JP4828057B2 - 無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備および連続熱処理方法 - Google Patents

無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備および連続熱処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の無方向性珪素鋼、所謂フルプロセス低中級無方向性珪素鋼板、フルプロセス高級無方向性珪素鋼板、および、セミプロセス無方向性珪素鋼板、を1式の冷延板の熱処理設備で製造することが可能な連続熱処理設備および連続熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無方性珪素鋼板には、各種の製品種類があり、主たるものは、(1)中低級フルプロセス無方向性珪素鋼板(重量%でSi<1.8%)、(2)高級フルプロセス無方向性珪素鋼板(重量%でSi≧1.8%)、(3)セミプロセス無方向性珪素鋼板からなる。
【0003】
これらの製品は、従来、異なるプロセス(ライン)で製造されているが、以下にそれぞれについて、最新の製造プロセスを記載する。
(1)の製品は、以下のもっとも簡単なプロセスで製造される。
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム冷間圧延−冷延板焼鈍−絶縁皮膜被覆・・・・・・・・・プロセスI
(2)の製品は、鉄損確保のため多量のSi、Al等を含有するが、α−γ変態がなくなり、これの影響で、連続鋳造法では、リジングを発生する。これを回避する手段として、連続鋳造時に、鋳型直下での電磁攪拌が必要である。また、Si、Al等の成分を多量に含み、磁束密度が低下するため、これを回避する手段として熱延板焼鈍が必要である。その結果、製造プロセスは、以下となる。
製鋼−連続鋳造(電磁攪拌つき)−熱間圧延−連続熱延板焼鈍・酸洗−タンデム冷間圧延−冷延板焼鈍−絶縁皮膜被覆・・・・・プロセスII−1また、以下の別のプロセスである、所謂、2回冷延法でも製造される。
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム中間冷間圧延−中間冷延板焼鈍−リバースミル仕上冷間圧延−冷延板焼鈍−絶縁皮膜被覆・・・・・・・プロセスII−2
尚、通常、リバースミル仕上冷間圧延は、ワークロールが小径のモノブロック型20段圧延機が使用され、2パス仕上げである。
(3)の製品は、最終製品に加工後、焼鈍するが、焼鈍後の鉄損向上(結晶粒成長)の観点から、冷間圧延後、圧下率5〜15%のスキンパス圧延されることが必要である。その結果、製造プロセスは、以下となる。
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム冷間圧延−冷延板焼鈍−スキンパス圧延−絶縁皮膜被覆・・・・・・・プロセスIII
尚、通常、スキンパス圧延は、ワークロールが大径の4Hi圧延機が使用される。また、連続酸洗とタンデム冷間圧延を結合した酸洗・冷間圧延直結ラインを使用することもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらのやり方には幾つかの欠点がある。即ち、各種の無方向性珪素鋼板を製造するには、多種類の設備を必要とするとともに、リバースミル冷間圧延機を必要とし、著しく製造工程を長くし、また、生産性を阻害する。
このように、各種の無方向性珪素鋼板を製造することは、多数の設備と、長い製造工期を必要とし、実際には、理想的に各種製品を製造することは、困難であり、一部代用品に代えざるを得ない状況であった。
【0005】
本発明は、従来の冷延板の焼鈍工程の下流に、1台の冷間圧延機で、大圧下の冷間圧延とスキンパス圧延が両方可能な冷間圧延工程を付与し、各種の無方向性珪素鋼板を、最小限の設備で、且つ、理想的プロセスで製造し、高い品質と高い生産性・短い製造工期をも備えた冷延板の連続熱処理設備と方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1)無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、
冷間圧延されたコイルを巻き出していくペイオフリールと、
冷間圧延されたストリップを焼鈍させるための炉部と、
前記炉部から出た焼鈍されたストリップに対して、冷間圧延、スキンパス圧延、又は、不使用での通過を同一の圧延機で行う圧延部と、
前記焼鈍後に冷間圧延、スキンパス圧延、又は、不使用での通過を施されたストリップに、絶縁皮膜を塗布・焼付けまたは不使用で通過させる絶縁皮膜被覆部と、
前記絶縁皮膜被覆部で前記絶縁皮膜を被覆されたか、又は、不使用で通過したコイルの再巻きつけをおこなうテンションリールとを、
含むことを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
(2)前記(1)に記載の無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、前記圧延機は分割型20段圧延機、又は12段圧延機からなるクラスター型圧延機から選択されることを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
(3)前記(1)1又は(2)に記載の無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、前記圧延機の上流に、ストリップの表面に圧延油を塗布する設備を配設することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
(4)無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、
(1)〜(3)に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを巻き出していく工程と、
前記冷間圧延されたストリップを焼鈍する工程と、
前記焼鈍されたストリップに対して圧延機を不使用で通過させる工程と、
前記焼鈍されたストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で
製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
(5)無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、α−γ変態を有しない成分系において、(1)〜(3)に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを前記ペイオフリールから1回目の巻き出していく工程と、
前記冷間圧延されたストリップを前記炉部で1回目の焼鈍する工程と、
前記焼鈍されたストリップに対して板厚減少率50%以下の冷間圧延する工程と、
前記無方向性珪素鋼の冷間圧延したストリップに対して絶縁皮膜塗布装置及び焼付け装置を不使用で通過させてテンションリールに1回目の再巻きつけする工程と、
前記再巻き付けされたコイルを前記ペイオフリールに戻して2回目の巻き出していく工程と、
前記冷間圧延されたストリップを2回目の焼鈍する工程と
前記冷間圧延機を不使用で通過させる工程と、
前記絶縁皮膜塗布装置及び焼付け装置を使用して前記ストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの2回目の再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で、
製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
(6)無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、
前記(1)〜(3)に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを巻き出していく工程と、
前記冷間圧延されたストリップを焼鈍する工程と、
前記焼鈍されたストリップに対してスキンパス圧延を行う冷間圧延工程と、
前記焼鈍後スキンパス圧延されたストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で
製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
(7)前記(5)又は(6)に記載の無方向性珪素鋼板の冷延板の連続熱処理方法において、前記ラインの中の前記冷間圧延工程の上流に、ストリップの表面に圧延油を塗布する工程を含むことを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は無方向性珪素鋼の冷延板を焼鈍・絶縁皮膜被覆するための代表的な従来技術による連続熱処理設備の準概略的な等角投影図である。このようなラインは、実際には図示したものよりもっと複雑であることは理解できるはずである。例えば、炉部12は一般的に加熱領域、均熱領域、および冷却領域からなる。また、絶縁皮膜塗布装置16は、コータ、塗布液循環装置、塗布液作液装置等から構成されているし、絶縁皮膜焼付装置17も、加熱領域、均熱領域、および冷却領域からなる。
【0008】
その様なラインの主な要素は、冷間圧延加工された無方向性珪素鋼のコイルを装荷して、そこから巻出していくためのペイオフリール1、コイルの端部を切断して溶接のための準備をするための入側剪断機2、連続的にコイルの端部を結合するための溶接機3、コイルの溶接準備および溶接中に入側洗浄装置11・炉部12・出側洗浄装置15・絶縁皮膜塗布装置16・絶縁皮膜焼付装置17を減速・停止することなく通板可能とするストリップをストレージする入側ストレージルーパー4、ストリップの表面を洗浄し、圧延油や鉄分等の汚れを除去するための入側洗浄装置11、ストリップを焼鈍するために用いられる加熱・均熱・冷却領域からなる炉部12、炉部から出た焼鈍されたストリップ表面を洗浄し、炉内汚れを除去するための出側洗浄装置15、絶縁皮膜塗布装置16、絶縁皮膜焼付装置17、コイルの再巻付けが完了した時に出口剪断機8が作動している時に、コイルが入側洗浄装置11・炉部12・出側洗浄装置15・絶縁皮膜塗布装置16・絶縁皮膜焼付装置17を減速停止することなく通板可能とするストリップをストレージする出側ストレージルーパー7、出側剪断機8、および、コイルの再巻きつけをおこなうためのテンションリール9とからなっている。
【0009】
炉部12の前後のストリップ60の張力は、テンションメータ41、42で測定され、絶縁皮膜焼付装置17でのストリップ60の張力は、テンションメータ44で測定され、通過するブライドルロール21a、21b、22a、22b、23a、23b、24a、24b、28a、28b、29a、29b、30a、30bにフィードバックされ、ブライドル前後のストリップ張力が確保されている。
【0010】
図2は本発明の1つの実施例である、無方向性珪素鋼の冷延板を焼鈍・絶縁皮膜被覆するための連続熱処理設備の準概略的な等角投影図であり、作図上2段に分離したが実際にはラインとして連続したものである。
図1の従来ラインに比べ、ラインの中の炉部12の下流のブライドルロール24a、24bと出側洗浄装置15との間の位置において、中央ストレージルーパー5、テンションメータ43、ストリップ表面に圧延油を塗布するプレコート装置13、冷間圧延機14、テンションメータ併設形状計51、中央ストレージルーパー6、および、ブライドルロール25a、25b、25c、25d、26a、26a、26b、26c、26d、27a、27bが設置されている点が異なる。
【0011】
入側ストレージルーパー4と中央スレージルーパー5との間の位置においては、ストリップ60は入側溶接機3が作動している時にもライン停止することなく熱処理されているし、また、冷間圧延機14のワークロール等はロールの磨耗、あるいは、キズ入りのとき、交換されるが、このときも、ライン停止あるいは減速することなく熱処理が可能である。同様に、中央スレージルーパー6と出側ストレージルーパー7の間の位置においては、ストリップ60は出側剪断機8が作動している時にも停止することなく絶縁皮膜塗布・焼付けがなされているし、また、冷間圧延機14のワークロール等の交換のときも、ライン停止あるいは減速することなく絶縁皮膜塗布・焼付けがなされている。さらに、中央ストレージルーパー5と中央ストレージルーパー6の間の位置においては、ストリップ60は、入側溶接機3が作動している時にも、出側剪断機8が作動しているときも、連続して、冷間圧延が可能である。
【0012】
尚、テンションメータ43、51が冷間圧延機14の前後に設置され、冷間圧延機14前後のストリップ60の張力が制御されている。また、形状計51が冷間圧延機14の下流に設置され、冷間圧延機14のストリップの形状制御に使用されている。
なおまた、図2に示すラインのその他の部分は、図1のラインと類似しており、同一の部品或いは装置については同一の符号が付けられている。
【0013】
冷間圧延機14としての条件は、(i)高級フルプロセス珪素鋼板の2回冷延法において、焼鈍板の板厚を40〜60%減少させることが可能であり、(ii)セミプロセスの材料において、焼鈍板を形状よく、板厚を5〜15%減少させるスキンパス圧延が可能であり、(iii)冷間圧延後の板厚変動値が小さく、加えて、(iv)ロール交換が容易であることが必要である。
【0014】
(i)を効率よく満足するには、圧延機のワークロール径は、望ましくは60〜120mmの範囲である。ワークロール径が60mm未満では、圧延機のワークロールの磨耗が短時間で発生し、数コイル毎のワークロール交換となり現実的でない。一方、ワークロール径が150mm超では、圧延機の容量が大きくなるとともに、高圧下率をとることが難しくなり、1台の冷間圧延機では圧延困難となり、非効率である。
(ii)を効率よく満足するには、圧延機のワークロール径は、望ましくは、90mm以上である。ワークロール径が90mm未満では、上下ワークロールのオフセットの影響を受けやすく、冷延形状が不安定となる。
(iii)を改善する手立てとしてもっとも有効なのは、ミル剛性の高い冷間圧延機である。望ましくは、300トン/mm以上のミル剛性である。300トン/mm未満では、原板の板厚変動、たとえば、熱延のスキッドマークの影響、を解消出きず、コイル全長にわたり板厚を均一にすることが出来なくなるからである。
(iv)を満足させる冷間圧延機として、ワークロール交換時に、上ハウジング、及び、下ハウジングの少なくとも一方が大きく、上下方向に移動可能な分割型冷間圧延機が有効である。
【0015】
以上のことより、上記冷間圧延機14は、使用可能なワークロール径の範囲が広く、高ミル剛性を有する分割型20段圧延機又は12段式圧延機が望ましい。
また、冷間圧延機14の台数を、1台で可能とするのには、2回冷延法において、冷間圧延時の潤滑性を向上させる目的で、冷間圧延機14の上流に、ストリップ表面に圧延油を塗布するプレコート装置13を設置することが望ましい。プレコート装置13で使用する圧延油は、冷間圧延機14の圧延油より、より高い潤滑性を有することが望ましく、圧延油の油分濃度の高いものが、特に、好ましい。
尚、板厚0.20〜0.70mmの無方向性珪素鋼板の製造には、ワークロール径60〜150mmの分割型20段冷間圧延機が望ましい。
【0016】
本発明による無方向性珪素鋼板の冷延板の連続熱処理設備を使用することにより、前出の各種の無方向性珪素鋼板を、連続鋳造設備における電磁攪拌装置なしに、以下のように製造可能となる。[]で括ったものが、本発明による無方向性珪素鋼板の連続熱処理設備である。
(1)中低級フルプロセス無方向性珪素鋼板(重量%でSi<1.8%)
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム冷間圧延−[冷延板焼鈍−絶縁皮膜被覆]・・・・・・・・・プロセスI
(2)高級フルプロセス無方向性珪素鋼板(重量%でSi≧1.8%)
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム中間冷間圧延−[中間冷延板焼鈍−中間冷間圧延]−[冷延板焼鈍−絶縁皮膜被覆]・・・・・・・プロセスII−2
(3)セミプロセス無方向性珪素鋼板
製鋼−連続鋳造−熱間圧延−連続酸洗−タンデム冷間圧延−[冷延板焼鈍−スキンパス圧延−絶縁皮膜被覆]・・・・・・・プロセスIII
【0017】
このように、各種の無方向性珪素鋼板の製造工程・ライン数は、熱間圧延後、
(1)中低級フルプロセス無方向性珪素鋼板
3工程・3ライン → 3工程・3ライン
(2)高級フルプロセス無方向性珪素鋼板
3工程・3ライン or 5工程・4ライン→4工程・3ライン
(3)セミプロセス無方向性珪素鋼板
5工程・4ライン → 3工程・3ライン
上記製品すべてを生産するためには、5 or 6ライン → 3ライン となり、特に連続熱処理装置は1ラインとなるとともに、リバースミルによるバッチ圧延の冷間圧延をなくすることが可能となった。
このように、本発明による冷延板の連続熱処理設備1式で、各種の無方向性珪素鋼板を、高品位、且つ、効率的にで製造可能となった。
【0018】
【実施例】
[実施例1]
(1−1)低中級フルプロセス無方向性珪素鋼板の製造
質量%で、C:0.002%、Si:1.65%、Mn:0.40%、P:0.020%、S:0.0025%、Al:0.160%、および、N:0.0020%を含有する無方向性珪素鋼のスラブを、1150℃の低温スラブ加熱した後、板厚2.3mmの熱延コイルとした。
【0019】
この熱延コイルをタンデム冷間圧延で、板厚0.50mmまで圧延したあと、図2で示す本発明による冷延板の連続熱処理設備で処理をした。950℃で焼鈍後、冷間圧延機を不使用で通過させ、半有機系の絶縁皮膜をストリップ表面に塗布し、焼付けを行い、テンションリールで再巻きつけをおこない、最終製品とした。製品品質は、従来設備で製造したものと、同じであった。
【0020】
(1−2)高級フルプロセス無方向性珪素鋼板の製造
質量%で、C:0.002%、Si:3.05%、Mn:0.20%、P:0.015%S:0.0018%、Al:0.560%、および、N:0.0015%を含有する無方向性珪素鋼のスラブを、1150℃の低温スラブ加熱した後、板厚1.8mmの熱延コイルとした。
【0021】
この熱延コイルをタンデム冷間圧延で、板厚0.70mmまで圧延したあと、図2で示す本発明による冷延板の連続焼鈍設備で1回目の処理をした。1000℃で焼鈍後、高濃度な圧延油(油分30%)をプレコートし、ワークロール径65mmの分割型20段圧延機1台(圧延油油分10%)で、板厚0.35mmまで板厚を減少(板厚減少率50%)し、絶縁皮膜塗布装置・焼付け装置を不使用で通過させ、テンションリールに再巻きつけをした。
尚、ミル剛性は、320トン/mmであった。
【0022】
その後、再度、図2に示す本発明による冷延板の連続処理設備で2回目の処理をした。1050℃で焼鈍後、冷間圧延機を不使用で通過させ、半有機系の絶縁皮膜をストリップ表面に塗布し、焼付けを行い、テンションリールで再巻きつけをおこない、最終製品とした。製品品質は、リジングは皆無であり、磁気特性は、仕上げ圧延をリバースミルで2パス圧延したものにくらべ、最高特性は同じであったが、平均特性は向上した。また、オフゲージの量は僅少となるとともに、熱間圧延後の製造日数は、半減した。
【0023】
(1−3)セミプロセス無方向性珪素鋼板の製造
質量%で、C:0.002%、Si:1.05%、Mn:0.50%、P:0.150%、S:0.0050%、Al:0.105%、および、N:0.0035%を含有する無方向性珪素鋼のスラブを、1150℃の低温スラブ加熱した後、板厚2.8mmの熱延コイルとした。
【0024】
この熱延コイルをタンデム冷間圧延で、板厚0.55mmまで圧延したあと、図2で示す本発明による冷延板の連続熱処理設備で処理をした。800℃で焼鈍後、ワークロール径150mmの分割型20段圧延機で、板厚0.50mmまで板厚を減少(板厚減少率10%)した後、半有機系の絶縁皮膜をストリップ表面に塗布し、焼付けを行い、テンションリールで再巻きつけをおこない、最終製品とした。製品品質は、磁気特性は、スキンパス圧延をリバースミルで圧延したものに比べ、最高特性は同じであったが、平均特性は向上した。また、オフゲージの量は僅少となるとともに、熱間圧延後の製造日数は半減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】無方向性珪素鋼の冷延板を焼鈍・絶縁皮膜被覆するための代表的な従来技術による連続熱処理設備の準概略的な等角投影図(上下段は連続している)。
【図2】本発明の1つの実施例である無方向性珪素鋼の冷延板を焼鈍・絶縁皮膜被覆するための連続熱処理設備の準概略的な等角投影図(上下段は連続している)。
【符号の説明】
1 ペイオフリール
2 入側剪断機
3 溶接機
4 入側ストレージルーパー
5 中央ストレージルーパーI
6 中央ストレージルーパーII
7 出側ストレージルーパー
8 出側剪断機
9 テンションリール
11 入側洗浄装置
12 炉部
13 プレコート装置
14 冷間圧延機
15 出側洗浄装置
16 絶縁皮膜塗布装置
17 焼付装置
21a、21b、22a、22b、23a、23b、24a、24b、
25a、25b、25c、25d、26a、26b、26c、26d、
27a、27b、28a、28b、29a、29b、29c、29d、
30a、30b ブライドルロール
41、42、43、44 テンションメータ
51 テンションメータ併設形状計
60 ストリップ

Claims (7)

  1. 無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、
    冷間圧延されたコイルを巻き出していくペイオフリールと、
    冷間圧延されたストリップを焼鈍させるための炉部と、
    前記炉部から出た焼鈍されたストリップに対して、冷間圧延、スキンパス圧延、又は、不使用での通過を同一の圧延機で行う圧延部と、
    前記焼鈍後に冷間圧延、スキンパス圧延、又は、不使用での通過を施されたストリップに、絶縁皮膜を塗布・焼付け又は不使用で通過させる絶縁皮膜被覆部と、
    前記絶縁皮膜被覆部で前記絶縁皮膜を被覆されたか、又は、不使用で通過したコイルの再巻きつけをおこなうテンションリールとを、
    含むことを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
  2. 請求項1に記載の無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、前記圧延機は分割型20段圧延機、又は12段圧延機からなるクラスター型圧延機から選択されることを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
  3. 請求項1又は2に記載の無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備において、前記圧延機の上流に、ストリップの表面に圧延油を塗布する設備を配設することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理設備。
  4. 無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、
    請求項1〜3に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
    1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを巻き出していく工程と、
    前記冷間圧延されたストリップを焼鈍する工程と、
    前記焼鈍されたストリップに対して圧延機を不使用で通過させる工程と、
    前記焼鈍されたストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
    前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で
    製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
  5. 方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、α−γ変態を有しない成分系において、請求項1〜3に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
    1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを前記ペイオフリールから1回目の巻き出していく工程と、
    前記冷間圧延されたストリップを前記炉部で1回目の焼鈍する工程と、
    前記焼鈍されたストリップに対して板厚減少率50%以下の冷間圧延する工程と、
    前記無方向性珪素鋼の冷間圧延したストリップに対して絶縁皮膜塗布装置及び焼付け装置を不使用で通過させてテンションリールに1回目の再巻きつけする工程と、
    前記再巻き付けされたコイルを前記ペイオフリールに戻して2回目の巻き出していく工程と、
    前記冷間圧延されたストリップを2回目の焼鈍する工程と
    前記冷間圧延機を不使用で通過させる工程と、
    前記絶縁皮膜塗布装置及び焼付け装置を使用して前記ストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
    前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの2回目の再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で、
    製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
  6. 方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法において、
    請求項1〜3に記載のいずれかの冷延板の熱処理設備を用いて、
    1つの連続処理ラインの中で、冷間圧延されたコイルを巻き出していく工程と、
    前記冷間圧延されたストリップを焼鈍する工程と、
    前記焼鈍されたストリップに対してスキンパス圧延を行う冷間圧延工程と、
    前記焼鈍後スキンパス圧延されたストリップに絶縁皮膜を塗布・焼付けをする工程と、
    前記絶縁皮膜を被覆されたコイルの再巻きつけをする工程とを、含む製造方法で
    製造することを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
  7. 請求項5又は6に記載の無方向性珪素鋼板の冷延板の連続熱処理方法において、前記ラインの中の前記冷間圧延工程の上流に、ストリップの表面に圧延油を塗布する工程を含むことを特徴とする無方向性珪素鋼の冷延板の連続熱処理方法。
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