以下、本発明に係る弾球遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機1の概略を図1を参照して説明する。図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。なお、後述する実施の形態では、本発明の弾球遊技機を、所謂2種パチンコ遊技機に適用した例を挙げて説明するが、これに限らず、所謂1種2種パチンコ遊技機等にも適用可能であることは勿論である。
すなわち、本パチンコ機(弾球遊技機)1は、図1に示すように、発射ハンドル9の操作による球発射装置72(図13参照)の作動で磁性金属製の遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤11の遊技領域11aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、打ち出された遊技球が、入賞口13(以下、可変入賞口13ともいう)13、入賞口14(以下、第1入賞口14ともいう)、入賞口15(以下、第2入賞口15ともいう)、入賞口16,17(以下、一般入賞口16,17ともいう)、又はアウト口18に収容される構成をなしている。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス36を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス36の奥側には、遊技盤11が配設されている。前扉3における遊技盤11の左右には演出用照明装置28が配設されており、前扉3における上部左右には夫々スピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配設されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配設されている。なお、上記筐体2及び前扉3等により遊技機本体が構成されている。
本パチンコ機1は、上記遊技機本体に設けられた遊技盤11の遊技領域11aに、遊技球Baが入球可能な入賞口(始動入賞口)14,15と、該入賞口14,15への入球を契機に開放して内部の機械的抽選部47への入球を可能にする羽根部材(開閉部材)13aを有するセンター飾り22とを備える。更に、機械的抽選部47は、特定入賞口(特定入賞部、所謂Vゾーン)53a(図2参照)及び一般入賞口(外れ部位、所謂外れゾーン)53b,53c(図2参照)を有して一方向(本実施形態では図2の反時計回り方向)に連続的に低速回転する回転部材53(図2参照)を備えている。
そして、前扉3は下部中央に皿ユニット6を有しており、該皿ユニット6における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口23が設けられ、皿ユニット6における右上部には、球貸ボタン7a及び返却ボタン7bが設けられている。皿ユニット6の中央部には、該皿ユニット6上の遊技球を皿ユニット6下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン21aと、皿ユニット6上の遊技球を球供給口23付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン21bとが配置されている。
また、前扉3における皿ユニット6の右側下方には、球発射装置72(図13参照)を操作して遊技球を遊技盤11に向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられ、皿ユニット6の左側下方には灰皿25が配設されている。なお、図1中の符号12は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技領域11aに導くガイドレールを示し、符号18はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域11aにて入賞することなく落下してアウト口18に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
一方、遊技領域11a内に配設された入賞口13〜17は全て、遊技球が入賞した場合に所定数の遊技球を賞球するように機能するが、単に遊技球の賞球のみを行うものと、賞球以外の他の機能を有するものとが存在している。具体的には、遊技領域11aの中央左側に設けられた入賞口16と、遊技領域11aの左右下方に設けられた、後述する遊技球誘導ユニット20に配設された入賞口17とが、前者に示した賞球のみ行う入賞口となる。また、遊技領域11aの中央に設けられたセンター飾り22の上部に配置された入賞口13と、遊技領域11aの中央下部に縦に整列されて配設された入賞口14,15とが、後者に示した賞球以外の他の機能を有する入賞口となる。
第1入賞口14及び第2入賞口15の左右には、遊技領域11aに打ち出されて落下してきた遊技球を、第2入賞口15の方へ誘導し得る遊技球誘導ユニット20が配置されている。遊技球誘導ユニット20は、誘導部材19が遊技盤11に取り付けられ、上方に向けて開口した入賞口17を有している。この入賞口17は、遊技球の入賞をもって所定数の遊技球を賞球する機能を有している。
誘導部材19の上部には、遊技領域11aの中央部に向かって下降するように傾斜する遊技球誘導路が形成されているので、遊技領域11aに打ち出されて落下してくる遊技球が、誘導部材19(即ち、遊技球誘導ユニット20)の上面側に落下した際には、上記遊技球誘導路上を遊技領域11aの中央部に向かって転動することとなる。
また、遊技球誘導ユニット20の第2入賞口15側には、誘導部材19の背後から不図示のソレノイドによって突出する可動部材26が配置されている。可動部材26は、上記ソレノイドの非駆動時には、誘導部材19の背後に全体が隠れるように退避した状態となっている。また、駆動時には、図1に示した位置までその先端が移動するので、遊技球誘導路上に落下して転動する遊技球の第2入賞口15への入球を補助し得るものとなる。
一方、前述したセンター飾り(可変入賞装置)22の中央上部に備えた可変入賞口13は、通常時において羽根部材(開閉部材)13aによって閉鎖されている。しかし、遊技球が、第1入賞口(始動入賞口)14もしくは第2入賞口(始動入賞口)15に入賞した際には、羽根部材13aが開閉ソレノイド70(図13参照)によって開閉駆動されることによって、一定時間(例えば約0.5秒/回)だけ開放状態となる。
すなわち、第1入賞口14及び第2入賞口15への入賞は、通常の賞球のみならず、センター飾り22の可変入賞口13を開放させる条件ともなっている。具体的には、第1入賞口14に遊技球が入賞した際には、羽根部材13aが駆動されることによって、可変入賞口13が1回だけ開放状態となる。また、第2入賞口15に遊技球が入賞した際には、第1入賞口14に入賞したときと同様な可変入賞口13の開放が2回実行される。これにより、第1入賞口14へ入賞したときよりも第2入賞口15に入賞したときの方が、可変入賞口13への遊技球の入賞可能性は高まるものとなっている。
ところで、遊技領域11aには、センター飾り22の左右に風車24がそれぞれ配設されている。また、遊技領域11aにおけるセンター飾り22の周囲には、発射されてからセンター飾り22に関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、第1入賞口14、第2入賞口15等に対し、入賞に導くようにするための複数の障害釘が打ち込まれている。なお、本実施の形態においては、上記風車24がセンター飾り22の左右に配設されるものとして説明するが、これは1つの例であり、配設させる位置や数については遊技領域11a内において特に限定されるものではない。また、障害釘や各種入賞口等にあっても、配設させる位置や数について遊技領域11a内において特に限定されるものではない。
また、センター飾り22の上部に配置された羽根部材13aは、開閉ソレノイド70(図13参照)によって回動駆動(図1の反時計回り方向、時計回り方向)されることで可変入賞口13を開閉する。打ち出されてきた遊技球は、可変入賞口13の開状態の際にセンター飾り22内の機械的抽選部47に導入され得るものとなる。
センター飾り22における機械的抽選部47の背面側には、種々の演出表示を行う画像表示装置40が設けられている。該センター飾り22内の左側部には、可変入賞口13から機械的抽選部47へと連通する案内路31aが形成されている。該案内路31aの下端部には、可変入賞口13から導入した遊技球を機械的抽選部47の案内路55に導入する導入口31b(図3及び図4参照)が設けられている。案内路55の内部には、放出口55a(図2参照)から機械的抽選部47内の回転部材53上に遊技球を放出する抽選ルート(図示せず)と、放出口55aに到達する前に遊技盤11の裏面に遊技球を排出する排出ルート(図示せず)とに、案内路31aを案内されてきた遊技球を選別するように、不図示のソレノイドの作動で一定時間ごとに位置が切換わる選別部材(図示せず)が配設されている。該選別部材の作動により、抽選ルート又は排出ルートのいずれかに1/2(50%)の確率で遊技球が振り分けられる。なお、放出口55aからの遊技球は、回転部材53上にて該回転部材53の回転方向とは逆の方向(本実施形態では図2の時計回り方向)に回転移動し得る角度で放出される。
上記機械的抽選部47は、図2に示すように、センター飾り22の下部中央に設けられたステージSの上部後方側に配設されると共に、回転部材53を中心部分に回転自在に収容する収容部48を有している。該収容部48には、案内路55側に形成されて該案内路55内で選別された遊技球を回転部材53上に放出する放出口55aと、上方に位置する放出口32aから落下した遊技球Baを緩衝しつつ受けるコップ状の球受け部56と、該球受け部56側に形成された状態で該球受け部56で受けた遊技球を回転部材53上に放出する放出口56aとが設けられている。放出口56aからの遊技球は、回転部材53上にて該回転部材53の回転方向とは逆の方向(本実施形態では図2の時計回り方向)に回転移動し得る角度で放出される。該回転部材53には、特定入賞口53a及び一般入賞口53b,53cが、回転中心54を中心とした放射状に設けられており、該回転部材53の下部内方には、特定入賞口53aに入賞した遊技球を検出する入賞口センサ49(図13参照)と、一般入賞口53b,53cに入賞した遊技球を検出する入賞口センサ50(図13参照)とが配設されている。
上記センター飾り22は、左側に設けられた導入口27から導入された遊技球を上記ステージSに案内する案内路59と、該案内路59を経由してステージSに案内された遊技球のうちで上手く載ったものを紙面奥側に進入させて下方の放出口29から第1入賞口14に向けて放出させるための導入路57と、該導入路57の左右に位置して、導入路57に導入されなかった遊技球を導いて下方の、第1入賞口14とはやや異なる方向に落下させるための案内溝58,58とを有している。
ついで、本発明の特徴である、センター飾り(可変入賞装置)22の振分け装置30及びその周辺構造について、図2〜図12を参照して説明する。
すなわち、センター飾り22は、遊技球Baを機械的抽選部47に所定の導入確率(例えば50%)で導入し得る通常確率導入路31と、遊技球Baを機械的抽選部47に該通常確率導入路31への導入確率より高い導入確率(例えば100%)で導入し得る高確率導入路32と、これら両導入路31,32の何れかに遊技球Baを振り分ける振分け装置30とを有している。
上記センター飾り22は、遊技領域11aに配置された状態で、該遊技領域11aに打ち出された遊技球を羽根部材(開閉部材)13aの開閉動作で導入し、該遊技球を、機械的抽選部47の特定入賞口(特定入賞部)53aと一般入賞口(外れ部位)53b,53cの何れかに導く可変入賞装置を構成している。該センター飾り22は、遊技球を機械的抽選部47に所定の導入確率(例えば50%)で導入し得る通常確率導入路(所謂ノーマルルート)31と、遊技球を該通常確率導入路31への導入確率より高い導入確率(例えば100%)で導入し得る高確率導入路(スペシャルルート)32と、これら両導入路31,32の何れかに遊技球Baを振り分ける振分け装置30とを有している。通常確率導入路31は、羽根部材13aにより導入されて導入路35を通って振分け装置30の振分け回動部材39で振り分けられた遊技球を、案内路31a及び導入口31bを介して案内路55に案内するように構成されている。高確率導入路32は、羽根部材13aにより導入されて導入路35を通って振分け装置30の振分け回動部材39で振り分けられた遊技球を、放出口32aから機械的抽選部47の球受け部56に落下させるように構成されている。
上記振分け装置30は、羽根部材13aにより導入された遊技球Baを高確率導入路32及び通常確率導入路31のうちの何れか一方に振り分けるように直線状に延在する分岐路34と、羽根部材13aにより導入された遊技球Baを分岐路34の延在方向に対し直交する形で導くように形成された導入路35と、分岐路34と導入路35との交差部分に配置された振分け回動部材39とを有している。つまり、振分け装置30は、図3及び図4に示すように、裏面側のベース部材42に装着する形で設けられており、開閉部材13aにより導入された遊技球を受け入れる導入路35と、該導入路35の球案内面35aを介して送られた遊技球を振分け回動部材39(図5参照)側に進入させる進入口35f(図6参照)と、上記放出口32aを先端部に備えた高確率導入路32と、案内路31a及び導入口31bを備えた通常確率導入路31とを有している。
上記振分け装置30は、図5及び図6に示すように、開閉部材13aにより導入された遊技球Baを高確率導入路32及び通常確率導入路31のいずれか一方に振り分ける、同図左右方向に延在する直線状の分岐路34と、該分岐路34に対し直交してT字状を成すように位置決めされて遊技球Baを導く導入路35とを有している。振分け装置30は、導入路35よりベース部材42側に、分岐路34に導入路35を介して導かれた遊技球Baを当接させる段差d(図8参照)を形成するように作動する振分け回動部材39を有している。
上記導入路35は、図7〜図10に示すように、ベース部材42側に装着される装着面35eから前面側(図7の紙面下側)に膨出する形状を呈する単体の部材から構成されている。該導入路35は、羽根部材13aにより導入された遊技球Baを衝撃無く緩やかに受け止め得るように側面視が湾曲状(図6参照)に形成された球受け面35dと、該球受け面35dに続き且つ分岐路34の延在方向と平行に延びる平坦面として形成された球案内面35aと、該球案内面35aを転動してきた遊技球Baを受け止めつつその方向を分岐路34と直交する方向(図7の矢印A方向)に変更させるように平面視が湾曲状にされた転動方向変更面35bと、該転動方向変更面35bで受け止められつつ転動方向を進入口35f側に変更された遊技球Baを一段下方に落とすように他の部位に比して低く形成された段差面35cとを有している。
上記段差面35cは、振分け回動部材39が通常確率導入路31側に傾いた状態(図6参照)のときに、磁石を使った不正行為により導入路35からゆっくりと進入しようとして、振分け回動部材39の平坦状の振分け面39aとで成す段差dを有する前端面39cに当接して停止された遊技球Baを、その下面を図8の符号Ba1で示すように前端面39c上端に当接させた状態で停留させるように機能する。また、導入路35からの遊技球Baを分岐路34側に受け入れる進入口35fは、遊技球Baの直径(例えば11[mm])よりやや大きい幅寸法e(図6参照)を有した形で開放されている。なお、符号39bは、振分け面39aの後端縁部から上方に直角に立ち上がるように形成され、分岐路34に勢いよく跳びこんできた遊技球Baを当接させて振分け面39a上に落下させるための当接面である。
上記振分け回動部材39は、通常確率導入路31側に傾斜する反時計回り方向(一方向)と高確率導入路32側に傾斜する時計回り方向(他方向)とに交互に回動し、反時計回り方向に回動した状態にあっては導入路35から分岐路34に進入する遊技球Baに当接する段差dを形成することで、分岐路34に通常の過程を経て転動してくる遊技球Baのみを乗り越えさせて該分岐路34に進入させ、かつ通常の過程以外の過程(即ち、磁石を使った不正行為)を経て転動してくる遊技球Baを停止させて分岐路34内に進入させないように構成されている。
つまり、振分け回動部材39は、ベース部材42側に支持される回動支点41を中心として、図5及び図6の反時計回り方向(一方向)と時計回り方向(他方向)とに一定の時間間隔で交互に回動動作するように構成され、振分けソレノイド52(図13参照)のプランジャ(図示せず)の進退力を公知の伝達機構(図示せず)を介して受けることで回動させられる。振分け回動部材39は、通常確率導入路31側に傾斜する反時計回り方向(一方向)に回動した状態にあっては、高確率導入路32側に寄った状態で分岐路34に進入する遊技球Baの中心cより下部側を当接するように分岐路34から突出するように構成されている。
上記導入路35は、図6に示すように、遊技球の直径よりやや大きい幅eを有し、かつ該導入路35を介して転動してくる遊技球Baを高確率導入路32側に寄せた状態で分岐路34に進入させ得るように傾斜状態で分岐路34に連結されている。つまり、振分け装置30の正面視において、導入路35は、全体的に同図右側に向けて下降するように傾斜して配設されており、振分け回動部材39との位置関係では、進入口35fの幅寸法eのやや左側に振分け回動部材39の回動中心41が位置するように構成される。
上記振分け回動部材39は、図11(a),(b),(c)に示すように、通常確率導入路31側に傾斜する反時計回り方向(一方向)に回動した状態において、進入口35fの下面(即ち段差面35c)から上方に前端面39cを角度θだけ上昇し、遊技球Baの中心c(図8参照)よりも下側を当接させ得るように段差面35cから上方に所定量突出して、振分け面39aとの間に段差d(図8参照)を形成するように構成されている。また、振分け回動部材39は、図12(a),(b),(c)に示すように、高確率導入路32側に傾斜する時計回り方向(他方向)に回動した状態においては、進入口35fの下面(即ち段差面35c)から上方に段差dより小さい若干量だけ上昇した状態で、遊技球Baの下部面を僅かに当接させ得るように構成される。従って、磁石を使った不正行為によって遊技球Baが磁石で吸着されつつ球案内面35aを緩やかに誘導されて、転動方向変更面35bからタイミングを見計らって進入口35fに進入されようとしても、図11に示す状態にあっては、段差面35cから上方に突出した前端面39cが遊技球Baを当接させて失速させ、分岐路34内に進入する速度ベクトルを0にすることで、不正行為を防止するように機能する。
一方、振分け回動部材39は、高確率導入路32側に傾斜するように回動した状態(図12参照)では、進入口35fの下面(即ち段差面35c)から若干量突出した状態になるため、このタイミングで普通の勢いで到達した遊技球Baを高確率導入路32に導くように機能する。上述した段差dは、遊技球Baの直径が例えば11[mm]である場合、1/10から2/10程度の寸法であれば良く、該段差dがあまり大きくなると、遊技球Baが通常時の勢いで分岐路34に進入しようとした場合であっても、該遊技球Baを進入させることが難しくなる。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図13に沿って説明する。図13は本パチンコ機1の全体の制御系を示すブロック図である。
遊技制御装置60は、遊技盤11の裏面に取り付けられた役物制御ユニット(図示略)により実現されている。図13に示すように、遊技制御装置60は、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用マイクロコンピュータ62と、水晶の発振周波数を分周して所定のクロックを得るクロック生成回路(CLK)63と、各種信号の入出力を行う入出力I/F(インターフェース)64とを有している。遊技用マイクロコンピュータ62は、CPU62a、ROM62b、RAM62cを内蔵する、所謂アミューズチップ用のICとして製造されている。
遊技制御装置60の入出力I/F64には、第1入賞口センサ65、第2入賞口センサ66、及び入賞口センサST1,ST2,49,50からの検知信号が入力される。ここで、第1入賞口センサ65は、第1入賞口14への入賞を検知するセンサであり、第2入賞口センサ66は、第2入賞口15への入賞を検知するセンサである。また、入賞口センサST1,ST2はそれぞれ、一般入賞口16,17、可変入賞口13への入賞を検知するセンサである。また、入賞口センサ49は、特定入賞口53aへの大当たりに係る入賞を検知するセンサで、入賞口センサ50は、一般入賞口53b,53cへの入賞を検知するセンサである。
遊技用マイクロコンピュータ62は、入賞判定手段46を有している。該入賞判定手段46は、第1入賞口センサ65、第2入賞口センサ66、入賞口センサST1,ST2,入賞口センサ49,50からの検知信号に基づき、第1入賞口14、第2入賞口15、一般入賞口16,17、可変入賞口13、特定入賞口53a、一般入賞口53b,53cへの入賞をそれぞれに判定する。
また、入出力I/F64からは、放音装置8を放音駆動して効果音などの出力制御を行う音声出力制御装置68、演出用照明装置28等の制御を行う演出制御装置69、センター飾り22の羽根部材13aを開閉作動させる開閉ソレノイド70、球発射装置72を制御する発射制御装置71、機械的抽選部47の回転部材53を一方向に連続的に回転するように駆動するモータ51、振分け装置30の振分け回動部材39を図5の時計回り方向と反時計回り方向とに一定の時間間隔で交互に回動動作させる振分けソレノイド52、に信号がそれぞれ出力される。
上記振分けソレノイド52は、振分け回動部材39の高確率導入路32側への回動停留時間が通常確率導入路31側への回動停留時間に比して短くなるように該振分け回動部材39を回動させるように作動される。
更に、入出力I/F64からは、排出制御装置67にも賞球制御情報の信号が出力される。なお、賞球制御情報の内容としては、賞球数情報や排出条件等の情報が出力される。排出制御装置67は、遊技制御装置60から入力される賞球制御情報に基づいて、排出ユニット(不図示)を駆動して遊技球を排出する制御を行うものである。すなわち、遊技制御装置60は、遊技領域11aの各入賞口に設けられた第1入賞口センサ65、第2入賞口センサ66、入賞口センサ49,50によって入賞が検知されると、各入賞口の入賞価値に対応して予め設定された賞球数情報を、排出制御装置67へ送信する。そして、排出制御装置67では、この賞球数情報を受信して、それに応じた賞球排出制御を行う。
次に、本パチンコ機1による作用について説明する。すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作した際、発射制御装置71がその回転角に基づいて球発射装置72を制御し、それにより、該球発射装置72の作動で遊技球を所定の時間間隔で遊技領域11aに向けて連続的に発射する。すると、遊技領域11aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、入賞口16,17等に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域11a最下部のアウト口18から遊技盤11背面側に排出される。
ここで、本パチンコ機1は、通常の遊技中、遊技領域11aに打ち出された遊技球が、ステージSを経由して、或いは該ステージSを経由せずに第1入賞口14に入賞すると、センター飾り22に備えた羽根部材13aが、開閉ソレノイド70の作動によって1回の開閉動作(例えば約0.5秒間)を行う。また、遊技球が第2入賞口15に入賞した際には、羽根部材13aは、開閉ソレノイド70の作動によって2回の開閉動作(例えばそれぞれ約0.5秒間ずつ)を行う。このようにして羽根部材13aが開状態となったとき、遊技領域11aに打ち出された遊技球の中には、可変入賞口13からセンター飾り22内へと導入されるものがある。
可変入賞口13からセンター飾り22内に進入した遊技球Baは、まず、導入路35の球受け面35dによって緩やかに受け止められ、湾曲状の傾斜に沿って球案内面35aを案内されて転動方向変更面35bに接触し、該転動方向変更面35bの湾曲形状に沿って転動方向を分岐路34に直交する方向(図7の矢印A方向)に変更して、進入口35fから分岐路34に進入する。
その場合、振分け回動部材39が回動中心41を中心として図5の時計回り方向と反時計回り方向とに一定の時間間隔で交互に回動動作しているため、例えば振分け回動部材39が図11(b)に示すように通常確率導入路31側に回動して傾いた際に遊技球Baが分岐路34に進入しようとすると、該遊技球Baは、段差面35cから上方に突出した前端面39cに下部が当接してやや失速するが、ここで該遊技球Baは、羽根部材13aで拾われて球受け面35dに落下し、球案内面35aを勢い良く転がり移動して到達しているため、上方に突出した前端面39cを容易に乗り越えて分岐路34に進入する。そのため、振分け回動部材39が通常確率導入路31側に傾斜したままのタイミングであれば、該遊技球Baは通常確率導入路31側に誘導されて転がり移動する。また、遊技球Baが分岐路34に進入したタイミングで振分け回動部材39が高確率導入路32側に回動すると、該遊技球Baは高確率導入路32側に誘導されて転がり移動する。
一方、例えば振分け回動部材39が図12(b)に示すように高確率導入路32側に回動して傾いた状態のときに遊技球Baが分岐路34に進入しようとする場合、振分け回動部材39の前端面39cは段差面35cから僅かに突出する程度の状態であるため、普通の勢いで到達した遊技球Baは、分岐路34に進入した後、振分け回動部材39の傾斜に沿って高確率導入路32側に導かれる。
ここで例えば、不正行為者が高確率導入路32への導入を狙って、ガラス枠5の透明ガラス越しに強力な磁石を使い、遊技球Baを吸着しつつ球案内面35aを緩やかに誘導し、転動方向変更面35bからタイミングを見計らって進入口35fに進入させようとした場合、つまり、図11(b)に示すように振分け回動部材39が通常確率導入路31側に回動した最後のタイミング(即ち、高確率導入路32側に回動する直前のタイミング)を見計らって進入口35fに進入させようとした場合、当該遊技球Baを高確率導入路32に思い通りに導入させることはできない。
すなわち、ガラス越しに磁石に吸着された遊技球Baは、転動方向変更面35bに沿って転がり移動しながらゆっくりと振分け回動部材39に載ろうとするため、振分け回動部材39が図11(b)に示す状態にあれば、段差面35cから上方に所定量突出した前端面39cに当接して失速し、速度ベクトルが0になって勢いが無くなることから、該前端面39cを乗り越えることができず、従って、図8の符号Ba1で示すように段差面35c上に停留することになる。そのため、後続の遊技球Baが、先行して停留している遊技球Ba1に当接して詰まり、複数個の遊技球Baによる球詰まり状態を発生させることになる。この時点で、たとえ振分け回動部材39が高確率導入路32側に回動したとしても、図12(b)に示すように、前端面39cが段差面35cから上方に若干量だけ上昇して遊技球Baの下部面を僅かに当接させるので、遊技球Ba1は分岐路34側に進入できず、後続の遊技球Baが転動してきた場合、上述と同様に球詰まり状態を発生させることになる。
また、振分け回動部材39が図12(b)に示す状態にある場合には、段差面35cから僅かに突出した前端面39cに当接して進入速度がやや遅くなり、更に、高確率導入路32側への回動停留時間が通常確率導入路31側への回動停留時間に比して短い振分け回動部材39が、次の瞬間に通常確率導入路31側に回動するため、遊技球Baは振分け回動部材39に載ったとしても通常確率導入路31に導かれることが多い。
ところで、羽根部材13aによりセンター飾り22内に取り込まれた遊技球は、上述の振分け装置30に到達する前に入賞口センサST2(図13参照)で検出され、遊技制御装置60が、該入賞口センサST2からの検知信号を契機として、導入された遊技球の数を不図示のカウンタでカウントすると共に、予め設定された賞球数情報(例えば賞球数が5個)を排出制御装置67へ送信する。該排出制御装置67は、この賞球数情報を受信して、それに応じた賞球排出制御を行う。
そして、当該遊技球が上述のように振分け装置30によって振り分けられた場合、通常確率導入路31に導かれた遊技球は、案内路31aに沿って垂直下方に案内され、導入口31bから案内路55に放出された後、該案内路55の内にて、回転部材53上に放出する抽選ルートと、回転部材53上に放出されない排出ルートとに選別される。その結果、遊技球が抽選ルートに移動されると、回転部材53上に放出されて該回転部材53の回転方向と逆の方向に回転移動する。この場合、回転部材53は、遊技球の転動方向とは逆の方向に緩やかに回転しているため、当該遊技球は、回転部材53の逆方向回転の影響を受けながら不規則な挙動を見せつつ減速し、特定入賞口53a、一般入賞口53b,53cの何れかに偶然的に導入されて落下することになる。
そして、落下した入賞口が特定入賞口53aの場合、遊技球は、入賞口センサ49の検知孔(図示せず)を通過した後、排出される。一方、落下した入賞口が一般入賞口53b,53cの何れかの場合、遊技球は、入賞口センサ50の検知孔(図示せず)を通過した後、排出される。
そして、遊技球が、一般入賞口53b,53cに入球した場合は、遊技制御装置60は、入賞口センサ50からの検知信号を契機として、カウンタにてカウントしたセンター飾り22内に導入された遊技球の数をデクリメントする。また、遊技球が、特定入賞口53aに入賞した場合は、入賞口センサ49によって大当たり確定の入賞が検知されると共に、該検知信号を契機として遊技制御装置60がカウンタにてカウントしたセンター飾り22内に導入された遊技球の数をデクリメントする。そして、入賞口センサ49からの上記検知信号を受けた遊技用マイクロコンピュータ62は、その旨の信号を演出制御装置69に送信する。
そして、センター飾り22内に導入された遊技球の全てが排出され、遊技制御装置60のカウンタにてカウントされた遊技球の数が零になった場合、遊技制御装置60は、通常遊技時の状態へと戻る。
以上説明したように本実施の形態よると、センター飾り22の振分け装置30に備えた振分け回動部材39が、通常確率導入路31側に傾斜する一方向と高確率導入路32側に傾斜する他方向とに交互に回動し、一方向に回動した状態にあっては導入路35から分岐路34に進入する遊技球Baに当接する段差dを形成することで、磁石を使った不正行為の無い形で分岐路34に転動してくる遊技球Baのみを乗り越えさせて該分岐路34に進入させ、かつ磁石を使った不正行為によって転動される遊技球Baを停止させて分岐路34内に進入させないように構成される。このため、導入路35と分岐路34の交差部分がT字状になって、導入路35を転動してくる遊技球Baを分岐路34に直交方向に進入させ得るようになり、不正行為を行わない通常の弾球遊技により転がり移動してくる遊技球Baは段差dを問題なく乗り越えさせて分岐路に進入させることができる。また、磁石を使った不正行為で緩やかに転がり移動してくる遊技球Baは、段差dにより速度ベクトルを0にして停止させて分岐路34内に確実に進入させないようにすることができる。
そして、導入路35から分岐路34に突入する遊技球Baの進行方向を直線状にし、分岐路34に突入する遊技球Baの進行方向を直線状にしたことで、羽根部材13aの開閉動作で取り込まれる際の勢い等に起因して導入路35を通常時より高速で分岐路34にイレギュラー的に飛び込む遊技球Baを、その勢いに影響されることなく高確率導入路32や通常確率導入路31へのイレギュラー的な進入を低減させ、所謂2種パチンコ機における肝となる高確率導入路32と通常確率導入路31への遊技球Baの振分け率を安定させることができる。また、磁石を使った不正行為で進入させようとする遊技球Baを、段差dにより分岐路34への進入を遮断することで、それ以降の遊技球Baも導入路35内に積載させて詰まらせ、磁石を使った不正行為が一度行われると当該不正行為が行われた痕跡を露呈させることができ、従って、不正報知手段としても活用することができる。
また、本実施形態によると、導入路35が、遊技球Baの直径よりやや大きい幅eを有しかつ導入路35を介して転動してくる遊技球Baを高確率導入路32側に寄せた状態で分岐路34に進入させ得るように傾斜状態で分岐路34に連結され、振分け回動部材39が、上記一方向に回動した状態にあっては、高確率導入路32側に寄った状態で分岐路34に進入する遊技球Baの中心cより下部側を当接するように分岐路34から突出するように構成される。このため、進入する遊技球Baを高確率導入路32側に寄せた状態で常に同じ位置から分岐路34に進入させることができ、従って、遊技球Baの勢いに影響されることなく高確率導入路32や通常確率導入路31へのイレギュラー的な進入を低減させる効果をより有効にすることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の弾球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した弾球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。