JP4828019B2

JP4828019B2 - テンショニング装置

Info

Publication number: JP4828019B2
Application number: JP2000344670A
Authority: JP
Inventors: マーク・エム・ウィグステン
Original assignee: ボーグワーナー・インコーポレーテッド
Priority date: 1999-11-12
Filing date: 2000-11-13
Publication date: 2011-11-30
Anticipated expiration: 2020-11-13
Also published as: JP2001141001A; US6609986B1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テンショニング装置に関し、詳細には、少なくとも一つのブレード型スプリングによってチェーンを押圧する剛性アームを備えた機械式テンショナシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術およびその課題】
最近のエンジンは、一般に、エンジンのクランクシャフトからカムシャフトを駆動するのに、チェーン駆動装置を用いている。チェーンをガイドするための一つまたはそれ以上のガイドと、チェーンに緊張力を作用させるために液圧による駆動力としてエンジンオイルを用い、液圧テンショナによってチェーンに押圧される剛性テンショナとを備えているのも一般的である。
【０００３】
液圧テンショナの使用は満足のいくものではあったが、液圧テンショナは高価である。したがって、チェーンに十分に緊張力を作用させる低コストの他の手段を見出す必要性が存在する。
【０００４】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、チェーンに連続して十分な緊張力を作用させることができる低コストのテンショニング装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明に係るテンショニング装置は、チェーンに連続して緊張力を作用させるための装置である。当該装置は、一端に枢支端を有しかつ他端に自由端を有し、チェーンを押圧する面を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアームと、一端に枢支端を有しかつ他端に自由端を有するとともに、枢支端および自由端間において弧状に延びるブレードスプリングを内部に有し、枢支端および自由端間において剛性テンショナアームの自由端がスライド自在に当接する凸状の湾曲面を有するブレードテンショナとを備えており、ブレードテンショナのブレードスプリングのばね力が剛性テンショナアームの自由端に作用していることを特徴としている。
【０００６】
請求項２の発明に係るテンショニング装置は、チェーンに連続して緊張力を作用させるための装置である。当該装置は、支持構造物に枢支可能に連結された枢支端を一端に有しかつ他端に自由端を有し、チェーンを押圧する面を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアームと、剛性テンショナアームの自由端の側に枢支可能に連結された枢支端を一端に有しかつ剛性テンショナアームの面の逆側の凹状の面に当接する自由端を他端に有するとともに、枢支端および自由端間において弧状に延びるブレードスプリングを内部に有し、枢支端および自由端間において支持構造物にスライド自在に当接する凸状の湾曲面を有するブレードテンショナとを備えており、ブレードテンショナのブレードスプリングのばね力が、剛性テンショナアームの自由端の側において、ブレードテンショナの枢支端の取付位置および自由端の当接位置に作用していることを特徴としている。
【０００７】
請求項３の発明に係るテンショニング装置は、チェーンに連続して緊張力を作用させるための装置である。当該装置は、チェーンを押圧する面を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアームと、支持構造物に枢支可能に連結された枢支端を一端に有しかつ支持構造物の上をスライド自在な自由端を他端に有するとともに、枢支端および自由端間において弧状に延びるブレードスプリングを内部に有し、剛性テンショナアームの一端側において前記面の逆側の面にスライド自在に当接する凸状の面を枢支端および自由端間に有する第１のブレードテンショナと、支持構造物に枢支可能に連結された枢支端を一端に有しかつ支持構造物の上をスライド自在な自由端を他端に有するとともに、枢支端および自由端間において弧状に延びるブレードスプリングを内部に有し、枢支端および自由端間の中間部分が剛性テンショナアームの他端側に枢支可能に連結された第２のブレードテンショナとを備えており、第１のブレードテンショナのブレードスプリングのばね力が、剛性テンショナアームの前記一端側において、第１のブレードテンショナの枢支端および自由端の中間位置に作用している。
【０００８】
本発明に係るテンショニング装置の運転時には、ブレードスプリングによるばね力が剛性テンショナアームに作用しており、これにより、剛性テンショナアームがチェーンに緊張力を作用させている。したがって、本発明においては、高価な液圧テンショニング要素が不要になり、コストを低減できる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
〔発明の要約〕
本発明の一つの特徴にしたがって、チェーンに連続して緊張力を作用させるための装置が提供されている。本装置は、少なくとも一つのブレードテンショナと、チェーンの一部と係合するとともに、ブレードテンショナによってチェーンに緊張力を作用させる堅い（すなわち剛性）テンショナアームとを備えている。
【００１０】
ブレードテンショナは、剛性テンショナアームまたは周囲の構造物に取り付けられる。剛性テンショナアームは枢支可能に支持構造物に取り付けられるか、あるいは、一対のブレードテンショナが剛性テンショナアームを支持するのに用いられる。
【００１１】
〔好ましい実施態様の詳細な説明〕
図１には、駆動スプロケット１４および従動スプロケット１６間でチェーン１２に緊張力を作用させるのに使用されるチェーンテンショニング装置１０が示されている。駆動スプロケット１４は、たとえばエンジンのクランクシャフトに取り付けられており、従動スプロケット１６は、たとえばエンジンのカムシャフトに取り付けられている。チェーンテンショニング装置１０を取り付けるために、エンジンブロックのような支持構造物１８が装置１０の隣に設けられている。
【００１２】
チェーンテンショニング装置１０は、ブレードテンショナ２０と、堅い（剛性）テンショナアーム２２とを備えている。ブレードテンショナ２０は、支持構造物１８に枢支される枢支端２４と、支持構造物１８に押圧される自由端２６とを有している。ブレードテンショナ２０は、緊張力の作用下で単一のシュー１０２（図４参照）と相互に係合してチェーンに緊張力を作用させるブレードスプリング１００を用いている。
【００１３】
図４に示すように、ブレードスプリング１００は弧状に形成されており、シュー１０２は相対的に平坦になっている。シュー１０２は、高温下で荷重を受けると通常変形する、すなわち「クリープ」を起こす半剛性材料から構成されている。ブレードスプリング１００は、シュー１０２の形状に沿うように伸ばされてから、シュー１０２に係合している。ブレードスプリング１００がより湾曲した元の形状に戻るのを半剛性のシュー１０２が防止しているので、ブレードスプリング１００はシュー１０２に荷重を作用させている。
【００１４】
エンジン内での運転時には、エンジン内の温度が上昇すると、シュー１０２の温度が上昇して剛性が低下し、ブレードスプリング１００からの荷重がシュー１０２をより湾曲した形状に変形させる。シュー１０２には、面３２が形成されている。同様に、剛性テンショナアーム２２は、支持構造物１８に枢支可能に取り付けられた枢支端２８と、自由端３０とを有している。自由端３０は、ブレードテンショナ２０の面３２と係合している。
【００１５】
このチェーンテンショニング装置１０は、弾性材料から形成されたブレードテンショナ２０が剛性テンショナアーム２２の自由端３０に面３２で係合して、剛性テンショナアーム２２の面３４をチェーンの一部３６に押圧してチェーンに緊張力を作用させるように、設計されている。
【００１６】
多くのブレードテンショナ構造が現在製作されている。このような構造の例は、米国特許第 4,921,472号および米国特許第 5,266,066号に開示されている。チェーンテンショニング装置１０に適したテンショナアーム構造は、米国特許第 5,853,341号に開示されているような多層スプリングからなるテンショナアーム構造である。なお、当該米国特許の開示部分は、引用することによってすべて本件出願の中に含まれている。また、特許開示番号DKT99005（シドリー・アンド・オースチンの事件ファイル00940/85230)に開示されたＢＷＡの多層スプリングブレードテンショナ構造もまた、チェーンテンショニング装置１０に用いられ得る。
【００１７】
チェーンテンショニング装置１０の重要な利点は、液圧テンショナを利用する剛性テンショナアームシステムにこれまで要求された液圧テンショニング要素が全く不要になる点である。これにより、チェーンテンショニング装置１０のコストを、液圧テンショナを含むシステムのコストよりも低減できる。
【００１８】
図２には、チェーンテンショニング装置１０の第１の変形例が示されており、この装置は、剛性テンショナアーム４２に取り付けられたブレードテンショナ４０を有している。ブレードテンショナ４０の枢支端４４は剛性テンショナアーム４２に枢支連結されており、自由端４６は剛性テンショナアーム４２の面４８を押圧している。
【００１９】
ブレードテンショナ４０の面５０は、剛性テンショナアーム４２がチェーンの一部３６を押圧するように、支持構造物１８に外力を作用させている。もし必要であれば、一つ以上のブレードテンショナ４０を採用することも可能である。剛性テンショナアーム４２の枢支端５２は、支持構造物１８に枢支連結されている。
【００２０】
図３には、チェーンテンショニング装置の第２の変形例が示されている。この第２の変形例は、第１のブレードテンショナ６０と、第２のブレードテンショナ６２と、第１，第２のブレードテンショナ６０，６２の上に設けられた剛性テンショナアーム６４とを利用している。
【００２１】
第１のブレードテンショナ６０には、枢支端６６および自由端６８が設けられている。枢支端６６は支持構造物１８に取り付けられており、自由端６８は支持構造物１８と係合している。第１のブレードテンショナの面７０は、剛性テンショナアーム６４の背面７２に作用している。
【００２２】
同様に、第２のブレードテンショナ６２は、支持構造物１８に枢支可能に連結された枢支端７４と、支持構造物１８と係合する自由端７６とを有している。しかしながら、ブレードテンショナ６２は、剛性テンショナアーム６４の端部８０の近くで剛性テンショナアーム６４と枢支可能に係合する枢支連結部７８を有している点で、第１のブレードテンショナ６０と異なっている。
【００２３】
第２のブレードテンショナ６２および剛性テンショナアーム６４間の枢支連結は、剛性テンショナアーム６４を支持している。各ブレードテンショナ６０，６２は、剛性テンショナアーム６４の面８２を押圧して該面８２がチェーン部分３６と係合するように作用する。
【００２４】
本発明が関連する分野の当業者は、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【００２５】
それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該技術分野の当業者にとって明らかであろう。
【００２６】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るテンショニング装置によれば、チェーンに十分な緊張力を作用させることができるばかりでなく、高価な液圧テンショニング要素が不要になり、コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施態様によるテンショニング装置をチェーンとともに示す側面図である。
【図２】本発明の一実施態様によるテンショニング装置の第１の変形例の側面図である。
【図３】本発明の一実施態様によるテンショニング装置の第２の変形例の側面図である。
【図４】本発明の第１の実施態様に用いられるスプリングブレードテンショナの全体斜視図である。
【符号の説明】
１０：チェーンテンショニング装置
１２：チェーン
１４，１６：スプロケット
１８：支持構造物
２０，４０：ブレードテンショナ
２２，４２，６４：剛性テンショナアーム
６０：第１のブレードテンショナ
６２：第２のブレードテンショナ
１００：ブレードスプリング
１０２：シュー

Claims

チェーン（１２）に連続して緊張力を作用させるためのテンショニング装置（１０）であって、
一端に枢支端（２８）を有しかつ他端に自由端（３０）を有し、チェーン（１２）を押圧する面（３４）を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアーム（２２）と、
一端に枢支端（２４）を有しかつ他端に自由端（２６）を有するとともに、枢支端（２４）および自由端（２６）間において弧状に延びるブレードスプリング（１００）を内部に有し、枢支端（２４）および自由端（２６）間において剛性テンショナアーム（２２）の自由端（３０）がスライド自在に当接する凸状の湾曲面（３２）を有するブレードテンショナ（２０）とを備え、
ブレードテンショナ（２０）のブレードスプリング（１００）のばね力が剛性テンショナアーム（２２）の自由端（３０）に作用している、
ことを特徴とするテンショニング装置。
チェーン（１２）に連続して緊張力を作用させるためのテンショニング装置（１０）であって、
支持構造物（１８）に枢支可能に連結された枢支端（５２）を一端に有しかつ他端に自由端を有し、チェーン（１２）を押圧する面（３４）を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアーム（４２）と、
剛性テンショナアーム（４２）の自由端の側に枢支可能に連結された枢支端（４４）を一端に有しかつ剛性テンショナアーム（４２）の面（３４）の逆側の凹状の面（４８）に当接する自由端（４６）を他端に有するとともに、枢支端（４４）および自由端（４６）間において弧状に延びるブレードスプリング（１００）を内部に有し、枢支端（４４）および自由端（４６）間において支持構造物（１８）にスライド自在に当接する凸状の湾曲面（５０）を有するブレードテンショナ（４０）とを備え、
ブレードテンショナ（４０）のブレードスプリング（１００）のばね力が、剛性テンショナアーム（４２）の自由端の側において、ブレードテンショナ（４０）の枢支端（４４）の取付位置および自由端（４６）の当接位置に作用している、
ことを特徴とするテンショニング装置。
チェーン（１２）に連続して緊張力を作用させるためのテンショニング装置（１０）であって、
チェーン（１２）を押圧する面（８２）を有するとともに、ブレードスプリングを有しない剛性テンショナアーム（６４）と、
支持構造物（１８）に枢支可能に連結された枢支端（６６）を一端に有しかつ支持構造物（１８）の上をスライド自在な自由端（６８）を他端に有するとともに、枢支端（６６）および自由端（６８）間において弧状に延びるブレードスプリング（１００）を内部に有し、剛性テンショナアーム（６４）の一端側において面（８２）の逆側の面（７２）にスライド自在に当接する凸状の面（７０）を枢支端（６６）および自由端（６８）間に有する第１のブレードテンショナ（６０）と、
支持構造物（１８）に枢支可能に連結された枢支端（７４）を一端に有しかつ支持構造物（１８）の上をスライド自在な自由端（７６）を他端に有するとともに、枢支端（７４）および自由端（７６）間において弧状に延びるブレードスプリング（１００）を内部に有し、枢支端（７４）および自由端（７６）間の中間部分が剛性テンショナアーム（６４）の他端側に枢支可能に連結された第２のブレードテンショナ（６２）とを備え、
第１のブレードテンショナ（６０）のブレードスプリング（１００）のばね力が、剛性テンショナアーム（６４）の前記一端側において、第１のブレードテンショナ（６０）の枢支端（６６）および自由端（６８）の中間位置に作用している、
ことを特徴とするテンショニング装置。