は、袖とともに使用するのに適していなければならない。このように使用する目的は、装置の使用時に、与圧され温度処理された空気の流れを空気対流式装置に供給するために空気ホースの末端を袖の中に配置したままにし、装置を使い終えたら袖からすぐに分離できるように、空気ホースの末端を袖に解除可能なように連結することである。図４Ａ〜４Ｃは、この目的を満たす機構の一例を示している。

前述の実施形態は本発明の代表的なものであって、本発明を制限するものではない。その他の変形形態と実施形態は、この説明を読んだ当業者にとって明白であろう。例えば、図と説明は、人の胸を対流加温するために医療用衣服に、またはその前部に配置される空気対流式装置を示している。この空気対流式装置は、衣服の後部または側部に取り付けることもできる。また、本発明の実施形態で示したものよりも長くても短くても、胸部に沿って延びるようにサイズを決めたり構成することもできる。

本発明の実施形態による医療用衣服と組み合わされた空気対流式装置を示している。加温システムにおけるこの組み合わせの係合を示す斜視図である。図１Ａ〜１Ｈの空気対流式装置とともに使用するのに適している空気ホース連結を示している。本発明の別の実施形態による医療用衣服と組み合わせられる空気対流式装置を示している。空気対流式装置と空気ホースとの係合を示す斜視図である。診察用ガウンとともに使用される図３Ａ〜３Ｇの空気対流式装置を示す写真である。図３Ａ〜３Ｇの空気対流式装置とともに使用するのに適している空気ホース連結を示している。空気ホースの末端と図３Ａによる空気対流式装置の縁の補足的構成を示している。本発明のさらに別の実施形態による医療用衣服と組み合わされた空気対流式装置を示している。図６Ａ〜６Ｄの空気対流式装置の平面図写真である。使用者の肩に配置された膨張していない空気対流式装置の写真である。使用中の図６Ａ〜６Ｄの空気対流式装置を示す写真である。空気ホースの末端と図６Ａによる空気対流式装置の幹の補足的構成を示している。

符号の説明

１０８患者、人
１１０空気対流式装置、装置
１１２診察用ガウン、ガウン
１１４シート、通気性シート
１１４ａ押出し成形された合成素材の層、押出し成形された層、層
１１４ｂ不織布の層、層
１１６シート
１１６ａ押出し成形された合成素材の層、押出し成形された層
１１６ｂ不織布の層
１１８外周、シール
１２０位置、シール
１２２Ｕ字形へこみ
１２６ホースカード
１２７吸気口、入力口
１２８開口部、穴
１３０ホースカード
１３１吸気口プラグ
１３２穴またはアパーチャ
１４２開口部
１４４垂れ蓋
１５０両面接着ストリップ
１５２内側表面、表面
１５４縁、首部分
１５５裾
１５８末端、ホース末端
１６０空気ホース
１６２加温ユニット
１６４点滴架台
１７０スリット
１７０ａスリットの向かい合う側
１７０ｂスリットの向かい合う側
１７１ａかぎホックボタン
１７１ｂかぎホックボタン
１７２紐
１７５袖部分
１７６スリット
１７７肩または上端
２１０ノズル
２１１管状後部
２１２環状接合部
２１３後部の末端
２１４管状前部、前部
２１６環状フランジ
２１７末端
２２０スロット
２２２Ｕ字形ラッチ、ラッチ
２２３溝
２２５指型片
２２７くさび形要素
２５８末端
２６０空気ホース
３１０空気対流式装置、装置
３１２ガウン、診察用ガウン
３１４シート、通気性シート
３１４ａ押出し成形された合成素材の層、押出し成形された層、層
３１４ｂ不織布の層、層
３１６シート
３１６ａ押出し成形された合成素材の層、押出し成形された層
３１６ｂ不織布の層
３１８外周、シール
３２０位置、シール
３２２Ｕ字形へこみ
３２４突出部、末端
３２６突出部、末端
３２８末端
３３０末端
３３２穴またはアパーチャ
３４２スリット
３４４スリット
３５０両面接着ストリップ
３５２内側表面、表面
３５４縁
３５８末端
３６０空気ホース
３７４袖
４１０ノズル
４１２環状接合部
４１４溝
４１６ラッチ
４１８バー
４１９ピボットピン、ピン
４２６突出部
４５８末端
４６０空気ホース
５１０空気対流式装置
５１２ガウン
５１４シート
５５４上縁
５５８屈曲末端、空気ホース末端
５６０空気ホース、湾曲部、ホース
５６１末端
５６８開口部、上縁
６１２外周、ガウン
６１３非膨張領域
６１４位置、シート
６１５開口部
６１６シート
６１７配分領域、領域
６１８連続シール
６１９輪郭を付けた開口部
６２０幹
６２０ａ枝
６２０ｂ枝
６２１Ｙ字形領域、領域
６２２末端
６５４縁
６５８末端
６６０空気ホース
６８０空気対流式装置、装置
６９０シート
６９２シート、通気性シート
６９３アパーチャ
７１５開口部
７１７配分領域
７１８シール
７１８ａ末端
７１８ｂ末端
７１８ｃ第三シール
７２０幹、Ｙ字形領域
７２０ａ枝
７２０ｂ枝
７２１Ｙ字形領域、Ｙ字形部分
７２２末端
７６５ノズル、マニホールドノズル
７７０接続リング
７８０空気対流式装置、装置、プレナム
７８１キャップ
７８３キャップ
７８４プレナム
７８５末端、キャップ
７８６プレナム
７８８末端
７８９末端
７９０シート、形状物
７９１開口部
７９２シート
７９４流れ
７９６流れ
７９８流れ

Claims

下に開いて着用し、使用者の肩および／または首で支えられており患者に温度面での快適性を創り出すための医療用衣服であって、
患者の一部を覆うように構成された本体身頃部分を備えており、この本体身頃部分は患者に面する内側表面と前記患者から離れる側の外側表面とを有しており、
首部開口部および裾と、
前記首部開口部から前記裾に延びる後部スリットと、
前記スリットの対向する側部を取り外し可能に留めるために前記スリット近傍に配置された繋ぎ合せ手段と、を具備しており、
少なくとも１つの吸気口を有し、前記内側表面に隣接して位置決めされて取り付けられた空気対流式装置と、
前記空気対流式装置の前記吸気口にアクセスするための、前記本体身頃部分に１つ以上のアクセス口と、を具備する医療用衣服。
空気対流式装置を受け入れるように構成可能な内側表面が、前記医療用衣服と前記空気対流式装置との間で作用する装着機構を含むことを特徴とする請求項１に記載の医療用衣服。
前記本体身頃部分が、患者の腕を受け入れるようにサイズと位置が決められた袖をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の医療用衣服。
前記袖が、上端部分の全長にわたるスリットと、前記スリットの向かい合う側を分離可能なように結び付けるための前記スリット付近の繋ぎ合せ手段とを含むことを特徴とする請求項３に記載の医療用衣服。
前記空気対流式装置が、
膨張可能な部分と、
与圧された空気を前記膨張可能な部分から放出するための通気性部材とを含むことを特徴とする請求項１に記載の医療用衣服。
前記膨張可能な部分が、前記与圧された空気の流れを配分するための、前記少なくとも１つの吸気口と連絡する配分領域を含むことを特徴とする請求項５に記載の医療用衣服。
前記配分領域が、外周でともに連続的に密閉された第一シートと第二シートを含むことを特徴とする請求項６に記載の医療用衣服。
前記通気性部材が前記第一シートの一部分であることを特徴とする請求項７に記載の医療用衣服。
前記少なくとも１つの吸気口が前記第二シート内に位置決めされていることを特徴とする請求項７に記載の医療用衣服。
前記第二シートが前記医療用衣服の一部分であることを特徴とする請求項７に記載の医療用衣服。
前記配分領域が、前記外周内の複数の位置で前記第一シートと前記第二シートとの間の接着部をさらに含むことを特徴とする請求項７に記載の医療用衣服。
前記第一シートおよび第二シートが突出部を有することと、前記少なくとも１つの吸気口が前記突出部内に位置決めされていることとを特徴とする請求項７に記載の医療用衣服。
前記突出部が前記医療用衣服の開口部を通過するようなサイズであることを特徴とする請求項１２に記載の医療用衣服。
患者に温度面での快適性を創り出すことにより患者を快適に保つシステムであって、
与圧された空気を受け入れるために配分領域と連絡する少なくとも１つの吸気口と前記与圧された空気を前記配分領域から放出するための通気性部材とを有する空気対流式装置と、
内側表面と外側表面とを有し、本体身頃部分を備える医療用衣服と、
前記与圧された空気の流れを前記空気対流式装置に供給するための加温ユニットと、
前記加温ユニットを前記少なくとも１つの吸気口に接続するための空気ホースと、
を具備しており、
前記空気対流式装置は、前記通気性部材によって放出された前記与圧された空気を主に患者の上胸部に集中させるために前記内側表面に取り付けられており、
前記医療用衣服は、首部開口部および裾と、前記首部開口部から前記裾に延びる後部スリットと、前記スリットの対向する側部を取り外し可能に留めるために前記スリット近傍に配置された繋ぎ合せ手段とを具備しており、下に開いて着用し、使用者の肩および／または首で支えられる、診察用ガウンであって、
前記空気ホースから出る与圧された空気の流れの温度が周囲温度〜４２℃の範囲である、患者を快適に保つシステム。
前記加温ユニットが、前記空気ホースを前記少なくとも１つの吸気口に解除可能なように連結するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項１４に記載のシステム。
前記医療用衣服が、前記空気対流式装置の前記吸気口にアクセスするための１つ以上のアクセス口を前記本体身頃部分においてさらに含むことを特徴とする請求項１４に記載のシステム。
前記空気対流式装置と前記医療用衣服との間で作用する装着機構をさらに具備する請求項１４に記載のシステム。
前記配分領域が、外周でともに連続的に密閉された第一シートと第二シートを含むことを特徴とする請求項１４に記載のシステム。
前記通気性部材が前記第一シートの一部分であることを特徴とする請求項１８に記載のシステム。
前記少なくとも１つの吸気口が前記第二シート内に位置決めされていることを特徴とする請求項１８に記載のシステム。
前記配分領域が、前記外周内の複数の位置で前記第一シートと前記第二シートとの間の接着部をさらに含むことを特徴とする請求項１８に記載のシステム。
前記本体身頃部分が、患者の腕を受け入れるようにサイズと位置が決められた袖をさらに含むことを特徴とする請求項１４に記載のシステム。
前記袖が、上端部分の全長にわたるスリットと、前記スリットの向かい合う側を分離可能なように結び付けるための前記スリット付近の繋ぎ合せ装置とを含むことを特徴とする請求項２２に記載のシステム。