JP4827977B2 - 電流駆動型d/aコンバータのバイアス回路 - Google Patents

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Description

この発明は、電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路に関するものである。
MOSトランジスタによる電流駆動型D/Aコンバータでは、電流スイッチをトランジスタで実現している。従来の電流駆動型D/Aコンバータでは、図7に示すように、NMOSトランジスタの電流スイッチの場合、電流スイッチをオフにするオフ制御電圧にグランド電圧を用いていた(例えば、非特許文献1参照)。オンからオフに切り替わる際、または、オフからオンに切り替わる際には、電流スイッチが実際にオフする電圧よりも大きな振幅がスイッチトランジスタのゲート電極に印加されていた。
このため、図8に示すように、スイッチトランジスタの寄生容量を介して必要以上に大きな電荷注入が生じていた。これがノイズとなってD/Aコンバータの精度劣化や変換速度が制限される要因となっていた。
さらに、図9に示すように、オンからオフするスイッチトランジスタでは、オフした瞬間にオン状態で寄生容量に保存されていた電荷がグランド端子に流れ込む。このため、瞬間的にグランド端子に大きな充放電電流が流れる。この電流とグランド端子の寄生抵抗および寄生インダクタによってグランド端子電圧が揺れ、D/Aコンバータの性能劣化の要因となっていた。
同様に、PMOSトランジスタで実現されるスイッチトランジスタにおいても大きい電荷注入、電源電圧のノイズが発生していた。
また、図10に示すように、カスコード接続された電流源(M1とM2)では、電流源トランジスタM1とカスコードトランジスタM2を共に飽和領域で使用する。したがって、電流源トランジスタM1を飽和させるようにカスコードトランジスタM2のバイアス電圧を設定する必要がある。このためのバイアス回路としてダイオード接続したトランジスタM3が用いられてきた。M2とM3のしきい値電圧が同じ場合、M1を飽和させるM3のチャネル幅/チャネル長比(W/L)3の条件は以下の式(1)で求められる。
Figure 0004827977
ここで、K=(W/L)2/(W/L)1である。この場合、(W/L)3は(W/L)1,(W/L)2の素子サイズから決定されるため、半導体集積回路では精度良く決定することが可能である。
しかしながら、実際の回路においては、M2とM3のしきい値電圧Vth2とVth3は基板バイアス効果により異なる。このため、M1を飽和領域で動作させるための(W/L)3の条件は、
Figure 0004827977
となり、I0,Vth2,Vth3に依存する。ここで、Iout=IrefをI0とする。したがって、I0,Vth2やVth3の製造ばらつきを考慮して、余裕を持たせたバイアス電圧値を生成する必要があった。このため、低電圧回路やM2のドレイン電圧が小さい回路では実現が困難になっていた。
"An 80−MHZ 8−bit CMOS D/A Converter,"IEEE J.Solid−State Circuits,vol.SC−21,pp.983−988,Dec.1986.
従来の電流駆動型D/Aコンバータは以上のように構成されているので、電流駆動型D/Aコンバータの電流スイッチの制御電圧振幅が不必要に大きいことによって生じる電荷注入によるノイズが発生しており、性能劣化の要因となっていた。
また、オフする際にスイッチトランジスタのゲート電極より瞬間的に大きな充放電電流がグランドもしくは電源端子に流れ込むため、グランド電圧もしくは電源電圧にノイズが生じ、D/Aコンバータの性能劣化の要因となるなどの課題があった。
さらに、従来のカスコード接続電流源のバイアス回路では、基板バイアス効果によるしきい値電圧Vthの変化のために、電流値、Vthの製造ばらつきを考慮した余裕のあるバイアス電圧を生成しなければならなかった。このため、低電圧回路や電流源の出力電圧の小さい回路では、トランジスタの飽和条件を満たすバイアス回路を構成することが困難になるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電流スイッチトランジスタの制御電圧によって生じるノイズをより小さくし、また、電流スイッチがオフする際に生じていたグランドもしくは電源電圧のノイズを低減し、高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることを目的とする。
また、この発明は、電流値やしきい値電圧の製造ばらつきによらず適正なバイアス電圧(制御電圧)を生成し、高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることが可能な電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路を得ることを目的とする。
この発明に係る電流駆動型D/Aコンバータは、電流源に接続される電流スイッチをオフにするオフ制御電圧を、オンにするオン制御電圧に近づけた電圧に設定したものである。
この発明によれば、電流スイッチのオフ制御電圧を、オン制御電圧に近づけた電圧に設定したことにより、電流スイッチの制御電圧振幅(オン制御電圧−オフ制御電圧)が小さくなり、寄生容量を介した電荷注入によるノイズの発生を低減すると共に、オフする際の寄生容量からグランドもしくは電源への放電電流の流れ込みによるグランド電圧もしくは電源電圧のノイズの発生を低減し、高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることができる効果がある。
この発明の実施の形態1による電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図である。 電流源セルの実際の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1による他の電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図である。 この発明の実施の形態2による電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図である。 この発明の実施の形態2による他の電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図である。 この発明の実施の形態3による電流駆動型D/Aコンバータを適用したフォールデッドカスコードオペアンプ示す回路図である。 従来の電流駆動型D/Aコンバータを示す説明図である。 従来の電流駆動型D/Aコンバータを示す説明図である。 従来の電流駆動型D/Aコンバータを示す説明図である。 従来のカスコード接続電流源のバイアス回路を示す説明図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図であり、3ビットD/Aコンバータの例である。
図1において、負荷抵抗RLP,RLNは、電源にそれぞれ一方が接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M12Pは、ドレイン電極が負荷抵抗RLPの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧(制御電圧)BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW12Pに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M12Nは、ドレイン電極が負荷抵抗RLNの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW12Nに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流源)M11は、ドレイン電極がNMOSトランジスタM12P,M12Nの共通ソースに接続され、ゲート電極にバイアス電圧BIAS1が供給され、ソース電極がグランドに接続されたものである。
なお、NMOSトランジスタM11,M12P,M12Nは、1LSB相当の電流Ilsbを流す電流源セルを構成する。電流源として動作するNMOSトランジスタM11と相補的にオン/オフする電流スイッチとして動作するNMOSトランジスタM12P,M12Nから構成される。NMOSトランジスタM12P,M12Nは、同じサイズのトランジスタで同じ電気特性を持つ。
NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M22Pは、ドレイン電極が負荷抵抗RLPの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW22Pに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M22Nは、ドレイン電極が負荷抵抗RLNの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW22Nに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流源)M21は、ドレイン電極がNMOSトランジスタM22P,M22Nの共通ソースに接続され、ゲート電極にバイアス電圧BIAS1が供給され、ソース電極がグランドに接続されたものである。
なお、NMOSトランジスタM21,M22P,M22Nは、2×Ilsbを流す電流源セルを構成する。
図2は電流源セルの実際の構成を示す回路図であり、NMOSトランジスタM21,M22P,M22Nは、この図2(a)に示すように、それぞれM11,M12P,M12NのNMOSトランジスタを2個並列に接続して実現したものである。
NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M32Pは、ドレイン電極が負荷抵抗RLPの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW32Pに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流スイッチ)M32Nは、ドレイン電極が負荷抵抗RLNの他方に接続され、ゲート電極がバイアス電圧BIAS2,BIAS3が供給されるスイッチSW32Nに接続されたものである。NMOSトランジスタ(電流源)M31は、ドレイン電極がNMOSトランジスタM32P,M32Nの共通ソースに接続され、ゲート電極にバイアス電圧BIAS1が供給され、ソース電極がグランドに接続されたものである。
なお、NMOSトランジスタM31,M32P,M32Nは、4×Ilsbを流す電流源セルを構成する。NMOSトランジスタM31,M32P,M32Nは、図2(b)に示すように、それぞれM11,M12P,M12NのNMOSトランジスタを4個並列に接続して実現したものである。
負荷抵抗RLPの他方とNMOSトランジスタM12P,M22P,M32Pのドレイン電極との接続部からアナログ出力信号1が出力され、負荷抵抗RLNの他方とNMOSトランジスタM12N,M22N,M32Nのドレイン電極との接続部からアナログ出力信号2が出力されるように構成されている。
制御回路は、例えば3ビットのデジタル入力信号に応じて、各電流源セルのスイッチSWxPおよびスイッチSWxNのうちの一方をオン、他方をオフさせる制御信号を生成するものである。上記のように各電流源セルの出力端子を結線させることによって、各電流源セルの出力電流の総和の電流が作られる。この電流は、電流値0から7×Ilsbの電流までの8段階のアナログ信号電流である。この電流は負荷抵抗RLP,RLNで電圧信号に変換され、D/Aコンバータの出力信号として、アナログ出力信号1,2が出力される。
トランジスタM91〜M98は、電流源セルのスイッチトランジスタのバイアス電圧(制御電圧)を生成するバイアス回路である。以下、バイアス回路の構成を説明する。
PMOSトランジスタ(第1の電流源)M91は、ソース電極が電源(第1の電圧源)に接続されたものである。NMOSトランジスタ(第1のNMOSトランジスタ)M92は、ゲート電極およびドレイン電極がPMOSトランジスタM91のドレイン電極に接続されると共にスイッチSWxPおよびスイッチSWxNに接続され、バイアス電圧BIAS2を供給可能なように構成されたものである。NMOSトランジスタ(第2のNMOSトランジスタ)M93は、ソース電極およびバックゲート電極がNMOSトランジスタM92のソース電極に接続され、ドレイン電極が電源(第2の電圧源)に接続され、ゲート電極が参照電圧端子に接続されたものである。なお、NMOSトランジスタM92,M93の共通ソースがスイッチSWxPおよびスイッチSWxNに接続され、バイアス電圧BIAS3を供給可能なように構成されたものである。NMOSトランジスタ(第2の電流源)M94A,M94Bは、それぞれのドレイン電極がNMOSトランジスタM92,M93の共通ソースに接続され、それぞれのソース電極がグランド(第3の電圧源)に接続されたものである。NMOSトランジスタM94A,M94Bのゲート電極にはバイアス電圧BIAS1が供給されるように構成されている。
PMOSトランジスタM95,M96は、それぞれのソース電極が電源に接続され、それぞれのゲート電極がPMOSトランジスタM95のドレイン電極と共にPMOSトランジスタM91のゲート電極に接続されたものである。NMOSトランジスタM97は、ドレイン電極がPMOSトランジスタM95のドレイン電極に接続され、ゲート電極にバイアス電圧BIAS1が供給され、ソース電極がグランドに接続されたものである。NMOSトランジスタM98は、ドレイン電極およびゲート電極(参照電圧端子)がPMOSトランジスタM96のドレイン電極に接続されると共にNMOSトランジスタM93のゲート電極に接続され、ソース電極がグランドに接続されたものである。
NMOSトランジスタM94A,M94B,M97は、NMOSトランジスタM11と同じサイズのトランジスタである。これらはゲート電極を共有し、バイアス電圧BIAS1が印加されるため、Ilsbの電流が流れている。PMOSトランジスタM95,M96,M91は、カレントミラー回路を構成し、PMOSトランジスタM95を流れる電流Ilsbを、PMOSトランジスタM96,M91にも流す。NMOSトランジスタM92は、NMOSトランジスタM12P,M12Nと同じサイズのトランジスタである。NMOSトランジスタM94AとNMOSトランジスタM92に流れる電流値はIlsbである。したがって、NMOSトランジスタM94AとNMOSトランジスタM92で電流源セルのオンしているスイッチトランジスタ側の複製回路となっている。バイアス電圧BIAS2は、オンしているスイッチトランジスタ側のゲート電極に印加されるバイアス電圧であり、バイアス電圧BIAS3は、オフしているスイッチトランジスタ側のゲート電極に印加されるバイアス電圧である。NMOSトランジスタM93は、NMOSトランジスタM11と同じサイズで、バックゲート電極はそのNMOSトランジスタM93のソース電極に接続している。なお、NMOSトランジスタM93以外のトランジスタのバックゲート電極は、NMOSトランジスタはグラントに、PMOSトランジスタは、電源に接続されている。
次に動作について説明する。
電流源セルのNMOSトランジスタM11は、飽和領域(Vgsが一定のとき、Vdsを大きくするとVdsに関らずIdが一定になる。これを言う)で動作する必要がある。NMOSトランジスタM11が飽和するための条件は以下の式(3)である。
Vds11>Vgs11−Vth11 ・・・(3)
ここで、Vgs11は、NMOSトランジスタM11のゲート−ソース間電圧、Vds11は、NMOSトランジスタM11のドレイン−ソース間電圧、Vth11は、NMOSトランジスタM11のしきい値電圧である。Vds11の電圧値は、NMOSトランジスタM94A,M92で構成される複製回路の対応するバイアス電圧BIAS3に等しくなる。また、Vgs11=Vgs94A,Vth11=Vth94Aであるから、
BIAS3>Vgs94A−Vth94A ・・・(4)
を満足すると、NMOSトランジスタM11も飽和領域で動作する。
BIAS3は以下の式(5)で得られる。
BIAS3=Vgs98−Vgs93 ・・・(5)
ここで、Vgs98,Vgs93は、それぞれNMOSトランジスタM98,M93のゲート−ソース間電圧である。ここで、NMOSトランジスタM93においては、NMOSトランジスタM94Aと同じサイズで、ドレイン電流はIlsbで、ソース電極とバックゲート電極が同一端子に接続されており、基板バイアス効果を受けないことから、NMOSトランジスタM94Aと同じ電気特性を示し、
Vgs93=Vgs94A ・・・(6)
となる。以上式(4)から(6)よりNMOSトランジスタM11を飽和させる条件は以下の式(7)にまとめられる。
Vgs98>2×Vgs94A−Vth94A
Vgs98>2×(Vgs94A−Vth94A)+Vth94A ・・・(7)
NMOSトランジスタM98は、基板バイアス効果の影響を受けないので、Vth98=Vth94Aである。
また、MOSトランジスタの電流式は、
Figure 0004827977
ここで、μnは、電子の移動度、Coxは、単位面積当たりのゲート容量である。
上式(8)より、
Figure 0004827977
であるから、NMOSトランジスタM98のW/L比を、NMOSトランジスタM94AのW/L比の1/4以下にすることによって、上式(7)を実現することができる。
このように、NMOSトランジスタM11を飽和領域で動作させるための条件は、トランジスタのサイズ比のみで決めることができる。集積回路においてはトランジスタのサイズ比を高精度に製造することが可能であるため、容易に実現可能である。また、NMOSトランジスタM93,M98は基板バイアス効果の影響を受けないため、製造ばらつきや動作環境の変化に伴なうしきい値電圧Vthや電流の変化の影響を受けない。したがって、従来の回路で必要なマージンを削減することができ、より低電源電圧な回路でも動作可能になる。
なお、NMOSトランジスタM21とM22PとM22N、NMOSトランジスタM31とM32PとM32Nの電流源セルにおいても同様の条件で飽和する。
また、Vds11=BIAS3なので、バイアス電圧BIAS3が印加されオフするNMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nにおいては、ゲート−ソース間電圧が0Vになり、しきい値電圧が正であれば電流は流れない。
NMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nのゲートは、バイアス電圧BIAS2の電圧からBIAS3の電圧までをスイングする。従来はオフ電圧にはグランド電圧を使用していた。変化する電圧範囲が狭くなるためNMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nの寄生容量を介して流れる電荷注入量が小さくなる。このためD/Aコンバータのノイズが小さくなり、S/N比や動作速度等の性能が向上する。
さらに、従来の回路ではオンからオフに状態が変化するスイッチトランジスタにおいてグランドに瞬間的に大きな充放電電流が流れていた。しかし、この実施の形態1では、グランドに直接流れないため、グランドで生じるノイズが小さくなり、一層S/N比や動作速度が向上する。
なお、図1ではNMOSトランジスタで構成された電流駆動型D/Aコンバータについて示したが、電流駆動型D/AコンバータはPMOSトランジスタで構成されたものであっても良い。
図3はこの発明の実施の形態1による他の電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図であり、3ビットD/AコンバータをPMOSトランジスタで構成した例である。
図3では図1に対して、NMOSトランジスタがPMOSトランジスタに、PMOSトランジスタがNMOSトランジスタにそれぞれ置き換わったために、電源およびグランド間で接続が逆転したものとなるが、その他の構成については図1と同等である。
このような回路構成でも図1と同様な効果が得られる。
以上のように、この実施の形態1によれば、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nのオフ制御電圧を、オン制御電圧に近づけた電圧に設定したことにより、上記NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタの制御電圧振幅が小さくなり、寄生容量を介した電荷注入によるノイズの発生を低減すると共に、オフする際の寄生容量からグランドもしくは電源への放電電流の流れ込みによるグランド電圧もしくは電源電圧のノイズの発生を低減し、高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることができる。
また、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nのオフにするゲート−ソース間電圧を0Vになるようにオフ制御電圧を設定したことにより、制御電圧振幅がさらに小さくなり、寄生容量によるノイズの発生を低減し、さらに高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることができる。
さらに、基板バイアス効果によるしきい値電圧の影響を受けないバイアス電圧を生成し、低電圧や電流源の出力電圧の小さいD/Aコンバータの飽和条件を満たすバイアス回路を構成することができ、高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることができる。
さらに、図1において、NMOSトランジスタM92,M93のドレイン電極にカレントミラー(電流ミラー回路)を挿入し、NMOSトランジスタM93のドレイン電流と同じ電流値をNMOSトランジスタM92に流すようにしても良く、PMOSトランジスタM91と、NMOSトランジスタM94A,M94Bとの電流比を高精度に設定する必要があるが、カレントミラー回路を用いることにより、これを小さな回路で容易に実現することができる。
さらに、図3において、PMOSトランジスタM92,M93のドレイン電極にカレントミラー(電流ミラー回路)を挿入し、PMOSトランジスタM93のドレイン電流と同じ電流値をPMOSトランジスタM92に流すようにしても良く、NMOSトランジスタM91と、PMOSトランジスタM94A,M94Bとの電流比を高精度に設定する必要があるが、カレントミラー回路を用いることにより、これを小さな回路で容易に実現することができる。
さらに、図1および図3に示した電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路は、図1および図3に示した電流駆動型D/Aコンバータの電流源セルの制御電圧供給用に適用するようにしても良いが、その他の電流駆動型D/Aコンバータの電流源セルの制御電圧供給用に適用するようにしても良い。
さらに、図1および図3に示した電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路の出力段に電圧バッファを設け、その電圧バッファを介したバイアス電圧を制御電圧として電流駆動型D/Aコンバータの電流源セルに適用するようにしても良く、バイアス回路の出力段に電圧バッファを設けたことにより、バイアス回路の出力インピーダンスを低減することができ、ノイズの影響を受けにくいバイアス電圧を得ることができる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図であり、図4において、PMOSトランジスタM99は、ソース電極が電源に接続され、ゲート電極がPMOSトランジスタM95,M96,M91のゲート電極に接続され、カレントミラー回路を構成したものである。NMOSトランジスタM100は、ドレイン電極およびゲート電極がPMOSトランジスタM99のドレイン電極に接続されると共にバイアス電圧BIAS3を電流源セルに供給し、ソース電極がNMOSトランジスタM92のソース電極、およびNMOSトランジスタM93のソース電極およびバックゲート電極に接続されたものである。なお、その他の構成については、図1と同等である。
次に動作について説明する。
図4において、バイアス電圧BIAS3は、PMOSトランジスタM99およびNMOSトランジスタM100により生成される。PMOSトランジスタM99のサイズを調整することにより、NMOSトランジスタM100に微小な電流を流すと、NMOSトランジスタM100のゲート−ソース間電圧は、NMOSトランジスタM100のしきい値電圧Vthになる。この場合、スイッチトランジスタのゲート電圧の変化する範囲がさらに狭くなり、電荷注入量の削減が可能になる。
なお、図4ではNMOSトランジスタで構成された電流駆動型D/Aコンバータについて示したが、電流駆動型D/AコンバータはPMOSトランジスタで構成されたものであっても良い。
図5はこの発明の実施の形態2による他の電流駆動型D/Aコンバータを示す回路図であり、3ビットD/AコンバータをPMOSトランジスタで構成した例である。
図5では図4に対して、NMOSトランジスタがPMOSトランジスタに、PMOSトランジスタがNMOSトランジスタにそれぞれ置き換わったために、電源およびグランド間で接続が逆転したものとなるが、その他の構成については図4と同等である。
このような回路構成でも図4と同様な効果が得られる。
以上のように、この実施の形態2によれば、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタM12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32Nのゲート−ソース間電圧をそれらNMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタのしきい値電圧になるようにオフ制御電圧を設定したことにより、制御電圧振幅がさらに小さくなり、寄生容量によるノイズの発生を低減し、さらに高性能な電流駆動型D/Aコンバータを得ることができる。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による電流駆動型D/Aコンバータを適用したフォールデッドカスコードオペアンプ示す回路図であり、図において、フォールデッドカスコードオペアンプにおいては、NMOSトランジスタM11P,M11Nからなる差動対、NMOSトランジスタM13A,M13Bからなる差動対と、PMOSトランジスタM14P,M14N,M15P,M15N、NMOSトランジスタM16P,M16N,M17P,M17Nからなる出力段から構成される。入力電圧VIP,VINは、NMOSトランジスタM11P,M11Nのゲート電極に印加される。PMOSトランジスタM15NおよびNMOSトランジスタM16N間から出力電圧VOUTPが出力され、PMOSトランジスタM15PおよびNMOSトランジスタM16P間から出力電圧VOUTNが出力される。フォールデッドカスコードオペアンプにおいては、全てのトランジスタは飽和領域動作する必要がある。
PMOSトランジスタM21P,M21N,M22P,M22N、NMOSトランジスタM23P,M23N,M24P,M24N、抵抗R1からなるバイアス回路(従来の回路)は、バイアス電圧BIAS1およびバイアス電圧BIAS4を生成するものである。
PMOSトランジスタM101A,M101B,M102,M105,M106、NMOSトランジスタM103,M104,M107,M108からなるバイアス回路(実施の形態1を適用)は、バイアス電圧BIAS2を生成するものである。この回路は、実施の形態1における電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路と同様に動作し、基板バイアス効果を受けないため、製造ばらつきや動作環境によらず、PMOSトランジスタM14P,M14Nを飽和させるバイアス電圧を容易に生成することが可能である。
PMOSトランジスタM203,M204,M207,M208、NMOSトランジスタM201A,M201B,M202,M205,M206からなるバイアス回路(実施の形態1を適用)は、バイアス電圧BIAS3を生成するものである。この回路においても同様に、基板バイアス効果を受けないため、製造ばらつきや動作環境によらず、PMOSトランジスタM17P,M17Nを飽和させるバイアス電圧を容易に生成することが可能である。
以上のように、この実施の形態3によれば、バイアス電圧BIAS2,BIAS3を生成するバイアス回路に、実施の形態1のバイアス回路を適用したことにより、基板バイアス効果を受けないため、製造ばらつきや動作環境によらず、フォールデッドカスコードオペアンプにおいて、トランジスタを飽和させるバイアス電圧を容易に生成することができる。
BIAS1,BIAS4 バイアス電圧、BIAS2,BIAS3 バイアス電圧(制御電圧)、M11,M21,M31 PMOSトランジスタ NMOSトランジスタ(電流源)、M11P,M11N,M13A,M13B,M16P,M16N,M17P,M17N,M23P,M23N,M24P,M24N,M103,M104,M107,M108,M201A,M201B,M202,M205,M206 NMOSトランジスタ、M12P,M12N,M22P,M22N,M32P,M32N PMO Sトランジスタ NMOSトランジスタ(電流スイッチ)、M14P,M14N,M15P,M15N,M21P,M21N,M22P,M22N,M101A,M101B,M102,M105,M106,M203,M204,M207,M208 PMOSトランジスタ、M91 NMOSトランジスタ PMOSトランジスタ(第1の電流源)、M92 PMOSトランジスタ(第1のPMOSトランジスタ) NMOSトランジスタ(第1のN MOSトランジスタ)、M93 PMOSトランジスタ(第2のPMOSトランジスタ) NMOSトランジスタ(第2のNMOSトランジスタ)、M94A,M94B PMOSトランジスタ(第2の電流源) NMOSトランジスタ(第2の電流源)、M95,M96,M98〜M100 PMOSトランジスタ NMOSトランジスタ、M97 PMOSトランジスタ NMOSトランジスタ、R1 抵抗、RLP,RLN 負荷抵抗、SW12P,SW12N,SW22P,SW22N,SW32P,SW32N スイッチ、VIP,VIN 入力電圧、VOUTP,VOUTN 出力電圧。

Claims (4)

  1. 一方が第1の電圧源に接続された第1の電流源と、
    ゲート電極およびドレイン電極が上記第1の電流源の他方に接続された第1のNMOSトランジスタと、
    ソース電極およびバックゲート電極が上記第1のNMOSトランジスタのソース電極に接続され、ドレイン電極が第2の電圧源に接続され、ゲート電極が参照電圧端子に接続された第2のNMOSトランジスタと、
    一方が上記第1および第2のNMOSトランジスタのソース電極に接続され、他方が第3の電圧源に接続された第2の電流源とを備えた電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路。
  2. 一方が第1の電圧源に接続された第1の電流源と、
    ゲート電極およびドレイン電極が上記第1の電流源の他方に接続された第1のPMOSトランジスタと、
    ソース電極およびバックゲート電極が上記第1のPMOSトランジスタのソース電極に接続され、ドレイン電極が第2の電圧源に接続され、ゲート電極が参照電圧端子に接続された第2のPMOSトランジスタと、
    一方が上記第1および第2のPMOSトランジスタのソース電極に接続され、他方が第3の電圧源に接続された第2の電流源とを備えた電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路。
  3. 第1および第2のNMOSトランジスタのドレイン電極に電流ミラー回路を挿入し、第2のNMOSトランジスタのドレイン電流と同じ電流値を第1のNMOSトランジスタに流すようにしたことを特徴とする請求項1記載の電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路。
  4. 第1および第2のPMOSトランジスタのドレイン電極に電流ミラー回路を挿入し、第2のPMOSトランジスタのドレイン電流と同じ電流値を第1のPMOSトランジスタに流すようにしたことを特徴とする請求項2記載の電流駆動型D/Aコンバータのバイアス回路。
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